台本概要

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タイトル ミスマッチング
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 マッチングアプリで会うことになった男女。お互いが知るのは相手のハンドルネームのみ。山崎良信(やまさきよしのぶ)は初めてあった齋藤未来(さいとうみくる)の第一印象を「やばい人」と思ってしまう。果たしてマッチング成功となるのか⋯。
男女不問。アドリブ大歓迎!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
山崎 97 山崎良信(やまさきよしのぶ)愛称はノブ。一人っ子で兄弟に憧れがある。真面目な性格。
齋藤 95 齋藤未来(さいとうみくる)愛称はミー。男三人女一人四人兄妹の末っ子。男まさりでガサツ。口も悪いが、可愛いアニメキャラのハスモンが大好き。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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山崎:はぁ⋯き、緊張してきたな⋯。顔を見るのも初めてだし、いったいどんな人なのかな? 齋藤:はぁ⋯まったく何時まで待たす気だ? 山崎:店はあれだな⋯って、もしかして、今日会うのあの子か?めちゃくちゃ怖そうなんだけど⋯違うよね? 齋藤:⋯ん?お、やっと来やがったか! 山崎:ヒィッ!目が合った!? 齋藤:お前、こんなに待たせやがって覚悟は出来てるんだろうな? 山崎:え!?いや時間通りなはず?ぐえっ!ちょ、胸ぐら掴まないで下さい!く、苦しい~⋯。 齋藤:お?ああ、すまん。つい興奮しちまった。 山崎:はぁ、はぁ、なんて馬鹿力⋯。 齋藤:あん?なんか言ったか? 山崎:いえ!何もありません。⋯あの、もしかしてあなたが今日マッチングアプリで会う事になった⋯ 齋藤:そうだよ、見りゃ分かるだろうが? 山崎:いや、プロフィールの優しい感じとえらく違うといいますか⋯。 齋藤:あん?私が優しくないっていいたいのかい! 山崎:いえ!想像してたよりとても優しそうな方でビックリしたなーって事です! 齋藤:⋯なんだ、そういう事か。紛らわしい事言うんじゃねえよ。 山崎:す、すみません⋯。 齋藤:よし、さっさと中に入るぞ。 山崎:あ、ちょっと待って下さい~! :間 山崎:⋯ 齋藤:⋯おい。 山崎:はい!? 齋藤:なんで何も喋らないんだ? 山崎:いや、少し緊張してまして⋯。 齋藤:なんだお前?女の私相手にビビってんのか? 山崎:いや、それがなんか別の意味の謎の緊張感があるといいますか⋯。 齋藤:なるほど。安心しろ、私でもいきなり殴ったりしないからよ。 山崎:いきなりじゃない場合は殴るって意味では⋯。 齋藤:まあ私もこういうのは初めてで慣れてないからな。 山崎:え⋯? 齋藤:えっ、ってなんだ?私が遊び人にでも見えるって言うのか? 山崎:いえいえ!そんな事⋯全然思ってないです! 齋藤:なんだ今の間は! 山崎:ヒィ!すす、すみません~!? 齋藤:まあいい。お前、名前はなんて言うんだ? 山崎:え?ああ、ハンドルネームじゃなくて本名ですね。僕は一般的な山崎に、良く信じると書いて、山崎良信(やまさきよしのぶ)です。 