台本概要
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タイトル | 【Full ver.】劇場版!女児たちのお戯(たわむ)れ |
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作者名 | ふらん☆くりん (@Frank_lin01) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 7人用台本(男1、女6) ※兼役あり |
時間 | 90 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
※ご注意※ この台本の所要時間は130分程度です。表題には90分とありますが、実際は【前編】・【中編】・【後編】を一つにしたため130分程度の長編ものとなっております。(声劇台本置き場さんの仕様で90分までしか選択できなかったためすみません。) 【あらすじ】 ついにあの作品が劇場版に! ある日、女児たち5人組に相談に来た一人の園児。それをきっかけとして事態はとんでもない方向に動くのであった! ※この作品は「女児たちのお戯(たわむ)れ」の劇場版【Full ver.】となっております。以前に【前編】・【中編】・【後編】の3部作を投稿しておりましたが、通しでできる物もあった方が良いと思い、一つにまとめました。お時間のある方はこちらをお使いいただけると嬉しいです。 【著作権について】 本作品の著作権は全て作者である「ふらん☆くりん」に帰属します。 また、いかなる場合であっても当方は著作権の放棄はいたしません。 【禁止事項】 ●商業目的での利用 ●台本の無断使用、無断転載、自作発言等 ●過度なアドリブ、セリフの大幅な改変等 【ご利用に際してのお願い】 ●台本の利用に際しては作者X(旧ツイッター)DMに連絡をお願いいたします。 ●配信等で利用される場合は①作品名、②作者名、③台本掲載URLを掲示していただけると嬉しいです。 ●たくさんの方の演技を聴きに行きたいので、可能であれば告知文にメンションを付けていただけると嬉しいです。 250 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
まさみ | 女 | 83 | さくら組の幼稚園児。少しお転婆な女の子。【光の戦士クリスタル・ブルー役】 |
ゆず子 | 女 | 92 | いちご組の幼稚園児。しっかり者でお姉さんタイプの女の子。【光の戦士クリスタルレッド役】 |
えりな | 女 | 86 | もも組の幼稚園児。少し幼い感じの女の子。【光の戦士クリスタル・グリーン役】 |
たえこ | 女 | 93 | ひまわり組の幼稚園児。元気いっぱいの女の子。【光の戦士クリスタル・イエロー役】 |
さゆり | 女 | 88 | ばら組の幼稚園児。優しくて真面目な性格の女の子。【光の戦士クリスタル・パープル役(兼役/召使い役)】 |
ふとし | 男 | 103 | たんぽぽ組の幼稚園児。あかねと同じクラスでガキ大将的存在だが、実は寂しがり屋な一面もある。【闇皇帝ヘンゲル(兼役/国のお偉いさん役)】 |
あかね | 女 | 102 | たんぽぽ組の幼稚園児。大人しい性格で人見知り。【謎のヒロイン役(兼役/ヒーロー編の5人を連行する人役)】 |
ナレーション | 不問 | 3 | どなたかが兼ね役で読んでください。 |
民衆 | 不問 | 3 | ゆず子、えりな、たえこ、あかね役の方が演じてください。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
タイトル:【Full ver.】劇場版!女児たちのお*戯《たわむ》れ
:
登場人物:
まさみ:さくら組の幼稚園児。少しお転婆な女の子。【光の戦士クリスタル・ブルー役】
ゆず子:いちご組の幼稚園児。しっかり者でお姉さんタイプの女の子。【光の戦士クリスタル・レッド役】
えりな:もも組の幼稚園児。少し幼い感じの女の子。【光の戦士クリスタル・グリーン役】
たえこ:ひまわり組の幼稚園児。元気いっぱいの女の子。【光の戦士クリスタル・イエロー役】
さゆり:ばら組の幼稚園児。優しくて真面目な性格の女の子。【光の戦士クリスタル・パープル役(兼役/召使い役)】
ふとし:たんぽぽ組の幼稚園児。あかねと同じクラスでガキ大将的存在だが、実は寂しがり屋な一面もある。【闇皇帝ヘンゲル(兼役/国のお偉いさん役)】
あかね:たんぽぽ組の幼稚園児。大人しい性格で人見知り。【謎のヒロイン役(兼役/ヒーロー編の5人を連行する人役)】
ナレーション:どなたかが兼役で読んでください。
民衆:ゆず子、えりな、たえこ、あかね役の方が演じてください。
:
:『』のセリフ以外は基本的に幼稚園児の声で演じてください。
:(M)はモノローグ(独白)、〈〉はト書き、()は心の声です。
:
本編:
ナレーション:これは、とある幼稚園を舞台にした仲良し女児5人組が織り成すハートフルコメディの「劇場版」である。
:
:-------------------
あかね:ゆず子ちゃん、ちょっとそうだんにのってくれる?
:
:-------------------(とある日のお昼休み)
ゆず子:ねぇみんな、ちょっといいかな?
えりな:ん?ゆず子ちゃんどうしたの?
まさみ:なになに?
たえこ:なんでもきくよ。
さゆり:なにがあったの?
ゆず子:みんなありがとう。じつはね…さ、はいって。〈あかねが入ってくる〉
あかね:うう…。
ゆず子:このこね、たんぽぽぐみのおともだちなんだけど、さいきんつきまとってくるおとこのこがいるらしくてちょっとこまってるんだって。
あかね:おねがい、たすけてほしいの…。
えりな:えっ?もしかしてすとーかー?
ゆず子:ううん…すとーかーじゃないんだけどね。ことあるごとにからんでくるらしくて、しつこいんだって。
たえこ:それはたいへんだね。ちなみにそのおとこのこってだれなの?
あかね:おなじくらすの「ふとしくん」…。
まさみ:あ!そのこわたししってる!がきだいしょうでしょ?
あかね:そう。
さゆり:あたしもきいたことある。いろんなひとにからんでるってうわさだよね。
あかね:うん。もうげんかいなの…。
たえこ:うんうん。わかるよ。あ!あれってもしかしてふとしくんじゃない?
あかね:え…どうしよう。こっちにくるよ…。
ゆず子:だいじょうぶ。わたしたちがあかねちゃんをまもるからあんしんして。
さゆり:そうだよ。あたしたちにまかせて。あかねちゃんはかくれてて。
あかね:うぅ…ありがとう。
ふとし:おいおまえら!さっかーしようぜ!お!あかねじゃねぇか。きょうおまえぼーるな!
あかね:い、いや。はなしかけないで!
ふとし:ははは!てれるなって。
あかね:うう…。
まさみ:やめなさいよ!あかねちゃんいやがってるじゃないの!
ふとし:じゃあおまえぼーるな!
まさみ:うっ!いやよ!
たえこ:ねぇ、あんた。
ふとし:あ?なんだよ?
たえこ:そんなにアタイたちとあそびたいの?
ふとし:べ、べつに。そんなんじゃねぇし。
たえこ:ふーん。アタイはあそんであげてもいいよ。
ゆず子:え…?たえこちゃん…?
ふとし:ほんとか!じゃあおまえぼーる…
たえこ:〈被せて〉いっとくけど、さっかーはやらないよ。
ふとし:じゃ、じゃあなにしてあそぶんだよ。
たえこ:そうねぇ、せっかくだし「ひーろーごっこ」なんてどうかしら?
ふとし:お!いいじゃねーか!じゃあおれひーろーな!
たえこ:まあ、まちなさいな。おちついて。
ふとし:な、なんだよ。
たえこ:ただのひーろーごっこなんてつまんないじゃない。ね、みんな?
えりな:そうそう。どうせならみんなでとっておきのやつやろーよ。
まさみ:ふふふ…そうね。
さゆり:とってもたのしみ!
ゆず子:ねぇ、あかねちゃんもいっしょにやろ!
あかね:で、でも…。
ゆず子:だいじょうぶよ。わたしたちもついてるから。
あかね:じゃ、じゃあ…わたしもやる。
ふとし:それで、なにがちがうんだよ。つまんなかったらおまえらぜんいんあしたからおれのぼーるだからな!
たえこ:いいわよ。ぼーるでもなんでもなってあげるわ。ただし、おもしろかったらこれからあかねちゃんにつきまとわないこと。わかった?
ふとし:わかったからはやくせつめいしろよ!
たえこ:はいはい。もう、せっかちさんね。
たえこ:〈急に大人口調になって〉『「ごっこ遊び」…それは誰しも人生において一度は経験する最もポピュラーな遊びと言っても過言ではないわ。その中でも「ヒーローごっこ」は個人の演技力の良し悪しが直接その世界観に影響を及ぼすことから、一度踏み込んだが最後、誰一人としてエンディングまで気を抜くことは許されない究極の耐久エンターテインメントショーよ。』
ふとし:そ、そんなおおげさな。
ゆず子:おおげさじゃないよ。
ゆず子:〈急に大人口調になって〉『思い返してみなさい。君が今までやってきた「ヒーローごっこ」を。登場シーンのポーズと名乗り*口上《こうじょう》ばかりにこだわって、それ以降のプランを全く考えていない無計画ヒーロー、不本意な役を押し付けられ、渋々それっぽいセリフと動きをするやる気なし怪人、何となくその場にいるだけのガヤともモブとも言えない中途半端で無関心なギャラリーたち…開始直後こそそれっぽい雰囲気にはなるものの、ヒーロー登場以降はただ意味もなく「ぐはっ!」だの「うぎゃー」だの叫びながらお互い殴り合うだけのグダグダなストーリー展開。果たしてこれを*真《しん》の「ヒーローごっこ」と呼べるだろうか!*否《いな》!私は断じて認めない!』
ふとし:お、おまえらただのあそびになにまじになってんの?ばかじゃねぇか?
まさみ:ふーん。「ただのあそび」ねぇ…。
まさみ:〈急に大人口調になって〉『私はとても残念だよ。君も遊びに全力を傾けられない人間の一人なんだね。もっと周りを見てみなさい。きっと思い知ることになるわ。世の中にどれだけ君のような「もったいない」人間が*溢《あふ》れているかをね。人間はね、遊びがあるから日々を充実して生きられるの。「遊びこそ人生」と言っても良いくらいよ。そして過去の歴史を*紐解《ひもと》いてみても人類の進化に遊びが密接に関わってきたことは言うまでもない事実。ふとしくんと言ったわね。君は今、私達と遊ぶ機会を得た。それはつまりアダムとイブが禁断の果実の味を知ることと同じ。この瞬間から君はもうちっぽけなガキ大将ではいられなくなるのよ。うふふ…あなたはどんな風に変わっていくんでしょうね。楽しみだわ♡』
ふとし:び、びびらせようたってそうはいかないんだからな!さっさとつづきをせつめいしろよ!
たえこ:わかったわ。
たえこ:〈大人口調で〉『で、ここからが本題なんだけど、*巷《ちまた》に*溢《あふ》れる既存のヒーローごっこに圧倒的に不足している要素は何か…。それは先に述べた個々の演技力はもちろんだけど、それにも増して足りないのは世界観を形作るのに必要な重厚なストーリー…つまり脚本よ。それも戦闘シーンの一部を切り取っただけの薄っぺらい物ではなく、ヒロイン、怪人、ヒーローそれぞれの登場人物の生い立ちや背景、人間関係はもちろんのこと、最終的に戦うに至るまでの壮大なストーリーが必要だわ。そうねぇ…具体的には「メインストーリー」の他にそれぞれ「ヒロイン編」、「怪人編」、「ヒーロー編」、の3つのサイドストーリーが必要ね。そして脚本の次に大事なことは、その脚本に描かれた世界観にどれだけ演者が入り込めるか、これが重要な鍵となるわ。ヒーローごっこはね、それぞれに課された役割に沿ってキャスト全員で作り上げる共同作業なの。誰か一人が目立とうなどと浅はかな行動に出た時点で、それまで築き上げてきた世界は一瞬で崩壊するわ。各自これだけは肝に銘じておくように。』
あかね:わたし…できるかな。
たえこ:だいじょうぶよ。だいじなのはたのしむことよ。
あかね:わかった!ありがとう、たえこちゃん!
たえこ:あなたもわかった?
ふとし:お、おう。
ゆず子:じゃあさ、いつもどおりすとーりーかんがえていこっか。
えりな:はいはーい!めいんすとーりーかんがえたよー!
さゆり:わぁ!もうできたの?さすがえりなちゃんだね!
えりな:えへへ。こういうのはぱっとおもいつくんだ。じゃあきいててね。
えりな:〈急に大人口調になって〉『(M)時は2050年。これはそう遠くない未来の話。平和の裏側でひっそりと進行する謎の計画があった。その名も「全人類*闇人化《やみびとか》計画」これは闇皇帝ヘンゲルによる地球侵略作戦のことで、人間の心の*隙間《すきま》に闇の種子を埋め込むことで人間を*闇人《やみびと》に作り変えてしまうという恐ろしい物であった。闇皇帝ヘンゲルは街に工作員を送り込み、一人、また一人と人間を洗脳し*闇人化《やみびとか》することで、外側からではなく内側から世界を乗っ取ろうと*目論《もくろ》んでいた。そんな中、事態を重く見た国の上層部たちは、打開策として*極秘裏《ごくひり》に特殊戦隊「光の戦士エンジェル・クリスタル」を結成する。選ばれた5人の戦士達の活躍で、事態はみるみるうちに収束する…はずであった。あんな事が起きなければ…。』
えりな:っていうかんじなんだけどどうかな?
ゆず子:すごいすご〜い!
まさみ:わぁ!めっちゃつづきがきになる~!
たえこ:さすがえりなちゃんだね!
さゆり:あたしどきどきしちゃったよ。
あかね:わたしも!
ふとし:お、おれもだ…。
えりな:じゃあつぎは「ひろいんへん」だね。
あかね:あ、あの…わたしかんがえてみたんだけどいいかな?
ゆず子:えっ!あかねちゃんすごいじゃん!ききたい!
さゆり:あたしもききたい!
あかね:じゃ、じゃあはなすね。
あかね:〈急に大人口調になって〉『(M)「私は誰?どこから来たの?」毎晩のように夢の中で私は叫んでいた。何も見えない暗闇の中、幼い私は泣きじゃくりながら声が*涸《か》れるまで問い続ける。叫べば叫ぶほど誰も応えてくれない虚しさと寂しさに心が押し潰されそうになりながら朝を迎える…。
あかね:私には幼い頃の記憶がない。預けられた施設で私の両親は私が生まれてすぐ事故で亡くなったと聞かされて育った。周りの大人達は私に対してどこかよそよそしく、*腫《は》れ物を扱うかのように接してきた。私はどこへ行っても一人ぼっちだった。そんな中、ふと目に*留《と》まった「エンジェル」という名の雑貨屋。ピンクを基調としたオシャレな店内は、まるでメルヘンの世界に迷い込んだかのような雰囲気を*醸《かも》し出していた。数々の可愛らしい雑貨と店員さんの優しさに触れ、私は一瞬でこの店の大ファンになった。それから通い詰めること約半年。いつしかこの場所で過ごすひと時が私にとって唯一安らぎを感じられる時間になっていた。「このままずっとこの人たちと一緒にいられたらいいのに。」この時の私は、この願いが*後《のち》に全く違う形で実現することになろうとは予想だにしていなかった。』
あかね:こんなかんじなんだけど…。
えりな:え?え?あかねちゃんすごくない?
ゆず子:…てんさいだよね。
たえこ:まさかこんなすてきなすとーりーをかんがえてくれるなんておもわなかったよ。
あかね:そ、そうかなぁ…。
さゆり:そうだよ!あたし、びっくりしたもん。
まさみ:もっとじしんもっていいとおもうよ!
ふとし:おまえ、なかなかやるじゃん。
あかね:あ、ありがとう…。
ゆず子:じゃあつぎはどっちからかんがえよっか?
ふとし:なぁ…おれ、「かいじんへん」やってもいいか?
たえこ:もしかしてふとしくんもかんがえてくれたの?
ふとし:お、おう…おれもあかねにまけてらんねぇからな。
まさみ:いいね、いいね!
さゆり:これはきたいしちゃうね!
えりな:うんうん!
ふとし:ちょっ!あおるなよ!…てれるじゃんか。
ゆず子:あはは。ごめんごめん。じゃあどうぞ。
ふとし:おう…。
ふとし:〈急に大人口調になって〉『(M)俺の名は闇皇帝ヘンゲル。この地球を我が物にするために生まれた闇帝国の王だ。俺は幼少の頃から父である先代の闇皇帝バイドルによって、拷問とも言える程の徹底的な英才教育を受けてきた。「全ては帝国繁栄のため」…そう自分に言い聞かせ、どんな苦しい試練にも耐えてきたのだ。そんな矢先、父が突然病に倒れ息を引き取った。あんなにも強かった父がこんなにも*呆気《あっけ》なく死んでしまうとは…俺は父の*亡骸《なきがら》を前にして、悲しむどころか胸の奥から*沸《わ》き起こる高揚感を抑えることに必死だった。「ふふふ…今この時を*以《もっ》て闇帝国は俺が支配することとなった!亡き父に替わり、地球侵略を*完遂《かんすい》するのだ!」俺は強い決意を胸に着々と作戦を遂行していった。しかし、*程《ほど》なくして順調かと思われた作戦に*翳《かげ》りが見え始める。帝国への対抗措置として、地球側が新たに特殊戦隊「光の戦士エンジェル・クリスタル」を結成したのだ。彼女らの活躍により*闇人化《やみびとか》した人間だけでなく、俺が街に放った工作員までもが*尽《ことごと》く浄化されていった。帝国側も負けじと新戦力を投入するも戦況を*覆《くつがえ》す程の効果は得られず両勢力は*膠着《こうちゃく》状態に*陥《おちい》る。そして事態は全く予期せぬ方向に動き出すのであった。』
ふとし:どうだ?すげぇだろ?
まさみ:へぇー、やるじゃないの。
たえこ:しょうじき、みなおしたわ。
ゆず子:ふとしくんすごいね!
あかね:なんかかっこいい…。
えりな:じゃあさいごは「ひーろーへん」ね!だれかやりたいひといる?
