台本概要

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タイトル ノリトイキオイ
作者名 シンタマ  (@UdonguRataN)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(男3、女1、不問1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 いまはなき某声劇アプリのメタネタが多いシナリオです。
シリーズもので3まであります(2024年1月26日現在)

性別変更可。

少しでも読んだ、演じた方が楽しんで頂けたら幸いです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
早瀬 115 早瀬 佐須良 (はやせ さすら) 神主。見た目20代後半。
伊吹 111 早瀬 伊吹 (はやせ いぶき) 17歳くらい。
比織 96 戸都開 比織 (ととかい ひおり) 17歳くらい。
ぬらりちゃん 不問 81 妖怪
デュラゼン 93 怪異
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
早瀬:祓戸(はらえど)の大神達(おおかみたち) 伊吹:えー・・・はらぺこの狼たち・・・ 早瀬:・・・諸々の禍事(まがごと)・罪穢れ有らん(けがれあらん)をば 伊吹:モロコシのままごと、積木、それ俺んだってば 早瀬:・・・祓え給い(はらえたまい)清め給えと申す事を・・・っ 伊吹:腹痛ぇ、今日たまたまムース一個 早瀬:(イラッ)・・・聞こし食せと(きこしめせと) 伊吹:帰国せよと 早瀬:(イライラッ)かしこみかしこみ申す! 伊吹:カチコミ・・・カチコミ・・・カチコミだぜ! 早瀬:こんのバカ弟子っ! 伊吹:あだっ!? 早瀬:全然覚えてませんね!何がカチコミですか! 伊吹:えーと・・・勢い? 早瀬:・・・はぁ。全く、いつになったらまともに祝詞(のりと)を奏上(そうじょう)することが 早瀬:出来るんですかあなたは。 伊吹:いや師匠。 早瀬:なんですか。 伊吹:やっぱり俺、向いてないと思うんだよな。 ぬらりちゃん:うん。伊吹むいてなーい。 伊吹:うおっ!びっくりしたぜ・・・。ぬらりちゃん、急に背後に立つなって前言っただろ。 伊吹:世の中には反射的に殺しちゃう人もいるんだぜ。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:そんな変わり者は世界に一人でしょう・・・。 早瀬:いいですか伊吹。諦めるのは最大限、必死に努力をした後にして下さい。 伊吹:うぇ・・・。 早瀬:あなたも祓詞(はらえことば)の重要性は理解しているでしょう? 伊吹:・・・そりゃ、まあ。 早瀬:ならしっかり出来るようにしなさい。 早瀬:人々の為、悪しき存在を祓う。しっかりと言霊(ことだま)を込めて読み上げるのです。 ぬらりちゃん:そうだー。努力がたりーん。 伊吹:でもさ!師匠がいればいいだろ?別に俺がやらなくても。 早瀬:何度も言ったでしょう。私はもう長くはありません。 伊吹:ぜってー嘘。滅茶苦茶元気だぜ。・・・見た目だって若いし。 早瀬:ほんとですよ。神力(しんりょく)に恵まれた私は一般的な寿命を超越し、今日までお務めをしていますが、 早瀬:それももう尽きようとしています。今の私は、残されている僅かな力をやり繰りして 早瀬:辛うじて生き繋いでいるに過ぎないのです。 伊吹:・・・師匠。 ぬらりちゃん:でも昨日おそくまでゲームしてたよー。 早瀬:ぬらりちゃん!? 伊吹:師匠ー。 ぬらりちゃん:おとといだっtt 早瀬:ほ、ほーら!ぬらりちゃんの大好きな飴をあげよう! ぬらりちゃん:ぬらー。飴すきー。 早瀬:ふぅ・・・。 伊吹:・・・。 早瀬:はっ。と、とにかく伊吹、あなたには私と同じように才能があります。 早瀬:真面目に修行に励み、私の後を継ぐのです。 伊吹:才能、ねぇ・・・。師匠の思い違いだと思うけど。 早瀬:師匠に間違いはありません。間違っているのはあなたの性根だけですよ。 伊吹:う・・・。 ぬらりちゃん:伊吹の性根腐ってる-? 伊吹:フレッシュだよ!大人しく飴食ってろ! ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:あのー・・・。 早瀬:おや? 比織:すいません。 伊吹:(小声)か、かわいい! 早瀬:どうかされましたか? 比織:貴方がここの神社の神主さん、ですか? 伊吹:そうです!僕がこの神社の神主、なんなら君専用にだって・・・いでっ! 早瀬:はい、私がそうです。こっちはただのバカ弟子ですのでお気になさらず。 比織:はぁ・・・。 早瀬:何か御用でも? 比織:はい。・・・あ、初めまして、突然話しかけてしまってすいません。 比織:私は戸都開比織(ととかいひおり)と申します。 伊吹:比織ちゃん・・・名前まで可愛いぜ。俺は早瀬伊吹! 伊吹:伊吹って呼んで下さい宜しくお願い致します! 比織:は、はい!?・・・宜しくお願いします伊吹さん。 早瀬:ええい落ち着きなさい!私は早瀬佐須良(はやせさすら)。 早瀬:先ほど申し上げた通り、神主を務めさせて頂いております。 比織:・・・その、相談というか・・・ここの事を友達に聞いてその ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:ひゃーっ!? ぬらりちゃん:ぬらっ!? 伊吹:こらっ!ぬらりちゃん!突然人の後ろに立ったらダメって言ったばっかだろ! ぬらりちゃん:ごめんねー。 比織:え・・・え? 早瀬:驚かせてすいません。大丈夫でしたか?戸都開さん。 比織:は、はい大丈夫、ですけど・・・その、なんで急に後ろに・・・。 伊吹:ああ、その子はぬらりちゃん。ここの神社で一緒に暮らしてる 比織:なんだ、ご家族かご親族だったんですね。すいません、私ったら取り乱してしまって 伊吹:妖怪だぜ。 比織:ああ、成程。妖怪の方でしたか。 比織:家族という在り方の多様性もここまで来たかと感心いたしm・・・ 比織:妖怪ぃぃ!? ぬらりちゃん:ぬらー! 比織:ぎゃー!? 早瀬:ぬらりちゃん、久しぶりの新鮮な反応が嬉しい気持ちも分かりますが、 早瀬:悪ふざけはその辺にしなさい。 ぬらりちゃん:はーい。 比織:はぁ・・・はぁ・・・。 伊吹:比織ちゃん、ぬらりちゃんは妖怪だけどいい子だから安心していいぜ。 ぬらりちゃん:うん、いいこだよー。今度比織の家にも遊びに行くねー。 比織:え?う、うん。 ぬらりちゃん:勝手に。 比織:勝手に!? 伊吹:急にアイデンティティーを主張しだすのやめろ!それと遊びに行くときは 伊吹:俺も連れて行って下さいお願いします! ぬらりちゃん:二人っきりのデートだからだめ。 伊吹:それはずるいぜ! 比織:あ、あはは・・・ちゃんと予定は決めてからにしよう、ね。 ぬらりちゃん:わーい。じゃあその前に、比織の「その匂い」どうにかしようかー。 比織:え?・・・匂い? 伊吹:ぬらりちゃん・・・。 早瀬:感じますか? ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:匂いってなんですか?私、そんなに臭います? ぬらりちゃん:軽くひくレベル。 比織:えええ!? 伊吹:そんなことない!・・・正直めちゃくちゃいい匂いするぜ。 比織:うう・・・伊吹さんのその言い方も全然嬉しくない。 比織:でも、ありがとうございます。 早瀬:バカ弟子・・・。成程。それが相談の内容、ですか。 比織:はい? 早瀬:・・・戸都開さん。最近あなたの身の回りで妙な事、起こっていますね。 比織:そ、そうなんです!それでここの神社のことを知り合いに教えてもらって。 伊吹:安心してくれ比織ちゃん。俺たちに任せてくれたら大丈夫さ。 比織:・・・ありがとうございます。でもなんで分かったんですか。 ぬらりちゃん:すごく匂うから。 比織:うぐ。一旦おうち帰っていいですか・・・。 伊吹:あー・・・ぬらりちゃんは分かるんよ。 比織:何をです。 伊吹:この世には本来いない、いてはいけない存在の匂い。 ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:それって、つまり私・・・。 早瀬:はい。思いっ切り憑りつかれていますね。 比織:・・・ちょっと待ってください。