台本概要
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タイトル | 死感薬。 |
---|---|
作者名 | すばら (@kou0204hei) |
ジャンル | ミステリー |
演者人数 | 4人用台本(男3、女1) |
時間 | 30 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
廃棄3。
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ライル | 男 | 65 | |
メリッサ | 女 | 19 | |
ゴードン | 男 | 40 | |
ガーラ | 男 | 24 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
感情を殺す薬、死感薬。身体に打つと人々は忽ち、冷徹な殺人兵器となる。
然し、”感情違反者″薬を打たぬ者も存在した。
この国を統べる、ガーラ•ジャネラルは反乱者(薬を打たぬ者)を抹殺しろとの命令を下す。
ガーラ:薬を打たぬ者は皆殺しにしろ!命令に叛(そむ)いた者も同罪とする。
ガーラ:ライル、君の活躍を期待しているぞ。
ライル:はっ、必ず反乱者のアジトを見つけ出し、根絶やしにしてみせます!
ガーラ:うむ。
ライル(M):私の名前はライル•クロウエン、武道家に生まれたお陰で、腕っぷしには多少なりとも自信はある。父、トーマスは私が18歳を迎えた春、忽然と姿を消してしまった。十年が経過した現在(いま)でも、行方は掴めていない。
0:ライル栄冠式。
ガーラ:ライル、君を正式に我が隊へと迎え入れよう!
ライル(M):この方はガーラ•ジェネラル猊下。父、失踪後、私はガーラ猊下の傘下に入った。
0:ライル邸宅。
メリッサ:ライル、起きて!今日は戦闘の模擬訓練でしょ?
ライル:ぅうん?!メリッサ…今何時だ?
メリッサ:9時よ、そろそろ支度しないと遅刻するわよ?
ライル:分かってる!…後、5分だけ寝かせてくれ。
メリッサ:もぅ…仕方ない人ね。
ライル:…Zzz
メリッサ:…(ライル、私はガーラに従えないわ…私は感情違反者…きっと殺される。)
ライル:ん…ふわぁ…メリッサ!?キミ、涙を?
メリッサ:あら、起きたのね。…何でも無いわ。そんな事より…起きて、貴方の好きなケチャップたっぷりのハムエッグトーストを焼いたわ!
ライル:…本当か?気が利くね。
メリッサ:あっ…太陽が潰れてしまったわ…
ライル:はは…メリッサの一生懸命さは伝わるよ。有難う!
メリッサ:ごめんなさい、ライル。
0:トーストを食す。
ライル:…何か思い詰めてるように感じたが、私の気のせいか?
メリッサ:な、何を馬鹿な事を言ってるのよ!そんな事ある訳ないでしょ。
ライル:そうか?ならいいけど。
メリッサ:ライル…
ライル:メリッサ、薬は?
メリッサ:え?!勿論、打ったわよ?!
ライル:メリッサ、何を焦っているんだ?私の薬は何処にあるんだ?
メリッサ:あー…えっと、鳥が描かれた机の奥にしまっているわよ?
ライル:そうか、有難う!
0:薬を取る。
ライル:……今日の分を打たないとな……くっ!!
メリッサ:ライル、大丈夫?
ライル:はぁはぁ…ああ、問題ない。行ってくる…。
メリッサ:行ってらっしゃい、ライル。
メリッサ:…
0:地下闘技場。
ゴードン:もっと機微機微動けぇ!!おい、そこの坊主!…腰が曲がってんぞ!やる気あんのかあ?あ?
ライル:ゴードンさん〜!今日も容赦無いですね。
ゴードン:おう、ライル!…ギリギリの到着だな、昨晩はお楽しみだったか?
ライル:あ、いや…そう言う訳では…
ゴードン:だははは!冗談だ。
ライル:はは…冗談きついですよ。
ゴードン:よーし、ライル!そこにいる餓鬼共と模擬戦をしてみろ!
ライル:ゴードンさん?私まだ新米ですよ?この子達は戦闘のプロなんじゃ?
ゴードン:おいおい、ライル!尻(けつ)の青い餓鬼どもに遅れを取ってて、恥ずかしくねぇのか?
ライル:ぐっ……分かりました。
ゴードン:良いか、両者とも全力で殺り合えよ!これは模擬戦だが実戦と変わらず血は流れる!
ライル:…
ゴードン:ライル、何を呆けている?!先手を打たれるぞ!
