台本概要
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タイトル | バディ5 ~バディvsバディ~ |
---|---|
作者名 | 赤影 (@akakage_sekiyou) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 5人用台本(男3、不問2) |
時間 | 40 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
富岡との戦いにより傷ついたカイトとケンヤ、そしてリョウタとケイ。 血を流し過ぎたカイトと能力の使い過ぎにより倒れたケイを抱え、ケンヤとリョウタは一週間後、再戦を約束して別れた。 そしてその約束の一週間が経ち・・・ 108 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
カイト | 男 | 46 | 目の能力者。 高野、リョウタとケイ、富岡との連戦により負傷中。 肩を負傷後、武器は銃を使う事が多くなった。 |
ケンヤ | 男 | 66 | 狼男の半人外。 カイト同様連戦により負傷しているが、半人外故に傷の治りは早い。 武器は鉄パイプ。 |
リョウタ | 男 | 72 | 聴覚の能力者。 ケイを傷つけたカイトとケンヤを恨んでいる。 武器は銃を使う事が多い。 |
ケイ | 不問 | 61 | 言霊の能力者。テンション高め。 富岡との戦いで能力を使いすぎ、ダウン中。 リョウタを傷つけたカイトとケンヤを恨んでいる。 武器は刀。 |
??? | 不問 | 42 | 異国からやってきた謎の人物。 年齢は定かではない。 途中で名前が明かされます。(表記も変わります) |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ケンヤ:大丈夫かー?カイト
カイト:あんま大丈夫じゃねぇが・・・
ケンヤ:三日も寝てたくらいだからな。ほんと、人間ってのは弱いよな
カイト:うるせぇ・・・半人外のお前にゃ、誰もかなわねぇよ
ケンヤ:けど、明日だぜ?約束の一週間は
カイト:わかってる
ケンヤ:銃、撃てんのかよ?
カイト:撃てなくはねぇ。が、反動がめちゃくちゃ痛ぇ・・・
ケンヤ:分が悪いなんてもんじゃねぇな
ケンヤ:あいつらに最初に会った時に負わせた傷、富岡と戦った時にはすでに癒(い)えてたみてぇだし?
カイト:ああ。ケイの能力をリョウタの能力で底上げして治したんだろうな・・・
ケンヤ:ほんと厄介だな、あの二人
カイト:・・・ケンヤ、今回俺は確実に足手まといだ。明日は俺一人でも
ケンヤ:(さえぎって)馬鹿言うんじゃねぇ。俺はあいつらが気に食わねぇんだ
ケンヤ:テメェが足手まといなのは百も承知。それでも俺達はバディ。そう決めたのは俺だ。だから明日はお前を庇(かば)いながらでもあいつらと戦う
ケンヤ:負けるのが怖ぇから俺だけ逃げる?ハッ!ふざけんじゃねぇ。あんまり俺を見くびるなよ?
カイト:・・・悪ぃ・・・ありがとな
ケンヤ:礼を言われる事なんざしてねぇ
カイト:・・・そうだな
カイト:・・・よしっ!どんなに不利だろうと、明日は勝つぞ、ケンヤ!
ケンヤ:当たり前だ!!
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ケイ:ぁあーー・・・
リョウタ:大丈夫?ケイ
ケイ:まだ喉痛い。だるい。頭痛い
リョウタ:無茶しすぎ
ケイ:だって、あいつめんどくさかったんだもん
リョウタ:だからって、強い能力者の能力を全否定するような言霊は使うな。俺には体大事にしろって言うくせに、自分は大事にしないんだから・・・
ケイ:それはぁ・・・
リョウタ:何?
ケイ:・・・でもそのおかげで勝てたでしょ?
リョウタ:それは結果論。結局倒れちゃったでしょ
ケイ:そうだけどさぁ・・・
リョウタ:ケイが倒れたら、俺が心配するってわからなかった?
ケイ:・・・わかってた・・・
リョウタ:じゃあもうしないで
ケイ:はぁい・・・
リョウタ:・・・しゃーないなぁ。明日の決戦のためにも、ケイ?
ケイ:んー?
リョウタ:『大丈夫だよ。俺達は最強のバディだから』
ケイ:もー!リョウタずるい!そんな事言われたら絶対負けらんないじゃん!
リョウタ:負けると思ってた?
ケイ:思ってないよ!
リョウタ:じゃあケイ。ケイの言霊ほどではないけど、今日も言葉、送るよ
ケイ:うん!
リョウタ:イヤージャック。(ささやき声で)『お疲れ様。ケイの疲れが吹っ飛びますように』
ケイ:ありがと、リョウタ!おやすみ
リョウタ:おやすみ
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???:ふぅむ・・・今までずっと見守ってきたが・・・
???:カイトめ、本来の目的を失念してるな。リョウタとケイはシリアルキラーではあるまいに。何故命を懸けてまで戦おうとするのだ・・・
???:・・・これは私も心構えをしておいた方が良いかも知れないな・・・
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リョウタ:大丈夫?