・・・一応聞きたいんですが。 早瀬:なんでしょう? 比織:それはいいことですか? 伊吹:いや割と最悪だぜ。 比織:で、ですよね!あはは・・・ ぬらりちゃん:比織とってもくさーい!あはは・・・ 比織:もう。何回も言わないでよーあはは・・・ 伊吹:その通りだぜ。あはは・・・ 早瀬:お、もう仲良くなったんですね。冷静に受け止めているのもいいことです。あはは・・・ 比織:お願いします!!助けて下さい! 早瀬:訂正します。全然冷静じゃありませんでしたね。 比織:どどどどうしましょう。私、死んじゃうんですか!? 早瀬:落ち着いて下さい。大丈夫ですよ。 比織:そうですか。・・・よかった。 伊吹:でも死ぬ可能性はあるぜ。 比織:うわーん! 早瀬:伊吹! 伊吹:いやでも正直に伝えるのって大事だぜ。 ぬらりちゃん:そういうところがもてないんだよね。 伊吹:ぼそっと言うのやめてほしいぜ! 比織:ああ、私はこのままよく分からない化け物みたいのに憑りつかれ続けて、 比織:苦しみながら死んじゃうんだ。お父さんお母さんタマポチごめんね・・・。 早瀬:戸都開さん。 比織:・・・はい。 早瀬:ですから安心して下さい。その為にここに来たのではないんですか? 比織:・・・あ。 伊吹:師匠に任せればすぐ解決だぜ。比織ちゃん。 ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:・・・よかった。お願いします。 早瀬:はい。では戸都開さんに憑りついている存在を祓う為に、 早瀬:まずはその存在のイメージを明確にする必要があります。 比織:・・・分かりました。 早瀬:先ほど聞きそびれましたが、 早瀬:最近身の回りで起こっているおかしな現象を教えて頂いても宜しいですか。 伊吹:・・・成程。そうやってごく自然に個人情報をゲットする訳だな。 伊吹:流石師匠だぜ! ぬらりちゃん:大人のテクニック・・・。 比織:え。 早瀬:黙りなさい!・・・どうかこのおバカ二人は気にせずに。 比織:は、はい。その、身の回りというか。 ぬらりちゃん:というかー? 比織:私が、おかしいんです。 早瀬:あ・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 伊吹:・・・ 比織:え?なんでそんな皆して哀れみの視線を。 伊吹:比織ちゃん、俺は君が少々変人でも仲良くなりたい気持ちに変わりはないぜ。 比織:あ、ありがとうございます。・・・って違いますよ! 比織:最近の話です!おかしくなったのは! 早瀬:可哀そうに、ストレスかな。 ぬらりちゃん:ちゃんと寝てるかー?病院いくかー? 比織:心身ともに健康です!だから・・・私が知らない内に私が変なことをしてるみたいなんです! 早瀬:・・・成程。具体的には? 比織:・・・その、夜な夜な暴走しているらしいんです、私。 伊吹:今もしてるぜ。 比織:ええ!?じゃあ私一日中暴走してるじゃないですか!? 早瀬:伊吹!・・・暴走、とは? 比織:はい。夜中急に起きだして、家や近所に停めてある車やバイクで走り回ってるそうです。 ぬらりちゃん:おおお・・・。 比織:その姿を家族に目撃されたんですが、呼びかけても全く反応はなかったらしくて。 比織:次の日問い詰められたんですが、私にはそんな記憶全然ないし・・・。 比織:でも毎日毎日、私が寝た後に必ず暴走行為を・・・。 ぬらりちゃん:比織・・・。 比織:絶対おかしいよね。こんなの。 ぬらりちゃん:免許は? 比織:そこ!?・・・持って、ないけど。 ぬらりちゃん:無免許運転、犯罪だね。 伊吹:俺は少々前科があろうと気にしないぜ。いつまでも待ってるから。 比織:憑りつかれてる訳だからそこは大目にみてよ! 比織:後、早瀬くんは初対面なのになんでそんなに受け入れ態勢が整ってるの!? 比織:正直怖いよ! 早瀬:最初に目撃された後も毎晩? 比織:はい。家族が私が寝た後、見張ってくれてたんですが・・・。 比織:いつも突然、目の前で消えるそうです。 ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 比織:そしてその次の瞬間にはエンジン音が聞こえて、どこかへ走りだすと。 伊吹:なかなかアクティブだぜ。 比織:勘弁してほしいです・・・。 比織:おまけに、あらかじめガソリンや、タイヤの空気を抜いても関係ないみたいで。 早瀬:どうやらかなり乗り物に固執する、もしくはそれに近い存在のようですね。 ぬらりちゃん:朧車(おぼろぐるま)とか飛乗物(とびのりもの)とか? 伊吹:後はデュラハンとかか。 早瀬:そうですね。大分イメージも固まりましたし、祓うとしましょう。 比織:お願いします。 早瀬:まずは実体化させて、戸都開さんから出て行ってもらいます。 早瀬:・・・乗り物と暴走に執着し、人を惑わすこの世ならざる存在よ。 早瀬:今、ここにその姿を現せ・・・はぁっ! 比織:わ・・・。 伊吹:出ました!これは人の目には見えない存在を見えるように実体化させる師匠の技だぜ! 比織:そうでしょうね。 ぬらりちゃん:絶対その説明いらないと思う。 早瀬:少しは真面目にしなさい!・・・さて、見えてきましたね。 デュラゼン:・・・。 比織:で、出た・・・ひぃ。 伊吹:うーん、この馬っぽいのに跨った西洋甲冑騎士っぽさ。 伊吹:デュラハンだぜ。はい俺の予想通り。 ぬらりちゃん:ぬらー。 デュラゼン:・・・遅い(小声) 早瀬:ん?なんですか? デュラゼン:・・・遅い。 伊吹:は? デュラゼン:おそーーーーい! 比織:す、すいません?! デュラゼン:遅すぎる!我が輩待ちくたびれたぞ! ぬらりちゃん:ああ、そうか。やっとシナリオへのエール実装されたねよかったね。 デュラゼン:そうそう! デュラゼン:まぁでも実際、我が輩のような弱小どマイナーライターには大して影響ないし、 デュラゼン:「へー、ふーん実装されたんだ?別に興味ないなー?」って。 早瀬:急に何を言い出すんですか。 デュラゼン:なんて感じで斜に構えてる風だけど・・・。 デュラゼン:正直、貰えたら滅茶苦茶嬉しいよね! ぬらりちゃん:あ、はい。 デュラゼン:後単純に好きなシナリオに気持ちにを形で伝えられるのがいい! デュラゼン:・・・って違うわ!我が輩の出番が来るまでにどれだけ待たすのかと憤っているのである! デュラゼン:そこの青年。 早瀬:私、ですかね?・・・はい。 デュラゼン:威勢のよさそうな少年。 伊吹:おう。 デュラゼン:先ほどまで宿主であった少女。 比織:も、もう二度と来ないで下さい。 デュラゼン:なぜか堂々といる妖怪。 ぬらりちゃん:ぬらー。 デュラゼン:さて、皆よく考えて欲しい。 デュラゼン:会話が始まってから、我が輩が出るまで一体どれくらいの時間がたったであろうか? 伊吹:うーん、まだ3分くらいじゃないか? デュラゼン:・・・ほ、ほう? 比織:流石に私が来てから3分はたってると思うからもうちょっと待たせちゃったんじゃない? デュラゼン:であるな。 ぬらりちゃん:じゃー5分! デュラゼン:ご、5分・・・。 早瀬:そうですねぇ。私もそのくらいかと思っていますが、 早瀬:かなりお怒りのようですしもう少し多く見積もって・・・ デュラゼン:そうだ・・・。よーく思い返してくれ。 早瀬:6分、これくらいでしょう! デュラゼン:おお・・・ 伊吹:流石師匠だぜ。 比織:そう言われたらそんな気がしますね。 ぬらりちゃん:お待たせー。 デュラゼン:4700文字。 早瀬:・・・はい? デュラゼン:我が輩が出るまでに4700文字かかっている! 伊吹:そこはほらキャラクター名のぬらりちゃんで文字数稼ぎしてるからだぜ。 ぬらりちゃん:おい失礼なこと言うな。 ぬらりちゃん:どちらかといえば「・・・」(てんてんてん)の方だろ、ひどいのは。 比織:文字数、気にするタイプだったんですね。ちょっとショックです。 早瀬:作品の良さと文字数にはあまり関係ないと思いますよ。 デュラゼン:してないし!我が輩そういうこと全然気にしないタイプだし! デュラゼン:「いやー、5000字超えてやっと折り返しだわー」とか、 デュラゼン:たまには呟いてみたいとか思ったことないし! 比織:それくらい呟けばいいじゃないですか。 伊吹:こら比織ちゃん。しーっ。 ぬらりちゃん:そこまで長いの書けないんだよきっと。察してあげて。 デュラゼン:ぐ・・・。だからそうではない!何が6分だ! デュラゼン:〇〇分だ!