ライル:この子達…まるで、感情のない…怪物(モンスター)だ…
ライル:っ!…相手の間合いに踏み込むタイミング、距離もスピードも…格段上…私に倒せるのか?
ゴードン:おらぁ!気合い入れてけ!これは試合であって死合いだ。どちらかが奪れるまで死力を尽くせっ!!
ライル:…落ち付け、一人、一人を的確に分析するんだ。…左側にいる、猫背気味の子は…体力面にマイナス…右側にいる、眼鏡をかけた頭がキレそうな子は…腕力面がマイナス…そして、私に攻撃を仕掛けてきた、リーダー格と思しき子は…猪突猛進タイプ…頭脳面にマイナス…
ゴードン:ライルのやつ、怖気付いたか?!
ライル:…先に片付ける子は…猫背…そこだぁ!!………よし、頭蓋骨に入った。
ゴードン:な、何!?肘打ち一発で倒しただと?!……ライル!見事だ!!
ライル:ゴードンさん、戦場で足を震わせてたら、ガーラ猊下の守護は務まりませんよ。
ゴードン:だっははは!…流石だ、ライル!ガーラ猊下に一目置かれているだけはある。
ライル:…次は眼鏡…いや、リーダー格の子か…猪の如く、突っ込んできたら私の右ストレートでカウンターだ…!
ゴードン:ライル!その調子で攻めろ!!この光景はガーラ猊下にも伝わっているぞ!!
ライル:見世物かよ…くっ…!…!きたっ!!…待っていたよ!リーダーくん…そらぁあ!!……よし、順調に倒せている。
ゴードン:ほう!凄まじい、ストレートだな!この戦績なら、俺が現役を退いた後もお前に後任出来るぞ!!ライル!
ライル:ちっ…勝手な事言いやがって…最後は…眼鏡くん…リーダーが居なくなって…浮ついてる今がチャンス!
ゴードン:残り一人だ!やれ、やっちまえ!!ライル!!
ライル:くそ、気が散る……流石は頭脳派、下手に打っては来ない…なら、仕掛けるっ!!……足元がお留守だよっ!!はぁああ!!……よし、体勢を崩した!
ゴードン:ひゅーー!!お前は無敵だ!ライル•クロウエン!!
ライル:トドメだっ!!…ふんっ!!
ゴードン:盛大な拍手。
ゴードン:ん…そう言えば随分と感情が発露していたが。ライルお前、ちゃんと薬は打ってるか?
ライル:はい、朝の分は…
ゴードン:おい、今昼の13時だぞ?お前まさか打って無かったのか??
ライル:すみません、打つ時間が無くて…
ゴードン:…まぁ良いだろ。今回だけは目を瞑ってやろう。次は排除するぞ?いいな?
ライル:は…はい。有難うございます。ゴードン教官!
ゴードン:お詫びとして、ディナーを奢れ!この先に羊肉をふんだんに使った、美味いシチューがあるんだよ!
ライル:足下見やがって…
ゴードン:?あ?何だ、その目付きは?
ライル:う、生まれ付き目付きが悪いんです。
ゴードン:ふん。…行くぞ!
ライル:…(さっきの模擬戦、薬を打ってたら…お陀仏だった…)
ガーラ:良いか?薬の投与は朝、昼、晩と3回だ!”必ず”打て。打たぬ者は即排除とする。
ライル:…
0:レストラン•ラムバーゲン。
ゴードン:おい、ライル!食わねーのか?…ムシャムシャ…
ライル:…(メリッサからの定時連絡が無い。鳴り止まない通信機が今日はヤケに静かだ。…何事も無ければ良いが。)
ゴードン:食わないなら、お前のも貰っちまうぜ?
ライル:ちょっ…!…ゴードンさん、行儀悪いですよ?
ゴードン:お前、さっきから妄想に耽っているみてぇだから、腹減ってねえのかと思ってな。
ライル:いや、メリッサが…
ゴードン:あん?お前の女がどうし…!?…ガーラ猊下から通信?!
0:通信機を取る。
ゴードン:はい、どうしました?
ガーラ:ゴードン、緊急事態発生だ!ターゲットはメリッサ•クロウエン…”感情違反者”だ!直ちに抹殺しろッ!…以上。
ゴードン:え…ライルの女が…感情違反者?!
ライル:ゴードンさん?!メリッサがどうしたって言うんですか!?答えて下さい!!ゴードンさん!!
