台本概要

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タイトル 盲目な男と醜い女性
作者名 気分屋  (@Kodokusensi)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 街灯に照らされた人気の無い夜道。
方や盲目、方や口裂け。
これは、普通では無い2人が出会う物語

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
24 盲目の男性 兼役:男N
24 醜い女性 兼役:女N
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
女:ねぇ、私綺麗? 男:はい、綺麗ですよ 女:これでも綺麗? 0:女がマスクを外し、耳まで裂けた口が顕になる 男:……えぇ、綺麗ですよ 女:本当に? 男:……すみません 男:私は貴方に嘘をつきました 女:そうよね 女:私を見て怖がらないはずがないわ 男:いえ、そうではなく 男:……私は目がほとんど見えないんです 女:目が? 男:白内障と言うやつでして、視界が酷いくらいにボヤけてしまっていて 男:……貴方が綺麗かどうか、わからないんです 女:ならこれでわかるでしょう? 0:女が男の手を取り、自分の頬へと当てる 男:……っ!これはっ! 女:(さぁ、私の顔に恐怖しなさい) 男:怪我してるんですか!? 女:……へ? 男:早く手当を……いや先に救急車? 女:……っふふふふ 女:貴方変な人ね 男:変…ですか? 女:この傷はとても昔の物だから手当の必要なんてないわ 男:そう……なんですか 女:それより、怖くないの? 女:私、口が裂けてるのよ? 男:どうでしょう? 男:私には見えませんから 女:でも、触ってわかったでしょう? 男:えぇ、よくわかりました 女:だったら…… 男:見た目なんて 男:その人を表す要素の1つに過ぎませんよ 女:…… 男:やっぱり貴方は綺麗な人ですね 女:っ!私は!……こんな見た目だし 女:綺麗なんかじゃないわよ 女:それにあなた、自分で言ったじゃない 女:見えないからわからないって 男:そうですね、わかりません 男:『見た目に関しては』ですが。 男:……この目になってから 男:今までより、人の感情を敏感に感じるようになりました 男:私が目が見えないとわかった途端 男:遠慮だったり、迷惑がっていたり 男:邪魔だと思ったり、避けられたり 男:そういった感情を持つ方がほとんどです 男:でも貴方は違った 男:私が目が見えないとわかっても 男:心が揺らぐことなく 男:そのままに接してくれた 男:……嬉しいのと同時に、とっても心の綺麗な方なんだなって思ったんです 女:私は……そんなんじゃないわよ 男:何故ですか? 女:口裂け女って知ってるでしょ? 男:あの怪談話のですか? 女:そう、私はあなた達の言う『怪異』って存在でね 女:人の恐怖心や噂話を糧に生きているの 男:確かに、口裂け女さんは広く知られていますね 女:そうよ、私は『口の裂けた醜い恐怖の口裂け女』! 女:と言っても、あなたを怖がらせることは失敗しちゃったけど 男:それは申し訳ないことを…… 女:良いのよ 女:それに……嬉しかったの 男:嬉しかった? 女:私たち怪異は、人を怖がらせる為だけに生きてるの 女:いつ生まれたかもわからず、ただ怖がらせ続けるだけ 女:そんな私が、まるで普通の人のような扱いをされたのよ? 女:私を怖がらないことが、悔しかったし腹が立った 女:けど…… 女:それ以上に嬉しかったの 女:ある意味そこは、あなたと似ているのかもしれないわね 男:普通に扱われることの喜び……ですか 女:普通って難しいわね 女:ま、普通じゃない私たちだからこそ分かるのかもしれないけど 男:ふふっ、なんか嬉しいですね 男:まさか目が見えなくなったおかげで 男:こんな良縁に恵まれるとは 女:いや、あなたなら目が見えていても同じだったと思うわ 女:そんな気がする 女:だってあなた……変だもの 男:……そうかもしれませんね 女:ねぇ、あなたの名前を聞いてもいいかしら? 男:あぁ、自己紹介がまだでしたね 男:私は…… 0:以下ナレーション 女N:これは盲目の男と醜い女の出会いの物語 男N:普通では無い故に惹かれ合った二人の物語

