台本概要

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タイトル ノリトイキオイ2
作者名 シンタマ  (@UdonguRataN)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(男1、女2、不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 シリーズ2作目。過去話です。

性別等変更可。

比織と実那or比織と腐狒狒の兼ね役で4人でも可です。

少しでも読んだ、演じた方が楽しんで頂けたら幸いです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
早瀬 155 早瀬 佐須良 (はやせ さすら) 見た目20代後半 過去は10代後半~20代前半くらい
実那 73 実那 (みな) 10代後半くらい
比織 20 戸都開 比織 (ととかい ひおり) 17歳くらい
ぬらりちゃん 不問 127 妖怪 昔は結構かっこよかった。今は
腐狒狒 不問 31 ふひひ 怪異
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
比織:さすらさーん!どーこですかー? 早瀬:はぁ・・・はぁ・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:おお、ぬらりちゃんいいところに!追われています。 早瀬:なんとかこの場から逃げおおせたいので助けて下さい! ぬらりちゃん:分かったー。任せて。 早瀬:流石ぬらりちゃん。頼もしいですね。 比織:さすらさーん!大人しく出てきてくださーい!。 早瀬:ち、近いっ!上手い事誤魔化して下さい・・・! ぬらりちゃん:ぬらー。比織(ひおり)ー。 比織:あ、ぬらりちゃん。ねぇ、さすらさんどこいるか知らない? ぬらりちゃん:ここー。 早瀬:な!? 比織:あー!そんなとこにいたんですねさすらさん! 早瀬:おのれぬらりちゃん!裏切ったな! ぬらりちゃん:ぬら? 比織:何をそんなに慌ててるんですか?ダメですよー?まだまだ病み上がりなんですから。 比織:さぁー、さすらさん、お部屋に戻りましょうね。 比織:私今日もさすらさんの為にお料理作ってきたんです! 早瀬:あ、あはは・・・それはそれは、ありがとうございます。 比織:もしよければ「あーん」しましょうか?なんて! 早瀬:い、伊吹ー!デュラちゃーん! 比織:ああ、二人なら今いませんよ? 早瀬:・・・え? 比織:少し遠いですけど美味しいと評判のパン屋さんにお使いを頼んだので。 ぬらりちゃん:伊吹すっかりパシリー。 比織:うふふふ。さすらさん観念して下さい。邪魔者が、おっと・・・伊吹君達がいない間に、 比織:もっと親しくなるべきだと思うんです私達。 早瀬:お気持ちはとても嬉しく思うんですがそのー、ですね・・・。 早瀬:ぬらりちゃん!なんで教えてしまったんですか!? ぬらりちゃん:えー、だって・・・家族に隠し事はダメー。 早瀬:う・・・。そうでしたね。 比織:もう私もすっかり早瀬家の一員ですから! ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:あはは・・・。でもちゃんと比織さんは家に毎日帰って下さいね? 比織:善処します。・・・そういえば。 早瀬:何ですか? 比織:ぬらりちゃんて伊吹君より前から一緒にいるんですよね。 ぬらりちゃん:うんー。 早瀬:ええ、そうですね。 比織:どんな出会いだったんですか? 早瀬:どんな・・・ですか。 ぬらりちゃん:ぬ・・・。 比織:二人共何ですかその態度!凄く気になります聞かせて下さい! 比織:さすらさん!ぬらりちゃん! ぬらりちゃん:ぬ・・・ぬらー! 比織:逃げた!?ま、待てー!教えなさい!・・・さすらさんは私が戻ってくるまでそこでじっとしてて下さいね! 早瀬:そんな。 比織:約束ですよ・・・。こらー!ぬらりちゃーん! 0:逃げたぬらりちゃんを追って出ていく比織。 早瀬:・・・はぁ。・・・私とぬらりちゃんの出会いですか。 早瀬:・・・そりゃ言いたくないですよね。お互いに。 0: 早瀬:ノリトイキオイ第二話「オトコトヨウカイ」 0: 早瀬:時は現代より数百年前に前に遡る。 早瀬:私は・・・若かった。 早瀬:おらぁっ!くそ雑魚妖怪共がぁ!てめえらまとめて大人しく滅びやがれぇ! 早瀬:・・・成敗。はんっ、手応えのねえやつらだぜ。 実那:お疲れ様、さすら。 早瀬:おう実那(みな)。別に疲れてねーよ。 実那:またそうやって強がって。 早瀬:はんっ。・・・んで何か用かよ。 実那:さすらが一人で頑張ってるっていうから来てあげたんでしょー。 実那:嬉しい?ねぇねぇ? 早瀬:巫女ってのはほんと暇なんだな。サボリの口実に俺を使うんじゃねーよ。 実那:ひどーい。・・・まぁそれも少しあるけど。 早瀬:全くお前は・・・。 実那:だってさすら強すぎなんだもん。 実那:遠からんものは音に聞け!近くば寄って目にも見よ! 実那:我こそが当代最強の退魔師、早瀬佐須良(はやせさすら)なるぞ! 実那:滅されたい奴はかかってこい! 早瀬:お前が言うな。大体お前ら親子が宣伝しまくるから俺がこんなに忙しいんだぞ。 実那:あはは・・・。血の気が多いさすらには丁度いいでしょ? 早瀬:・・・はんっ。 実那:妖怪は妖怪にひかれ、集まる。妖気は濃くなり更にまた呼び寄せる・・・。 実那:さすらが毎日頑張ってくれてるから街はほんと平和になったんだよ。 実那:ありがとね、さすら。 早瀬:・・・ほんとうるせー女だ。 実那:もう、素直じゃないなぁ。あ、そうだお父さんが今度久しぶりに稽古付けに来るって。 早瀬:・・・丁重にお断りします。 実那:さすらは、ほんとお父さん苦手だよね。あんなに優しいのに。 早瀬:あれは人じゃない。鬼だ。 実那:ふーん、伝えておくね。 早瀬:すいませんでした実那(みな)お嬢様!それだけは勘弁して下さい! 実那:裏で鬼呼ばわりされてるなんて知ったら、さぞやお父さん喜ぶだろうなぁ・・・。 早瀬:お願いだからやめてぇぇ!? ぬらりちゃん:ほう・・・?人里にも鬼がいるとな。 実那:誰?! 早瀬:実那、下がれ。 実那:う、うん。 早瀬:(な)んだてめぇは? ぬらりちゃん:儂か?・・・儂は大妖怪ぬらりひょんよ! 早瀬:大妖怪・・・だと。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ・・・。あれ?知らない? 早瀬:・・・知ってるか? 実那:私は知ってる。 早瀬:そうか・・・ならよし!んでその大妖怪がここに何の用だよ。 ぬらりちゃん:遠からん者は音に聞け!近くば寄って目にも見よ! ぬらりちゃん:我こそが当代最強の退魔師、早瀬佐須良なるぞ! ぬらりちゃん:滅されたい奴はかかってこい! 早瀬:お前も言うのかよ! 実那:有名になったねさすら。 ぬらりちゃん:ここまで言われたら挨拶せん訳にも行くまいよ。 ぬらりちゃん:・・・なかなか妖気に満ちたいい場所ではないか。 ぬらりちゃん:お主を倒し、この地に巣くう妖怪共も配下に加えるとしよう。 早瀬:やれるもんならやってみろ! 早瀬:んなこと言ってた妖怪共は全員返り討ちにしてやったぜ。