ケイ:うん!リョウタに癒(いや)してもらったもん♪
リョウタ:ケイ・・・はぁ、まぁいいか
リョウタ:ん?おーおー、約束通りちゃんと来たみたいだな
ケンヤ:ったりめぇだろ
ケイ:私達と違ってカイトは怪我の治りが遅いんだから、来ないかと思ってた
カイト:ふざけんな。どんな怪我をしてようが、尻尾巻いて逃げるなんてだせぇ真似(まね)、誰がするかよ
ケイ:そんな包帯だらけの体で言われてもねぇ
ケンヤ:テメェだってこの前の戦いでぶっ倒れてたじゃねぇか、チビ助
ケイ:御託(ごたく)はいいんだよ。さっさと始めるぞ
0:
ケンヤ:カイト!
カイト:俺の目を見ろ、ケンヤ!
ケンヤ:おう!
カイト:『お前は誇り高き狼。その牙と爪は何者にも劣(おと)らない!』
ケンヤ:ガルルルルルル・・・ッ
0:
リョウタ:ほーお、そう来たか
ケイ:ずっと洗脳されてたってのに、またカイトの洗脳を受け入れるなんて・・・
ケイ:しかも狼に戻すとかずるくない?
リョウタ:戦いづらい?
ケイ:うん、正直
リョウタ:でも、容赦はしてあげないよ?
ケイ:もちろん!
リョウタ:イヤージャック
ケイ:『リョウタの能力は強い!』
リョウタ:イヤージャック。(ささやき声)『頑張れ、ケイ』
ケイ:『私の能力は強い!』
リョウタ:イヤージャック
ケイ:『私とリョウタは誰にも負けない!』
0:
カイト:チッ。やっぱりそう来るよなぁ
リョウタ:当たり前だろ?
ケイ:さぁ、始めようか!
ケンヤ:ガルァアア!
ケイ:んな力任せの攻撃、当たるかよ!はぁあっ!
ケンヤ:グルルル!
カイト:俺を忘れんな!
リョウタ:お前こそ俺を忘れてんじゃねぇぞ?
カイト:くっ!
リョウタ:イヤージャック。(ささやき声)『カイト、目はかすんでないか?』
カイト:!?何だ!?目が急に・・・
リョウタ:そのまま自分の目と戦ってろ
ケイ:ハッ!
ケンヤ:ガルァッ!
リョウタ:ケイ、援護行くぞ
ケイ:うん!『リョウタの弾は私には当たらない!』
ケンヤ:ウラァア!!
ケイ:おっと!
リョウタ:まともに受け止めるなよ?
ケイ:分かってるよ!
カイト:クソッ!目がかすんで、照準(しょうじゅん)が合わねぇ!
ケンヤ:グァ!
カイト:ケンヤ!
ケイ:あはははは!いくら鼻が良くても、攻撃の気配がつかめなければ避けるの大変でしょ!
リョウタ:おーおー、俺の援護がある事も忘れんな?
ケンヤ:グゥウウッ!
カイト:なまじケンヤの動きが早いせいで、ただでさえ援護が難しいってのに・・・っ!
カイト:(リョウタを潰せりゃ早いのに!必ずケンヤの沿線上に移動しやがるから撃つに撃てねぇ!)
ケイ:『止まれ、ケンヤ!』ハッ!
ケンヤ:ぐぁっ!?
カイト:ケンヤァ!!
リョウタ:おっと、危ねぇなぁ。銃弾じゃ相方に当たるからって、ナイフ投げてくんなよ
カイト:俺達はバディなんだ!ケンヤだけ戦わせてられるか!
リョウタ:心がけとしては感心だな
ケイ:でも戦力にはなってないよ?ハハッ
カイト:クッソ!
ケンヤ:んなことねぇよ!
ケイ:うわっ!
リョウタ:ケイ!
ケイ:チッ!洗脳されて能力を上げる代わりに、単調な攻撃しかできねぇんじゃねぇのかよ!
ケンヤ:誇り高き狼が!単調なわけ!ねぇだろ!
ケイ:グッ!正論っむかつく!
カイト:ケンヤ!そのままそのチビ抑えとけ!
ケンヤ:おう!
リョウタ:させるか!
カイト:俺を無視すんじゃねぇよデカブツ!
リョウタ:チッ!またナイフを!
ケイ:ギッ!
リョウタ:!?ケイッ!?
ケンヤ:ハハッ。確かにチビの攻撃の気配はわからねぇ。けどなぁ!カイトの投げたナイフならわかんだよ!
リョウタ:チッ、俺が避けることを見越してケイに当たるよう誘導(ゆうどう)しやがったか!
ケイ:いってぇじゃねぇかクソがぁあ!!
カイト:ハッ!前回俺達に「同じ轍(てつ)を踏んでる」ってバカにしてきた奴らが、同じような攻撃の喰らい方してんじゃねぇか!
リョウタ:なめた真似を・・・っ!
ケンヤ:ざまぁみろ!
ケイ:一発当てたくらいで調子にのってんじゃ・・・ぐっ!?
ケンヤ:致命傷になる一発って、知ってっか?
リョウタ:ケイ?まさか・・・ナイフに毒でも塗ってやがったか!
カイト:ヘヘッ、せーかい
ケンヤ:この機を逃すほど俺はお人よしじゃねぇぜ!
ケイ:チッ!
リョウタ:・・・ケイ、落ち着け。毒は毒でも致死性のものじゃないはずだ。じゃなきゃ目がかすんでる状態で投げてくるわけがねぇ
カイト:チッ!勘の鋭い奴め!
