台本概要

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タイトル 星になったクマ
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ある日森を散歩していたタマ(猫)は一人腹を空かせたクー(クマ)と出会う。それから二人は仲良くなり楽しく過ごしていたがある時森に人間がやってくる。果たしてタマとクーは人間達と仲良くなれるのか⋯?
男女不問。世界観を壊さない程度のアドリブOK。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
タマ 不問 144 猫のタマ。森の近くの街のボス猫。口は悪いが面倒見の良いツンデレ猫。
クー 不問 139 熊のクー。大きな身体に反して臆病で怖がり。しかし友達のタマがいると勇気が湧いてきてとんでもない能力を発揮する。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
クー:はー、お腹減ったなー⋯。 タマ:おーいクー、いるかー? クー:ん⋯?あ、タマだ!わーい! タマ:ちょ、勢いが強すぎ、ぎゃあ~~!! :少しの間 クー:タマ!?だ、大丈夫⋯? タマ:はぁ、はぁ、お前な、昔の感覚で抱きついてくるなよ、死ぬかと思ったぞ⋯。 クー:ご、ごめんねタマ⋯。 タマ:ま、まあ怪我もないから安心しろ。それより、ほら。ご飯もらってきたぞ。 クー:あ、タマ。いつもご飯ありがとう。 タマ:ふー、お前はたくさん食べるから大変だよ。 クー:ごめんねタマ⋯僕、こんなに体が大きいからさ。 タマ:ほんとだな。また大きくなったんじゃないか? クー:そう?大きいのはやだなー⋯。 タマ:出会った頃は俺よりあんなに小さかったのにな⋯。 :間 タマ:ふんふんふ~ん。きょうもお散歩楽しいな~。 クー:うぅ⋯ タマ:ん?何か声が聞こえたような⋯? クー:う⋯お腹⋯空いたよう⋯。 タマ:お、あんな所に穴があるじゃないか。どれどれ? クー:ひゃー!?だ、だれ⋯? タマ:うわ、なんか居た!⋯犬⋯でもないし⋯なんだ? クー:た、食べないで⋯。 タマ:なんだって?俺はお前を食べたりしないよ。 クー:そう⋯なの? タマ:ああ。俺のご飯は高級チュールじゃないと駄目だからな。 クー:高級チュール⋯?よく分かんないけど⋯僕は食べられないって事? タマ:そうだ、分かったか? クー:う、うん。 タマ:でも、お前どうしてそんな穴の中に一人でいるんだ?親はどうしたんだ? クー:少し前までお母さんと一緒だったんだけど⋯帰って来ないんだ⋯。 タマ:なるほど⋯じゃあもう死んでるかもな。 クー:え!お、お母さんが死んでる!? タマ:だって、帰ってこないんだろ? クー:そうだけど⋯そんな⋯うぅ⋯お母さん⋯。 タマ:ああ、その⋯まあ、いきなり死んだかもなんで言って、悪かったよ。 クー:うぅ⋯。 タマ:俺も親はもう死んでいないんだ。だけどこうやって元気に生きてる、だから心配すんな。 クー:でも⋯僕一人じゃ、ご飯とかどうすればいいか分からないよ⋯。 タマ:はぁ、見つけちまった手前、このままってのも寝覚めが悪いな⋯分かった、俺がなんとかする。 クー:え⋯? タマ:俺は近くの街で猫のボスをやってる。だから、俺がお前の面倒も見てやるよ。 クー:え、え、でも⋯ タマ:じゃあお前、他のやつを食べたり出来るか? クー:む、無理だよ~。 タマ:じゃあ遠慮なんてするな。見たところお前まだ子供だろ?俺は大人だから大丈夫だ! クー:あ、ありがとう⋯。 タマ:お前、名前はなんて言うんだ? クー:クー、だよ。 タマ:クーか。よしクー、今日から俺たちは仲間だ。 クー:う、うん! :間 タマ:あの時は俺が見下ろしてたのになー。 クー:今は僕が見下ろしちゃってるね、はは⋯。 タマ:お前がなんて動物か分からないけど、犬や猫じゃない事はたしかだな。 クー:大きいのやだなー。 タマ:強そうでいいじゃないか?お前が街に来たらみんな絶対驚くぞ。 クー:や、やだよ!そんなたくさんいるような怖いところ⋯。 タマ:ほんとクーは身体の割に怖がりな奴だなー。 クー:う、仕方ないじゃないか。はぁ⋯僕もタマみたいになりたかったな。 