台本概要
205 views
タイトル | 盲目な男と醜い女性 |
---|---|
作者名 | 気分屋 (@Kodokusensi) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) ※兼役あり |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
街灯に照らされた人気の無い夜道。 方や盲目、方や口裂け。 これは、普通では無い2人が出会う物語 205 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
男 | 男 | 24 | 盲目の男性 兼役:男N |
女 | 女 | 24 | 醜い女性 兼役:女N |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
女:ねぇ、私綺麗?
男:はい、綺麗ですよ
女:これでも綺麗?
0:女がマスクを外し、耳まで裂けた口が顕になる
男:……えぇ、綺麗ですよ
女:本当に?
男:……すみません
男:私は貴方に嘘をつきました
女:そうよね
女:私を見て怖がらないはずがないわ
男:いえ、そうではなく
男:……私は目がほとんど見えないんです
女:目が?
男:白内障と言うやつでして、視界が酷いくらいにボヤけてしまっていて
男:……貴方が綺麗かどうか、わからないんです
女:ならこれでわかるでしょう?
0:女が男の手を取り、自分の頬へと当てる
男:……っ!これはっ!
女:(さぁ、私の顔に恐怖しなさい)
男:怪我してるんですか!?
女:……へ?
男:早く手当を……いや先に救急車?
女:……っふふふふ
女:貴方変な人ね
男:変…ですか?
女:この傷はとても昔の物だから手当の必要なんてないわ
男:そう……なんですか
女:それより、怖くないの?
女:私、口が裂けてるのよ?
男:どうでしょう?
男:私には見えませんから
女:でも、触ってわかったでしょう?
男:えぇ、よくわかりました
女:だったら……
男:見た目なんて
男:その人を表す要素の1つに過ぎませんよ
女:……
男:やっぱり貴方は綺麗な人ですね
女:っ!私は!……こんな見た目だし
女:綺麗なんかじゃないわよ
女:それにあなた、自分で言ったじゃない
女:見えないからわからないって
男:そうですね、わかりません
男:『見た目に関しては』ですが。
男:……この目になってから
男:今までより、人の感情を敏感に感じるようになりました
男:私が目が見えないとわかった途端
男:遠慮だったり、迷惑がっていたり
男:邪魔だと思ったり、避けられたり
男:そういった感情を持つ方がほとんどです
男:でも貴方は違った
男:私が目が見えないとわかっても
男:心が揺らぐことなく
男:そのままに接してくれた
男:……嬉しいのと同時に、とっても心の綺麗な方なんだなって思ったんです
女:私は……そんなんじゃないわよ
男:何故ですか?
女:口裂け女って知ってるでしょ?
男:あの怪談話のですか?
女:そう、私はあなた達の言う『怪異』って存在でね
女:人の恐怖心や噂話を糧に生きているの
男:確かに、口裂け女さんは広く知られていますね
女:そうよ、私は『口の裂けた醜い恐怖の口裂け女』!
女:と言っても、あなたを怖がらせることは失敗しちゃったけど
男:それは申し訳ないことを……
女:良いのよ
女:それに……嬉しかったの
男:嬉しかった?
女:私たち怪異は、人を怖がらせる為だけに生きてるの
女:いつ生まれたかもわからず、ただ怖がらせ続けるだけ
女:そんな私が、まるで普通の人のような扱いをされたのよ?
女:私を怖がらないことが、悔しかったし腹が立った
女:けど……
女:それ以上に嬉しかったの
女:ある意味そこは、あなたと似ているのかもしれないわね
男:普通に扱われることの喜び……ですか
女:普通って難しいわね
女:ま、普通じゃない私たちだからこそ分かるのかもしれないけど
男:ふふっ、なんか嬉しいですね
男:まさか目が見えなくなったおかげで
男:こんな良縁に恵まれるとは
女:いや、あなたなら目が見えていても同じだったと思うわ
女:そんな気がする
女:だってあなた……変だもの
男:……そうかもしれませんね
女:ねぇ、あなたの名前を聞いてもいいかしら?