女:ねぇ、私綺麗? 男:はい、綺麗ですよ 女:これでも綺麗? 0:女がマスクを外し、耳まで裂けた口が顕になる 男:……えぇ、綺麗ですよ 女:本当に? 男:……すみません 男:私は貴方に嘘をつきました 女:そうよね 女:私を見て怖がらないはずがないわ 男:いえ、そうではなく 男:……私は目がほとんど見えないんです 女:目が? 男:白内障と言うやつでして、視界が酷いくらいにボヤけてしまっていて 男:……貴方が綺麗かどうか、わからないんです 女:ならこれでわかるでしょう? 0:女が男の手を取り、自分の頬へと当てる 男:……っ!これはっ! 女:(さぁ、私の顔に恐怖しなさい) 男:怪我してるんですか!? 女:……へ? 男:早く手当を……いや先に救急車? 女:……っふふふふ 女:貴方変な人ね 男:変…ですか? 女:この傷はとても昔の物だから手当の必要なんてないわ 男:そう……なんですか 女:それより、怖くないの? 女:私、口が裂けてるのよ? 男:どうでしょう? 男:私には見えませんから 女:でも、触ってわかったでしょう? 男:えぇ、よくわかりました 女:だったら…… 男:見た目なんて 男:その人を表す要素の1つに過ぎませんよ 女:…… 男:やっぱり貴方は綺麗な人ですね 女:っ!私は!……こんな見た目だし 女:綺麗なんかじゃないわよ 女:それにあなた、自分で言ったじゃない 女:見えないからわからないって 男:そうですね、わかりません 男:『見た目に関しては』ですが。 男:……この目になってから 男:今までより、人の感情を敏感に感じるようになりました 男:私が目が見えないとわかった途端 男:遠慮だったり、迷惑がっていたり 男:邪魔だと思ったり、避けられたり 男:そういった感情を持つ方がほとんどです 男:でも貴方は違った 男:私が目が見えないとわかっても 男:心が揺らぐことなく 男:そのままに接してくれた 男:……嬉しいのと同時に、とっても心の綺麗な方なんだなって思ったんです 女:私は……そんなんじゃないわよ 男:何故ですか? 女:口裂け女って知ってるでしょ? 男:あの怪談話のですか? 女:そう、私はあなた達の言う『怪異』って存在でね 女:人の恐怖心や噂話を糧に生きているの 男:確かに、口裂け女さんは広く知られていますね 女:そうよ、私は『口の裂けた醜い恐怖の口裂け女』! 女:と言っても、あなたを怖がらせることは失敗しちゃったけど 男:それは申し訳ないことを…… 女:良いのよ 女:それに……嬉しかったの 男:嬉しかった? 女:私たち怪異は、人を怖がらせる為だけに生きてるの 女:いつ生まれたかもわからず、ただ怖がらせ続けるだけ 女:そんな私が、まるで普通の人のような扱いをされたのよ? 女:私を怖がらないことが、悔しかったし腹が立った 女:けど…… 女:それ以上に嬉しかったの 女:ある意味そこは、あなたと似ているのかもしれないわね 男:普通に扱われることの喜び……ですか 女:普通って難しいわね 女:ま、普通じゃない私たちだからこそ分かるのかもしれないけど 男:ふふっ、なんか嬉しいですね 男:まさか目が見えなくなったおかげで 男:こんな良縁に恵まれるとは 女:いや、あなたなら目が見えていても同じだったと思うわ 女:そんな気がする 女:だってあなた……変だもの 男:……そうかもしれませんね 女:ねぇ、あなたの名前を聞いてもいいかしら? 男:あぁ、自己紹介がまだでしたね 男:私は…… 0:以下ナレーション 女N:これは盲目の男と醜い女の出会いの物語 男N:普通では無い故に惹かれ合った二人の物語