(その時の経過時間を言って下さい。) 早瀬:それはまた・・・。 デュラゼン:我が輩、何回も出れるタイミングあったよな? デュラゼン:それをくだらん会話を延々繰り返しおって・・・。 伊吹:・・・受け取り方によってはそうともいえないこともないぜ・・・。 デュラゼン:シークバー大丈夫?めちゃくちゃ後ろにいってないか? デュラゼン:右から数えて4人目に差し掛かってない? 比織:あー・・・その、なんかすいません。 ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 デュラゼン:ふん、分かればいい。これに懲りて今後はテンポのいい展開を心がけるように。 デュラゼン:そんなことだから弱小ド底辺マイナークソ雑魚ライター呼ばわりされるのだよ。 デュラゼン:って誰が弱小ド底辺マイナークソ雑魚そのくせ承認欲求高めライターだ! 伊吹:そんなこと誰も言ってないぜ。 ぬらりちゃん:そもそも誰もあんたなんか知らないし。 比織:ちょっとぬらりちゃん・・・。 デュラゼン:あー言っちゃった!貴様、一番気にしてること言ったな!それはもう戦争だぞ! ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:ちょ、ちょっと待ちなさい。なんですかこの流れは! デュラゼン:これは我が輩の誇りを守る戦いである。手出しは無用。 早瀬:誤魔化さないで下さい。そもそも戸都開さんに憑りついて暴走行為をしたあなたを引き離し、 早瀬:祓う流れだったはずです。 比織:はっ、そういえば。 デュラゼン:・・・ふ、ふははははは!よくぞ気付いた。我が輩、感心である。 デュラゼン:愚かな人間如き、適当に煙にまけるかと思ったがそう簡単にはいかんか。 伊吹:うちの師匠をなめるんじゃないぜデュラハン! デュラゼン:・・・今、我が輩のことをなんと言った。 伊吹:デュラハン。だってそうだろ? デュラゼン:我が輩をあんな半端ものと一緒にするなぁ! 伊吹:え、だって滅茶苦茶テンプレデュラハンな恰好してるぜ。 デュラゼン:ふっ。よく見てみろ。 早瀬:・・・首が。 比織:ある・・・! デュラゼン:ふははははは! デュラゼン:そう、我が輩は首すら維持出来ない半端者、デュラハン如きではない! デュラゼン:それを遥かに上回る究極の完全体、この世界を暴走行為で溢れさせるもの! デュラゼン:「首ありライダー、デュラゼン」様だ! 伊吹:首ありライダーデュラゼンだと・・・ 早瀬:・・・。 デュラゼン:ふはははは!驚きのあまり言葉を失ったか! デュラゼン:貴様ら如きが生意気にも我が輩を祓うだと?力の差を知り恐れおののがよい! ぬらりちゃん:・・・あのさ。 デュラゼン:どうした妖怪。 デュラゼン:人ならざる貴様は、跪いて命乞いをするなら許してやらんこともないぞ。ふはははは! ぬらりちゃん:それ・・・最早ただのライダーだよね 早瀬:ぬらりちゃん!? 伊吹:だからそういうの言っちゃだめだって! デュラゼン:・・・ふ・・・ふふふ。 比織:ほら絶対怒ってるよ!ぬらりちゃん、ごめんないして! ぬらりちゃん:ぬらー。・・・あのさ。 デュラゼン:・・・なんだ妖怪。 ぬらりちゃん:ひょっとしてさっきの、ライダーとライターをかけたネタだった? デュラゼン:あ? 伊吹:おいい!? 比織:ぬらりちゃん!? 早瀬:まさかそんな寒いこと幾らなんでも・・・ねぇ?流石に失礼ですよ! ぬらりちゃん:ぬらー。 デュラゼン:・・・・ふ、ふふふ、ふはははは!あーはっはっはっ! 伊吹:遂に壊れちまったぜ。 ぬらりちゃん:ごめんね? デュラゼン:あーはっはっはっはっ!・・・殺す。 伊吹:ん?やば!? 早瀬:速い!?ぬらりちゃん! ぬらりちゃん:ぬらっ!? デュラゼン:今のをかわすか。・・・一撃で仕留めるつもりだったのだが、なかなか素早い。 デュラゼン:だが、次で殺す。 ぬらりちゃん:・・・ぬらー。 比織:え、え・・・今何があったの? 早瀬:どうやらコメディパートはおしまいのようですね。 デュラゼン:察しがよくて我が輩は嬉しいぞ。 伊吹:比織ちゃんは俺達の後ろへ。 比織:う、うん!・・・でもぬらりちゃんが・・・。 デュラゼン:安心しろ。我が輩をここまでこけにした貴様らは一人残らず皆殺しだ。 デュラゼン:我が輩の暴走をその身に受け、己の愚かさを悔いながら冥府へと落ちるがよい。 デュラゼン:まずは・・・貴様からだ!妖怪! 早瀬:させません! ぬらりちゃん:さすら! デュラゼン:ほう・・・自ら盾となり我が輩の攻撃を受けとめるか。 比織:凄い・・・。 伊吹:流石師匠! 早瀬:ぬらりちゃん、今のうちに距離を。 ぬらりちゃん:でもさすらが・・・。 早瀬:ははは。私は・・・大丈夫ですよ。 デュラゼン:面白い!ならばお前から殺してやろう。 早瀬:出来ればお手柔らかにお願いしますね。 デュラゼン:ふはは!いつまで我が輩の暴走に耐えられるかな!はぁっ! 早瀬:くっ! 比織:だ、だだだ大丈夫なんですか。 伊吹:ああ。師匠に任せておけば大丈夫だぜ。俺の師匠は凄い人だから!な?ぬらりちゃん。 ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 伊吹:・・・ぬらりちゃん? デュラゼン:どうした?動きが鈍くなってきているぞ。 早瀬:ははは、いやー・・・どうでしょうね。 デュラゼン:その余裕だけは大したものだ!おらっ! 早瀬:ぐはっ! 比織:きゃっ! 伊吹:な・・・師匠!なんでいつもみたいにぱぱっとやっつけないんだよ! デュラゼン:そろそろ仕舞いだな。 早瀬:く・・・。 伊吹:師匠! ぬらりちゃん:・・・さすら、もう力ない。 伊吹:・・・え? ぬらりちゃん:さすらの中、もうほとんど力残ってない・・・。 ぬらりちゃん:ほんとに普通の生活するのだってやっと! 伊吹:・・・じゃあさっき言ってたのはほんとのこと・・・? ぬらりちゃん:全部ほんと!さすらが死んじゃう! 伊吹:そんな・・・嘘だろ・・・。 デュラゼン:これで終わりだ。 早瀬:がはっ!・・・・あ・・・ああ・・・・ 伊吹:師匠! ぬらりちゃん:さすら! 比織:そんな・・・早瀬さん・・・。 早瀬:・・・かはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・。 デュラゼン:人間にしてはなかなかだったではないか。 デュラゼン:どうだ?お前が望めば死後、我が輩のツーリング仲間として蘇らせてやってもよいが? 早瀬:・・・ははは。お断りします。 デュラゼン:そうか。ではそのまま朽ちるがいい。 デュラゼン:・・・さて、待たせたな。 デュラゼン:醜く逃げ出さずにいたことに免じてせめて楽に殺してやる。 比織:あ・・・。 伊吹:くっ。せめて比織ちゃんだけでも。 ぬらりちゃん:ぬらー。 デュラゼン:あまり気負うな。どうせ一瞬で終わる。・・・ん? 早瀬:・・・行かせませんよ。 伊吹:師匠!? デュラゼン:ちっ。死にぞこないが!・・・ぬ、ぐ・・・離れろ! 早瀬:・・・ははは。どうですか?動けないでしょう? デュラゼン:貴様何を! 早瀬:私の体に残っている神力を直接あなたに流し込んでいます。 早瀬:きっちりとどめをさすべきでしたね。 デュラゼン:ぬぅぅ・・・。 早瀬:首ありライダーデュラゼン。貴方はそのふざけた名前の割にとても危険な存在だ。 早瀬:ここで私と一緒に消えてもらいます。 デュラゼン:はっ!死にかけの貴様には、我が輩を祓う力など残ってはおるまい! デュラゼン:その命が尽きるまで、僅かな時間の足止めが精一杯だろう! 早瀬:仰る通りです。ですがそれでいいんですよ。 デュラゼン:何?! 早瀬:・・・伊吹。 伊吹:・・・師匠。 早瀬:貴方の出番です。おやりなさい。 デュラゼン:はっ!何を言うかと思えば・・・そんなガキに我が輩が祓えるものか!! 伊吹:師匠、俺・・・全然何にも分かってなくて・・・。 早瀬:・・・大丈夫ですよ。 早瀬:貴方は私の最後の弟子にして最高の家族。その晴れ姿を見せて下さい。 伊吹:でもこのままじゃ師匠が・・・。 早瀬:ははは・・・言ったでしょう、私はもう十分生きました。 早瀬:いい幕引きです。伊吹、貴方と過ごした日々はとても楽しかった。 早瀬:・・・最も、もう少し真面目に修行に取り組んで欲しかったですが。 伊吹:・・・師匠。 早瀬:ぬらりちゃんとも随分長い事一緒にいましたね。 早瀬:これからも伊吹を助けてあげて下さい。 ぬらりちゃん:さすら・・・。 