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ・・・。儂をそこらの木っ端妖怪共と一緒にするな。 ぬらりちゃん:死ぬことになるぞ。 早瀬:・・・はんっ。面白ぇじゃねーか。少しは張り合いがありそうだ。 早瀬:実那。ぬらりひょんってのはどんな妖怪なんだ? 実那:え?えっと確か ぬらりちゃん:あー!前情報入れるのはずるくないか! 早瀬:うるせーな。お前だって俺の噂聞いてここまできたんだろ?一緒じゃねーか。 ぬらりちゃん:ぬ・・・。おい女。あまり詳しく言うでないぞ。 実那:詳しくって言うか・・・。ぬらりひょんは・・・ 実那:勝手に人の家に入って来て寛ぐ(くつろぐ)妖怪? 早瀬:・・・お、おう。そうか。・・・他には? 実那:以上。 早瀬:・・・(スゥー)・・・。お前さ ぬらりちゃん:ち、違うもん!そんなことないんじゃもん!儂大妖怪じゃもん! 早瀬:何なのお前?寂しがり屋なの?構ってちゃんなの? ぬらりちゃん:馬鹿にするでないわぁ! 実那:あ、じゃあ、私間違ってました?家に入って寛いだりしないんですか? ぬらりちゃん:・・・いや、入るけど。 早瀬:流石に、勝手に入って来られるんのは困るけど前もって言ってくれたら・・・まぁ? 実那:うん、私もお父さんとお母さんに許可とれば大丈夫だから。 ぬらりちゃん:ぬらー!家に入って寛ぐのは数多ある偉業の中の切り取られた1シーンじゃ! ぬらりちゃん:儂の恐ろしさ・・・その身に刻むがいい! 早瀬:・・・なっ!? 実那:姿が消えた・・・! ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ・・・。 早瀬:おいおい・・・姿だけじゃねぇ、気配も全く感じねぇじゃねえか。 ぬらりちゃん:無駄よ無駄。人の身にしてはマシ感覚をなもっているようじゃが、 ぬらりちゃん:どれだけ気を探ろうとも、儂の姿を捕らえることなど出来はしまい! 実那:声は聞こえるのに・・・。 早瀬:・・・はんっ。なかなかやるじゃねーか。流石自称大妖怪だなぁ! ぬらりちゃん:その強がりどこまでもつかの! 早瀬:ぐっ・・・!がはっ!! 実那:さすら! ぬらりちゃん:堅ーっ。手が滅茶苦茶痺れるんじゃが・・・。 ぬらりちゃん:お主ほんとに人間? 早瀬:生憎とまだやめたつもりはねーよ。しっかしどうすっかなー。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ。・・・まぁよい。噂は所詮噂であったな。 ぬらりちゃん:お主が気を失うまで嬲り(なぶり)続けるだけよ。 早瀬:実那、お前まで襲われねーよう、今のうちに逃げろ。 実那:でも! ぬらりちゃん:安心せい。横の女に手を出すつもりはないわ。 早瀬:・・・そうなのか? ぬらりちゃん:むしろなんでわざわざ襲わねばならんのじゃ。 早瀬:いや、・・・ああ、そうだな。間違ってない。 実那:さすら・・・この妖怪・・・。 ぬらりちゃん:何をごちゃごちゃと!・・・よーし決めた! ぬらりちゃん:お主を倒した後は街に下って、そこに住まう鬼とやらを倒すことにしよう! 早瀬:なぁっ!? 実那:あの・・・ぬらりひょん、さん、それは・・・。 ぬらりちゃん:そうと決まればさっさと終わらせるとするかのう。 実那:さすら・・・。 早瀬:ああ・・・。弟子の不始末を「あの」師匠に拭(ぬぐ)わせるとか・・・。 早瀬:考えただけで背筋が凍るぜ。俺もあいつもただじゃ済まないだろうな。 ぬらりちゃん:ぬ? 早瀬:おい、ぬらりひょん。 ぬらりちゃん:なんじゃ。 早瀬:どうやらお互いの為にも負ける訳にはいかなくなった。 早瀬:よって・・・てめぇは確実にぶちのめす。 ぬらりちゃん:・・・ぬっふっふっふ。ようやくやる気になったようじゃな。 ぬらりちゃん:それでこそ、ここまで出向いた甲斐があったというものよ。 早瀬:ああそうかよ。その期待、熨斗(のし)つけてしっかり返してやるぜ。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ!それは儂の姿を捕らえられてからな! 早瀬:ぐはっ! 実那:さすら!大丈夫? 早瀬:そんな顔すんじゃねーよ。・・・安心しろ、次で決める。 実那:・・・え? ぬらりちゃん:ほう?面白い。その言葉がまことかみせてみよ! 早瀬:・・・ここ・・・だぁ!おらぁ! ぬらりちゃん:なんじゃと!? 早瀬:・・・はぁ・・・はぁ・・・やっと捕まえたぜ大妖怪。 ぬらりちゃん:ば、馬鹿な・・・。 実那:凄い・・・。ほんとに決めちゃった。 早瀬:はんっ。あたりめーだろ。 ぬらりちゃん:なぜじゃ!なぜこうも簡単に儂を捕らえられる!? 早瀬:んなもん単純だろ。どうやらお前の能力は気配を消すどころか、ガチで実体すら消す。 ぬらりちゃん:う、正解じゃ・・・。 早瀬:ずりぃ能力だよ。 早瀬:・・・だがな。攻撃する瞬間だけは必ず実体化する。そこを捕まえたのさ。 ぬらりちゃん:な・・・でも儂がいつどこを攻撃するかなぞ分かるはずないじゃろ! 早瀬:それは・・・勘? ぬらりちゃん:・・・勘、じゃと・・・。 実那:なんというか・・・とてもさすららしくていいと思います。 早瀬:だろ?・・・あだっ!? ぬらりちゃん:一度捕らえたくらいで油断し過ぎじゃバーカバーカ! 早瀬:・・・てんめぇ・・・。 実那:バーカバーカって。 ぬらりちゃん:・・・ぬっふっふっふ。よもやそんな方法で儂をなぁ・・・。 ぬらりちゃん:面白い!面白いぞ!早瀬佐須良! 早瀬:そりゃよかった。んで、どうすんだ?もうお前の能力は割れちまったぞ。 ぬらりちゃん:ぬかせ。儂の能力がよもやそれだけとは思っておるまいな。 早瀬:普通に思ってたけど。 ぬらりちゃん:・・・いいじゃろう!こうなったら儂の真の力を開放してとことんまd 早瀬:それなんだけどよ。今日はもう終わりにしねぇか? ぬらりちゃん:ぬ!?何を言っておる!むしろこれからじゃろ! 実那:もうそろそろ日が暮れちゃうし、さすら、あなたと戦う前にも働いてたから。 ぬらりちゃん:ええー・・・。 早瀬:正直腹減った。 ぬらりちゃん:そうかそうか、儂の相手をするのは嫌なんじゃな・・・? 早瀬:あん?・・・嫌じゃねーよ、別に。 ぬらりちゃん:ほんとか?! 実那:よかったですね。じゃあ、ちゃんと次いつ会うか約束しよ。 ぬらりちゃん:そうじゃな! 早瀬:約束ぅ?だりぃ・・・。 実那:さすら、ちゃんと約束は守るんだよ。じゃないと・・・。 早瀬:分かった!・・・分かってるよ。ったく・・・。 実那:よし。決めたら今日は皆おうちに帰りましょう。 ぬらりちゃん:・・・うち・・・。 早瀬:ん?お前ひょっとして 腐狒狒:困りますねぇ。そこはきっちりしっかり殺しあって頂けないと。 ぬらりちゃん:ぬっ!?・・・まずい!くはっ!? 実那:きゃっ!? 早瀬:実那!ぬらりひょん!大丈夫か! 実那:私は大丈夫、だけど。庇ってくれたぬらりひょんさんが・・・。 ぬらりちゃん:が・・・はぁ・・・。 早瀬:おい、ぬらりひょん!しっかりしろ!・・・てめぇ・・・。 腐狒狒:あーあ・・・ほんと使えないくせに気配読みだけは鋭いんですから。 腐狒狒:どこまで私の邪魔をすれば気が済むんです。 ぬらりちゃん:腐狒狒(ふひひ)・・・貴様・・・。 早瀬:腐狒狒・・・? 