ケンヤ:けど、動きが鈍ればって、うおっ!?
ケイ:ざーんねんだったなぁ!!私の特異体質は気配が薄いだけじゃねぇんだわ!
リョウタ:多少の毒ならケイには効かねぇよ。ついでに言えば、俺にもな
ケンヤ:なんつー厄介なバディだよテメェら!
カイト:クソッ!
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0:
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ケイ:ハンッ!だから最初に言っただろうが!私達は最強のバディだって・・・
ケイ:っ!リョウタ!!
リョウタ:あ?・・・ぐっ!!
カイト、ケンヤ:なっ!?
???:・・・ほう、あれをかする程度で済ませるか・・・
ケンヤ:誰だテメェ!
???:全員大人しくしてもらうぞ
ケイ:テメェ!よくもリョウタに!
リョウタ:ぐ、ぅうう・・・
ケイ:リョウタ!?
カイト:呻(うめ)き声・・・まさか、致死性の毒か!?
???:よくわかったな
ケイ:リョウタ!リョウタ!!
ケンヤ:テメェ、どこの誰だか知らねぇが、邪魔しやがって!
???:ふんっ
カイト:ぐぁあ!
ケンヤ:カイト!
ケイ:『リョウタに毒は効かない!』
リョウタ:っ・・・はぁ・・・はぁ・・・っ
???:ふむ、厄介だな
ケンヤ:コノヤロッ!
???:お前と遊ぶのは後だ、半人外
ケンヤ:なっ!
ケイ:っ!リョウタ危ない!
リョウタ:っケイ!
ケイ:がぁあ!
ケンヤ:っ!
???:ふふ。やはり大きい方をかばったか。しかし毒のナイフが二本直撃。はたして耐えられるかな?
リョウタ:ケイ・・・!イヤー、ジャック
ケイ:がはっ・・・はっ・・・『わた、しに・・・』・・・う・・・
リョウタ:ケイ!
ケンヤ:カイト!おい、しっかりしろ、カイト!
カイト:ぐ、うぅ・・・
リョウタ:くそ・・・気休めにしかならんが・・・イヤージャック(ささやき声)『大丈夫だよ、ケイ』
ケイ:う・・・ぐ・・・
リョウタ:ついでに、(ささやき声)『大丈夫だ、カイト』
カイト:くっ・・・は、かはっ・・・
ケンヤ:カイトの顔色が!リョウタ、お前・・・
リョウタ:横槍ばっかで、嫌になるぜ
???:攻撃したそばから無効化されて、こっちも嫌になるね。っと
リョウタ:ぐぁっ!
ケンヤ:リョウタ!
ケンヤ:テメェは一体誰なんだ!
???:なに。しがないただの毒使いさ
ケンヤ:ふざけんな!何で俺達の戦いを邪魔しやがった!
???:それはカイトとケンヤ。お前たちが当初の目的を忘れているから、止めてやったのだよ
ケンヤ:何!?
???:そもそもお前たちは何のためにバディを組んだ?
ケンヤ:それは、シリアルキラー狩りをするために・・・
???:ああ、そうだ。で?そこのリョウタとケイ。そいつらはシリアルキラーか?
ケンヤ:っ!!
???:では訊こう。何故、お前たちは戦っている?
ケンヤ:そ、れは・・・
ケイ:死ねや、クソ野郎・・・
0:
0:ケイは自分に刺さっていたナイフを???に投げ返した
0:
???:おっと
ケイ:『リョウタに毒は効かない』『カイトに毒は効かない』『私に毒は効かない』
リョウタ:よせ、ケイ・・・
ケイ:がはっ・・・
???:前回能力を使いすぎた反動も収まらないうちに、能力を連発とは・・・少しは落ち着いたらどうだ?
ケイ:う、るせ・・・
カイト:おい、リョウタ、ケイ!俺の目を見ろ!『お前らは傷の治りが早』
???:はぁ・・・カイト、お前の能力はこうして対象との間に立つだけで無効化できる。わからないか?
カイト:くっ!
リョウタ:・・・・・・(無言で発砲)
???:ふっ。リョウタ、お前はケイを気にかけすぎだ。動揺が伝わってくるぞ?
リョウタ:大事な、相棒を、気にかけて・・・何が悪い
???:撃つならもっと早くに撃つべきだったな。照準があっていない
リョウタ:・・・クソがっ
ケンヤ:待て、本当に何なんだテメェ。俺達を殺そうと思えばすぐに殺せるだけの状況で、何故殺さない?
???:そんなもの、答えは簡単だろう?殺す気がないからさ
カイト:致死、性の毒を、使っておいて・・・何、言ってやがる・・・
???:致死性とは言え、すぐには死なんように配分してあるからな
???:私は、お前たちの戦いを止めに来ただけだ
リョウタ:な、に・・・?
???:お前たちが争う理由はなんだ。「気に食わないから」それだけだろう?たったそれだけに命を懸けるなど、バカらしい
ケイ:テ、メェ・・・
???:現状をよく見てみろ。お前たちは殺し合いをしておきながら、いざ邪魔が入ればこうして躊躇(ためら)いなく共闘の道を選ぶ。それだけ意気投合しながら、何故共に歩む道は選ばない?
