台本概要
186 views
タイトル | バディ番外編 ~運命的な出会い~ |
---|---|
作者名 | 赤影 (@akakage_sekiyou) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 2人用台本(男1、不問1) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
本編の主人公バディにとって強敵であり良きライバルでもあるバディ、リョウタとケイ。 互いを強く思い合う二人はいかにしてバディとなったのか。 そんな二人の出会いの物語。 *一人称変更可、演者の性別は問いません 186 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
リョウタ | 男 | 80 | 聴覚の能力者。 情報収集に長けている。 |
ケイ | 不問 | 83 | 言霊の能力者。 気配が薄すぎて気付いてもらえない事が多い。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
リョウタ:あーつまんね・・・
リョウタ:恋人が浮気しただの、テストがうまくいかなかっただの、親がうるさいだの・・・ありふれた話ばっかり聞こえてきやがる
リョウタ:能力を活かすためとは言え、探偵の真似事(まねごと)にも飽きてきたな・・・
リョウタ:だいたい、調べるまでもねえ相談事が多すぎんだよ
リョウタ:はぁ・・・
リョウタ:・・・公園にでも行って猫と遊んでくるか
0:
0:
0:公園にて
0:
ケイ:・・・やぁ、猫ちゃん
ケイ:っと、そんな驚かなくてもいいじゃん(笑)
ケイ:ハハッ。猫なら気づかれないのも楽しいんだけどなぁ・・・
ケイ:人に気付かれないのは歩きづらくてしょうがねぇんだよなぁ・・・はぁ・・・
ケイ:(ん、人が来た。ま、気付かないで去ってくでしょ)
リョウタ:おーおー、猫共・・・って、うおっ!?
ケイ:え?
リョウタ:あー・・・悪い、先客がいるとは思わなかった
リョウタ:(こいつ、気配薄すぎだろ・・・ってか、普通に動いてるのに俺が聞き漏らすなんて・・・音の気配まで薄くしてんのか?)
リョウタ:(いや、音の気配って何だよ)
ケイ:私に言ってます?
リョウタ:は?あんた以外に誰がいるんだ?
ケイ:わぁお!よく気付きましたね!
リョウタ:は?
ケイ:私に気付く人って少ないんですよ!ここに来て早々気付いたのはあなたが初めてです!
リョウタ:あ、そうなんだ・・・
リョウタ:(普段から気付かれないのか、こいつ・・・まぁ俺が気付かないくらいだから、仕方ねぇか・・・)
リョウタ:俺もさ、人がいる事に気付かない事って稀(まれ)なんよ。だからびっくりした
ケイ:そうなんですね
リョウタ:・・・あんたも猫目当て?
ケイ:はい。猫は私に気付かなくても、気付いた時の反応が可愛いですから
リョウタ:はは、理由が普通じゃないね
ケイ:そりゃ、今までが今までですから・・・
ケイ:気づかれないのも大変なんですよ?人込みは歩きづらいし、店員さんは呼んでも気付いてくれないし
リョウタ:人混みが苦手なのは俺もそうだな。店員に気付いてもらえない事はないけど
ケイ:えー、いいなぁ!最低でも五回は呼ばないと気づいてもらえないです
リョウタ:それは大変だね
ケイ:だからすぐに気付いてくれて、ちょっと嬉しかったんですよ!
リョウタ:そうなんだ
ケイ:はい!
ケイ:あ、すみません、私ばっかり。あなたも猫目当てですよね
リョウタ:ああ。猫はうるさくないからね
ケイ:おっと、それは失礼しました
リョウタ:ああ、いや。話す事自体は好きだからいいんだ。ただ、俺は少し耳がいいから。聞こえなくていい声も拾っちゃうからさ
ケイ:なるほど・・・
ケイ:あれ?でも私には目視(もくし)で気づいてましたよね?それまで普通に喋ってたのに
リョウタ:ああ。だからびっくりした。俺が音で気づかないなんて
ケイ:フフッ。私は野良猫にも、普通に歩いてても気付かれませんからね!
リョウタ:それはすごいね。俺も野良猫並みに耳には自信あったんだけど
ケイ:なら私の勝ちですね!
リョウタ:ほーお・・・じゃあ次どこかで会う事があったら、俺が先に気づいてみせるよ
ケイ:できますかねぇ?
