台本概要

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タイトル 亡国エデン•悲壮は愛憎が故に。
作者名 すばら  (@kou0204hei)
ジャンル ファンタジー
演者人数 4人用台本(男2、女2)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 御蔵入りしようとした台本です。一応Up。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
聖人 44
凛汰 66
54
紗羅姫 48
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
亡国エデン•悲壮は愛憎が故に。 聖人:凛汰!5時間目の現国、安西のハゲうぜぇから、抜け出そうぜ! 凛汰:え?ちょっと!?抜け出すって、サボるって事よね!?ば、馬鹿なの?駄目に決まってるでしょ! 聖人:はぁ…お前は真面目過ぎるんだよ!優等生気取ってるのか何だか知らねぇけど、たまには羽目を外してだな… 凛汰:聖人!いい加減にしてよね!あたしはあんたと違って将来の事もちゃんと考えてるの。 聖人:おい、そんなに怒鳴る事はねぇだろ!チッ…連れねぇ女だ。 凛汰:ふん。 0:屋上 聖人:凛汰のやつ、何を必死になってんだ?別に勉強しなくても生きていけるてのによ。 怜:聖人くん、こんなに朝早くから屋上に上がってるなんて珍しいね。 聖人:あん?その妙に甘ったるい声色は、れいか?俺に何か用か? 怜:別にキミに用があったって訳じゃないけどね。元々、この場所は僕の「特等席」なんだ。 聖人:相変わらず、イケすかねぇ喋り方だ。それで、特等席ってどう言う意味だ? 怜:聖人くん「蛇が鳥」を食べる話は知ってるかい? 聖人:は?知らねぇな。 怜:結構、有名な話だよ?あ、校内1の馬鹿と云われているキミに聞いた僕が愚かだったかな? 聖人:あ?怜、もういっぺん言ってみろ! 怜:2分弱…?ほら、すぐに湯沸かし器みたいに沸騰する。すぐ挑発に乗ったら相手の思う壺だよ? 聖人:お前が言えた事かよ! 怜:失礼。話を戻すね。…蛇はその鋭利な舌で捕食するんだ。その間、捕らわれた鳥は身動きが取れず、二股になった舌でジワジワと溶かされ、やがて塵になる。 聖人:は?その蛇の話と俺が来た事と何の関係があんだよ? 怜:つまり僕が蛇で、聖人くん、キミが鳥と云う訳だよ。 聖人:ふざけんな。くだらねー!じゃあな! 怜:「一度狂い咲いた華びらは平常に咲く事はない。」覚えておいて、聖人くん。 聖人:… 0:1時間目、休み時間 凛汰:はぁ…聖人に言い過ぎちゃったかな? 凛汰:でも、あれは聖人が悪いのよ!あたしを悪い道に引っ張ろうとするから! 凛汰:そうよ……でも、やっぱり謝ろうかな。 紗羅姫:凛汰、また例の男の話?何だかんだ、好きだよねぇー。 凛汰:す、好き!?は、はぁ??馬鹿じゃないの!?誰があんな、クズ男!紗羅姫には校内1の優秀な怜くんがいるものね!羨ましい事で! 紗羅姫:もう。口を膨らませて、拗ねるのはやめてよ、凛汰。それに怜とはそんな関係じゃないってば! 凛汰:ふぅん?この聖ルアマディア学園では、あんたと怜くんが風紀を乱した行為を… 0:口を塞がれる、凛汰。 紗羅姫:や、やめてよ!凛汰。声が大きい! 凛汰:く、苦しい!!い、息が…! 紗羅姫:もう、変な事言わない? 