齋藤:へー、良信か⋯じゃあノブだな。 山崎:いきなり下の名前!しかも愛称呼びって距離の詰め方おかしくないですか!? 齋藤:あん?なんか文句あるのかい? 山崎:い、いえ何もないです⋯。えーと、こちらもお名前を伺っても⋯? 齋藤:私か?私は齋藤未来(さいとうみくる)って言うんだ。 山崎:齋藤未来さん⋯可愛いくて良い名前ですね。 齋藤:は!?か、可愛いだって! 山崎:い、いえ!すみません!可愛い⋯くはないかも!? 齋藤:なんだと!私が可愛いくないって言いたいのか!? 山崎:えー!?これ正解はなんなの~!?いややっぱり可愛いで間違いないです!! 齋藤:そうか⋯ありがとな。 山崎:はぁ⋯殴られるかと思った⋯。 齋藤:よし、とりあえず私の事はミーって呼んでくれ。 山崎:だから距離の詰め方バグってますって!? 齋藤:おん?なんか文句あるのか? 山崎:いえ、全然ありません、ミーさんとお呼びさせて頂きます。 齋藤:よし。あ、そうだお前、私は何人目なんだ? 山崎:へ?何人目⋯? 齋藤:バカヤロ!こういう風にマッチングした相手に会った回数に決まってるだろ! 山崎:決まってるのー!?そ、その、僕はまだ誰ともお会いした事なかったです、ミーさんが初めてです。 齋藤:なるほどな、合格だ。 山崎:謎の合格を頂いた⋯。 齋藤:ま、私もマッチング相手と会うのは初めてなんだけどな。 山崎:えっと、確かさっきそう言ってましたね。 齋藤:マッチングアプリをやり始めたはいいけど、全然マッチングしなくて辞めようかって考えてたんだよな。 山崎:それってまさか⋯ 齋藤:ちゃんとプロフィール書いてやったら誰も反応しないんだぞ?まったくどいつもこいつも⋯。 山崎:やっぱり⋯。 齋藤:やっぱりだと⋯? 山崎:いや~!なんで誰も反応してくれなかったんでしょうかね~?謎だな~。 齋藤:まあ諦めかけたそんな時に、一人だけ反応があったのが、 山崎:僕だったわけか⋯。 齋藤:⋯ 山崎:⋯ 齋藤:な、なんか喋れよ! 山崎:は、はい!そうですね⋯月並みですが、ご趣味は⋯? 齋藤:プッ、お前、いつの時代の人間だよ~? 山崎:す、すみません、こういうの初めてで良く分からなくて⋯。 齋藤:ふ⋯面白い奴だな。でも嫌いじゃないぞそういうの。 山崎:え⋯?あ、ありがとうございます。 齋藤:趣味か⋯。あ、あのよ⋯。 山崎:はい、何でしょう? 齋藤:これはプロフィールに書いてない奴だけど⋯絶対笑うなよ? 山崎:え?はい⋯分かりました。 齋藤:ハスモン⋯。 山崎:ハス⋯モン?って、あの今流行ってる可愛いで有名な人気アニメ「走れハスモン」? 齋藤:そ、そうだ⋯ハスモンのグッズ集めたりが私の趣味だ⋯。 山崎:それは⋯。 齋藤:分かってるよ!(被せて)私みたいなガサツな女に似合ってないのは分かってるよ!だから言いたくなかったんだよ!笑いたきゃ笑えよ! 山崎:ちょ、ちょっと待って! 齋藤:なんだよ!? 山崎:笑わないよ。 齋藤:え⋯? 山崎:とても素敵な趣味だと思うよ。 齋藤:え⋯あ⋯ありがとな⋯。でも、なんでそう思ったんだ? 山崎:あ、実は僕もハスモン、好きなんだ。 齋藤:え⋯なんだって!まじかよ!? 山崎:うん。あ、ちょっと待っててね。 齋藤:ん?何を出してんだ? 山崎:ほら、これ。 齋藤:っ!お前、それ、抽選100名限定スペシャルバージョン仕様のハスモンじゃないか!? 山崎:うん。