台本概要
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タイトル | ワールド of パレット 6 ~紫の絵魔具使い~ |
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作者名 | 海彩・紫苑 (@miiro_shion) |
ジャンル | ファンタジー |
演者人数 | 5人用台本(男1、女2、不問2) ※兼役あり |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
世界を黒く染める悪の組織《リペイント》その組織を止めるために選ばれた人間《絵魔具使い》たち。 主人公エマを中心に繰り広げられる不思議な日常。パレット女王の願いを叶える日が来るのか。 Pixivに漫画を投稿したものを台本にはじめて書きおこしたものです。いたらぬところがありますが温かい目で読んでもらえると嬉しいです。 詳しくは【ワールド of パレット・まとめサイト】にてキャラクター紹介や他の話数・漫画など載せておりますのでご覧ください!※拡散してくださると喜びます(*´︶`*) 【リンク】https://world-of-palet.jimdofree.com/ ※8人と書いていますが、5人台本です! カズヤの方は《ソラ・占い師・トライア》を ナレーションの方は《パレット・イレイザー》を お願いいたします ※M( )はモノローグ、つまり心の声です ※( )はこういう風に演じて欲しいという指示です ※今回兼役がありますので頑張って演じてください ※1月25日に大きく改変しましたのでよろしくお願いします! 232 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
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エマ | 女 | 92 | 有坂 絵愛(ありさか えま)優しくて真っ直ぐで元気な主人公。高校1年生。大剣で力で戦うタイプ。カラーパレット・ピンクカラー担当 |
ミイロ | 不問 | 103 | 東条 海色(とうじょう みいろ)毒舌・冷静な性格。高校1年生。ハルミの兄。カラーパレットブルーカラー・リーダー担当。銃撃戦、頭脳派タイプ |
ハルミ | 不問 | 94 | 東条 陽海(とうじょう はるみ)ミイロの弟。中学3年生。(15歳)トウジョウ電機の後見人で、世話焼きでしっかりとした性格。 |
カズヤ | 男 | 11 | 山本 和也(やまもと かずや)爽やかでスポーツが得意だがバカ。高校1年生。両手剣でスピード勝負なタイプ。カラーパレット・グリーンカラー担当※ソラと占い師とトライアを兼役(カズヤとトライアをタップ) ソラ:エマとミイロと師匠でとても面倒見がよく、優しい性格。特別な刀でリペイントを倒せる。イメージカラーは赤。年齢不詳の爺さん |
トライア | 不問 | 19 | 紫の三角(△)の姿をしている妖精。一人称はオレっち。男の子。語尾が小さくなる特徴的な喋り方をしている。(イントネーションを変えてみたり自由に演じてください)※カズヤ役の方はタップ |
N | 女 | 41 | ナレーション。この物語の状況説明・世界観をつくる語り手。※パレットとイレイザーを兼役(パレット役のかたはタップ) |
イレイザー | 女 | 8 | リペイントの幹部の一人。MONO消しゴムのようなデザインの着物を着ている。イメージカラーは白。※Nとパレットが兼役(パレット役の方はタップ) |
パレット | 不問 | 4 | ピンクくて丸々した可愛い妖精。一人称はボク。男の子。エマの妖精。※Nとイレイザーと兼役(Nとパレットとイレイザーをタップ) |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
エマ:おはよう!ミイロ君!
ミイロ:あぁ…おはよう
エマ:行こっか!
0:間
ハルミ:……(エマ達を窓から見てる)
ハルミ:あれは…女の子……?まさか…ね
0:間
N:お昼休みの時間
ミイロ:…作戦は以上だ
エマ:わかった!
カズヤ:OK!
カズヤ:あ!今日はバスケ部にいくからそっちにはいけない!悪いな!
エマ:わかった!頑張ってね!
カズヤ:おう!
ミイロ:有坂…放課後、師匠の所に行くぞ
エマ:了解!
0:間
N:エマとミイロは、ソラに特訓をしてもらっている
カズヤ:(ソラ)今日はここまでじゃ、お疲れ様!
カズヤ:(ソラ)そういえば、新しい仲間が増えたみたいじゃのぉ。これからもっと連携が必要になるから頑張るんじゃぞぃ!
エマ:はいっ!!
カズヤ:(ソラ)では、解散!
エマ:お疲れ様でした!
ミイロ:ありがとうございました
N:ミイロの家。玄関をあけると、そこには弟のハルミがいた
ハルミ:お帰りなさい兄さん!
ミイロ:あぁ…何か用かハル
ハルミ:少し聞きたいことがあって
ミイロ:聞きたいこと?
ハルミ:うん。最近帰り遅いし、疲れて帰って来てるけど何してるんですか?
ミイロ:…別に何でもいいだろ
ハルミ:それと、兄さん…
ハルミ:(間をあける)彼女できた?
ミイロ:……は?
ハルミ:毎日学校一緒に行ってるみたいですけど?
ミイロ:付き合ってないし、向こうが勝手に来てるだけだ。冷やかしならやめろ
ハルミ:フッ(ニヤける)そうですか!ごめんなさい、兄さん!それだけです!
ミイロ:……
N:次の日
0:ピンポーン(チャイム)
ミイロ:…有坂?なんか用か?今日は休日だろ?
エマ:えへへ!暇だから来ちゃった!
ミイロ:はぁ…(ため息)あのなぁ、僕の家に来ても何もないぞ?
エマ:じゃあお散歩がてら、パトロールしよ!いいでしょ?ミイロ君!
ミイロ:…別にいいけど
0:間
エマ:そういえば、ミイロ君の家ってあの大手会社《トウジョウ電機》の東条なんだね!
ミイロ:あぁ…父さんが社長をやっている
エマ:へぇー!すごい!ミイロ君も、ものづくり好きだから会社継いだりするの?
ミイロ:僕は継がない。弟が継ぐ予定
エマ:え?弟君いたんだ!いつか会ってみたいなー!
ミイロ:別に会っても何もないだろ
エマ:えー!絶対可愛いと思うな!
ミイロ:可愛い?
エマ:ミイロ君の弟君だよ?絶対いい子だよ!
ミイロ:……
N:すると、*狭間《はざま》が開くノイズが響く
エマ:!!
ミイロ:行くぞ
エマ:うん!
0:間
ミイロ:見つけた
エマ:あったね
ハルミ:ん?(偶然見つける)あれは兄さんと、女の子?
0:(同時に)
ミイロ:ステージチェンジ
エマ:ステージチェンジ!
0:
ハルミ:え?消えた…?!さっき、この本の前に居たよね?って……うわっ!?(狭間に巻き込まれる)
N:リペイントが複数出てくる
ミイロ:やるぞ
エマ:うん!
0:(同時に)
ミイロ:チェンジ、ブルーカラー
エマ:チェンジ!ピンクカラー!
0:グオオオオオオ!(襲いかかる)
エマ:はあああっ!(切りかかる)
N:次々とリペイントを倒していく2人
ミイロ:アイツでラストだ。ロックオン…*装填《そうてん》…ランダムシュ…
ハルミ:(被せる)え?(宙に浮いてる)うわああああああ!(落ちる)
ミイロ:?うわっ!?(ハルミに潰される)
ハルミ:いってててぇ…って、あれ?ここはどこ?
ミイロ:…おい!いい加減降りろ!
ハルミ:わぁ!?ってあれ、まさか兄さん!?って…何そのコスプレ…
ミイロ:っ!コスプレじゃない!
0:グオオオオオオ!
ハルミ:!?なんですか?!あの化け物!
エマ:はあああっ!!(ラストのリペイントを倒す)
ハルミ:!!あなたは…兄さんの彼女さん?
エマ:え?
ミイロ:っ!!だから違うって言ってるだろ!