早瀬:戸都開さん、この二人は少しおバカなところもありますが、根はとてもいい子です。 早瀬:このような出会い方にはなりましたが、よかったら仲良くしてあげて下さい。 比織:早瀬さん・・・。 デュラゼン:愚かな!万に一つも我が輩が貴様らに祓われることはないとなぜ分からん! デュラゼン:必ず皆殺しだ! 早瀬:・・・デュラゼン。 デュラゼン:何だ? 早瀬:正直ずっと思ってたんだが、耳元でギャーギャー騒ぐな。 早瀬:・・・死ぬのはテメーだ。 デュラゼン:なっ!? 比織:・・・わー・・・。 早瀬:さぁ伊吹、貴方の祝詞を奏上なさい。 伊吹:・・・ああ、分かったぜ。師匠。 伊吹:掛(か)けまくも畏き(かしこき)伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ) 伊吹:筑紫の日向の(つくしのひなたの)橘小戸(たちばなのおど)の 伊吹:阿波岐原に(あはぎはらに) 伊吹:禊祓へ(みそぎはらへ)給いし(たまいし)時に 伊吹:生り坐せる(なりませる)祓戸(はらえど)の大神達(おおかみたち) デュラゼン:・・・ぬ?・・・ぐ・・・あああ・・・。 デュラゼン:な・・・ぜ、あんなガキがこれ程までの・・・! 早瀬:ははは・・・だから言ったでしょう?・・・「それでいい」って。 デュラゼン:ば、ばかな・・・っ。 伊吹:諸々の禍事罪穢有らんをば(もろもろのまがごとつみけがれあらんをば) 伊吹:祓え給え(はらえたまえ)清め給えと申す事を・・・ 早瀬:なんとかもちそうですね。最後までお供しますよ。 デュラゼン:く・・・そっ!離せ!離せこの死にぞこないがぁ! 伊吹:聞こし食せと(きこしめせと)・・・ ぬらりちゃん:伊吹・・・。 伊吹:恐み恐み(かしこみかしこみ)・・・ デュラゼン:やめ・・・やめろおぉっ! 伊吹:恐み・・・ 早瀬:伊吹・・・よくぞやり遂げましたね・・・。 伊吹:かしこ・・・か・・・か・・・ 早瀬:伊吹!? ぬらりちゃん:いけー!伊吹! 伊吹:かー・・・カチコミだぜ! 比織:伊吹さん!? 早瀬:バカ弟子ぃ!? デュラゼン:ふ、ふははは!やはりあいつはただの・・・ぶべらっ! 伊吹:おらぁっ! デュラゼン:がはっ!な・・・たかが人間風情が素手で我が輩に・・・ぐはっ! 伊吹:てめぇ如き・・・誰かの力を借りるまでもねぇぜ。俺の拳で追い払ってやる! デュラゼン:ま、待て・・・はっ、貴様、もしや人間ではないn 伊吹:師匠からとっとと離れて・・・消えろー! デュラゼン:わ、我が輩からくっついてる訳では・・・ぐぁぁぁぁぁぁっ! 伊吹:・・・成敗。 比織:殴り倒しちゃった・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー! 伊吹:師匠! 早瀬:・・・ははは。全く貴方は・・・。 伊吹:大丈夫か?師匠。 早瀬:ええ。ですが、流石にもう限界でしょう。 比織:そんな・・・。 早瀬:思っていたのとは大分違いましたが、見事です、伊吹。 伊吹:師匠・・・。 早瀬:これで心置きなく長い眠りにつけるというも・・・の? ぬらりちゃん:ぬら? デュラゼン:な・・・なんだこの我が輩のちんちくりんな姿は!? 比織:デュ、デュラゼンさんですか? デュラゼン:そうだ!一体どうなっておる! 伊吹:ふはは、似合ってるぜ。 早瀬:・・・ははは。・・・成程、そういうことですか。 伊吹:師匠!大丈夫なのか?! 早瀬:ええ、どうやらまだ生きていてよいみたいですね。 伊吹:おお! ぬらりちゃん:さすら! 比織:さすらさん! 伊吹:・・・ん? 比織:ほんとに大丈夫なんですね?ですよね? 早瀬:は、はい。ご心配おかけしました。 比織:・・・よかったです。私・・・。 早瀬:あ、あははは・・・ デュラゼン:おい。 伊吹:さすらさん・・・さすらさん!? ぬらりちゃん:・・・まぁそういうこともある。 デュラゼン:・・・おい。 比織:立てますか?肩、かしましょうか?支えましょうか?いつまで支えていいですか? 早瀬:だ、大丈夫です。お気持ちだけ・・・。 伊吹:見ろよあれ!なぁぬらりちゃん! ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 デュラゼン:おいいいい! 伊吹:なんだよ!こっちは今大変なの! デュラゼン:切り替え早すぎだろ貴様ら!・・・ってそうじゃない! デュラゼン:我が輩のこの体どうしてくれるのだ!祓うならちゃんときっちり祓え! 伊吹:・・・それはまぁ、その・・・すまなかったぜ。 デュラゼン:すまなかったぜ、ではないわ!我が輩をどこまでこけにすれば気が済むのだ! ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 デュラゼン:・・・なんだ妖怪。 ぬらりちゃん:・・・ぷ。 デュラゼン:き、貴様!貴様だけは絶対に許さん!どのような身に堕とされようとも、 デュラゼン:貴様だけはこの手で仕留めてくれる! ぬらりちゃん:その短い手で? デュラゼン:うおおおおっ! 早瀬:デュラゼン。 デュラゼン:止めるな!これはなけなしの我が輩の誇りを守る戦いである。 早瀬:一緒にここで暮らしましょう。 デュラゼン:だから止めるなと・・・は? 伊吹:出た・・・師匠の悪いクセ・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:ええ、ですから泊めるだなんていいませんよ。一緒に暮らしましょう。 デュラゼン:な・・・あ・・・さっきまで我が輩達殺しあっていたと思うんだが気のせいか? 早瀬:ははは。お互い過ぎたことは忘れましょう。どうせ行く宛はないのでしょう? デュラゼン:それは、そうだが。 早瀬:完全に祓うにも、私には今は力が、伊吹にはまだ技術が足りません。 デュラゼン:なんと無責任な・・・。後、我が輩は適度に暴走しないといけないのだが。 デュラゼン:我が輩にふさわしい乗り物はあるのだろうな。 早瀬:それは勿論。倉庫に昔伊吹は乗っていた三輪車がありますのでそれを差し上げますよ。 比織:ぶ。 デュラゼン:サンリンシャ・・・なかなかいい響きではないか。 デュラゼン:それは当然速いのだろうな? 早瀬:ええ、乗り手次第ではどこまでも加速できます。 伊吹:ものは言いようだぜ・・・。 ぬらりちゃん:これは悪い大人。 デュラゼン:ふ・・・ふっはっはっはっ!乗り手次第だと?面白い! デュラゼン:このような体になったとは言え、この首ありライダーデュラゼン様が、 デュラゼン:そのサンリンシャとやらの世界最速を叩き出してやろうではないか! 早瀬:楽しみにしてます。 ぬらりちゃん:久しぶりに弟が増えたー。 デュラゼン:ぬ?弟だと?我が輩が? 伊吹:そうだぜ。家族になった順だからお前は一番下の弟だな。 デュラゼン:ちょ、ちょっと待って我が輩がなぜ貴様らの家族になるという デュラゼン:話になっているのだ? 伊吹:ん?一緒に住むんだろ?じゃあもう家族だぜ。 デュラゼン:はぁぁ!? ぬらりちゃん:しょうがないなぁ、可愛い弟には後で飴をあげよう。 デュラゼン:いらんわ!それと我が輩は貴様の弟になる気はない! 比織:家族・・・一緒に住んだら家族になれる・・・さすらさんと・・・ 伊吹:ひ、比織ちゃん? 比織:私もここで暮らします! 早瀬:戸都開さんは・・・ご家族いらっしゃりますよね? 早瀬:むしろ一度早く帰って解決したとご報告してあげたほうが・・・ 比織:私思うんですよね。子供が3人で保護者がさすらさんだけって 比織:やっぱりちょっと大変かなって・・・。体も弱っていますし。 早瀬:割と結構皆しっかりしてるので大丈夫ですよははは・・・。 比織:いーえ。優しんですねさすらさんは。遠慮しないでいいんですよ。 早瀬:・・・は、ははは・・・伊吹、後は弟子の貴方に任せます!では! 伊吹:あ?し、師匠ー!? ぬらりちゃん:逃げた。 比織:待ってください!病み上がりなんですから私と一緒に安静に過ごしましょう! 伊吹:比織ちゃん!比織ちゃんにはもっとふさわしい相手がいると思うぜ! 比織:ごめんなさい早瀬くん!私もう決めたから! 伊吹:即答!?そして苗字になってるぜ! デュラゼン:・・・なあ妖怪。 ぬらりちゃん:なにー? デュラゼン:我が輩、ほんとにここで暮らすのか? ぬらりちゃん:・・・。 デュラゼン:・・・。 ぬらりちゃん:・・・ぬらー。 デュラゼン:・・・でゅらー・・・って付き合いきれんわ!