でも、良く知ってるね? 齋藤:当たり前だろ!私もそれ超欲しくて友達に協力してもらって応募しまくったんだぞ!?でも全然当たらなかったんだよチクショウ!! 山崎:な、なんかごめんね⋯。 齋藤:いや、これは私のハスモンへの愛が足らなかっただけだ。はあ⋯。 山崎:ほんとに、好きなんだね。 齋藤:ああ。家族や友達からも似合わないって言われるんだけど、みんなハスモンの可愛さが分かってないよなー。 山崎:うん、分かる。あのハスハスしてる所とか、健気に走ってる所なんてとっても可愛いくて応援したくなるよね。 齋藤:だよな~!あのもふもふした所とかつぶらな瞳で見つめてくる所とか可愛いくて最高だよな!ああ、あとそれから⋯。 :間 山崎:うんうん、それも可愛いよね!は~ハスモンの話は尽きないよねー⋯あっ。 齋藤:ん?どうした?⋯あっ。 山崎:はは⋯なんかみんなこっち見てるね。 齋藤:ちょ、ちょっと興奮し過ぎたみたいだな⋯。 山崎:そ、そうだね。 齋藤:でもまさかノブとハスモンの話がこんなに出来るとはな。 山崎:え⋯? 齋藤:周りの知り合いや友達にはハスモン好きなやつが居なくてな⋯。 山崎:なるほど⋯。自分の好きな事で語り合えないのは辛いよね。 齋藤:そうなんだよ!だ、だからな⋯マッチング出来たのがノブで良かったなって⋯。 山崎:僕も正直最初会った時は怖い人だなって思ってたんだけど⋯ 齋藤:やっぱりそう思われてたのか⋯。 山崎:でも話してみたら、ハスモン好きな可愛い人だなって、だから僕も今はミーさんで良かったなって思ってるよ。 齋藤:バカ!お前、そ、そんな恥ずかしい事真顔で言うなよ! 山崎:え~!?同じく正直な気持ちを言っただけなのに⋯。 齋藤:ま、まったくよ⋯ドキドキさせんなよ。あ、そうだ家にあるハスモンコレクションの写真見るか? 山崎:え?見たい見たい! 齋藤:よーし今画像出すから待ってろ。⋯ん?メッセージ⋯?誰だ? 山崎:あれ?どうしたの? 齋藤:⋯なっ!まじかよ⋯。 山崎:も、もしかして何かまずい事でもあった? 齋藤:あ、あぁ⋯。⋯その、すまん! 山崎:え⋯? 齋藤:実は⋯マッチングアプリで会う相手、間違えてた! 山崎:⋯えぇーー!!どゆこと~~!? 齋藤:その⋯今日会う予定だった相手から風邪引いて行けなくなったって、連絡入ってたみたいだ⋯。 山崎:うそ!?だってマッチングアプリの待ち合わせ場所はここだって⋯まさか! 齋藤:ん?どうしたんだ慌てて? 山崎:うわ!⋯ごめん⋯。 齋藤:え?⋯ま、まさか⋯。 山崎:僕も、相手から急用出来たから時間遅くして欲しいって連絡入ってた⋯。 齋藤:⋯こんな偶然あるか? 山崎:⋯あった、みたいだね⋯。 齋藤:って事はノブのお相手が今から来るって事だろ!? 山崎:う、うん⋯。 齋藤:悪い!こんな所見られたら相手に勘違いさせちゃうな。 山崎:え? 齋藤:勘違いで絡んで悪かった!あ⋯くそ⋯じゃあな! 山崎:えっ!! 齋藤:金そこ置いてるからー! 山崎:ちょ、待っ!⋯って、行っちゃった⋯。⋯あ、ハスモンのコレクション、見たかったな⋯。 :間 齋藤:はぁ⋯。 齋藤:なんなんだよあいつ!今思い出しても腹が立つ!! 齋藤:何が「ハスモン好き?変わってるね」だとー!私の好きなハスモンを思いっきり否定しやがって~! 齋藤:あげくに「口が悪いのはやっぱり無理」だと!なら最初から約束するんじゃねえよ! 