台本概要

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タイトル 我ら戦争屋!
作者名 にこだあ
ジャンル その他
演者人数 5人用台本(不問5)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 楽しくやってくださいな

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
総統 不問 31 クジラ、頭のおかしい軍のトップ
補佐 不問 26 シャチ、愉快な仲間に振り回されてる総統の右腕
戦闘員 不問 62 サメ、短気な元暗殺者
通信士 不問 31 ラブカ、気怠げハッカー
新人 不問 85 キロ、本当の名は…?
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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総統:(力とはすなわち権力なり。 総統:権力のもとに人は跪き、救いを求める。 総統:  総統:では救いとは何か。 総統:人々の求めるものとは。 総統:  総統:わからないから耳を傾けるのだ。 総統:誰かの叫びに。苦しみに。 総統:  総統:わからないから我らは)  :  総統:新しい幹部を紹介する 戦闘員:は?新しい幹部? 補佐:またこの人は… 戦闘員:え、待って、は?新しい幹部って…シャチも知らなかったのか? 補佐:聞いていない…総統、こういった話は一度相談してからって 総統:入ってこい 補佐:人の話を聞けよ…  :  0:ドアが開く  :  新人:初めまして!戦闘員のキロです!よろしくお願いします! 戦闘員:!? 補佐:っ… 通信士:… 新人:えーと、あまり歓迎はされてない感じですかね? 総統:やあやあようこそキロくん、君の加入を歓迎するよ 新人:いや絶対そんな雰囲気じゃないっすよね?! 新人:総統さん話が違うじゃないっすかあ! 補佐:…新人くん、君はこの暴君と…その知り合いなのか? 新人:えーと…そうっすね。一応… 戦闘員:背も低い、ガタイもよくない。そんなんでこの軍の戦闘員やっていけると思ってるのか? 新人:あー…まあ、体格には恵まれていない自覚はあるっす… 戦闘員:なあクジラ!考え直せって! 総統:何をだ? 戦闘員:うぐっ…だから、こいつの加入についてだよ! 総統:ふむ…ラブカ、お前はどう思う 通信士:別にいいんじゃない…?僕には関係ないし、興味もないよ 戦闘員:おいラブカ! 通信士:戦えなかったら死ぬだけ…僕は誰も信用してないし、この人が使えても使えなくてもナビゲートに支障はないよ… 戦闘員:でも! 総統:あっはっは!その通りだ! 補佐:…サメさん、こうなってしまった総統はもう梃子でも動かせないよ… 新人:何この雰囲気…帰っていいすか… 総統:時に新人 新人:…なんすか 総統:力とはなんだと思う 新人:はい? 補佐:始まった…クジラさんの力理論… 総統:お前にとっての力とは、なんだ? 新人:俺にとっての力… 総統:この問いに応えられたなら、お前を一人前の幹部と皆認めるだろう! 総統:さあ励めよ新人!経験も時に力となる!  :  新人:こうして俺の苦悩は始まったのである  :  補佐:…てわけで、お前にはまずここに慣れてもらうためにサメと行動してもらう 戦闘員:… 新人:いや…めちゃくちゃ嫌そうなんすけど… 補佐:悪いな、言い出しっぺのあのバカは一応この軍のトップだから新人のお前に四六時中くっついてられると困る…私はあのバカがためた書類を捌くので精一杯だし…ラブカは基本通信室からは出てこないし…任務以外は基本暇してるサメが適任っていうことだ 戦闘員:暇じゃねーし! 補佐:暇だろ。まあそういうことだから。仲良くやってくれ 0:シャチがその場を立ち去る 新人:行っちゃったし… 戦闘員:クッソ〜!!!!!クソクソクソ!!!!! 新人:めっちゃキレてるし… 戦闘員:おい新人! 