エマ:兄さんってことは…まさか、ミイロ君の弟君!?
ハルミ:はいっ!はじめまして!*東条 陽海《とうじょう はるみ》って言います!あなたは?
エマ:有坂 *絵愛《えま》です!ミイロ君のお友達です!
ハルミ:お友達?いやいや!彼女さんではなくて?いつも一緒にいるんでしょ?
ミイロ:おい、お前な!
ハルミ:兄さんに彼女かぁ!あはは!嬉しいなぁ!
ミイロ:……(無視)
エマ:え、えっとー?(焦る)
ミイロ:ここから出るぞ
エマ:う、うん
N:狭間から出る3人
ハルミ:ところで、さっきの黒い空間はなんですか?
エマ:あー!あそこはね?はざ…
ミイロ:(被せる)おい、有坂!
エマ:はっ!!(ハッとする)ご、ごめん!!
ミイロ:……(睨む)
ハルミ:??2人だけの秘密ってやつですかぁ??お熱いですねぇ~
ミイロ:ハル、そろそろいい加減にしろよ?(圧をかける)
ハルミ:うっ…じょ、冗談です…
エマ:そういえば、なんで弟君がいるの?
ハルミ:えっとぉ…それはぁ、ですね。ほんとに偶然通りかかって……そしたら姿が消えたから気になって……
ミイロ:はぁ……(ため息)
ミイロ:今回は終わり*間際《まぎわ》だったからよかったものの、危険な事には変わらない。次はついてくるなよ?
ハルミ:はい……気をつけます
エマ:んー…(考える)そうだ!せっかくだからハル君と話したいな!もちろん、ミイロ君もね?
ハルミ:え?いいんですか?
エマ:うん!!ダメ、かな?
ハルミ:私は、別にいいですけど…
ミイロ:はぁ…(ため息)すきにすれば?
エマ:やったぁ!!何聞こうかなぁ?(ルンルン気分で)
ミイロ:……(目を逸らす)
0:間
N:3人はとある喫茶店にきていた
エマ:じゃあー早速いっぱい質問しちゃおっかなぁ!
ハルミ:答えられる範囲でお答えします!
エマ:んーとねー…ハル君って何歳なの?
ハルミ:15歳です!中三ですね!
エマ:おー!1つ年下かぁ!じゃあ来年は同じ高校に入れるってことかぁ!楽しみだなぁ!
ハルミ:あはは!まだ入学したばっかりなのに、もう来年の話って(笑いながら)
エマ:私にも妹がいてね!性格とか全然似てないけど、すっごく大好きな妹なんだっ!
ハルミ:私も兄さんのこと大好きですよ!ね?(ミイロに目線を送る)
ミイロ:知らん(プイッ)
エマ:へぇ!ミイロ君のどんなとこが好きなのー?
ハルミ:えっとですねぇ!頭もいいしーかっこいいしー、なんでもできるしー、それからぁ…
ミイロ:あのさ、やめてくれないか?(ジト目)
ハルミ:へへ!(無邪気に笑う)やめませーん!あ!あと、すごく優しいところ!
エマ:そっかぁ!!やっぱり優しいんだねーミイロ君は!
ミイロ:キミ達なぁ…(照れなが怒る)
ハルミ:そういえば、エマさん達はどうやって出会ったんですか?
エマ:あー!私達は同じ*虹彩《こうさい》高校の1年A組で、えっとぉ、私がピンチな時にミイロ君が助けてくれて!それから仲良くなったかな?
ハルミ:ピンチ?それってどういう…
ミイロ:……(エマを睨む)
エマ:…えっ、えっとぉ、あっ!と、トラックにひかれそうになったところを助けてもらったの!!(焦りながら嘘をつく)
ハルミ:へぇ…さっすが兄さん!かっこいいなぁ!
ミイロ:……(目を閉じる)
エマ:そういえば、ミイロ君達の家って、あの大手電機会社なんだよね?そこの社長さんがお父さん、だっけ?
ハルミ:はい!父さんの後は私が引き継ぐ予定です!
エマ:はぇー…すごいなぁ!もう将来が決まってるなんて!応援するよ!!
ハルミ:ありがとうございます!まあ、ちゃんと引き継げるか凄く不安ですけどね…
エマ:全然だよ!!ハル君ならできるっ!!諦めず、自分なりに進んでいけば、必ず上手くいくはずだよ!!
ハルミ:フフ(微笑む)はい!頑張ります!
N:すると、狭間が開くノイズが響く
エマ:!!(突然立ち上がる)
ハルミ:?どうかしました?エマさん…
エマ:ミイロ君……
ミイロ:あぁ…。ハル、お喋りは終わりだ。家に帰れ
ハルミ:え?もう?
ミイロ:有坂、行くぞ
エマ:うん…!ハル君、ごめんね!また時間ができたらお話しようね!
N:駆け出して行く2人
ハルミ:……(考える)
0:間
N:狭間の中に入るエマとミイロ。そこには色を奪われてしまった人々がいた
ミイロ:くそっ!間に合わなかったか!
エマ:とにかくリペイントを倒そうよ!
ミイロ:あぁ。そうだな…
0:(同時に)
ミイロ:チェンジ、ブルーカラー
エマ:チェンジ!ピンクカラー!
0:
N:そこには、小柄で空を飛んでいるリペイントがいた
ミイロ:空を飛ぶリペイント…か。厄介だな
エマ:いかにもスバしっこそうだね!
ミイロ:僕が誘導するからそこをついて攻撃してくれ
エマ:わかった!
ミイロ:ロックオン、*装填《そうてん》、シュート!!
エマ:はぁっ!(切りかかる)
N:あと一歩の攻撃は虚しくかわされる
エマ:はやいっ!!
ミイロ:チッ!(舌打ち)ロックオン、*装填《そうてん》、バレットスコール!!
N:小柄なリペイントは簡単にバレットスコールを避ける
エマ:あれを全部かわした!?
ミイロ:厄介だな…せめて翼を攻撃できれば…
エマ:どうしよう…
ミイロ:……(考える)
ミイロ:M(追尾できるような能力がないと、アイツは倒せない…なにか他にないのか…?)
N:すると、小柄だったリペイントがいきなり巨大化する
エマ:えっ!?大きくなっちゃったよ!?
ミイロ:何っ!?
0:グオオオオ!!(叫ぶ)
N:すると、口から黒い触手のようなモノが出てきてエマとミイロを*捉《とら》える
ミイロ:!!しまった!!
エマ:うぅっ!*解《ほど》けない!!
N:そのまま2人を体内へと引きずり込む
0:(同時に)
エマ:いやぁあっ!!
ミイロ:うわあっ!!
0:間
ミイロ:うっ…!くそ!飲み込まれたっ!!
エマ:!!どうしよう!!
N:体にはドロドロの黒い液体が2人の魔力を奪っていた
ミイロ:!これは…胃液のようなものか?くっ!魔力が奪われる……!
エマ:早くしないと、大変なことになるじゃないの!?
ミイロ:落ち着け!必ず出る方法があるはずだ!
エマ:でもどうやって!?奥に進む道なんてないし、上に入口があるけど、空を飛ぶ能力がないと出られないよ!
ミイロ:……(考える)
ミイロ:流石に空を飛ぶ能力はない…。カズヤを呼ぼうにも連絡する手段がないし…。
ミイロ:くそっ!どうする…?
ミイロ:(小声で)せめて、僕にもっと力があれば…
エマ:ミイロ君…?
0:間
N:その頃、ハルミは歩いていた
ハルミ:M(エマさん、本当に太陽みたいな人でいい人だったなぁ!あの人になら兄さんを任せられる気がするな!)
N:すると、道の端で占い師が声をかけてきた
カズヤ:(占い師)そこの坊や
ハルミ:え?私ですか?