さゆり:はーい!あたしやるやるー!
たえこ:お!さゆりちゃんまってました!
さゆり:えへへ…じゃあみんなきいててね!
さゆり:〈急に大人口調になって〉『(M)「地球は今、狙われている!」急遽、国家のエージェントによって、とある場所に連行された私達5人は酷く困惑していた。それもそのはず、先程まで私達は職業や住んでいる場所さえも違う全くの赤の他人同士だったからだ。なんでも偉い人の話によると適性?が合致していたとか何とかで、とにかく地球がヤバいから力を貸して欲しいっていう訳分かんない理由を告げられ、半ば強制連行に近い形でここに連れて来られたのだ。しかもこれからは「光の戦士エンジェル・クリスタル」とかいう戦隊のメンバーになって、このブレスレットで変身して敵と戦って欲しいなんて*真顔《まがお》で言われるもんだから、みんな何かのドッキリ企画じゃないかって隠しカメラを探して辺りを見回していたものだ。それでもまあ、給料は前職と比べても破格の高さだったし、アニメや特撮番組でしか見たことがない存在に自分達がなれると思うとワクワクしていたのも事実だ。また戦隊と言っても常時変身して戦う訳ではなく、出動命令がない時は雑貨屋「エンジェル」での接客が主な仕事だった。変身して戦うこと自体は最初は抵抗があったけど、可愛い姿で*闇人《やみびと》になった人達を浄化できるから今は気に入っている。そして最近、雑貨屋「エンジェル」に可愛らしい女の子が通ってくれるようになった。幸せそうに店内で*寛《くつろ》ぐ彼女を見てるとこっちまで嬉しくなっちゃって、ついついお*喋《しゃべ》りが止まらなくなってしまう。でも私達は*後《あと》になって知ることとなる。彼女に隠された衝撃の事実を。』
さゆり:てなかんじなんだけどどうかな?
えりな:さゆりちゃんすごい!
ふとし:おお!おもしろいじゃねぇか!
たえこ:アタイ、どきどきがとまらないよ!
まさみ:これはたのしくなってきたぞ!
ゆず子:それじゃあそれぞれのすとーりーのとうじょうじんぶつをきめていこっか。
たえこ:まずは「めいんすとーりー」からだね。これはやみこうてい、ひろいん、そしてひかりのせんしが5にんでいいよね。
さゆり:うん。いいとおもう。
えりな:じゃあつぎは「ひろいんへん」だね。ふむ…ざっかやさんのしーんがあるから、ひろいんと5にんのてんいんはきまりだね。
まさみ:そうだね。あと、しせつのひととかいるんじゃない?
えりな:あ、いるいる!よし、これできまりっと。
ゆず子:おつぎは「かいじんへん」だね。これはやみこうていと…あ、おとうさんどうしよっか?おとこのこひとりしかないや…。
ふとし:しんだあとからはじめたらいいんじゃないか?
ゆず子:お!ないすあいであ!じゃあそれでいこー!あとはおかあさんと、ていこくのみんしゅうがひつようだね。
あかね:あの…めしつかいとかは?
ゆず子:いいね!じゃあそれもいれとこう!
さゆり:さいごは「ひーろーへん」だね!これはひかりのせんしにえらばれた5にんと、くにのおえらいさんかな?
たえこ:あと、かのじょたちをつれてくるひとがいるんじゃない?
さゆり:あ…わすれてた。たえこちゃんありがとう。
まさみ:これでぜんぶきまったね!あとははいやくだけか。
たえこ:そうだね。まずはひかりのせんしからきめていこうか。そういやさ、ひかりのせんしってなにいろにしよっか?
えりな:そうねぇ…くりすたるだからほうせきをいめーじすると、れっど、ぶるー、ぐりーん、いえろーはきまりとして、あとは…
あかね:ぱーぷるはどう?
えりな:いいね!いろはこれでいいかな?
ゆず子:いいとおもうよ!
さゆり:だれがどのいろやる?
まさみ:じゃあわたしぶるーやりたい!
たえこ:アタイはいえろーやりたい。
えりな:アタチぐりーんがいい!
さゆり:あたしはぱーぷる!
ゆず子:わたしれっどやってみたいな。
さゆり:きまったね!あかねちゃんはひかりのせんしじゃなくてよかったの?
あかね:わたしはひろいんやりたいなっておもってたからだいじょうぶだよ。
さゆり:おっけー!あとふとしくんはおとこのこだから、やみこうていでいい?
ふとし:おう!てかそれしかできんし。
さゆり:ありがと。あとはかねやくだね。
ゆず子:「ひろいんへん」のしせつのひとはだれがやる?
ふとし:おれやるよ。そこにでてないのはおれだけだから。あと、「ひーろーへん」にでてくるくにのおえらいさんも。
たえこ:おー!ふとしくんありがとう。たよりになるねぇ。
ふとし:よせよ。てれるじゃんか。
えりな:じゃああとは「かいじんへん」のおかあさんとめしつかい、「ひーろーへん」の5にんをつれてくるひとかな?
まさみ:じゃあわたしおかあさんやる!
さゆり:あたしはめしつかいやるよ。
あかね:わたしは5にんをつれてくるひとやる!
まさみ:あれ?そういれば「かいじんへん」のみんしゅうはだれがやるの?
ゆず子:それはふとしくん、まさみちゃん、さゆりちゃんいがいのぜんいんでやればいいんじゃない?
まさみ:あ、そっか。わかった!
たえこ:あとははなしのながれだけど、めいんすとーりーをじくにそれぞれのさいどすとーりーのないようをふまえつつ、ぜんたいにちりばめていくのはどうかな?
さゆり:それすごくいいよ!さすがたえこちゃんだね!
たえこ:えへへ、ありがとう。
えりな:いよいよはじまるね!
あかね:あー…わたしきんちょうしてきたよ。
ふとし:おれもだ。
まさみ:でもわくわくするね!
ゆず子:うん!たのしみ!
たえこ:じゃあそろそろはじめよっか。3・2・1あくしょん!!
:
:【究極の「ヒーローごっこ」スタート!】(ここからは『』以外は幼稚園児の声で演じてください)
:
あかね:「わたしはだれ?どこからきたの?ねぇ!だれかこたえてよぉ!!おねがい…おねがいだから!」
あかね:はっ!〈目が覚める〉
あかね:…はぁ、はぁ…ゆめ…か…。
あかね:(M)まいばんのようにおなじゆめをみる。わたしはくらやみにむかってなんどもおなじしつもんをくりかえす。だが、いくらこえをからそうともへんじはない。そしてきまって、わたしはなきさけびながらあさをむかえるのだった。
:
たえこ:〈大人口調で〉『2050年*某月某所《ぼうづきぼうしょ》』
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:くそぉ!!なんでこうもうまくいかないんだ!
ふとし:〈大人口調で〉『(M)「全人類*闇人化《やみびとか》計画」…この闇皇帝ヘンゲル様が*直々《じきじき》に考案した新たな侵略作戦だ。今までの侵略者のような破壊と恐怖による侵略ではなく、人の心の*隙間《すきま》に「闇の種子」を埋め込むことで、対象の人間を洗脳し、俺たちと同じ種族に作り替える。まさに平和的かつ理想的な作戦だった。それなのに…。』
ゆず子:【クリスタル・レッド】
ゆず子:くりすたるふぁいやーすとーむ!!
ゆず子:〈浄化の炎が闇人たちを包み込む〉
えりな:【クリスタル・グリーン】
えりな:れっどないす!やみびとかしたにんげんがもとにもどっていくわ!そんじゃあたしも!くりすたるろーりんぐとるねーど!
えりな:〈浄化の竜巻に闇人たちが巻き込まれていく〉
ふとし:や、やめろ!おれの、おれのけいかくのじゃまをするなぁぁ!!
まさみ:【クリスタル・ブルー】
まさみ:このちょうしでどんどんいくよ!くりすたるうぉーたーすぷらーっしゅ!
まさみ:〈浄化の大波が工作員を飲み込んでいく〉
たえこ:【クリスタル・イエロー】
たえこ:こっちはまかせて!くりすたるらいとにんぐいんぱくと!
たえこ:〈浄化の雷が工作員に落ちる〉
さゆり:【クリスタル・パープル】
さゆり:あたしだってまけないんだから!くりすたるひーりんぐしゃわー!
さゆり:〈浄化のシャワーが工作員の頭上に降り注ぐ〉
ふとし:うぬぬ…やみびとかしたにんげんだけでなく、こうさくいんまでじょうかするとは…しかたない。きょうのところはここまでにしといてやる!だが、つぎにあうときはこうはいかないからな!おぼえてろよ!
:
:-------------------(回想シーン)
ふとし:【ヘンゲル】
ふとし:なんということだ…だれよりもつよかったあのちちうえが、びょうきごときでいのちをおとすとは。なんとあっけない。
まさみ:【ヘンゲルの母】
まさみ:へんげる…きをたしかにもつのです。これからはあなたがやみこうていのなをひきつぎ、このていこくにはんえいをもたらさなければならないのですよ。
ふとし:ふふふ…。
まさみ:なにがおかしいのです?
ふとし:ははうえ、これがわらわずにいられましょうか!おれはいま、わきあがるこうようかんをおさえるのにひっしなのです!ようやくうるさいちちうえがいなくなった!これからはこのおれが「やみこうていへんげる」として、このていこくだけでなく、このうちゅうをもしはいしてくれようぞ!ふはははは!!!
まさみ:へんげる、いせいがいいのはけっこうですが、ちちをぐろうすることはだんじてゆるしません!
ふとし:ははうえ、あなたもおれのけいかくにはじゃまなのですよ。
まさみ:な、なにをいっているの?
まさみ:〈大人口調で〉『(明らかに様子がおかしい…それにヘンゲルから漂うこの邪悪なオーラは何?)』
ふとし:〈大人口調で〉『(ほう…今の瞬間、母上の心に*隙間《すきま》ができたぞ。ちょうど良い、こいつを試す良い機会だ。)』
ふとし:そらよ!〈母の心に闇の種子を埋め込む〉
まさみ:なっ?
まさみ:(こ、これは!まさかやみのしゅし!なぜこのこがこんなものをもっているの?あ…あぁ!わたしのなかでしゅしがめぶいてひろがっていく!あ、あなた…わたしは…もう…。)
ふとし:ふふふ…どうだ?やみにそめられたきぶんは?
まさみ:うふふ…さいこうですわ!へんげるさまぁ♡わたくしのこのいのち、ごじゆうにおつかいください。
ふとし:よし、じっけんはせいこうだ。
さゆり:【召使い】
さゆり:おめでとうございます、へんげるさま。これであなたさまは、はれてやみこうていのざにしゅうにんされました。これからどうなさいますか?
ふとし:めしつかいよ、つぎはこのほしをわがものとする。
さゆり:ちきゅう…ですか?
ふとし:そうだ。このほしをしんりゃくして、ていこくはんえいのいしづえとしてくれるわ!ふははは!!
:
:-------------------(闇皇帝就任式にて)
さゆり:それではへんげるさま、みんしゅうのまえでたからかにせんげんなさってくださいませ。
ふとし:うむ…。みなのもの!このたび、わがいだいなるちち「やみこうていばいどる」は、やまいにたおれ、しんだ。そしておれはちちよりせいしきにやみこうていのざをひきつぐことになったのだ!
民衆:わー!!〈歓声〉
ふとし:おれはこれからちきゅうをしんりゃくし、わがものとする!そしておれはかならずやそのいぎょうをたっせいし、わがていこくにさらなるはんえいをもたらすことをここにせんげんする!
民衆:わー!!へんげるさまばんざーい!!〈歓声〉
まさみ:まぁ!!なんとりりしいおすがた!!へんげるさまこそ、わがていこくのおうにふさわしいおかたですわ!
:
ふとし:えんぜつはおわったぞ。これよりさくせんをすいこうする。まずはてはじめにこうさくいんをちきゅうにおくりこむのだ!
さゆり:はっ!おおせのままに!
:-------------------(回想終了)
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ふとし:おのれ…ひかりのせんしえんじぇる・くりすたるめ!やみこうていのいしんにかけて、かならずやきさまらもろともちきゅうをわがものにしてくれるわ!
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
えりな:あー…つかれた。
ゆず子:あれだけのてきをじょうかしたんだもの。とうぜんよ。
たえこ:でもさっきのせんとうでだいぶてきのせんりょくをけずれたんじゃない?
さゆり:そうね。さすがにしばらくはうごけないはずよ。
まさみ:わたしはまだたたかいたりないけどね!
たえこ:じゃあつぎはもっとはたらいてもらわなくちゃね!
まさみ:げげっ!いまのなし!
ゆず子:あはは!
:-------------------(カランコロンと来客を告げる音がする)
えりな:おっ!ひさびさのおきゃくさまだ!
さゆり:いらっしゃいませ!
ゆず子:どうぞゆっくりみていってくださいね。
あかね:あ…はい。
まさみ:どうです?かわいいしょうひんがいっぱいでしょ?
あかね:はい。おみせのふんいきもぴんくでとういつされていて、なんだかめるへんちっくですてきです。
えりな:でしょでしょ?こだわってつくったんだぁ!ほめてくれてうれしいな。
あかね:そんな…おもったことをいっただけです。
たえこ:じゃあ…ほめていただいたおれいに、これ、わたしたちからのぷれぜんとです。
あかね:え…いいんですか?こんなたかそうなねっくれす…。
たえこ:いいんですよ。せっかくのごえんですからうけとってください。もしよかったらつけてみますか?
あかね:はい!〈ネックレスを着ける〉
さゆり:まあ!とってもおにあいですよ。
ゆず子:おきゃくさまにぴったりですね!
えりな:ほんとほんと!すごくすてき!
あかね:ありがとうございます…ぐすん…うう…。〈嬉しさのあまり泣き出す〉
たえこ:おきゃくさま、どうかなさいましたか?
あかね:ごめんなさい…こんなによくしてもらったの、うまれてはじめてだったから…。
ゆず子:そうだったの。
えりな:そうだ!せっかくだし、わたしたちおともだちにならない?
あかね:え…?
まさみ:それいいね!なろなろ!
あかね:わたしと…ともだちになってくれるの?
たえこ:ええ。あなたさえよければ。
あかね:はい!よろこんで!
ゆず子:じゃあまずはじこしょうかいからかな。わたしはゆず子、よろしくね。
えりな:アタチはえりな!
さゆり:あたしはさゆりよ。
まさみ:まさみだよ!よろしくね!
たえこ:アタイはたえこ。よろしく。
あかね:わ、わたしはあかねっていうの。よ、よろしくね。
ゆず子:そんなにきんちょうしなくてもだいじょうぶだよ。
あかね:だって…ともだちなんてできたことないから。
たえこ:いいのよ。じょじょになれていけば。
まさみ:そうそう。あせんなくてもだいじょうぶ。
えりな:ねぇみんな、せっかくあかねちゃんとおともだちになれたわけだし、これからおしゃべりたいむにしない?
ゆず子:さんせい!
まさみ:わたしも!
たえこ:いいね!いっぱいはなそう!
さゆり:あたしもさんせい!あかねちゃんともっとなかよくなりたい。
あかね:わ、わたしもみなさんとたくさんおしゃべりしたいです。
えりな:おっけー!じゃあおしゃべりたいむすたーと!
あかね:(M)こうしてわたしははじめてはいったこのみせで、とてもすてきなひとたちにめぐりあえたのだった。はじめてのともだち、はじめてのおしゃべりかい…そのすべてがしんせんで、たのしくて、わたしはときがすぎるのもわすれていた。
まさみ:あ、もうこんなじかん。
たえこ:たのしいじかんはあっというまだね。
えりな:それじゃそろそろおひらきにしますか。
ゆず子:そうだね。めっちゃたのしかった。
あかね:わたしも!またみんなとおしゃべりしたいな。
さゆり:いつでもおいでよ。まってるから。
あかね:うん!またくるね!
:-----------------------------
あかね:あー、たのしかった。まさかわたしにこんなにたくさんのおともだちができるなんて…ゆめみたい。
あかね:(M)そう…おもえばわたしはうまれてからずっとひとりぼっちだった。
:
:-------------------回想シーン
あかね:ねぇ、しせつのしょくいんさん。わたしのおとうさんとおかあさんはどこにいるの?
ふとし:【施設職員】
ふとし:あかね、なんどもいわせないでくれ。きみのごりょうしんはね、きみがうまれたあとすぐにじこでなくなったんだ。
あかね:そっか…しんじゃったんだ。
ふとし:さあ、わかったらへやにもどってべんきょうでもしてなさい。
あかね:はい…。
ふとし:(そうだ、それでいい。おまえはここでおとなしくかわれていればいいんだ。)
あかね:〈大人口調で〉『(M)私の本当の名はあかねではない。あかねという名前は施設の職員が付けたものだ。私には幼い頃の記憶がなかった。自分が何者なのか、どこから来たのかさえも分からない。ただ一つ確かなことがあるとすれば、自分が何か特別な存在としてこの世に生を受けた感覚があることだけだ。』
あかね:…このままずっとひとりぼっちなのかな。
:-------------------回想終了
:
さゆり:〈フラッシュバック〉いつでもおいでよ。まってるから。
あかね:わたし、もうひとりじゃないんだ。うふふ…とってもしあわせ。
あかね:〈もう一人の自分の声〉(そうね、みんながあなたのものになればもっとしあわせになれるわよ)
あかね:え?なに?いまのこえ。…きのせい…か。
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
えりな:あかねちゃん、いいこだったね、
まさみ:そうだね。さいしょはおとなしくてさびしそうなかんじだったけどね。
ゆず子:わたしもおもった。かこになにかかなしいことがあったかのような。
さゆり:そうね。でもあたしたちとおしゃべりしてだいぶふっきれたみたいね。
たえこ:うん。またきてくれるといいな。
えりな:そのときはまたみんなでおしゃべりしたいね。
まさみ:うん!もちろん!