腐狒狒:うわー、痛そうですね。ふひひ・・・惨めというかざまぁないというか。 腐狒狒:控えめに言って気分がいいですね。 ぬらりちゃん:何の、つもりじゃ・・・。 腐狒狒:遠からんものは音に聞け!近くば寄って目にも見よ! 早瀬:いや、お前も言うんかい! 実那:ほんとさすら有名になったね・・・。 腐狒狒:なんですかなんですか最後まで言わせて下さいよ。 ぬらりちゃん:悪いが既に2回言っておるのじゃ。 腐狒狒:うわー・・・。カラオケだったら凄く気まずいやつじゃないですか。 実那:凄く分かるなぁ・・・。 腐狒狒:あーあ、嫌だ嫌だ。一人でずーーっと4809文字も待ってたのに、 腐狒狒:この扱いですか。上手くいかないもんですねぇ。 腐狒狒:こんなに上手くいかないんだから・・・。 腐狒狒:クソみたいな茶番はさっさと終わらせるとしましょう。 ぬらりちゃん:女!儂の手を握れ。 実那:え、あ、はい!・・・うわっ。 早瀬:実那が消えた!おい、ぬらりひょん、お前何を。 ぬらりちゃん:これで女は安全じゃ。とりあえずわ、の。 早瀬:・・・お前。 腐狒狒:あー、もうほんと邪魔!邪魔邪魔邪魔邪魔ぁ! 腐狒狒:なんなんですかなんなんですかあんた。 ぬらりちゃん:外道の貴様を信じた儂がアホじゃったわ。 腐狒狒:そうですかそうですか。なら外道らしくあんたらを殺した後、 腐狒狒:あの可愛いお嬢さんを頂くとしますよ。 早瀬:あの腐狒狒ってやつは一体なんなんだ。 ぬらりちゃん:あやつは・・・一応儂が率いてる群れの一人よ。 ぬらりちゃん:見た目通り、猿が変化し、女を攫って(さらって)喰らう妖怪じゃったが、 ぬらりちゃん:儂がとっちめて、もうそんなことはせんと誓っていたのじゃが。 腐狒狒:部下?やめて下さいよ。あんたみたいな中途半端な妖怪に仕えたつもりなど 腐狒狒:一瞬たりともありません。 ぬらりちゃん:貴様・・・。 腐狒狒:妖怪がその衝動のままに人を喰らって何が悪いんですか! 腐狒狒:あなた方人間だって牛や豚を喰らうでしょう? 早瀬:一緒にすんじゃねぇ! 腐狒狒:一緒ですよ。私にとってはね。 腐狒狒:そこそこ強かったですし、妖怪の群れを作るっていうから 腐狒狒:どんな悪行をするのかと思って付いていってみれば、期待外れも甚だしいとんだ甘ちゃん。 腐狒狒:なんとまぁ、目指すは人間との共存だとか!ふひひ・・・馬鹿らしい。 腐狒狒:おまけに最近じゃその馬鹿に感化される馬鹿が増えてくる始末。 腐狒狒:これ以上おかしくなる前に、この辺で死んでもらいますよ。 腐狒狒:それと、安心して下さい。あなたの残したやつらは私が正しく妖怪として率いてあげますので。 早瀬:てめぇ・・・。 ぬらりちゃん:落ち着け早瀬佐須良。あやつは強い。 早瀬:ぬらりひょん。 ぬらりちゃん:お互い万全の状態ならいざ知らず、今は少々分が悪い。 ぬらりちゃん:身を隠す能力も女に使ってしまっておるしな。 早瀬:さっき言ってた真の能力は? ぬらりちゃん:あれはただの強がりじゃ。 早瀬:・・・おう。 ぬらりちゃん:お主にこれを。 早瀬:ん?う、うぉぉ・・・!なんだこの変な気は?! ぬらりちゃん:儂の能力を授けた。これでお主も使える。 早瀬:え?まじ?妖怪の能力!? 腐狒狒:はぁぁ?あなた気でも狂ったんですか?人間如きに力を授けるなど正気とは思えません。 ぬらりちゃん:貴様に言われたくないわ。・・・しかし、全然嬉しそうじゃないのじゃ!? 早瀬:だって、欲しいわけじゃなかったしな。つか大丈夫か俺? ぬらりちゃん:大丈夫じゃろ。・・・多分。 早瀬:うわー・・・不安。 ぬらりちゃん:とにかく!それでお主も儂の能力を使えるようになった。 ぬらりちゃん:安全な場所であの女にかけたものを解除してやれ。 ぬらりちゃん:・・・それくらいの時間は稼いでやる。 早瀬:・・・。 ぬらりちゃん:すまんが、再戦の約束は出来そうにないのぅ。 ぬらりちゃん:腐狒狒!貴様の狙いは儂じゃろ?望み通り相手をしてやるわ! 腐狒狒:そんなこと言って人間を逃がすつもりでしょう? 腐狒狒:あーあ、ほんと嫌だ嫌だ。・・・でもまぁ今日は確実にあなたをやれたらよしとしますかね。 ぬらりちゃん:・・・ぬっふっふっふ。簡単にはやられんぞ? 腐狒狒:ふひひひ・・・。 ぬらりちゃん:ずっと思ってたんじゃが。 腐狒狒:・・・なんですか? ぬらりちゃん:笑い方凄くきもいのじゃ。 腐狒狒:・・・ふ、ふ、ふひひひひひひ!いいでしょういいでしょう!楽には殺しません。 腐狒狒:涙を流しながら死を請い願い、それが枯れ果てるまで存分にいたぶって差し上げましょう! ぬらりちゃん:・・・流石に煽りすぎたかの。 早瀬:いいや俺も同感だ。 ぬらりちゃん:なっ!?お主まだいたのか! 早瀬:おう。・・・笑い声だけじゃねぇ、顔も体も性格も、何よりその芝居がきもい。気に食わねえ。 腐狒狒:言いますね言いますね。でもこれが私です。 腐狒狒:それに・・・芝居はいいじゃないですか。私も一生懸命なんですよ。 腐狒狒:人間は人間らしく、私達妖怪に恐れおののき逃げまどいなさい。それがお互いのあるべき姿ですよ! 早瀬:いいやよくない。・・・妖怪だからこう、人間だからこう。 ぬらりちゃん:お主・・・。 早瀬:こういう時はこう、ああいう時はこう、こうこうこううざってえ。 早瀬:・・・ほんとお前、つまんねぇよ。 腐狒狒:なんですって・・・。 早瀬:ぬらりひょん。 ぬらりちゃん:・・・なんじゃ。 早瀬:明日続きやんぞ。約束な。 ぬらりちゃん:はぁ・・・?! 早瀬:破んなよ?・・・ってことでぇ・・・。 早瀬:てめぇは俺が滅する。 腐狒狒:ふ、ふひひひ・・・なんか嫌ーな嫌ーな予感がします。 腐狒狒:とりあえず目障りなぬらりひょんのトドメをさしてこの場は退かせて頂きます! 早瀬:実那! 実那:うん! 腐狒狒:な!? 実那:させないよ。 ぬらりちゃん:え・・・普通に防いどるんじゃが。ええっ?! 実那:大丈夫だよぬらりひょんさん。さっきはありがとね。 早瀬:安心しろ。実那は・・・正直めちゃくちゃつええ。 実那:うふふ。 ぬらりちゃん:あー・・・。そうじゃったんですか。 腐狒狒:なんなんですかなんなんですかなんですか!上手くいかないにも程があります! 腐狒狒:ああもう!・・・仕方ない。この場は一度・・・。 早瀬:逃がさねえよ? 腐狒狒:ひ!? 早瀬:よくもまぁ、突然現れたかと思ったら好き勝手やってくれたなぁ?ああん? 腐狒狒:そ、そこまでは・・・。 早瀬:やったよなぁ! 腐狒狒:は、はぃぃ! 早瀬:・・・よし、素直に認めたことに免じてぇ・・・。 腐狒狒:・・・免じて? 早瀬:一瞬で終わらせてやる。 腐狒狒:ふぁっ!?ふ、ひ・・・。 早瀬:遠からんものは音に聞け!近くば寄って目にも見よ! 腐狒狒:ま、待って!4回目ですよ!いいんですか! 早瀬:うるせー!俺は俺だ!俺は・・・俺が謳いたいように謳うんだよ! 腐狒狒:ずるい! ぬらりちゃん:あやつは・・・。 早瀬:我こそが当代最強の退魔師、早瀬佐須良なるぞ! 早瀬:滅されてぇやつぁかかってこい! 腐狒狒:ま、まだ私は滅びる訳にはぁ?! 早瀬:てめぇの出番は・・・終わりだぁぁ!! 腐狒狒:も、もう?!ぎゃ、ぎゃあああ!! 早瀬:・・・成敗。・・・次はもっと明るく笑えるといいな。 実那:お見事!さすらお疲れ様。 早瀬:はんっ。余裕だったぜ。 実那:まーたそういうこと言う。