声劇台本置き場

黒騎士：おい！…生きてるか？ ライル：ここは…？ 黒騎士：俺の自宅だ。…まだ寝ていろ。 ライル：…くっ！ 黒騎士：痛みは多少和らげたが、気休め程度だ。 ライル：…ガーラは？！ 黒騎士：恐らく、ガーラは生きてる。 黒騎士：あいつは… ソフィア：おはよう！目覚めたのね！ ライル：め、メリッサ！！ ソフィア：…メリッサ？あたしはソフィアよ。うふふ、寝惚けてるのかしら？ 黒騎士：紹介しよう、こちらの可憐な女性はソフィア•ハルモニア”訳あり”の姫君だ。 ライル：し、失礼しました！…ソフィア姫。私はライル•クロウエンと申します！ ソフィア：うふふ、ソフィアでいいわよ。ライル。 ソフィア：”訳あり”は余計よ。ジャック！ ライル：あはは、よろしくです！ 黒騎士：名など飾りに過ぎんが。聞いての通り、俺の名はジャックだ。 ソフィア：この人ったら、気取っちゃって！ ライル：ジャックさん？何故、私を助けてくれたのですか？ 黒騎士：ああ、お前の父、トーマスは俺の師だ。覚えてないか？ ライル：…！？ ソフィア：ジャック、彼はまだ本調子じゃないんだから無理をさせないであげて。 黒騎士：… ライル：ソフィアさん、大丈夫ですよ。うーん…… 黒騎士：あー…すまん、これを取ったら分かるか？ 0：仮面を外す。 ライル：…！…貴方は確か、、 0：ライル幼少期。 ライル：お父さん、僕も強くなれるかな？ トーマス：なれるとも。なんたって、この父さんの血を受け継いでるのだからな！ガッハハハ！ ライル：うぇえ…お酒臭い… 黒騎士：トーマスさん、飲み過ぎですって…もう控えた方が… トーマス：おい、ジャック！師である、この俺に歯向かうとは良い度胸してるな？ ライル：二人とも喧嘩しないでえ… 黒騎士：俺はただ、トーマスさんのお身体を案じて… トーマス：じゃかしい！…酒が足らんぞっ！おい、ジャック、貯蔵庫から日本酒の一升瓶持ってこい！！ ライル：ぅぇえん…！ 黒騎士：くっ…どうなっても知りませんからね？ トーマス：何をモタモタしている！早く行ってこい！！ 黒騎士：…はいはい、今行きます、行きますー！ ライル：… トーマス：うぇい…ライル、お前も呑むか？グビッ！　ガッハハハ！！ ライル：お酒美味しくない。 0：貯蔵庫前。 黒騎士：ったく〜何で酒が飲めない19歳の俺が運んでんだよ…はぁ…弟子入りする場所、間違ったかな。 黒騎士：…あった、あった！……ぐぉお！？重いな…軽い虐めだよ… 0：亡き妻の写真を見つめる。 トーマス：フローラル、見てるかぁ？俺らの息子はこんなにも成長を遂げたぞお？ヒッ…クッ！ ライル：おかあさん？ トーマス：ああ、そうだぞお！お前のママだぞ、世界一美人だろお？ガッハハハ！！ ライル：うん、すごくキレイ！ 黒騎士：戻りましたよ〜トーマスさ…え？！ ライル：寝ちゃった。 トーマス：…zzZ…フローラル…zzZ 黒騎士：ははは、奥さんの写真を抱き枕代わりに寝るなんて、まだまだ子供なんですから。 ライル：あははは！お兄ちゃん、遊ぼ！ 黒騎士：よーし、ライル〜お兄ちゃんと”チャンバラ”しよう！ ライル：ちゃんばら？ 黒騎士：あー、新聞紙をこうやって丸めて剣の形を作るんだよ。 ライル：おお！！ 黒騎士：さ、ライルもやってみて。 ライル：うん、こーお？かな？ 