タマ:ん?俺みたいにってどういう事だ? クー:うん、タマみたいに小さくて可愛いい見た目だったら良かったなって。 タマ:なっ!お前、可愛いって、何言ってんだ!? クー:えー?可愛いよね。 タマ:や、やめろ!可愛いは禁止だ!! クー:え?分かったよ。 タマ:まったく⋯俺が可愛いとか⋯ふふ、俺可愛いのか⋯。 クー:タマ? タマ:あー!なんでもないぞー!さーて、今日も森を探検するぞー! クー:あ、ちょっと!待ってよタマ~。 :間 タマ:ん?なんか向こうから音がするな⋯。 クー:なんだろ?あ、見えたよタマ。あれって⋯。 タマ:なんだ、人間か。 クー:人間⋯? タマ:前に話たろ?俺が住んでる街ってところは「人間」がたくさんいるって。 クー:あ、思い出した。あれが人間なんだ⋯。 タマ:まあ人間って言ってもお前が怖がるような危ないやつらじゃないから安心しろ。 クー:そう⋯なの? タマ:人間ってのは可愛くスリスリすれば喜んでご飯とかくれたりするんだ。まあ、見てろ。 クー:あ、タマ!⋯行っちゃった。 タマ:にゃにゃ~ん♪タマだにゃ~ん♪可愛いにゃ~ん♪スリスリ。 クー:うわーいつもよりずっと可愛いタマだ。 タマ:にゃにゃ~ん♪何か食べ物よこすにゃ~ん♪出来ればチュールがいいにゃ~ん♪スリスリ クー:だ、大丈夫なのかな⋯? タマ:お、りんごくれるのか?まぁチュールじゃないけど、それで我慢するか。へへ、ちゃろいぜ。 クー:うわ、美味しそうなご飯もらってる、いいな~。僕もタマみたいに出来るかな⋯? タマ:よし、クーが心配するだろうからそろそろ戻ってやるか⋯。 クー:お~い。 タマ:ん?クーのやつ待ちきれずにこっちに来ちゃったか。 クー:僕もタマみたいにスリスリするよ~。 タマ:クーも真似したくなったか⋯っておい、何してんだ人間?そんな棒みたいなもんを持って⋯。 クー:ひゃあっ!!な、何か飛んでた⋯え?木が、割れてる⋯? タマ:おい!人間、クーに何するんだ!? クー:こ、怖い⋯タマ⋯助けて⋯。 タマ:チッ、この人間まだクーを狙ってやがる!仕方ない、クー!逃げるぞ!! クー:え、え⋯。 タマ:ほら!こっちだ!遅れずに俺について来い! クー:う、うん! :間 タマ:はぁ、はぁ⋯。 クー:はぁ、はぁ⋯。 タマ:はぁ、ここまで来れば、ひとまず安心だろ。 クー:び、びっくりしたー⋯。 タマ:そ、そうだな。でも⋯なんで人間はクーを攻撃しようとしたんだ⋯? クー:僕⋯何かあの人間を怒らす事しちゃったのかな⋯? タマ:分からない⋯。俺の知ってる人間は、どいつも優しいやつばかりなんだけどな。 クー:もしかして⋯僕が大きいから、なのかな⋯? タマ:え?そんなはずはないだろ。だって動物園?ってところにはクーよりも大きいやつもいて人間達から好かれてるみたいだし。 クー:じゃあ、なんでなのかな⋯。 タマ:うーん、人間の中にもまれに人間同士で悪さするやつもいるみたいだから⋯きっとそういう奴だったんだろ。 クー:そう、なのかな? タマ:ああ、きっと相手が悪かっただけだ。今日の事はもう忘れて、明日また探検しようぜ! クー:うん⋯。 タマ:おいおい、そう落ち込むなって。そうだ、よし!クー、さっき俺がやってたの覚えてるか? クー:え⋯?タマがやってたって⋯人間にお願いするやつかな? タマ:そうだ。でもあれはまだ簡単なやつだ。 クー:他にも、お願いの仕方があるの? タマ:その通り、それが出来るようになれば人間とすぐ仲良くなれるはずだ。さっそく明日、特訓だ! クー:人間と仲良く⋯うん、僕、特訓やる! タマ:よーし、そうこなくっちゃ! :間 クー:はぁ、はぁ タマ:遅い! クー:お、おはようタマ⋯ タマ:タマではない、タマコーチだ! クー:タ、タマコーチ⋯? タマ:人間の世界で若いやつに何かを教える立場の者をコーチと呼んでいるみたいだから拝借した。 クー:えーと⋯よくわかんないけど、分かった。 タマ:そんな事よりクー、昨日も言った人間と仲良くなるにはどうすればいいと思う? クー:どうすれば⋯あ、可愛いくお願いするとか⋯? タマ:バカ、それじゃ昨日見せたのと同じじゃないか。その程度じゃまだまだ人間と仲良くなるには不十分だ。 クー:えー、そうかなー⋯? タマ:動物園の話をしたの覚えてるか? クー:あ、たしか色んな動物がいるって場所? タマ:そうだ。