ケンヤ:それ、は・・・
???:さぁ、交渉の時間だ。お前たちがこのままここで全滅するか、それとも全員生き残るか。どちらを選ぶかは、お前たち次第だ
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ケイ:ひゅー・・・ひゅー・・・
リョウタ:ケイ!しっかりしろ!
ケイ:リョ・・・タ・・・
リョウタ:墓場まで一緒だって約束しただろ?ケイ!
???:あまり時間はないぞ?リョウタにも当たるように投げたナイフを、ケイは両方とも受け止めてしまったのだからな。さらには能力の連発・・・己で己の首を絞めてしまったわけだ
カイト:そもそもテメェが・・・
ケンヤ:待てカイト!おい、テメェ。さっさと話を聞かせろ
???:賢明な判断だな
ケンヤ:御託(ごたく)はいい!
???:ふむ。私はお前たちを応援していた、カイト、ケンヤ
ケンヤ:俺達を・・・?
???:そうだ。日常に紛れ、暗闇に跋扈(ばっこ)する殺人鬼どもを人知れず始末するバディ・・・
???:私の一族は治安を重視する一族でね。知っているかな?リリクルのグレイ・ガロを。彼は我が一族の中でも一番の立役者にして悲劇の人物だった
ケンヤ:知るかっ!
???:だろうな
ケンヤ:早く要件を言え!
???:言っているだろう。カイトとケンヤ、そしてリョウタとケイ。手を組め。そしてこれからもこの街の治安維持に努(つと)めろ
ケンヤ:なんでテメェに指図されなきゃ・・・
???:いいのか?お前らが手を組まないのであれば、そこの三人は死ぬ
ケンヤ:くっ!
???:手を組むのであれば、今すぐに解毒剤を打ち、治療をしてやろう
ケンヤ:そんなもん、交渉でも何でもねぇ!ただの脅(おど)しじゃねぇか!
???:そうだ。私はお前らに手を組んで欲しいわけだからな
???:さぁ、どうする?
ケンヤ:グルルル・・・
リョウタ:ケイ、ケイ!しっかりしろ!
ケイ:・・・ひゅ・・・ひゅ・・・
カイト:・・・わかった・・・
ケンヤ:カイト?
カイト:このままじゃ、ケイは死ぬ・・・借りを作ったまま、死なせるのは・・・
ケンヤ:・・・・・・
リョウタ:ケイ・・・ケイ・・・!
カイト:だったら、手を組むしかねぇだろう
ケンヤ:・・・だな
???:結論は出たようだな
ケンヤ:ああ。俺達は手を組む事に異論はねぇ。リョウタ、お前はどうだ
リョウタ:・・・ケイが助かるなら、いくらでも組んでやるよ・・・っ!
???:いいだろう。では解毒剤を打とう
リョウタ:待て!それが解毒剤である保証は?
???:言っただろう?私はお前たちに手を組んで欲しいんだ。殺すわけがないだろう
リョウタ:・・・・・・
カイト:・・・なら、まず俺に打て
ケンヤ:カイト?
カイト:それで大丈夫なら、ケイに打て。それでいいだろう?
リョウタ:・・・ああ。お前がそれでいいなら
???:いい心がけだな
0:
0:???はカイトに解毒剤を打ち、少ししてからケイとリョウタにも解毒剤を打った
0:
???:さぁ、傷口の治療もしようか
ケンヤ:ここでか?
???:ああ。出血もひどいからな
カイト:どうやって・・・
???:こうやってさ(ケイの傷口に手をかざす)
ケイ:・・・暖、かい・・・
リョウタ:ケイの傷口が・・・
???:これでさっきの解毒剤と合わさって完全に治癒する
カイト:・・・あんたも能力者か
???:ああ。治癒の能力者、シルバー・ガロ
ケンヤ:シルバー・ガロ・・・
ケイ:・・・狼・・・
リョウタ:ケイ?
ケイ:・・・聞いた事、ある・・・
シルバー:ほう
ケイ:狼の・・・いちぞ、く・・・
リョウタ:ケイ!
シルバー:慌てるな。治癒のために眠っただけだ。さぁ、カイト、リョウタ。お前たちの傷も治すぞ
カイト:・・・ああ、頼む
リョウタ:・・・それで俺も眠るのか?
シルバー:それはお前の体力による
リョウタ:・・・そうか・・・
ケンヤ:とにかく二人を早く治せよ、シルバー・ガロ
シルバー:せっかちな子犬だな、ケンヤ
ケンヤ:子犬だと!?
シルバー:私から見たら子犬だよ。同族の子よ
カイト:ケンヤが、同族・・・?
リョウタ:なるほど・・・前にケイが言ってた狼の一族が、あんたらガロ一族か。そしてケンヤはその血を引いている、と・・・
シルバー:さすがに理解が早いな、リョウタ
リョウタ:ならあのナイフさばきも納得だ
シルバー:ほう?そこまで知っていたとは、あのおチビさんはよほど我が一族に興味があるようだな
リョウタ:ちげぇよ。ケイは狼が好きなだけだ
シルバー:なるほど
カイト:あんたの正体は後で聞かせてもらうとして、今は早く治してくれないか。あんたのせいでこっちは痛くて仕方ねぇんだからよ
シルバー:ふふ、すまない。今治そう。そして君らの今後と私の話は、ケイが起きてから、改めてしてあげよう
シルバー:だから今はゆっくり休みたまえ、前途有望な若者達よ
ケンヤ:・・・うっ?