カズヤ:(占い師)えぇ。少し占っていきませんか?
ハルミ:えっと、遠慮しておきます
カズヤ:(占い師)お金はいりません。なにか気になることとかありませんか?
ハルミ:気になること?
カズヤ:(占い師)大切な人のことか、好きな人のことか、家族のこととか……なんでもいいですよ?この水晶玉が教えてくれます
ハルミ:家族のこと……(小声で)無料ならやってもらおうかな。
ハルミ:では、お願いします!
カズヤ:(占い師)知りたいことを頭に思い浮かべてください。そうすれば、この水晶玉にうつります
ハルミ:M(知りたいこと……今、兄さん達が何をやっているのか……それが知りたい!)
N:すると、水晶玉にエマ達が狭い空間で攻撃をしているのが映し出される
ハルミ:?何をやってるんだろう?なんかヤバそうな雰囲気……
カズヤ:(占い師)ふむ、これは良くない風が吹いてますね。このままだと、2人ともいなくなってしまうかもしれませんね……
ハルミ:えっ!?いなくなる!?どういうことですか!?
カズヤ:(占い師)そのままの意味ですよ。最近流行ってる植物状態になる事件になにか繋がってそうな気がするんですよ
ハルミ:M(このままだと、兄さん達が危ない……?でも、私には兄さん達のような力なんてなにも……)
トライア:……(遠くから見ている)
ハルミ:M(それでも、私は助けたいっ!だって大切な人達だから!)
ハルミ:っ!(かけ出す)
トライア:っ……(追いかける)
0:間
N:一方、リペイントの体内にいるエマ達は魔力をかなり消耗していた
エマ:はぁ…はぁ…はぁ…ダメ!全力で切っても元に戻っちゃう!
ミイロ:くそっ!有坂の力ででも修復するなんて……どうする……かなりまずいな……
エマ:ハル君……
ミイロ:え?
エマ:ハル君が*絵魔具使《えまぐつか》いになってくれないかな?
ミイロ:それは絶対ダメだ!なんで巻き込まなきゃいけないんだ!
エマ:だって、あの子も綺麗な心を持ってるでしょ?私、ハル君ならなれると思うんだ!
ミイロ:絵魔具使いにはさせない……!大切だから余計に*絵魔具使《えまぐつか》いにはなって欲しくないんだっ!
エマ:……でも、そうでもしないとここから抜け出せないと思うの!
ミイロ:考えれば他になにかあるはずだ!そうなる前に蹴りをつけないと……!(焦り始める)
エマ:ミイロ君……
エマ:M(確かに大切な人を危険に巻き込みたくないのはわかるけど…でも、このまま2人でいなくなって悲しむ人が増えるよりは……。お願い!私の想い……伝わって!)
N:すると、ミイロはできるだけ大きい弾丸を描き放とうとしていた
エマ:ちょちょちょっと待ってよミイロ君!そんなに大きく描いたら魔力なくなっちゃうよ!?
ミイロ:一か八かだっ!これでダメなら諦めるしか……
エマ:落ち着いて!焦る気持ちはわからなくもないけど、こういう時こそ冷静に考えなきゃ!それに、まだ諦めるのには早いよ!
ミイロ:(大声で)じゃあどうすればいいんだよっ!!
ミイロ:今の僕達には何もできないんだろ?なら全力を出し切った方が……
エマ:ねぇ!落ち着いてってミイロ君!らしくないよ!
ミイロ:……(俯く)
N:すると、地面が揺れ始める
エマ:なにっ!?
ミイロ:ま、さか!……本当に、ハルが来たのか……?
エマ:え?
ミイロ:この魔力の感じ……間違いなくハルだ……なんでいるんだ!?
エマ:なら助かるかも!
ミイロ:でも、ハルは*絵魔具使《えまぐつか》いじゃない!生身で*狭間《はざま》にきても色を奪われるだけだ!!今すぐやめさせないとっ!!
エマ:大丈夫!ハル君を信じよう!
ミイロ:っ……!くっ……(俯く)
0:間
N:*狭間《はざま》では、ハルミの姿があった
ハルミ:コイツの中に兄さん達がいるんだよね?トライア!
トライア:そぅ!アイツの中に閉じ込められてるよぉ!魔力が残り少なぃ!急いで、ハルミィ!
ハルミ:えっと……私はどうしたらいい?
トライア:今できることは、オレっちと契約して*絵魔具使《えまぐつか》いになることだょ!
ハルミ:契、約?
トライア:そぅ!*絵魔具使《えまぐつか》いになって戦ってもらう代わりに、なんでも願い事を1つ叶えるょ!
ハルミ:願い……そんな急に言われても……すぐになんて思いつかないよ……
イレイザー:あらぁ!可愛い坊やね!迷子かしら?
ハルミ:!!誰ですか!あなたは!
イレイザー:ワタクシの名前は《イレイザー》よ?ま、教えたって意味無いからしら?ここでワタクシに色を奪われるんですものっ!!行きなさいっ!!
ハルミ:っ!!
トライア:ハルミィ!!早く願いを!!
ハルミ:そんなこと言ったって!!困るよ!
トライア:このままだとみんなの未来がなくなるょ!!急いで!
ハルミ:M(みんなの…未来……?)
ハルミ:っ!決めた!私は…みんなの未来を繋ぐ力がほしい!!
トライア:その願い、聞き受けたっ!!
N:すると、紫色の光のオーラがハルミを包む
イレイザー:なにっ!?まさか!!そんな事って!!
N:手には弓矢を持ち、変身した姿になっていた
ミイロ:!!!この魔力量は……!まさか、ハルまで*絵魔具使《えまぐつか》いになったのか!?
エマ:本当に!?
ミイロ:くっ……!(悔しがる)
ミイロ:(小声で)また…僕が弱いせいで…!
0:
ハルミ:私は兄さん達の……みんなの未来を守るっ!!*射抜《いぬ》けっ!!(攻撃する)
イレイザー:フン!バカね!こちらには人質がいるのをお忘れで?
イレイザー:(大柄リペイントに向かって)ほら!小さくなって潰してしまいなさいっ!
N:大柄リペイントは体を縮め始める
ハルミ:!!やめろっ!!兄さん達が潰れるだろっ!!
イレイザー:ええそうよ?潰すために小さくしてるんだもの、当たり前じゃない?
ハルミ:(小声で)くっ!!やっぱり、私の力なんかじゃ救えないのかな……!
0:間
エマ:ねぇ!これ狭くなってきてないっ!?このままじゃ潰されちゃうっ!!
ミイロ:…………
エマ:ミイロ、君?
0:ドクン(心臓の音)
ミイロ:M(また、僕が弱いせいで…もっと強ければこんな事には……)
エマ:どうしたの?ねぇ!ねぇってば!!
0:(ミイロは過去を思い出す)
ミイロ:M(もう、あんな事になるのは…嫌だっ!!)
N:すると、ミイロは全魔力を使い、巨大な弾丸を描き始めた
エマ:ミイロ君っ!!待ってっ!!
ミイロ:(パニック)はぁ…はぁ…はぁ…!(暴走の叫び)うわああああああぁぁぁっ!!
エマ:っ!!ミイロ君っ!!
N:リペイントの頭を*貫《つらぬ》く巨大な弾丸
イレイザー:なにっ!?
ハルミ:巨大な弾丸!?
トライア:チャンス!ハルミィ!一旦変身を*解《と》いて、弓矢を伸ばして、その矢の先にオレッチがついてくからそれで2人を助けるょ!
ハルミ:わかった!
N:その頃、エマ達は……
N:ミイロは全ての魔力を失っていた
ミイロ:っ……!(倒れる)
エマ:ミイロ君っ!!しっかりしてっ!!