新人:は、はい! 戦闘員:俺は足手まといが大っ嫌いだ 新人:う、うす 戦闘員:何か一つでも怪しい行動したら即拷問室ぶちこむからな! 新人:ひっ…はい!!  :  通信士:…ふーん、それでサメちゃんが新人くんのお世話することになったんだ… 補佐:まあな…先が思いやられるけど… 通信士:…それで?シャチは何が心配なの? 補佐:いや、全部… 通信士:なんの根拠もない心配をするようなタイプじゃないでしょ 補佐:いや…うーん…まあなあ… 通信士:疑ってる…とか? 補佐:っ…!あー…やっぱりお前にはお見通しか… 補佐:クジラが連れてきたやつだからな、何かあるとは思ってる 通信士:…ふーん 補佐:ま、まあここでごちゃごちゃ言っててもしょうがないのはわかってるから 補佐:とりあえずラブさんもサメのフォローよろしく頼んだ 通信士:…善処する 補佐:そこは嘘でもわかったって言って欲しいんだが… 通信士:善処する 補佐:わかったって  :  新人:任務…ですか? 総統:ああ、やはりお前の実力を示すには実際にその力を見せつけてやる必要があると思ってな 新人:僕まだここにきて一週間なんすけど… 総統:その割にサメとはうまくやっているようじゃないか 新人:うまくやってるように見えますかね?!?!?! 新人:ことあるごとに絞められて投げられて殺されかけてるんですけど!!!! 総統:あっはっは!いいじゃないか、実に楽しい! 新人:ああ…ダメだ、この人普通じゃないんだった… 総統:何を隠そう、私もあいつに殺されかけたことがある 新人:あーはい…はい? 総統:あいつはもと暗殺者だからな、私とあいつの関係はターゲットと殺し屋だ 新人:なんでそんなやつをここに置いてるんすか… 総統:なぜか?私が欲しいと思ったからだ! 新人:頭痛くなってきた… 総統:力とは圧倒的殺意だとさ 新人:…へ 総統:あの時、サメが私に示した応えだ。私は気に入った、あいつが欲しいと思った! 総統:だからここへ招いたのだ 新人:…変なやつばっかりだってことは、まあなんとなくわかったすよ 総統:お前のこともだ、キロ 総統:お前のことも欲しいと思った 新人:… 総統:お前らしい応えを期待しているぞ  :  通信士:(通信機から聞こえる声)あーあー、聞こえる? 新人:聞こえます… 通信士:おっけー…じゃあこのまま繋げておいてね。サメちゃんは? 新人:よくわからない言葉を発して頭を抱えています 通信士:そっか、じゃあ頭叩いといて 新人:いや無理っす!!!! 通信士:新人くん、そこから軍の中の様子は見える? 新人:切り替え…いや、ちょっと距離があるんで。見えないっす 通信士:了解、侵入経路の確保をするから見つからないように隠れててくれる? 新人:了解っす…ちょ、サメさんいくっすよ 戦闘員:なんで俺がこいつの子守なんて… 新人:嫌なのは十分わかったんで! 通信士:…そういえば、クジラの問いの応えは見つかったの? 新人:え、今っすか…や、その…考えてはいるんすけどなかなか… 通信士:力とは何か、それは人によって応えが違うんだ…例えばシャチは強さ、サメちゃんなんかは… 戦闘員:(遮る)言わんでいい! 新人:圧倒的殺意…っすよね 戦闘員:…なんで知ってる 新人:クジラさんに聞いたんすよ、この任務が始まる前に 戦闘員:…お前、クジラとどういう関係なんだよ 新人:…少なくとも、ターゲットと暗殺者の関係ではないことは言っておきます 戦闘員:お前どこまで知ってんだぁ!!!! 通信士:よし、出来たよ。端末に経路を送っておいたから確認よろしく 新人:ありがとうございます…先輩、よろしくっす 戦闘員:ふんっ  :  新人:とりあえず中には入れました…カメラ起動させますね 戦闘員:怪しいくらい人の気配がない。何か仕組まれていることも視野に入れとけ 通信士:監視カメラにも人が写ってない…とりあえずはさっき送った経路に従って進んで 新人:わかりました 戦闘員:待て 新人:? 戦闘員:…お前舐めてんのか 新人:は、はい?!なんすかいきなり!! 