齋藤:はぁ⋯あんな奴じゃなく⋯ノブならちゃんと私の話聞いてくれるのにな⋯。 齋藤:ノブに連絡っ!⋯ってノブのハンドルネーム知らないんだよ⋯。 齋藤:どうやったらノブとマッチング出来るんだよ⋯。 齋藤:はぁ⋯もう一度ノブに会いたいな⋯。 :間 山崎:ん⋯?ああ⋯この間の人からメッセージか。 山崎:⋯「話してて合わなそうだから、今回は無かった事に」か。 山崎:僕もそう思って断わりを入れるつもりだったから、ある意味良かったかな。 山崎:⋯ミーさんとは本音で話が出来て楽しく話せれたのにな⋯。 山崎:あの時、ミーさんに連絡先を聞く勇気があったら⋯。 山崎:こんなに後悔しなかったのに⋯。 山崎:はぁ、無理だよな⋯このマッチングアプリ登録者の中からミーさん一人を探し出すのは⋯。 山崎:ん?あれ⋯これって⋯まさか! :間 齋藤:はぁ、はぁ、はぁ。待ち合わせ場所は⋯ここで合ってるよな⋯? 山崎:あっ。 齋藤:あっ。 山崎:どうも⋯「ハスモン」さん。 齋藤:あ、ああ⋯。待たせたな「ハスモン」 山崎:⋯ぷっ、あはは!。 齋藤:ふっ、ははは! 山崎:はぁ~。ミーさんからのメッセージ、ちゃんと受け取ったよ。 齋藤:お、おう⋯ノブなら絶対分かってくれるって信じてた。 山崎:信じてくれてありがとうミーさん。 齋藤:⋯どうしても、もう一度ノブに会って言いたい事があったんだ。 山崎:うん。僕も、ミーさんともう一度会って話たい事があったよ。 齋藤:ノブもか? 山崎:うん、そうだね。 齋藤:⋯あの後、マッチングアプリの相手と会ったんだけど、全然駄目だった。 山崎:⋯僕もマッチングアプリの相手に会ったけど、駄目だった。 齋藤:ノブみたいに話してても面白くないしよ。 山崎:ミーさんみたいに話してて楽しくなかったよ。 齋藤:あのさ⋯。 山崎:何かな? 齋藤:私とノブの考えが一緒ならいいな⋯って思ってる。 山崎:僕もミーさんと同じ気持ちならいいなって思ってる。 齋藤:あー⋯。せーので言わないか? 山崎:OK、それでいいよ。 齋藤:よ、よし。じゃあいくぞ⋯せーの! 山崎:付き合って下さい!(同時に) 齋藤:付き合ってくれ!(同時に) 山崎:(N)始まりは勘違いからだった。 齋藤:(N)運命のイタズラか、偶然が重なり出会った二人。 山崎:(N)これはミスマッチから始まる、ラブストーリー。 :おわり

山崎:はぁ⋯き、緊張してきたな⋯。顔を見るのも初めてだし、いったいどんな人なのかな? 齋藤:はぁ⋯まったく何時まで待たす気だ? 山崎:店はあれだな⋯って、もしかして、今日会うのあの子か?めちゃくちゃ怖そうなんだけど⋯違うよね? 齋藤:⋯ん?お、やっと来やがったか! 山崎:ヒィッ!目が合った!? 齋藤:お前、こんなに待たせやがって覚悟は出来てるんだろうな? 山崎:え!?いや時間通りなはず?ぐえっ!ちょ、胸ぐら掴まないで下さい!く、苦しい~⋯。 齋藤:お?ああ、すまん。つい興奮しちまった。 山崎:はぁ、はぁ、なんて馬鹿力⋯。 齋藤:あん?なんか言ったか? 山崎:いえ!何もありません。⋯あの、もしかしてあなたが今日マッチングアプリで会う事になった⋯ 齋藤:そうだよ、見りゃ分かるだろうが? 山崎:いや、プロフィールの優しい感じとえらく違うといいますか⋯。 齋藤:あん?私が優しくないっていいたいのかい! 山崎:いえ!想像してたよりとても優しそうな方でビックリしたなーって事です! 