パレット:まずいパレェ!このままだと色を奪われてしまうパレェ!
エマ:えっ!?なんとかならないの?パレットちゃん!
パレット:んー……一つだけ方法はあるパレェ…でもエマも危険な目にあうかもしれないパレェ!
エマ:私なら大丈夫!その方法を教えて!
パレット:一旦変身を解いて、ミイロの首元のマークに触れて魔力を渡す方法があるパレェ!
エマ:わかった!やってみるね!
パレット:でも、エマも残りの魔力が少ないパレェ!気をつけるパレェ!
N:エマは変身を解き、ミイロの首元のマークに触れ、魔力を分け与える
エマ:M(お願い!ミイロ君!このままじゃダメだよ!)
N:すると、トライアがエマ達の元に到達する
トライア:キミ達!助けに来たょ!
エマ:あなたは?もしかしてハル君のパートナー?
トライア:そうだょ!オレっちの名前はトライア!さあ、早くここから脱出するんだょ!
エマ:わかった!でも、ミイロ君の意識が戻らなくて……!
トライア:とりあえず、キミはその子を抱えてオレっちに捕まってくれ!このままだと潰されてしまぅ!
エマ:ありがとう!(ミイロを抱えて捕まる)っ!
N:あと一歩の所でエマ達は体内を脱出する
ハルミ:兄さん!エマさん!無事ですか!?
エマ:ありがとう、ハル君…!でも、ミイロ君がさっきの巨大な弾丸を放って、魔力を全部使い切っちゃったみたいで……魔力を分け与えているけど、意識が戻らなくて……
ハルミ:え?魔力を全部使い切るとどうなるの?
トライア:体力がなくなる、つまり動けなくなるょ。*絵魔具使《えまぐつか》いは先に魔力を、次に色の順で奪われるょ。
ハルミ:そんな!なら私の魔力も!
ミイロ:…うっ!(目を覚ます)
エマ:ミイロ君!よかったぁ!
ハルミ:兄さん!
ミイロ:!……ハル、やっぱりそのマークがあるってことは、*絵魔具使《えまぐつか》いになったんだな……
ハルミ:うん!みんなの未来を繋ぎたいって願って*絵魔具使《えまぐつか》いになったんだよ!
ミイロ:……(俯く)
N:すると、エマが倒れる
ミイロ:有坂!?
ハルミ:エマさん!!
エマ:あはは…!ちょっと私も魔力を使いすぎちゃったみたい……。とにかく、無事でよかっ…た……(気絶)
ミイロ:有坂ぁ!!
イレイザー:あーら!ワタクシを置いてけぼりにするなんて、酷いわね?1人意識が無くなったみたいだし?チャンスね!行きなさいっ!
ハルミ:しまったっ!
ミイロ:……っ!(睨む)
ミイロ:ロックオン!*装填《そうてん》…!ランダムシュートッ!!!
0:グオオオオ……(消滅)
ハルミ:兄さん……!
イレイザー:フン!チャンスだと思ったのに…!まあいいですわ!この事はあの*御方《おかた》に報告しなければなりませんし、この辺で引いて差し上げますわっ!(退場)
ミイロ:……くっ!(俯く)
ミイロ:M(くそっ!何やってるんだ僕は…!僕のせいで有坂をこんな状態にしてしまった…。一体、どうすればよかったんだよ……!)
トライア:急いでその子を休ませてあげるょ!
ハルミ:うん!兄さん、行きましょう?
ミイロ:……あぁ(暗い顔)
ハルミ:M(あれ…?なんでこんな雰囲気になってるんだろう?せっかく2人を助けられて、ピンチは去ったはずなのに…こんな悲しい雰囲気になってるんだ?)
0:間
N:ミイロ達はエマを家に送り届けた
ハルミ:妹さん、お姉さんをよろしくお願いします
ミイロ:お姉さんをこんな状態にしたのは僕です…。ごめんなさい。
ハルミ:兄さん、そんなこと……
ミイロ:(被せる)本当にごめんなさい。しっかり休ませてあげてください……。では……
ハルミ:……(心配する)
0:間
ハルミ:M(ねぇ、トライア。私の選択は間違ってたのかな?*絵魔具使《えまぐつか》いにならなかった方がよかったのかな……)
トライア:M(いいゃ。ハルミィの選択は間違ってないょ。それは絶対だ。あのままだと本当にお兄さん達はいなくなっていたと思うょ?)
ハルミ:M(そう、だよね……。なんだかな……。せっかく助けられた、一緒に戦えると思ったのに、全然何も出来なかったし、兄さんも喜んでくれてないみたいだし……)
トライア:M(ハルミィ……。きっと何かお兄さんにもあるんだょ。絶対いつかハルミィの気持ち、伝わると思うょ?)
ハルミ:M(だといいけど……はぁ……(ため息))
ミイロ:ハル、なぜ生身で魔力を使っていたんだ?
ハルミ:え?それは、あの状況ではあの方法がいいって思ったからで……
ミイロ:生身で魔力を使うと、魔力消費が激しくなるんだ。無闇に使うものではないぞ
ハルミ:(シュンとする)そ、うなんだ……知りませんでした……今後は気をつけます……
トライア:ちょっと待ってょ!それはオレっちが指示してしまったのもある!ハルミィを責めないでょ!
ミイロ:はぁ……(ため息)
ミイロ:キミ達妖精のパートナーは契約者をサポートするものであって、危険な状態にするのはどうかと思うがな?
トライア:うっ……それは、ごめんなさぃ……
ハルミ:やめてよっ!みんな自分の出来ることを精一杯やっただけですよね!?なんでこんな言い争いなんてしないといけないんですかっ!?
ミイロ:……(俯く)
ハルミ:それに、エマさんがあんな状態になったのは兄さんのせいなんかじゃないよ!
ミイロ:(大声で被せる)僕のせいだろっ!!
ミイロ:僕にもっと力があれば、こんなことにはならなかった……あの時、全魔力を使わなきゃよかったんだ……
ミイロ:(小声で)何やってるんだ……僕はっ……!!
ハルミ:それは違います!確かに、もっと力があれば簡単に抜け出せたかもしれない。だからといって、兄さんのせいになるのはおかしい!
ミイロ:(被せる)いや、僕のせいだっ!!
ハルミ:なんでそうやって1人で抱え込んじゃうんですか?
ミイロ:守るって言ったのに、逆に危険な目に合わせてしまったんだ……もっと、強くならないと……無力のままじゃ嫌だ……っ!
ハルミ:……(俯く)
0:沈黙の間
ハルミ:ねぇ…私、*絵魔具使《えまぐつか》いになってよかったって思ってますよ?だって兄さん達を救えたんだから!あのままだったら兄さん達だけじゃなくて、他の人達も危険な目にあう所だったんですよね?
ミイロ:僕は、ハルには*絵魔具使《えまぐつか》いにはなって欲しくなかった!!これからアイツらは強くなっていく、それを止めないといけないし、もっと危険な事が起きるっ!だから……
ハルミ:(被せる)それでも!……それでも私は兄さん達と同じ絵魔具使いになってよかったと思うよ!これから一緒にアイツらを止めましょう!
ミイロ:……
ハルミ:それに、無力なんかじゃない!だって、あの時兄さんが巨大な弾丸を放ってくれてなきゃ助けられなかったんですよ?それだけで十分です!ね?
ミイロ:本来、*絵魔具使《えまぐつか》いは増やしちゃいけない存在なんだ。通常の生活を送れなくなるんだぞ?それでもいいのか?
ハルミ:構いません、それでも。兄さん達が苦しんで、いつかいなくなっちゃうのならば、私はこの力を使いたいっ!兄さん達と一緒に戦いたいんですっ!
ミイロ:っ……!