早瀬:祓戸(はらえど)の大神達(おおかみたち) 伊吹:えー・・・はらぺこの狼たち・・・ 早瀬:・・・諸々の禍事(まがごと)・罪穢れ有らん(けがれあらん)をば 伊吹:モロコシのままごと、積木、それ俺んだってば 早瀬:・・・祓え給い(はらえたまい)清め給えと申す事を・・・っ 伊吹:腹痛ぇ、今日たまたまムース一個 早瀬:(イラッ)・・・聞こし食せと(きこしめせと) 伊吹:帰国せよと 早瀬:(イライラッ)かしこみかしこみ申す! 伊吹:カチコミ・・・カチコミ・・・カチコミだぜ! 早瀬:こんのバカ弟子っ! 伊吹:あだっ!? 早瀬:全然覚えてませんね!何がカチコミですか! 伊吹:えーと・・・勢い? 早瀬:・・・はぁ。全く、いつになったらまともに祝詞(のりと)を奏上(そうじょう)することが 早瀬:出来るんですかあなたは。 伊吹:いや師匠。 早瀬:なんですか。 伊吹:やっぱり俺、向いてないと思うんだよな。 ぬらりちゃん:うん。伊吹むいてなーい。 伊吹:うおっ!びっくりしたぜ・・・。ぬらりちゃん、急に背後に立つなって前言っただろ。 伊吹:世の中には反射的に殺しちゃう人もいるんだぜ。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:そんな変わり者は世界に一人でしょう・・・。 早瀬:いいですか伊吹。諦めるのは最大限、必死に努力をした後にして下さい。 伊吹:うぇ・・・。 早瀬:あなたも祓詞(はらえことば)の重要性は理解しているでしょう? 伊吹:・・・そりゃ、まあ。 早瀬:ならしっかり出来るようにしなさい。 早瀬:人々の為、悪しき存在を祓う。しっかりと言霊(ことだま)を込めて読み上げるのです。 ぬらりちゃん:そうだー。努力がたりーん。 伊吹:でもさ!師匠がいればいいだろ?別に俺がやらなくても。 早瀬:何度も言ったでしょう。私はもう長くはありません。 伊吹:ぜってー嘘。滅茶苦茶元気だぜ。・・・見た目だって若いし。 早瀬:ほんとですよ。神力(しんりょく)に恵まれた私は一般的な寿命を超越し、今日までお務めをしていますが、 早瀬:それももう尽きようとしています。今の私は、残されている僅かな力をやり繰りして 早瀬:辛うじて生き繋いでいるに過ぎないのです。 伊吹:・・・師匠。 ぬらりちゃん:でも昨日おそくまでゲームしてたよー。 早瀬:ぬらりちゃん!? 伊吹:師匠ー。 ぬらりちゃん:おとといだっtt 早瀬:ほ、ほーら!ぬらりちゃんの大好きな飴をあげよう! ぬらりちゃん:ぬらー。飴すきー。 早瀬:ふぅ・・・。 伊吹:・・・。 早瀬:はっ。と、とにかく伊吹、あなたには私と同じように才能があります。 早瀬:真面目に修行に励み、私の後を継ぐのです。 伊吹:才能、ねぇ・・・。師匠の思い違いだと思うけど。 早瀬:師匠に間違いはありません。間違っているのはあなたの性根だけですよ。 伊吹:う・・・。 ぬらりちゃん:伊吹の性根腐ってる-? 伊吹:フレッシュだよ!大人しく飴食ってろ! ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:あのー・・・。 早瀬:おや? 比織:すいません。 伊吹:(小声)か、かわいい! 早瀬:どうかされましたか? 比織:貴方がここの神社の神主さん、ですか? 伊吹:そうです!僕がこの神社の神主、なんなら君専用にだって・・・いでっ! 早瀬:はい、私がそうです。こっちはただのバカ弟子ですのでお気になさらず。 比織:はぁ・・・。 早瀬:何か御用でも? 比織:はい。・・・あ、初めまして、突然話しかけてしまってすいません。 比織:私は戸都開比織(ととかいひおり)と申します。 伊吹:比織ちゃん・・・名前まで可愛いぜ。俺は早瀬伊吹! 伊吹:伊吹って呼んで下さい宜しくお願い致します! 比織:は、はい!?・・・宜しくお願いします伊吹さん。 早瀬:ええい落ち着きなさい!私は早瀬佐須良(はやせさすら)。 早瀬:先ほど申し上げた通り、神主を務めさせて頂いております。 比織:・・・その、相談というか・・・ここの事を友達に聞いてその ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:ひゃーっ!? ぬらりちゃん:ぬらっ!? 伊吹:こらっ!ぬらりちゃん!突然人の後ろに立ったらダメって言ったばっかだろ! ぬらりちゃん:ごめんねー。 比織:え・・・え? 早瀬:驚かせてすいません。大丈夫でしたか?戸都開さん。 比織:は、はい大丈夫、ですけど・・・その、なんで急に後ろに・・・。 伊吹:ああ、その子はぬらりちゃん。ここの神社で一緒に暮らしてる 比織:なんだ、ご家族かご親族だったんですね。すいません、私ったら取り乱してしまって 伊吹:妖怪だぜ。 比織:ああ、成程。妖怪の方でしたか。 比織:家族という在り方の多様性もここまで来たかと感心いたしm・・・ 比織:妖怪ぃぃ!? ぬらりちゃん:ぬらー! 比織:ぎゃー!? 早瀬:ぬらりちゃん、久しぶりの新鮮な反応が嬉しい気持ちも分かりますが、 早瀬:悪ふざけはその辺にしなさい。 ぬらりちゃん:はーい。 比織:はぁ・・・はぁ・・・。 伊吹:比織ちゃん、ぬらりちゃんは妖怪だけどいい子だから安心していいぜ。 ぬらりちゃん:うん、いいこだよー。今度比織の家にも遊びに行くねー。 比織:え?う、うん。 ぬらりちゃん:勝手に。 比織:勝手に!? 伊吹:急にアイデンティティーを主張しだすのやめろ!それと遊びに行くときは 伊吹:俺も連れて行って下さいお願いします! ぬらりちゃん:二人っきりのデートだからだめ。 伊吹:それはずるいぜ! 比織:あ、あはは・・・ちゃんと予定は決めてからにしよう、ね。 ぬらりちゃん:わーい。じゃあその前に、比織の「その匂い」どうにかしようかー。 比織:え?・・・匂い? 伊吹:ぬらりちゃん・・・。 早瀬:感じますか? ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:匂いってなんですか?私、そんなに臭います? ぬらりちゃん:軽くひくレベル。 比織:えええ!? 伊吹:そんなことない!・・・正直めちゃくちゃいい匂いするぜ。 比織:うう・・・伊吹さんのその言い方も全然嬉しくない。 比織:でも、ありがとうございます。 早瀬:バカ弟子・・・。成程。それが相談の内容、ですか。 比織:はい? 早瀬:・・・戸都開さん。最近あなたの身の回りで妙な事、起こっていますね。 比織:そ、そうなんです!それでここの神社のことを知り合いに教えてもらって。 伊吹:安心してくれ比織ちゃん。俺たちに任せてくれたら大丈夫さ。 比織:・・・ありがとうございます。でもなんで分かったんですか。 ぬらりちゃん:すごく匂うから。 比織:うぐ。一旦おうち帰っていいですか・・・。 伊吹:あー・・・ぬらりちゃんは分かるんよ。 比織:何をです。 伊吹:この世には本来いない、いてはいけない存在の匂い。 ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:それって、つまり私・・・。 早瀬:はい。思いっ切り憑りつかれていますね。 比織:・・・ちょっと待ってください。・・・一応聞きたいんですが。 早瀬:なんでしょう? 比織:それはいいことですか? 伊吹:いや割と最悪だぜ。 比織:で、ですよね!あはは・・・ ぬらりちゃん:比織とってもくさーい!あはは・・・ 比織:もう。何回も言わないでよーあはは・・・ 伊吹:その通りだぜ。あはは・・・ 早瀬:お、もう仲良くなったんですね。冷静に受け止めているのもいいことです。あはは・・・ 比織:お願いします!!助けて下さい! 早瀬:訂正します。全然冷静じゃありませんでしたね。 比織:どどどどうしましょう。私、死んじゃうんですか!? 早瀬:落ち着いて下さい。大丈夫ですよ。 比織:そうですか。・・・よかった。 伊吹:でも死ぬ可能性はあるぜ。 比織:うわーん! 早瀬:伊吹! 伊吹:いやでも正直に伝えるのって大事だぜ。 ぬらりちゃん:そういうところがもてないんだよね。 