ゆず子:はぁ…このままてきがしんりゃくをあきらめてくれたらいいのにな。
たえこ:ほんとそうよね。
まさみ:いっそこっちからせめこんじゃうってのはどう?
さゆり:それはあまりさんせいできないかも。
まさみ:どうして?わたしはこのままうけみのせんとうをつづけていてもきりがないとおもうけどな。
ゆず子:たしかにまさみのいうこともいちりあるきはするけどね。ただ、てきのきぼやせんりょくがわからないじょうたいで、うかつにこちらからせめこむのはきけんだわ。
たえこ:ゆず子のいうとおりね。わたしたちはちきゅうをまもるさいごのとりでなんだから、こうどうはしんちょうにしないとね。それに「えんじぇる・くりすたる」が、くにのかんかつかにおかれているいじょう、めいれいがいのかってなせんとうはゆるされていないしね。
えりな:あー!なんかもどかしいなー!ていうかさ、そもそもさいしょのけっせいだんかいからおかしくなかった?
まさみ:そうそう、なんかわけわかんないままつれてこられてさぁ…。
さゆり:そういやそうだったわね。
:
:-------------------回想シーン
ゆず子:くっ…いったいなんなんですか!
えりな:ほんとほんと!わたし、おしごとのまっさいちゅうだったのに!
たえこ:わたしもまちあるいてたらいきなりつかまってれんこうされたのよ!
さゆり:ちゃんとせつめいしてもらえるんでしょうね?
まさみ:なっとくできないようなりゆうだったらゆるさないからね!
あかね:【5人を連行した人】
あかね:きみたち、ほんとうにすまなかったね。じつはげんざい、きんきゅうじたいがはっせいしていてね、ぜひきみたちのちからをかりたいんだ。くわしいないようはこれからせつめいがあるから、ちゃんときくように。
:------------------部屋の奥から人影が現れる
ゆず子:え?あのひとってまさか…。
まさみ:うん。たぶんそうよね。
たえこ:ゆめ…じゃないわよね?
さゆり:わたし、はじめてみたんだけど。
えりな:ねぇ!なんであなたがここにいるんですか?おしえてください!
ゆず子:おえらいさん!〈同時に〉
まさみ:おえらいさん!〈同時に〉
さゆり:おえらいさん!〈同時に〉
たえこ:おえらいさん!〈同時に〉
えりな:おえらいさん!〈同時に〉
ふとし:【国のお偉いさん】
ふとし:しょくん、てあらなまねをしてもうしわけない。じつは、ちきゅうはいまねらわれている。しょくんらもきいたことがあるだろう?あるひとつぜんひとがかわったかのようにきょうあくになったひとたちのことを。
たえこ:あー、そういえば、にゅーすでいってたかもしれない。
ふとし:そう、まさにそのことだよ。そしてそのげんきょうがこのじんぶつだ。
ゆず子:このひとは?
まさみ:どこかにんげんとはすこしちがうような…。
ふとし:そうだ。このじんぶつは「やみこうていへんげる」といって、まあかんたんにいってしまえばちきゅうをしんりゃくしにきた、いせいじんのおやだまだ。
えりな:やみこうていへんげる…。
たえこ:じゃあこいつがにんげんをきょうあくにかえてるってこと?
ふとし:そのとおりだ。しかもわるいことに、こいつはにんげんのせいかくだけじゃなく、しゅぞくそのものをやつらとおなじにかえてしまう。
さゆり:じゃあ…このままだとちきゅうじんが、ぜんいんいせいじんになっちゃうってこと?
ふとし:ごめいとう。ちきゅうがやつらのてにわたるのもじかんのもんだいということだ。
ゆず子:そんな…じゃあどうしたらいいの?
ふとし:そこで、われわれはやつらがにんげんをつくりかえるしくみをかいせきし、それにたいこうできるしゅだんをかいはつすることにせいこうした。それがこのへんしんぶれすれっとと、くりすたるすーつだ。
まさみ:くりすたるすーつ?なんじゃそりゃ?
ふとし:じつはこのくりすたるすーつには、やつらによってつくりかえられてしまったにんげんをじょうかし、もとにもどすちからがある。しかも、すーつをきることでしんたいきのうやこうげきりょく、ぼうぎょりょくといったせんとうにひつようなのうりょくがおおはばにあっぷするため、やつらにたいしちょくせつこうげきをおこなうこともできる。
えりな:すごいじゃん!じゃあそのすーつをたくさんつくってたたかえば、そいつらをやっつけられるってこと?
ふとし:ふむ…それなんだが、じつはこのすーつはあるとくしゅなほうせきからつくられていてな、いまのてくのろじーでは5つつくるのがせいいっぱいだったのだ。しかもこれはだれでもきれるというわけではなく、すーつにてきごうしたもののみがみにつけることができるようになっている。
たえこ:つまり、そのてきごうしゃってのがアタイたちってこと?
ふとし:そうだ。よくわかったな。
さゆり:そんなのどこでしらべたのよ?
ゆず子:わたし、そんなけんさなんてうけたおぼえないわよ。
ふとし:きみたち、せんしゅうのにようびはどこにいたかおぼえているかな?
えりな:せんしゅうはね、あいどるゆにっと「らぶてぃんくる」のらいぶかいじょうにいたわ。
ゆず子:え?わたしもそのらいぶいってた。
たえこ:アタイも…。
まさみ:まさか…。
さゆり:で、でもあそこでけんさなんてされなかったわよ。
ふとし:ふふふ…かいじょうにはいるまえに、なにかみにつけるようにいわれなかったかな?
ゆず子:ぶれすれっと…そう!ぶれすれっとをつけるようにいわれたわ!
たえこ:まさか…あのぶれすれっとになにかひみつが?
ふとし:そのとおりだよ。あのぶれすれっとにはてきごうしゃだけにはんのうし、そのじんぶつのたいないに「まいくろはっしんき」をちゅうにゅうするきのうがついていたのだ。
さゆり:なるほど…だからぶれすれっとをつけたときにちくっとしたのね。
えりな:それで、アタチたちをどうするつもりなの?
ふとし:きみたちにはこれからこのすーつをきて、われわれがごくひりにけっせいしたとくしゅせんたい「ひかりのせんしえんじぇる・くりすたる」のいちいんとして、やつらとたたかってもらう。
ゆず子:もしことわったら?
ふとし:そのときはしかたないね。たいないのはっしんきからもうどくがぶんぴつされて、いのちをおとすことになるだろうさ。
さゆり:な、なんてひきょうな!
さゆり:〈大人口調で〉『(まさかこのタイミングで「実はドッキリでした~」とかないでしょうね)』
ふとし:わるくおもわんでくれたまえ。これもひみつをまもるためだ。
まさみ:こんなのとてもじゃないけどなっとくなんてできない!
ふとし:なっとくなんてするひつようはないのだよ。ただ、うんめいだとおもってうけいれてくれればいいだけだ。
たえこ:つまりアタイたちにきょひけんはない…と?
ふとし:そういうことになるな。
えりな:わかったわよ!じゃあとっととあいつらぶったおしてやるから、はやくすーつをよこしなさいよ!
ゆず子:ちょっとあなた!なにかってにはなしすすめてるのよ!
えりな:だってきょひしたらしんじゃうんでしょ?だったらやるしかないんじゃない?
まさみ:それは…そうだけど…。
えりな:それに、こんなかわいいすーつきてたたかえるんだもん!なんかひーろーみたいでかっこいいじゃん!
ゆず子:(それがほんねか…。)
たえこ:でもまあ、やるしかないことにかわりはないか!わかった。アタイもやるよ!
さゆり:うう…じゃあ、あたしもやる。
まさみ:まあ…しかたないか。よし!わたしもやるよ!
ゆず子:あなたたち…。わかったわ!わたしもけっしんがついた!やれるだけやってみるよ!
ふとし:ふふふ。ぜんいんかくごはきまったようだな。ではしょくん、げんじこくをもってきみたちをとくしゅせんたい「ひかりのせんしえんじぇる・くりすたる」ににんめいする!かくじ、こころしてにんむにあたるように!
えりな:りょうかい!〈同時に〉
たえこ:りょうかい!〈同時に〉
ゆず子:りょうかい!〈同時に〉
まさみ:りょうかい!〈同時に〉
さゆり:りょうかい!〈同時に〉
:
さゆり:〈大人口調で〉『(ほんとにドッキリじゃなかったんだ…)』
:-------------------回想終了
:
えりな:けっきょくあのあとすーつにみちびかれるままへんしんしたんだけどさ。
ゆず子:まさかわたしがれっどにえらばれるとはね…。どうみても、ぜったいえりながれっどだとおもったのに。
たえこ:まあでも、れいせいちんちゃくなゆず子はれっどにむいてるとおもうよ。
まさみ:そうそう、ねっけつだけがれっどじゃないしさ。
さゆり:あたしもそうおもうわ。ゆず子がせんたいをひっぱってくれているおかけで、なんどもぴんちをきりぬけられたもの。
えりな:そうだよ。だからこれからもよろしくたのむぞ、れっど!
ゆず子:やだ…やめてよ、えりな!
:-------------------全員で笑い合う
:
:
:-------------------(闇帝国本拠地にて)
さゆり:【召使い】
さゆり:へんげるさま、おまたせいたしました。ようやくれいの「しんへいき」がかんせいしました!
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:おそいぞ!めしつかい!なにをもたもたしておったのだ!
さゆり:もうしわけございません。しょうしょう、せいのうてすとにじかんがかかってしまいまして。
ふとし:して、そのしんへいきのじつりょくは、いかほどのものなのだ?
さゆり:〈大人口調で〉『従来の物は拳銃タイプだったため、工作員が対象の人間に接触する必要がありました。しかも目の前にいる一人の人間に対してしか闇の種子を埋め込むことができないという効率の悪さが最大の弱点でした。しかし今回の新兵器はロボットタイプのため工作員を必要としません。しかもこれは自由に空を飛び回り、心の*隙間《すきま》ができた人間を自動で感知し上空から複数の人間に対して種子をばら*撒《ま》くことができるため、より効率的に人間を*闇人化《やみびとか》することができます。地上部隊が街で騒動を起こし人々に心の*隙間《すきま》を作ることが出来れば、あとはこの兵器が自動でやってくれますわ。』
ふとし:しかしもんだいは、「えんじぇる・くりすたる」だ。やつらのたかいしんたいのうりょくなら、じょうくうにいるこいつといえど、すぐにうちおとされてしまうのではないか?
さゆり:ごあんしんを。このへいきには、やつらのうごきをとめるとくしゅな「ねんちゃくねっと」をはっしゃすることができるようになっています。また、えんきょりからのこうげきにもたえられるよう、「ぼうぎょばりあ」もかんびしております。
ふとし:ほう…それはたのもしいな。ではつぎのさくせんにたいりょうとうにゅうするのだ!
さゆり:ははっ!
ふとし:ふふふ…これでしんりゃくさくせんをおおきくぜんしんさせることができる。まっていろ!「えんじぇる・くりすたる」!
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
あかね:こんにちは!きょうもきたよー!
ゆず子:あかねちゃんいらっしゃい!
えりな:きょうはあかねちゃんのために「すぺしゃるくっきー」をやいたんだ!
あかね:え!ほんと?うれしい!!
たえこ:みんなでたべよ!
まさみ:わー!たのしみ~!
あかね:(M)わたしがざっかや「えんじぇる」にかようようになって、はんとしがすぎようとしていた。わたしにとって、このおみせでだいすきなみんなとすごすじかんだけが、わたしにやすらぎといきるきぼうをあたえてくれた。
さゆり:あかねちゃんどうしたの?ぼーっとして。
あかね:ん?あー…なんでもないの。わたし、しあわせだなぁっておもってさ。
まさみ:きゅうにどうちゃったの?しんみりしちゃって。
あかね:わたしね、いままでずっとひとりぼっちだったから、こんなふうにおしゃべりして、わらいあえるおともだちができたことがうれしくて。
ゆず子:そうだったの。
あかね:ねぇ、みんな。これからもずっとわたしのたいせつなおともだちでいてくれる?
たえこ:なにいってんのよ、そんなのあたりまえにきまってるじゃない。
えりな:これからもアタチたち、ずっとずーっとともだちだよ!
ゆず子:もうあかねちゃんにさびしいおもいはさせないからね。
あかね:うう…ありがとう。とってもうれしい…。
まさみ:ほらほら、もうなかないの。かわいいかおがだいなしだぞ。
あかね:うん。えへへ…。
さゆり:さぁ、みんなでくっきーたべましょう。
:-------------------(突然、警報と共に出動命令が下る)
ゆず子:!?(しゅつどうめいれい?こんなときに?)
たえこ:!?(ばしょはこのみせのすぐそばだわ!)
まさみ:!?(でも…あかねちゃんをおいてはいけないし)
さゆり:!?(いったいどうしたら…)
えりな:!?(しかたない)あかねちゃん、いまちかくでばくはつじこがおきたらしくて、ここはきけんだからアタチとひなんしましょう。
あかね:え?ばくはつじこ?
えりな:そうよ。ほかのみんなにはこれからようすをみにいってもらうから、さきにアタチたちだけでいきましょう!
あかね:え…でも。それじゃゆず子ちゃんたちがあぶないんじゃ…。
ゆず子:わたしたちならだいじょうぶよ!こうみえてきたえてるから!
たえこ:そうよ、だからここはアタイらにまかせてはやくにげて。
まさみ:またみんなでおしゃべりしよ!
さゆり:まってるね!
あかね:みんな…わかった。みんなもきをつけて!
えりな:さ、いきましょ。
あかね:うん。〈えりなと避難する〉
:
ゆず子:よし…みんな!しゅつどうよ!
たえこ:おうよ!
まさみ:ひさびさのせんとうかぁ!うでがなるぜ!
さゆり:いきましょう!
:
:-------------------(戦闘現場にて)
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:ふははは!これはゆかい!しんへいきのおかげでこんなにもたやすく「やみびとか」できるとは!このちょうしでいっきにしんりゃくしてくれるわ!
ゆず子:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
ゆず子:〈大人口調で〉『赤い炎で焼き尽くす!光の戦士!クリスタル・レッド!!』
まさみ:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
まさみ:〈大人口調で〉『青い水は全てを飲み込む!光の戦士!クリスタル・ブルー!!』
たえこ:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
たえこ:〈大人口調で〉『黄色い*稲妻《いなずま》で*痺《しび》れなさい!光の戦士!クリスタル・イエロー!!』
さゆり:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
さゆり:〈大人口調で〉『紫の毒に*溺《おぼ》れるがいい!光の戦士!クリスタル・パープル!!』
ふとし:まっていたぞ!えんじぇる・くりすたる!おや?ひとりたりないみたいだが?
ゆず子:あなたたちなんて4にんでじゅうぶんよ!
ふとし:ふふふ…そのいせい、いつまでもつかな?
まさみ:とっととかかってきなさい!
たえこ:まえみたいにおっぱらってやるんだから!
ふとし:それはどうかな?ゆけ!しんへいき「へるかいざー」!
さゆり:なっ!そらから?それなら!とう!〈大きくジャンプする〉
さゆり:ぱーぷるきーっく!!〈強力なバリアに阻まれる〉
さゆり:くっ!ばりあにじゃまされてこうげきがあたらない!
ふとし:ふふ…ざんねんだったな。これでもくらえ!
さゆり:〈粘着ネットに包まれる〉
さゆり:なっ!なにこのねっと!やばい、うごけない…おちる!きゃー!!〈地面に落下する〉
ゆず子:ぱ、ぱーぷるだいじょうぶ?このねっと、ねばねばしててはずれない…
まさみ:れっどはそのままぱーぷるのきゅうしゅつを!そらのあいつはわたしたちでやるから!くりすたるうぉーたーすぷらーっしゅ!
まさみ:〈空中の敵を浄化の大波が飲み込む〉
ふとし:ふっ…そのていどのこうげきなどきかぬわ!
たえこ:か~ら~の~!くりすたるらいとにんぐいんぱくと!〈水を伝って浄化の雷の電気が敵を襲う〉
ふとし:なっ!われらが「へるかいざー」がつぎつぎとこうどうふのうに!ばかな!こうさくいんとちがってじょうかされないはずなのに!
たえこ:ばかはそっちよ!じょうかはされなくてもきかいはでんきによわいのよ!
ふとし:うぬぬ…おのれ!へるかいざー!いえろーをねんちゃくねっとでうごけなくするんだ!
たえこ:こうげきがくるとわかっていれば!よっと!〈粘着ネットをかわす〉
たえこ:よけるのはかんたんなのよ!おかえしよ!くりすたるらいとにんぐいんぱくと!〈上空のヘルカイザーに無数の雷が落ちる〉
ふとし:くっ!われらがしんへいきがこうもあっさりと!
ゆず子:れっどばーにんぐぱーんち!
ふとし:ぐああ!〈レッドの攻撃をまともに受ける〉
ふとし:お、おまえがなぜここに?なかまをたすけにいったんじゃないのか?
ゆず子:へっへーん!
さゆり:そんなもの、わたしのどくでとっくにとかしましたわよ!
さゆり:くりすたるひーりんぐしゃわー!!〈浄化のシャワーがヘンゲルを襲う〉
ふとし:なんの!〈パープルの攻撃をかわす〉
ゆず子:そこだ!ふぁいやーきーっく!
ふとし:がはぁ!!〈レッドの攻撃をまともに受ける〉
ふとし:れ、れんけいこうげきだと!!なめるなぁ!!だーくねすすとーむ!〈闇の強風が二人を襲う〉
ゆず子:きゃぁぁぁ!!
さゆり:きゃぁぁぁ!!
:
えりな:(あっちはいよいよやばそうね。)あかねちゃん、あとはひとりでにげられる?
あかね:うん。だいじょうぶ。えりなちゃんもいくの?
えりな:うん。みんなをたすけないと。
あかね:ねぇ、えりなちゃん。さっきばくはつじこがあったって、あれうそだよね?ほんとはみんな、わるいひとたちとたたかってるんでしょ?