カイト:なん、だ・・・?
リョウタ:くそ・・・眠るかは、体力次第じゃ、なかったのかよ・・・
シルバー:ああ。治癒による眠気は体力次第さ。だがこれは麻酔。強制的に休んでもらうよ
リョウタ:く、そ・・・ケイ・・・
シルバー:安心したまえ。起きたらまた会える
シルバー:だからゆっくり、おやすみ。また次に会うその日まで・・・
ケンヤ:大丈夫かー?カイト
カイト:あんま大丈夫じゃねぇが・・・
ケンヤ:三日も寝てたくらいだからな。ほんと、人間ってのは弱いよな
カイト:うるせぇ・・・半人外のお前にゃ、誰もかなわねぇよ
ケンヤ:けど、明日だぜ?約束の一週間は
カイト:わかってる
ケンヤ:銃、撃てんのかよ?
カイト:撃てなくはねぇ。が、反動がめちゃくちゃ痛ぇ・・・
ケンヤ:分が悪いなんてもんじゃねぇな
ケンヤ:あいつらに最初に会った時に負わせた傷、富岡と戦った時にはすでに癒(い)えてたみてぇだし?
カイト:ああ。ケイの能力をリョウタの能力で底上げして治したんだろうな・・・
ケンヤ:ほんと厄介だな、あの二人
カイト:・・・ケンヤ、今回俺は確実に足手まといだ。明日は俺一人でも
ケンヤ:(さえぎって)馬鹿言うんじゃねぇ。俺はあいつらが気に食わねぇんだ
ケンヤ:テメェが足手まといなのは百も承知。それでも俺達はバディ。そう決めたのは俺だ。だから明日はお前を庇(かば)いながらでもあいつらと戦う
ケンヤ:負けるのが怖ぇから俺だけ逃げる?ハッ!ふざけんじゃねぇ。あんまり俺を見くびるなよ?
カイト:・・・悪ぃ・・・ありがとな
ケンヤ:礼を言われる事なんざしてねぇ
カイト:・・・そうだな
カイト:・・・よしっ!どんなに不利だろうと、明日は勝つぞ、ケンヤ!
ケンヤ:当たり前だ!!
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ケイ:ぁあーー・・・
リョウタ:大丈夫?ケイ
ケイ:まだ喉痛い。だるい。頭痛い
リョウタ:無茶しすぎ
ケイ:だって、あいつめんどくさかったんだもん
リョウタ:だからって、強い能力者の能力を全否定するような言霊は使うな。俺には体大事にしろって言うくせに、自分は大事にしないんだから・・・
ケイ:それはぁ・・・
リョウタ:何?
ケイ:・・・でもそのおかげで勝てたでしょ?
リョウタ:それは結果論。結局倒れちゃったでしょ
ケイ:そうだけどさぁ・・・
リョウタ:ケイが倒れたら、俺が心配するってわからなかった?
ケイ:・・・わかってた・・・
リョウタ:じゃあもうしないで
ケイ:はぁい・・・
リョウタ:・・・しゃーないなぁ。明日の決戦のためにも、ケイ?
ケイ:んー?
リョウタ:『大丈夫だよ。俺達は最強のバディだから』
ケイ:もー!リョウタずるい!そんな事言われたら絶対負けらんないじゃん!
リョウタ:負けると思ってた?
ケイ:思ってないよ!
リョウタ:じゃあケイ。ケイの言霊ほどではないけど、今日も言葉、送るよ
ケイ:うん!
リョウタ:イヤージャック。(ささやき声で)『お疲れ様。ケイの疲れが吹っ飛びますように』
ケイ:ありがと、リョウタ!おやすみ
リョウタ:おやすみ
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???:ふぅむ・・・今までずっと見守ってきたが・・・
???:カイトめ、本来の目的を失念してるな。リョウタとケイはシリアルキラーではあるまいに。何故命を懸けてまで戦おうとするのだ・・・
???:・・・これは私も心構えをしておいた方が良いかも知れないな・・・
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リョウタ:大丈夫?
ケイ:うん!リョウタに癒(いや)してもらったもん♪
リョウタ:ケイ・・・はぁ、まぁいいか
リョウタ:ん?おーおー、約束通りちゃんと来たみたいだな
ケンヤ:ったりめぇだろ
ケイ:私達と違ってカイトは怪我の治りが遅いんだから、来ないかと思ってた
カイト:ふざけんな。どんな怪我をしてようが、尻尾巻いて逃げるなんてだせぇ真似(まね)、誰がするかよ
ケイ:そんな包帯だらけの体で言われてもねぇ
ケンヤ:テメェだってこの前の戦いでぶっ倒れてたじゃねぇか、チビ助
ケイ:御託(ごたく)はいいんだよ。さっさと始めるぞ
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ケンヤ:カイト!
カイト:俺の目を見ろ、ケンヤ!
ケンヤ:おう!