凛汰:うん…うん!は、はなぢてぇ! 紗羅姫:分かった、じゃあ離す。約束だからね? 凛汰:ぷはー!!…ふぅ、死ぬかと思った。 紗羅姫:最近ね、怜の行動がおかしいの。 凛汰:え?何かあったの? 紗羅姫:うん。近頃は彼ね、屋上に居る事が多いんだけど、近付くと「キシャー」って鳴き声が聴こえてくるの。 凛汰:何それ?蛇でもいたんじゃないの? 紗羅姫:蛇かぁ。そうだよね?気のせいだよね? 凛汰:うーん、気になるなら、調べてみたら?毎日、屋上に居座る理由と奇妙な鳴き声? 紗羅姫:うん。ちょっと一人じゃ怖いかな。 凛汰:え?なに、その目は!ま、まさか!あたしに着いて来いって言うんじゃないわよね? 紗羅姫:凛汰…お願い! 凛汰:はぁ…… 紗羅姫:駄目かな?勉強に追われる時期だし、厳しいよね?ごめん、やっぱり私一人で… 凛汰:…良いわよ。 紗羅姫:え?! 凛汰:だから、あたしも着いて行ってあげる。あんた一人じゃ心細いんでしょ? 紗羅姫:えへ♪ありがと、凛汰。 凛汰:ったく…。それで、具体的にはどう調べるのよ? 紗羅姫:うん、1時間目の数学が終わったら、「旧校舎裏」に来て。 0:窓の外に一匹の黒い蛇。 凛汰:きゅ、旧校舎って!あの場所は立ち入り禁止でしょ? 紗羅姫:大丈夫。あ…先生来ちゃった。取り敢えず、また後でね! 凛汰:はあ…どんなタイミングよ。 0:屋上 怜:キシャー!蛇魅、今日のキミは興奮しているね。 怜:うん、大丈夫だよ。キミの望み通り、天境(あまざか)聖人は排除するよ。 怜:キシャーッ!なんだい?…紗羅姫に凛汰ちゃん?二人は至って、人畜無害な存在だよ。 怜:キシャー。…安心した?僕達を脅かすのは彼一人だけさ。 怜:キシャー!…「旧校舎裏」?なるほど、さっき偵察に行った時に得た情報か。そこに彼も来る可能性がある訳だね。 怜:キシャー!!分かっているよ。蛇魅、キミには散々助けられたからね。 怜:ふふふ、「旧校舎」が天境聖人の墓場となるだろう。 0:2時間目、休み時間 聖人:ふわぁあー…ねみぃ。次は体育か。俺の得意科目だが、かったりぃな。 聖人:それにしても、怜は何を俺に伝えたかったんだ?蛇が鳥を…なんだっけ?あーー訳わかんねぇ!まぁ、いいか。 聖人:そう言えば、1時間の休み時間にチラッと凛汰と紗羅姫のやつが「旧校舎裏」がどうとか言ってたのが聞こえてきたが、何の話だ…?面白そうだし、行ってみるか。 0:旧校舎裏 紗羅姫:大丈夫?凛汰? 凛汰:いてて……紗羅姫、あんたは有刺鉄線に触れても痛みをまったく感じないとかゾンビなの?! 紗羅姫:そんな事よりも、凛汰!誰かに見られてる気がする。 凛汰:え?まさか、先生方に見つかったんじゃ? 紗羅姫:違うみたい。空…? 凛汰:紗羅姫? 怜:へぇ、鋭いね。 紗羅姫:怜? 凛汰:何であんたが? 怜:落ち着いて、二人共。僕は君達が心配でね。 紗羅姫:何で、空から降って来て? 怜:ああ、陸より空からの方が「観察」しやすいからね。 凛汰:観察?やっぱり、あんた何か企んでるんじゃない! 紗羅姫:凛汰! 怜:ごめんよ。僕の過保護が過ぎたばかりに、君達を傷付けてしまったね。 紗羅姫:怜…? 凛汰:そう言う事じゃなくて、あんたがあたし達を監視する理由を答えなさい! 怜:それはね……キミは?! 0:聖人が現れる。 聖人:お前ら、こんな場所で何してんだ? 凛汰:聖人ー!?あんたもストーカーなの? 聖人:は?誰がストーカーだよ!偶然、この場所の話を耳に挟んで、面白そうだったから、来てみたんだよ。 