・・・さすらも結構あの口上気に入ってるよね。 早瀬:は、はぁ?!べ、別にそんなことねぇけど?わざわざ作ってもらったから仕方なくだな・・・。 実那:ふーん?ねぇぬらりひょんさん、こんなこと言って、かなりノリノリで・・・ 実那:ぬらりひょんさん!? ぬらりちゃん:はぁ・・・はぁ・・・。ぬ?なぁに、少し疲れただけじゃ・・・。 実那:でも顔色が・・・。 早瀬:ったく。傷負ってんのに俺に力なんぞ渡すからだ。 ぬらりちゃん:あの時はそれが正しいと思ってたのじゃ! ぬらりちゃん:・・・まぁ別に必要なかったみたいじゃけどぬふふふ・・・。 実那:そんなことないよ!ね?さすら? 早瀬:お、おう!いやー、あの時助けてくれなかったら流石にまずかったなー。 ぬらりちゃん:ほ、ほんとか?ならよかったのじゃ。 早瀬:・・・ふぅ。 実那:セーフ。 早瀬:ところでよ。 ぬらりちゃん:なんじゃ? 早瀬:結局お前はほんとに何しに来たんだよ。ここを奪うだのなんだの言ってた割に、 早瀬:人間と共存したいとか思ってんだろ? ぬらりちゃん:・・・そうじゃ。儂ら妖怪とお主ら人間が共に暮らす、それは儂の願いよ。 実那:ぬらりひょんさん・・・。 ぬらりちゃん:じゃがそれは決して楽な道ではない。腐狒狒の言う通り、基本儂らは相容れぬ。 ぬらりちゃん:だからこそ。儂は強く、皆を導く存在であろうと思ったのじゃ。 早瀬:それで俺の所に、か。 ぬらりちゃん:うむ。お主を倒せば名が売れて、儂のもとにやってくるものも多いじゃろう。 ぬらりちゃん:それに、名高い退魔師ともし話が通ずるのであれば、 ぬらりちゃん:儂の協力者になってもらえるようお願いするつもりじゃったのじゃ。 早瀬:おおお・・・。お前結構色々考えてたんだな。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ。そうじゃろそうじゃろ。じゃがまぁ、そう上手くはいかんかったが。 実那:・・・。 ぬらりちゃん:今回の件で、幾らかはまだ儂の下に残るじゃろうが多くは去るじゃろう。 ぬらりちゃん:それに・・・そうやすやすと本質は変わらぬことを思い知ったわ。 実那:・・・そんなこと。 早瀬:なぁ。俺んち一緒に住むか? ぬらりちゃん:は? 実那:え? 早瀬:俺お前の考えすっごいいいと思う。つかめちゃくちゃいいだろ! 早瀬:ここほんとにばんばん妖怪来るからさ、どうしようもないやつは滅して、 早瀬:そうじゃないやつらは少しずつ俺達を知ってもらえるようにすればいいじゃねえか。 ぬらりちゃん:・・・お主。 早瀬:な?いい考えだと思うけど。・・・それにお前、家ないんだろ? ぬらりちゃん:ぬ。それはそうなんじゃg 実那:待って。・・・ちょーっといいかな? ぬらりちゃん:はい。 早瀬:お、おう。どうした実那。 実那:ぬらりひょんさんの願いも、さすらがそれに理解を示したのも私は凄くいいと思う。 実那:実際私も素敵な願いだと思う。 早瀬:だよな!だかr 実那:でもそれがなんで一緒に住むってことになるのカナ? 早瀬:え?・・・えー・・・その 実那:なんなのかなー?え?あれかな?戦いを経て新たな感情が芽生えちゃった的な? 実那:まさかそれさー・・・。 ぬらりちゃん:な、なんじゃ実那殿。 実那:友情・・・超えてないよね? ぬらりちゃん:・・・滅相もないのじゃ。 早瀬:も、勿論。 実那:あはは・・・よかったー。(小声で)危うく妖怪と人の共存の障害になるところだった。 ぬらりちゃん:実那殿怖いのじゃ。 早瀬:安心しろ、俺も怖い。 実那:でもー、やっぱり成人した見た目の男女が二人で暮らすってのはよくないと思うよ。 ぬらりちゃん:ほ、ほんとにそこは大丈夫なのじゃ。儂もこう見えて物凄く生きてるし。 実那:そういうこと言ってやっぱり狙ってんのかなーこの雌ぬらりひょんは? ぬらりちゃん:ひぃ・・・。 実那:やっぱり私もお父さんをなんとかして一緒にここに住むべきじゃないかな? 実那:そうすれば未だに変化のないさすらも流石に意識せざるをうふふふ・・・ ぬらりちゃん:何か一人でめちゃくちゃぶつぶつ言ってるのじゃー!? 早瀬:しかしどうしたもんかなー。見た目がどうにかなればいいんだろ? ぬらりちゃん:・・・おお、そうじゃな。ならなんとかなるわい。 早瀬:・・・は? ぬらりちゃん:見ておれ。せいっ! 0:20歳前後のぬらりひょんが幼~小学生くらいになる。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:ぬぉ!? 実那:え?何!?・・・か、かわいい・・・。 ぬらりちゃん:省エネーモードー。 早瀬:それが真の力か。 ぬらりちゃん:ちがーう。力、今少ないし、疲れてたから丁度いいかもー。 早瀬:そ、そうか。でもその見た目だとぬらりひょんって言うか・・・。 実那:ぬらりちゃん!だね!かわいいいいー! ぬらりちゃん:ぬ、ぬらー。実那、く、くるしい・・・。ぐ、ぐぇ・・・。 実那:うふふ、そんなに喜んじゃって。・・・あ、なんか今の私達って家族みたいじゃない? 早瀬:そんな訳ねー・・・いや、一緒の家に住むんだもんな。 早瀬:俺とぬらりちゃんは家族だ。 ぬらりちゃん:さ、さすらー・・・。 早瀬:・・・はんっ。だからこれからは遠慮も隠し事もなし!楽しく暮らそうぜ! ぬらりちゃん:うん! 実那:・・・あれ?ん?私は? 早瀬:お前、家違うだろ。 実那:・・・ん? ぬらりちゃん:実那怖ーい。 実那:・・・(スゥー・・・)。そういうこと言うんだね、二人は。 実那:そういえばさ、いつ決着つけるんだっけ? 早瀬:あん?明日の予定だったんだけどぬらりちゃんがこんなだしなぁ。 ぬらりちゃん:ぬらー。 実那:明日ね、分かった。 早瀬:は? ぬらりちゃん:ぬら!? 実那:うん、私も参加する。・・・うふふふ。久しぶりに本気だしちゃお。楽しみダナァ。 早瀬:あ、あああ・・・ ぬらりちゃん:さ、さすらぁー・・・。 実那:私達の新しい第一歩、始めましょうね? 早瀬:勘弁してくれー!? ぬらりちゃん:ぬらぁぁぁ!? 0:現代 早瀬:・・・あの日はひどい目にあいましたねぇ・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:おお、お帰りなさいぬらりちゃん。どうでした? ぬらりちゃん:ずーっと比織に追い回された。 早瀬:あはは・・・。(小声で)今どこに? ぬらりちゃん:完全に撒いたから大丈夫ー。 早瀬:ほっ・・・。よかった。比織さんもいい子なんですけど、どうもこう周りが見えてないというか、 早瀬:思い込んだら修正がきかないというか、率直に重いというか・・・。 ぬらりちゃん:・・・実那に少し似てる。 早瀬:・・・ふ。・・・ぬらりちゃん、どうですか今の暮らしは? ぬらりちゃん:・・・さすらと家族になってからいっぱい色んなことがあって、 ぬらりちゃん:いっぱい色んな事が変わったけど。 早瀬:・・・はい。 ぬらりちゃん:一つだけ変わらないことある。 早瀬:・・・。 ぬらりちゃん:楽しい。 早瀬:・・・ぬらりちゃん。 ぬらりちゃん:言うことなしー。 早瀬:そうですか。それはよかったです。 ぬらりちゃん:あ、いっこあった。 早瀬:はい? ぬらりちゃん:比織、後ろにいる。 早瀬:・・・え。 比織:・・・さすらさん。 早瀬:・・・はい、なんでしょうか? 比織:体調もよろしいようですし、すこーーーーしだけお話しませんか? 早瀬:いや!?その・・・あいたたたた・・・急にこれ頭が悪くなってきたようです。 比織:ああそうですかそれは大変ですね、では私がしっかりと診てあげますのでお部屋にお連れします。 早瀬:は!?いや・・・いやだ!ぬらりちゃん!あなたまた私をはめましたね! ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:比織さん?少し、話し合いの前に話し合いを・・・。 比織:ダメです。 早瀬:はぁ・・・はぁ・・・。だ、誰かぁーーー!? ぬらりちゃん:・・・ぬふふ。