ゴードン:ライル…お前の女が反乱者となった。…ガーラ猊下は即刻、始末しろと。
ライル:は?!な、何を言って…
ゴードン:女なんて星の数いらぁ!悪いことは言わねえ…彼女の事は忘れちまえよ、ライル。
ライル:そ、そんな…メリッサが!?何故…何故だ。
ゴードン:ライル、俺は仏じゃねえからな…行くぞ!
ライル:くっ…!!
0:席を立つ。
ゴードン:おい、ライル!命令違反するなら貴様も…
ライル:上等ですよ。…一度教官と”戯れてみたかったんです”
ゴードン:ふ…後悔するなよ?餓鬼共のようにはいかねえぞ?
ライル:その前に場所を変えませんか?此処で戦ったら、美味しい料理が台無しになってしまう。
ゴードン:だっははは!今日がお前の命日になるかも知れねぇってのに、真面目だな!
ライル:店を出た先の、荒れ地にしましょう。
ゴードン:人気がない荒野だと?助けを呼べなくなっちまうけど、良いのか?
ライル:構いませんよ。
0:市街地。
ガーラ:メリッサ…見つけたぞ。
メリッサ:……!ガーラ…
ガーラ:ライルが今頃、泣いているぞ?…何故、謀反を?
メリッサ:知れた事、あんたのやり方が気に食わないだけよっ!ぺっ…!!
ガーラ:…このビッチが!!どらぁあ!!
メリッサ:がはっ…ライル、ごめんなさい…
ガーラ:おい、そこの者。こいつを火刑に処せ!!
メリッサ:…
ガーラ:…このガーラに従わぬ者に明日は与えん。
ゴードン:育ててやった恩を仇で返すか、ライル。
ライル:育てた?私の親はトーマス•クロウエン、ただ一人だけです。
ゴードン:…良いだろう。今から、スパルタ教育開始だ!…どりゃああ!!
ライル:ぐふっ!…速い…然し、年のせいか…スタミナが保ちそうにないですね。…貴方じゃ父親は務まらない…!…せぁああ!!
ゴードン:ごはぁっ!…さすがライルだ。だが、俺の指導無しでは高みは目指せねえー!!どぉーりゃあ!!
ライル:くっ…!過保護は勘弁して下さい!…獄鳥の構え!!はぁーっ!!
ゴードン:こはっ!…な、何だと!?…その流派はお前の親父の…
ライル:はぁはぁ…言ったでしょ?私の父親は”ただ一人”だって。
ゴードン:だっははは!…
ライル:…笑いながら気絶したよ…最期まで暑苦しい男だった。
ライル:…メリッサの身が危ない…急がないと!
0:特殊焼却炉。
ガーラ:放射準備は整ったか?
ガーラ:うむ。よし、やれぇいい!!
ライル:メリッサァアーー!!開けろ、開けろよ…!
0:焼却炉入り口前。
メリッサ:ライル…愛してるわ。
0:灰になるメリッサ。
ガーラ:ライル、貴様はこの女に現を抜かしていたな。
ライル:ガーラ猊下…
ガーラ:クッハハハ!…余が憎いか?
ライル:ガーラ猊下、いや、ガーラ。貴方の命、頂戴します!
ガーラ:ほう?余に牙を剥くか?…良かろう。夫婦揃って、地獄でピクニックでもしていろ。
ライル:ガーラァアァア!!
ガーラ:ふん、甘いな。怒りに任せた拳など余に掠りもせぬ。
ライル:くっ…。
ガーラ:この世は”余が秩序なのだ”…ライル、遺言はあるか?貴様は見所があると思ったが、見当違いだったようだ。
ライル:…っ!
ガーラ:貴様は…クビだっ!…ふんっ!せぃ!はぁーあ!!
ライル:…ぐほぉあ!…強い…私は…
ガーラ:もう休んで良いぞ、ライルよ。
ライル:まだだ…!獄鳥の構えっ!!はぁーあ!!
ガーラ:ぐほぉあ!?クッハハハ!…これ程までとはな。
ライル:はぁ…はぁ…力が入らない…
ガーラ:ライル、次の会食まで残り5分しか無いのだ…早々に片付けさせて貰うぞ!
ライル:…
ガーラ:朱雀砲演舞ー!!(すざくほうえんぶ)
ライル:…メリッサ…
黒騎士:そこまでだ…まだ、この若造を死なせる訳にはいかない!…お前の罪の色は何色だ?…真•獄鳥の構えっ!