戦闘員:お前じゃねえ!おいラブカ! 通信士:… 戦闘員:お前、仕組んだな 新人:…え 通信士:…さすが、サメちゃんは鼻がいいね。ワンちゃんに改名した方がいいんじゃない? 戦闘員:ふざけんじゃねえぞ 新人:え、ちょ…どういうことっすか 戦闘員:俺たちはここから出られねえ。こいつに…ラブカにはめられた 新人:は?!どうして…裏切ったってことっすか?! 通信士:嫌だなあ…変な言い方しないでよ。最初に言ったはずだよ、僕は誰のことも信用してない。僕は僕の任務遂行のためならなんだってするよ、たとえ味方を騙すことになってもね 戦闘員:…はあ 新人:え、ちょ、サメさん?! 戦闘員:うるせーな、こいつの指示には従えねえし俺たちは経路がわからねえ。帰り道もねえ。ここで死を待つことしか出来ねえ。 戦闘員:闇雲に動いたって死期を早めるだけだろ 通信士:僕の指示に従うならサポートしてあげるけど? 戦闘員:帰ったら覚えとけよ 通信士:帰れるといいね 新人:…な…  :  新人:(どうしたらいい、どうしたら…) 新人:(この状況を変えられる?)  :  総統:調子はどうだ 通信士:サメちゃんには気づかれちゃった〜…全く、クジラも人が悪いよね。命をなんだと思ってるんだか。 補佐:その割に生き生きと騙してましたけどねえ… 通信士:語弊があるよ。僕は自分の任務を遂行しただけ。あとはこの二人…新人くんがどうするか 総統:私はこいつらを信じている。こんなつまらんことで命を落とすような奴らに私は光を見出したりしない 補佐:…で、今の状況は 通信士:僕は敵に侵入者の情報を流しただけ。経路には何も仕掛けてないし従ってくれれば任務自体は簡単に遂行できるよ 総統:ほう…面白いことになりそうだな 補佐:墓石が二つ増えないことを祈る…  :  新人:…サメさん、通信機一度切ってください 戦闘員:…? 新人:カメラも一度落とします 戦闘員:…何するつもりだ 新人:落としましたか? 戦闘員:…おお、それで? 新人:ラブカさん、さっき任務の遂行って言ってたっすよね 戦闘員:それがどうした 新人:僕たち二人を始末する…それは多分、目的じゃないです 新人:戦闘員として名の知れているサメさんの始末ならともかく、名の知れていない新人の僕がターゲットにされるはずがない 戦闘員:めんどくせえから二人まとめて…ってことじゃねえのか 新人:それならまだ実力も能力も知らない僕との合同任務ではなくサメさん単体の任務時を狙うと思います 新人:だからラブカさんの示した経路に一旦従いませんか 戦闘員:… 新人:敵がいない、すなわちこちらの情報が漏れている。僕らが一番避けなきゃいけないのは同じ場所にとどまって袋の鼠にされること 新人:どうですか、僕の作戦。乗ってみますか? 戦闘員:…おもしれーじゃん  :  新人:サメさん、どうですか 戦闘員:変わらず。人の気配はねえよ 新人:これはきっと目的のものに目を向けている隙を狙ってますね… 戦闘員:どうすんだ 新人:…乗りましょうか。っと、その前にこれを。 戦闘員:なんだこれ 新人:まあまあ、いつか必要になりますよ 戦闘員:… 新人:…サメさん 戦闘員:…なんだよ 新人:…なんで、暗殺者なんて 戦闘員:… 新人:調子乗りました、そんなペラペラ話すことじゃないっすよね 戦闘員:それしか生きる道がわからなかった。生きるために必要な金も、力も。殺すことでしか得ることができなかった 新人:… 戦闘員:そしたら、全部なくなってた 新人:え… 戦闘員:生きるために必要だった大切なものも、守りたいものも。気づいたら全部無くなってた。だから 戦闘員:俺なりに、今いる場所は守りたいって思ってる 新人:そ、ですか… 戦闘員:ん、ついたけど。どうする? 新人:…サメさん 戦闘員:なんだよ 新人:俺もです 戦闘員:あ? 新人:俺も、守りたいって思ってます  :  通信士:あ、写った 総統:全く退屈でつまらなかったぞ!通信機もカメラも切るなんて!あいつにはエンターテイナー精神というものがないのか! 