比織:さすらさーん!どーこですかー? 早瀬:はぁ・・・はぁ・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:おお、ぬらりちゃんいいところに!追われています。 早瀬:なんとかこの場から逃げおおせたいので助けて下さい! ぬらりちゃん:分かったー。任せて。 早瀬:流石ぬらりちゃん。頼もしいですね。 比織:さすらさーん!大人しく出てきてくださーい!。 早瀬:ち、近いっ!上手い事誤魔化して下さい・・・! ぬらりちゃん:ぬらー。比織(ひおり)ー。 比織:あ、ぬらりちゃん。ねぇ、さすらさんどこいるか知らない? ぬらりちゃん:ここー。 早瀬:な!? 比織:あー!そんなとこにいたんですねさすらさん! 早瀬:おのれぬらりちゃん!裏切ったな! ぬらりちゃん:ぬら? 比織:何をそんなに慌ててるんですか?ダメですよー?まだまだ病み上がりなんですから。 比織:さぁー、さすらさん、お部屋に戻りましょうね。 比織:私今日もさすらさんの為にお料理作ってきたんです! 早瀬:あ、あはは・・・それはそれは、ありがとうございます。 比織:もしよければ「あーん」しましょうか?なんて! 早瀬:い、伊吹ー!デュラちゃーん! 比織:ああ、二人なら今いませんよ? 早瀬:・・・え? 比織:少し遠いですけど美味しいと評判のパン屋さんにお使いを頼んだので。 ぬらりちゃん:伊吹すっかりパシリー。 比織:うふふふ。さすらさん観念して下さい。邪魔者が、おっと・・・伊吹君達がいない間に、 比織:もっと親しくなるべきだと思うんです私達。 早瀬:お気持ちはとても嬉しく思うんですがそのー、ですね・・・。 早瀬:ぬらりちゃん!なんで教えてしまったんですか!? ぬらりちゃん:えー、だって・・・家族に隠し事はダメー。 早瀬:う・・・。そうでしたね。 比織:もう私もすっかり早瀬家の一員ですから! ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:あはは・・・。でもちゃんと比織さんは家に毎日帰って下さいね? 比織:善処します。・・・そういえば。 早瀬:何ですか? 比織:ぬらりちゃんて伊吹君より前から一緒にいるんですよね。 ぬらりちゃん:うんー。 早瀬:ええ、そうですね。 比織:どんな出会いだったんですか? 早瀬:どんな・・・ですか。 ぬらりちゃん:ぬ・・・。 比織:二人共何ですかその態度!凄く気になります聞かせて下さい! 比織:さすらさん!ぬらりちゃん! ぬらりちゃん:ぬ・・・ぬらー! 比織:逃げた!?ま、待てー!教えなさい!・・・さすらさんは私が戻ってくるまでそこでじっとしてて下さいね! 早瀬:そんな。 比織:約束ですよ・・・。こらー!ぬらりちゃーん! 0:逃げたぬらりちゃんを追って出ていく比織。 早瀬:・・・はぁ。・・・私とぬらりちゃんの出会いですか。 早瀬:・・・そりゃ言いたくないですよね。お互いに。 0: 早瀬:ノリトイキオイ第二話「オトコトヨウカイ」 0: 早瀬:時は現代より数百年前に前に遡る。 早瀬:私は・・・若かった。 早瀬:おらぁっ!くそ雑魚妖怪共がぁ!てめえらまとめて大人しく滅びやがれぇ! 早瀬:・・・成敗。はんっ、手応えのねえやつらだぜ。 実那:お疲れ様、さすら。 早瀬:おう実那(みな)。別に疲れてねーよ。 実那:またそうやって強がって。 早瀬:はんっ。・・・んで何か用かよ。 実那:さすらが一人で頑張ってるっていうから来てあげたんでしょー。 実那:嬉しい?ねぇねぇ? 早瀬:巫女ってのはほんと暇なんだな。サボリの口実に俺を使うんじゃねーよ。 実那:ひどーい。・・・まぁそれも少しあるけど。 早瀬:全くお前は・・・。 実那:だってさすら強すぎなんだもん。 実那:遠からんものは音に聞け!近くば寄って目にも見よ! 実那:我こそが当代最強の退魔師、早瀬佐須良(はやせさすら)なるぞ! 実那:滅されたい奴はかかってこい! 早瀬:お前が言うな。大体お前ら親子が宣伝しまくるから俺がこんなに忙しいんだぞ。 実那:あはは・・・。血の気が多いさすらには丁度いいでしょ? 早瀬:・・・はんっ。 実那:妖怪は妖怪にひかれ、集まる。妖気は濃くなり更にまた呼び寄せる・・・。 実那:さすらが毎日頑張ってくれてるから街はほんと平和になったんだよ。 実那:ありがとね、さすら。 早瀬:・・・ほんとうるせー女だ。 実那:もう、素直じゃないなぁ。あ、そうだお父さんが今度久しぶりに稽古付けに来るって。 早瀬:・・・丁重にお断りします。 実那:さすらは、ほんとお父さん苦手だよね。あんなに優しいのに。 早瀬:あれは人じゃない。鬼だ。 実那:ふーん、伝えておくね。 早瀬:すいませんでした実那(みな)お嬢様!それだけは勘弁して下さい! 実那:裏で鬼呼ばわりされてるなんて知ったら、さぞやお父さん喜ぶだろうなぁ・・・。 早瀬:お願いだからやめてぇぇ!? ぬらりちゃん:ほう・・・?人里にも鬼がいるとな。 実那:誰?! 早瀬:実那、下がれ。 実那:う、うん。 早瀬:(な)んだてめぇは? ぬらりちゃん:儂か?・・・儂は大妖怪ぬらりひょんよ! 早瀬:大妖怪・・・だと。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ・・・。あれ?知らない? 早瀬:・・・知ってるか? 実那:私は知ってる。 早瀬:そうか・・・ならよし!んでその大妖怪がここに何の用だよ。 ぬらりちゃん:遠からん者は音に聞け!近くば寄って目にも見よ! ぬらりちゃん:我こそが当代最強の退魔師、早瀬佐須良なるぞ! ぬらりちゃん:滅されたい奴はかかってこい! 早瀬:お前も言うのかよ! 実那:有名になったねさすら。 ぬらりちゃん:ここまで言われたら挨拶せん訳にも行くまいよ。 ぬらりちゃん:・・・なかなか妖気に満ちたいい場所ではないか。 ぬらりちゃん:お主を倒し、この地に巣くう妖怪共も配下に加えるとしよう。 早瀬:やれるもんならやってみろ! 早瀬:んなこと言ってた妖怪共は全員返り討ちにしてやったぜ。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ・・・。儂をそこらの木っ端妖怪共と一緒にするな。 ぬらりちゃん:死ぬことになるぞ。 早瀬:・・・はんっ。面白ぇじゃねーか。少しは張り合いがありそうだ。 早瀬:実那。ぬらりひょんってのはどんな妖怪なんだ? 実那:え?えっと確か ぬらりちゃん:あー!前情報入れるのはずるくないか! 早瀬:うるせーな。お前だって俺の噂聞いてここまできたんだろ?一緒じゃねーか。 ぬらりちゃん:ぬ・・・。おい女。