ケイ:じゃあ、見つけた時に呼べるよう、名前教えておきますね。私の名前はケイ
リョウタ:ケイ、ね。わかった。俺はリョウタ
ケイ:リョウタ・・・わかりました。では、リョウタが私を見つけられるかどうか、勝負しましょう
リョウタ:ああ。勝ってみせるよ
ケイ:ハハッ、楽しみにしてます!それでは
リョウタ:ああ
ケイ:じゃあね、猫ちゃん達
リョウタ:(・・・律儀(りちぎ)に猫にまで挨拶してる・・・ふふ、面白い遊び相手、見つけた)
0:
0:後日
0:
ケイ:ふんふんふーん♪
ケイ:(っと、あの大きい人は・・・へへ、私が先に見つけたら、もう勝ち目はないよ)
ケイ:もう少し近づいてから・・・『リョウタに私は見つけられ』
0:
リョウタ:イヤージャック(ささやき声)『ケイ、みぃつけた』
0:
ケイ:えっ!?
ケイ:わ、こっち見てる!ってかこの距離からリョウタの声が聞こえた!?
0:
リョウタ:ふふ、驚いてる驚いてる
リョウタ:(ささやき声)『こっちにおいで』
0:
ケイ:ぐぅ!?
ケイ:何々!?なんで耳元でリョウタの声聞こえんの!?
ケイ:ってか耳元でイケボでささやかれるのよくない!!
0:
リョウタ:あははは。反応面白いなぁ。もうちょっと遊んでやろうかな
リョウタ:(ささやき声)『反応、可愛いね』
0:
ケイ:はぁ・・・?
ケイ:ってか私の声聞こえてんのか。すげぇな・・・
0:
リョウタ:あ、可愛いには反応しないんだ。不思議な子だな・・・
0:
ケイ:私の方が先に見つけたと思ったのに、今回はリョウタの勝ちみたいですね
リョウタ:そうそう俺には勝てないよ
ケイ:最初は私が勝ちました!
リョウタ:最初は勝負してなかったからね。ってか、さっきまで敬語じゃなかったんだから、敬語じゃなくてよくない?
ケイ:あ、やっぱり聞こえてたんだ
リョウタ:全部聞こえてたよ
ケイ:・・・耳がいいって言ってたけど、ただ耳がいいだけじゃないね?
リョウタ:一発で気づくとは、やるじゃん。そう言うケイも、何か能力を持ってるみたいだね
ケイ:ああ、やっぱりリョウタも能力者か。ね、場所変えてさ、能力の当てっこしよう!
リョウタ:いいよ。喫茶店にでも入る?
ケイ:うん!
0:
0:
0:喫茶店にて
0:
ケイ:じゃあ私から。リョウタの能力は・・・とりあえず異常なまでの聴力でしょ?あと、自分の声を相手に届ける、かな?
リョウタ:おーおー、いい線いってんじゃん
ケイ:ん、って事はちょっと違うのか
リョウタ:まぁ、今の時点で明かせるのはそれくらいかな?
リョウタ:じゃ、次は俺ね。そうだなぁ、ケイの能力は・・・相手の深層心理に働きかける事、かな?
ケイ:ほうほう!
リョウタ:近づかないと発動しないみたいだけど?
ケイ:おおお!いいね、いいね!お互い及第点みたいだし、今はここまでにしとこ!
リョウタ:そうだね
ケイ:じゃあまたいつか、どっちが先に見つけられるか、能力駆使(くし)して遊ぼ!
リョウタ:いいよ。また俺が勝つから
ケイ:いいや、次は私が勝つよ!
ケイ:あ、そだ
リョウタ:ん?
ケイ:リョウタっていい声だね!
リョウタ:お、おん。ありがと・・・
ケイ:んじゃ!
リョウタ:・・・ぷっ・・・あはは!
0:
0:
0:さらに後日
0:
リョウタ:・・・そろそろ見つけてもいい頃だと思うんだけど・・・見つかんないな・・・
リョウタ:(ああ、なんか、ケイがいないと退屈になってるな・・・)
ケイ:リョーウタ!
リョウタ:うおっ!
ケイ:へへへ!私の勝ちぃ!
リョウタ:くっそ、負けた・・・!ケイ、気配薄すぎでしょ
ケイ:言ったでしょ?能力を駆使して遊ぼうって。さ、次は能力の言い当てっこだよ!