男:あぁ、自己紹介がまだでしたね
男:私は……
0:以下ナレーション
女N:これは盲目の男と醜い女の出会いの物語
男N:普通では無い故に惹かれ合った二人の物語
女:ねぇ、私綺麗?
男:はい、綺麗ですよ
女:これでも綺麗?
0:女がマスクを外し、耳まで裂けた口が顕になる
男:……えぇ、綺麗ですよ
女:本当に?
男:……すみません
男:私は貴方に嘘をつきました
女:そうよね
女:私を見て怖がらないはずがないわ
男:いえ、そうではなく
男:……私は目がほとんど見えないんです
女:目が?
男:白内障と言うやつでして、視界が酷いくらいにボヤけてしまっていて
男:……貴方が綺麗かどうか、わからないんです
女:ならこれでわかるでしょう?
0:女が男の手を取り、自分の頬へと当てる
男:……っ!これはっ!
女:(さぁ、私の顔に恐怖しなさい)
男:怪我してるんですか!?
女:……へ?
男:早く手当を……いや先に救急車?
女:……っふふふふ
女:貴方変な人ね
男:変…ですか?
女:この傷はとても昔の物だから手当の必要なんてないわ
男:そう……なんですか
女:それより、怖くないの?
女:私、口が裂けてるのよ?
男:どうでしょう?
男:私には見えませんから
女:でも、触ってわかったでしょう?
男:えぇ、よくわかりました
女:だったら……
男:見た目なんて
男:その人を表す要素の1つに過ぎませんよ
女:……
男:やっぱり貴方は綺麗な人ですね
女:っ!私は!……こんな見た目だし
女:綺麗なんかじゃないわよ
女:それにあなた、自分で言ったじゃない
女:見えないからわからないって
男:そうですね、わかりません
男:『見た目に関しては』ですが。
男:……この目になってから
男:今までより、人の感情を敏感に感じるようになりました
男:私が目が見えないとわかった途端
男:遠慮だったり、迷惑がっていたり
男:邪魔だと思ったり、避けられたり
男:そういった感情を持つ方がほとんどです
男:でも貴方は違った
男:私が目が見えないとわかっても
男:心が揺らぐことなく
男:そのままに接してくれた
男:……嬉しいのと同時に、とっても心の綺麗な方なんだなって思ったんです
女:私は……そんなんじゃないわよ
男:何故ですか?
女:口裂け女って知ってるでしょ?
男:あの怪談話のですか?
女:そう、私はあなた達の言う『怪異』って存在でね
女:人の恐怖心や噂話を糧に生きているの
男:確かに、口裂け女さんは広く知られていますね
女:そうよ、私は『口の裂けた醜い恐怖の口裂け女』!
女:と言っても、あなたを怖がらせることは失敗しちゃったけど
男:それは申し訳ないことを……
女:良いのよ
女:それに……嬉しかったの
男:嬉しかった?
女:私たち怪異は、人を怖がらせる為だけに生きてるの
女:いつ生まれたかもわからず、ただ怖がらせ続けるだけ
女:そんな私が、まるで普通の人のような扱いをされたのよ?
女:私を怖がらないことが、悔しかったし腹が立った
女:けど……
女:それ以上に嬉しかったの
女:ある意味そこは、あなたと似ているのかもしれないわね
男:普通に扱われることの喜び……ですか
女:普通って難しいわね
女:ま、普通じゃない私たちだからこそ分かるのかもしれないけど
男:ふふっ、なんか嬉しいですね
男:まさか目が見えなくなったおかげで
男:こんな良縁に恵まれるとは
女:いや、あなたなら目が見えていても同じだったと思うわ
女:そんな気がする
女:だってあなた……変だもの
男:……そうかもしれませんね
女:ねぇ、あなたの名前を聞いてもいいかしら?
男:あぁ、自己紹介がまだでしたね
男:私は……
0:以下ナレーション
女N:これは盲目の男と醜い女の出会いの物語
男N:普通では無い故に惹かれ合った二人の物語