黒騎士：ははは、ぎこちないけど筋はいいよ！ ライル：えへ！ 0：空き地。 黒騎士：そぉれ！ ライル：ぇい！！ 黒騎士：やられたぁ！ ライル：あははは！ 黒騎士：ライル、やるなあ！ 0：現代。 ライル：じゃ、ジャック兄さん！ 黒騎士：思い出してくれたみたいだな。俺もすっかり老けちまった。 ライル：ジャック兄さん、その傷は？ ソフィア：…ハーブティーでも沸かしてくるわね。 黒騎士：ソフィア、いつもすまないな。 ライル：ソフィアさん、有難うございます！ ソフィア：うふふ、ごゆっくりと会話に花を咲かせて頂戴。 黒騎士：……お前の父に付けられた忌まわしき傷だ。 ライル：父さんに！？ 黒騎士：ライル、お前の父さんはガーラだ。 ライル：ガーラが父さん？！そんな…嘘だ… 黒騎士：13年前、妙な大臣がトーマスさんの道場にやって来たんだ。 ライル：13年前と言うと私が15歳の時だよね？父さんが失踪した時期と重なる。 黒騎士：そうだ。お前が初めて”獄鳥の構え”を習得した記念すべきでもあるな。 ライル：… 0：トーマス道場。 トーマス：ライル、基礎は完璧に身に付いたな！次は我が家門に伝わる、”秘技”をお前に伝授するぞ！ 黒騎士：トーマスさん、その技はまだ早いんじゃ？ トーマス：ええぃ、黙れ！ジャック！ 黒騎士：…っ！ ライル：父さん、その技って何？ トーマス：ああ、両手を広げて空を仰ぐんだ！ ライル：…はぁああ！ トーマス：うむ、さすがは俺の自慢の息子だ。筋が良いぞ！ガッハハハ！ 黒騎士：… トーマス：この技は”獄鳥の構え”と言ってな、先祖代々継がれている秘技だ！ ライル：獄鳥の構え… トーマス：ガッハハハ！難しい事は考えるな。…きっとお前のピンチを救ってくれる事だろう！ ライル：うん、ありがとう！父さん。 トーマス：うむうむ、ガッハハハ！！…おい、ジャック、お前は近頃…弛んでるぞ！ 黒騎士：ぅえ！？ トーマス：ジャック、お前がそんな宙ぶらりんだと、俺の息子に先を越されてしまうぞ。 黒騎士：トーマスさん、いつに無く当たり強く無いですか？！ トーマス：うるさい！酒が足らんのだ！酒がっ！！ 黒騎士：いや、完全に八つ当たりじゃねえかよ！！ ライル：ははは、二人とも本当に仲良いね。 0：現代。 ソフィア：るるるー♬…お父様から頂いた、取っておきのハーブを入れてっと…るるるー♬…はい、出来上がり♬ ライル：父さん… 黒騎士：お前が技を継承し、数日経ったある日の事だ。 0：トーマス道場前。 フランク：ほうほう、此処が”例”のとな？うむうむ…中にお邪魔させて貰うとしよう。 フランク：失礼、どなたかいらっしゃるか？ 黒騎士：はい、新たな門下生の人です…？！ フランク：ほうほう、貴方はトーマス殿をご存知か？…某は弟子入りでも道場破りでも無いのだが。 黒騎士：あー、えっと、師…トーマスさんなら奥にいらっしゃいますよ？ フランク：うむ、これにて失礼！ 黒騎士：ごゆっくり。 黒騎士：異様な雰囲気…何者なんだあの人。 0：トーマス自室。 トーマス：フローラル、お前の愛息子は俺を超えるかも知れん。ガッハハハ！！グビッ！グビッ！ 0：ノック。 トーマス：ん？誰だ？…ジャックか？ フランク：ほうほう、失礼！貴方がトーマス•クロウエン殿であられるか？ トーマス：ああ、如何にも俺がトーマスだが何の用だ？む？