補佐:まあ裏切った相手に対しての対応としてはよくできてるんじゃないですか… 通信士:順調に抜き取ってるみたいだね…さすがにこっちに送ってはくれないか 総統:おお!みろ!敵があいつらに向かっていってるぞ! 補佐:さすがにこの状況はサメさんにも覆せないだろ… 通信士:…  :  戦闘員:ようやく気配が集まってきたな 新人:…サメさん、さっき渡したやつ 戦闘員:あ? 新人:しっかり身につけていてくださいね 戦闘員:…?  :  戦闘員:(瞬間、起動するスプリンクラー。しかし放出されたものは)  :  戦闘員:…毒? 新人:やっぱり…ラブカさんの目的は僕らと同じ。利害が一致していれば協力はしてくれると思っていましたよ 戦闘員:(基地内全てに放出されたらしいこの毒によって、そこら中から悲鳴のような声が聞こえた)  :  戦闘員:てかお前…マスクは?! 新人:あいにく持ち合わせているものがひとつしかなくて…まあ大丈夫です 戦闘員:大丈夫じゃないだろ!!! 新人:まあまあ…ところでサメさん、情報は抜き取れましたか? 戦闘員:そ、それはもう終わって…なっ! 新人:…? 戦闘員:…ロックがかかってる 新人:えええ?! 戦闘員:まあ敵の情報がわかってたらこうもなるよな… 新人:どうするんですか…ここまでしたのに… 戦闘員:…っ 新人:え、サメさん?何して… 戦闘員:ラブカぁ!!!!仕事しろ!!!!  :  通信士:…力とは、策略なり  :  新人:(そのあとは、一瞬だった。 新人:ラブカさんのハッキングによって情報は全て抜き取り。 新人:サメさんによって生き残りは全滅させられた。 新人: 新人:そして、俺はというと)  :  補佐:まあ、あそこまで毒を吸って逆に生きてるのが奇跡だからな…数日間の寝たきりはしょうがないだろ… 新人:まあ、そっすよね… 補佐:今回のことでサメはあんたのこと認めただろうし、まあ…よく頑張った 新人:へへ…僕、なんとなくわかったっすよ 補佐:? 新人:力とは、仲間なり…なんちゃって 補佐:…ふっ  :  総統:『仲間に裏切られたか』 新人:『…』 総統:『お前は死ぬのか』 新人:『…』 総統:『わかっている、お前の目はまだ死んでいない』 新人:『…す…こ、ろす…』 総統:『クククっ…どうだ、私の元でもう一度仲間のために死んでみないか』 新人:『…?』 総統:『毒を持って毒を制す…お前の武器は美しい』 総統:『お前が欲しい、私の元へこい「キロネックス」』  :  新人:俺の持つ、最強の毒で 新人:なってやるよ、お前の仲間に…

総統:(力とはすなわち権力なり。 総統:権力のもとに人は跪き、救いを求める。 総統:  総統:では救いとは何か。 総統:人々の求めるものとは。 総統:  総統:わからないから耳を傾けるのだ。 総統:誰かの叫びに。苦しみに。 総統:  総統:わからないから我らは)  :  総統:新しい幹部を紹介する 戦闘員:は?新しい幹部? 補佐:またこの人は… 戦闘員:え、待って、は?新しい幹部って…シャチも知らなかったのか? 補佐:聞いていない…総統、こういった話は一度相談してからって 総統:入ってこい 補佐:人の話を聞けよ…  :  0:ドアが開く  :  新人:初めまして!戦闘員のキロです!よろしくお願いします! 戦闘員:!? 補佐:っ… 通信士:… 新人:えーと、あまり歓迎はされてない感じですかね? 総統:やあやあようこそキロくん、君の加入を歓迎するよ 新人:いや絶対そんな雰囲気じゃないっすよね?! 新人:総統さん話が違うじゃないっすかあ! 補佐:…新人くん、君はこの暴君と…その知り合いなのか? 新人:えーと…そうっすね。一応… 戦闘員:背も低い、ガタイもよくない。そんなんでこの軍の戦闘員やっていけると思ってるのか? 新人:あー…まあ、体格には恵まれていない自覚はあるっす… 戦闘員:なあクジラ!考え直せって! 総統:何をだ? 戦闘員:うぐっ…だから、こいつの加入についてだよ! 総統:ふむ…ラブカ、お前はどう思う 通信士:別にいいんじゃない…?