ガーラ:ぐぁ!!き、貴様は…!
黒騎士:…強くなったな…。
続。
感情を殺す薬、死感薬。身体に打つと人々は忽ち、冷徹な殺人兵器となる。
然し、”感情違反者″薬を打たぬ者も存在した。
この国を統べる、ガーラ•ジャネラルは反乱者(薬を打たぬ者)を抹殺しろとの命令を下す。
ガーラ:薬を打たぬ者は皆殺しにしろ!命令に叛(そむ)いた者も同罪とする。
ガーラ:ライル、君の活躍を期待しているぞ。
ライル:はっ、必ず反乱者のアジトを見つけ出し、根絶やしにしてみせます!
ガーラ:うむ。
ライル(M):私の名前はライル•クロウエン、武道家に生まれたお陰で、腕っぷしには多少なりとも自信はある。父、トーマスは私が18歳を迎えた春、忽然と姿を消してしまった。十年が経過した現在(いま)でも、行方は掴めていない。
0:ライル栄冠式。
ガーラ:ライル、君を正式に我が隊へと迎え入れよう!
ライル(M):この方はガーラ•ジェネラル猊下。父、失踪後、私はガーラ猊下の傘下に入った。
0:ライル邸宅。
メリッサ:ライル、起きて!今日は戦闘の模擬訓練でしょ?
ライル:ぅうん?!メリッサ…今何時だ?
メリッサ:9時よ、そろそろ支度しないと遅刻するわよ?
ライル:分かってる!…後、5分だけ寝かせてくれ。
メリッサ:もぅ…仕方ない人ね。
ライル:…Zzz
メリッサ:…(ライル、私はガーラに従えないわ…私は感情違反者…きっと殺される。)
ライル:ん…ふわぁ…メリッサ!?キミ、涙を?
メリッサ:あら、起きたのね。…何でも無いわ。そんな事より…起きて、貴方の好きなケチャップたっぷりのハムエッグトーストを焼いたわ!
ライル:…本当か?気が利くね。
メリッサ:あっ…太陽が潰れてしまったわ…
ライル:はは…メリッサの一生懸命さは伝わるよ。有難う!
メリッサ:ごめんなさい、ライル。
0:トーストを食す。
ライル:…何か思い詰めてるように感じたが、私の気のせいか?
メリッサ:な、何を馬鹿な事を言ってるのよ!そんな事ある訳ないでしょ。
ライル:そうか?ならいいけど。
メリッサ:ライル…
ライル:メリッサ、薬は?
メリッサ:え?!勿論、打ったわよ?!
ライル:メリッサ、何を焦っているんだ?私の薬は何処にあるんだ?
メリッサ:あー…えっと、鳥が描かれた机の奥にしまっているわよ?
ライル:そうか、有難う!
0:薬を取る。
ライル:……今日の分を打たないとな……くっ!!
メリッサ:ライル、大丈夫?
ライル:はぁはぁ…ああ、問題ない。行ってくる…。
メリッサ:行ってらっしゃい、ライル。
メリッサ:…
0:地下闘技場。
ゴードン:もっと機微機微動けぇ!!おい、そこの坊主!…腰が曲がってんぞ!やる気あんのかあ?あ?
ライル:ゴードンさん〜!今日も容赦無いですね。
ゴードン:おう、ライル!…ギリギリの到着だな、昨晩はお楽しみだったか?
ライル:あ、いや…そう言う訳では…
ゴードン:だははは!冗談だ。
ライル:はは…冗談きついですよ。
ゴードン:よーし、ライル!そこにいる餓鬼共と模擬戦をしてみろ!
ライル:ゴードンさん?私まだ新米ですよ?この子達は戦闘のプロなんじゃ?
ゴードン:おいおい、ライル!尻(けつ)の青い餓鬼どもに遅れを取ってて、恥ずかしくねぇのか?
ライル:ぐっ……分かりました。
ゴードン:良いか、両者とも全力で殺り合えよ!これは模擬戦だが実戦と変わらず血は流れる!
ライル:…
ゴードン:ライル、何を呆けている?!先手を打たれるぞ!
ライル:この子達…まるで、感情のない…怪物(モンスター)だ…
ライル:っ!…相手の間合いに踏み込むタイミング、距離もスピードも…格段上…私に倒せるのか?