あまり詳しく言うでないぞ。 実那:詳しくって言うか・・・。ぬらりひょんは・・・ 実那:勝手に人の家に入って来て寛ぐ(くつろぐ)妖怪? 早瀬:・・・お、おう。そうか。・・・他には? 実那:以上。 早瀬:・・・(スゥー)・・・。お前さ ぬらりちゃん:ち、違うもん!そんなことないんじゃもん!儂大妖怪じゃもん! 早瀬:何なのお前?寂しがり屋なの?構ってちゃんなの? ぬらりちゃん:馬鹿にするでないわぁ! 実那:あ、じゃあ、私間違ってました?家に入って寛いだりしないんですか? ぬらりちゃん:・・・いや、入るけど。 早瀬:流石に、勝手に入って来られるんのは困るけど前もって言ってくれたら・・・まぁ? 実那:うん、私もお父さんとお母さんに許可とれば大丈夫だから。 ぬらりちゃん:ぬらー!家に入って寛ぐのは数多ある偉業の中の切り取られた1シーンじゃ! ぬらりちゃん:儂の恐ろしさ・・・その身に刻むがいい! 早瀬:・・・なっ!? 実那:姿が消えた・・・! ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ・・・。 早瀬:おいおい・・・姿だけじゃねぇ、気配も全く感じねぇじゃねえか。 ぬらりちゃん:無駄よ無駄。人の身にしてはマシ感覚をなもっているようじゃが、 ぬらりちゃん:どれだけ気を探ろうとも、儂の姿を捕らえることなど出来はしまい! 実那:声は聞こえるのに・・・。 早瀬:・・・はんっ。なかなかやるじゃねーか。流石自称大妖怪だなぁ! ぬらりちゃん:その強がりどこまでもつかの! 早瀬:ぐっ・・・!がはっ!! 実那:さすら! ぬらりちゃん:堅ーっ。手が滅茶苦茶痺れるんじゃが・・・。 ぬらりちゃん:お主ほんとに人間? 早瀬:生憎とまだやめたつもりはねーよ。しっかしどうすっかなー。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ。・・・まぁよい。噂は所詮噂であったな。 ぬらりちゃん:お主が気を失うまで嬲り(なぶり)続けるだけよ。 早瀬:実那、お前まで襲われねーよう、今のうちに逃げろ。 実那:でも! ぬらりちゃん:安心せい。横の女に手を出すつもりはないわ。 早瀬:・・・そうなのか? ぬらりちゃん:むしろなんでわざわざ襲わねばならんのじゃ。 早瀬:いや、・・・ああ、そうだな。間違ってない。 実那:さすら・・・この妖怪・・・。 ぬらりちゃん:何をごちゃごちゃと!・・・よーし決めた! ぬらりちゃん:お主を倒した後は街に下って、そこに住まう鬼とやらを倒すことにしよう! 早瀬:なぁっ!? 実那:あの・・・ぬらりひょん、さん、それは・・・。 ぬらりちゃん:そうと決まればさっさと終わらせるとするかのう。 実那:さすら・・・。 早瀬:ああ・・・。弟子の不始末を「あの」師匠に拭(ぬぐ)わせるとか・・・。 早瀬:考えただけで背筋が凍るぜ。俺もあいつもただじゃ済まないだろうな。 ぬらりちゃん:ぬ? 早瀬:おい、ぬらりひょん。 ぬらりちゃん:なんじゃ。 早瀬:どうやらお互いの為にも負ける訳にはいかなくなった。 早瀬:よって・・・てめぇは確実にぶちのめす。 ぬらりちゃん:・・・ぬっふっふっふ。ようやくやる気になったようじゃな。 ぬらりちゃん:それでこそ、ここまで出向いた甲斐があったというものよ。 早瀬:ああそうかよ。その期待、熨斗(のし)つけてしっかり返してやるぜ。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ!それは儂の姿を捕らえられてからな! 早瀬:ぐはっ! 実那:さすら!大丈夫? 早瀬:そんな顔すんじゃねーよ。・・・安心しろ、次で決める。 実那:・・・え? ぬらりちゃん:ほう?面白い。その言葉がまことかみせてみよ! 早瀬:・・・ここ・・・だぁ!おらぁ! ぬらりちゃん:なんじゃと!? 早瀬:・・・はぁ・・・はぁ・・・やっと捕まえたぜ大妖怪。 ぬらりちゃん:ば、馬鹿な・・・。 実那:凄い・・・。ほんとに決めちゃった。 早瀬:はんっ。あたりめーだろ。 ぬらりちゃん:なぜじゃ!なぜこうも簡単に儂を捕らえられる!? 早瀬:んなもん単純だろ。どうやらお前の能力は気配を消すどころか、ガチで実体すら消す。 ぬらりちゃん:う、正解じゃ・・・。 早瀬:ずりぃ能力だよ。 早瀬:・・・だがな。攻撃する瞬間だけは必ず実体化する。そこを捕まえたのさ。 ぬらりちゃん:な・・・でも儂がいつどこを攻撃するかなぞ分かるはずないじゃろ! 早瀬:それは・・・勘? ぬらりちゃん:・・・勘、じゃと・・・。 実那:なんというか・・・とてもさすららしくていいと思います。 早瀬:だろ?・・・あだっ!? ぬらりちゃん:一度捕らえたくらいで油断し過ぎじゃバーカバーカ! 早瀬:・・・てんめぇ・・・。 実那:バーカバーカって。 ぬらりちゃん:・・・ぬっふっふっふ。よもやそんな方法で儂をなぁ・・・。 ぬらりちゃん:面白い!面白いぞ!早瀬佐須良! 早瀬:そりゃよかった。んで、どうすんだ?もうお前の能力は割れちまったぞ。 ぬらりちゃん:ぬかせ。儂の能力がよもやそれだけとは思っておるまいな。 早瀬:普通に思ってたけど。 ぬらりちゃん:・・・いいじゃろう!こうなったら儂の真の力を開放してとことんまd 早瀬:それなんだけどよ。今日はもう終わりにしねぇか? ぬらりちゃん:ぬ!?何を言っておる!むしろこれからじゃろ! 実那:もうそろそろ日が暮れちゃうし、さすら、あなたと戦う前にも働いてたから。 ぬらりちゃん:ええー・・・。 早瀬:正直腹減った。 ぬらりちゃん:そうかそうか、儂の相手をするのは嫌なんじゃな・・・? 早瀬:あん?・・・嫌じゃねーよ、別に。 ぬらりちゃん:ほんとか?! 実那:よかったですね。じゃあ、ちゃんと次いつ会うか約束しよ。 ぬらりちゃん:そうじゃな! 早瀬:約束ぅ?だりぃ・・・。 実那:さすら、ちゃんと約束は守るんだよ。じゃないと・・・。 早瀬:分かった!・・・分かってるよ。ったく・・・。 実那:よし。決めたら今日は皆おうちに帰りましょう。 ぬらりちゃん:・・・うち・・・。 早瀬:ん?お前ひょっとして 腐狒狒:困りますねぇ。そこはきっちりしっかり殺しあって頂けないと。 ぬらりちゃん:ぬっ!?・・・まずい!くはっ!? 実那:きゃっ!? 早瀬:実那!ぬらりひょん!大丈夫か! 実那:私は大丈夫、だけど。庇ってくれたぬらりひょんさんが・・・。 ぬらりちゃん:が・・・はぁ・・・。 早瀬:おい、ぬらりひょん!しっかりしろ!・・・てめぇ・・・。 腐狒狒:あーあ・・・ほんと使えないくせに気配読みだけは鋭いんですから。 腐狒狒:どこまで私の邪魔をすれば気が済むんです。 ぬらりちゃん:腐狒狒(ふひひ)・・・貴様・・・。 早瀬:腐狒狒・・・? 腐狒狒:うわー、痛そうですね。ふひひ・・・惨めというかざまぁないというか。 腐狒狒:控えめに言って気分がいいですね。 ぬらりちゃん:何の、つもりじゃ・・・。 腐狒狒:遠からんものは音に聞け!近くば寄って目にも見よ! 早瀬:いや、お前も言うんかい! 実那:ほんとさすら有名になったね・・・。 腐狒狒:なんですかなんですか最後まで言わせて下さいよ。 ぬらりちゃん:悪いが既に2回言っておるのじゃ。 腐狒狒:うわー・・・。カラオケだったら凄く気まずいやつじゃないですか。 実那:凄く分かるなぁ・・・。 腐狒狒:あーあ、嫌だ嫌だ。