凛汰:ふぅん。 紗羅姫:聖人くんは梨汰ちゃんが心配だったんだよね? 凛汰:さ、紗羅姫! 聖人:あ?ああ、まぁそんなところだ。危なかっしいからな、コイツは。 凛汰:はあ?!どう言う意味よ? 怜:そろそろ、いいかな?僕は君達の戯れ合いを覗く趣味は無いからね。 聖人:それで、ここに集まった理由は何だ? 0:一匹の黒蛇が怜の身体から出てくる。 紗羅姫:きゃっ!れ、怜の身体から蛇が! 凛汰:紗羅姫、落ち着いて!…でも、何で蛇が? 怜:シャー!…蛇魅、牙はしまって。まだこの場所は「相応しくない。」 聖人:怜、お前は何者だ? 怜:聖人くん、凛汰ちゃん、紗羅姫。その話も含めて「旧校舎の中」で話すよ。 紗羅姫:怜。 凛汰:旧校舎って、鍵が掛かってるわよ?それにもう次の授業が… 聖人:優等生のお前にとっちゃ酷な話かも知れねぇけど、もう「逃れられねえよ。」 凛汰:聖人? 怜:ふふ、鍵については大丈夫、ここには紗羅姫と何度か入った事があるからね。 凛汰:そうなの?紗羅姫。 紗羅姫:凛汰、この場所で私達は… 凛汰:あ、やっぱり良いわ。言わないで!その先は聞かない方がいいと直感的に思ったわ。 紗羅姫:ありがと、凛汰。 聖人:は?意味わかんねぇ。 凛汰:聖人、あんたは分からなくていいの! 聖人:チッ。 怜:相変わらず、騒がしい人達だなぁ。…さ、着いたよ。ここの鍵は紗羅姫が握ってる。 紗羅姫:準備はいい?開けるよ? 凛汰:大丈夫よ。 聖人:ああ。 怜:早く行こう。 0:旧校舎の中に入る。 凛汰:え…何この文字? 聖人:「亡国エデンへと繋ぐ道」? 怜:ふふ、この先に三つの扉がある。それぞれの部屋には「役割」があるんだ。 凛汰:役割? 怜:そう、一つ目の部屋には「救」二つ目は「繁」最後の部屋は「再」。紗羅姫、教えてあげて。 紗羅姫:まず、救は誰かを救うって意味だよ。 凛汰:二つ目は? 紗羅姫:二つ目は繁栄。栄えさせるって事だね。 聖人:最後の再は誰かを再会させるって事か? 怜:聖人くん、惜しい。正解は「再生」 凛汰:再生? 怜:「誰か」を再生させられるって事さ。 紗羅姫:二人とも、理解出来たかな? 聖人:あーー頭いてぇ!授業が怠いから抜け出してんのに小難しい話なんて聞きたくねえよ! 凛汰:聖人、ちょっと黙ってて!目的は何なのよ? 怜:目的?君達を…いや、正確には聖人くん以外を「亡国エデン」に招きたくてね。 聖人:おい、怜!何で俺を省くんだよ! 凛汰:亡国エデン? 紗羅姫:… 怜:聖人くん、キミをエデンには導けない。僕も残念で仕方ないよ。「主」がキミを酷く毛嫌っていてね。 聖人:あるじだ?あっそ。んじゃ、俺は帰るわ。 怜:待ってくれ!キミには「罪人の部屋」に案内するよ。 聖人:罪人だ?下らねぇ、俺は帰るぜ。つまらねぇ事はしたくねぇ性分なんでな。 凛汰:聖人? 紗羅姫:ダメ、聖人くん!大人しく怜に従って! 聖人:は? 怜:はあ…キミは本当に手間が掛かるね。止むを得ないか。 怜:蛇魅!聖人くんを捕らえて! 0:その刹那、聖人は黒蛇に巻き付かれる。 聖人:がぁあ!?な、なんだよ、この蛇!離せ、離しやがれっ!! 凛汰:聖人! 紗羅姫:だから言ったのに… 凛汰:紗羅姫…?あんた……初めから知ってたの? 怜:紗羅姫、凛汰ちゃんに説明してあげて。 紗羅姫:うん。初めから、知ってたよ。怜が体内で飼っている、黒蛇の蛇魅の存在。勿論、旧校舎についてもね。 凛汰:紗羅姫、あんた!