ゴードン:おらぁ!気合い入れてけ!これは試合であって死合いだ。どちらかが奪れるまで死力を尽くせっ!!
ライル:…落ち付け、一人、一人を的確に分析するんだ。…左側にいる、猫背気味の子は…体力面にマイナス…右側にいる、眼鏡をかけた頭がキレそうな子は…腕力面がマイナス…そして、私に攻撃を仕掛けてきた、リーダー格と思しき子は…猪突猛進タイプ…頭脳面にマイナス…
ゴードン:ライルのやつ、怖気付いたか?!
ライル:…先に片付ける子は…猫背…そこだぁ!!………よし、頭蓋骨に入った。
ゴードン:な、何!?肘打ち一発で倒しただと?!……ライル!見事だ!!
ライル:ゴードンさん、戦場で足を震わせてたら、ガーラ猊下の守護は務まりませんよ。
ゴードン:だっははは!…流石だ、ライル!ガーラ猊下に一目置かれているだけはある。
ライル:…次は眼鏡…いや、リーダー格の子か…猪の如く、突っ込んできたら私の右ストレートでカウンターだ…!
ゴードン:ライル!その調子で攻めろ!!この光景はガーラ猊下にも伝わっているぞ!!
ライル:見世物かよ…くっ…!…!きたっ!!…待っていたよ!リーダーくん…そらぁあ!!……よし、順調に倒せている。
ゴードン:ほう!凄まじい、ストレートだな!この戦績なら、俺が現役を退いた後もお前に後任出来るぞ!!ライル!
ライル:ちっ…勝手な事言いやがって…最後は…眼鏡くん…リーダーが居なくなって…浮ついてる今がチャンス!
ゴードン:残り一人だ!やれ、やっちまえ!!ライル!!
ライル:くそ、気が散る……流石は頭脳派、下手に打っては来ない…なら、仕掛けるっ!!……足元がお留守だよっ!!はぁああ!!……よし、体勢を崩した!
ゴードン:ひゅーー!!お前は無敵だ!ライル•クロウエン!!
ライル:トドメだっ!!…ふんっ!!
ゴードン:盛大な拍手。
ゴードン:ん…そう言えば随分と感情が発露していたが。ライルお前、ちゃんと薬は打ってるか?
ライル:はい、朝の分は…
ゴードン:おい、今昼の13時だぞ?お前まさか打って無かったのか??
ライル:すみません、打つ時間が無くて…
ゴードン:…まぁ良いだろ。今回だけは目を瞑ってやろう。次は排除するぞ?いいな?
ライル:は…はい。有難うございます。ゴードン教官!
ゴードン:お詫びとして、ディナーを奢れ!この先に羊肉をふんだんに使った、美味いシチューがあるんだよ!
ライル:足下見やがって…
ゴードン:?あ?何だ、その目付きは?
ライル:う、生まれ付き目付きが悪いんです。
ゴードン:ふん。…行くぞ!
ライル:…(さっきの模擬戦、薬を打ってたら…お陀仏だった…)
ガーラ:良いか?薬の投与は朝、昼、晩と3回だ!”必ず”打て。打たぬ者は即排除とする。
ライル:…
0:レストラン•ラムバーゲン。
ゴードン:おい、ライル!食わねーのか?…ムシャムシャ…
ライル:…(メリッサからの定時連絡が無い。鳴り止まない通信機が今日はヤケに静かだ。…何事も無ければ良いが。)
ゴードン:食わないなら、お前のも貰っちまうぜ?
ライル:ちょっ…!…ゴードンさん、行儀悪いですよ?
ゴードン:お前、さっきから妄想に耽っているみてぇだから、腹減ってねえのかと思ってな。
ライル:いや、メリッサが…
ゴードン:あん?お前の女がどうし…!?…ガーラ猊下から通信?!
0:通信機を取る。
ゴードン:はい、どうしました?
ガーラ:ゴードン、緊急事態発生だ!ターゲットはメリッサ•クロウエン…”感情違反者”だ!直ちに抹殺しろッ!…以上。
ゴードン:え…ライルの女が…感情違反者?!
ライル:ゴードンさん?!メリッサがどうしたって言うんですか!?答えて下さい!!ゴードンさん!!