一人でずーーっと4809文字も待ってたのに、 腐狒狒:この扱いですか。上手くいかないもんですねぇ。 腐狒狒:こんなに上手くいかないんだから・・・。 腐狒狒:クソみたいな茶番はさっさと終わらせるとしましょう。 ぬらりちゃん:女!儂の手を握れ。 実那:え、あ、はい!・・・うわっ。 早瀬:実那が消えた!おい、ぬらりひょん、お前何を。 ぬらりちゃん:これで女は安全じゃ。とりあえずわ、の。 早瀬:・・・お前。 腐狒狒:あー、もうほんと邪魔!邪魔邪魔邪魔邪魔ぁ! 腐狒狒:なんなんですかなんなんですかあんた。 ぬらりちゃん:外道の貴様を信じた儂がアホじゃったわ。 腐狒狒:そうですかそうですか。なら外道らしくあんたらを殺した後、 腐狒狒:あの可愛いお嬢さんを頂くとしますよ。 早瀬:あの腐狒狒ってやつは一体なんなんだ。 ぬらりちゃん:あやつは・・・一応儂が率いてる群れの一人よ。 ぬらりちゃん:見た目通り、猿が変化し、女を攫って(さらって)喰らう妖怪じゃったが、 ぬらりちゃん:儂がとっちめて、もうそんなことはせんと誓っていたのじゃが。 腐狒狒:部下?やめて下さいよ。あんたみたいな中途半端な妖怪に仕えたつもりなど 腐狒狒:一瞬たりともありません。 ぬらりちゃん:貴様・・・。 腐狒狒:妖怪がその衝動のままに人を喰らって何が悪いんですか! 腐狒狒:あなた方人間だって牛や豚を喰らうでしょう? 早瀬:一緒にすんじゃねぇ! 腐狒狒:一緒ですよ。私にとってはね。 腐狒狒:そこそこ強かったですし、妖怪の群れを作るっていうから 腐狒狒:どんな悪行をするのかと思って付いていってみれば、期待外れも甚だしいとんだ甘ちゃん。 腐狒狒:なんとまぁ、目指すは人間との共存だとか!ふひひ・・・馬鹿らしい。 腐狒狒:おまけに最近じゃその馬鹿に感化される馬鹿が増えてくる始末。 腐狒狒:これ以上おかしくなる前に、この辺で死んでもらいますよ。 腐狒狒:それと、安心して下さい。あなたの残したやつらは私が正しく妖怪として率いてあげますので。 早瀬:てめぇ・・・。 ぬらりちゃん:落ち着け早瀬佐須良。あやつは強い。 早瀬:ぬらりひょん。 ぬらりちゃん:お互い万全の状態ならいざ知らず、今は少々分が悪い。 ぬらりちゃん:身を隠す能力も女に使ってしまっておるしな。 早瀬:さっき言ってた真の能力は? ぬらりちゃん:あれはただの強がりじゃ。 早瀬:・・・おう。 ぬらりちゃん:お主にこれを。 早瀬:ん?う、うぉぉ・・・!なんだこの変な気は?! ぬらりちゃん:儂の能力を授けた。これでお主も使える。 早瀬:え?まじ?妖怪の能力!? 腐狒狒:はぁぁ?あなた気でも狂ったんですか?人間如きに力を授けるなど正気とは思えません。 ぬらりちゃん:貴様に言われたくないわ。・・・しかし、全然嬉しそうじゃないのじゃ!? 早瀬:だって、欲しいわけじゃなかったしな。つか大丈夫か俺? ぬらりちゃん:大丈夫じゃろ。・・・多分。 早瀬:うわー・・・不安。 ぬらりちゃん:とにかく!それでお主も儂の能力を使えるようになった。 ぬらりちゃん:安全な場所であの女にかけたものを解除してやれ。 ぬらりちゃん:・・・それくらいの時間は稼いでやる。 早瀬:・・・。 ぬらりちゃん:すまんが、再戦の約束は出来そうにないのぅ。 ぬらりちゃん:腐狒狒!貴様の狙いは儂じゃろ?望み通り相手をしてやるわ! 腐狒狒:そんなこと言って人間を逃がすつもりでしょう? 腐狒狒:あーあ、ほんと嫌だ嫌だ。・・・でもまぁ今日は確実にあなたをやれたらよしとしますかね。 ぬらりちゃん:・・・ぬっふっふっふ。簡単にはやられんぞ? 腐狒狒:ふひひひ・・・。 ぬらりちゃん:ずっと思ってたんじゃが。 腐狒狒:・・・なんですか? ぬらりちゃん:笑い方凄くきもいのじゃ。 腐狒狒:・・・ふ、ふ、ふひひひひひひ!いいでしょういいでしょう!楽には殺しません。 腐狒狒:涙を流しながら死を請い願い、それが枯れ果てるまで存分にいたぶって差し上げましょう! ぬらりちゃん:・・・流石に煽りすぎたかの。 早瀬:いいや俺も同感だ。 ぬらりちゃん:なっ!?お主まだいたのか! 早瀬:おう。・・・笑い声だけじゃねぇ、顔も体も性格も、何よりその芝居がきもい。気に食わねえ。 腐狒狒:言いますね言いますね。でもこれが私です。 腐狒狒:それに・・・芝居はいいじゃないですか。私も一生懸命なんですよ。 腐狒狒:人間は人間らしく、私達妖怪に恐れおののき逃げまどいなさい。それがお互いのあるべき姿ですよ! 早瀬:いいやよくない。・・・妖怪だからこう、人間だからこう。 ぬらりちゃん:お主・・・。 早瀬:こういう時はこう、ああいう時はこう、こうこうこううざってえ。 早瀬:・・・ほんとお前、つまんねぇよ。 腐狒狒:なんですって・・・。 早瀬:ぬらりひょん。 ぬらりちゃん:・・・なんじゃ。 早瀬:明日続きやんぞ。約束な。 ぬらりちゃん:はぁ・・・?! 早瀬:破んなよ?・・・ってことでぇ・・・。 早瀬:てめぇは俺が滅する。 腐狒狒:ふ、ふひひひ・・・なんか嫌ーな嫌ーな予感がします。 腐狒狒:とりあえず目障りなぬらりひょんのトドメをさしてこの場は退かせて頂きます! 早瀬:実那! 実那:うん! 腐狒狒:な!? 実那:させないよ。 ぬらりちゃん:え・・・普通に防いどるんじゃが。ええっ?! 実那:大丈夫だよぬらりひょんさん。さっきはありがとね。 早瀬:安心しろ。実那は・・・正直めちゃくちゃつええ。 実那:うふふ。 ぬらりちゃん:あー・・・。そうじゃったんですか。 腐狒狒:なんなんですかなんなんですかなんですか!上手くいかないにも程があります! 腐狒狒:ああもう!・・・仕方ない。この場は一度・・・。 早瀬:逃がさねえよ? 腐狒狒:ひ!? 早瀬:よくもまぁ、突然現れたかと思ったら好き勝手やってくれたなぁ?ああん? 腐狒狒:そ、そこまでは・・・。 早瀬:やったよなぁ! 腐狒狒:は、はぃぃ! 早瀬:・・・よし、素直に認めたことに免じてぇ・・・。 腐狒狒:・・・免じて? 早瀬:一瞬で終わらせてやる。 腐狒狒:ふぁっ!?ふ、ひ・・・。 早瀬:遠からんものは音に聞け!近くば寄って目にも見よ! 腐狒狒:ま、待って!4回目ですよ!いいんですか! 早瀬:うるせー!俺は俺だ!俺は・・・俺が謳いたいように謳うんだよ! 腐狒狒:ずるい! ぬらりちゃん:あやつは・・・。 早瀬:我こそが当代最強の退魔師、早瀬佐須良なるぞ! 早瀬:滅されてぇやつぁかかってこい! 腐狒狒:ま、まだ私は滅びる訳にはぁ?! 早瀬:てめぇの出番は・・・終わりだぁぁ!! 腐狒狒:も、もう?!ぎゃ、ぎゃあああ!! 早瀬:・・・成敗。・・・次はもっと明るく笑えるといいな。 実那:お見事!さすらお疲れ様。 早瀬:はんっ。余裕だったぜ。 実那:まーたそういうこと言う。・・・さすらも結構あの口上気に入ってるよね。 早瀬:は、はぁ?!べ、別にそんなことねぇけど?わざわざ作ってもらったから仕方なくだな・・・。 実那:ふーん?ねぇぬらりひょんさん、こんなこと言って、かなりノリノリで・・・ 実那:ぬらりひょんさん!? ぬらりちゃん:はぁ・・・はぁ・・・。ぬ?なぁに、少し疲れただけじゃ・・・。 実那:でも顔色が・・・。 早瀬:ったく。傷負ってんのに俺に力なんぞ渡すからだ。 ぬらりちゃん:あの時はそれが正しいと思ってたのじゃ! ぬらりちゃん:・・・まぁ別に必要なかったみたいじゃけどぬふふふ・・・。 