僕には関係ないし、興味もないよ 戦闘員:おいラブカ! 通信士:戦えなかったら死ぬだけ…僕は誰も信用してないし、この人が使えても使えなくてもナビゲートに支障はないよ… 戦闘員:でも! 総統:あっはっは!その通りだ! 補佐:…サメさん、こうなってしまった総統はもう梃子でも動かせないよ… 新人:何この雰囲気…帰っていいすか… 総統:時に新人 新人:…なんすか 総統:力とはなんだと思う 新人:はい? 補佐:始まった…クジラさんの力理論… 総統:お前にとっての力とは、なんだ? 新人:俺にとっての力… 総統:この問いに応えられたなら、お前を一人前の幹部と皆認めるだろう! 総統:さあ励めよ新人!経験も時に力となる!  :  新人:こうして俺の苦悩は始まったのである  :  補佐:…てわけで、お前にはまずここに慣れてもらうためにサメと行動してもらう 戦闘員:… 新人:いや…めちゃくちゃ嫌そうなんすけど… 補佐:悪いな、言い出しっぺのあのバカは一応この軍のトップだから新人のお前に四六時中くっついてられると困る…私はあのバカがためた書類を捌くので精一杯だし…ラブカは基本通信室からは出てこないし…任務以外は基本暇してるサメが適任っていうことだ 戦闘員:暇じゃねーし! 補佐:暇だろ。まあそういうことだから。仲良くやってくれ 0:シャチがその場を立ち去る 新人:行っちゃったし… 戦闘員:クッソ〜!!!!!クソクソクソ!!!!! 新人:めっちゃキレてるし… 戦闘員:おい新人! 新人:は、はい! 戦闘員:俺は足手まといが大っ嫌いだ 新人:う、うす 戦闘員:何か一つでも怪しい行動したら即拷問室ぶちこむからな! 新人:ひっ…はい!!  :  通信士:…ふーん、それでサメちゃんが新人くんのお世話することになったんだ… 補佐:まあな…先が思いやられるけど… 通信士:…それで?シャチは何が心配なの? 補佐:いや、全部… 通信士:なんの根拠もない心配をするようなタイプじゃないでしょ 補佐:いや…うーん…まあなあ… 通信士:疑ってる…とか? 補佐:っ…!あー…やっぱりお前にはお見通しか… 補佐:クジラが連れてきたやつだからな、何かあるとは思ってる 通信士:…ふーん 補佐:ま、まあここでごちゃごちゃ言っててもしょうがないのはわかってるから 補佐:とりあえずラブさんもサメのフォローよろしく頼んだ 通信士:…善処する 補佐:そこは嘘でもわかったって言って欲しいんだが… 通信士:善処する 補佐:わかったって  :  新人:任務…ですか? 総統:ああ、やはりお前の実力を示すには実際にその力を見せつけてやる必要があると思ってな 新人:僕まだここにきて一週間なんすけど… 総統:その割にサメとはうまくやっているようじゃないか 新人:うまくやってるように見えますかね?!?!?! 新人:ことあるごとに絞められて投げられて殺されかけてるんですけど!!!! 総統:あっはっは!いいじゃないか、実に楽しい! 新人:ああ…ダメだ、この人普通じゃないんだった… 総統:何を隠そう、私もあいつに殺されかけたことがある 新人:あーはい…はい? 総統:あいつはもと暗殺者だからな、私とあいつの関係はターゲットと殺し屋だ 新人:なんでそんなやつをここに置いてるんすか… 総統:なぜか?私が欲しいと思ったからだ! 新人:頭痛くなってきた… 総統:力とは圧倒的殺意だとさ 新人:…へ 総統:あの時、サメが私に示した応えだ。私は気に入った、あいつが欲しいと思った! 総統:だからここへ招いたのだ 新人:…変なやつばっかりだってことは、まあなんとなくわかったすよ 総統:お前のこともだ、キロ 総統:お前のことも欲しいと思った 新人:… 総統:お前らしい応えを期待しているぞ  :  通信士:(通信機から聞こえる声)あーあー、聞こえる? 新人:聞こえます… 通信士:おっけー…じゃあこのまま繋げておいてね。サメちゃんは? 新人:よくわからない言葉を発して頭を抱えています 通信士:そっか、じゃあ頭叩いといて 新人:いや無理っす!!!! 