ハルミ:ねぇ…だから、1人で抱え込まないでください。一緒に戦いましょ?ね?兄さん!
ミイロ:……(俯く)
N:ミイロ達の家につく
ミイロ:(暗い顔)……助けてくれてありがとう。ゆっくり休んでくれ。
ハルミ:兄さん!まだ話したいことがっ!
N:自分の部屋へと行くミイロ
ハルミ:……(俯く)
ハルミ:ねぇ、本当にこれでよかったのかな?
トライア:……大丈夫だょ。自分を信じてあげて?
ハルミ:……うん(暗い顔)
ハルミ:M(凄い思い詰めてた顔してたけど、大丈夫かな…?心配だな…)
0:間
N:ミイロの部屋。ミイロはベットの上で目を閉じている
ミイロ:……
ミイロ:M(エリさん……僕はどうしたらいいんですか?有坂やカズヤ、それにハルまで巻き込んでしまった……。今のままじゃ、またあの日を繰り返すだけだ……。あんな事、二度と起きて欲しくないのにっ!やっぱり、僕なんかじゃダメなのかな……?)
N:静かに泣くミイロ。それをクライは見ていることしか出来なかった
0:間
ハルミ:次回予告。私はトライアと契約して*絵魔具使《えまぐつか》いになれた。だけど、思っていた未来とは違う流れになっていく。本当にこのままでよかったのかな?不安だな…。ううん!(首を横に振る感じ)私が弱気になってちゃダメですよねっ!兄さん達と一緒にみんなを守るって決めたんですから!
ハルミ:次回、ワールド of パレット第7話、兄弟喧嘩。どんな未来になっても私は諦めないっ!
エマ:おはよう!ミイロ君!
ミイロ:あぁ…おはよう
エマ:行こっか!
0:間
ハルミ:……(エマ達を窓から見てる)
ハルミ:あれは…女の子……?まさか…ね
0:間
N:お昼休みの時間
ミイロ:…作戦は以上だ
エマ:わかった!
カズヤ:OK!
カズヤ:あ!今日はバスケ部にいくからそっちにはいけない!悪いな!
エマ:わかった!頑張ってね!
カズヤ:おう!
ミイロ:有坂…放課後、師匠の所に行くぞ
エマ:了解!
0:間
N:エマとミイロは、ソラに特訓をしてもらっている
カズヤ:(ソラ)今日はここまでじゃ、お疲れ様!
カズヤ:(ソラ)そういえば、新しい仲間が増えたみたいじゃのぉ。これからもっと連携が必要になるから頑張るんじゃぞぃ!
エマ:はいっ!!
カズヤ:(ソラ)では、解散!
エマ:お疲れ様でした!
ミイロ:ありがとうございました
N:ミイロの家。玄関をあけると、そこには弟のハルミがいた
ハルミ:お帰りなさい兄さん!
ミイロ:あぁ…何か用かハル
ハルミ:少し聞きたいことがあって
ミイロ:聞きたいこと?
ハルミ:うん。最近帰り遅いし、疲れて帰って来てるけど何してるんですか?
ミイロ:…別に何でもいいだろ
ハルミ:それと、兄さん…
ハルミ:(間をあける)彼女できた?
ミイロ:……は?
ハルミ:毎日学校一緒に行ってるみたいですけど?
ミイロ:付き合ってないし、向こうが勝手に来てるだけだ。冷やかしならやめろ
ハルミ:フッ(ニヤける)そうですか!ごめんなさい、兄さん!それだけです!
ミイロ:……
N:次の日
0:ピンポーン(チャイム)
ミイロ:…有坂?なんか用か?今日は休日だろ?
エマ:えへへ!暇だから来ちゃった!
ミイロ:はぁ…(ため息)あのなぁ、僕の家に来ても何もないぞ?
エマ:じゃあお散歩がてら、パトロールしよ!いいでしょ?ミイロ君!
ミイロ:…別にいいけど
0:間
エマ:そういえば、ミイロ君の家ってあの大手会社《トウジョウ電機》の東条なんだね!
ミイロ:あぁ…父さんが社長をやっている
エマ:へぇー!すごい!ミイロ君も、ものづくり好きだから会社継いだりするの?
ミイロ:僕は継がない。弟が継ぐ予定
エマ:え?弟君いたんだ!いつか会ってみたいなー!
ミイロ:別に会っても何もないだろ
エマ:えー!絶対可愛いと思うな!
ミイロ:可愛い?
エマ:ミイロ君の弟君だよ?絶対いい子だよ!
ミイロ:……
N:すると、*狭間《はざま》が開くノイズが響く
エマ:!!
ミイロ:行くぞ
エマ:うん!
0:間
ミイロ:見つけた
エマ:あったね
ハルミ:ん?(偶然見つける)あれは兄さんと、女の子?
0:(同時に)
ミイロ:ステージチェンジ
エマ:ステージチェンジ!
0:
ハルミ:え?消えた…?!さっき、この本の前に居たよね?って……うわっ!?(狭間に巻き込まれる)
N:リペイントが複数出てくる
ミイロ:やるぞ
エマ:うん!
0:(同時に)
ミイロ:チェンジ、ブルーカラー
エマ:チェンジ!ピンクカラー!
0:グオオオオオオ!(襲いかかる)
エマ:はあああっ!(切りかかる)
N:次々とリペイントを倒していく2人
ミイロ:アイツでラストだ。ロックオン…*装填《そうてん》…ランダムシュ…
ハルミ:(被せる)え?(宙に浮いてる)うわああああああ!(落ちる)
ミイロ:?うわっ!?(ハルミに潰される)
ハルミ:いってててぇ…って、あれ?ここはどこ?
ミイロ:…おい!いい加減降りろ!
ハルミ:わぁ!?ってあれ、まさか兄さん!?って…何そのコスプレ…
ミイロ:っ!コスプレじゃない!
0:グオオオオオオ!
ハルミ:!?なんですか?!あの化け物!
エマ:はあああっ!!(ラストのリペイントを倒す)
ハルミ:!!あなたは…兄さんの彼女さん?
エマ:え?
ミイロ:っ!!だから違うって言ってるだろ!
エマ:兄さんってことは…まさか、ミイロ君の弟君!?
ハルミ:はいっ!はじめまして!*東条 陽海《とうじょう はるみ》って言います!あなたは?
エマ:有坂 *絵愛《えま》です!ミイロ君のお友達です!
ハルミ:お友達?いやいや!彼女さんではなくて?いつも一緒にいるんでしょ?
ミイロ:おい、お前な!
ハルミ:兄さんに彼女かぁ!あはは!嬉しいなぁ!
ミイロ:……(無視)
エマ:え、えっとー?(焦る)
ミイロ:ここから出るぞ
エマ:う、うん
N:狭間から出る3人
ハルミ:ところで、さっきの黒い空間はなんですか?
エマ:あー!あそこはね?はざ…
ミイロ:(被せる)おい、有坂!
エマ:はっ!!(ハッとする)ご、ごめん!!
ミイロ:……(睨む)
ハルミ:??2人だけの秘密ってやつですかぁ??お熱いですねぇ~
ミイロ:ハル、そろそろいい加減にしろよ?(圧をかける)
ハルミ:うっ…じょ、冗談です…
エマ:そういえば、なんで弟君がいるの?
ハルミ:えっとぉ…それはぁ、ですね。ほんとに偶然通りかかって……そしたら姿が消えたから気になって……
ミイロ:はぁ……(ため息)
ミイロ:今回は終わり*間際《まぎわ》だったからよかったものの、危険な事には変わらない。次はついてくるなよ?
ハルミ:はい……気をつけます
エマ:んー…(考える)そうだ!せっかくだからハル君と話したいな!もちろん、ミイロ君もね?