「亡国エデン」に連れて行く為にあたしを騙したと言うの!? 凛汰:怜くんの行動がおかしいとか、屋上の話も嘘なわけ?! 紗羅姫:そう。お人好しの凛汰の事だから、怖い!って怯えた表情を出したら、引き受けてくれると思ったよ。 凛汰:紗羅姫、あんた!! 聖人:ぐがぁあ!!首が絞ま…! 怜:そのまま、絞め殺すのも「快感」だけど、まだその時では無いからね。蛇魅、緩めてあげて。シャー! 聖人:けほっ!けほっ…!て、てめえ!ぶっ殺す… 0:拳を握る。 紗羅姫:聖人くんが現れたのは想定外だったけどね。 怜:僕としてはその想定外は「歓喜」だけど。 凛汰:…あんたらは何者なのよ! 聖人:同じ人間とは思えねぇ!特に怜、お前はな。 怜:良いよ。少しだけ教えてあげるよ。僕達、エデン人の神秘についてね。 怜:圧倒的に君達とは異なる異質な力。僕は黒き大蛇、蛇魅を使役する能力。 紗羅姫:私は、物体を動かす能力。こんな風に…念じると… 0:周囲の物が宙に舞う。 凛汰:なっ!?驚いたわね。紗羅姫にこんな力があるなんて。 怜:それで僕等がこの世界に来た理由はね、天境聖人くん。主にキミにある。 聖人:は?俺が何だって言うんだよ? 紗羅姫:聖人くんはNo.000「咎人」原初なんだよ。 凛汰:聖人が?とがびと? 怜:咎人とは所謂、君達の星で例えるなら「罪人」と何ら変わりは無い。要するに裁かれるべき対象って訳さ。 聖人:はあ?!冗談じゃねぇー! 紗羅姫:聖人くん、あんまり暴れると本当に絞め殺されちゃうよ? 聖人:チッ…! 凛汰:あんたらの目的は聖人にあるんでしょ?あたしは関係ないじゃない! 怜:いや、関係あるんだ。凛汰ちゃん、キミはエデンの「中核」へとなる、主要人物だからね。 凛汰:中核ですって!? 紗羅姫:凛汰、貴女の父はエデンの末裔だよ。だから、貴女も私達と同じ、エデンの血が流れてるの。 凛汰:あたしがエデン人?! 怜:そう、だからキミにはこんなところで足踏みしてて貰っては困るんだ…気配!? 聖人:さっきから、ごちゃごちゃとうるせぇな!…俺が咎人だから、俺を消すってか?上等じゃねぇか!今すぐやってやるよ! 紗羅姫:すごい殺気… 凛汰:聖人? 怜:不味いね。この波動は…咎人の能力発動の予兆だ。 0:聖人の身体からオーラが渦巻く。 怜:紗羅姫、凛汰ちゃん!彼を「罪人の部屋」まで誘導するから、手伝って欲しい。 凛汰:わ、分かったわ! 紗羅姫:任せて!怜。 聖人:ぐぅああああ!! 怜:力の「奔流」が始まったみたいだ。 怜:急いで。そこの角を曲がった先が「罪人の部屋」だよ。 凛汰:はぁはぁ…! 紗羅姫:物質流転!(マテリアルフロウ) 凛汰:すごい…邪魔な物が紗羅姫の能力で無くなっていく! 聖人:どぅあああ!! 怜:さ、そこの部屋に彼を導いて! 凛汰:聖人、こっちよ!…駄目ね、言う事を聞かないわ。 紗羅姫:凛汰、下がってて。聖人くん、悪く思わないでね。 凛汰:ちょっと!何をする気よ? 怜:凛汰ちゃん、大丈夫だよ。見てれば分かるよ。 凛汰:? 聖人:ぐぅあああ!? 紗羅姫:はぁあ!…人型流転!(ヒューマノイドドリフト) 聖人:どぅあが?! 0:紗羅姫の能力で聖人を罪人に部屋に押し込む。 怜:うん、上出来だよ。紗羅姫。 凛汰:紗羅姫…あんた、人も動かせたのね!? 紗羅姫:うん。身体の負荷が激しいから、あまり多様は出来ないけどね。 聖人:… 怜:さあ、二人は危ないから出てて! 凛汰:え?でも、あたし達にも手伝える事があるんじゃ…? 紗羅姫:凛汰!素直に離れましょう。 凛汰:分かったわ。 0:罪人の部屋での死闘。 怜:現時点だと、力の奔流を見るに「咎人化」には然程の時間は掛からないみたいだけど早々に終わらせたいから、不意打ちするようで悪いけど… 聖人?:エデンの血を引く者よ、貴様では余に傷一つ負わせる事叶わぬ。 怜:キミは……咎人No.000.原罪カリファス。