実は以前こっそりその動物園ってとこに入った事があったんだ。 クー:え!それって、大丈夫だったの? タマ:だからこっそりだって言っただろ?見つからないように中を歩いてたらある広い場所に人間がたくさん集まってる場所を見つけたんだ。 クー:人間が、たくさん?何してたんだろ? タマ:どうやら動物達はそこで人間に「芸」というのを見せて喜ばしてたみたいなんだ。 クー:「芸」? タマ:ああ、名前の意味はよく分からんが、とにかく人間はその「芸」が見れたら喜ぶ、ここが分かれば⋯後は分かるな? クー:⋯あ!その「芸」を僕が出来れば人間と仲良くなれるって事だね! タマ:ピンポーン、正解!よーし、今から俺が見たやつを教えるから特訓だ! クー:お、おー! :間 タマ:まずは⋯お、手頃な木があったな。よしクー、この木に登ってみてくれ。 クー:え⋯こ、この木に⋯登るの⋯? タマ:そうだ、俺が見たやつは高い所にスルスルって登って隣りの高い所にピョーンて飛び移ったりしてたんだ。 クー:へー、凄いねー。 タマ:だから、ほら。 クー:でも⋯その子が出来たから僕も出来るとは限らないんじゃ⋯ タマ:だから特訓するんだろ?いいから登るんだよ! クー:わ、分かったよ!⋯うぅ大丈夫かな⋯落ちて怪我とかしないかな⋯。 タマ:ほらほら、人間と仲良くなりたくないのかー? クー:う⋯仲良くなりたいよ⋯。 タマ:大丈夫、クーなら出来る!俺がついてるから頑張れ! クー:っ!よ、よし⋯タマもああ言ってるし⋯頑張るぞ。 タマ:お、目つきが変わったな。いいぞ、頑張れよクー⋯。 クー:うぅ⋯えーい! タマ:なっ!? クー:あ、あれ⋯で⋯出来た!出来たよタマー!! タマ:す、凄い⋯あんなでかい身体なのに軽々と⋯。あ、ああ!凄いぞクー!やれば出来るじゃないかー! クー:う、うん⋯励ましてくれたタマのお陰だよ! タマ:正直出来るか心配だったが⋯これは楽しみになってきたな。 :間 タマ:よーし、次はこれだ。 クー:えーと⋯これ何、タマ? タマ:タマではない、タマコーチだ! クー:タ、タマコーチ!これは何ですか? タマ:いい質問だ。これはな⋯「ボール」だ。 クー:「ボール」? タマ:うむ、ボールとは人間の子供なんかが投げたり蹴ったりして遊ぶ物だ。 クー:へー、なんか楽しそうだね。で、どうするの? タマ:これを使ってある事をする。見本を見せるからそこで見てろ。 クー:わ、分かった。⋯何するのかな? タマ:⋯大丈夫、俺ならやれる⋯っ!よっ! クー:あ!タマがボールの上に乗っちゃった! タマ:くっ、よっ、ほっ、なんの! クー:す、凄い⋯あんな丸いボールの上から全然落っこちないや! タマ:はぁ、はぁ⋯ど、どうだ⋯見たか? クー:うん!あんな事出来るなんて、タマはやっぱり凄いね! タマ:ふふ~ん、そうだろそうだろ~。じゃあ、次はクーな。 クー:え⋯? タマ:え?じゃないよ。 クー:僕が⋯今のやるの? タマ:当たり前だろ?これも「芸」の一つなんだから。 クー:い、いや~これは流石にむりじゃないかなー⋯? タマ:バカ!やる前から諦めてどうする!! クー:ヒッ! タマ:動物園のやつらもきっと大変な特訓を経て「芸」を身につけたはずだ!それは何の為かって?人間と仲良くなる為だ!! クー:そ、そうなんだ⋯。 タマ:大丈夫、最初はみんな失敗する。でもその失敗を次に生かす事で成功に繋がっていくんだ⋯。 クー:タマコーチ⋯。うん⋯やる前から諦めちゃ駄目だよね。僕、頑張ってみるよ! タマ:うんうん、分かってくれたか⋯。さあ!失敗を恐れずレッツトライだ!! クー:よ、よーし⋯。 タマ:クー、頑張れ!お前なら出来る!! クー:っ!えーい!! タマ:まあ残念だったが次が⋯ クー:で、出来たー! タマ:なんだってーー!? クー:よっ、ほっ、えい! タマ:う、嘘だろ⋯?あいつに比べてあんな小さなボールに乗ってるだって⋯? クー:どう、タマコーチ、ちゃんと僕出来てるかな!? タマ:いや⋯俺よりしっかり出来てるじゃないか⋯。はっ!あ、ああ!バッチリ出来てるぞクー! クー:よいしょ、はあ~楽しかった~。 タマ:乗れただけじゃなく、楽しむ余裕まであったのか⋯。 クー:ん?タマコーチ、どうしたの? タマ:フッ、クーよ⋯。 