通信士:新人くん、そこから軍の中の様子は見える? 新人:切り替え…いや、ちょっと距離があるんで。見えないっす 通信士:了解、侵入経路の確保をするから見つからないように隠れててくれる? 新人:了解っす…ちょ、サメさんいくっすよ 戦闘員:なんで俺がこいつの子守なんて… 新人:嫌なのは十分わかったんで! 通信士:…そういえば、クジラの問いの応えは見つかったの? 新人:え、今っすか…や、その…考えてはいるんすけどなかなか… 通信士:力とは何か、それは人によって応えが違うんだ…例えばシャチは強さ、サメちゃんなんかは… 戦闘員:(遮る)言わんでいい! 新人:圧倒的殺意…っすよね 戦闘員:…なんで知ってる 新人:クジラさんに聞いたんすよ、この任務が始まる前に 戦闘員:…お前、クジラとどういう関係なんだよ 新人:…少なくとも、ターゲットと暗殺者の関係ではないことは言っておきます 戦闘員:お前どこまで知ってんだぁ!!!! 通信士:よし、出来たよ。端末に経路を送っておいたから確認よろしく 新人:ありがとうございます…先輩、よろしくっす 戦闘員:ふんっ  :  新人:とりあえず中には入れました…カメラ起動させますね 戦闘員:怪しいくらい人の気配がない。何か仕組まれていることも視野に入れとけ 通信士:監視カメラにも人が写ってない…とりあえずはさっき送った経路に従って進んで 新人:わかりました 戦闘員:待て 新人:? 戦闘員:…お前舐めてんのか 新人:は、はい?!なんすかいきなり!! 戦闘員:お前じゃねえ!おいラブカ! 通信士:… 戦闘員:お前、仕組んだな 新人:…え 通信士:…さすが、サメちゃんは鼻がいいね。ワンちゃんに改名した方がいいんじゃない? 戦闘員:ふざけんじゃねえぞ 新人:え、ちょ…どういうことっすか 戦闘員:俺たちはここから出られねえ。こいつに…ラブカにはめられた 新人:は?!どうして…裏切ったってことっすか?! 通信士:嫌だなあ…変な言い方しないでよ。最初に言ったはずだよ、僕は誰のことも信用してない。僕は僕の任務遂行のためならなんだってするよ、たとえ味方を騙すことになってもね 戦闘員:…はあ 新人:え、ちょ、サメさん?! 戦闘員:うるせーな、こいつの指示には従えねえし俺たちは経路がわからねえ。帰り道もねえ。ここで死を待つことしか出来ねえ。 戦闘員:闇雲に動いたって死期を早めるだけだろ 通信士:僕の指示に従うならサポートしてあげるけど? 戦闘員:帰ったら覚えとけよ 通信士:帰れるといいね 新人:…な…  :  新人:(どうしたらいい、どうしたら…) 新人:(この状況を変えられる?)  :  総統:調子はどうだ 通信士:サメちゃんには気づかれちゃった〜…全く、クジラも人が悪いよね。命をなんだと思ってるんだか。 補佐:その割に生き生きと騙してましたけどねえ… 通信士:語弊があるよ。僕は自分の任務を遂行しただけ。あとはこの二人…新人くんがどうするか 総統:私はこいつらを信じている。こんなつまらんことで命を落とすような奴らに私は光を見出したりしない 補佐:…で、今の状況は 通信士:僕は敵に侵入者の情報を流しただけ。経路には何も仕掛けてないし従ってくれれば任務自体は簡単に遂行できるよ 総統:ほう…面白いことになりそうだな 補佐:墓石が二つ増えないことを祈る…  :  新人:…サメさん、通信機一度切ってください 戦闘員:…? 新人:カメラも一度落とします 戦闘員:…何するつもりだ 新人:落としましたか? 戦闘員:…おお、それで? 新人:ラブカさん、さっき任務の遂行って言ってたっすよね 戦闘員:それがどうした 新人:僕たち二人を始末する…それは多分、目的じゃないです 新人:戦闘員として名の知れているサメさんの始末ならともかく、名の知れていない新人の僕がターゲットにされるはずがない 戦闘員:めんどくせえから二人まとめて…ってことじゃねえのか 新人:それならまだ実力も能力も知らない僕との合同任務ではなくサメさん単体の任務時を狙うと思います 新人:だからラブカさんの示した経路に一旦従いませんか 戦闘員:… 新人:敵がいない、すなわちこちらの情報が漏れている。