齋藤:⋯なんだ、そういう事か。紛らわしい事言うんじゃねえよ。 山崎:す、すみません⋯。 齋藤:よし、さっさと中に入るぞ。 山崎:あ、ちょっと待って下さい~! :間 山崎:⋯ 齋藤:⋯おい。 山崎:はい!? 齋藤:なんで何も喋らないんだ? 山崎:いや、少し緊張してまして⋯。 齋藤:なんだお前?女の私相手にビビってんのか? 山崎:いや、それがなんか別の意味の謎の緊張感があるといいますか⋯。 齋藤:なるほど。安心しろ、私でもいきなり殴ったりしないからよ。 山崎:いきなりじゃない場合は殴るって意味では⋯。 齋藤:まあ私もこういうのは初めてで慣れてないからな。 山崎:え⋯? 齋藤:えっ、ってなんだ?私が遊び人にでも見えるって言うのか? 山崎:いえいえ!そんな事⋯全然思ってないです! 齋藤:なんだ今の間は! 山崎:ヒィ!すす、すみません~!? 齋藤:まあいい。お前、名前はなんて言うんだ? 山崎:え?ああ、ハンドルネームじゃなくて本名ですね。僕は一般的な山崎に、良く信じると書いて、山崎良信(やまさきよしのぶ)です。 齋藤:へー、良信か⋯じゃあノブだな。 山崎:いきなり下の名前!しかも愛称呼びって距離の詰め方おかしくないですか!? 齋藤:あん?なんか文句あるのかい? 山崎:い、いえ何もないです⋯。えーと、こちらもお名前を伺っても⋯? 齋藤:私か?私は齋藤未来(さいとうみくる)って言うんだ。 山崎:齋藤未来さん⋯可愛いくて良い名前ですね。 齋藤:は!?か、可愛いだって! 山崎:い、いえ!すみません!可愛い⋯くはないかも!? 齋藤:なんだと!私が可愛いくないって言いたいのか!? 山崎:えー!?これ正解はなんなの~!?いややっぱり可愛いで間違いないです!! 齋藤:そうか⋯ありがとな。 山崎:はぁ⋯殴られるかと思った⋯。 齋藤:よし、とりあえず私の事はミーって呼んでくれ。 山崎:だから距離の詰め方バグってますって!? 齋藤:おん?なんか文句あるのか? 山崎:いえ、全然ありません、ミーさんとお呼びさせて頂きます。 齋藤:よし。あ、そうだお前、私は何人目なんだ? 山崎:へ?何人目⋯? 齋藤:バカヤロ!こういう風にマッチングした相手に会った回数に決まってるだろ! 山崎:決まってるのー!?そ、その、僕はまだ誰ともお会いした事なかったです、ミーさんが初めてです。 齋藤:なるほどな、合格だ。 山崎:謎の合格を頂いた⋯。 齋藤:ま、私もマッチング相手と会うのは初めてなんだけどな。 山崎:えっと、確かさっきそう言ってましたね。 齋藤:マッチングアプリをやり始めたはいいけど、全然マッチングしなくて辞めようかって考えてたんだよな。 山崎:それってまさか⋯ 齋藤:ちゃんとプロフィール書いてやったら誰も反応しないんだぞ?まったくどいつもこいつも⋯。 山崎:やっぱり⋯。 齋藤:やっぱりだと⋯? 山崎:いや~!なんで誰も反応してくれなかったんでしょうかね~?謎だな~。 齋藤:まあ諦めかけたそんな時に、一人だけ反応があったのが、 山崎:僕だったわけか⋯。 齋藤:⋯ 山崎:⋯ 齋藤:な、なんか喋れよ! 山崎:は、はい!そうですね⋯月並みですが、ご趣味は⋯? 齋藤:プッ、お前、いつの時代の人間だよ~? 山崎:す、すみません、こういうの初めてで良く分からなくて⋯。 齋藤:ふ⋯面白い奴だな。でも嫌いじゃないぞそういうの。 山崎:え⋯?あ、ありがとうございます。 齋藤:趣味か⋯。