リョウタ:それは今回俺が不利すぎない?
ケイ:まぁまぁ!あんね、リョウタの聴力の限界値を探るためにね、私の能力をずっと使ってみてたの
リョウタ:お、おぉ・・・
ケイ:リョウタの聴力ってすごいね!あんな遠くから私の声が聞こえるなんて!
リョウタ:・・・なるほど。つまりケイの能力は言葉か
ケイ:おっと・・・
リョウタ:フフッ。自分からバラしちゃったね
ケイ:うー・・・ほら、今回はリョウタが不利すぎたからね!ハンデハンデ!
リョウタ:そういう事にしといてあげる
ケイ:勝ったの私だもん!
リョウタ:そうだね
ケイ:・・・なぁんか釈然(しゃくぜん)としないなぁ・・・
リョウタ:はははは!
ケイ:・・・まぁいいや、リョウタも楽しそうだし
リョウタ:・・・うん、楽しいよ
ケイ:ならよかった!
リョウタ:じゃあ、また。次は勝つよ
ケイ:リョウタはもう勝てないよ
リョウタ:それはどうかな
ケイ:フフッ、負け惜しみ!
リョウタ:そういう事にしといてあげる
ケイ:もう!
0:
0:
0:数日後
0:
ケイ:さてと。『私はリョウタのいる方角がわかる』
ケイ:ふむ。あっちの方・・・
0:
リョウタ:イヤージャック(ささやき声)『ケイ、みぃつけた』
0:
ケイ:うわっ!
ケイ:くっそぉう!案外近くにいたのか!
0:
リョウタ:ふふ、(ささやき声)『おいで』
0:
ケイ:ぐぅうっ!
0:
ケイ:リョウタ!それよくない!好きだけど!よくない!
リョウタ:それって?
ケイ:耳元でおいでって言うの!
リョウタ:好きなんでしょ?
ケイ:好きだよ!
リョウタ:じゃあいいじゃん
ケイ:ぐぅううう・・・
リョウタ:フフッ。ケイはかくれんぼに負けると二重で大変だね
ケイ:ほんとだよ、まったく
0:
0:
0:
0:
リョウタ:なんだかんだいっぱいかくれんぼしてさ、お互いの能力知り尽くしちゃったね
ケイ:そうだね
リョウタ:それで提案なんだけど
ケイ:うん
リョウタ:俺とバディ、組まない?
ケイ:え、でも・・・
リョウタ:嫌?
ケイ:嫌とかではないんだけど・・・私、めんどくさいよ?
リョウタ:いいよ
ケイ:すぐ突っ走るよ?
リョウタ:いいよ
ケイ:リョウタの言い付け守らないかもよ?
リョウタ:ねぇケイ?
ケイ:何?
リョウタ:ケイは俺とバディ組もうって考えた事、ある?
ケイ:・・・正直に言えば・・・ある・・・
リョウタ:じゃあ、組みたい?組みたくない?
ケイ:・・・組めるなら、組みたいけど・・・
リョウタ:なら答えは出てるじゃん
ケイ:・・・・・・
リョウタ:ケイ、俺とバディ、組もう?
ケイ:・・・うん
0:
リョウタ:俺の能力で索敵、情報収集をする。情報が集まったら相手の聴覚を奪う
ケイ:で、私の能力で相手の動きを封じるなり命じるなりする
リョウタ:うん。俺も気休め程度なら命令できるけど、ケイの言霊には及ばないからね
ケイ:私も相手の耳の良さによって威力が半減したりするから、リョウタがいてくれれば確実に私の能力が通じる
リョウタ:ケイがいれば俺の能力も底上げできる
ケイ:リョウタとバディ組んでよかった!私達、最強のバディだね!
リョウタ:そうだね
ケイ:ねぇリョウタ?
リョウタ:ん?
ケイ:歳とって動けなくなるまで、ずっと一緒にいようね
リョウタ:いいや
ケイ:えっ?
リョウタ:墓場まで、俺達はずっと一緒のバディだ
ケイ:っ!うん!
0:
ケイ:ねぇリョウタ、私達の他にも能力者っているのかな?
リョウタ:いると思うよ
ケイ:じゃあさ、そういう人達見つけて遊ぼうよ!
リョウタ:うん?