伊吹:ぼそっと言うのやめてほしいぜ! 比織:ああ、私はこのままよく分からない化け物みたいのに憑りつかれ続けて、 比織:苦しみながら死んじゃうんだ。お父さんお母さんタマポチごめんね・・・。 早瀬:戸都開さん。 比織:・・・はい。 早瀬:ですから安心して下さい。その為にここに来たのではないんですか? 比織:・・・あ。 伊吹:師匠に任せればすぐ解決だぜ。比織ちゃん。 ぬらりちゃん:ぬらー。 比織:・・・よかった。お願いします。 早瀬:はい。では戸都開さんに憑りついている存在を祓う為に、 早瀬:まずはその存在のイメージを明確にする必要があります。 比織:・・・分かりました。 早瀬:先ほど聞きそびれましたが、 早瀬:最近身の回りで起こっているおかしな現象を教えて頂いても宜しいですか。 伊吹:・・・成程。そうやってごく自然に個人情報をゲットする訳だな。 伊吹:流石師匠だぜ! ぬらりちゃん:大人のテクニック・・・。 比織:え。 早瀬:黙りなさい!・・・どうかこのおバカ二人は気にせずに。 比織:は、はい。その、身の回りというか。 ぬらりちゃん:というかー? 比織:私が、おかしいんです。 早瀬:あ・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 伊吹:・・・ 比織:え?なんでそんな皆して哀れみの視線を。 伊吹:比織ちゃん、俺は君が少々変人でも仲良くなりたい気持ちに変わりはないぜ。 比織:あ、ありがとうございます。・・・って違いますよ! 比織:最近の話です!おかしくなったのは! 早瀬:可哀そうに、ストレスかな。 ぬらりちゃん:ちゃんと寝てるかー?病院いくかー? 比織:心身ともに健康です!だから・・・私が知らない内に私が変なことをしてるみたいなんです! 早瀬:・・・成程。具体的には? 比織:・・・その、夜な夜な暴走しているらしいんです、私。 伊吹:今もしてるぜ。 比織:ええ!?じゃあ私一日中暴走してるじゃないですか!? 早瀬:伊吹!・・・暴走、とは? 比織:はい。夜中急に起きだして、家や近所に停めてある車やバイクで走り回ってるそうです。 ぬらりちゃん:おおお・・・。 比織:その姿を家族に目撃されたんですが、呼びかけても全く反応はなかったらしくて。 比織:次の日問い詰められたんですが、私にはそんな記憶全然ないし・・・。 比織:でも毎日毎日、私が寝た後に必ず暴走行為を・・・。 ぬらりちゃん:比織・・・。 比織:絶対おかしいよね。こんなの。 ぬらりちゃん:免許は? 比織:そこ!?・・・持って、ないけど。 ぬらりちゃん:無免許運転、犯罪だね。 伊吹:俺は少々前科があろうと気にしないぜ。いつまでも待ってるから。 比織:憑りつかれてる訳だからそこは大目にみてよ! 比織:後、早瀬くんは初対面なのになんでそんなに受け入れ態勢が整ってるの!? 比織:正直怖いよ! 早瀬:最初に目撃された後も毎晩? 比織:はい。家族が私が寝た後、見張ってくれてたんですが・・・。 比織:いつも突然、目の前で消えるそうです。 ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 比織:そしてその次の瞬間にはエンジン音が聞こえて、どこかへ走りだすと。 伊吹:なかなかアクティブだぜ。 比織:勘弁してほしいです・・・。 比織:おまけに、あらかじめガソリンや、タイヤの空気を抜いても関係ないみたいで。 早瀬:どうやらかなり乗り物に固執する、もしくはそれに近い存在のようですね。 ぬらりちゃん:朧車(おぼろぐるま)とか飛乗物(とびのりもの)とか? 伊吹:後はデュラハンとかか。 早瀬:そうですね。大分イメージも固まりましたし、祓うとしましょう。 比織:お願いします。 早瀬:まずは実体化させて、戸都開さんから出て行ってもらいます。 早瀬:・・・乗り物と暴走に執着し、人を惑わすこの世ならざる存在よ。 早瀬:今、ここにその姿を現せ・・・はぁっ! 比織:わ・・・。 伊吹:出ました!これは人の目には見えない存在を見えるように実体化させる師匠の技だぜ! 比織:そうでしょうね。 ぬらりちゃん:絶対その説明いらないと思う。 早瀬:少しは真面目にしなさい!・・・さて、見えてきましたね。 デュラゼン:・・・。 比織:で、出た・・・ひぃ。 伊吹:うーん、この馬っぽいのに跨った西洋甲冑騎士っぽさ。 伊吹:デュラハンだぜ。はい俺の予想通り。 ぬらりちゃん:ぬらー。 デュラゼン:・・・遅い(小声) 早瀬:ん?なんですか? デュラゼン:・・・遅い。 伊吹:は? デュラゼン:おそーーーーい! 比織:す、すいません?! デュラゼン:遅すぎる!我が輩待ちくたびれたぞ! ぬらりちゃん:ああ、そうか。やっとシナリオへのエール実装されたねよかったね。 デュラゼン:そうそう! デュラゼン:まぁでも実際、我が輩のような弱小どマイナーライターには大して影響ないし、 デュラゼン:「へー、ふーん実装されたんだ?別に興味ないなー?」って。 早瀬:急に何を言い出すんですか。 デュラゼン:なんて感じで斜に構えてる風だけど・・・。 デュラゼン:正直、貰えたら滅茶苦茶嬉しいよね! ぬらりちゃん:あ、はい。 デュラゼン:後単純に好きなシナリオに気持ちにを形で伝えられるのがいい! デュラゼン:・・・って違うわ!我が輩の出番が来るまでにどれだけ待たすのかと憤っているのである! デュラゼン:そこの青年。 早瀬:私、ですかね?・・・はい。 デュラゼン:威勢のよさそうな少年。 伊吹:おう。 デュラゼン:先ほどまで宿主であった少女。 比織:も、もう二度と来ないで下さい。 デュラゼン:なぜか堂々といる妖怪。 ぬらりちゃん:ぬらー。 デュラゼン:さて、皆よく考えて欲しい。 デュラゼン:会話が始まってから、我が輩が出るまで一体どれくらいの時間がたったであろうか? 伊吹:うーん、まだ3分くらいじゃないか? デュラゼン:・・・ほ、ほう? 比織:流石に私が来てから3分はたってると思うからもうちょっと待たせちゃったんじゃない? デュラゼン:であるな。 ぬらりちゃん:じゃー5分! デュラゼン:ご、5分・・・。 早瀬:そうですねぇ。私もそのくらいかと思っていますが、 早瀬:かなりお怒りのようですしもう少し多く見積もって・・・ デュラゼン:そうだ・・・。よーく思い返してくれ。 早瀬:6分、これくらいでしょう! デュラゼン:おお・・・ 伊吹:流石師匠だぜ。 比織:そう言われたらそんな気がしますね。 ぬらりちゃん:お待たせー。 デュラゼン:4700文字。 早瀬:・・・はい? デュラゼン:我が輩が出るまでに4700文字かかっている! 伊吹:そこはほらキャラクター名のぬらりちゃんで文字数稼ぎしてるからだぜ。 ぬらりちゃん:おい失礼なこと言うな。 ぬらりちゃん:どちらかといえば「・・・」(てんてんてん)の方だろ、ひどいのは。 比織:文字数、気にするタイプだったんですね。ちょっとショックです。 早瀬:作品の良さと文字数にはあまり関係ないと思いますよ。 デュラゼン:してないし!我が輩そういうこと全然気にしないタイプだし! デュラゼン:「いやー、5000字超えてやっと折り返しだわー」とか、 デュラゼン:たまには呟いてみたいとか思ったことないし! 比織:それくらい呟けばいいじゃないですか。 伊吹:こら比織ちゃん。しーっ。 ぬらりちゃん:そこまで長いの書けないんだよきっと。察してあげて。 デュラゼン:ぐ・・・。だからそうではない!何が6分だ! デュラゼン:〇〇分だ!(その時の経過時間を言って下さい。) 早瀬:それはまた・・・。 デュラゼン:我が輩、何回も出れるタイミングあったよな? デュラゼン:それをくだらん会話を延々繰り返しおって・・・。 伊吹:・・・受け取り方によってはそうともいえないこともないぜ・・・。 デュラゼン:シークバー大丈夫?めちゃくちゃ後ろにいってないか? デュラゼン:右から数えて4人目に差し掛かってない? 比織:あー・・・その、なんかすいません。 ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 デュラゼン:ふん、分かればいい。