声劇台本置き場

スミス：【ここは、海賊船ワンダーコメット号の甲板（かんぱん）の上】 フック：何言ってんだ？スミス スミス：いっ、いえ、説明した方がリスナーさんが分かり易いかなと… フック：おいおい。そんなメタ的な発言はやめてくれ。物語の世界観が壊れちまうだろ？ スミス：す、すいやせん フック：おほんっ！では、フック海賊団の幹部会議（かんぶかいぎ）を始めるぞ スミス：アイアイサー！ フック：カイリもいいか？ カイリ：アイアイサー！ フック：ベルデもゲームしながらでも良いから聞けよ！ ベルデ：アイアイサー！ フック：ん？ゲーム？ ベルデ：アイアイサー！ フック：いや、返事は良い。返事は良いんだ。しかし！物語の世界観を壊すようなモノを持ち込むな！ フック：コイツは没収だ！ ベルデ：うわーっ！僕のシュワッチが！「ゲームしながらでも良いから」って言ったのに～！ フック：うし。えっと、マリンは、黙々と鼻をほじってるが、聞いてるっぽいから、そのままでいいぞ マリン：ほーい フック：マリン、あのな。返事は、「ほーい」じゃなくて、「アイアイサー！」だ マリン：（やる気なく）アイアイサー～ フック：イマイチ勢いが足りない気がするが、まぁ、良い。良いということにしておこう スミス：それで、船長、どうして私たちは集められたんですかい？ フック：あぁ、そうだな。そうだった。おほんっ！ フック：お前たち幹部をここに集めたのは、他でもない。大事な話がある！そう、大事な話だ！ スミス：国王から、何か伝令（でんれい）でもあったんですかい？ フック：違う カイリ：船長を交代するとか？あぁ、世代交代ってやつですね？ カイリ：ポッケモンも主役交代するようですし、ついに僕が船長に… フック：は？んなわけあるか！俺は生涯現役！現役で船長をやるつもりだ！ カイリ：な～んだ… マリン：あのぉ、大事な話って、まさか…。オイラが毎日、調理場のソーセージをこっそり盗み食いしてることがバレたとか？ フック：え？マリン、そんなことしてたのか？ マリン：アイアイサ～。してました～。ついにバレちゃいましたか～ フック：それも違うぞ マリン：違うんだ。だったら、今日も、こっそり盗み食いしなきゃだ フック：…あのな。それ、もう、『こっそり盗み食い』じゃなくなってるからな。しっかり船長の俺にも、ここにいるメンバーにもバレてるからな ベルデ：だったら、僕もこっそり盗み食いしようかな フック：ベルデまで！こっそり盗み食いしようとしてるのか？ ベルデ：アイアイサー！こっそり盗み食いしようとしています！ フック：やめろ！盗み食いは、禁止だ！この船の食糧事情に問題が生じるだろ？ フック：それに、コックのハスキおばさんに怒られるだろ？ カイリ：「お残しは許しまへんで～」ですよね？ フック：カイリは、ハスキおばさんの真似をしなくて良い マリン：オイラ、お残しなんてしないよ ベルデ：僕もしない。ハスキおばさんの料理は、とっても美味しいからね スミス：私は、トマトを残すことが… フック：あ～っ！！！お前ら、そんな話は、どうでもいい！マジで、どうでもいいんだ！ フック：この際、調理場のソーセージをこっそり盗み食いすることにも目をつぶってやる！ フック：だから、とにかく！俺の話を聞いてくれ！ スミス：アイアイサー！ カイリ：アイサー！ ベルデ：サー・イエッサー！ マリン：はちみつ、食べたいなぁ… フック：はぁ…。もう、いちいちツッこまんぞ。話が進まんからな フック：よし！では、今回の幹部会議で話す大事な話とは、コレだ！ フック：ジャガジャガジャガジャガ、ジャンッ！ ベルデ：ん？文字が書いてある紙？ マリン：オイラ、字、読めないや カイリ：これは、何かの歌の歌詞ですか？ スミス：なになに？フック海賊団のテーマ？ スミス：これは…まさか！ フック：そう、俺たちフック海賊団の『テーマソング』がついに完成した！ フック：作詞作曲は、もちろん、この俺！ フック：今から、お前らには、この歌を覚えてもらう！ フック：いいな？ スミス：アイアイサー！ カイリ：アイサー！ ベルデ：サー・イエッサー！ マリン：オイラ、字、読めないけど、どうすれば？ フック：字は読めなくても、俺が今から手本として一回歌ってやる。それを覚えてくれ！ マリン：うん。がんばる フック：フフ…。では、歌うぞ！ 0：※適当なメロディを作って歌って下さい フック：俺たちゃ、無敵の海賊団～ フック：お宝求めて、ヨーソロー フック：奪い取れ、ヨーソロー フック：突き進め、ヨーソロー フック：逆らう奴らにゃ、容赦しねぇ～ フック：奪い取れ！突き進め！ フック：風は友達、心のままに～ フック：ヨーソロー！ヨーソロー！ フック：俺たちゃ、無敵の海賊団～ フック：フック海賊団～ 0：※歌パートおしまい 0：※全員で拍手 スミス：良い歌じゃないですか！ カイリ：僕は感動して、涙が出てきましたよ！ ベルデ：フック船長に、こんな才能があったなんて… フック：おいおい。そんなに褒めても、何も出ねえぞ マリン：オイラ、もう、覚えたよ フック：そうなのか？ マリン：うん！歌えると思う！ フック：他のみんなは、どうだ？ スミス：バッチリですぜ！ カイリ：ちょっと自信ないですけどね ベルデ：歌詞の書かれた紙もあるし、何とかなると思います フック：おお！では、さっそく、みんなで一緒に歌うぞ！ スミス：アイアイサー！ カイリ：アイサー！ ベルデ：サー、イエッサー！ マリン：オイラの歌を聴いてくれ～！ 0：※適当なメロディを作って歌って下さい フック：俺たちゃ、無敵の海賊団～ スミス：お宝求めて、ヨーソロー カイリ：奪い取れ、ヨーソロー ベルデ：突き進め、ヨーソロー マリン：逆らう奴らにゃ、容赦しねぇ～ スミス：奪い取れ！突き進め！ カイリ：風は友達、心のままに～ ベルデ：ヨーソロー！ヨーソロー！ マリン：俺たちゃ、無敵の海賊団～ フック：フック海賊団～ 0：※歌パートおしまい 0：※全員で拍手したり、「うおーっ！いえ～い！」等と叫び声を上げる フック：ヒャヒャヒャヒャヒャ！お前ら最高だぜ！ スミス：楽しい気持ちになってきましたね！ カイリ：酒！酒が飲みたくなってきましたよ ベルデ：あぁ！酒！いいですねぇ！ マリン：オイラ、もう一回歌いたいな フック：ヒャヒャヒャ！それじゃ、酒樽（さかだる）を開けるか！ スミス：アイアイサー！ フック：それじゃ、カンパーイ！ 0：※全員で「カンパーイ！」 フック：ヒャヒャヒャヒャヒャー！あ～！酒がうめぇな～！ カイリ：気分が乗ってきましたよ！ ベルデ：これは、もう、歌うしかないですね！ マリン：歌おう～！ フック：じゃあ、今度は俺抜きで、お前らだけで歌ってみろ！ スミス：アイアイサー！ カイリ：アイサー！ ベルデ：ホイサ！ マリン：あいおっ！ 0：※適当なメロディを作って歌って下さい スミス：俺たちゃ、無敵の海賊団～ マリン：お宝求めて、ヨーソロー カイリ：奪い取れ、ヨーソロー ベルデ：突き進め、ヨーソロー スミス：逆らう奴らにゃ、容赦しねぇ～ カイリ：奪い取れ！突き進め！ マリン：風は友達、心のままに～ ベルデ：ヨーソロー！ヨーソロー！ スミス：俺たちゃ、無敵の海賊団～ マリン：マリン海賊団～ 0：※歌パートおしまい 0：※フック以外の全員で拍手したり、「うおーっ！いえ～い！」等と叫び声を上げる フック：あ…。なんか、気のせいか？最後のところ、『フック海賊団』のところを『マリン海賊団』とマリンが歌っていたような… カイリ：何言ってんすか？船長！そんなの気のせいですよ！ ベルデ：そうそう、気のせい。気のせい スミス：さぁさぁ、船長もぐいっと酒を飲みましょう！ フック：おっ、おぅ マリン：マリン海賊団～！ フック：だから、マリン！違うからな。俺たちは、フック海賊団！だからな～！ マリン：アイアイサ～！ ベルデ：ん？ フック：おっと？伝令鳩（でんれいばと）か？ マリン：うわぁ。美味しそうだな フック：おい。絶対食うなよ。国王からの指令を伝える役目を与えられた高貴な鳩（はと）だから、絶対に食うなよ マリン：からあげ…手羽先（てばさき）… フック：えっと…。スミス、なんて書いてあるのか、読んでくれ スミス：アイアイサー！えっと… スミス：「親愛なる王国特別海賊、船長フックへ」 スミス：「我が娘が、また、僅（わず）かな護衛と共に城を抜け出してしまった」 スミス：「娘は、多分、貴公らが向かった海域にある島か町のどこかにいるはずだ」 スミス：「見つけ次第、城に連れ帰ってきてほしい」 スミス：「あと、連れ去る際には、本物の怖～い海賊の演技をして」 スミス：「少しばかり、お灸（きゅう）をすえてやってくれ」 スミス：「ライム王国国王、ヘルベルト・フォン・ロードフェルム・パパスより」 フック：ふむふむ…。ベルデ、ここから一番近い町は？ ベルデ：えっと、キャメロンの町ですぜ フック：おし！それじゃ、まずは、キャメロンの町に出航だーっ！ フック：町に着いたら、とびっきり悪い海賊のフリをするんだぞ！あくまでも『フリ』だからな！ フック：おどかすだけで、絶対に人を傷つけたり、物を盗ったりするなよ！欲しいモノがあれば、きちんと金を払って買え！ フック：いいな？野郎ども～！ 0：※フック以外の全員で、「アイアイサー！」 0： 0：―ニンジンの国のアリスにつづく―