えりな:え…それは…。
あかね:わたし、まえにみんながたたかってるとこ、ぐうぜんみちゃったんだ。
えりな:きづかれてたのね…。そうよ。わたしたちはわるいやつらからちきゅうをまもるひーろーなの!ふだんはざっかやではたらいてるけど、てきがおそってきたときはこんなふうにしゅつどうしてたたかうの。
あかね:そうなんだ。なんかかっこよくてあこがれちゃうな。
えりな:でしょでしょ!しかもね…〈あかねの耳のそばで小声で〉
えりな:〈大人口調で〉『びっくりするくらいお給料も高いのよ。』
あかね:あはは…みょうにりあるだね。
えりな:ってなわけだから、アタチもちょっくらいってたおしてくるわ。
あかね:えりなちゃん、しなないでね。
えりな:だいじょうぶ!アタチこうみえてつよいから!
えりな:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
えりな:〈大人口調で〉『緑の風であなたに癒しを!光の戦士!クリスタル・グリーン!』
えりな:じゃあいってくるわね!
あかね:うん!〈えりなが現場に向かう〉
:
あかね:いっちゃった…。はぁ…こんなたたかいはやくおわればいいのに。
あかね:〈もう一人の自分の声〉(わたしがちからをかしてあげましょうか?)
あかね:(!?…またあのこえ!)ねぇ!だれなの?
あかね:〈もう一人の自分の声〉(ふふふ…わたしはあなた。)
あかね:あなたは…わたし?わたしはいったい…。
あかね:〈もう一人の自分の声〉(あなたのほんとうのなまえはね…)
:
:-------------------(戦闘現場にて)
たえこ:くっ!つぎからつぎへと!これじゃきりがないじゃない。
まさみ:いえろー!あぶない!
たえこ:しまった!〈粘着ネットに捕まる〉
たえこ:なんだ…このねっとは。みうごきができない…。
まさみ:まってて!いまたすけるから!きゃあ!〈粘着ネットに捕まる〉
まさみ:く、くそ。わたしもねっとに…ちっ!ゆだんした。
ふとし:…ようやくじゃまなふたりのうごきをふうじたか。へるかいざーよ!いまのうちにしんりゃくをすすめるのだ!
えりな:くりすたるろーりんぐとるねーど!〈浄化の竜巻が上空の敵を巻き込んでいく〉
まさみ:あれは!ぐりーん!
たえこ:きてくれたんだね!
えりな:まにあってよかった。ふたりとも、すこしじっとしてて!ういんどうかったー!〈二人の粘着ネットが切断される〉
まさみ:ふぅ…たすかった。
たえこ:ありがとう!これでまたたたかえるわ!
えりな:いきましょう!
ふとし:おのれ…くりすたる・ぐりーんめ!いいところでじゃまをしおって!
えりな:れっど、ぱーぷる、だいじょうぶ?
ゆず子:う、うう…なんとか。
さゆり:そ、それより…てきのうごきは?
えりな:だいじょうぶ。あっちはアタチがなんとかしといたよ。
ゆず子:さすがぐりーんね!
さゆり:おそらのてきも、たつまきにはかなわなかったようね。
ふとし:〈大人口調で〉『何ということだ!せっかく投入した新兵器も大して役に立たんではないか!地上の工作員も大半が浄化されてしまった。ええい!かくなる上は俺自らの手で葬ってくれるわ!』
ゆず子:いくわよみんな!これがさいごのたたかいよ!
まさみ:いままでさんざんやらかしてくれたぶん、ここできっちりおかえししないとね!
えりな:そのとおりだわ!さぁて!かくごしなさい!
さゆり:あいつをたおしてすべてをおわらせるのよ!
:〈ただならぬ気配を感じる〉
たえこ:まってみんな!あそこにいるのって…まさか。
ゆず子:あ、あかねちゃん!?
まさみ:うそ…ひなんしたはずじゃ…。
さゆり:とにかく、ここからひなんさせないと。
えりな:アタチ、いってくる!〈あかねの元に駆け寄る〉
:
えりな:あかねちゃん!こんなところにきちゃだめじゃない…って、あかねちゃん?
あかね:ふふふ…あなた、だれのことをいってるのかしら?
えりな:えっ?でもあなたあかねちゃん…よね?
あかね:〈大人口調で〉『*妾《わらわ》は*闇人《やみびと》の*始祖《しそ》にして、全ての始まりの存在「女帝レイア」』
えりな:うそ…。
あかね:〈大人口調で〉『ほう…。*妾《わらわ》が貸し与えし宝玉は見事に育っておるようじゃの。』
えりな:ほうぎょく…?ってまさか、くりすたるすーつの?
あかね:〈大人口調で〉『そうじゃ。たっぷりと闇の養分を吸収して充分に満たされておる。良きかな、良きかな。』
えりな:あなた、なにをいってるの?だれだかわかんないけど、あかねちゃんのからだからでていきなさい!
あかね:〈大人口調で〉『ほう…これは妙なことを言う。あかねは*妾《わらわ》が力を蓄えるまでの仮の器に過ぎぬ。この女帝レイアが復活した今、もはや用済みなので消えてもらったわ』
えりな:あんた!ぜったいにゆるさない!はぁぁ!!くりすたるろーりんぐとるねーど!!
えりな:…え?なんでなにもでないの?
あかね:〈大人口調で〉『じゃから言ったであろう。そのスーツの宝玉は*妾《わらわ》の一部じゃったと。さて、充分熟したことじゃし、そろそろ花開かせてやるかの。それ!』
えりな:え?〈グリーンの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しグリーンを包み込む〉
えりな:〈大人口調で〉『(きゃぁぁぁ!!何なのよこれ?宝玉から闇が吹き出して、アタチを包み込んでいく!…ふぁぁ…とっても気持ち良いの…。)』
あかね:〈大人口調で〉『ほう!良き良き!さぁ、*妾《わらわ》にその美しい花を見せておくれ。』
えりな:(あぁ…やみが…アタチのなかにはいってくる…。)〈闇がえりなに全て吸収される〉
あかね:〈大人口調で〉『気分はどうじゃ?』
えりな:うふふ…。れいあさまぁ♡とってもそうかいですわ!〈レイアの元に膝まづく〉
ゆず子:えっ?ぐりーん!?
まさみ:どうしちゃったのよ!
えりな:どうもしてないわよぉ♡ただ、アタチはれいあさまのしもべとしてうまれかわっただけよ。
さゆり:しもべって…いったいどういうことなの?
たえこ:くっ…あなた、ぐりーんになにをしたの?
あかね:〈大人口調で〉『別に何もしてはおらぬ。少し開花を手伝っただけじゃ。ほれ、こんな風にの!』
たえこ:ひゃ!〈イエローの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しイエローを包み込む〉
たえこ:〈大人口調で〉『(えっ!?なに?闇がアタイの周りに満ちていく!…あ、あぁ…でも、闇に包まれてると…何だかとっても…心地良いの…。』
あかね:〈大人口調で〉『さぁ、お主も花開くが良い。』
たえこ:(…やみがどんどんながれこんでくる!はぁぁ…なんてすてきなの…♡)〈闇がたえこに全て吸収される〉
あかね:〈大人口調で〉『…さぁお主の花も見せておくれ。』
たえこ:れいあさま♡アタイをみちびいてくださりかんしゃいたします。〈レイアの元に膝まづく〉
あかね:〈大人口調で〉『うふふ、それで良いのじゃ。さて、次はどいつじゃ?』
ゆず子:いえろーまで!?あぁ…なんてこと…。
まさみ:そんな…。いえろー!しっかりしてよ!
たえこ:うふふ。あなたもはやくれいあさまのしもべになりなさいな。
ふとし:〈大人口調で〉『一体何が起きているというのだ。エンジェル・クリスタルが次々とあの少女の配下になっているように見えるのだが。何にせよ、今がチャンスだ!全軍!作戦を続行する!』
あかね:〈大人口調で〉『(やれやれ…ヘンゲルめ、余計な真似をしおって。)』
さゆり:おねがい!あかねちゃん!ふたりをもとにもどしてよぉ!
あかね:〈大人口調で〉『まだ分からぬようじゃの。それならば…ふん!〈たえこがプレゼントしたネックレスを引きちぎる〉
あかね:このネックレスはそなたたちからプレゼントされた物なのじゃろう?』
ゆず子:あ、ああ…!!
まさみ:あかねちゃんのたいせつなねっくれすがこなごなに…。
さゆり:そんな…ひどい…。
あかね:〈大人口調で〉『ふふふ…あははは!!その顔じゃ!絶望に満ちたその顔が見たかったのじゃ!』
ゆず子:あなた…ぜったいにゆるさないから!
まさみ:いくよ!ふたりとも!
さゆり:うん!
えりな:あら、アタチたちがそんなことゆるすとおもって?
たえこ:れいあさまをきずつけようとするものは、だれであろうがようしゃしない!
あかね:〈大人口調で〉『良い機会じゃ、パープルとブルーは二人に任せる。*妾《わらわ》はレッドの相手をするとしよう』
:
:-------------------(闇帝国本部にて)
ふとし:ふふふ…よきせぬじゃまがはいったが、これでじゅんちょうにしんりゃくをすすめられる。なぁ、めしつかいよ。
さゆり:【召使い】
さゆり:そうですわね。でも…あんがいそうもいきませんの。
ふとし:ん?どういうことだ…ぐっ!!〈召使いにナイフで刺される〉
ふとし:なっ!なんのまねだ!
さゆり:うふふ…まだおきづきになりませんの?〈姿形が変化していく〉
ふとし:はっ!おまえは…まさか!?
あかね:〈大人口調で〉『そうじゃ、こやつは*妾《わらわ》の分身での、姿を変えてお前の元に忍ばせておいたのじゃ。全く、侵略などとよくも勝手な真似をしてくれたな。』
ふとし:な、なんだと?
あかね:〈大人口調で〉『まあ良い。いずれ全ては*妾《わらわ》の物になるのじゃ。』
ふとし:どういう…ことだ?
あかね:〈大人口調で〉『*妾《わらわ》は*闇人《やみびと》の*始祖《しそ》にして、全ての始まりの存在「女帝レイア」。お前の全ては*妾《わらわ》が食ろうてやるわ。(ガブっ!)』〈ヘンゲルの首に噛み付く〉
ふとし:ぐぁ!!
ふとし:〈大人口調で〉『(な、なんだ!?噛み付いた所から俺がこいつに吸収されていく!)』
ふとし:やめろ!やめてくれ!おれはまだしにたく…。〈レイアに全て吸収される〉
あかね:(ペロリ)〈舌なめずり〉
あかね:〈大人口調で〉『ふふふ…。安心せい。お前は*妾《わらわ》の中で永遠に生き続けるがよいわ。』
:
:-------------------(戦闘現場にて)
まさみ:ぐりーん…いや、えりな。さいごにもういちどいうわ。そこをどいて!そしていつものあかるいえりなにもどって!
えりな:う…うう!…ま、まさみ…。〈突然胸を押さえてうずくまる〉
まさみ:え、えりな!?だいじょうぶ?〈えりなの元に駆け寄る〉
えりな:はぁ…はぁ、まさみ、よくきいて。
まさみ:うん!なに?(まさか、わたしのこえがとどいたの?)
えりな:あのね…。
まさみ:なっ!〈えりなに羽交い締めにされる〉
まさみ:は、はなして!なんなのよ!
えりな:あははは!!まさみ、あなたほんとうにおひとよしね!あんなみえすいたしばいにだまされるんですもの!
まさみ:えっ?まさか、さいしょからそのつもりで!
えりな:そのとおりよ!それじゃあ、あなたにもたいけんさせてあげるわ!やみのちからのすばらしさをね!それっ!
まさみ:あっ!〈ブルーの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しブルーを包み込む〉
まさみ:〈大人口調で〉『(あぁぁぁ!!闇が私の胸から*溢《あふ》れ出していく!!…えっ?…何、この感覚?闇に包まれているのに…心が安らぎで満たされていく…はぁ♡)』
えりな:これであなたもアタチたちのなかまよ♡
まさみ:(わたしがじょじょにやみにそまっていくの…いいわぁ♡)〈闇がまさみに全て吸収される〉
えりな:まさみ、きぶんはどう?
まさみ:うふふふ…なんてすがすがしいのかしら!さいこうのきぶんだわ!
えりな:ともにれいあさまにおつかえしましょう。
まさみ:ええ、よろこんで!
:
たえこ:ねぇ、どうしたの?さっきからぜんぜんこうげきしてこないけど?
さゆり:だって…あたし、たえこのこときずつけるなんてできない!
たえこ:そう…でもわたしはできるわよ!っと〈さゆりの腹を蹴る〉
さゆり:ぐぁ!
たえこ:ほらほら!どうしたの!〈さゆりの顔を殴る〉
さゆり:きゃあ!〈その場に倒れる〉
たえこ:もうおしまい?つまんないわね。
さゆり:ど、どんなになぐられても…たえこはわたしのたいせつななかまだから。
たえこ:さゆり…。〈近づいて行って後ろからそっと抱きしめる〉
さゆり:え…?
たえこ:ありがとう…さゆり。ごめんね。なぐったりして。
さゆり:た、たえこ…もしかしてあなた…。
たえこ:アタイがあなたをすてきなせかいへつれてってあげるからね!えいっ!〈さゆりを強く抱きしめる〉
さゆり:なっ!〈ブルーの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しブルーを包み込む〉
さゆり:〈大人口調で〉『(なに?何なのこれ!?吹き出した闇があたしをどんどん*覆《おお》っていく!…なんかふわふわして…とっても…気持ち良い…。)』
たえこ:もうすぐよ、さゆり。
さゆり:(あたしのこころが、まっくろいものでみたされていくの…ふぁぁ♡)〈闇がさゆりに全て吸収される〉
たえこ:さゆり、ようこそみわくのせかいへ。
さゆり:すてきだわぁ!なんのきょうふも、うしろめたさもかんじないの!あははは!
たえこ:それはよかった。さぁ、あなたもわたしといっしょにれいあさまをおまもりするのよ。
さゆり:ええ。このいのち、あのおかたにすべてささげるわ!
:
あかね:〈大人口調で〉『さて、ブルーとパープルは堕ちたようじゃな。残るはお主だけじゃが…どうする?』
ゆず子:くっ…。わたしはひとりでもたたかうわ!だってわたしは、せかいをまもるひーろーだから!
あかね:〈大人口調で〉『ほう、それは頼もしいことよの。じゃあそんなお主に良い知らせがある。ほれ、話してみよ。〈ゆず子に通信機を渡す〉』
ゆず子:つうしんき?もしもし…?
ふとし:【国のお偉いさん】
ふとし:〈大人口調で〉『〈通信〉光の戦士クリスタル・レッドよ。今までご苦労であった。おめでとう!君は任務を見事*完遂《かんすい》したのだ!』
ゆず子:え…?なにをいってるんですか?おえらいさん、いまめのまえにさいだいのてきがいるんですよ!
ふとし:〈大人口調で〉『〈通信〉実はな、君たちエンジェル・クリスタルの任務は闇帝国と戦うことではない。』
ゆず子:は?どういうことですか?
ふとし:〈大人口調で〉『〈通信〉君たちの本当の任務は、器である「あかね」という少女を闇帝国の侵略から守り抜き、女帝レイア様を復活させることにあったのだ。』
ゆず子:そ、そんな…。
ふとし:〈大人口調で〉『〈通信〉君たちには心から礼を言おう。これで安心して地球をレイア様に明け渡せるというものだ。ありがとう!そしてさらばだ!』〈通信切れる〉
ゆず子:じゃあ…わたしはいままでなんのためにたたかってきたの?
あかね:〈大人口調で〉『悔しいのぅ、悲しいのぅ。*妾《わらわ》はお主の心の叫びが痛い程分かるぞえ。』
ゆず子:う、うう…うわぁぁん!!わたしたち、こんなにがんばったのに!こんなのってひどすぎるよ!!あぁぁぁ!!〈号泣する〉
あかね:〈大人口調で〉『そうじゃな。お主らはこの地球を守るために本当によく頑張った。お主らこそ、本物のヒーローじゃ。』
ゆず子:ぐすん…えっ…?
あかね:〈大人口調で〉『じゃが全てはもう終わったのじゃ。戦士よ、今度は*妾《わらわ》がお主を癒してやろうぞ。ほれっ!』
ゆず子:え…?〈レッドの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しレッドを包み込む〉
ゆず子:〈大人口調で〉『(あ、あぁ…私の宝玉からどんどん闇が湧き出してきて、私を優しく包み込んでいく…はぁぁ…なんて幸せなの…。)』
あかね:〈大人口調で〉『闇によって身も心も癒されるがよい。』
ゆず子:(わたしのきずついたこころにやみがしみこんでいく…ふぁぁ♡…わたし、いまとってもあいされてる…)〈闇がゆず子に全て吸収される〉
:
:-------------------(数日後)
あかね:〈大人口調で〉『*妾《わらわ》の元に集いし5人の戦士たちよ。共にこの宇宙を支配しようぞ。』
ゆず子:〈大人口調で〉『レイア様、命尽きるまでお供いたします。』
まさみ:〈大人口調で〉『この命、レイア様に捧げます。』
たえこ:〈大人口調で〉『レイア様の進む道は我々が照らして差し上げますわ。』
えりな:〈大人口調で〉『この身に替えてもレイア様をお守りいたします。』
さゆり:〈大人口調で〉『レイア様のためなら死すらも恐れませんわ。』
あかね:〈大人口調で〉『良きかな、良きかな。ふふふ…あはははは!』
:
ゆず子:(M)こうしてせかいは、やみによってかんぜんにしはいされた…。
:
:【究極の「ヒーローごっこ」終了】
:
えりな:おつかれさまでした!
ゆず子:いやー!ながかったねー!
まさみ:ほんとほんと!ちょうたいさくだったね!
さゆり:でもめっちゃやりがいがあった!