これに懲りて今後はテンポのいい展開を心がけるように。 デュラゼン:そんなことだから弱小ド底辺マイナークソ雑魚ライター呼ばわりされるのだよ。 デュラゼン:って誰が弱小ド底辺マイナークソ雑魚そのくせ承認欲求高めライターだ! 伊吹:そんなこと誰も言ってないぜ。 ぬらりちゃん:そもそも誰もあんたなんか知らないし。 比織:ちょっとぬらりちゃん・・・。 デュラゼン:あー言っちゃった!貴様、一番気にしてること言ったな!それはもう戦争だぞ! ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:ちょ、ちょっと待ちなさい。なんですかこの流れは! デュラゼン:これは我が輩の誇りを守る戦いである。手出しは無用。 早瀬:誤魔化さないで下さい。そもそも戸都開さんに憑りついて暴走行為をしたあなたを引き離し、 早瀬:祓う流れだったはずです。 比織:はっ、そういえば。 デュラゼン:・・・ふ、ふははははは!よくぞ気付いた。我が輩、感心である。 デュラゼン:愚かな人間如き、適当に煙にまけるかと思ったがそう簡単にはいかんか。 伊吹:うちの師匠をなめるんじゃないぜデュラハン! デュラゼン:・・・今、我が輩のことをなんと言った。 伊吹:デュラハン。だってそうだろ? デュラゼン:我が輩をあんな半端ものと一緒にするなぁ! 伊吹:え、だって滅茶苦茶テンプレデュラハンな恰好してるぜ。 デュラゼン:ふっ。よく見てみろ。 早瀬:・・・首が。 比織:ある・・・! デュラゼン:ふははははは! デュラゼン:そう、我が輩は首すら維持出来ない半端者、デュラハン如きではない! デュラゼン:それを遥かに上回る究極の完全体、この世界を暴走行為で溢れさせるもの! デュラゼン:「首ありライダー、デュラゼン」様だ! 伊吹:首ありライダーデュラゼンだと・・・ 早瀬:・・・。 デュラゼン:ふはははは!驚きのあまり言葉を失ったか! デュラゼン:貴様ら如きが生意気にも我が輩を祓うだと?力の差を知り恐れおののがよい! ぬらりちゃん:・・・あのさ。 デュラゼン:どうした妖怪。 デュラゼン:人ならざる貴様は、跪いて命乞いをするなら許してやらんこともないぞ。ふはははは! ぬらりちゃん:それ・・・最早ただのライダーだよね 早瀬:ぬらりちゃん!? 伊吹:だからそういうの言っちゃだめだって! デュラゼン:・・・ふ・・・ふふふ。 比織:ほら絶対怒ってるよ!ぬらりちゃん、ごめんないして! ぬらりちゃん:ぬらー。・・・あのさ。 デュラゼン:・・・なんだ妖怪。 ぬらりちゃん:ひょっとしてさっきの、ライダーとライターをかけたネタだった? デュラゼン:あ? 伊吹:おいい!? 比織:ぬらりちゃん!? 早瀬:まさかそんな寒いこと幾らなんでも・・・ねぇ?流石に失礼ですよ! ぬらりちゃん:ぬらー。 デュラゼン:・・・・ふ、ふふふ、ふはははは!あーはっはっはっ! 伊吹:遂に壊れちまったぜ。 ぬらりちゃん:ごめんね? デュラゼン:あーはっはっはっはっ!・・・殺す。 伊吹:ん?やば!? 早瀬:速い!?ぬらりちゃん! ぬらりちゃん:ぬらっ!? デュラゼン:今のをかわすか。・・・一撃で仕留めるつもりだったのだが、なかなか素早い。 デュラゼン:だが、次で殺す。 ぬらりちゃん:・・・ぬらー。 比織:え、え・・・今何があったの? 早瀬:どうやらコメディパートはおしまいのようですね。 デュラゼン:察しがよくて我が輩は嬉しいぞ。 伊吹:比織ちゃんは俺達の後ろへ。 比織:う、うん!・・・でもぬらりちゃんが・・・。 デュラゼン:安心しろ。我が輩をここまでこけにした貴様らは一人残らず皆殺しだ。 デュラゼン:我が輩の暴走をその身に受け、己の愚かさを悔いながら冥府へと落ちるがよい。 デュラゼン:まずは・・・貴様からだ!妖怪! 早瀬:させません! ぬらりちゃん:さすら! デュラゼン:ほう・・・自ら盾となり我が輩の攻撃を受けとめるか。 比織:凄い・・・。 伊吹:流石師匠! 早瀬:ぬらりちゃん、今のうちに距離を。 ぬらりちゃん:でもさすらが・・・。 早瀬:ははは。私は・・・大丈夫ですよ。 デュラゼン:面白い!ならばお前から殺してやろう。 早瀬:出来ればお手柔らかにお願いしますね。 デュラゼン:ふはは!いつまで我が輩の暴走に耐えられるかな!はぁっ! 早瀬:くっ! 比織:だ、だだだ大丈夫なんですか。 伊吹:ああ。師匠に任せておけば大丈夫だぜ。俺の師匠は凄い人だから!な?ぬらりちゃん。 ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 伊吹:・・・ぬらりちゃん? デュラゼン:どうした?動きが鈍くなってきているぞ。 早瀬:ははは、いやー・・・どうでしょうね。 デュラゼン:その余裕だけは大したものだ!おらっ! 早瀬:ぐはっ! 比織:きゃっ! 伊吹:な・・・師匠!なんでいつもみたいにぱぱっとやっつけないんだよ! デュラゼン:そろそろ仕舞いだな。 早瀬:く・・・。 伊吹:師匠! ぬらりちゃん:・・・さすら、もう力ない。 伊吹:・・・え? ぬらりちゃん:さすらの中、もうほとんど力残ってない・・・。 ぬらりちゃん:ほんとに普通の生活するのだってやっと! 伊吹:・・・じゃあさっき言ってたのはほんとのこと・・・? ぬらりちゃん:全部ほんと!さすらが死んじゃう! 伊吹:そんな・・・嘘だろ・・・。 デュラゼン:これで終わりだ。 早瀬:がはっ!・・・・あ・・・ああ・・・・ 伊吹:師匠! ぬらりちゃん:さすら! 比織:そんな・・・早瀬さん・・・。 早瀬:・・・かはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・。 デュラゼン:人間にしてはなかなかだったではないか。 デュラゼン:どうだ?お前が望めば死後、我が輩のツーリング仲間として蘇らせてやってもよいが? 早瀬:・・・ははは。お断りします。 デュラゼン:そうか。ではそのまま朽ちるがいい。 デュラゼン:・・・さて、待たせたな。 デュラゼン:醜く逃げ出さずにいたことに免じてせめて楽に殺してやる。 比織:あ・・・。 伊吹:くっ。せめて比織ちゃんだけでも。 ぬらりちゃん:ぬらー。 デュラゼン:あまり気負うな。どうせ一瞬で終わる。・・・ん? 早瀬:・・・行かせませんよ。 伊吹:師匠!? デュラゼン:ちっ。死にぞこないが!・・・ぬ、ぐ・・・離れろ! 早瀬:・・・ははは。どうですか?動けないでしょう? デュラゼン:貴様何を! 早瀬:私の体に残っている神力を直接あなたに流し込んでいます。 早瀬:きっちりとどめをさすべきでしたね。 デュラゼン:ぬぅぅ・・・。 早瀬:首ありライダーデュラゼン。貴方はそのふざけた名前の割にとても危険な存在だ。 早瀬:ここで私と一緒に消えてもらいます。 デュラゼン:はっ!死にかけの貴様には、我が輩を祓う力など残ってはおるまい! デュラゼン:その命が尽きるまで、僅かな時間の足止めが精一杯だろう! 早瀬:仰る通りです。ですがそれでいいんですよ。 デュラゼン:何?! 早瀬:・・・伊吹。 伊吹:・・・師匠。 早瀬:貴方の出番です。おやりなさい。 デュラゼン:はっ!何を言うかと思えば・・・そんなガキに我が輩が祓えるものか!! 伊吹:師匠、俺・・・全然何にも分かってなくて・・・。 早瀬:・・・大丈夫ですよ。 早瀬:貴方は私の最後の弟子にして最高の家族。その晴れ姿を見せて下さい。 伊吹:でもこのままじゃ師匠が・・・。 早瀬:ははは・・・言ったでしょう、私はもう十分生きました。 早瀬:いい幕引きです。伊吹、貴方と過ごした日々はとても楽しかった。 早瀬:・・・最も、もう少し真面目に修行に取り組んで欲しかったですが。 伊吹:・・・師匠。 早瀬:ぬらりちゃんとも随分長い事一緒にいましたね。 早瀬:これからも伊吹を助けてあげて下さい。 ぬらりちゃん:さすら・・・。 早瀬:戸都開さん、この二人は少しおバカなところもありますが、根はとてもいい子です。 早瀬:このような出会い方にはなりましたが、よかったら仲良くしてあげて下さい。 