ケイ:そしたらさ、もしかしたら私達が出会った時みたいに楽しく遊べるかもしれないよ!
リョウタ:ああ、それはいいね。ケイと一緒なら、さらに楽しいだろうし
ケイ:でしょ!それに、能力の強化にもなるしね!
リョウタ:そうだね。じゃあ、まずは能力者を見つけるところから始めようか
ケイ:うん!
リョウタ:イヤージャック
ケイ:『リョウタの聴力で能力者を見つけ出せる!』
0:
0:
0:おしまい
0:
リョウタ:あーつまんね・・・
リョウタ:恋人が浮気しただの、テストがうまくいかなかっただの、親がうるさいだの・・・ありふれた話ばっかり聞こえてきやがる
リョウタ:能力を活かすためとは言え、探偵の真似事(まねごと)にも飽きてきたな・・・
リョウタ:だいたい、調べるまでもねえ相談事が多すぎんだよ
リョウタ:はぁ・・・
リョウタ:・・・公園にでも行って猫と遊んでくるか
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0:公園にて
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ケイ:・・・やぁ、猫ちゃん
ケイ:っと、そんな驚かなくてもいいじゃん(笑)
ケイ:ハハッ。猫なら気づかれないのも楽しいんだけどなぁ・・・
ケイ:人に気付かれないのは歩きづらくてしょうがねぇんだよなぁ・・・はぁ・・・
ケイ:(ん、人が来た。ま、気付かないで去ってくでしょ)
リョウタ:おーおー、猫共・・・って、うおっ!?
ケイ:え?
リョウタ:あー・・・悪い、先客がいるとは思わなかった
リョウタ:(こいつ、気配薄すぎだろ・・・ってか、普通に動いてるのに俺が聞き漏らすなんて・・・音の気配まで薄くしてんのか?)
リョウタ:(いや、音の気配って何だよ)
ケイ:私に言ってます?
リョウタ:は?あんた以外に誰がいるんだ?
ケイ:わぁお!よく気付きましたね!
リョウタ:は?
ケイ:私に気付く人って少ないんですよ!ここに来て早々気付いたのはあなたが初めてです!
リョウタ:あ、そうなんだ・・・
リョウタ:(普段から気付かれないのか、こいつ・・・まぁ俺が気付かないくらいだから、仕方ねぇか・・・)
リョウタ:俺もさ、人がいる事に気付かない事って稀(まれ)なんよ。だからびっくりした
ケイ:そうなんですね
リョウタ:・・・あんたも猫目当て?
ケイ:はい。猫は私に気付かなくても、気付いた時の反応が可愛いですから
リョウタ:はは、理由が普通じゃないね
ケイ:そりゃ、今までが今までですから・・・
ケイ:気づかれないのも大変なんですよ?人込みは歩きづらいし、店員さんは呼んでも気付いてくれないし
リョウタ:人混みが苦手なのは俺もそうだな。店員に気付いてもらえない事はないけど
ケイ:えー、いいなぁ!最低でも五回は呼ばないと気づいてもらえないです
リョウタ:それは大変だね
ケイ:だからすぐに気付いてくれて、ちょっと嬉しかったんですよ!
リョウタ:そうなんだ
ケイ:はい!
ケイ:あ、すみません、私ばっかり。あなたも猫目当てですよね
リョウタ:ああ。猫はうるさくないからね
ケイ:おっと、それは失礼しました
リョウタ:ああ、いや。話す事自体は好きだからいいんだ。ただ、俺は少し耳がいいから。聞こえなくていい声も拾っちゃうからさ
ケイ:なるほど・・・
ケイ:あれ?でも私には目視(もくし)で気づいてましたよね?それまで普通に喋ってたのに
リョウタ:ああ。だからびっくりした。俺が音で気づかないなんて
ケイ:フフッ。私は野良猫にも、普通に歩いてても気付かれませんからね!
リョウタ:それはすごいね。俺も野良猫並みに耳には自信あったんだけど
ケイ:なら私の勝ちですね!
リョウタ:ほーお・・・じゃあ次どこかで会う事があったら、俺が先に気づいてみせるよ
ケイ:できますかねぇ?
ケイ:じゃあ、見つけた時に呼べるよう、名前教えておきますね。私の名前はケイ
リョウタ:ケイ、ね。わかった。俺はリョウタ
ケイ:リョウタ・・・わかりました。では、リョウタが私を見つけられるかどうか、勝負しましょう
リョウタ:ああ。勝ってみせるよ
ケイ:ハハッ、楽しみにしてます!それでは
リョウタ:ああ
ケイ:じゃあね、猫ちゃん達
リョウタ:(・・・律儀(りちぎ)に猫にまで挨拶してる・・・ふふ、面白い遊び相手、見つけた)
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0:後日
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ケイ:ふんふんふーん♪
ケイ:(っと、あの大きい人は・・・へへ、私が先に見つけたら、もう勝ち目はないよ)
ケイ:もう少し近づいてから・・・『リョウタに私は見つけられ』
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リョウタ:イヤージャック(ささやき声)『ケイ、みぃつけた』
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ケイ:えっ!?
ケイ:わ、こっち見てる!ってかこの距離からリョウタの声が聞こえた!?
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リョウタ:ふふ、驚いてる驚いてる
リョウタ:(ささやき声)『こっちにおいで』
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ケイ:ぐぅ!?
ケイ:何々!?なんで耳元でリョウタの声聞こえんの!?
ケイ:ってか耳元でイケボでささやかれるのよくない!!
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リョウタ:あははは。反応面白いなぁ。もうちょっと遊んでやろうかな
リョウタ:(ささやき声)『反応、可愛いね』
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ケイ:はぁ・・・?
ケイ:ってか私の声聞こえてんのか。すげぇな・・・
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リョウタ:あ、可愛いには反応しないんだ。不思議な子だな・・・
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ケイ:私の方が先に見つけたと思ったのに、今回はリョウタの勝ちみたいですね
リョウタ:そうそう俺には勝てないよ
ケイ:最初は私が勝ちました!
リョウタ:最初は勝負してなかったからね。ってか、さっきまで敬語じゃなかったんだから、敬語じゃなくてよくない?
ケイ:あ、やっぱり聞こえてたんだ
リョウタ:全部聞こえてたよ
ケイ:・・・耳がいいって言ってたけど、ただ耳がいいだけじゃないね?
リョウタ:一発で気づくとは、やるじゃん。そう言うケイも、何か能力を持ってるみたいだね
ケイ:ああ、やっぱりリョウタも能力者か。ね、場所変えてさ、能力の当てっこしよう!
リョウタ:いいよ。喫茶店にでも入る?
ケイ:うん!
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ケイ:じゃあ私から。リョウタの能力は・・・とりあえず異常なまでの聴力でしょ?あと、自分の声を相手に届ける、かな?
リョウタ:おーおー、いい線いってんじゃん
ケイ:ん、って事はちょっと違うのか
リョウタ:まぁ、今の時点で明かせるのはそれくらいかな?
リョウタ:じゃ、次は俺ね。そうだなぁ、ケイの能力は・・・相手の深層心理に働きかける事、かな?
ケイ:ほうほう!
リョウタ:近づかないと発動しないみたいだけど?
ケイ:おおお!いいね、いいね!お互い及第点みたいだし、今はここまでにしとこ!
リョウタ:そうだね
ケイ:じゃあまたいつか、どっちが先に見つけられるか、能力駆使(くし)して遊ぼ!
リョウタ:いいよ。また俺が勝つから
ケイ:いいや、次は私が勝つよ!
ケイ:あ、そだ
リョウタ:ん?
ケイ:リョウタっていい声だね!
リョウタ:お、おん。ありがと・・・
ケイ:んじゃ!
リョウタ:・・・ぷっ・・・あはは!
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リョウタ:・・・そろそろ見つけてもいい頃だと思うんだけど・・・見つかんないな・・・
リョウタ:(ああ、なんか、ケイがいないと退屈になってるな・・・)
ケイ:リョーウタ!
リョウタ:うおっ!
ケイ:へへへ!私の勝ちぃ!
リョウタ:くっそ、負けた・・・!ケイ、気配薄すぎでしょ
ケイ:言ったでしょ?能力を駆使して遊ぼうって。さ、次は能力の言い当てっこだよ!
リョウタ:それは今回俺が不利すぎない?
ケイ:まぁまぁ!あんね、リョウタの聴力の限界値を探るためにね、私の能力をずっと使ってみてたの
リョウタ:お、おぉ・・・
ケイ:リョウタの聴力ってすごいね!あんな遠くから私の声が聞こえるなんて!