ゴードン:ライル…お前の女が反乱者となった。…ガーラ猊下は即刻、始末しろと。
ライル:は?!な、何を言って…
ゴードン:女なんて星の数いらぁ!悪いことは言わねえ…彼女の事は忘れちまえよ、ライル。
ライル:そ、そんな…メリッサが!?何故…何故だ。
ゴードン:ライル、俺は仏じゃねえからな…行くぞ!
ライル:くっ…!!
0:席を立つ。
ゴードン:おい、ライル!命令違反するなら貴様も…
ライル:上等ですよ。…一度教官と”戯れてみたかったんです”
ゴードン:ふ…後悔するなよ?餓鬼共のようにはいかねえぞ?
ライル:その前に場所を変えませんか?此処で戦ったら、美味しい料理が台無しになってしまう。
ゴードン:だっははは!今日がお前の命日になるかも知れねぇってのに、真面目だな!
ライル:店を出た先の、荒れ地にしましょう。
ゴードン:人気がない荒野だと?助けを呼べなくなっちまうけど、良いのか?
ライル:構いませんよ。
0:市街地。
ガーラ:メリッサ…見つけたぞ。
メリッサ:……!ガーラ…
ガーラ:ライルが今頃、泣いているぞ?…何故、謀反を?
メリッサ:知れた事、あんたのやり方が気に食わないだけよっ!ぺっ…!!
ガーラ:…このビッチが!!どらぁあ!!
メリッサ:がはっ…ライル、ごめんなさい…
ガーラ:おい、そこの者。こいつを火刑に処せ!!
メリッサ:…
ガーラ:…このガーラに従わぬ者に明日は与えん。
ゴードン:育ててやった恩を仇で返すか、ライル。
ライル:育てた?私の親はトーマス•クロウエン、ただ一人だけです。
ゴードン:…良いだろう。今から、スパルタ教育開始だ!…どりゃああ!!
ライル:ぐふっ!…速い…然し、年のせいか…スタミナが保ちそうにないですね。…貴方じゃ父親は務まらない…!…せぁああ!!
ゴードン:ごはぁっ!…さすがライルだ。だが、俺の指導無しでは高みは目指せねえー!!どぉーりゃあ!!
ライル:くっ…!過保護は勘弁して下さい!…獄鳥の構え!!はぁーっ!!
ゴードン:こはっ!…な、何だと!?…その流派はお前の親父の…
ライル:はぁはぁ…言ったでしょ?私の父親は”ただ一人”だって。
ゴードン:だっははは!…
ライル:…笑いながら気絶したよ…最期まで暑苦しい男だった。
ライル:…メリッサの身が危ない…急がないと!
0:特殊焼却炉。
ガーラ:放射準備は整ったか?
ガーラ:うむ。よし、やれぇいい!!
ライル:メリッサァアーー!!開けろ、開けろよ…!
0:焼却炉入り口前。
メリッサ:ライル…愛してるわ。
0:灰になるメリッサ。
ガーラ:ライル、貴様はこの女に現を抜かしていたな。
ライル:ガーラ猊下…
ガーラ:クッハハハ!…余が憎いか?
ライル:ガーラ猊下、いや、ガーラ。貴方の命、頂戴します!
ガーラ:ほう?余に牙を剥くか?…良かろう。夫婦揃って、地獄でピクニックでもしていろ。
ライル:ガーラァアァア!!
ガーラ:ふん、甘いな。怒りに任せた拳など余に掠りもせぬ。
ライル:くっ…。
ガーラ:この世は”余が秩序なのだ”…ライル、遺言はあるか?貴様は見所があると思ったが、見当違いだったようだ。
ライル:…っ!
ガーラ:貴様は…クビだっ!…ふんっ!せぃ!はぁーあ!!
ライル:…ぐほぉあ!…強い…私は…
ガーラ:もう休んで良いぞ、ライルよ。
ライル:まだだ…!獄鳥の構えっ!!はぁーあ!!
ガーラ:ぐほぉあ!?クッハハハ!…これ程までとはな。
ライル:はぁ…はぁ…力が入らない…
ガーラ:ライル、次の会食まで残り5分しか無いのだ…早々に片付けさせて貰うぞ!
ライル:…
ガーラ:朱雀砲演舞ー!!(すざくほうえんぶ)
ライル:…メリッサ…
黒騎士:そこまでだ…まだ、この若造を死なせる訳にはいかない!…お前の罪の色は何色だ?…真•獄鳥の構えっ!
ガーラ:ぐぁ!!き、貴様は…!
黒騎士:…強くなったな…。
続。