クー:え、何? タマ:もうお前に言える事は何も無い、これにて特訓おわり! クー:え~?せっかく楽しくなってきたのになー。あ!他にはどんな「芸」があるの? タマ:え、ほ、他か? クー:うん、タマコーチといろいろ芸を覚えるの楽しいし、もっと教えて欲しいんだ。 タマ:楽しい⋯し、しょうがない奴だな。仕方ないからもっと教えてやるよ。 クー:わーい!やった~。 タマ:⋯身体もつかな? :間 クー:は~、たーのしかった~! タマ:はぁ、はぁ、そりゃ、はぁ、良かったな⋯。 クー:タマ、大丈夫⋯? タマ:く、簡単に全部覚えやがって⋯コーチいらないだろ⋯。 クー:僕、なんかやっちゃったかな⋯? タマ:いや、クーが凄い事が分かったから良い事なんだ。 クー:ほ、ほんと? タマ:ああ、これで人間と仲良くなるのもバッチリだな。 クー:ほんとに、ありがとうタマ⋯。 タマ:俺は大した事はしてないよ。 クー:ううん、あの時タマが居なかったら、僕は穴の中で動く事が出来ずに一人で死んじゃってたと思うんだ。 タマ:⋯。 クー:だから、今までのことも含めて、ありがとうタマ。 タマ:お⋯。 クー:タマ⋯? タマ:お、俺はお前に死なれたら寝覚めが悪いって思った、ただそれだけだ! クー:タマ⋯うん、それでも嬉しいよ。 タマ:まったく、勘違いするなよ!⋯ん、何の音だ? クー:この音は⋯人間! タマ:なんだって!? クー:見て、なんだか、大勢いるみたいだよ⋯? タマ:この森にあんな数の人間が来るなんて珍しい⋯何が起こってるんだ? クー:大勢の人間⋯あ!タマ、さっそく「芸」を試すチャンスだね! タマ:え⋯? クー:僕、さっそく行ってみるよ! タマ:え、ちょっ⋯ クー:お~い!人間さ~ん!僕の「芸」を見てよ~! タマ:待てクー!あいつらが良い奴かまだ⋯ クー:よーし、今からこのボールに乗るから見ててね人間さん⋯ウッ! タマ:クーー!! クー:あれ⋯?なんで⋯僕⋯人間さんを⋯また怒らしちゃった⋯? タマ:クー!!早く逃げろーー!! クー:ほら⋯見てよ人間さん⋯上手に⋯ボール⋯乗れてるでしょ⋯ウッ!カハッ!! タマ:クーー!!おのれ人間ーー!! クー:タマ⋯僕は⋯大丈夫⋯だから⋯。 タマ:おらー!俺が相手だ人間!これ以上クーを攻撃したら許さないからなー!! クー:うぅ⋯。 タマ:クー!大丈夫か!? クー:タマがなんだか⋯ぼやけて見える⋯あれ⋯僕⋯とっても眠いや⋯。 タマ:クー!しっかりしろ!死ぬんじゃないぞ!! クー:タマ⋯また⋯一緒⋯特訓⋯し⋯。 タマ:クーーーー!!! :間 クー:数年後⋯。 タマ:よっと、へへ。このタマ様にかかれば動物園に侵入するなんて朝飯前よ。 0: タマ:お、ここか。どうやら今から人間達に「芸」を披露するみたいだな。 0: タマ:懐かしいな⋯あいつと「芸」の特訓したのがついこの間のように感じるぜ⋯。 0: タマ:あいつの芸は最初からほんとに凄かったもんな⋯俺の方が最後は教わってた方だったな⋯ 0: タマ:お、始まるな⋯。 クー:ようこそ人間さん!僕はクーだよ!よろしくね~!! タマ:あれって「自転車」じゃないか?あんな物まで乗れるようになったのかあいつ⋯。 クー:おや⋯?あ!タマ!タマだー!! タマ:ば、バカヤロこっち見るな!こっそり見に来たのがバレるだろが!? クー:えー?タマが来てるのもうみんな知ってるし大丈夫だよー。 タマ:え、バレてたの⋯? クー:うん、バレバレ。 タマ:な、なんか恥ずかしい⋯お、お前があれからちゃんとやってるか見に来てやったんだよ! クー:もう、相変わらず心配性なんだからタマは。 タマ:うるせー!あん時はほんとに死んだかと思ったんだからな! クー:うん、僕もあの時はもう駄目かと思ったけど⋯眠っただけみたいで良かったよ。 タマ:ほんとに紛らわしい事しやがって人間め。 クー:今僕があるのはタマのおかげだよ。 タマ:なんでだよ? クー:あの時、見せたボール乗りがどうやら人間さんに気に入られたみたいなんだ。 タマ:え⋯そうだったのか⋯? クー:うん、目が覚めた後もタマに教わった「芸」を見せてたんだ。そしたら人間さん達と仲良くなれたんだ。 タマ:あの時の特訓が⋯。 クー:今じゃこの動物園の「スター」?って呼ばれちゃってるけど⋯どういう意味かな? タマ:分からないけど⋯そんな事はどうでもいい、クー、今楽しいか? クー:うん!タマが教えてくれた芸も楽しいし、人間さん達と仲良くなれるし最高だよ! タマ:⋯そうか、自分の居場所を見つけられたんだな⋯。 クー:うん。だからもう心配しなくて大丈夫だよ。よーし!タマ、僕あれからもっと凄い芸が出来るようになったから見てってよ! タマ:おー!しっかり見ててやるからその「スター」ってやつになった実力、俺に見せてくれ! クー:よーし!じゃあまずは⋯これだーー!! :おわり