カイト:『お前は誇り高き狼。その牙と爪は何者にも劣(おと)らない!』
ケンヤ:ガルルルルルル・・・ッ
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リョウタ:ほーお、そう来たか
ケイ:ずっと洗脳されてたってのに、またカイトの洗脳を受け入れるなんて・・・
ケイ:しかも狼に戻すとかずるくない?
リョウタ:戦いづらい?
ケイ:うん、正直
リョウタ:でも、容赦はしてあげないよ?
ケイ:もちろん!
リョウタ:イヤージャック
ケイ:『リョウタの能力は強い!』
リョウタ:イヤージャック。(ささやき声)『頑張れ、ケイ』
ケイ:『私の能力は強い!』
リョウタ:イヤージャック
ケイ:『私とリョウタは誰にも負けない!』
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カイト:チッ。やっぱりそう来るよなぁ
リョウタ:当たり前だろ?
ケイ:さぁ、始めようか!
ケンヤ:ガルァアア!
ケイ:んな力任せの攻撃、当たるかよ!はぁあっ!
ケンヤ:グルルル!
カイト:俺を忘れんな!
リョウタ:お前こそ俺を忘れてんじゃねぇぞ?
カイト:くっ!
リョウタ:イヤージャック。(ささやき声)『カイト、目はかすんでないか?』
カイト:!?何だ!?目が急に・・・
リョウタ:そのまま自分の目と戦ってろ
ケイ:ハッ!
ケンヤ:ガルァッ!
リョウタ:ケイ、援護行くぞ
ケイ:うん!『リョウタの弾は私には当たらない!』
ケンヤ:ウラァア!!
ケイ:おっと!
リョウタ:まともに受け止めるなよ?
ケイ:分かってるよ!
カイト:クソッ!目がかすんで、照準(しょうじゅん)が合わねぇ!
ケンヤ:グァ!
カイト:ケンヤ!
ケイ:あはははは!いくら鼻が良くても、攻撃の気配がつかめなければ避けるの大変でしょ!
リョウタ:おーおー、俺の援護がある事も忘れんな?
ケンヤ:グゥウウッ!
カイト:なまじケンヤの動きが早いせいで、ただでさえ援護が難しいってのに・・・っ!
カイト:(リョウタを潰せりゃ早いのに!必ずケンヤの沿線上に移動しやがるから撃つに撃てねぇ!)
ケイ:『止まれ、ケンヤ!』ハッ!
ケンヤ:ぐぁっ!?
カイト:ケンヤァ!!
リョウタ:おっと、危ねぇなぁ。銃弾じゃ相方に当たるからって、ナイフ投げてくんなよ
カイト:俺達はバディなんだ!ケンヤだけ戦わせてられるか!
リョウタ:心がけとしては感心だな
ケイ:でも戦力にはなってないよ?ハハッ
カイト:クッソ!
ケンヤ:んなことねぇよ!
ケイ:うわっ!
リョウタ:ケイ!
ケイ:チッ!洗脳されて能力を上げる代わりに、単調な攻撃しかできねぇんじゃねぇのかよ!
ケンヤ:誇り高き狼が!単調なわけ!ねぇだろ!
ケイ:グッ!正論っむかつく!
カイト:ケンヤ!そのままそのチビ抑えとけ!
ケンヤ:おう!
リョウタ:させるか!
カイト:俺を無視すんじゃねぇよデカブツ!
リョウタ:チッ!またナイフを!
ケイ:ギッ!
リョウタ:!?ケイッ!?
ケンヤ:ハハッ。確かにチビの攻撃の気配はわからねぇ。けどなぁ!カイトの投げたナイフならわかんだよ!
リョウタ:チッ、俺が避けることを見越してケイに当たるよう誘導(ゆうどう)しやがったか!
ケイ:いってぇじゃねぇかクソがぁあ!!
カイト:ハッ!前回俺達に「同じ轍(てつ)を踏んでる」ってバカにしてきた奴らが、同じような攻撃の喰らい方してんじゃねぇか!
リョウタ:なめた真似を・・・っ!
ケンヤ:ざまぁみろ!
ケイ:一発当てたくらいで調子にのってんじゃ・・・ぐっ!?
ケンヤ:致命傷になる一発って、知ってっか?
リョウタ:ケイ?まさか・・・ナイフに毒でも塗ってやがったか!
カイト:ヘヘッ、せーかい
ケンヤ:この機を逃すほど俺はお人よしじゃねぇぜ!
ケイ:チッ!
リョウタ:・・・ケイ、落ち着け。毒は毒でも致死性のものじゃないはずだ。じゃなきゃ目がかすんでる状態で投げてくるわけがねぇ
カイト:チッ!勘の鋭い奴め!
ケンヤ:けど、動きが鈍ればって、うおっ!?
ケイ:ざーんねんだったなぁ!!私の特異体質は気配が薄いだけじゃねぇんだわ!
リョウタ:多少の毒ならケイには効かねぇよ。ついでに言えば、俺にもな
ケンヤ:なんつー厄介なバディだよテメェら!
カイト:クソッ!
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ケイ:ハンッ!だから最初に言っただろうが!私達は最強のバディだって・・・
ケイ:っ!リョウタ!!
リョウタ:あ?・・・ぐっ!!
カイト、ケンヤ:なっ!?
