台本概要

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タイトル 【学園コメディ】チームめんこい〜卒業〜
作者名 ゆる男  (@yuruyurumanno11)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(女5)
時間 50 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 私立可稚位高校(しりつかわちいこうこう)には選ばれた4人組が存在する
それはミスめんこいグランプリで選ばれた4人組。チームめんこい!

チームめんこいを支えてきた4人の先輩たちはついに学校を卒業していく……
残されたしきに先輩たちは可愛いを託すことになる


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こちらは『チームめんこい』の続編になります!
なので本編の方から読んでいただければより、話がわかりやすいと思います!
世界観を壊さない程度のアドリブはOK!
キャラの性別を変えなけば異性のキャラを演じても大丈夫です!

野良劇や約束劇で使用する時に
X(ツイッター)で呟いて頂けると今後のモチベーションに繋がります!!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
しき 168 2年C組のしき チームめんこいに選ばれてから2年が経つ。 不器用な性格だが全力で可愛いに取り組む姿勢は本当に偉い 基本ツッコミ役です!
はる 84 3年A組のはる 辛辣な言葉を使うが可愛いは正義 誰よりも高い意識で不動の人気ナンバーワンを誇るミスめんこい
なつめ 66 3年A組のなつめ クールな性格でめんこいメンバーをまとめる モデルもやってるくらいスタイルが良い。はるの幼なじみ
あきな 58 3年B組のあきな 天然で可愛くて、おどおどする時もある それでも芯のブレない前向きさはある
ふゆき 80 3年D組のふゆき 元気で明るい女の子で熱い思いがある その思いで人の可愛いのために全力でサポートする
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
しき:よーし!今日は数Bの宿題をやるぞー! しき:私は私立可愛稚位高校(しりつかわちいこうこう)。2年C組のしきです しき:この学校の伝統となってるチームめんこいに選ばれ、1年が経ったある日のことです。先輩たちは……一体何の話をしてるんでしょうか? はる:私はいちごに練乳はかけたくはありません。何回も言ってるでしょ? しき:チームめんこいのリーダー的存在!クラスの人気者の3年A組はるさん! なつめ:練乳かけなかったら何をかけたらいいんだよ!甘くないじゃん! しき:不動の女子人気はこの人しかいない!サバサバ系女子の3年A組なつめさん! あきな:あの、あの、いちごはどっちかというと塩をかけるんじゃないかな? しき:誰もが一家に1台欲しいと羨んでしまう!おっとり天然系女子の3年B組あきなさん! ふゆき:だめだよー!いちごはレタスを巻いて食べるのが主流なんだから! しき:元気100倍!その声を聞いただけで全ての悩みが吹っ飛ぶ!元気系女子の3年D組ふゆきさん! しき:私はこの4人が!このチームめんこいが! しき:まだ!!大嫌いなんです!! しき:あの!ちょっと!いいですか!! はる:ん? しき:私、勉強してるんです!あなた達そんな無駄話してるんだったらこの教室から出て行ってください! なつめ:無駄話なんかじゃないよなー ふゆき:そうそう、卒業旅行でいちご狩りに行くんだからさ しき:卒業旅行でいちご狩りは地味過ぎますよ!もっと思い出に残るとこに行ってくださいよ! なつめ:お前が勝手に決めんなよ! しき:いいや!国内でも海外でもいいから旅行は旅行として楽しむべきですよ!なんでせっかくの卒業旅行で いちご狩りなんですかー! あきな:でも…みんないちご好きだし しき: いちご狩りなんて今からでもいけるでしょー!勿体無いったらありゃしない! しき:てか!いちごに塩ってなんですか!?スイカと勘違いしてません!? あきな:甘みが増すんじゃなかったっけ? しき:だからそれスイカだって言ってるじゃないですか!てか!!いちごをレタスに巻いて食べるって何!?逆に何と勘違いしてるのか気になるんですけど! ふゆき:え?レタスと一緒に食べた方がビタミンも抗酸化作用もあってよくない? しき:それらしい事言って正当化しようとしないでください!