あ、あのよ⋯。 山崎:はい、何でしょう? 齋藤:これはプロフィールに書いてない奴だけど⋯絶対笑うなよ? 山崎:え?はい⋯分かりました。 齋藤:ハスモン⋯。 山崎:ハス⋯モン?って、あの今流行ってる可愛いで有名な人気アニメ「走れハスモン」? 齋藤:そ、そうだ⋯ハスモンのグッズ集めたりが私の趣味だ⋯。 山崎:それは⋯。 齋藤:分かってるよ!(被せて)私みたいなガサツな女に似合ってないのは分かってるよ!だから言いたくなかったんだよ!笑いたきゃ笑えよ! 山崎:ちょ、ちょっと待って! 齋藤:なんだよ!? 山崎:笑わないよ。 齋藤:え⋯? 山崎:とても素敵な趣味だと思うよ。 齋藤:え⋯あ⋯ありがとな⋯。でも、なんでそう思ったんだ? 山崎:あ、実は僕もハスモン、好きなんだ。 齋藤:え⋯なんだって!まじかよ!? 山崎:うん。あ、ちょっと待っててね。 齋藤:ん?何を出してんだ? 山崎:ほら、これ。 齋藤:っ!お前、それ、抽選100名限定スペシャルバージョン仕様のハスモンじゃないか!? 山崎:うん。でも、良く知ってるね? 齋藤:当たり前だろ!私もそれ超欲しくて友達に協力してもらって応募しまくったんだぞ!?でも全然当たらなかったんだよチクショウ!! 山崎:な、なんかごめんね⋯。 齋藤:いや、これは私のハスモンへの愛が足らなかっただけだ。はあ⋯。 山崎:ほんとに、好きなんだね。 齋藤:ああ。家族や友達からも似合わないって言われるんだけど、みんなハスモンの可愛さが分かってないよなー。 山崎:うん、分かる。あのハスハスしてる所とか、健気に走ってる所なんてとっても可愛いくて応援したくなるよね。 齋藤:だよな~!あのもふもふした所とかつぶらな瞳で見つめてくる所とか可愛いくて最高だよな!ああ、あとそれから⋯。 :間 山崎:うんうん、それも可愛いよね!は~ハスモンの話は尽きないよねー⋯あっ。 齋藤:ん?どうした?⋯あっ。 山崎:はは⋯なんかみんなこっち見てるね。 齋藤:ちょ、ちょっと興奮し過ぎたみたいだな⋯。 山崎:そ、そうだね。 齋藤:でもまさかノブとハスモンの話がこんなに出来るとはな。 山崎:え⋯? 齋藤:周りの知り合いや友達にはハスモン好きなやつが居なくてな⋯。 山崎:なるほど⋯。自分の好きな事で語り合えないのは辛いよね。 齋藤:そうなんだよ!だ、だからな⋯マッチング出来たのがノブで良かったなって⋯。 山崎:僕も正直最初会った時は怖い人だなって思ってたんだけど⋯ 齋藤:やっぱりそう思われてたのか⋯。 山崎:でも話してみたら、ハスモン好きな可愛い人だなって、だから僕も今はミーさんで良かったなって思ってるよ。 齋藤:バカ!お前、そ、そんな恥ずかしい事真顔で言うなよ! 山崎:え~!?同じく正直な気持ちを言っただけなのに⋯。 齋藤:ま、まったくよ⋯ドキドキさせんなよ。あ、そうだ家にあるハスモンコレクションの写真見るか? 山崎:え?見たい見たい! 齋藤:よーし今画像出すから待ってろ。⋯ん?メッセージ⋯?誰だ? 山崎:あれ?どうしたの? 齋藤:⋯なっ!まじかよ⋯。 山崎:も、もしかして何かまずい事でもあった? 齋藤:あ、あぁ⋯。⋯その、すまん! 山崎:え⋯? 齋藤:実は⋯マッチングアプリで会う相手、間違えてた! 山崎:⋯えぇーー!!どゆこと~~!? 齋藤:その⋯今日会う予定だった相手から風邪引いて行けなくなったって、連絡入ってたみたいだ⋯。 山崎:うそ!?