たえこ:ふとしくん、あかねちゃん、二人はどうだった?
ふとし:お…。
ゆず子:お?
ふとし:めっちゃたのしかった!!
ゆず子:(さっきの「お…」はなんだったの?)
ふとし:なぁ、あかね。おまえもそうおもうだろ?
あかね:…。
ふとし:あかね…?
あかね:おぬし、だれにくちをきいておるのじゃ?
ふとし:は?
さゆり:ちょ、ちょっとあかねちゃん?
えりな:まさか、まだやくがぬけていない…とか?
あかね:わらわはうちゅうのちょうてんにたつそんざいなり。あだなすものはようしゃせぬぞ!
たえこ:あちゃー…これはかんぜんにひょういされちゃってるね。
まさみ:ねぇ…どうすんの?これ?
ゆず子:はぁ…こうなったらしかたない…。
:
ゆず子:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
まさみ:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
たえこ:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
えりな:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
さゆり:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
ふとし:え…おれも?
あかね:ええーい!きさまだけはゆるさぬ!かくごしろ!
ふとし:ぎゃぁぁぁ!!
たえこ:(これ…かんぜんにたちばぎゃくてんしてるわね…。)
:
ナレーション:こうして、長きに*亘《わた》る血で血を洗う戦いは平和的解決を迎えた。だがしかし!女児たちのお*戯《たわむ》れはこれからも飽きることなく続くのであった。
:
:~完~
タイトル:【Full ver.】劇場版!女児たちのお*戯《たわむ》れ
:
登場人物:
まさみ:さくら組の幼稚園児。少しお転婆な女の子。【光の戦士クリスタル・ブルー役】
ゆず子:いちご組の幼稚園児。しっかり者でお姉さんタイプの女の子。【光の戦士クリスタル・レッド役】
えりな:もも組の幼稚園児。少し幼い感じの女の子。【光の戦士クリスタル・グリーン役】
たえこ:ひまわり組の幼稚園児。元気いっぱいの女の子。【光の戦士クリスタル・イエロー役】
さゆり:ばら組の幼稚園児。優しくて真面目な性格の女の子。【光の戦士クリスタル・パープル役(兼役/召使い役)】
ふとし:たんぽぽ組の幼稚園児。あかねと同じクラスでガキ大将的存在だが、実は寂しがり屋な一面もある。【闇皇帝ヘンゲル(兼役/国のお偉いさん役)】
あかね:たんぽぽ組の幼稚園児。大人しい性格で人見知り。【謎のヒロイン役(兼役/ヒーロー編の5人を連行する人役)】
ナレーション:どなたかが兼役で読んでください。
民衆:ゆず子、えりな、たえこ、あかね役の方が演じてください。
:
:『』のセリフ以外は基本的に幼稚園児の声で演じてください。
:(M)はモノローグ(独白)、〈〉はト書き、()は心の声です。
:
本編:
ナレーション:これは、とある幼稚園を舞台にした仲良し女児5人組が織り成すハートフルコメディの「劇場版」である。
:
:-------------------
あかね:ゆず子ちゃん、ちょっとそうだんにのってくれる?
:
:-------------------(とある日のお昼休み)
ゆず子:ねぇみんな、ちょっといいかな?
えりな:ん?ゆず子ちゃんどうしたの?
まさみ:なになに?
たえこ:なんでもきくよ。
さゆり:なにがあったの?
ゆず子:みんなありがとう。じつはね…さ、はいって。〈あかねが入ってくる〉
あかね:うう…。
ゆず子:このこね、たんぽぽぐみのおともだちなんだけど、さいきんつきまとってくるおとこのこがいるらしくてちょっとこまってるんだって。
あかね:おねがい、たすけてほしいの…。
えりな:えっ?もしかしてすとーかー?
ゆず子:ううん…すとーかーじゃないんだけどね。ことあるごとにからんでくるらしくて、しつこいんだって。
たえこ:それはたいへんだね。ちなみにそのおとこのこってだれなの?
あかね:おなじくらすの「ふとしくん」…。
まさみ:あ!そのこわたししってる!がきだいしょうでしょ?
あかね:そう。
さゆり:あたしもきいたことある。いろんなひとにからんでるってうわさだよね。
あかね:うん。もうげんかいなの…。
たえこ:うんうん。わかるよ。あ!あれってもしかしてふとしくんじゃない?
あかね:え…どうしよう。こっちにくるよ…。
ゆず子:だいじょうぶ。わたしたちがあかねちゃんをまもるからあんしんして。
さゆり:そうだよ。あたしたちにまかせて。あかねちゃんはかくれてて。
あかね:うぅ…ありがとう。
ふとし:おいおまえら!さっかーしようぜ!お!あかねじゃねぇか。きょうおまえぼーるな!
あかね:い、いや。はなしかけないで!
ふとし:ははは!てれるなって。
あかね:うう…。
まさみ:やめなさいよ!あかねちゃんいやがってるじゃないの!
ふとし:じゃあおまえぼーるな!
まさみ:うっ!いやよ!
たえこ:ねぇ、あんた。
ふとし:あ?なんだよ?
たえこ:そんなにアタイたちとあそびたいの?
ふとし:べ、べつに。そんなんじゃねぇし。
たえこ:ふーん。アタイはあそんであげてもいいよ。
ゆず子:え…?たえこちゃん…?
ふとし:ほんとか!じゃあおまえぼーる…
たえこ:〈被せて〉いっとくけど、さっかーはやらないよ。
ふとし:じゃ、じゃあなにしてあそぶんだよ。
たえこ:そうねぇ、せっかくだし「ひーろーごっこ」なんてどうかしら?
ふとし:お!いいじゃねーか!じゃあおれひーろーな!
たえこ:まあ、まちなさいな。おちついて。
ふとし:な、なんだよ。
たえこ:ただのひーろーごっこなんてつまんないじゃない。ね、みんな?
えりな:そうそう。どうせならみんなでとっておきのやつやろーよ。
まさみ:ふふふ…そうね。
さゆり:とってもたのしみ!
ゆず子:ねぇ、あかねちゃんもいっしょにやろ!
あかね:で、でも…。
ゆず子:だいじょうぶよ。わたしたちもついてるから。
あかね:じゃ、じゃあ…わたしもやる。
ふとし:それで、なにがちがうんだよ。つまんなかったらおまえらぜんいんあしたからおれのぼーるだからな!
たえこ:いいわよ。ぼーるでもなんでもなってあげるわ。ただし、おもしろかったらこれからあかねちゃんにつきまとわないこと。わかった?
ふとし:わかったからはやくせつめいしろよ!
たえこ:はいはい。もう、せっかちさんね。
たえこ:〈急に大人口調になって〉『「ごっこ遊び」…それは誰しも人生において一度は経験する最もポピュラーな遊びと言っても過言ではないわ。その中でも「ヒーローごっこ」は個人の演技力の良し悪しが直接その世界観に影響を及ぼすことから、一度踏み込んだが最後、誰一人としてエンディングまで気を抜くことは許されない究極の耐久エンターテインメントショーよ。』
ふとし:そ、そんなおおげさな。
ゆず子:おおげさじゃないよ。
ゆず子:〈急に大人口調になって〉『思い返してみなさい。君が今までやってきた「ヒーローごっこ」を。登場シーンのポーズと名乗り*口上《こうじょう》ばかりにこだわって、それ以降のプランを全く考えていない無計画ヒーロー、不本意な役を押し付けられ、渋々それっぽいセリフと動きをするやる気なし怪人、何となくその場にいるだけのガヤともモブとも言えない中途半端で無関心なギャラリーたち…開始直後こそそれっぽい雰囲気にはなるものの、ヒーロー登場以降はただ意味もなく「ぐはっ!」だの「うぎゃー」だの叫びながらお互い殴り合うだけのグダグダなストーリー展開。果たしてこれを*真《しん》の「ヒーローごっこ」と呼べるだろうか!*否《いな》!私は断じて認めない!』
ふとし:お、おまえらただのあそびになにまじになってんの?ばかじゃねぇか?
まさみ:ふーん。「ただのあそび」ねぇ…。
まさみ:〈急に大人口調になって〉『私はとても残念だよ。君も遊びに全力を傾けられない人間の一人なんだね。もっと周りを見てみなさい。きっと思い知ることになるわ。世の中にどれだけ君のような「もったいない」人間が*溢《あふ》れているかをね。人間はね、遊びがあるから日々を充実して生きられるの。「遊びこそ人生」と言っても良いくらいよ。そして過去の歴史を*紐解《ひもと》いてみても人類の進化に遊びが密接に関わってきたことは言うまでもない事実。ふとしくんと言ったわね。君は今、私達と遊ぶ機会を得た。それはつまりアダムとイブが禁断の果実の味を知ることと同じ。この瞬間から君はもうちっぽけなガキ大将ではいられなくなるのよ。うふふ…あなたはどんな風に変わっていくんでしょうね。楽しみだわ♡』
ふとし:び、びびらせようたってそうはいかないんだからな!さっさとつづきをせつめいしろよ!
たえこ:わかったわ。
たえこ:〈大人口調で〉『で、ここからが本題なんだけど、*巷《ちまた》に*溢《あふ》れる既存のヒーローごっこに圧倒的に不足している要素は何か…。それは先に述べた個々の演技力はもちろんだけど、それにも増して足りないのは世界観を形作るのに必要な重厚なストーリー…つまり脚本よ。それも戦闘シーンの一部を切り取っただけの薄っぺらい物ではなく、ヒロイン、怪人、ヒーローそれぞれの登場人物の生い立ちや背景、人間関係はもちろんのこと、最終的に戦うに至るまでの壮大なストーリーが必要だわ。そうねぇ…具体的には「メインストーリー」の他にそれぞれ「ヒロイン編」、「怪人編」、「ヒーロー編」、の3つのサイドストーリーが必要ね。そして脚本の次に大事なことは、その脚本に描かれた世界観にどれだけ演者が入り込めるか、これが重要な鍵となるわ。ヒーローごっこはね、それぞれに課された役割に沿ってキャスト全員で作り上げる共同作業なの。誰か一人が目立とうなどと浅はかな行動に出た時点で、それまで築き上げてきた世界は一瞬で崩壊するわ。各自これだけは肝に銘じておくように。』
あかね:わたし…できるかな。
たえこ:だいじょうぶよ。だいじなのはたのしむことよ。
あかね:わかった!ありがとう、たえこちゃん!
たえこ:あなたもわかった?
ふとし:お、おう。
ゆず子:じゃあさ、いつもどおりすとーりーかんがえていこっか。
えりな:はいはーい!めいんすとーりーかんがえたよー!
さゆり:わぁ!もうできたの?さすがえりなちゃんだね!
えりな:えへへ。こういうのはぱっとおもいつくんだ。じゃあきいててね。
えりな:〈急に大人口調になって〉『(M)時は2050年。これはそう遠くない未来の話。平和の裏側でひっそりと進行する謎の計画があった。その名も「全人類*闇人化《やみびとか》計画」これは闇皇帝ヘンゲルによる地球侵略作戦のことで、人間の心の*隙間《すきま》に闇の種子を埋め込むことで人間を*闇人《やみびと》に作り変えてしまうという恐ろしい物であった。闇皇帝ヘンゲルは街に工作員を送り込み、一人、また一人と人間を洗脳し*闇人化《やみびとか》することで、外側からではなく内側から世界を乗っ取ろうと*目論《もくろ》んでいた。そんな中、事態を重く見た国の上層部たちは、打開策として*極秘裏《ごくひり》に特殊戦隊「光の戦士エンジェル・クリスタル」を結成する。選ばれた5人の戦士達の活躍で、事態はみるみるうちに収束する…はずであった。あんな事が起きなければ…。』
えりな:っていうかんじなんだけどどうかな?
ゆず子:すごいすご〜い!
まさみ:わぁ!めっちゃつづきがきになる~!
たえこ:さすがえりなちゃんだね!
さゆり:あたしどきどきしちゃったよ。
あかね:わたしも!
ふとし:お、おれもだ…。
えりな:じゃあつぎは「ひろいんへん」だね。
あかね:あ、あの…わたしかんがえてみたんだけどいいかな?
ゆず子:えっ!あかねちゃんすごいじゃん!ききたい!
さゆり:あたしもききたい!
あかね:じゃ、じゃあはなすね。
あかね:〈急に大人口調になって〉『(M)「私は誰?どこから来たの?」毎晩のように夢の中で私は叫んでいた。何も見えない暗闇の中、幼い私は泣きじゃくりながら声が*涸《か》れるまで問い続ける。叫べば叫ぶほど誰も応えてくれない虚しさと寂しさに心が押し潰されそうになりながら朝を迎える…。
あかね:私には幼い頃の記憶がない。預けられた施設で私の両親は私が生まれてすぐ事故で亡くなったと聞かされて育った。周りの大人達は私に対してどこかよそよそしく、*腫《は》れ物を扱うかのように接してきた。私はどこへ行っても一人ぼっちだった。そんな中、ふと目に*留《と》まった「エンジェル」という名の雑貨屋。ピンクを基調としたオシャレな店内は、まるでメルヘンの世界に迷い込んだかのような雰囲気を*醸《かも》し出していた。数々の可愛らしい雑貨と店員さんの優しさに触れ、私は一瞬でこの店の大ファンになった。それから通い詰めること約半年。いつしかこの場所で過ごすひと時が私にとって唯一安らぎを感じられる時間になっていた。「このままずっとこの人たちと一緒にいられたらいいのに。」この時の私は、この願いが*後《のち》に全く違う形で実現することになろうとは予想だにしていなかった。』
あかね:こんなかんじなんだけど…。
えりな:え?え?あかねちゃんすごくない?
ゆず子:…てんさいだよね。
たえこ:まさかこんなすてきなすとーりーをかんがえてくれるなんておもわなかったよ。
あかね:そ、そうかなぁ…。
さゆり:そうだよ!あたし、びっくりしたもん。
まさみ:もっとじしんもっていいとおもうよ!
ふとし:おまえ、なかなかやるじゃん。
あかね:あ、ありがとう…。
ゆず子:じゃあつぎはどっちからかんがえよっか?
ふとし:なぁ…おれ、「かいじんへん」やってもいいか?
たえこ:もしかしてふとしくんもかんがえてくれたの?
ふとし:お、おう…おれもあかねにまけてらんねぇからな。
まさみ:いいね、いいね!
さゆり:これはきたいしちゃうね!
えりな:うんうん!
ふとし:ちょっ!あおるなよ!…てれるじゃんか。
ゆず子:あはは。ごめんごめん。じゃあどうぞ。
ふとし:おう…。
ふとし:〈急に大人口調になって〉『(M)俺の名は闇皇帝ヘンゲル。この地球を我が物にするために生まれた闇帝国の王だ。俺は幼少の頃から父である先代の闇皇帝バイドルによって、拷問とも言える程の徹底的な英才教育を受けてきた。「全ては帝国繁栄のため」…そう自分に言い聞かせ、どんな苦しい試練にも耐えてきたのだ。そんな矢先、父が突然病に倒れ息を引き取った。あんなにも強かった父がこんなにも*呆気《あっけ》なく死んでしまうとは…俺は父の*亡骸《なきがら》を前にして、悲しむどころか胸の奥から*沸《わ》き起こる高揚感を抑えることに必死だった。「ふふふ…今この時を*以《もっ》て闇帝国は俺が支配することとなった!亡き父に替わり、地球侵略を*完遂《かんすい》するのだ!」俺は強い決意を胸に着々と作戦を遂行していった。しかし、*程《ほど》なくして順調かと思われた作戦に*翳《かげ》りが見え始める。帝国への対抗措置として、地球側が新たに特殊戦隊「光の戦士エンジェル・クリスタル」を結成したのだ。彼女らの活躍により*闇人化《やみびとか》した人間だけでなく、俺が街に放った工作員までもが*尽《ことごと》く浄化されていった。帝国側も負けじと新戦力を投入するも戦況を*覆《くつがえ》す程の効果は得られず両勢力は*膠着《こうちゃく》状態に*陥《おちい》る。そして事態は全く予期せぬ方向に動き出すのであった。』
ふとし:どうだ?すげぇだろ?
まさみ:へぇー、やるじゃないの。
たえこ:しょうじき、みなおしたわ。
ゆず子:ふとしくんすごいね!
あかね:なんかかっこいい…。
えりな:じゃあさいごは「ひーろーへん」ね!だれかやりたいひといる?
さゆり:はーい!あたしやるやるー!
たえこ:お!さゆりちゃんまってました!
さゆり:えへへ…じゃあみんなきいててね!
さゆり:〈急に大人口調になって〉『(M)「地球は今、狙われている!」急遽、国家のエージェントによって、とある場所に連行された私達5人は酷く困惑していた。それもそのはず、先程まで私達は職業や住んでいる場所さえも違う全くの赤の他人同士だったからだ。なんでも偉い人の話によると適性?が合致していたとか何とかで、とにかく地球がヤバいから力を貸して欲しいっていう訳分かんない理由を告げられ、半ば強制連行に近い形でここに連れて来られたのだ。しかもこれからは「光の戦士エンジェル・クリスタル」とかいう戦隊のメンバーになって、このブレスレットで変身して敵と戦って欲しいなんて*真顔《まがお》で言われるもんだから、みんな何かのドッキリ企画じゃないかって隠しカメラを探して辺りを見回していたものだ。それでもまあ、給料は前職と比べても破格の高さだったし、アニメや特撮番組でしか見たことがない存在に自分達がなれると思うとワクワクしていたのも事実だ。また戦隊と言っても常時変身して戦う訳ではなく、出動命令がない時は雑貨屋「エンジェル」での接客が主な仕事だった。変身して戦うこと自体は最初は抵抗があったけど、可愛い姿で*闇人《やみびと》になった人達を浄化できるから今は気に入っている。そして最近、雑貨屋「エンジェル」に可愛らしい女の子が通ってくれるようになった。幸せそうに店内で*寛《くつろ》ぐ彼女を見てるとこっちまで嬉しくなっちゃって、ついついお*喋《しゃべ》りが止まらなくなってしまう。でも私達は*後《あと》になって知ることとなる。彼女に隠された衝撃の事実を。』
さゆり:てなかんじなんだけどどうかな?