???:・・・ほう、あれをかする程度で済ませるか・・・
ケンヤ:誰だテメェ!
???:全員大人しくしてもらうぞ
ケイ:テメェ!よくもリョウタに!
リョウタ:ぐ、ぅうう・・・
ケイ:リョウタ!?
カイト:呻(うめ)き声・・・まさか、致死性の毒か!?
???:よくわかったな
ケイ:リョウタ!リョウタ!!
ケンヤ:テメェ、どこの誰だか知らねぇが、邪魔しやがって!
???:ふんっ
カイト:ぐぁあ!
ケンヤ:カイト!
ケイ:『リョウタに毒は効かない!』
リョウタ:っ・・・はぁ・・・はぁ・・・っ
???:ふむ、厄介だな
ケンヤ:コノヤロッ!
???:お前と遊ぶのは後だ、半人外
ケンヤ:なっ!
ケイ:っ!リョウタ危ない!
リョウタ:っケイ!
ケイ:がぁあ!
ケンヤ:っ!
???:ふふ。やはり大きい方をかばったか。しかし毒のナイフが二本直撃。はたして耐えられるかな?
リョウタ:ケイ・・・!イヤー、ジャック
ケイ:がはっ・・・はっ・・・『わた、しに・・・』・・・う・・・
リョウタ:ケイ!
ケンヤ:カイト!おい、しっかりしろ、カイト!
カイト:ぐ、うぅ・・・
リョウタ:くそ・・・気休めにしかならんが・・・イヤージャック(ささやき声)『大丈夫だよ、ケイ』
ケイ:う・・・ぐ・・・
リョウタ:ついでに、(ささやき声)『大丈夫だ、カイト』
カイト:くっ・・・は、かはっ・・・
ケンヤ:カイトの顔色が!リョウタ、お前・・・
リョウタ:横槍ばっかで、嫌になるぜ
???:攻撃したそばから無効化されて、こっちも嫌になるね。っと
リョウタ:ぐぁっ!
ケンヤ:リョウタ!
ケンヤ:テメェは一体誰なんだ!
???:なに。しがないただの毒使いさ
ケンヤ:ふざけんな!何で俺達の戦いを邪魔しやがった!
???:それはカイトとケンヤ。お前たちが当初の目的を忘れているから、止めてやったのだよ
ケンヤ:何!?
???:そもそもお前たちは何のためにバディを組んだ?
ケンヤ:それは、シリアルキラー狩りをするために・・・
???:ああ、そうだ。で?そこのリョウタとケイ。そいつらはシリアルキラーか?
ケンヤ:っ!!
???:では訊こう。何故、お前たちは戦っている?
ケンヤ:そ、れは・・・
ケイ:死ねや、クソ野郎・・・
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0:ケイは自分に刺さっていたナイフを???に投げ返した
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???:おっと
ケイ:『リョウタに毒は効かない』『カイトに毒は効かない』『私に毒は効かない』
リョウタ:よせ、ケイ・・・
ケイ:がはっ・・・
???:前回能力を使いすぎた反動も収まらないうちに、能力を連発とは・・・少しは落ち着いたらどうだ?
ケイ:う、るせ・・・
カイト:おい、リョウタ、ケイ!俺の目を見ろ!『お前らは傷の治りが早』
???:はぁ・・・カイト、お前の能力はこうして対象との間に立つだけで無効化できる。わからないか?
カイト:くっ!
リョウタ:・・・・・・(無言で発砲)
???:ふっ。リョウタ、お前はケイを気にかけすぎだ。動揺が伝わってくるぞ?
リョウタ:大事な、相棒を、気にかけて・・・何が悪い
???:撃つならもっと早くに撃つべきだったな。照準があっていない
リョウタ:・・・クソがっ
ケンヤ:待て、本当に何なんだテメェ。俺達を殺そうと思えばすぐに殺せるだけの状況で、何故殺さない?
???:そんなもの、答えは簡単だろう?殺す気がないからさ
カイト:致死、性の毒を、使っておいて・・・何、言ってやがる・・・
???:致死性とは言え、すぐには死なんように配分してあるからな
???:私は、お前たちの戦いを止めに来ただけだ
リョウタ:な、に・・・?
???:お前たちが争う理由はなんだ。「気に食わないから」それだけだろう?たったそれだけに命を懸けるなど、バカらしい
ケイ:テ、メェ・・・
???:現状をよく見てみろ。お前たちは殺し合いをしておきながら、いざ邪魔が入ればこうして躊躇(ためら)いなく共闘の道を選ぶ。それだけ意気投合しながら、何故共に歩む道は選ばない?
ケンヤ:それ、は・・・
???:さぁ、交渉の時間だ。お前たちがこのままここで全滅するか、それとも全員生き残るか。どちらを選ぶかは、お前たち次第だ
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ケイ:ひゅー・・・ひゅー・・・
リョウタ:ケイ!しっかりしろ!
ケイ:リョ・・・タ・・・
リョウタ:墓場まで一緒だって約束しただろ?ケイ!
???:あまり時間はないぞ?リョウタにも当たるように投げたナイフを、ケイは両方とも受け止めてしまったのだからな。さらには能力の連発・・・己で己の首を絞めてしまったわけだ
カイト:そもそもテメェが・・・
ケンヤ:待てカイト!おい、テメェ。さっさと話を聞かせろ
???:賢明な判断だな
ケンヤ:御託(ごたく)はいい!