亡国エデン•悲壮は愛憎が故に。 聖人:凛汰!5時間目の現国、安西のハゲうぜぇから、抜け出そうぜ! 凛汰:え?ちょっと!?抜け出すって、サボるって事よね!?ば、馬鹿なの?駄目に決まってるでしょ! 聖人:はぁ…お前は真面目過ぎるんだよ!優等生気取ってるのか何だか知らねぇけど、たまには羽目を外してだな… 凛汰:聖人!いい加減にしてよね!あたしはあんたと違って将来の事もちゃんと考えてるの。 聖人:おい、そんなに怒鳴る事はねぇだろ!チッ…連れねぇ女だ。 凛汰:ふん。 0:屋上 聖人:凛汰のやつ、何を必死になってんだ?別に勉強しなくても生きていけるてのによ。 怜:聖人くん、こんなに朝早くから屋上に上がってるなんて珍しいね。 聖人:あん?その妙に甘ったるい声色は、れいか?俺に何か用か? 怜:別にキミに用があったって訳じゃないけどね。元々、この場所は僕の「特等席」なんだ。 聖人:相変わらず、イケすかねぇ喋り方だ。それで、特等席ってどう言う意味だ? 怜:聖人くん「蛇が鳥」を食べる話は知ってるかい? 聖人:は?知らねぇな。 怜:結構、有名な話だよ?あ、校内1の馬鹿と云われているキミに聞いた僕が愚かだったかな? 聖人:あ?怜、もういっぺん言ってみろ! 怜:2分弱…?ほら、すぐに湯沸かし器みたいに沸騰する。すぐ挑発に乗ったら相手の思う壺だよ? 聖人:お前が言えた事かよ! 怜:失礼。話を戻すね。…蛇はその鋭利な舌で捕食するんだ。その間、捕らわれた鳥は身動きが取れず、二股になった舌でジワジワと溶かされ、やがて塵になる。 聖人:は?その蛇の話と俺が来た事と何の関係があんだよ? 怜:つまり僕が蛇で、聖人くん、キミが鳥と云う訳だよ。 聖人:ふざけんな。くだらねー!じゃあな! 怜:「一度狂い咲いた華びらは平常に咲く事はない。」覚えておいて、聖人くん。 聖人:… 0:1時間目、休み時間 凛汰:はぁ…聖人に言い過ぎちゃったかな? 凛汰:でも、あれは聖人が悪いのよ!あたしを悪い道に引っ張ろうとするから! 凛汰:そうよ……でも、やっぱり謝ろうかな。 紗羅姫:凛汰、また例の男の話?何だかんだ、好きだよねぇー。 凛汰:す、好き!?は、はぁ??馬鹿じゃないの!?誰があんな、クズ男!紗羅姫には校内1の優秀な怜くんがいるものね!羨ましい事で! 紗羅姫:もう。口を膨らませて、拗ねるのはやめてよ、凛汰。それに怜とはそんな関係じゃないってば! 凛汰:ふぅん?この聖ルアマディア学園では、あんたと怜くんが風紀を乱した行為を… 0:口を塞がれる、凛汰。 紗羅姫:や、やめてよ!凛汰。声が大きい! 凛汰:く、苦しい!!い、息が…! 紗羅姫:もう、変な事言わない? 凛汰:うん…うん!は、はなぢてぇ! 紗羅姫:分かった、じゃあ離す。約束だからね? 凛汰:ぷはー!!…ふぅ、死ぬかと思った。 紗羅姫:最近ね、怜の行動がおかしいの。 凛汰:え?何かあったの? 紗羅姫:うん。近頃は彼ね、屋上に居る事が多いんだけど、近付くと「キシャー」って鳴き声が聴こえてくるの。 凛汰:何それ?蛇でもいたんじゃないの? 