此処の支払いなら、既に払っ… フランク：…眠っていたまえ！！… トーマス：… フランク：…余に相応しいのは”絶対なる力”だ。 フッハハハ！！ 黒騎士：トーマスさん？何やら、物凄い物音が聞こえたのですが、大丈夫ですか？入りますよ？ 0：部屋に入る。 フランク：… 黒騎士：貴方は先程の？ フランク：ああ、トーマス殿なら野暮用があるそうで、今し方出掛けましたよ？ 黒騎士：そうですか、失礼しま… フランク：フッハハハ！！…貴方には恨みはありませんが……朱雀砲演舞！（すざくほうえんぶ） 黒騎士：……かはっ！…お…ま…え…は…だれだ…！ フランク：余が誰か？…破壊神の申し子、ガーラ•ジェネラルとでも名乗っておきましょう。フッハハハ！！ 黒騎士：…ガーラ……。 フランク：新調したばかりの衣服が汚れてしまいました…やれやれ…また出費が嵩みますね。 0：現代。 ライル：…っ！！ 黒騎士：その後は不覚にも気絶してしまったから、分からん。 ライル：ガーラが父さんを乗っ取った！？ 黒騎士：どう言う原理かは俺にもさっぱりだ。ただ、一つ言えるのはお前の父さんは”生きている” ライル：… ソフィア：話は理解出来たみたいね？…はい、これ飲んで一息入れましょう！ 0：ハーブティーを渡す。 黒騎士：ソフィア、有難う！…ゴクッゴク…あっつ！！ ソフィア：ふふ、馬鹿ね。 ライル：ソフィアさん、頂きます！…ゴクリッ。…それで、ジャック兄さん、ガーラを倒せる方法はあるの？ ソフィア：どういたしまして！冷めない内に飲んで頂戴ね。 黒騎士：あるにはある、だが危険過ぎる！ ライル：ジャック兄さん！ 黒騎士：…ソフィア、”アレ”を持って来てくれ！ ソフィア：はいはい、本当に人使いが荒いわね。 ライル：アレ？？ 黒騎士：すまんな。…ああ、まぁ実際に見たら分かる。 ライル：… 0：ソフィアが紅い玉を抱えている。 ソフィア：ジャックーー、これでしょ？…烈玉（れつぎょく）だったかしら？ 黒騎士：ああ、有難う。ソフィア。 ライル：綺麗な輝きを放っている玉だね。 黒騎士：別名、”己を高まらせる玉”と言われている。 ライル：己を高まらせる玉？ 黒騎士：ああ、詳しくは分からないがこの他にも… ソフィア：もうーー忘れぽいんだから！…藍玉（あいぎょく）想玉（そうぎょく）があるのよ。 ライル：藍玉と想玉… 黒騎士：要するに三つ集める必要がある訳だ。 ライル：他の二つは何処にあるの？ ソフィア：藍玉はあたしのお父様…アルベルト•ハルモニアが所持しているわ。 黒騎士：ソフィア、やっぱり君を巻き込む訳には… ソフィア：何を言ってるの！乗り掛かった船だもの、目的地までは降りないわ！ ライル：ソフィアさん… 黒騎士：ソフィア、俺は”騎士”ってガラじゃあないぞ？ ソフィア：ぷっ！…冗談でしょ？！格好がそのままなのに。 ライル：あっははは！確かに。 黒騎士：くぅ…好きで”装ってた”訳じゃ無いんだがな。 ソフィア：うふふ、分かってるわよ。…それで、どうするの？ ライル：ジャック兄さん？ 黒騎士：ああ、アルベルト王の持つ、藍玉（あいぎょく）を奪うぞ！ ライル：おう！ ソフィア：おう！ 黒騎士：ソフィア？！ ソフィア：あ、一度言ってみたかったのよね。ふふ！ 黒騎士：…ま、良いか。さて、行くか！アルベルト王が鎮座する、アスタロス城へ！ 0：続。