???:ふむ。私はお前たちを応援していた、カイト、ケンヤ
ケンヤ:俺達を・・・?
???:そうだ。日常に紛れ、暗闇に跋扈(ばっこ)する殺人鬼どもを人知れず始末するバディ・・・
???:私の一族は治安を重視する一族でね。知っているかな?リリクルのグレイ・ガロを。彼は我が一族の中でも一番の立役者にして悲劇の人物だった
ケンヤ:知るかっ!
???:だろうな
ケンヤ:早く要件を言え!
???:言っているだろう。カイトとケンヤ、そしてリョウタとケイ。手を組め。そしてこれからもこの街の治安維持に努(つと)めろ
ケンヤ:なんでテメェに指図されなきゃ・・・
???:いいのか?お前らが手を組まないのであれば、そこの三人は死ぬ
ケンヤ:くっ!
???:手を組むのであれば、今すぐに解毒剤を打ち、治療をしてやろう
ケンヤ:そんなもん、交渉でも何でもねぇ!ただの脅(おど)しじゃねぇか!
???:そうだ。私はお前らに手を組んで欲しいわけだからな
???:さぁ、どうする?
ケンヤ:グルルル・・・
リョウタ:ケイ、ケイ!しっかりしろ!
ケイ:・・・ひゅ・・・ひゅ・・・
カイト:・・・わかった・・・
ケンヤ:カイト?
カイト:このままじゃ、ケイは死ぬ・・・借りを作ったまま、死なせるのは・・・
ケンヤ:・・・・・・
リョウタ:ケイ・・・ケイ・・・!
カイト:だったら、手を組むしかねぇだろう
ケンヤ:・・・だな
???:結論は出たようだな
ケンヤ:ああ。俺達は手を組む事に異論はねぇ。リョウタ、お前はどうだ
リョウタ:・・・ケイが助かるなら、いくらでも組んでやるよ・・・っ!
???:いいだろう。では解毒剤を打とう
リョウタ:待て!それが解毒剤である保証は?
???:言っただろう?私はお前たちに手を組んで欲しいんだ。殺すわけがないだろう
リョウタ:・・・・・・
カイト:・・・なら、まず俺に打て
ケンヤ:カイト?
カイト:それで大丈夫なら、ケイに打て。それでいいだろう?
リョウタ:・・・ああ。お前がそれでいいなら
???:いい心がけだな
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0:???はカイトに解毒剤を打ち、少ししてからケイとリョウタにも解毒剤を打った
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???:さぁ、傷口の治療もしようか
ケンヤ:ここでか?
???:ああ。出血もひどいからな
カイト:どうやって・・・
???:こうやってさ(ケイの傷口に手をかざす)
ケイ:・・・暖、かい・・・
リョウタ:ケイの傷口が・・・
???:これでさっきの解毒剤と合わさって完全に治癒する
カイト:・・・あんたも能力者か
???:ああ。治癒の能力者、シルバー・ガロ
ケンヤ:シルバー・ガロ・・・
ケイ:・・・狼・・・
リョウタ:ケイ?
ケイ:・・・聞いた事、ある・・・
シルバー:ほう
ケイ:狼の・・・いちぞ、く・・・
リョウタ:ケイ!
シルバー:慌てるな。治癒のために眠っただけだ。さぁ、カイト、リョウタ。お前たちの傷も治すぞ
カイト:・・・ああ、頼む
リョウタ:・・・それで俺も眠るのか?
シルバー:それはお前の体力による
リョウタ:・・・そうか・・・
ケンヤ:とにかく二人を早く治せよ、シルバー・ガロ
シルバー:せっかちな子犬だな、ケンヤ
ケンヤ:子犬だと!?
シルバー:私から見たら子犬だよ。同族の子よ
カイト:ケンヤが、同族・・・?
リョウタ:なるほど・・・前にケイが言ってた狼の一族が、あんたらガロ一族か。そしてケンヤはその血を引いている、と・・・
シルバー:さすがに理解が早いな、リョウタ
リョウタ:ならあのナイフさばきも納得だ
シルバー:ほう?そこまで知っていたとは、あのおチビさんはよほど我が一族に興味があるようだな
リョウタ:ちげぇよ。ケイは狼が好きなだけだ
シルバー:なるほど
カイト:あんたの正体は後で聞かせてもらうとして、今は早く治してくれないか。あんたのせいでこっちは痛くて仕方ねぇんだからよ
シルバー:ふふ、すまない。今治そう。そして君らの今後と私の話は、ケイが起きてから、改めてしてあげよう
シルバー:だから今はゆっくり休みたまえ、前途有望な若者達よ
ケンヤ:・・・うっ?
カイト:なん、だ・・・?
リョウタ:くそ・・・眠るかは、体力次第じゃ、なかったのかよ・・・
シルバー:ああ。治癒による眠気は体力次第さ。だがこれは麻酔。強制的に休んでもらうよ
リョウタ:く、そ・・・ケイ・・・
シルバー:安心したまえ。起きたらまた会える
シルバー:だからゆっくり、おやすみ。また次に会うその日まで・・・