実那:そんなことないよ!ね?さすら? 早瀬:お、おう!いやー、あの時助けてくれなかったら流石にまずかったなー。 ぬらりちゃん:ほ、ほんとか?ならよかったのじゃ。 早瀬:・・・ふぅ。 実那:セーフ。 早瀬:ところでよ。 ぬらりちゃん:なんじゃ? 早瀬:結局お前はほんとに何しに来たんだよ。ここを奪うだのなんだの言ってた割に、 早瀬:人間と共存したいとか思ってんだろ? ぬらりちゃん:・・・そうじゃ。儂ら妖怪とお主ら人間が共に暮らす、それは儂の願いよ。 実那:ぬらりひょんさん・・・。 ぬらりちゃん:じゃがそれは決して楽な道ではない。腐狒狒の言う通り、基本儂らは相容れぬ。 ぬらりちゃん:だからこそ。儂は強く、皆を導く存在であろうと思ったのじゃ。 早瀬:それで俺の所に、か。 ぬらりちゃん:うむ。お主を倒せば名が売れて、儂のもとにやってくるものも多いじゃろう。 ぬらりちゃん:それに、名高い退魔師ともし話が通ずるのであれば、 ぬらりちゃん:儂の協力者になってもらえるようお願いするつもりじゃったのじゃ。 早瀬:おおお・・・。お前結構色々考えてたんだな。 ぬらりちゃん:ぬっふっふっふ。そうじゃろそうじゃろ。じゃがまぁ、そう上手くはいかんかったが。 実那:・・・。 ぬらりちゃん:今回の件で、幾らかはまだ儂の下に残るじゃろうが多くは去るじゃろう。 ぬらりちゃん:それに・・・そうやすやすと本質は変わらぬことを思い知ったわ。 実那:・・・そんなこと。 早瀬:なぁ。俺んち一緒に住むか? ぬらりちゃん:は? 実那:え? 早瀬:俺お前の考えすっごいいいと思う。つかめちゃくちゃいいだろ! 早瀬:ここほんとにばんばん妖怪来るからさ、どうしようもないやつは滅して、 早瀬:そうじゃないやつらは少しずつ俺達を知ってもらえるようにすればいいじゃねえか。 ぬらりちゃん:・・・お主。 早瀬:な?いい考えだと思うけど。・・・それにお前、家ないんだろ? ぬらりちゃん:ぬ。それはそうなんじゃg 実那:待って。・・・ちょーっといいかな? ぬらりちゃん:はい。 早瀬:お、おう。どうした実那。 実那:ぬらりひょんさんの願いも、さすらがそれに理解を示したのも私は凄くいいと思う。 実那:実際私も素敵な願いだと思う。 早瀬:だよな!だかr 実那:でもそれがなんで一緒に住むってことになるのカナ? 早瀬:え?・・・えー・・・その 実那:なんなのかなー?え?あれかな?戦いを経て新たな感情が芽生えちゃった的な? 実那:まさかそれさー・・・。 ぬらりちゃん:な、なんじゃ実那殿。 実那:友情・・・超えてないよね? ぬらりちゃん:・・・滅相もないのじゃ。 早瀬:も、勿論。 実那:あはは・・・よかったー。(小声で)危うく妖怪と人の共存の障害になるところだった。 ぬらりちゃん:実那殿怖いのじゃ。 早瀬:安心しろ、俺も怖い。 実那:でもー、やっぱり成人した見た目の男女が二人で暮らすってのはよくないと思うよ。 ぬらりちゃん:ほ、ほんとにそこは大丈夫なのじゃ。儂もこう見えて物凄く生きてるし。 実那:そういうこと言ってやっぱり狙ってんのかなーこの雌ぬらりひょんは? ぬらりちゃん:ひぃ・・・。 実那:やっぱり私もお父さんをなんとかして一緒にここに住むべきじゃないかな? 実那:そうすれば未だに変化のないさすらも流石に意識せざるをうふふふ・・・ ぬらりちゃん:何か一人でめちゃくちゃぶつぶつ言ってるのじゃー!? 早瀬:しかしどうしたもんかなー。見た目がどうにかなればいいんだろ? ぬらりちゃん:・・・おお、そうじゃな。ならなんとかなるわい。 早瀬:・・・は? ぬらりちゃん:見ておれ。せいっ! 0:20歳前後のぬらりひょんが幼~小学生くらいになる。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:ぬぉ!? 実那:え?何!?・・・か、かわいい・・・。 ぬらりちゃん:省エネーモードー。 早瀬:それが真の力か。 ぬらりちゃん:ちがーう。力、今少ないし、疲れてたから丁度いいかもー。 早瀬:そ、そうか。でもその見た目だとぬらりひょんって言うか・・・。 実那:ぬらりちゃん!だね!かわいいいいー! ぬらりちゃん:ぬ、ぬらー。実那、く、くるしい・・・。ぐ、ぐぇ・・・。 実那:うふふ、そんなに喜んじゃって。・・・あ、なんか今の私達って家族みたいじゃない? 早瀬:そんな訳ねー・・・いや、一緒の家に住むんだもんな。 早瀬:俺とぬらりちゃんは家族だ。 ぬらりちゃん:さ、さすらー・・・。 早瀬:・・・はんっ。だからこれからは遠慮も隠し事もなし!楽しく暮らそうぜ! ぬらりちゃん:うん! 実那:・・・あれ?ん?私は? 早瀬:お前、家違うだろ。 実那:・・・ん? ぬらりちゃん:実那怖ーい。 実那:・・・(スゥー・・・)。そういうこと言うんだね、二人は。 実那:そういえばさ、いつ決着つけるんだっけ? 早瀬:あん?明日の予定だったんだけどぬらりちゃんがこんなだしなぁ。 ぬらりちゃん:ぬらー。 実那:明日ね、分かった。 早瀬:は? ぬらりちゃん:ぬら!? 実那:うん、私も参加する。・・・うふふふ。久しぶりに本気だしちゃお。楽しみダナァ。 早瀬:あ、あああ・・・ ぬらりちゃん:さ、さすらぁー・・・。 実那:私達の新しい第一歩、始めましょうね? 早瀬:勘弁してくれー!? ぬらりちゃん:ぬらぁぁぁ!? 0:現代 早瀬:・・・あの日はひどい目にあいましたねぇ・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:おお、お帰りなさいぬらりちゃん。どうでした? ぬらりちゃん:ずーっと比織に追い回された。 早瀬:あはは・・・。(小声で)今どこに? ぬらりちゃん:完全に撒いたから大丈夫ー。 早瀬:ほっ・・・。よかった。比織さんもいい子なんですけど、どうもこう周りが見えてないというか、 早瀬:思い込んだら修正がきかないというか、率直に重いというか・・・。 ぬらりちゃん:・・・実那に少し似てる。 早瀬:・・・ふ。・・・ぬらりちゃん、どうですか今の暮らしは? ぬらりちゃん:・・・さすらと家族になってからいっぱい色んなことがあって、 ぬらりちゃん:いっぱい色んな事が変わったけど。 早瀬:・・・はい。 ぬらりちゃん:一つだけ変わらないことある。 早瀬:・・・。 ぬらりちゃん:楽しい。 早瀬:・・・ぬらりちゃん。 ぬらりちゃん:言うことなしー。 早瀬:そうですか。それはよかったです。 ぬらりちゃん:あ、いっこあった。 早瀬:はい? ぬらりちゃん:比織、後ろにいる。 早瀬:・・・え。 比織:・・・さすらさん。 早瀬:・・・はい、なんでしょうか? 比織:体調もよろしいようですし、すこーーーーしだけお話しませんか? 早瀬:いや!?その・・・あいたたたた・・・急にこれ頭が悪くなってきたようです。 比織:ああそうですかそれは大変ですね、では私がしっかりと診てあげますのでお部屋にお連れします。 早瀬:は!?いや・・・いやだ!ぬらりちゃん!あなたまた私をはめましたね! ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:比織さん?少し、話し合いの前に話し合いを・・・。 比織:ダメです。 早瀬:はぁ・・・はぁ・・・。だ、誰かぁーーー!? ぬらりちゃん:・・・ぬふふ。