紗羅姫:蛇かぁ。そうだよね?気のせいだよね? 凛汰:うーん、気になるなら、調べてみたら?毎日、屋上に居座る理由と奇妙な鳴き声? 紗羅姫:うん。ちょっと一人じゃ怖いかな。 凛汰:え?なに、その目は!ま、まさか!あたしに着いて来いって言うんじゃないわよね? 紗羅姫:凛汰…お願い! 凛汰:はぁ…… 紗羅姫:駄目かな?勉強に追われる時期だし、厳しいよね?ごめん、やっぱり私一人で… 凛汰:…良いわよ。 紗羅姫:え?! 凛汰:だから、あたしも着いて行ってあげる。あんた一人じゃ心細いんでしょ? 紗羅姫:えへ♪ありがと、凛汰。 凛汰:ったく…。それで、具体的にはどう調べるのよ? 紗羅姫:うん、1時間目の数学が終わったら、「旧校舎裏」に来て。 0:窓の外に一匹の黒い蛇。 凛汰:きゅ、旧校舎って!あの場所は立ち入り禁止でしょ? 紗羅姫:大丈夫。あ…先生来ちゃった。取り敢えず、また後でね! 凛汰:はあ…どんなタイミングよ。 0:屋上 怜:キシャー!蛇魅、今日のキミは興奮しているね。 怜:うん、大丈夫だよ。キミの望み通り、天境(あまざか)聖人は排除するよ。 怜:キシャーッ!なんだい?…紗羅姫に凛汰ちゃん?二人は至って、人畜無害な存在だよ。 怜:キシャー。…安心した?僕達を脅かすのは彼一人だけさ。 怜:キシャー!…「旧校舎裏」?なるほど、さっき偵察に行った時に得た情報か。そこに彼も来る可能性がある訳だね。 怜:キシャー!!分かっているよ。蛇魅、キミには散々助けられたからね。 怜:ふふふ、「旧校舎」が天境聖人の墓場となるだろう。 0:2時間目、休み時間 聖人:ふわぁあー…ねみぃ。次は体育か。俺の得意科目だが、かったりぃな。 聖人:それにしても、怜は何を俺に伝えたかったんだ?蛇が鳥を…なんだっけ?あーー訳わかんねぇ!まぁ、いいか。 聖人:そう言えば、1時間の休み時間にチラッと凛汰と紗羅姫のやつが「旧校舎裏」がどうとか言ってたのが聞こえてきたが、何の話だ…?面白そうだし、行ってみるか。 0:旧校舎裏 紗羅姫:大丈夫?凛汰? 凛汰:いてて……紗羅姫、あんたは有刺鉄線に触れても痛みをまったく感じないとかゾンビなの?! 紗羅姫:そんな事よりも、凛汰!誰かに見られてる気がする。 凛汰:え?まさか、先生方に見つかったんじゃ? 紗羅姫:違うみたい。空…? 凛汰:紗羅姫? 怜:へぇ、鋭いね。 紗羅姫:怜? 凛汰:何であんたが? 怜:落ち着いて、二人共。僕は君達が心配でね。 紗羅姫:何で、空から降って来て? 怜:ああ、陸より空からの方が「観察」しやすいからね。 凛汰:観察?やっぱり、あんた何か企んでるんじゃない! 紗羅姫:凛汰! 怜:ごめんよ。僕の過保護が過ぎたばかりに、君達を傷付けてしまったね。 紗羅姫:怜…? 凛汰:そう言う事じゃなくて、あんたがあたし達を監視する理由を答えなさい! 怜:それはね……キミは?! 0:聖人が現れる。 聖人:お前ら、こんな場所で何してんだ? 凛汰:聖人ー!?あんたもストーカーなの? 聖人:は?誰がストーカーだよ!偶然、この場所の話を耳に挟んで、面白そうだったから、来てみたんだよ。 凛汰:ふぅん。 紗羅姫:聖人くんは梨汰ちゃんが心配だったんだよね? 凛汰:さ、紗羅姫! 聖人:あ?ああ、まぁそんなところだ。危なかっしいからな、コイツは。 凛汰:はあ?!どう言う意味よ? 怜:そろそろ、いいかな?僕は君達の戯れ合いを覗く趣味は無いからね。 聖人:それで、ここに集まった理由は何だ? 