クー:はー、お腹減ったなー⋯。 タマ:おーいクー、いるかー? クー:ん⋯?あ、タマだ!わーい! タマ:ちょ、勢いが強すぎ、ぎゃあ~~!! :少しの間 クー:タマ!?だ、大丈夫⋯? タマ:はぁ、はぁ、お前な、昔の感覚で抱きついてくるなよ、死ぬかと思ったぞ⋯。 クー:ご、ごめんねタマ⋯。 タマ:ま、まあ怪我もないから安心しろ。それより、ほら。ご飯もらってきたぞ。 クー:あ、タマ。いつもご飯ありがとう。 タマ:ふー、お前はたくさん食べるから大変だよ。 クー:ごめんねタマ⋯僕、こんなに体が大きいからさ。 タマ:ほんとだな。また大きくなったんじゃないか? クー:そう?大きいのはやだなー⋯。 タマ:出会った頃は俺よりあんなに小さかったのにな⋯。 :間 タマ:ふんふんふ~ん。きょうもお散歩楽しいな~。 クー:うぅ⋯ タマ:ん?何か声が聞こえたような⋯? クー:う⋯お腹⋯空いたよう⋯。 タマ:お、あんな所に穴があるじゃないか。どれどれ? クー:ひゃー!?だ、だれ⋯? タマ:うわ、なんか居た!⋯犬⋯でもないし⋯なんだ? クー:た、食べないで⋯。 タマ:なんだって?俺はお前を食べたりしないよ。 クー:そう⋯なの? タマ:ああ。俺のご飯は高級チュールじゃないと駄目だからな。 クー:高級チュール⋯?よく分かんないけど⋯僕は食べられないって事? タマ:そうだ、分かったか? クー:う、うん。 タマ:でも、お前どうしてそんな穴の中に一人でいるんだ?親はどうしたんだ? クー:少し前までお母さんと一緒だったんだけど⋯帰って来ないんだ⋯。 タマ:なるほど⋯じゃあもう死んでるかもな。 クー:え!お、お母さんが死んでる!? タマ:だって、帰ってこないんだろ? クー:そうだけど⋯そんな⋯うぅ⋯お母さん⋯。 タマ:ああ、その⋯まあ、いきなり死んだかもなんで言って、悪かったよ。 クー:うぅ⋯。 タマ:俺も親はもう死んでいないんだ。だけどこうやって元気に生きてる、だから心配すんな。 クー:でも⋯僕一人じゃ、ご飯とかどうすればいいか分からないよ⋯。 タマ:はぁ、見つけちまった手前、このままってのも寝覚めが悪いな⋯分かった、俺がなんとかする。 クー:え⋯? タマ:俺は近くの街で猫のボスをやってる。だから、俺がお前の面倒も見てやるよ。 クー:え、え、でも⋯ タマ:じゃあお前、他のやつを食べたり出来るか? クー:む、無理だよ~。 タマ:じゃあ遠慮なんてするな。見たところお前まだ子供だろ?俺は大人だから大丈夫だ! クー:あ、ありがとう⋯。 タマ:お前、名前はなんて言うんだ? クー:クー、だよ。 タマ:クーか。よしクー、今日から俺たちは仲間だ。 クー:う、うん! :間 タマ:あの時は俺が見下ろしてたのになー。 クー:今は僕が見下ろしちゃってるね、はは⋯。 タマ:お前がなんて動物か分からないけど、犬や猫じゃない事はたしかだな。 クー:大きいのやだなー。 タマ:強そうでいいじゃないか?お前が街に来たらみんな絶対驚くぞ。 クー:や、やだよ!そんなたくさんいるような怖いところ⋯。 タマ:ほんとクーは身体の割に怖がりな奴だなー。 クー:う、仕方ないじゃないか。はぁ⋯僕もタマみたいになりたかったな。 タマ:ん?俺みたいにってどういう事だ? クー:うん、タマみたいに小さくて可愛いい見た目だったら良かったなって。 タマ:なっ!お前、可愛いって、何言ってんだ!? クー:えー?可愛いよね。 タマ:や、やめろ!可愛いは禁止だ!! クー:え?分かったよ。 タマ:まったく⋯俺が可愛いとか⋯ふふ、俺可愛いのか⋯。 クー:タマ? タマ:あー!なんでもないぞー!さーて、今日も森を探検するぞー! クー:あ、ちょっと!待ってよタマ~。 :間 タマ:ん?なんか向こうから音がするな⋯。 