ハルミ:え?いいんですか?
エマ:うん!!ダメ、かな?
ハルミ:私は、別にいいですけど…
ミイロ:はぁ…(ため息)すきにすれば?
エマ:やったぁ!!何聞こうかなぁ?(ルンルン気分で)
ミイロ:……(目を逸らす)
0:間
N:3人はとある喫茶店にきていた
エマ:じゃあー早速いっぱい質問しちゃおっかなぁ!
ハルミ:答えられる範囲でお答えします!
エマ:んーとねー…ハル君って何歳なの?
ハルミ:15歳です!中三ですね!
エマ:おー!1つ年下かぁ!じゃあ来年は同じ高校に入れるってことかぁ!楽しみだなぁ!
ハルミ:あはは!まだ入学したばっかりなのに、もう来年の話って(笑いながら)
エマ:私にも妹がいてね!性格とか全然似てないけど、すっごく大好きな妹なんだっ!
ハルミ:私も兄さんのこと大好きですよ!ね?(ミイロに目線を送る)
ミイロ:知らん(プイッ)
エマ:へぇ!ミイロ君のどんなとこが好きなのー?
ハルミ:えっとですねぇ!頭もいいしーかっこいいしー、なんでもできるしー、それからぁ…
ミイロ:あのさ、やめてくれないか?(ジト目)
ハルミ:へへ!(無邪気に笑う)やめませーん!あ!あと、すごく優しいところ!
エマ:そっかぁ!!やっぱり優しいんだねーミイロ君は!
ミイロ:キミ達なぁ…(照れなが怒る)
ハルミ:そういえば、エマさん達はどうやって出会ったんですか?
エマ:あー!私達は同じ*虹彩《こうさい》高校の1年A組で、えっとぉ、私がピンチな時にミイロ君が助けてくれて!それから仲良くなったかな?
ハルミ:ピンチ?それってどういう…
ミイロ:……(エマを睨む)
エマ:…えっ、えっとぉ、あっ!と、トラックにひかれそうになったところを助けてもらったの!!(焦りながら嘘をつく)
ハルミ:へぇ…さっすが兄さん!かっこいいなぁ!
ミイロ:……(目を閉じる)
エマ:そういえば、ミイロ君達の家って、あの大手電機会社なんだよね?そこの社長さんがお父さん、だっけ?
ハルミ:はい!父さんの後は私が引き継ぐ予定です!
エマ:はぇー…すごいなぁ!もう将来が決まってるなんて!応援するよ!!
ハルミ:ありがとうございます!まあ、ちゃんと引き継げるか凄く不安ですけどね…
エマ:全然だよ!!ハル君ならできるっ!!諦めず、自分なりに進んでいけば、必ず上手くいくはずだよ!!
ハルミ:フフ(微笑む)はい!頑張ります!
N:すると、狭間が開くノイズが響く
エマ:!!(突然立ち上がる)
ハルミ:?どうかしました?エマさん…
エマ:ミイロ君……
ミイロ:あぁ…。ハル、お喋りは終わりだ。家に帰れ
ハルミ:え?もう?
ミイロ:有坂、行くぞ
エマ:うん…!ハル君、ごめんね!また時間ができたらお話しようね!
N:駆け出して行く2人
ハルミ:……(考える)
0:間
N:狭間の中に入るエマとミイロ。そこには色を奪われてしまった人々がいた
ミイロ:くそっ!間に合わなかったか!
エマ:とにかくリペイントを倒そうよ!
ミイロ:あぁ。そうだな…
0:(同時に)
ミイロ:チェンジ、ブルーカラー
エマ:チェンジ!ピンクカラー!
0:
N:そこには、小柄で空を飛んでいるリペイントがいた
ミイロ:空を飛ぶリペイント…か。厄介だな
エマ:いかにもスバしっこそうだね!
ミイロ:僕が誘導するからそこをついて攻撃してくれ
エマ:わかった!
ミイロ:ロックオン、*装填《そうてん》、シュート!!
エマ:はぁっ!(切りかかる)
N:あと一歩の攻撃は虚しくかわされる
エマ:はやいっ!!
ミイロ:チッ!(舌打ち)ロックオン、*装填《そうてん》、バレットスコール!!
N:小柄なリペイントは簡単にバレットスコールを避ける
エマ:あれを全部かわした!?
ミイロ:厄介だな…せめて翼を攻撃できれば…
エマ:どうしよう…
ミイロ:……(考える)
ミイロ:M(追尾できるような能力がないと、アイツは倒せない…なにか他にないのか…?)
N:すると、小柄だったリペイントがいきなり巨大化する
エマ:えっ!?大きくなっちゃったよ!?
ミイロ:何っ!?
0:グオオオオ!!(叫ぶ)
N:すると、口から黒い触手のようなモノが出てきてエマとミイロを*捉《とら》える
ミイロ:!!しまった!!
エマ:うぅっ!*解《ほど》けない!!
N:そのまま2人を体内へと引きずり込む
0:(同時に)
エマ:いやぁあっ!!
ミイロ:うわあっ!!
0:間
ミイロ:うっ…!くそ!飲み込まれたっ!!
エマ:!!どうしよう!!
N:体にはドロドロの黒い液体が2人の魔力を奪っていた
ミイロ:!これは…胃液のようなものか?くっ!魔力が奪われる……!
エマ:早くしないと、大変なことになるじゃないの!?
ミイロ:落ち着け!必ず出る方法があるはずだ!
エマ:でもどうやって!?奥に進む道なんてないし、上に入口があるけど、空を飛ぶ能力がないと出られないよ!
ミイロ:……(考える)
ミイロ:流石に空を飛ぶ能力はない…。カズヤを呼ぼうにも連絡する手段がないし…。
ミイロ:くそっ!どうする…?
ミイロ:(小声で)せめて、僕にもっと力があれば…
エマ:ミイロ君…?
0:間
N:その頃、ハルミは歩いていた
ハルミ:M(エマさん、本当に太陽みたいな人でいい人だったなぁ!あの人になら兄さんを任せられる気がするな!)
N:すると、道の端で占い師が声をかけてきた
カズヤ:(占い師)そこの坊や
ハルミ:え?私ですか?
カズヤ:(占い師)えぇ。少し占っていきませんか?
ハルミ:えっと、遠慮しておきます
カズヤ:(占い師)お金はいりません。なにか気になることとかありませんか?
ハルミ:気になること?
カズヤ:(占い師)大切な人のことか、好きな人のことか、家族のこととか……なんでもいいですよ?この水晶玉が教えてくれます
ハルミ:家族のこと……(小声で)無料ならやってもらおうかな。
ハルミ:では、お願いします!
カズヤ:(占い師)知りたいことを頭に思い浮かべてください。そうすれば、この水晶玉にうつります
ハルミ:M(知りたいこと……今、兄さん達が何をやっているのか……それが知りたい!)
N:すると、水晶玉にエマ達が狭い空間で攻撃をしているのが映し出される
ハルミ:?何をやってるんだろう?なんかヤバそうな雰囲気……
カズヤ:(占い師)ふむ、これは良くない風が吹いてますね。このままだと、2人ともいなくなってしまうかもしれませんね……
ハルミ:えっ!?いなくなる!?どういうことですか!?
カズヤ:(占い師)そのままの意味ですよ。最近流行ってる植物状態になる事件になにか繋がってそうな気がするんですよ
ハルミ:M(このままだと、兄さん達が危ない……?でも、私には兄さん達のような力なんてなにも……)
トライア:……(遠くから見ている)
ハルミ:M(それでも、私は助けたいっ!だって大切な人達だから!)
ハルミ:っ!(かけ出す)
トライア:っ……(追いかける)
0:間
N:一方、リペイントの体内にいるエマ達は魔力をかなり消耗していた
エマ:はぁ…はぁ…はぁ…ダメ!全力で切っても元に戻っちゃう!