0:一匹の黒蛇が怜の身体から出てくる。 紗羅姫:きゃっ!れ、怜の身体から蛇が! 凛汰:紗羅姫、落ち着いて!…でも、何で蛇が? 怜:シャー!…蛇魅、牙はしまって。まだこの場所は「相応しくない。」 聖人:怜、お前は何者だ? 怜:聖人くん、凛汰ちゃん、紗羅姫。その話も含めて「旧校舎の中」で話すよ。 紗羅姫:怜。 凛汰:旧校舎って、鍵が掛かってるわよ?それにもう次の授業が… 聖人:優等生のお前にとっちゃ酷な話かも知れねぇけど、もう「逃れられねえよ。」 凛汰:聖人? 怜:ふふ、鍵については大丈夫、ここには紗羅姫と何度か入った事があるからね。 凛汰:そうなの?紗羅姫。 紗羅姫:凛汰、この場所で私達は… 凛汰:あ、やっぱり良いわ。言わないで!その先は聞かない方がいいと直感的に思ったわ。 紗羅姫:ありがと、凛汰。 聖人:は?意味わかんねぇ。 凛汰:聖人、あんたは分からなくていいの! 聖人:チッ。 怜:相変わらず、騒がしい人達だなぁ。…さ、着いたよ。ここの鍵は紗羅姫が握ってる。 紗羅姫:準備はいい?開けるよ? 凛汰:大丈夫よ。 聖人:ああ。 怜:早く行こう。 0:旧校舎の中に入る。 凛汰:え…何この文字? 聖人:「亡国エデンへと繋ぐ道」? 怜:ふふ、この先に三つの扉がある。それぞれの部屋には「役割」があるんだ。 凛汰:役割? 怜:そう、一つ目の部屋には「救」二つ目は「繁」最後の部屋は「再」。紗羅姫、教えてあげて。 紗羅姫:まず、救は誰かを救うって意味だよ。 凛汰:二つ目は? 紗羅姫:二つ目は繁栄。栄えさせるって事だね。 聖人:最後の再は誰かを再会させるって事か? 怜:聖人くん、惜しい。正解は「再生」 凛汰:再生? 怜:「誰か」を再生させられるって事さ。 紗羅姫:二人とも、理解出来たかな? 聖人:あーー頭いてぇ!授業が怠いから抜け出してんのに小難しい話なんて聞きたくねえよ! 凛汰:聖人、ちょっと黙ってて!目的は何なのよ? 怜:目的?君達を…いや、正確には聖人くん以外を「亡国エデン」に招きたくてね。 聖人:おい、怜!何で俺を省くんだよ! 凛汰:亡国エデン? 紗羅姫:… 怜:聖人くん、キミをエデンには導けない。僕も残念で仕方ないよ。「主」がキミを酷く毛嫌っていてね。 聖人:あるじだ?あっそ。んじゃ、俺は帰るわ。 怜:待ってくれ!キミには「罪人の部屋」に案内するよ。 聖人:罪人だ?下らねぇ、俺は帰るぜ。つまらねぇ事はしたくねぇ性分なんでな。 凛汰:聖人? 紗羅姫:ダメ、聖人くん!大人しく怜に従って! 聖人:は? 怜:はあ…キミは本当に手間が掛かるね。止むを得ないか。 怜:蛇魅!聖人くんを捕らえて! 0:その刹那、聖人は黒蛇に巻き付かれる。 聖人:がぁあ!?な、なんだよ、この蛇!離せ、離しやがれっ!! 凛汰:聖人! 紗羅姫:だから言ったのに… 凛汰:紗羅姫…?あんた……初めから知ってたの? 怜:紗羅姫、凛汰ちゃんに説明してあげて。 紗羅姫:うん。初めから、知ってたよ。怜が体内で飼っている、黒蛇の蛇魅の存在。勿論、旧校舎についてもね。 凛汰:紗羅姫、あんた!「亡国エデン」に連れて行く為にあたしを騙したと言うの!? 凛汰:怜くんの行動がおかしいとか、屋上の話も嘘なわけ?! 紗羅姫:そう。お人好しの凛汰の事だから、怖い!って怯えた表情を出したら、引き受けてくれると思ったよ。 凛汰:紗羅姫、あんた!! 聖人:ぐがぁあ!!首が絞ま…! 怜:そのまま、絞め殺すのも「快感」だけど、まだその時では無いからね。