台本概要

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タイトル クワンシー様のお通りだ
作者名 帆多 丁  (@wahoo_gyudon)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(女1、不問1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 「邪魔するものは道連れにするぞ!」

 2022年のハロウィンにキョンシーの仮装をしたユエのイラストをいただきましたので、そのお返しとして書いたものです。
 鉱山の毒ガスで亡くなった方々の遺体を、ユエが山のふもとまで連れていく道中のお話です。

 台本の使用に関しまして、下記の点を遵守してください

・作者名と台本URLの記載
・使用のご連絡(使用前でも後でも大丈夫です)
(例:X(旧ツイッター)で帆多をメンションして上演告知する、など)
・使用後の連絡はだいたい48時間以内を目安にお願いします。
・作品の構成に影響がでるような過度の改変、アドリブはご遠慮ください。
・録音や録画などは、将来的に台本の原作を公募に出す、または運良く出版されるといった場合において削除をお願いする可能性がございます。ご対応いただける場合のみ許可とさせてください

尾八原ジュージさんから頂いたキョンシーユエ(とてもかわいい)はこちら
 https://kakuyomu.jp/users/T_Jota/news/16817330648918698360

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ユエ 15 右目が猫の呪い師。 さる理由から、モノの怪を定期的に食べなければならない。 鉱山で毒気に当たって亡くなった人の遺体に術をかけ、自分の動きに同調させてふもとの村まで運ぶ仕事を請け負った。モノの怪に「死体ではない」と誤認させるため、テンション高めに踊りながら山を下りる。
リールー 不問 14 ユエの右目に収まる王族猫の瞳。眼球振動と骨伝導で言葉を伝える。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
ユエ:うっはははは。すっごい躍動感。みんなもっと楽しそうにすればいいのに リールー:死体に期待することかね? ユエ:あっはっ! それはそう。でも見てよ。見えてるだろうけど。無表情な集団がぴったり揃ってぴょんぴょん跳ねてるの面白くない? リールー:…………ふっ ユエ:あーはー! リールーが笑ったー! リールー:そなたは笑いすぎだよ ユエ:ひひひ。後ろからご遺体がぴょんぴょんついてくるの、なんだか面白くって リールー:はしゃぐのも程々にせんと夜明けまでにバテてしまうぞ ユエ:はーいはい。麓(ふもと)の村までご遺体を届けるお仕事ですよ。立派なお仕着せあり。袖が余っちゃってるけどね リールー:男物だからな ユエ:まぁ、これはこれで新鮮な気分。ぶらぶらぶらぶら、よっ、と、はっ、ほい リールー:回るな回るな。ご遺体が動きに付いてきておらんぞ ユエ:うーん、もうちょっと単純な振り付けでないと難しいのか リールー:どこでそのような振りを覚えたのだ ユエ:キャブレ・グリューでちょっと見たんだよ。 ユエ:飛んで、降りて、蹴って。踵(きびす)を返す、返す、いち、に、さん。クワンシー様のお通りだ! ユエ:邪魔する者は道連れにするぞー。邪魔するモノの怪は喰らってやるぞー。化け猫の爪と牙、恐れぬならばかかってこーい! リールー:煽るな煽るな。今はそなたも死者を進ませるので手一杯だろうに ユエ:あはは。まぁ、モノの怪も、活力あふれる場所には、近寄らないから。はい、はい、邪魔するものは道連れにするぞー! リールー:体力勝負だが、効果はあるようだな ユエ:遺体にはモノの怪が入り込みやすいからね。だいぶ力技だけど、わたしが先にご遺体に干渉して、生きてるフリをさせれば、どうにか、ふう。よっ、そ、はい! ユエ:……出稼ぎの先で鉱山の毒気にあたっちゃうなんてね。お気の毒。そい、シテ! そっ、タク! リールー:無償で人助けをするのは珍しいな ユエ:そりゃまあ、温泉帰りにたまたま居合わせただけだけどさ。故郷に帰すお手伝いぐらいはやったっていいじゃない。 ユエ:お山の導師様も毒気に当たっちゃって、そのご遺体も届けるわけだし、心づけはしっかりいただくし、別にタダじゃないよ。 ユエ:遠巻きに様子を窺ってるモノの怪連中もお仕事あがりにぺろっといただくしね リールー:ご遺体でモノの怪を釣っているのか ユエ:人聞きがわるーい。それぞれに利益があるってことだよ ユエ:そーらクワンシー様が通るぞー! そこのけ、モノの怪、道をあけろ! あけぬのならば道連れだ! 跳ねてみぎみぎ、縄くぐり、足蹴り上げて縄を飛べ。クワンシー様のお通りだ! ユエ:……リールーもやって リールー:私の声はそなたにしか聞こえないだろうに ユエ:わたしのやる気があがる。クワンシー様のお通りだ! はい、リールー リールー:じゅ、邪魔するものは、道連れに……誰にも聞こえないのかと思うと、いたたまれぬな ユエ:それ言う? わたしの声を聞いてるのもご遺体と竹林とモノの怪なんだけど? もっかい! クワンシー様のお通りだ! リールー:じゃ、邪魔するならば、道連れにしてくれようぞ! ユエ:跳ねてみぎみぎ、縄くぐり、脚蹴り上げて縄を飛べ。クワンシー様のお通りだ! 邪魔するものは道連れにするぞ! 夜が明けるまで歌って踊れ、クワンシー様のお通りだ! 0:おしまい 0:

ユエ:うっはははは。すっごい躍動感。みんなもっと楽しそうにすればいいのに リールー:死体に期待することかね? ユエ:あっはっ! それはそう。でも見てよ。見えてるだろうけど。無表情な集団がぴったり揃ってぴょんぴょん跳ねてるの面白くない? リールー:…………ふっ ユエ:あーはー! リールーが笑ったー! リールー:そなたは笑いすぎだよ ユエ:ひひひ。後ろからご遺体がぴょんぴょんついてくるの、なんだか面白くって リールー:はしゃぐのも程々にせんと夜明けまでにバテてしまうぞ ユエ:はーいはい。麓(ふもと)の村までご遺体を届けるお仕事ですよ。立派なお仕着せあり。袖が余っちゃってるけどね リールー:男物だからな ユエ:まぁ、これはこれで新鮮な気分。ぶらぶらぶらぶら、よっ、と、はっ、ほい リールー:回るな回るな。ご遺体が動きに付いてきておらんぞ ユエ:うーん、もうちょっと単純な振り付けでないと難しいのか リールー:どこでそのような振りを覚えたのだ ユエ:キャブレ・グリューでちょっと見たんだよ。 ユエ:飛んで、降りて、蹴って。踵(きびす)を返す、返す、いち、に、さん。クワンシー様のお通りだ! ユエ:邪魔する者は道連れにするぞー。邪魔するモノの怪は喰らってやるぞー。化け猫の爪と牙、恐れぬならばかかってこーい! リールー:煽るな煽るな。今はそなたも死者を進ませるので手一杯だろうに ユエ:あはは。まぁ、モノの怪も、活力あふれる場所には、近寄らないから。はい、はい、邪魔するものは道連れにするぞー! リールー:体力勝負だが、効果はあるようだな ユエ:遺体にはモノの怪が入り込みやすいからね。だいぶ力技だけど、わたしが先にご遺体に干渉して、生きてるフリをさせれば、どうにか、ふう。よっ、そ、はい! ユエ:……出稼ぎの先で鉱山の毒気にあたっちゃうなんてね。お気の毒。そい、シテ! そっ、タク! リールー:無償で人助けをするのは珍しいな ユエ:そりゃまあ、温泉帰りにたまたま居合わせただけだけどさ。故郷に帰すお手伝いぐらいはやったっていいじゃない。 ユエ:お山の導師様も毒気に当たっちゃって、そのご遺体も届けるわけだし、心づけはしっかりいただくし、別にタダじゃないよ。 ユエ:遠巻きに様子を窺ってるモノの怪連中もお仕事あがりにぺろっといただくしね リールー:ご遺体でモノの怪を釣っているのか ユエ:人聞きがわるーい。それぞれに利益があるってことだよ ユエ:そーらクワンシー様が通るぞー! そこのけ、モノの怪、道をあけろ! あけぬのならば道連れだ! 跳ねてみぎみぎ、縄くぐり、足蹴り上げて縄を飛べ。クワンシー様のお通りだ! ユエ:……リールーもやって リールー:私の声はそなたにしか聞こえないだろうに ユエ:わたしのやる気があがる。クワンシー様のお通りだ! はい、リールー リールー:じゅ、邪魔するものは、道連れに……誰にも聞こえないのかと思うと、いたたまれぬな ユエ:それ言う? わたしの声を聞いてるのもご遺体と竹林とモノの怪なんだけど? もっかい! クワンシー様のお通りだ! リールー:じゃ、邪魔するならば、道連れにしてくれようぞ! ユエ:跳ねてみぎみぎ、縄くぐり、脚蹴り上げて縄を飛べ。クワンシー様のお通りだ! 邪魔するものは道連れにするぞ! 夜が明けるまで歌って踊れ、クワンシー様のお通りだ! 0:おしまい 0: