台本概要

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タイトル お月様のうさぎ
作者名 雪狐  (@yukikitsune_vg)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 大切にされたうさぎの小さな小さな恩返し。5分もかからない短めのお話です。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ぼく 不問 2 うさぎ
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:お月様のうさぎ  :  ぼく:うさぎ  :  ぼく:ふと気がつくと、抱きしめられた温もりと誰かが泣いている声がする ぼく:いつもよりぎゅっときつく抱きしめられると、なんだか苦しいな ぼく:あんまりきつくぎゅってしてるとお家に帰っちゃうよ? ぼく:ねぇ、そろそろ離してよ。なんで今日はこんなに苦しいの? ぼく:…あれ?なんでぼくは泣いてるんだろう? ぼく:…なんで胸の辺りが痛むんだろう? ぼく:ご主人様、泣かないで?いつもみたいに笑ってよ ぼく:ほら、いつもみたいに…いつもみたいに… ぼく:そっか、ぼくは…ぼくは…もう… ぼく:ご主人様がぼくをゆっくりと柔らかな布団の上へ下ろす ぼく:やめて、やっぱりまだぎゅってして。もっと一緒にいてよ ぼく:やだよ、寂しいよ… ぼく:ご主人様はぼくの好きな…好きだったおやつを持ってきて、ぼくの横に置いてくれた ぼく:もちろん食べることはできないけれど、ご主人様はいつものようにぼくを撫でてくれた ぼく:いっぱい頑張ったね。長生きしてくれてありがとうって、そう言いながら何度も優しく撫でてくれる ぼく:ぼくは全然頑張ってない。だから、もっと一緒に居させてよ… ぼく:すると、ご主人様は便箋と封筒をぼくの側に置いた ぼく:ご主人様曰く、大切だった家族が亡くなった時に便箋と封筒を添えてお見送りすると、その家族から返事が返ってくるらしい…とのこと ぼく:でも、ぼくうさぎだけど…人間に読めるかな?ご主人様はうさぎ語はわからないと思うけど… ぼく:ご主人様は撫でながらいろんな話をしてくれた ぼく:亡くなったうさぎはお月様に帰るんだって ぼく:そこで他のうさぎさんと楽しく暮らすんだよって ぼく:満月の日にはぼくのことを思い出して手を振ってくれるって ぼく:大好きだったおやつを用意して待ってるから、月で作ったお団子と交換しようって ぼく:そしてたくさん遊んで元気になったら、またご主人様のところに来てほしいって… ぼく:そんなこと言われたら…ずっとここに居るわけにもいかないよね? ぼく:ぼくはひと足先にお月様に行って、お手紙を書くことにするよ ぼく:だからご主人様も泣くのをやめて、ちゃんと笑って待っててね ぼく:いつもみたいに笑うご主人様が大好きなんだから! ぼく:じゃあ…またね。また会いにくるから ぼく:そう言い残し、ぼくはお月様へと昇っていく ぼく:また大好きなご主人様に会うために

0:お月様のうさぎ  :  ぼく:うさぎ  :  ぼく:ふと気がつくと、抱きしめられた温もりと誰かが泣いている声がする ぼく:いつもよりぎゅっときつく抱きしめられると、なんだか苦しいな ぼく:あんまりきつくぎゅってしてるとお家に帰っちゃうよ? ぼく:ねぇ、そろそろ離してよ。なんで今日はこんなに苦しいの? ぼく:…あれ?なんでぼくは泣いてるんだろう? ぼく:…なんで胸の辺りが痛むんだろう? ぼく:ご主人様、泣かないで?いつもみたいに笑ってよ ぼく:ほら、いつもみたいに…いつもみたいに… ぼく:そっか、ぼくは…ぼくは…もう… ぼく:ご主人様がぼくをゆっくりと柔らかな布団の上へ下ろす ぼく:やめて、やっぱりまだぎゅってして。もっと一緒にいてよ ぼく:やだよ、寂しいよ… ぼく:ご主人様はぼくの好きな…好きだったおやつを持ってきて、ぼくの横に置いてくれた ぼく:もちろん食べることはできないけれど、ご主人様はいつものようにぼくを撫でてくれた ぼく:いっぱい頑張ったね。長生きしてくれてありがとうって、そう言いながら何度も優しく撫でてくれる ぼく:ぼくは全然頑張ってない。だから、もっと一緒に居させてよ… ぼく:すると、ご主人様は便箋と封筒をぼくの側に置いた ぼく:ご主人様曰く、大切だった家族が亡くなった時に便箋と封筒を添えてお見送りすると、その家族から返事が返ってくるらしい…とのこと ぼく:でも、ぼくうさぎだけど…人間に読めるかな?ご主人様はうさぎ語はわからないと思うけど… ぼく:ご主人様は撫でながらいろんな話をしてくれた ぼく:亡くなったうさぎはお月様に帰るんだって ぼく:そこで他のうさぎさんと楽しく暮らすんだよって ぼく:満月の日にはぼくのことを思い出して手を振ってくれるって ぼく:大好きだったおやつを用意して待ってるから、月で作ったお団子と交換しようって ぼく:そしてたくさん遊んで元気になったら、またご主人様のところに来てほしいって… ぼく:そんなこと言われたら…ずっとここに居るわけにもいかないよね? ぼく:ぼくはひと足先にお月様に行って、お手紙を書くことにするよ ぼく:だからご主人様も泣くのをやめて、ちゃんと笑って待っててね ぼく:いつもみたいに笑うご主人様が大好きなんだから! ぼく:じゃあ…またね。また会いにくるから ぼく:そう言い残し、ぼくはお月様へと昇っていく ぼく:また大好きなご主人様に会うために