蛇魅、緩めてあげて。シャー! 聖人:けほっ!けほっ…!て、てめえ!ぶっ殺す… 0:拳を握る。 紗羅姫:聖人くんが現れたのは想定外だったけどね。 怜:僕としてはその想定外は「歓喜」だけど。 凛汰:…あんたらは何者なのよ! 聖人:同じ人間とは思えねぇ!特に怜、お前はな。 怜:良いよ。少しだけ教えてあげるよ。僕達、エデン人の神秘についてね。 怜:圧倒的に君達とは異なる異質な力。僕は黒き大蛇、蛇魅を使役する能力。 紗羅姫:私は、物体を動かす能力。こんな風に…念じると… 0:周囲の物が宙に舞う。 凛汰:なっ!?驚いたわね。紗羅姫にこんな力があるなんて。 怜:それで僕等がこの世界に来た理由はね、天境聖人くん。主にキミにある。 聖人:は?俺が何だって言うんだよ? 紗羅姫:聖人くんはNo.000「咎人」原初なんだよ。 凛汰:聖人が?とがびと? 怜:咎人とは所謂、君達の星で例えるなら「罪人」と何ら変わりは無い。要するに裁かれるべき対象って訳さ。 聖人:はあ?!冗談じゃねぇー! 紗羅姫:聖人くん、あんまり暴れると本当に絞め殺されちゃうよ? 聖人:チッ…! 凛汰:あんたらの目的は聖人にあるんでしょ?あたしは関係ないじゃない! 怜:いや、関係あるんだ。凛汰ちゃん、キミはエデンの「中核」へとなる、主要人物だからね。 凛汰:中核ですって!? 紗羅姫:凛汰、貴女の父はエデンの末裔だよ。だから、貴女も私達と同じ、エデンの血が流れてるの。 凛汰:あたしがエデン人?! 怜:そう、だからキミにはこんなところで足踏みしてて貰っては困るんだ…気配!? 聖人:さっきから、ごちゃごちゃとうるせぇな!…俺が咎人だから、俺を消すってか?上等じゃねぇか!今すぐやってやるよ! 紗羅姫:すごい殺気… 凛汰:聖人? 怜:不味いね。この波動は…咎人の能力発動の予兆だ。 0:聖人の身体からオーラが渦巻く。 怜:紗羅姫、凛汰ちゃん!彼を「罪人の部屋」まで誘導するから、手伝って欲しい。 凛汰:わ、分かったわ! 紗羅姫:任せて!怜。 聖人:ぐぅああああ!! 怜:力の「奔流」が始まったみたいだ。 怜:急いで。そこの角を曲がった先が「罪人の部屋」だよ。 凛汰:はぁはぁ…! 紗羅姫:物質流転!(マテリアルフロウ) 凛汰:すごい…邪魔な物が紗羅姫の能力で無くなっていく! 聖人:どぅあああ!! 怜:さ、そこの部屋に彼を導いて! 凛汰:聖人、こっちよ!…駄目ね、言う事を聞かないわ。 紗羅姫:凛汰、下がってて。聖人くん、悪く思わないでね。 凛汰:ちょっと!何をする気よ? 怜:凛汰ちゃん、大丈夫だよ。見てれば分かるよ。 凛汰:? 聖人:ぐぅあああ!? 紗羅姫:はぁあ!…人型流転!(ヒューマノイドドリフト) 聖人:どぅあが?! 0:紗羅姫の能力で聖人を罪人に部屋に押し込む。 怜:うん、上出来だよ。紗羅姫。 凛汰:紗羅姫…あんた、人も動かせたのね!? 紗羅姫:うん。身体の負荷が激しいから、あまり多様は出来ないけどね。 聖人:… 怜:さあ、二人は危ないから出てて! 凛汰:え?でも、あたし達にも手伝える事があるんじゃ…? 紗羅姫:凛汰!素直に離れましょう。 凛汰:分かったわ。 0:罪人の部屋での死闘。 怜:現時点だと、力の奔流を見るに「咎人化」には然程の時間は掛からないみたいだけど早々に終わらせたいから、不意打ちするようで悪いけど… 聖人?:エデンの血を引く者よ、貴様では余に傷一つ負わせる事叶わぬ。 怜:キミは……咎人No.000.原罪カリファス。