えりな:さゆりちゃんすごい!
ふとし:おお!おもしろいじゃねぇか!
たえこ:アタイ、どきどきがとまらないよ!
まさみ:これはたのしくなってきたぞ!
ゆず子:それじゃあそれぞれのすとーりーのとうじょうじんぶつをきめていこっか。
たえこ:まずは「めいんすとーりー」からだね。これはやみこうてい、ひろいん、そしてひかりのせんしが5にんでいいよね。
さゆり:うん。いいとおもう。
えりな:じゃあつぎは「ひろいんへん」だね。ふむ…ざっかやさんのしーんがあるから、ひろいんと5にんのてんいんはきまりだね。
まさみ:そうだね。あと、しせつのひととかいるんじゃない?
えりな:あ、いるいる!よし、これできまりっと。
ゆず子:おつぎは「かいじんへん」だね。これはやみこうていと…あ、おとうさんどうしよっか?おとこのこひとりしかないや…。
ふとし:しんだあとからはじめたらいいんじゃないか?
ゆず子:お!ないすあいであ!じゃあそれでいこー!あとはおかあさんと、ていこくのみんしゅうがひつようだね。
あかね:あの…めしつかいとかは?
ゆず子:いいね!じゃあそれもいれとこう!
さゆり:さいごは「ひーろーへん」だね!これはひかりのせんしにえらばれた5にんと、くにのおえらいさんかな?
たえこ:あと、かのじょたちをつれてくるひとがいるんじゃない?
さゆり:あ…わすれてた。たえこちゃんありがとう。
まさみ:これでぜんぶきまったね!あとははいやくだけか。
たえこ:そうだね。まずはひかりのせんしからきめていこうか。そういやさ、ひかりのせんしってなにいろにしよっか?
えりな:そうねぇ…くりすたるだからほうせきをいめーじすると、れっど、ぶるー、ぐりーん、いえろーはきまりとして、あとは…
あかね:ぱーぷるはどう?
えりな:いいね!いろはこれでいいかな?
ゆず子:いいとおもうよ!
さゆり:だれがどのいろやる?
まさみ:じゃあわたしぶるーやりたい!
たえこ:アタイはいえろーやりたい。
えりな:アタチぐりーんがいい!
さゆり:あたしはぱーぷる!
ゆず子:わたしれっどやってみたいな。
さゆり:きまったね!あかねちゃんはひかりのせんしじゃなくてよかったの?
あかね:わたしはひろいんやりたいなっておもってたからだいじょうぶだよ。
さゆり:おっけー!あとふとしくんはおとこのこだから、やみこうていでいい?
ふとし:おう!てかそれしかできんし。
さゆり:ありがと。あとはかねやくだね。
ゆず子:「ひろいんへん」のしせつのひとはだれがやる?
ふとし:おれやるよ。そこにでてないのはおれだけだから。あと、「ひーろーへん」にでてくるくにのおえらいさんも。
たえこ:おー!ふとしくんありがとう。たよりになるねぇ。
ふとし:よせよ。てれるじゃんか。
えりな:じゃああとは「かいじんへん」のおかあさんとめしつかい、「ひーろーへん」の5にんをつれてくるひとかな?
まさみ:じゃあわたしおかあさんやる!
さゆり:あたしはめしつかいやるよ。
あかね:わたしは5にんをつれてくるひとやる!
まさみ:あれ?そういれば「かいじんへん」のみんしゅうはだれがやるの?
ゆず子:それはふとしくん、まさみちゃん、さゆりちゃんいがいのぜんいんでやればいいんじゃない?
まさみ:あ、そっか。わかった!
たえこ:あとははなしのながれだけど、めいんすとーりーをじくにそれぞれのさいどすとーりーのないようをふまえつつ、ぜんたいにちりばめていくのはどうかな?
さゆり:それすごくいいよ!さすがたえこちゃんだね!
たえこ:えへへ、ありがとう。
えりな:いよいよはじまるね!
あかね:あー…わたしきんちょうしてきたよ。
ふとし:おれもだ。
まさみ:でもわくわくするね!
ゆず子:うん!たのしみ!
たえこ:じゃあそろそろはじめよっか。3・2・1あくしょん!!
:
:【究極の「ヒーローごっこ」スタート!】(ここからは『』以外は幼稚園児の声で演じてください)
:
あかね:「わたしはだれ?どこからきたの?ねぇ!だれかこたえてよぉ!!おねがい…おねがいだから!」
あかね:はっ!〈目が覚める〉
あかね:…はぁ、はぁ…ゆめ…か…。
あかね:(M)まいばんのようにおなじゆめをみる。わたしはくらやみにむかってなんどもおなじしつもんをくりかえす。だが、いくらこえをからそうともへんじはない。そしてきまって、わたしはなきさけびながらあさをむかえるのだった。
:
たえこ:〈大人口調で〉『2050年*某月某所《ぼうづきぼうしょ》』
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:くそぉ!!なんでこうもうまくいかないんだ!
ふとし:〈大人口調で〉『(M)「全人類*闇人化《やみびとか》計画」…この闇皇帝ヘンゲル様が*直々《じきじき》に考案した新たな侵略作戦だ。今までの侵略者のような破壊と恐怖による侵略ではなく、人の心の*隙間《すきま》に「闇の種子」を埋め込むことで、対象の人間を洗脳し、俺たちと同じ種族に作り替える。まさに平和的かつ理想的な作戦だった。それなのに…。』
ゆず子:【クリスタル・レッド】
ゆず子:くりすたるふぁいやーすとーむ!!
ゆず子:〈浄化の炎が闇人たちを包み込む〉
えりな:【クリスタル・グリーン】
えりな:れっどないす!やみびとかしたにんげんがもとにもどっていくわ!そんじゃあたしも!くりすたるろーりんぐとるねーど!
えりな:〈浄化の竜巻に闇人たちが巻き込まれていく〉
ふとし:や、やめろ!おれの、おれのけいかくのじゃまをするなぁぁ!!
まさみ:【クリスタル・ブルー】
まさみ:このちょうしでどんどんいくよ!くりすたるうぉーたーすぷらーっしゅ!
まさみ:〈浄化の大波が工作員を飲み込んでいく〉
たえこ:【クリスタル・イエロー】
たえこ:こっちはまかせて!くりすたるらいとにんぐいんぱくと!
たえこ:〈浄化の雷が工作員に落ちる〉
さゆり:【クリスタル・パープル】
さゆり:あたしだってまけないんだから!くりすたるひーりんぐしゃわー!
さゆり:〈浄化のシャワーが工作員の頭上に降り注ぐ〉
ふとし:うぬぬ…やみびとかしたにんげんだけでなく、こうさくいんまでじょうかするとは…しかたない。きょうのところはここまでにしといてやる!だが、つぎにあうときはこうはいかないからな!おぼえてろよ!
:
:-------------------(回想シーン)
ふとし:【ヘンゲル】
ふとし:なんということだ…だれよりもつよかったあのちちうえが、びょうきごときでいのちをおとすとは。なんとあっけない。
まさみ:【ヘンゲルの母】
まさみ:へんげる…きをたしかにもつのです。これからはあなたがやみこうていのなをひきつぎ、このていこくにはんえいをもたらさなければならないのですよ。
ふとし:ふふふ…。
まさみ:なにがおかしいのです?
ふとし:ははうえ、これがわらわずにいられましょうか!おれはいま、わきあがるこうようかんをおさえるのにひっしなのです!ようやくうるさいちちうえがいなくなった!これからはこのおれが「やみこうていへんげる」として、このていこくだけでなく、このうちゅうをもしはいしてくれようぞ!ふはははは!!!
まさみ:へんげる、いせいがいいのはけっこうですが、ちちをぐろうすることはだんじてゆるしません!
ふとし:ははうえ、あなたもおれのけいかくにはじゃまなのですよ。
まさみ:な、なにをいっているの?
まさみ:〈大人口調で〉『(明らかに様子がおかしい…それにヘンゲルから漂うこの邪悪なオーラは何?)』
ふとし:〈大人口調で〉『(ほう…今の瞬間、母上の心に*隙間《すきま》ができたぞ。ちょうど良い、こいつを試す良い機会だ。)』
ふとし:そらよ!〈母の心に闇の種子を埋め込む〉
まさみ:なっ?
まさみ:(こ、これは!まさかやみのしゅし!なぜこのこがこんなものをもっているの?あ…あぁ!わたしのなかでしゅしがめぶいてひろがっていく!あ、あなた…わたしは…もう…。)
ふとし:ふふふ…どうだ?やみにそめられたきぶんは?
まさみ:うふふ…さいこうですわ!へんげるさまぁ♡わたくしのこのいのち、ごじゆうにおつかいください。
ふとし:よし、じっけんはせいこうだ。
さゆり:【召使い】
さゆり:おめでとうございます、へんげるさま。これであなたさまは、はれてやみこうていのざにしゅうにんされました。これからどうなさいますか?
ふとし:めしつかいよ、つぎはこのほしをわがものとする。
さゆり:ちきゅう…ですか?
ふとし:そうだ。このほしをしんりゃくして、ていこくはんえいのいしづえとしてくれるわ!ふははは!!
:
:-------------------(闇皇帝就任式にて)
さゆり:それではへんげるさま、みんしゅうのまえでたからかにせんげんなさってくださいませ。
ふとし:うむ…。みなのもの!このたび、わがいだいなるちち「やみこうていばいどる」は、やまいにたおれ、しんだ。そしておれはちちよりせいしきにやみこうていのざをひきつぐことになったのだ!
民衆:わー!!〈歓声〉
ふとし:おれはこれからちきゅうをしんりゃくし、わがものとする!そしておれはかならずやそのいぎょうをたっせいし、わがていこくにさらなるはんえいをもたらすことをここにせんげんする!
民衆:わー!!へんげるさまばんざーい!!〈歓声〉
まさみ:まぁ!!なんとりりしいおすがた!!へんげるさまこそ、わがていこくのおうにふさわしいおかたですわ!
:
ふとし:えんぜつはおわったぞ。これよりさくせんをすいこうする。まずはてはじめにこうさくいんをちきゅうにおくりこむのだ!
さゆり:はっ!おおせのままに!
:-------------------(回想終了)
:
ふとし:おのれ…ひかりのせんしえんじぇる・くりすたるめ!やみこうていのいしんにかけて、かならずやきさまらもろともちきゅうをわがものにしてくれるわ!
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
えりな:あー…つかれた。
ゆず子:あれだけのてきをじょうかしたんだもの。とうぜんよ。
たえこ:でもさっきのせんとうでだいぶてきのせんりょくをけずれたんじゃない?
さゆり:そうね。さすがにしばらくはうごけないはずよ。
まさみ:わたしはまだたたかいたりないけどね!
たえこ:じゃあつぎはもっとはたらいてもらわなくちゃね!
まさみ:げげっ!いまのなし!
ゆず子:あはは!
:-------------------(カランコロンと来客を告げる音がする)
えりな:おっ!ひさびさのおきゃくさまだ!
さゆり:いらっしゃいませ!
ゆず子:どうぞゆっくりみていってくださいね。
あかね:あ…はい。
まさみ:どうです?かわいいしょうひんがいっぱいでしょ?
あかね:はい。おみせのふんいきもぴんくでとういつされていて、なんだかめるへんちっくですてきです。
えりな:でしょでしょ?こだわってつくったんだぁ!ほめてくれてうれしいな。
あかね:そんな…おもったことをいっただけです。
たえこ:じゃあ…ほめていただいたおれいに、これ、わたしたちからのぷれぜんとです。
あかね:え…いいんですか?こんなたかそうなねっくれす…。
たえこ:いいんですよ。せっかくのごえんですからうけとってください。もしよかったらつけてみますか?
あかね:はい!〈ネックレスを着ける〉
さゆり:まあ!とってもおにあいですよ。
ゆず子:おきゃくさまにぴったりですね!
えりな:ほんとほんと!すごくすてき!
あかね:ありがとうございます…ぐすん…うう…。〈嬉しさのあまり泣き出す〉
たえこ:おきゃくさま、どうかなさいましたか?
あかね:ごめんなさい…こんなによくしてもらったの、うまれてはじめてだったから…。
ゆず子:そうだったの。
えりな:そうだ!せっかくだし、わたしたちおともだちにならない?
あかね:え…?
まさみ:それいいね!なろなろ!
あかね:わたしと…ともだちになってくれるの?
たえこ:ええ。あなたさえよければ。
あかね:はい!よろこんで!
ゆず子:じゃあまずはじこしょうかいからかな。わたしはゆず子、よろしくね。
えりな:アタチはえりな!
さゆり:あたしはさゆりよ。
まさみ:まさみだよ!よろしくね!
たえこ:アタイはたえこ。よろしく。
あかね:わ、わたしはあかねっていうの。よ、よろしくね。
ゆず子:そんなにきんちょうしなくてもだいじょうぶだよ。
あかね:だって…ともだちなんてできたことないから。
たえこ:いいのよ。じょじょになれていけば。
まさみ:そうそう。あせんなくてもだいじょうぶ。
えりな:ねぇみんな、せっかくあかねちゃんとおともだちになれたわけだし、これからおしゃべりたいむにしない?
ゆず子:さんせい!
まさみ:わたしも!
たえこ:いいね!いっぱいはなそう!
さゆり:あたしもさんせい!あかねちゃんともっとなかよくなりたい。
あかね:わ、わたしもみなさんとたくさんおしゃべりしたいです。
えりな:おっけー!じゃあおしゃべりたいむすたーと!
あかね:(M)こうしてわたしははじめてはいったこのみせで、とてもすてきなひとたちにめぐりあえたのだった。はじめてのともだち、はじめてのおしゃべりかい…そのすべてがしんせんで、たのしくて、わたしはときがすぎるのもわすれていた。
まさみ:あ、もうこんなじかん。
たえこ:たのしいじかんはあっというまだね。
えりな:それじゃそろそろおひらきにしますか。
ゆず子:そうだね。めっちゃたのしかった。
あかね:わたしも!またみんなとおしゃべりしたいな。
さゆり:いつでもおいでよ。まってるから。
あかね:うん!またくるね!
:-----------------------------
あかね:あー、たのしかった。まさかわたしにこんなにたくさんのおともだちができるなんて…ゆめみたい。
あかね:(M)そう…おもえばわたしはうまれてからずっとひとりぼっちだった。
:
:-------------------回想シーン
あかね:ねぇ、しせつのしょくいんさん。わたしのおとうさんとおかあさんはどこにいるの?
ふとし:【施設職員】
ふとし:あかね、なんどもいわせないでくれ。きみのごりょうしんはね、きみがうまれたあとすぐにじこでなくなったんだ。
あかね:そっか…しんじゃったんだ。
ふとし:さあ、わかったらへやにもどってべんきょうでもしてなさい。
あかね:はい…。
ふとし:(そうだ、それでいい。おまえはここでおとなしくかわれていればいいんだ。)
あかね:〈大人口調で〉『(M)私の本当の名はあかねではない。あかねという名前は施設の職員が付けたものだ。私には幼い頃の記憶がなかった。自分が何者なのか、どこから来たのかさえも分からない。ただ一つ確かなことがあるとすれば、自分が何か特別な存在としてこの世に生を受けた感覚があることだけだ。』
あかね:…このままずっとひとりぼっちなのかな。
:-------------------回想終了
:
さゆり:〈フラッシュバック〉いつでもおいでよ。まってるから。
あかね:わたし、もうひとりじゃないんだ。うふふ…とってもしあわせ。
あかね:〈もう一人の自分の声〉(そうね、みんながあなたのものになればもっとしあわせになれるわよ)
あかね:え?なに?いまのこえ。…きのせい…か。
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
えりな:あかねちゃん、いいこだったね、
まさみ:そうだね。さいしょはおとなしくてさびしそうなかんじだったけどね。
ゆず子:わたしもおもった。かこになにかかなしいことがあったかのような。
さゆり:そうね。でもあたしたちとおしゃべりしてだいぶふっきれたみたいね。
たえこ:うん。またきてくれるといいな。
えりな:そのときはまたみんなでおしゃべりしたいね。
まさみ:うん!もちろん!
ゆず子:はぁ…このままてきがしんりゃくをあきらめてくれたらいいのにな。
たえこ:ほんとそうよね。
まさみ:いっそこっちからせめこんじゃうってのはどう?
さゆり:それはあまりさんせいできないかも。
まさみ:どうして?わたしはこのままうけみのせんとうをつづけていてもきりがないとおもうけどな。
ゆず子:たしかにまさみのいうこともいちりあるきはするけどね。ただ、てきのきぼやせんりょくがわからないじょうたいで、うかつにこちらからせめこむのはきけんだわ。
たえこ:ゆず子のいうとおりね。わたしたちはちきゅうをまもるさいごのとりでなんだから、こうどうはしんちょうにしないとね。それに「えんじぇる・くりすたる」が、くにのかんかつかにおかれているいじょう、めいれいがいのかってなせんとうはゆるされていないしね。
えりな:あー!なんかもどかしいなー!ていうかさ、そもそもさいしょのけっせいだんかいからおかしくなかった?
まさみ:そうそう、なんかわけわかんないままつれてこられてさぁ…。
さゆり:そういやそうだったわね。
:
:-------------------回想シーン
ゆず子:くっ…いったいなんなんですか!
えりな:ほんとほんと!わたし、おしごとのまっさいちゅうだったのに!
たえこ:わたしもまちあるいてたらいきなりつかまってれんこうされたのよ!
さゆり:ちゃんとせつめいしてもらえるんでしょうね?
まさみ:なっとくできないようなりゆうだったらゆるさないからね!