クー:なんだろ?あ、見えたよタマ。あれって⋯。 タマ:なんだ、人間か。 クー:人間⋯? タマ:前に話たろ?俺が住んでる街ってところは「人間」がたくさんいるって。 クー:あ、思い出した。あれが人間なんだ⋯。 タマ:まあ人間って言ってもお前が怖がるような危ないやつらじゃないから安心しろ。 クー:そう⋯なの? タマ:人間ってのは可愛くスリスリすれば喜んでご飯とかくれたりするんだ。まあ、見てろ。 クー:あ、タマ!⋯行っちゃった。 タマ:にゃにゃ~ん♪タマだにゃ~ん♪可愛いにゃ~ん♪スリスリ。 クー:うわーいつもよりずっと可愛いタマだ。 タマ:にゃにゃ~ん♪何か食べ物よこすにゃ~ん♪出来ればチュールがいいにゃ~ん♪スリスリ クー:だ、大丈夫なのかな⋯? タマ:お、りんごくれるのか?まぁチュールじゃないけど、それで我慢するか。へへ、ちゃろいぜ。 クー:うわ、美味しそうなご飯もらってる、いいな~。僕もタマみたいに出来るかな⋯? タマ:よし、クーが心配するだろうからそろそろ戻ってやるか⋯。 クー:お~い。 タマ:ん?クーのやつ待ちきれずにこっちに来ちゃったか。 クー:僕もタマみたいにスリスリするよ~。 タマ:クーも真似したくなったか⋯っておい、何してんだ人間?そんな棒みたいなもんを持って⋯。 クー:ひゃあっ!!な、何か飛んでた⋯え?木が、割れてる⋯? タマ:おい!人間、クーに何するんだ!? クー:こ、怖い⋯タマ⋯助けて⋯。 タマ:チッ、この人間まだクーを狙ってやがる!仕方ない、クー!逃げるぞ!! クー:え、え⋯。 タマ:ほら!こっちだ!遅れずに俺について来い! クー:う、うん! :間 タマ:はぁ、はぁ⋯。 クー:はぁ、はぁ⋯。 タマ:はぁ、ここまで来れば、ひとまず安心だろ。 クー:び、びっくりしたー⋯。 タマ:そ、そうだな。でも⋯なんで人間はクーを攻撃しようとしたんだ⋯? クー:僕⋯何かあの人間を怒らす事しちゃったのかな⋯? タマ:分からない⋯。俺の知ってる人間は、どいつも優しいやつばかりなんだけどな。 クー:もしかして⋯僕が大きいから、なのかな⋯? タマ:え?そんなはずはないだろ。だって動物園?ってところにはクーよりも大きいやつもいて人間達から好かれてるみたいだし。 クー:じゃあ、なんでなのかな⋯。 タマ:うーん、人間の中にもまれに人間同士で悪さするやつもいるみたいだから⋯きっとそういう奴だったんだろ。 クー:そう、なのかな? タマ:ああ、きっと相手が悪かっただけだ。今日の事はもう忘れて、明日また探検しようぜ! クー:うん⋯。 タマ:おいおい、そう落ち込むなって。そうだ、よし!クー、さっき俺がやってたの覚えてるか? クー:え⋯?タマがやってたって⋯人間にお願いするやつかな? タマ:そうだ。でもあれはまだ簡単なやつだ。 クー:他にも、お願いの仕方があるの? タマ:その通り、それが出来るようになれば人間とすぐ仲良くなれるはずだ。さっそく明日、特訓だ! クー:人間と仲良く⋯うん、僕、特訓やる! タマ:よーし、そうこなくっちゃ! :間 クー:はぁ、はぁ タマ:遅い! クー:お、おはようタマ⋯ タマ:タマではない、タマコーチだ! クー:タ、タマコーチ⋯? タマ:人間の世界で若いやつに何かを教える立場の者をコーチと呼んでいるみたいだから拝借した。 クー:えーと⋯よくわかんないけど、分かった。 タマ:そんな事よりクー、昨日も言った人間と仲良くなるにはどうすればいいと思う? クー:どうすれば⋯あ、可愛いくお願いするとか⋯? タマ:バカ、それじゃ昨日見せたのと同じじゃないか。その程度じゃまだまだ人間と仲良くなるには不十分だ。 クー:えー、そうかなー⋯? タマ:動物園の話をしたの覚えてるか? クー:あ、たしか色んな動物がいるって場所? タマ:そうだ。実は以前こっそりその動物園ってとこに入った事があったんだ。 クー:え!それって、大丈夫だったの? タマ:だからこっそりだって言っただろ?見つからないように中を歩いてたらある広い場所に人間がたくさん集まってる場所を見つけたんだ。 クー:人間が、たくさん?何してたんだろ? タマ:どうやら動物達はそこで人間に「芸」というのを見せて喜ばしてたみたいなんだ。 クー:「芸」? タマ:ああ、名前の意味はよく分からんが、とにかく人間はその「芸」が見れたら喜ぶ、ここが分かれば⋯後は分かるな? クー:⋯あ!その「芸」を僕が出来れば人間と仲良くなれるって事だね! タマ:ピンポーン、正解!よーし、今から俺が見たやつを教えるから特訓だ! クー:お、おー! :間 タマ:まずは⋯お、手頃な木があったな。よしクー、この木に登ってみてくれ。 クー:え⋯こ、この木に⋯登るの⋯? タマ:そうだ、俺が見たやつは高い所にスルスルって登って隣りの高い所にピョーンて飛び移ったりしてたんだ。 クー:へー、凄いねー。 タマ:だから、ほら。 クー:でも⋯その子が出来たから僕も出来るとは限らないんじゃ⋯ タマ:だから特訓するんだろ?いいから登るんだよ! クー:わ、分かったよ!⋯うぅ大丈夫かな⋯落ちて怪我とかしないかな⋯。 タマ:ほらほら、人間と仲良くなりたくないのかー? クー:う⋯仲良くなりたいよ⋯。 タマ:大丈夫、クーなら出来る!俺がついてるから頑張れ! クー:っ!よ、よし⋯タマもああ言ってるし⋯頑張るぞ。 タマ:お、目つきが変わったな。いいぞ、頑張れよクー⋯。 クー:うぅ⋯えーい! タマ:なっ!? クー:あ、あれ⋯で⋯出来た!出来たよタマー!! タマ:す、凄い⋯あんなでかい身体なのに軽々と⋯。あ、ああ!凄いぞクー!やれば出来るじゃないかー! クー:う、うん⋯励ましてくれたタマのお陰だよ! タマ:正直出来るか心配だったが⋯これは楽しみになってきたな。 :間 タマ:よーし、次はこれだ。 クー:えーと⋯これ何、タマ? タマ:タマではない、タマコーチだ! クー:タ、タマコーチ!これは何ですか? タマ:いい質問だ。これはな⋯「ボール」だ。 クー:「ボール」? タマ:うむ、ボールとは人間の子供なんかが投げたり蹴ったりして遊ぶ物だ。 クー:へー、なんか楽しそうだね。で、どうするの? タマ:これを使ってある事をする。見本を見せるからそこで見てろ。 クー:わ、分かった。⋯何するのかな? タマ:⋯大丈夫、俺ならやれる⋯っ!よっ! クー:あ!タマがボールの上に乗っちゃった! タマ:くっ、よっ、ほっ、なんの! クー:す、凄い⋯あんな丸いボールの上から全然落っこちないや! タマ:はぁ、はぁ⋯ど、どうだ⋯見たか? クー:うん!あんな事出来るなんて、タマはやっぱり凄いね! タマ:ふふ~ん、そうだろそうだろ~。じゃあ、次はクーな。 クー:え⋯? タマ:え?じゃないよ。 クー:僕が⋯今のやるの? タマ:当たり前だろ?これも「芸」の一つなんだから。 クー:い、いや~これは流石にむりじゃないかなー⋯? タマ:バカ!やる前から諦めてどうする!! クー:ヒッ! タマ:動物園のやつらもきっと大変な特訓を経て「芸」を身につけたはずだ!それは何の為かって?人間と仲良くなる為だ!! クー:そ、そうなんだ⋯。 タマ:大丈夫、最初はみんな失敗する。でもその失敗を次に生かす事で成功に繋がっていくんだ⋯。 クー:タマコーチ⋯。うん⋯やる前から諦めちゃ駄目だよね。僕、頑張ってみるよ! タマ:うんうん、分かってくれたか⋯。さあ!失敗を恐れずレッツトライだ!! クー:よ、よーし⋯。 タマ:クー、頑張れ!お前なら出来る!! クー:っ!えーい!! タマ:まあ残念だったが次が⋯ クー:で、出来たー! タマ:なんだってーー!? クー:よっ、ほっ、えい! タマ:う、嘘だろ⋯?あいつに比べてあんな小さなボールに乗ってるだって⋯? クー:どう、タマコーチ、ちゃんと僕出来てるかな!? タマ:いや⋯俺よりしっかり出来てるじゃないか⋯。はっ!あ、ああ!バッチリ出来てるぞクー! クー:よいしょ、はあ~楽しかった~。 タマ:乗れただけじゃなく、楽しむ余裕まであったのか⋯。 クー:ん?タマコーチ、どうしたの? タマ:フッ、クーよ⋯。 クー:え、何? タマ:もうお前に言える事は何も無い、これにて特訓おわり! クー:え~?せっかく楽しくなってきたのになー。あ!他にはどんな「芸」があるの? タマ:え、ほ、他か? クー:うん、タマコーチといろいろ芸を覚えるの楽しいし、もっと教えて欲しいんだ。 タマ:楽しい⋯し、しょうがない奴だな。仕方ないからもっと教えてやるよ。 クー:わーい!やった~。 タマ:⋯身体もつかな? :間 クー:は~、たーのしかった~! タマ:はぁ、はぁ、そりゃ、はぁ、良かったな⋯。 