比織:早瀬さん・・・。 デュラゼン:愚かな!万に一つも我が輩が貴様らに祓われることはないとなぜ分からん! デュラゼン:必ず皆殺しだ! 早瀬:・・・デュラゼン。 デュラゼン:何だ? 早瀬:正直ずっと思ってたんだが、耳元でギャーギャー騒ぐな。 早瀬:・・・死ぬのはテメーだ。 デュラゼン:なっ!? 比織:・・・わー・・・。 早瀬:さぁ伊吹、貴方の祝詞を奏上なさい。 伊吹:・・・ああ、分かったぜ。師匠。 伊吹:掛(か)けまくも畏き(かしこき)伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ) 伊吹:筑紫の日向の(つくしのひなたの)橘小戸(たちばなのおど)の 伊吹:阿波岐原に(あはぎはらに) 伊吹:禊祓へ(みそぎはらへ)給いし(たまいし)時に 伊吹:生り坐せる(なりませる)祓戸(はらえど)の大神達(おおかみたち) デュラゼン:・・・ぬ?・・・ぐ・・・あああ・・・。 デュラゼン:な・・・ぜ、あんなガキがこれ程までの・・・! 早瀬:ははは・・・だから言ったでしょう?・・・「それでいい」って。 デュラゼン:ば、ばかな・・・っ。 伊吹:諸々の禍事罪穢有らんをば(もろもろのまがごとつみけがれあらんをば) 伊吹:祓え給え(はらえたまえ)清め給えと申す事を・・・ 早瀬:なんとかもちそうですね。最後までお供しますよ。 デュラゼン:く・・・そっ!離せ!離せこの死にぞこないがぁ! 伊吹:聞こし食せと(きこしめせと)・・・ ぬらりちゃん:伊吹・・・。 伊吹:恐み恐み(かしこみかしこみ)・・・ デュラゼン:やめ・・・やめろおぉっ! 伊吹:恐み・・・ 早瀬:伊吹・・・よくぞやり遂げましたね・・・。 伊吹:かしこ・・・か・・・か・・・ 早瀬:伊吹!? ぬらりちゃん:いけー!伊吹! 伊吹:かー・・・カチコミだぜ! 比織:伊吹さん!? 早瀬:バカ弟子ぃ!? デュラゼン:ふ、ふははは!やはりあいつはただの・・・ぶべらっ! 伊吹:おらぁっ! デュラゼン:がはっ!な・・・たかが人間風情が素手で我が輩に・・・ぐはっ! 伊吹:てめぇ如き・・・誰かの力を借りるまでもねぇぜ。俺の拳で追い払ってやる! デュラゼン:ま、待て・・・はっ、貴様、もしや人間ではないn 伊吹:師匠からとっとと離れて・・・消えろー! デュラゼン:わ、我が輩からくっついてる訳では・・・ぐぁぁぁぁぁぁっ! 伊吹:・・・成敗。 比織:殴り倒しちゃった・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー! 伊吹:師匠! 早瀬:・・・ははは。全く貴方は・・・。 伊吹:大丈夫か?師匠。 早瀬:ええ。ですが、流石にもう限界でしょう。 比織:そんな・・・。 早瀬:思っていたのとは大分違いましたが、見事です、伊吹。 伊吹:師匠・・・。 早瀬:これで心置きなく長い眠りにつけるというも・・・の? ぬらりちゃん:ぬら? デュラゼン:な・・・なんだこの我が輩のちんちくりんな姿は!? 比織:デュ、デュラゼンさんですか? デュラゼン:そうだ!一体どうなっておる! 伊吹:ふはは、似合ってるぜ。 早瀬:・・・ははは。・・・成程、そういうことですか。 伊吹:師匠!大丈夫なのか?! 早瀬:ええ、どうやらまだ生きていてよいみたいですね。 伊吹:おお! ぬらりちゃん:さすら! 比織:さすらさん! 伊吹:・・・ん? 比織:ほんとに大丈夫なんですね?ですよね? 早瀬:は、はい。ご心配おかけしました。 比織:・・・よかったです。私・・・。 早瀬:あ、あははは・・・ デュラゼン:おい。 伊吹:さすらさん・・・さすらさん!? ぬらりちゃん:・・・まぁそういうこともある。 デュラゼン:・・・おい。 比織:立てますか?肩、かしましょうか?支えましょうか?いつまで支えていいですか? 早瀬:だ、大丈夫です。お気持ちだけ・・・。 伊吹:見ろよあれ!なぁぬらりちゃん! ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 デュラゼン:おいいいい! 伊吹:なんだよ!こっちは今大変なの! デュラゼン:切り替え早すぎだろ貴様ら!・・・ってそうじゃない! デュラゼン:我が輩のこの体どうしてくれるのだ!祓うならちゃんときっちり祓え! 伊吹:・・・それはまぁ、その・・・すまなかったぜ。 デュラゼン:すまなかったぜ、ではないわ!我が輩をどこまでこけにすれば気が済むのだ! ぬらりちゃん:ぬらー・・・。 デュラゼン:・・・なんだ妖怪。 ぬらりちゃん:・・・ぷ。 デュラゼン:き、貴様!貴様だけは絶対に許さん!どのような身に堕とされようとも、 デュラゼン:貴様だけはこの手で仕留めてくれる! ぬらりちゃん:その短い手で? デュラゼン:うおおおおっ! 早瀬:デュラゼン。 デュラゼン:止めるな!これはなけなしの我が輩の誇りを守る戦いである。 早瀬:一緒にここで暮らしましょう。 デュラゼン:だから止めるなと・・・は? 伊吹:出た・・・師匠の悪いクセ・・・。 ぬらりちゃん:ぬらー。 早瀬:ええ、ですから泊めるだなんていいませんよ。一緒に暮らしましょう。 デュラゼン:な・・・あ・・・さっきまで我が輩達殺しあっていたと思うんだが気のせいか? 早瀬:ははは。お互い過ぎたことは忘れましょう。どうせ行く宛はないのでしょう? デュラゼン:それは、そうだが。 早瀬:完全に祓うにも、私には今は力が、伊吹にはまだ技術が足りません。 デュラゼン:なんと無責任な・・・。後、我が輩は適度に暴走しないといけないのだが。 デュラゼン:我が輩にふさわしい乗り物はあるのだろうな。 早瀬:それは勿論。倉庫に昔伊吹は乗っていた三輪車がありますのでそれを差し上げますよ。 比織:ぶ。 デュラゼン:サンリンシャ・・・なかなかいい響きではないか。 デュラゼン:それは当然速いのだろうな? 早瀬:ええ、乗り手次第ではどこまでも加速できます。 伊吹:ものは言いようだぜ・・・。 ぬらりちゃん:これは悪い大人。 デュラゼン:ふ・・・ふっはっはっはっ!乗り手次第だと?面白い! デュラゼン:このような体になったとは言え、この首ありライダーデュラゼン様が、 デュラゼン:そのサンリンシャとやらの世界最速を叩き出してやろうではないか! 早瀬:楽しみにしてます。 ぬらりちゃん:久しぶりに弟が増えたー。 デュラゼン:ぬ?弟だと?我が輩が? 伊吹:そうだぜ。家族になった順だからお前は一番下の弟だな。 デュラゼン:ちょ、ちょっと待って我が輩がなぜ貴様らの家族になるという デュラゼン:話になっているのだ? 伊吹:ん?一緒に住むんだろ?じゃあもう家族だぜ。 デュラゼン:はぁぁ!? ぬらりちゃん:しょうがないなぁ、可愛い弟には後で飴をあげよう。 デュラゼン:いらんわ!それと我が輩は貴様の弟になる気はない! 比織:家族・・・一緒に住んだら家族になれる・・・さすらさんと・・・ 伊吹:ひ、比織ちゃん? 比織:私もここで暮らします! 早瀬:戸都開さんは・・・ご家族いらっしゃりますよね? 早瀬:むしろ一度早く帰って解決したとご報告してあげたほうが・・・ 比織:私思うんですよね。子供が3人で保護者がさすらさんだけって 比織:やっぱりちょっと大変かなって・・・。体も弱っていますし。 早瀬:割と結構皆しっかりしてるので大丈夫ですよははは・・・。 比織:いーえ。優しんですねさすらさんは。遠慮しないでいいんですよ。 早瀬:・・・は、ははは・・・伊吹、後は弟子の貴方に任せます!では! 伊吹:あ?し、師匠ー!? ぬらりちゃん:逃げた。 比織:待ってください!病み上がりなんですから私と一緒に安静に過ごしましょう! 伊吹:比織ちゃん!比織ちゃんにはもっとふさわしい相手がいると思うぜ! 比織:ごめんなさい早瀬くん!私もう決めたから! 伊吹:即答!?そして苗字になってるぜ! デュラゼン:・・・なあ妖怪。 ぬらりちゃん:なにー? デュラゼン:我が輩、ほんとにここで暮らすのか? ぬらりちゃん:・・・。 デュラゼン:・・・。 ぬらりちゃん:・・・ぬらー。 デュラゼン:・・・でゅらー・・・って付き合いきれんわ!