あかね:【5人を連行した人】
あかね:きみたち、ほんとうにすまなかったね。じつはげんざい、きんきゅうじたいがはっせいしていてね、ぜひきみたちのちからをかりたいんだ。くわしいないようはこれからせつめいがあるから、ちゃんときくように。
:------------------部屋の奥から人影が現れる
ゆず子:え?あのひとってまさか…。
まさみ:うん。たぶんそうよね。
たえこ:ゆめ…じゃないわよね?
さゆり:わたし、はじめてみたんだけど。
えりな:ねぇ!なんであなたがここにいるんですか?おしえてください!
ゆず子:おえらいさん!〈同時に〉
まさみ:おえらいさん!〈同時に〉
さゆり:おえらいさん!〈同時に〉
たえこ:おえらいさん!〈同時に〉
えりな:おえらいさん!〈同時に〉
ふとし:【国のお偉いさん】
ふとし:しょくん、てあらなまねをしてもうしわけない。じつは、ちきゅうはいまねらわれている。しょくんらもきいたことがあるだろう?あるひとつぜんひとがかわったかのようにきょうあくになったひとたちのことを。
たえこ:あー、そういえば、にゅーすでいってたかもしれない。
ふとし:そう、まさにそのことだよ。そしてそのげんきょうがこのじんぶつだ。
ゆず子:このひとは?
まさみ:どこかにんげんとはすこしちがうような…。
ふとし:そうだ。このじんぶつは「やみこうていへんげる」といって、まあかんたんにいってしまえばちきゅうをしんりゃくしにきた、いせいじんのおやだまだ。
えりな:やみこうていへんげる…。
たえこ:じゃあこいつがにんげんをきょうあくにかえてるってこと?
ふとし:そのとおりだ。しかもわるいことに、こいつはにんげんのせいかくだけじゃなく、しゅぞくそのものをやつらとおなじにかえてしまう。
さゆり:じゃあ…このままだとちきゅうじんが、ぜんいんいせいじんになっちゃうってこと?
ふとし:ごめいとう。ちきゅうがやつらのてにわたるのもじかんのもんだいということだ。
ゆず子:そんな…じゃあどうしたらいいの?
ふとし:そこで、われわれはやつらがにんげんをつくりかえるしくみをかいせきし、それにたいこうできるしゅだんをかいはつすることにせいこうした。それがこのへんしんぶれすれっとと、くりすたるすーつだ。
まさみ:くりすたるすーつ?なんじゃそりゃ?
ふとし:じつはこのくりすたるすーつには、やつらによってつくりかえられてしまったにんげんをじょうかし、もとにもどすちからがある。しかも、すーつをきることでしんたいきのうやこうげきりょく、ぼうぎょりょくといったせんとうにひつようなのうりょくがおおはばにあっぷするため、やつらにたいしちょくせつこうげきをおこなうこともできる。
えりな:すごいじゃん!じゃあそのすーつをたくさんつくってたたかえば、そいつらをやっつけられるってこと?
ふとし:ふむ…それなんだが、じつはこのすーつはあるとくしゅなほうせきからつくられていてな、いまのてくのろじーでは5つつくるのがせいいっぱいだったのだ。しかもこれはだれでもきれるというわけではなく、すーつにてきごうしたもののみがみにつけることができるようになっている。
たえこ:つまり、そのてきごうしゃってのがアタイたちってこと?
ふとし:そうだ。よくわかったな。
さゆり:そんなのどこでしらべたのよ?
ゆず子:わたし、そんなけんさなんてうけたおぼえないわよ。
ふとし:きみたち、せんしゅうのにようびはどこにいたかおぼえているかな?
えりな:せんしゅうはね、あいどるゆにっと「らぶてぃんくる」のらいぶかいじょうにいたわ。
ゆず子:え?わたしもそのらいぶいってた。
たえこ:アタイも…。
まさみ:まさか…。
さゆり:で、でもあそこでけんさなんてされなかったわよ。
ふとし:ふふふ…かいじょうにはいるまえに、なにかみにつけるようにいわれなかったかな?
ゆず子:ぶれすれっと…そう!ぶれすれっとをつけるようにいわれたわ!
たえこ:まさか…あのぶれすれっとになにかひみつが?
ふとし:そのとおりだよ。あのぶれすれっとにはてきごうしゃだけにはんのうし、そのじんぶつのたいないに「まいくろはっしんき」をちゅうにゅうするきのうがついていたのだ。
さゆり:なるほど…だからぶれすれっとをつけたときにちくっとしたのね。
えりな:それで、アタチたちをどうするつもりなの?
ふとし:きみたちにはこれからこのすーつをきて、われわれがごくひりにけっせいしたとくしゅせんたい「ひかりのせんしえんじぇる・くりすたる」のいちいんとして、やつらとたたかってもらう。
ゆず子:もしことわったら?
ふとし:そのときはしかたないね。たいないのはっしんきからもうどくがぶんぴつされて、いのちをおとすことになるだろうさ。
さゆり:な、なんてひきょうな!
さゆり:〈大人口調で〉『(まさかこのタイミングで「実はドッキリでした~」とかないでしょうね)』
ふとし:わるくおもわんでくれたまえ。これもひみつをまもるためだ。
まさみ:こんなのとてもじゃないけどなっとくなんてできない!
ふとし:なっとくなんてするひつようはないのだよ。ただ、うんめいだとおもってうけいれてくれればいいだけだ。
たえこ:つまりアタイたちにきょひけんはない…と?
ふとし:そういうことになるな。
えりな:わかったわよ!じゃあとっととあいつらぶったおしてやるから、はやくすーつをよこしなさいよ!
ゆず子:ちょっとあなた!なにかってにはなしすすめてるのよ!
えりな:だってきょひしたらしんじゃうんでしょ?だったらやるしかないんじゃない?
まさみ:それは…そうだけど…。
えりな:それに、こんなかわいいすーつきてたたかえるんだもん!なんかひーろーみたいでかっこいいじゃん!
ゆず子:(それがほんねか…。)
たえこ:でもまあ、やるしかないことにかわりはないか!わかった。アタイもやるよ!
さゆり:うう…じゃあ、あたしもやる。
まさみ:まあ…しかたないか。よし!わたしもやるよ!
ゆず子:あなたたち…。わかったわ!わたしもけっしんがついた!やれるだけやってみるよ!
ふとし:ふふふ。ぜんいんかくごはきまったようだな。ではしょくん、げんじこくをもってきみたちをとくしゅせんたい「ひかりのせんしえんじぇる・くりすたる」ににんめいする!かくじ、こころしてにんむにあたるように!
えりな:りょうかい!〈同時に〉
たえこ:りょうかい!〈同時に〉
ゆず子:りょうかい!〈同時に〉
まさみ:りょうかい!〈同時に〉
さゆり:りょうかい!〈同時に〉
:
さゆり:〈大人口調で〉『(ほんとにドッキリじゃなかったんだ…)』
:-------------------回想終了
:
えりな:けっきょくあのあとすーつにみちびかれるままへんしんしたんだけどさ。
ゆず子:まさかわたしがれっどにえらばれるとはね…。どうみても、ぜったいえりながれっどだとおもったのに。
たえこ:まあでも、れいせいちんちゃくなゆず子はれっどにむいてるとおもうよ。
まさみ:そうそう、ねっけつだけがれっどじゃないしさ。
さゆり:あたしもそうおもうわ。ゆず子がせんたいをひっぱってくれているおかけで、なんどもぴんちをきりぬけられたもの。
えりな:そうだよ。だからこれからもよろしくたのむぞ、れっど!
ゆず子:やだ…やめてよ、えりな!
:-------------------全員で笑い合う
:
:
:-------------------(闇帝国本拠地にて)
さゆり:【召使い】
さゆり:へんげるさま、おまたせいたしました。ようやくれいの「しんへいき」がかんせいしました!
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:おそいぞ!めしつかい!なにをもたもたしておったのだ!
さゆり:もうしわけございません。しょうしょう、せいのうてすとにじかんがかかってしまいまして。
ふとし:して、そのしんへいきのじつりょくは、いかほどのものなのだ?
さゆり:〈大人口調で〉『従来の物は拳銃タイプだったため、工作員が対象の人間に接触する必要がありました。しかも目の前にいる一人の人間に対してしか闇の種子を埋め込むことができないという効率の悪さが最大の弱点でした。しかし今回の新兵器はロボットタイプのため工作員を必要としません。しかもこれは自由に空を飛び回り、心の*隙間《すきま》ができた人間を自動で感知し上空から複数の人間に対して種子をばら*撒《ま》くことができるため、より効率的に人間を*闇人化《やみびとか》することができます。地上部隊が街で騒動を起こし人々に心の*隙間《すきま》を作ることが出来れば、あとはこの兵器が自動でやってくれますわ。』
ふとし:しかしもんだいは、「えんじぇる・くりすたる」だ。やつらのたかいしんたいのうりょくなら、じょうくうにいるこいつといえど、すぐにうちおとされてしまうのではないか?
さゆり:ごあんしんを。このへいきには、やつらのうごきをとめるとくしゅな「ねんちゃくねっと」をはっしゃすることができるようになっています。また、えんきょりからのこうげきにもたえられるよう、「ぼうぎょばりあ」もかんびしております。
ふとし:ほう…それはたのもしいな。ではつぎのさくせんにたいりょうとうにゅうするのだ!
さゆり:ははっ!
ふとし:ふふふ…これでしんりゃくさくせんをおおきくぜんしんさせることができる。まっていろ!「えんじぇる・くりすたる」!
:
:-------------------(雑貨屋「エンジェル」にて)
あかね:こんにちは!きょうもきたよー!
ゆず子:あかねちゃんいらっしゃい!
えりな:きょうはあかねちゃんのために「すぺしゃるくっきー」をやいたんだ!
あかね:え!ほんと?うれしい!!
たえこ:みんなでたべよ!
まさみ:わー!たのしみ~!
あかね:(M)わたしがざっかや「えんじぇる」にかようようになって、はんとしがすぎようとしていた。わたしにとって、このおみせでだいすきなみんなとすごすじかんだけが、わたしにやすらぎといきるきぼうをあたえてくれた。
さゆり:あかねちゃんどうしたの?ぼーっとして。
あかね:ん?あー…なんでもないの。わたし、しあわせだなぁっておもってさ。
まさみ:きゅうにどうちゃったの?しんみりしちゃって。
あかね:わたしね、いままでずっとひとりぼっちだったから、こんなふうにおしゃべりして、わらいあえるおともだちができたことがうれしくて。
ゆず子:そうだったの。
あかね:ねぇ、みんな。これからもずっとわたしのたいせつなおともだちでいてくれる?
たえこ:なにいってんのよ、そんなのあたりまえにきまってるじゃない。
えりな:これからもアタチたち、ずっとずーっとともだちだよ!
ゆず子:もうあかねちゃんにさびしいおもいはさせないからね。
あかね:うう…ありがとう。とってもうれしい…。
まさみ:ほらほら、もうなかないの。かわいいかおがだいなしだぞ。
あかね:うん。えへへ…。
さゆり:さぁ、みんなでくっきーたべましょう。
:-------------------(突然、警報と共に出動命令が下る)
ゆず子:!?(しゅつどうめいれい?こんなときに?)
たえこ:!?(ばしょはこのみせのすぐそばだわ!)
まさみ:!?(でも…あかねちゃんをおいてはいけないし)
さゆり:!?(いったいどうしたら…)
えりな:!?(しかたない)あかねちゃん、いまちかくでばくはつじこがおきたらしくて、ここはきけんだからアタチとひなんしましょう。
あかね:え?ばくはつじこ?
えりな:そうよ。ほかのみんなにはこれからようすをみにいってもらうから、さきにアタチたちだけでいきましょう!
あかね:え…でも。それじゃゆず子ちゃんたちがあぶないんじゃ…。
ゆず子:わたしたちならだいじょうぶよ!こうみえてきたえてるから!
たえこ:そうよ、だからここはアタイらにまかせてはやくにげて。
まさみ:またみんなでおしゃべりしよ!
さゆり:まってるね!
あかね:みんな…わかった。みんなもきをつけて!
えりな:さ、いきましょ。
あかね:うん。〈えりなと避難する〉
:
ゆず子:よし…みんな!しゅつどうよ!
たえこ:おうよ!
まさみ:ひさびさのせんとうかぁ!うでがなるぜ!
さゆり:いきましょう!
:
:-------------------(戦闘現場にて)
ふとし:【闇皇帝ヘンゲル】
ふとし:ふははは!これはゆかい!しんへいきのおかげでこんなにもたやすく「やみびとか」できるとは!このちょうしでいっきにしんりゃくしてくれるわ!
ゆず子:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
ゆず子:〈大人口調で〉『赤い炎で焼き尽くす!光の戦士!クリスタル・レッド!!』
まさみ:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
まさみ:〈大人口調で〉『青い水は全てを飲み込む!光の戦士!クリスタル・ブルー!!』
たえこ:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
たえこ:〈大人口調で〉『黄色い*稲妻《いなずま》で*痺《しび》れなさい!光の戦士!クリスタル・イエロー!!』
さゆり:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
さゆり:〈大人口調で〉『紫の毒に*溺《おぼ》れるがいい!光の戦士!クリスタル・パープル!!』
ふとし:まっていたぞ!えんじぇる・くりすたる!おや?ひとりたりないみたいだが?
ゆず子:あなたたちなんて4にんでじゅうぶんよ!
ふとし:ふふふ…そのいせい、いつまでもつかな?
まさみ:とっととかかってきなさい!
たえこ:まえみたいにおっぱらってやるんだから!
ふとし:それはどうかな?ゆけ!しんへいき「へるかいざー」!
さゆり:なっ!そらから?それなら!とう!〈大きくジャンプする〉
さゆり:ぱーぷるきーっく!!〈強力なバリアに阻まれる〉
さゆり:くっ!ばりあにじゃまされてこうげきがあたらない!
ふとし:ふふ…ざんねんだったな。これでもくらえ!
さゆり:〈粘着ネットに包まれる〉
さゆり:なっ!なにこのねっと!やばい、うごけない…おちる!きゃー!!〈地面に落下する〉
ゆず子:ぱ、ぱーぷるだいじょうぶ?このねっと、ねばねばしててはずれない…
まさみ:れっどはそのままぱーぷるのきゅうしゅつを!そらのあいつはわたしたちでやるから!くりすたるうぉーたーすぷらーっしゅ!
まさみ:〈空中の敵を浄化の大波が飲み込む〉
ふとし:ふっ…そのていどのこうげきなどきかぬわ!
たえこ:か~ら~の~!くりすたるらいとにんぐいんぱくと!〈水を伝って浄化の雷の電気が敵を襲う〉
ふとし:なっ!われらが「へるかいざー」がつぎつぎとこうどうふのうに!ばかな!こうさくいんとちがってじょうかされないはずなのに!
たえこ:ばかはそっちよ!じょうかはされなくてもきかいはでんきによわいのよ!
ふとし:うぬぬ…おのれ!へるかいざー!いえろーをねんちゃくねっとでうごけなくするんだ!
たえこ:こうげきがくるとわかっていれば!よっと!〈粘着ネットをかわす〉
たえこ:よけるのはかんたんなのよ!おかえしよ!くりすたるらいとにんぐいんぱくと!〈上空のヘルカイザーに無数の雷が落ちる〉
ふとし:くっ!われらがしんへいきがこうもあっさりと!
ゆず子:れっどばーにんぐぱーんち!
ふとし:ぐああ!〈レッドの攻撃をまともに受ける〉
ふとし:お、おまえがなぜここに?なかまをたすけにいったんじゃないのか?
ゆず子:へっへーん!
さゆり:そんなもの、わたしのどくでとっくにとかしましたわよ!
さゆり:くりすたるひーりんぐしゃわー!!〈浄化のシャワーがヘンゲルを襲う〉
ふとし:なんの!〈パープルの攻撃をかわす〉
ゆず子:そこだ!ふぁいやーきーっく!
ふとし:がはぁ!!〈レッドの攻撃をまともに受ける〉
ふとし:れ、れんけいこうげきだと!!なめるなぁ!!だーくねすすとーむ!〈闇の強風が二人を襲う〉
ゆず子:きゃぁぁぁ!!
さゆり:きゃぁぁぁ!!
:
えりな:(あっちはいよいよやばそうね。)あかねちゃん、あとはひとりでにげられる?
あかね:うん。だいじょうぶ。えりなちゃんもいくの?
えりな:うん。みんなをたすけないと。
あかね:ねぇ、えりなちゃん。さっきばくはつじこがあったって、あれうそだよね?ほんとはみんな、わるいひとたちとたたかってるんでしょ?
えりな:え…それは…。
あかね:わたし、まえにみんながたたかってるとこ、ぐうぜんみちゃったんだ。
えりな:きづかれてたのね…。そうよ。わたしたちはわるいやつらからちきゅうをまもるひーろーなの!ふだんはざっかやではたらいてるけど、てきがおそってきたときはこんなふうにしゅつどうしてたたかうの。
あかね:そうなんだ。なんかかっこよくてあこがれちゃうな。
えりな:でしょでしょ!しかもね…〈あかねの耳のそばで小声で〉
えりな:〈大人口調で〉『びっくりするくらいお給料も高いのよ。』
あかね:あはは…みょうにりあるだね。
えりな:ってなわけだから、アタチもちょっくらいってたおしてくるわ。
あかね:えりなちゃん、しなないでね。
えりな:だいじょうぶ!アタチこうみえてつよいから!
えりな:「ちぇんじ!くりすたるえなじー!おーぷん!」〈変身する〉
えりな:〈大人口調で〉『緑の風であなたに癒しを!光の戦士!クリスタル・グリーン!』
えりな:じゃあいってくるわね!
あかね:うん!〈えりなが現場に向かう〉
:
あかね:いっちゃった…。はぁ…こんなたたかいはやくおわればいいのに。
あかね:〈もう一人の自分の声〉(わたしがちからをかしてあげましょうか?)
あかね:(!?…またあのこえ!)ねぇ!だれなの?