クー:タマ、大丈夫⋯? タマ:く、簡単に全部覚えやがって⋯コーチいらないだろ⋯。 クー:僕、なんかやっちゃったかな⋯? タマ:いや、クーが凄い事が分かったから良い事なんだ。 クー:ほ、ほんと? タマ:ああ、これで人間と仲良くなるのもバッチリだな。 クー:ほんとに、ありがとうタマ⋯。 タマ:俺は大した事はしてないよ。 クー:ううん、あの時タマが居なかったら、僕は穴の中で動く事が出来ずに一人で死んじゃってたと思うんだ。 タマ:⋯。 クー:だから、今までのことも含めて、ありがとうタマ。 タマ:お⋯。 クー:タマ⋯? タマ:お、俺はお前に死なれたら寝覚めが悪いって思った、ただそれだけだ! クー:タマ⋯うん、それでも嬉しいよ。 タマ:まったく、勘違いするなよ!⋯ん、何の音だ? クー:この音は⋯人間! タマ:なんだって!? クー:見て、なんだか、大勢いるみたいだよ⋯? タマ:この森にあんな数の人間が来るなんて珍しい⋯何が起こってるんだ? クー:大勢の人間⋯あ!タマ、さっそく「芸」を試すチャンスだね! タマ:え⋯? クー:僕、さっそく行ってみるよ! タマ:え、ちょっ⋯ クー:お~い!人間さ~ん!僕の「芸」を見てよ~! タマ:待てクー!あいつらが良い奴かまだ⋯ クー:よーし、今からこのボールに乗るから見ててね人間さん⋯ウッ! タマ:クーー!! クー:あれ⋯?なんで⋯僕⋯人間さんを⋯また怒らしちゃった⋯? タマ:クー!!早く逃げろーー!! クー:ほら⋯見てよ人間さん⋯上手に⋯ボール⋯乗れてるでしょ⋯ウッ!カハッ!! タマ:クーー!!おのれ人間ーー!! クー:タマ⋯僕は⋯大丈夫⋯だから⋯。 タマ:おらー!俺が相手だ人間!これ以上クーを攻撃したら許さないからなー!! クー:うぅ⋯。 タマ:クー!大丈夫か!? クー:タマがなんだか⋯ぼやけて見える⋯あれ⋯僕⋯とっても眠いや⋯。 タマ:クー!しっかりしろ!死ぬんじゃないぞ!! クー:タマ⋯また⋯一緒⋯特訓⋯し⋯。 タマ:クーーーー!!! :間 クー:数年後⋯。 タマ:よっと、へへ。このタマ様にかかれば動物園に侵入するなんて朝飯前よ。 0: タマ:お、ここか。どうやら今から人間達に「芸」を披露するみたいだな。 0: タマ:懐かしいな⋯あいつと「芸」の特訓したのがついこの間のように感じるぜ⋯。 0: タマ:あいつの芸は最初からほんとに凄かったもんな⋯俺の方が最後は教わってた方だったな⋯ 0: タマ:お、始まるな⋯。 クー:ようこそ人間さん!僕はクーだよ!よろしくね~!! タマ:あれって「自転車」じゃないか?あんな物まで乗れるようになったのかあいつ⋯。 クー:おや⋯?あ!タマ!タマだー!! タマ:ば、バカヤロこっち見るな!こっそり見に来たのがバレるだろが!? クー:えー?タマが来てるのもうみんな知ってるし大丈夫だよー。 タマ:え、バレてたの⋯? クー:うん、バレバレ。 タマ:な、なんか恥ずかしい⋯お、お前があれからちゃんとやってるか見に来てやったんだよ! クー:もう、相変わらず心配性なんだからタマは。 タマ:うるせー!あん時はほんとに死んだかと思ったんだからな! クー:うん、僕もあの時はもう駄目かと思ったけど⋯眠っただけみたいで良かったよ。 タマ:ほんとに紛らわしい事しやがって人間め。 クー:今僕があるのはタマのおかげだよ。 タマ:なんでだよ? クー:あの時、見せたボール乗りがどうやら人間さんに気に入られたみたいなんだ。 タマ:え⋯そうだったのか⋯? クー:うん、目が覚めた後もタマに教わった「芸」を見せてたんだ。そしたら人間さん達と仲良くなれたんだ。 タマ:あの時の特訓が⋯。 クー:今じゃこの動物園の「スター」?って呼ばれちゃってるけど⋯どういう意味かな? タマ:分からないけど⋯そんな事はどうでもいい、クー、今楽しいか? クー:うん!タマが教えてくれた芸も楽しいし、人間さん達と仲良くなれるし最高だよ! タマ:⋯そうか、自分の居場所を見つけられたんだな⋯。 クー:うん。だからもう心配しなくて大丈夫だよ。よーし!タマ、僕あれからもっと凄い芸が出来るようになったから見てってよ! タマ:おー!しっかり見ててやるからその「スター」ってやつになった実力、俺に見せてくれ! クー:よーし!じゃあまずは⋯これだーー!! :おわり