だってマッチングアプリの待ち合わせ場所はここだって⋯まさか! 齋藤:ん?どうしたんだ慌てて? 山崎:うわ!⋯ごめん⋯。 齋藤:え?⋯ま、まさか⋯。 山崎:僕も、相手から急用出来たから時間遅くして欲しいって連絡入ってた⋯。 齋藤:⋯こんな偶然あるか? 山崎:⋯あった、みたいだね⋯。 齋藤:って事はノブのお相手が今から来るって事だろ!? 山崎:う、うん⋯。 齋藤:悪い!こんな所見られたら相手に勘違いさせちゃうな。 山崎:え? 齋藤:勘違いで絡んで悪かった!あ⋯くそ⋯じゃあな! 山崎:えっ!! 齋藤:金そこ置いてるからー! 山崎:ちょ、待っ!⋯って、行っちゃった⋯。⋯あ、ハスモンのコレクション、見たかったな⋯。 :間 齋藤:はぁ⋯。 齋藤:なんなんだよあいつ!今思い出しても腹が立つ!! 齋藤:何が「ハスモン好き?変わってるね」だとー!私の好きなハスモンを思いっきり否定しやがって~! 齋藤:あげくに「口が悪いのはやっぱり無理」だと!なら最初から約束するんじゃねえよ! 齋藤:はぁ⋯あんな奴じゃなく⋯ノブならちゃんと私の話聞いてくれるのにな⋯。 齋藤:ノブに連絡っ!⋯ってノブのハンドルネーム知らないんだよ⋯。 齋藤:どうやったらノブとマッチング出来るんだよ⋯。 齋藤:はぁ⋯もう一度ノブに会いたいな⋯。 :間 山崎:ん⋯?ああ⋯この間の人からメッセージか。 山崎:⋯「話してて合わなそうだから、今回は無かった事に」か。 山崎:僕もそう思って断わりを入れるつもりだったから、ある意味良かったかな。 山崎:⋯ミーさんとは本音で話が出来て楽しく話せれたのにな⋯。 山崎:あの時、ミーさんに連絡先を聞く勇気があったら⋯。 山崎:こんなに後悔しなかったのに⋯。 山崎:はぁ、無理だよな⋯このマッチングアプリ登録者の中からミーさん一人を探し出すのは⋯。 山崎:ん?あれ⋯これって⋯まさか! :間 齋藤:はぁ、はぁ、はぁ。待ち合わせ場所は⋯ここで合ってるよな⋯? 山崎:あっ。 齋藤:あっ。 山崎:どうも⋯「ハスモン」さん。 齋藤:あ、ああ⋯。待たせたな「ハスモン」 山崎:⋯ぷっ、あはは!。 齋藤:ふっ、ははは! 山崎:はぁ~。ミーさんからのメッセージ、ちゃんと受け取ったよ。 齋藤:お、おう⋯ノブなら絶対分かってくれるって信じてた。 山崎:信じてくれてありがとうミーさん。 齋藤:⋯どうしても、もう一度ノブに会って言いたい事があったんだ。 山崎:うん。僕も、ミーさんともう一度会って話たい事があったよ。 齋藤:ノブもか? 山崎:うん、そうだね。 齋藤:⋯あの後、マッチングアプリの相手と会ったんだけど、全然駄目だった。 山崎:⋯僕もマッチングアプリの相手に会ったけど、駄目だった。 齋藤:ノブみたいに話してても面白くないしよ。 山崎:ミーさんみたいに話してて楽しくなかったよ。 齋藤:あのさ⋯。 山崎:何かな? 齋藤:私とノブの考えが一緒ならいいな⋯って思ってる。 山崎:僕もミーさんと同じ気持ちならいいなって思ってる。 齋藤:あー⋯。せーので言わないか? 山崎:OK、それでいいよ。 齋藤:よ、よし。じゃあいくぞ⋯せーの! 山崎:付き合って下さい!(同時に) 齋藤:付き合ってくれ!(同時に) 山崎:(N)始まりは勘違いからだった。 齋藤:(N)運命のイタズラか、偶然が重なり出会った二人。 山崎:(N)これはミスマッチから始まる、ラブストーリー。 :おわり