僕らが一番避けなきゃいけないのは同じ場所にとどまって袋の鼠にされること 新人:どうですか、僕の作戦。乗ってみますか? 戦闘員:…おもしれーじゃん  :  新人:サメさん、どうですか 戦闘員:変わらず。人の気配はねえよ 新人:これはきっと目的のものに目を向けている隙を狙ってますね… 戦闘員:どうすんだ 新人:…乗りましょうか。っと、その前にこれを。 戦闘員:なんだこれ 新人:まあまあ、いつか必要になりますよ 戦闘員:… 新人:…サメさん 戦闘員:…なんだよ 新人:…なんで、暗殺者なんて 戦闘員:… 新人:調子乗りました、そんなペラペラ話すことじゃないっすよね 戦闘員:それしか生きる道がわからなかった。生きるために必要な金も、力も。殺すことでしか得ることができなかった 新人:… 戦闘員:そしたら、全部なくなってた 新人:え… 戦闘員:生きるために必要だった大切なものも、守りたいものも。気づいたら全部無くなってた。だから 戦闘員:俺なりに、今いる場所は守りたいって思ってる 新人:そ、ですか… 戦闘員:ん、ついたけど。どうする? 新人:…サメさん 戦闘員:なんだよ 新人:俺もです 戦闘員:あ? 新人:俺も、守りたいって思ってます  :  通信士:あ、写った 総統:全く退屈でつまらなかったぞ!通信機もカメラも切るなんて!あいつにはエンターテイナー精神というものがないのか! 補佐:まあ裏切った相手に対しての対応としてはよくできてるんじゃないですか… 通信士:順調に抜き取ってるみたいだね…さすがにこっちに送ってはくれないか 総統:おお!みろ!敵があいつらに向かっていってるぞ! 補佐:さすがにこの状況はサメさんにも覆せないだろ… 通信士:…  :  戦闘員:ようやく気配が集まってきたな 新人:…サメさん、さっき渡したやつ 戦闘員:あ? 新人:しっかり身につけていてくださいね 戦闘員:…?  :  戦闘員:(瞬間、起動するスプリンクラー。しかし放出されたものは)  :  戦闘員:…毒? 新人:やっぱり…ラブカさんの目的は僕らと同じ。利害が一致していれば協力はしてくれると思っていましたよ 戦闘員:(基地内全てに放出されたらしいこの毒によって、そこら中から悲鳴のような声が聞こえた)  :  戦闘員:てかお前…マスクは?! 新人:あいにく持ち合わせているものがひとつしかなくて…まあ大丈夫です 戦闘員:大丈夫じゃないだろ!!! 新人:まあまあ…ところでサメさん、情報は抜き取れましたか? 戦闘員:そ、それはもう終わって…なっ! 新人:…? 戦闘員:…ロックがかかってる 新人:えええ?! 戦闘員:まあ敵の情報がわかってたらこうもなるよな… 新人:どうするんですか…ここまでしたのに… 戦闘員:…っ 新人:え、サメさん?何して… 戦闘員:ラブカぁ!!!!仕事しろ!!!!  :  通信士:…力とは、策略なり  :  新人:(そのあとは、一瞬だった。 新人:ラブカさんのハッキングによって情報は全て抜き取り。 新人:サメさんによって生き残りは全滅させられた。 新人: 新人:そして、俺はというと)  :  補佐:まあ、あそこまで毒を吸って逆に生きてるのが奇跡だからな…数日間の寝たきりはしょうがないだろ… 新人:まあ、そっすよね… 補佐:今回のことでサメはあんたのこと認めただろうし、まあ…よく頑張った 新人:へへ…僕、なんとなくわかったっすよ 補佐:? 新人:力とは、仲間なり…なんちゃって 補佐:…ふっ  :  総統:『仲間に裏切られたか』 新人:『…』 総統:『お前は死ぬのか』 新人:『…』 総統:『わかっている、お前の目はまだ死んでいない』 新人:『…す…こ、ろす…』 総統:『クククっ…どうだ、私の元でもう一度仲間のために死んでみないか』 新人:『…?』 総統:『毒を持って毒を制す…お前の武器は美しい』 総統:『お前が欲しい、私の元へこい「キロネックス」』  :  新人:俺の持つ、最強の毒で 新人:なってやるよ、お前の仲間に…