あかね:〈もう一人の自分の声〉(ふふふ…わたしはあなた。)
あかね:あなたは…わたし?わたしはいったい…。
あかね:〈もう一人の自分の声〉(あなたのほんとうのなまえはね…)
:
:-------------------(戦闘現場にて)
たえこ:くっ!つぎからつぎへと!これじゃきりがないじゃない。
まさみ:いえろー!あぶない!
たえこ:しまった!〈粘着ネットに捕まる〉
たえこ:なんだ…このねっとは。みうごきができない…。
まさみ:まってて!いまたすけるから!きゃあ!〈粘着ネットに捕まる〉
まさみ:く、くそ。わたしもねっとに…ちっ!ゆだんした。
ふとし:…ようやくじゃまなふたりのうごきをふうじたか。へるかいざーよ!いまのうちにしんりゃくをすすめるのだ!
えりな:くりすたるろーりんぐとるねーど!〈浄化の竜巻が上空の敵を巻き込んでいく〉
まさみ:あれは!ぐりーん!
たえこ:きてくれたんだね!
えりな:まにあってよかった。ふたりとも、すこしじっとしてて!ういんどうかったー!〈二人の粘着ネットが切断される〉
まさみ:ふぅ…たすかった。
たえこ:ありがとう!これでまたたたかえるわ!
えりな:いきましょう!
ふとし:おのれ…くりすたる・ぐりーんめ!いいところでじゃまをしおって!
えりな:れっど、ぱーぷる、だいじょうぶ?
ゆず子:う、うう…なんとか。
さゆり:そ、それより…てきのうごきは?
えりな:だいじょうぶ。あっちはアタチがなんとかしといたよ。
ゆず子:さすがぐりーんね!
さゆり:おそらのてきも、たつまきにはかなわなかったようね。
ふとし:〈大人口調で〉『何ということだ!せっかく投入した新兵器も大して役に立たんではないか!地上の工作員も大半が浄化されてしまった。ええい!かくなる上は俺自らの手で葬ってくれるわ!』
ゆず子:いくわよみんな!これがさいごのたたかいよ!
まさみ:いままでさんざんやらかしてくれたぶん、ここできっちりおかえししないとね!
えりな:そのとおりだわ!さぁて!かくごしなさい!
さゆり:あいつをたおしてすべてをおわらせるのよ!
:〈ただならぬ気配を感じる〉
たえこ:まってみんな!あそこにいるのって…まさか。
ゆず子:あ、あかねちゃん!?
まさみ:うそ…ひなんしたはずじゃ…。
さゆり:とにかく、ここからひなんさせないと。
えりな:アタチ、いってくる!〈あかねの元に駆け寄る〉
:
えりな:あかねちゃん!こんなところにきちゃだめじゃない…って、あかねちゃん?
あかね:ふふふ…あなた、だれのことをいってるのかしら?
えりな:えっ?でもあなたあかねちゃん…よね?
あかね:〈大人口調で〉『*妾《わらわ》は*闇人《やみびと》の*始祖《しそ》にして、全ての始まりの存在「女帝レイア」』
えりな:うそ…。
あかね:〈大人口調で〉『ほう…。*妾《わらわ》が貸し与えし宝玉は見事に育っておるようじゃの。』
えりな:ほうぎょく…?ってまさか、くりすたるすーつの?
あかね:〈大人口調で〉『そうじゃ。たっぷりと闇の養分を吸収して充分に満たされておる。良きかな、良きかな。』
えりな:あなた、なにをいってるの?だれだかわかんないけど、あかねちゃんのからだからでていきなさい!
あかね:〈大人口調で〉『ほう…これは妙なことを言う。あかねは*妾《わらわ》が力を蓄えるまでの仮の器に過ぎぬ。この女帝レイアが復活した今、もはや用済みなので消えてもらったわ』
えりな:あんた!ぜったいにゆるさない!はぁぁ!!くりすたるろーりんぐとるねーど!!
えりな:…え?なんでなにもでないの?
あかね:〈大人口調で〉『じゃから言ったであろう。そのスーツの宝玉は*妾《わらわ》の一部じゃったと。さて、充分熟したことじゃし、そろそろ花開かせてやるかの。それ!』
えりな:え?〈グリーンの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しグリーンを包み込む〉
えりな:〈大人口調で〉『(きゃぁぁぁ!!何なのよこれ?宝玉から闇が吹き出して、アタチを包み込んでいく!…ふぁぁ…とっても気持ち良いの…。)』
あかね:〈大人口調で〉『ほう!良き良き!さぁ、*妾《わらわ》にその美しい花を見せておくれ。』
えりな:(あぁ…やみが…アタチのなかにはいってくる…。)〈闇がえりなに全て吸収される〉
あかね:〈大人口調で〉『気分はどうじゃ?』
えりな:うふふ…。れいあさまぁ♡とってもそうかいですわ!〈レイアの元に膝まづく〉
ゆず子:えっ?ぐりーん!?
まさみ:どうしちゃったのよ!
えりな:どうもしてないわよぉ♡ただ、アタチはれいあさまのしもべとしてうまれかわっただけよ。
さゆり:しもべって…いったいどういうことなの?
たえこ:くっ…あなた、ぐりーんになにをしたの?
あかね:〈大人口調で〉『別に何もしてはおらぬ。少し開花を手伝っただけじゃ。ほれ、こんな風にの!』
たえこ:ひゃ!〈イエローの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しイエローを包み込む〉
たえこ:〈大人口調で〉『(えっ!?なに?闇がアタイの周りに満ちていく!…あ、あぁ…でも、闇に包まれてると…何だかとっても…心地良いの…。』
あかね:〈大人口調で〉『さぁ、お主も花開くが良い。』
たえこ:(…やみがどんどんながれこんでくる!はぁぁ…なんてすてきなの…♡)〈闇がたえこに全て吸収される〉
あかね:〈大人口調で〉『…さぁお主の花も見せておくれ。』
たえこ:れいあさま♡アタイをみちびいてくださりかんしゃいたします。〈レイアの元に膝まづく〉
あかね:〈大人口調で〉『うふふ、それで良いのじゃ。さて、次はどいつじゃ?』
ゆず子:いえろーまで!?あぁ…なんてこと…。
まさみ:そんな…。いえろー!しっかりしてよ!
たえこ:うふふ。あなたもはやくれいあさまのしもべになりなさいな。
ふとし:〈大人口調で〉『一体何が起きているというのだ。エンジェル・クリスタルが次々とあの少女の配下になっているように見えるのだが。何にせよ、今がチャンスだ!全軍!作戦を続行する!』
あかね:〈大人口調で〉『(やれやれ…ヘンゲルめ、余計な真似をしおって。)』
さゆり:おねがい!あかねちゃん!ふたりをもとにもどしてよぉ!
あかね:〈大人口調で〉『まだ分からぬようじゃの。それならば…ふん!〈たえこがプレゼントしたネックレスを引きちぎる〉
あかね:このネックレスはそなたたちからプレゼントされた物なのじゃろう?』
ゆず子:あ、ああ…!!
まさみ:あかねちゃんのたいせつなねっくれすがこなごなに…。
さゆり:そんな…ひどい…。
あかね:〈大人口調で〉『ふふふ…あははは!!その顔じゃ!絶望に満ちたその顔が見たかったのじゃ!』
ゆず子:あなた…ぜったいにゆるさないから!
まさみ:いくよ!ふたりとも!
さゆり:うん!
えりな:あら、アタチたちがそんなことゆるすとおもって?
たえこ:れいあさまをきずつけようとするものは、だれであろうがようしゃしない!
あかね:〈大人口調で〉『良い機会じゃ、パープルとブルーは二人に任せる。*妾《わらわ》はレッドの相手をするとしよう』
:
:-------------------(闇帝国本部にて)
ふとし:ふふふ…よきせぬじゃまがはいったが、これでじゅんちょうにしんりゃくをすすめられる。なぁ、めしつかいよ。
さゆり:【召使い】
さゆり:そうですわね。でも…あんがいそうもいきませんの。
ふとし:ん?どういうことだ…ぐっ!!〈召使いにナイフで刺される〉
ふとし:なっ!なんのまねだ!
さゆり:うふふ…まだおきづきになりませんの?〈姿形が変化していく〉
ふとし:はっ!おまえは…まさか!?
あかね:〈大人口調で〉『そうじゃ、こやつは*妾《わらわ》の分身での、姿を変えてお前の元に忍ばせておいたのじゃ。全く、侵略などとよくも勝手な真似をしてくれたな。』
ふとし:な、なんだと?
あかね:〈大人口調で〉『まあ良い。いずれ全ては*妾《わらわ》の物になるのじゃ。』
ふとし:どういう…ことだ?
あかね:〈大人口調で〉『*妾《わらわ》は*闇人《やみびと》の*始祖《しそ》にして、全ての始まりの存在「女帝レイア」。お前の全ては*妾《わらわ》が食ろうてやるわ。(ガブっ!)』〈ヘンゲルの首に噛み付く〉
ふとし:ぐぁ!!
ふとし:〈大人口調で〉『(な、なんだ!?噛み付いた所から俺がこいつに吸収されていく!)』
ふとし:やめろ!やめてくれ!おれはまだしにたく…。〈レイアに全て吸収される〉
あかね:(ペロリ)〈舌なめずり〉
あかね:〈大人口調で〉『ふふふ…。安心せい。お前は*妾《わらわ》の中で永遠に生き続けるがよいわ。』
:
:-------------------(戦闘現場にて)
まさみ:ぐりーん…いや、えりな。さいごにもういちどいうわ。そこをどいて!そしていつものあかるいえりなにもどって!
えりな:う…うう!…ま、まさみ…。〈突然胸を押さえてうずくまる〉
まさみ:え、えりな!?だいじょうぶ?〈えりなの元に駆け寄る〉
えりな:はぁ…はぁ、まさみ、よくきいて。
まさみ:うん!なに?(まさか、わたしのこえがとどいたの?)
えりな:あのね…。
まさみ:なっ!〈えりなに羽交い締めにされる〉
まさみ:は、はなして!なんなのよ!
えりな:あははは!!まさみ、あなたほんとうにおひとよしね!あんなみえすいたしばいにだまされるんですもの!
まさみ:えっ?まさか、さいしょからそのつもりで!
えりな:そのとおりよ!それじゃあ、あなたにもたいけんさせてあげるわ!やみのちからのすばらしさをね!それっ!
まさみ:あっ!〈ブルーの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しブルーを包み込む〉
まさみ:〈大人口調で〉『(あぁぁぁ!!闇が私の胸から*溢《あふ》れ出していく!!…えっ?…何、この感覚?闇に包まれているのに…心が安らぎで満たされていく…はぁ♡)』
えりな:これであなたもアタチたちのなかまよ♡
まさみ:(わたしがじょじょにやみにそまっていくの…いいわぁ♡)〈闇がまさみに全て吸収される〉
えりな:まさみ、きぶんはどう?
まさみ:うふふふ…なんてすがすがしいのかしら!さいこうのきぶんだわ!
えりな:ともにれいあさまにおつかえしましょう。
まさみ:ええ、よろこんで!
:
たえこ:ねぇ、どうしたの?さっきからぜんぜんこうげきしてこないけど?
さゆり:だって…あたし、たえこのこときずつけるなんてできない!
たえこ:そう…でもわたしはできるわよ!っと〈さゆりの腹を蹴る〉
さゆり:ぐぁ!
たえこ:ほらほら!どうしたの!〈さゆりの顔を殴る〉
さゆり:きゃあ!〈その場に倒れる〉
たえこ:もうおしまい?つまんないわね。
さゆり:ど、どんなになぐられても…たえこはわたしのたいせつななかまだから。
たえこ:さゆり…。〈近づいて行って後ろからそっと抱きしめる〉
さゆり:え…?
たえこ:ありがとう…さゆり。ごめんね。なぐったりして。
さゆり:た、たえこ…もしかしてあなた…。
たえこ:アタイがあなたをすてきなせかいへつれてってあげるからね!えいっ!〈さゆりを強く抱きしめる〉
さゆり:なっ!〈ブルーの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しブルーを包み込む〉
さゆり:〈大人口調で〉『(なに?何なのこれ!?吹き出した闇があたしをどんどん*覆《おお》っていく!…なんかふわふわして…とっても…気持ち良い…。)』
たえこ:もうすぐよ、さゆり。
さゆり:(あたしのこころが、まっくろいものでみたされていくの…ふぁぁ♡)〈闇がさゆりに全て吸収される〉
たえこ:さゆり、ようこそみわくのせかいへ。
さゆり:すてきだわぁ!なんのきょうふも、うしろめたさもかんじないの!あははは!
たえこ:それはよかった。さぁ、あなたもわたしといっしょにれいあさまをおまもりするのよ。
さゆり:ええ。このいのち、あのおかたにすべてささげるわ!
:
あかね:〈大人口調で〉『さて、ブルーとパープルは堕ちたようじゃな。残るはお主だけじゃが…どうする?』
ゆず子:くっ…。わたしはひとりでもたたかうわ!だってわたしは、せかいをまもるひーろーだから!
あかね:〈大人口調で〉『ほう、それは頼もしいことよの。じゃあそんなお主に良い知らせがある。ほれ、話してみよ。〈ゆず子に通信機を渡す〉』
ゆず子:つうしんき?もしもし…?
ふとし:【国のお偉いさん】
ふとし:〈大人口調で〉『〈通信〉光の戦士クリスタル・レッドよ。今までご苦労であった。おめでとう!君は任務を見事*完遂《かんすい》したのだ!』
ゆず子:え…?なにをいってるんですか?おえらいさん、いまめのまえにさいだいのてきがいるんですよ!
ふとし:〈大人口調で〉『〈通信〉実はな、君たちエンジェル・クリスタルの任務は闇帝国と戦うことではない。』
ゆず子:は?どういうことですか?
ふとし:〈大人口調で〉『〈通信〉君たちの本当の任務は、器である「あかね」という少女を闇帝国の侵略から守り抜き、女帝レイア様を復活させることにあったのだ。』
ゆず子:そ、そんな…。
ふとし:〈大人口調で〉『〈通信〉君たちには心から礼を言おう。これで安心して地球をレイア様に明け渡せるというものだ。ありがとう!そしてさらばだ!』〈通信切れる〉
ゆず子:じゃあ…わたしはいままでなんのためにたたかってきたの?
あかね:〈大人口調で〉『悔しいのぅ、悲しいのぅ。*妾《わらわ》はお主の心の叫びが痛い程分かるぞえ。』
ゆず子:う、うう…うわぁぁん!!わたしたち、こんなにがんばったのに!こんなのってひどすぎるよ!!あぁぁぁ!!〈号泣する〉
あかね:〈大人口調で〉『そうじゃな。お主らはこの地球を守るために本当によく頑張った。お主らこそ、本物のヒーローじゃ。』
ゆず子:ぐすん…えっ…?
あかね:〈大人口調で〉『じゃが全てはもう終わったのじゃ。戦士よ、今度は*妾《わらわ》がお主を癒してやろうぞ。ほれっ!』
ゆず子:え…?〈レッドの胸に付いている宝玉から闇が吹き出しレッドを包み込む〉
ゆず子:〈大人口調で〉『(あ、あぁ…私の宝玉からどんどん闇が湧き出してきて、私を優しく包み込んでいく…はぁぁ…なんて幸せなの…。)』
あかね:〈大人口調で〉『闇によって身も心も癒されるがよい。』
ゆず子:(わたしのきずついたこころにやみがしみこんでいく…ふぁぁ♡…わたし、いまとってもあいされてる…)〈闇がゆず子に全て吸収される〉
:
:-------------------(数日後)
あかね:〈大人口調で〉『*妾《わらわ》の元に集いし5人の戦士たちよ。共にこの宇宙を支配しようぞ。』
ゆず子:〈大人口調で〉『レイア様、命尽きるまでお供いたします。』
まさみ:〈大人口調で〉『この命、レイア様に捧げます。』
たえこ:〈大人口調で〉『レイア様の進む道は我々が照らして差し上げますわ。』
えりな:〈大人口調で〉『この身に替えてもレイア様をお守りいたします。』
さゆり:〈大人口調で〉『レイア様のためなら死すらも恐れませんわ。』
あかね:〈大人口調で〉『良きかな、良きかな。ふふふ…あはははは!』
:
ゆず子:(M)こうしてせかいは、やみによってかんぜんにしはいされた…。
:
:【究極の「ヒーローごっこ」終了】
:
えりな:おつかれさまでした!
ゆず子:いやー!ながかったねー!
まさみ:ほんとほんと!ちょうたいさくだったね!
さゆり:でもめっちゃやりがいがあった!
たえこ:ふとしくん、あかねちゃん、二人はどうだった?
ふとし:お…。
ゆず子:お?
ふとし:めっちゃたのしかった!!
ゆず子:(さっきの「お…」はなんだったの?)
ふとし:なぁ、あかね。おまえもそうおもうだろ?
あかね:…。
ふとし:あかね…?
あかね:おぬし、だれにくちをきいておるのじゃ?
ふとし:は?
さゆり:ちょ、ちょっとあかねちゃん?
えりな:まさか、まだやくがぬけていない…とか?
あかね:わらわはうちゅうのちょうてんにたつそんざいなり。あだなすものはようしゃせぬぞ!
たえこ:あちゃー…これはかんぜんにひょういされちゃってるね。
まさみ:ねぇ…どうすんの?これ?
ゆず子:はぁ…こうなったらしかたない…。
:
ゆず子:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
まさみ:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
たえこ:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
えりな:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
さゆり:あかねさまにちゅうせいをちかいます!〈同時に〉
ふとし:え…おれも?
あかね:ええーい!きさまだけはゆるさぬ!かくごしろ!
ふとし:ぎゃぁぁぁ!!
たえこ:(これ…かんぜんにたちばぎゃくてんしてるわね…。)
:
ナレーション:こうして、長きに*亘《わた》る血で血を洗う戦いは平和的解決を迎えた。だがしかし!女児たちのお*戯《たわむ》れはこれからも飽きることなく続くのであった。
:
:~完~