リョウタ:・・・なるほど。つまりケイの能力は言葉か
ケイ:おっと・・・
リョウタ:フフッ。自分からバラしちゃったね
ケイ:うー・・・ほら、今回はリョウタが不利すぎたからね!ハンデハンデ!
リョウタ:そういう事にしといてあげる
ケイ:勝ったの私だもん!
リョウタ:そうだね
ケイ:・・・なぁんか釈然(しゃくぜん)としないなぁ・・・
リョウタ:はははは!
ケイ:・・・まぁいいや、リョウタも楽しそうだし
リョウタ:・・・うん、楽しいよ
ケイ:ならよかった!
リョウタ:じゃあ、また。次は勝つよ
ケイ:リョウタはもう勝てないよ
リョウタ:それはどうかな
ケイ:フフッ、負け惜しみ!
リョウタ:そういう事にしといてあげる
ケイ:もう!
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ケイ:さてと。『私はリョウタのいる方角がわかる』
ケイ:ふむ。あっちの方・・・
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リョウタ:イヤージャック(ささやき声)『ケイ、みぃつけた』
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ケイ:うわっ!
ケイ:くっそぉう!案外近くにいたのか!
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リョウタ:ふふ、(ささやき声)『おいで』
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ケイ:ぐぅうっ!
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ケイ:リョウタ!それよくない!好きだけど!よくない!
リョウタ:それって?
ケイ:耳元でおいでって言うの!
リョウタ:好きなんでしょ?
ケイ:好きだよ!
リョウタ:じゃあいいじゃん
ケイ:ぐぅううう・・・
リョウタ:フフッ。ケイはかくれんぼに負けると二重で大変だね
ケイ:ほんとだよ、まったく
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リョウタ:なんだかんだいっぱいかくれんぼしてさ、お互いの能力知り尽くしちゃったね
ケイ:そうだね
リョウタ:それで提案なんだけど
ケイ:うん
リョウタ:俺とバディ、組まない?
ケイ:え、でも・・・
リョウタ:嫌?
ケイ:嫌とかではないんだけど・・・私、めんどくさいよ?
リョウタ:いいよ
ケイ:すぐ突っ走るよ?
リョウタ:いいよ
ケイ:リョウタの言い付け守らないかもよ?
リョウタ:ねぇケイ?
ケイ:何?
リョウタ:ケイは俺とバディ組もうって考えた事、ある?
ケイ:・・・正直に言えば・・・ある・・・
リョウタ:じゃあ、組みたい?組みたくない?
ケイ:・・・組めるなら、組みたいけど・・・
リョウタ:なら答えは出てるじゃん
ケイ:・・・・・・
リョウタ:ケイ、俺とバディ、組もう?
ケイ:・・・うん
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リョウタ:俺の能力で索敵、情報収集をする。情報が集まったら相手の聴覚を奪う
ケイ:で、私の能力で相手の動きを封じるなり命じるなりする
リョウタ:うん。俺も気休め程度なら命令できるけど、ケイの言霊には及ばないからね
ケイ:私も相手の耳の良さによって威力が半減したりするから、リョウタがいてくれれば確実に私の能力が通じる
リョウタ:ケイがいれば俺の能力も底上げできる
ケイ:リョウタとバディ組んでよかった!私達、最強のバディだね!
リョウタ:そうだね
ケイ:ねぇリョウタ?
リョウタ:ん?
ケイ:歳とって動けなくなるまで、ずっと一緒にいようね
リョウタ:いいや
ケイ:えっ?
リョウタ:墓場まで、俺達はずっと一緒のバディだ
ケイ:っ!うん!
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ケイ:ねぇリョウタ、私達の他にも能力者っているのかな?
リョウタ:いると思うよ
ケイ:じゃあさ、そういう人達見つけて遊ぼうよ!
リョウタ:うん?
ケイ:そしたらさ、もしかしたら私達が出会った時みたいに楽しく遊べるかもしれないよ!
リョウタ:ああ、それはいいね。ケイと一緒なら、さらに楽しいだろうし
ケイ:でしょ!それに、能力の強化にもなるしね!
リョウタ:そうだね。じゃあ、まずは能力者を見つけるところから始めようか
ケイ:うん!
リョウタ:イヤージャック
ケイ:『リョウタの聴力で能力者を見つけ出せる!』
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