ミイロ:くそっ!有坂の力ででも修復するなんて……どうする……かなりまずいな……
エマ:ハル君……
ミイロ:え?
エマ:ハル君が*絵魔具使《えまぐつか》いになってくれないかな?
ミイロ:それは絶対ダメだ!なんで巻き込まなきゃいけないんだ!
エマ:だって、あの子も綺麗な心を持ってるでしょ?私、ハル君ならなれると思うんだ!
ミイロ:絵魔具使いにはさせない……!大切だから余計に*絵魔具使《えまぐつか》いにはなって欲しくないんだっ!
エマ:……でも、そうでもしないとここから抜け出せないと思うの!
ミイロ:考えれば他になにかあるはずだ!そうなる前に蹴りをつけないと……!(焦り始める)
エマ:ミイロ君……
エマ:M(確かに大切な人を危険に巻き込みたくないのはわかるけど…でも、このまま2人でいなくなって悲しむ人が増えるよりは……。お願い!私の想い……伝わって!)
N:すると、ミイロはできるだけ大きい弾丸を描き放とうとしていた
エマ:ちょちょちょっと待ってよミイロ君!そんなに大きく描いたら魔力なくなっちゃうよ!?
ミイロ:一か八かだっ!これでダメなら諦めるしか……
エマ:落ち着いて!焦る気持ちはわからなくもないけど、こういう時こそ冷静に考えなきゃ!それに、まだ諦めるのには早いよ!
ミイロ:(大声で)じゃあどうすればいいんだよっ!!
ミイロ:今の僕達には何もできないんだろ?なら全力を出し切った方が……
エマ:ねぇ!落ち着いてってミイロ君!らしくないよ!
ミイロ:……(俯く)
N:すると、地面が揺れ始める
エマ:なにっ!?
ミイロ:ま、さか!……本当に、ハルが来たのか……?
エマ:え?
ミイロ:この魔力の感じ……間違いなくハルだ……なんでいるんだ!?
エマ:なら助かるかも!
ミイロ:でも、ハルは*絵魔具使《えまぐつか》いじゃない!生身で*狭間《はざま》にきても色を奪われるだけだ!!今すぐやめさせないとっ!!
エマ:大丈夫!ハル君を信じよう!
ミイロ:っ……!くっ……(俯く)
0:間
N:*狭間《はざま》では、ハルミの姿があった
ハルミ:コイツの中に兄さん達がいるんだよね?トライア!
トライア:そぅ!アイツの中に閉じ込められてるよぉ!魔力が残り少なぃ!急いで、ハルミィ!
ハルミ:えっと……私はどうしたらいい?
トライア:今できることは、オレっちと契約して*絵魔具使《えまぐつか》いになることだょ!
ハルミ:契、約?
トライア:そぅ!*絵魔具使《えまぐつか》いになって戦ってもらう代わりに、なんでも願い事を1つ叶えるょ!
ハルミ:願い……そんな急に言われても……すぐになんて思いつかないよ……
イレイザー:あらぁ!可愛い坊やね!迷子かしら?
ハルミ:!!誰ですか!あなたは!
イレイザー:ワタクシの名前は《イレイザー》よ?ま、教えたって意味無いからしら?ここでワタクシに色を奪われるんですものっ!!行きなさいっ!!
ハルミ:っ!!
トライア:ハルミィ!!早く願いを!!
ハルミ:そんなこと言ったって!!困るよ!
トライア:このままだとみんなの未来がなくなるょ!!急いで!
ハルミ:M(みんなの…未来……?)
ハルミ:っ!決めた!私は…みんなの未来を繋ぐ力がほしい!!
トライア:その願い、聞き受けたっ!!
N:すると、紫色の光のオーラがハルミを包む
イレイザー:なにっ!?まさか!!そんな事って!!
N:手には弓矢を持ち、変身した姿になっていた
ミイロ:!!!この魔力量は……!まさか、ハルまで*絵魔具使《えまぐつか》いになったのか!?
エマ:本当に!?
ミイロ:くっ……!(悔しがる)
ミイロ:(小声で)また…僕が弱いせいで…!
0:
ハルミ:私は兄さん達の……みんなの未来を守るっ!!*射抜《いぬ》けっ!!(攻撃する)
イレイザー:フン!バカね!こちらには人質がいるのをお忘れで?
イレイザー:(大柄リペイントに向かって)ほら!小さくなって潰してしまいなさいっ!
N:大柄リペイントは体を縮め始める
ハルミ:!!やめろっ!!兄さん達が潰れるだろっ!!
イレイザー:ええそうよ?潰すために小さくしてるんだもの、当たり前じゃない?
ハルミ:(小声で)くっ!!やっぱり、私の力なんかじゃ救えないのかな……!
0:間
エマ:ねぇ!これ狭くなってきてないっ!?このままじゃ潰されちゃうっ!!
ミイロ:…………
エマ:ミイロ、君?
0:ドクン(心臓の音)
ミイロ:M(また、僕が弱いせいで…もっと強ければこんな事には……)
エマ:どうしたの?ねぇ!ねぇってば!!
0:(ミイロは過去を思い出す)
ミイロ:M(もう、あんな事になるのは…嫌だっ!!)
N:すると、ミイロは全魔力を使い、巨大な弾丸を描き始めた
エマ:ミイロ君っ!!待ってっ!!
ミイロ:(パニック)はぁ…はぁ…はぁ…!(暴走の叫び)うわああああああぁぁぁっ!!
エマ:っ!!ミイロ君っ!!
N:リペイントの頭を*貫《つらぬ》く巨大な弾丸
イレイザー:なにっ!?
ハルミ:巨大な弾丸!?
トライア:チャンス!ハルミィ!一旦変身を*解《と》いて、弓矢を伸ばして、その矢の先にオレッチがついてくからそれで2人を助けるょ!
ハルミ:わかった!
N:その頃、エマ達は……
N:ミイロは全ての魔力を失っていた
ミイロ:っ……!(倒れる)
エマ:ミイロ君っ!!しっかりしてっ!!
パレット:まずいパレェ!このままだと色を奪われてしまうパレェ!
エマ:えっ!?なんとかならないの?パレットちゃん!
パレット:んー……一つだけ方法はあるパレェ…でもエマも危険な目にあうかもしれないパレェ!
エマ:私なら大丈夫!その方法を教えて!
パレット:一旦変身を解いて、ミイロの首元のマークに触れて魔力を渡す方法があるパレェ!
エマ:わかった!やってみるね!
パレット:でも、エマも残りの魔力が少ないパレェ!気をつけるパレェ!
N:エマは変身を解き、ミイロの首元のマークに触れ、魔力を分け与える
エマ:M(お願い!ミイロ君!このままじゃダメだよ!)
N:すると、トライアがエマ達の元に到達する
トライア:キミ達!助けに来たょ!
エマ:あなたは?もしかしてハル君のパートナー?
トライア:そうだょ!オレっちの名前はトライア!さあ、早くここから脱出するんだょ!
エマ:わかった!でも、ミイロ君の意識が戻らなくて……!
トライア:とりあえず、キミはその子を抱えてオレっちに捕まってくれ!このままだと潰されてしまぅ!
エマ:ありがとう!(ミイロを抱えて捕まる)っ!
N:あと一歩の所でエマ達は体内を脱出する
ハルミ:兄さん!エマさん!無事ですか!?
エマ:ありがとう、ハル君…!でも、ミイロ君がさっきの巨大な弾丸を放って、魔力を全部使い切っちゃったみたいで……魔力を分け与えているけど、意識が戻らなくて……
ハルミ:え?魔力を全部使い切るとどうなるの?
トライア:体力がなくなる、つまり動けなくなるょ。*絵魔具使《えまぐつか》いは先に魔力を、次に色の順で奪われるょ。
ハルミ:そんな!なら私の魔力も!
ミイロ:…うっ!(目を覚ます)
エマ:ミイロ君!よかったぁ!
ハルミ:兄さん!
ミイロ:!……ハル、やっぱりそのマークがあるってことは、*絵魔具使《えまぐつか》いになったんだな……
ハルミ:うん!みんなの未来を繋ぎたいって願って*絵魔具使《えまぐつか》いになったんだよ!
ミイロ:……(俯く)
N:すると、エマが倒れる
ミイロ:有坂!?
ハルミ:エマさん!!
エマ:あはは…!ちょっと私も魔力を使いすぎちゃったみたい……。とにかく、無事でよかっ…た……(気絶)
ミイロ:有坂ぁ!!
イレイザー:あーら!ワタクシを置いてけぼりにするなんて、酷いわね?1人意識が無くなったみたいだし?チャンスね!行きなさいっ!
ハルミ:しまったっ!
ミイロ:……っ!(睨む)
ミイロ:ロックオン!*装填《そうてん》…!ランダムシュートッ!!!
0:グオオオオ……(消滅)
ハルミ:兄さん……!
イレイザー:フン!チャンスだと思ったのに…!まあいいですわ!この事はあの*御方《おかた》に報告しなければなりませんし、この辺で引いて差し上げますわっ!(退場)
ミイロ:……くっ!(俯く)
ミイロ:M(くそっ!何やってるんだ僕は…!僕のせいで有坂をこんな状態にしてしまった…。一体、どうすればよかったんだよ……!)
トライア:急いでその子を休ませてあげるょ!
ハルミ:うん!兄さん、行きましょう?
ミイロ:……あぁ(暗い顔)
ハルミ:M(あれ…?なんでこんな雰囲気になってるんだろう?せっかく2人を助けられて、ピンチは去ったはずなのに…こんな悲しい雰囲気になってるんだ?)
0:間
N:ミイロ達はエマを家に送り届けた
ハルミ:妹さん、お姉さんをよろしくお願いします
ミイロ:お姉さんをこんな状態にしたのは僕です…。ごめんなさい。
ハルミ:兄さん、そんなこと……
ミイロ:(被せる)本当にごめんなさい。しっかり休ませてあげてください……。では……
ハルミ:……(心配する)
0:間
ハルミ:M(ねぇ、トライア。私の選択は間違ってたのかな?*絵魔具使《えまぐつか》いにならなかった方がよかったのかな……)
トライア:M(いいゃ。ハルミィの選択は間違ってないょ。それは絶対だ。あのままだと本当にお兄さん達はいなくなっていたと思うょ?)
ハルミ:M(そう、だよね……。なんだかな……。せっかく助けられた、一緒に戦えると思ったのに、全然何も出来なかったし、兄さんも喜んでくれてないみたいだし……)
トライア:M(ハルミィ……。きっと何かお兄さんにもあるんだょ。絶対いつかハルミィの気持ち、伝わると思うょ?)
ハルミ:M(だといいけど……はぁ……(ため息))
ミイロ:ハル、なぜ生身で魔力を使っていたんだ?
ハルミ:え?それは、あの状況ではあの方法がいいって思ったからで……
ミイロ:生身で魔力を使うと、魔力消費が激しくなるんだ。無闇に使うものではないぞ
ハルミ:(シュンとする)そ、うなんだ……知りませんでした……今後は気をつけます……
トライア:ちょっと待ってょ!それはオレっちが指示してしまったのもある!ハルミィを責めないでょ!
ミイロ:はぁ……(ため息)
ミイロ:キミ達妖精のパートナーは契約者をサポートするものであって、危険な状態にするのはどうかと思うがな?
トライア:うっ……それは、ごめんなさぃ……
ハルミ:やめてよっ!みんな自分の出来ることを精一杯やっただけですよね!?なんでこんな言い争いなんてしないといけないんですかっ!?
ミイロ:……(俯く)
ハルミ:それに、エマさんがあんな状態になったのは兄さんのせいなんかじゃないよ!
ミイロ:(大声で被せる)僕のせいだろっ!!
ミイロ:僕にもっと力があれば、こんなことにはならなかった……あの時、全魔力を使わなきゃよかったんだ……
ミイロ:(小声で)何やってるんだ……僕はっ……!!
ハルミ:それは違います!確かに、もっと力があれば簡単に抜け出せたかもしれない。だからといって、兄さんのせいになるのはおかしい!
ミイロ:(被せる)いや、僕のせいだっ!!
ハルミ:なんでそうやって1人で抱え込んじゃうんですか?
ミイロ:守るって言ったのに、逆に危険な目に合わせてしまったんだ……もっと、強くならないと……無力のままじゃ嫌だ……っ!
ハルミ:……(俯く)
0:沈黙の間
ハルミ:ねぇ…私、*絵魔具使《えまぐつか》いになってよかったって思ってますよ?だって兄さん達を救えたんだから!あのままだったら兄さん達だけじゃなくて、他の人達も危険な目にあう所だったんですよね?
ミイロ:僕は、ハルには*絵魔具使《えまぐつか》いにはなって欲しくなかった!!これからアイツらは強くなっていく、それを止めないといけないし、もっと危険な事が起きるっ!だから……
ハルミ:(被せる)それでも!……それでも私は兄さん達と同じ絵魔具使いになってよかったと思うよ!これから一緒にアイツらを止めましょう!
ミイロ:……
ハルミ:それに、無力なんかじゃない!だって、あの時兄さんが巨大な弾丸を放ってくれてなきゃ助けられなかったんですよ?それだけで十分です!ね?
ミイロ:本来、*絵魔具使《えまぐつか》いは増やしちゃいけない存在なんだ。通常の生活を送れなくなるんだぞ?それでもいいのか?
ハルミ:構いません、それでも。兄さん達が苦しんで、いつかいなくなっちゃうのならば、私はこの力を使いたいっ!兄さん達と一緒に戦いたいんですっ!
ミイロ:っ……!
ハルミ:ねぇ…だから、1人で抱え込まないでください。一緒に戦いましょ?ね?兄さん!
ミイロ:……(俯く)
N:ミイロ達の家につく
ミイロ:(暗い顔)……助けてくれてありがとう。ゆっくり休んでくれ。
ハルミ:兄さん!まだ話したいことがっ!
N:自分の部屋へと行くミイロ
ハルミ:……(俯く)
ハルミ:ねぇ、本当にこれでよかったのかな?
トライア:……大丈夫だょ。自分を信じてあげて?
ハルミ:……うん(暗い顔)
ハルミ:M(凄い思い詰めてた顔してたけど、大丈夫かな…?心配だな…)
0:間
N:ミイロの部屋。ミイロはベットの上で目を閉じている
ミイロ:……
ミイロ:M(エリさん……僕はどうしたらいいんですか?有坂やカズヤ、それにハルまで巻き込んでしまった……。今のままじゃ、またあの日を繰り返すだけだ……。あんな事、二度と起きて欲しくないのにっ!やっぱり、僕なんかじゃダメなのかな……?)
N:静かに泣くミイロ。それをクライは見ていることしか出来なかった
0:間
ハルミ:次回予告。私はトライアと契約して*絵魔具使《えまぐつか》いになれた。だけど、思っていた未来とは違う流れになっていく。本当にこのままでよかったのかな?不安だな…。ううん!(首を横に振る感じ)私が弱気になってちゃダメですよねっ!兄さん達と一緒にみんなを守るって決めたんですから!
ハルミ:次回、ワールド of パレット第7話、兄弟喧嘩。どんな未来になっても私は諦めないっ!