普通におかしいですから! しき:じゃないのーー!!私はあなた達と違ってチームめんこいになっても勉強をしてるんです!邪魔しないでください! はる:あらー?どうして勉強なんてしてるんです? しき:いや、いくらチームめんこいは授業に出席しなくていいって言われてても勉強はちゃんとするんです!邪魔しないでください はる:随分自分に自信がないんですね しき:なんですって? はる:あなたはチームめんこいに選ばれたというのにその可愛さを武器にせず勉強で自分のスペックを上げようだなんて、チームめんこいであろう者が恥ずかしいですわ しき:で、でも!ばあちゃんが勉強は人生観が表れるって言ってた! はる:はあ。私は何度もしきに言ってるんですけど。いいですか?その小さい脳みそにしっかり詰め込んでくださいね? はる:可愛いは正義なのです しき:や……や………… しき:やかましいわああああ!!! ふゆき:しきちゃんとはるちゃんは飽きずによくやるよねー あきな:仲が良いってことなんじゃないの? しき:仲良くないです!馴れ合わないでください! なつめ:まあまあ、しきも2年になってまたチームめんこいになれたんだからさ、勉強よりも可愛いを勉強しようよ しき:それとこれとは別なんですー! はる:そうですね。あなたがここで勉強するというならひとまず出ていくわ。だって私たちは…… はる:もうすぐで卒業ですから。そろそろこの教室ともお別れでしょう? しき:……そうですね ふゆき:おやおやー?寂しいのー?しきちゃん しき:さ、寂しくないですよ!私はむしろ嬉しいです!こんなうるさい場所に居なくて済むんですから! はる:あなたが来てから余計騒がしくなったんですけど? しき:……うっ。まあ。歩くスピーカーとはよく言われたもんです……。って!誰が歩くスピーカーじゃああああーー!!! ふゆき:デコピン! しき:いったーい! ふゆき:もう!自分で言って自分で怒らないの あきな:でも、しきさんが勉強するならやっぱ出ようよ。私もこの後授業あるし ふゆき:うん。私も授業出席しないといけないしね なつめ:んじゃあ。熱入れ過ぎない程度になー しき:わかってますよ!早く行った行った 0:4人は教室を出る しき:……はあ。先輩たちももう卒業かぁー。まさか私も2年連続でチームめんこいになると思ってなかったし、色々思い出があるからなー しき:……でも、寂しくなる気持ちはわからない。私はまだこの学校に居るし、また来年も……来年も……。そっか……来年は…… しき:チームめんこい〜卒業〜(寂しそうに) 0:場面転換 あきな:ふゆき。しきさん大丈夫かな? ふゆき:ん?何がー? あきな:私たちが卒業したら寂しがらないかな? ふゆき:んー。どうだろうねー?あの子素直になりきれないところがあるからわかんない あきな:……でも、一緒にチームめんこいとして活動してきたのは楽しかったからさ ふゆき:うん。めんこい合宿もしたし、全国めんこい講座にも参加出来たしね。これも、しきちゃんが居たからより可愛いを追求出来て、より活気が出たんだと思う あきな:そうだね。しきさんには感謝だね ふゆき:んーー。あ!じゃあさ!いいこと思いついた! あきな:え?なに? ふゆき:あのさぁー! 0:【間】 0:場面転換 なつめ:この学校とももうそろそろでお別れだな はる:そうね。大学生になったらまたレベルの高い人達が居ると思うから楽しみだわ なつめ:お前は本当に意識が高いなー。3年連続でミスめんこいになれたのに、まだ上を目指すのか? はる:ええ。まだ上が居るんだもの。高みを目指すのはどの立場になっても変えてはいけないことよ なつめ:まあ、高みを目指すのは大事な事だ。でも、この学校の伝統を守ることも大事だと思うけどな はる:……きっと、しきは大丈夫よ なつめ:なーんだ。誰のこと言ってるのかわかってんじゃん はる:わかるわよ。私もさすがに認めるわ。あきなも居なくなる今…。次のミスめんこいは間違いなく、しきよ なつめ:ああ。そうだな。だからこそあいつにはチームめんこいを守ってもらわないとな はる:チームめんこいを解散させるなんて言った時はどうなる事かと思ったけど、大丈夫そうね なつめ:じゃあ、あたし達が卒業したら、残るあいつに何かしてやろうよ はる:何をするの? なつめ:んー。そうだなー 0:【間】 0:場面転換 しき:さすがに卒業する先輩達に何もしないなんて冷たいかなー。……でも、私なんかが何かする訳にもいかないし しき:私一人が残されるのなら…来年からは…どうしたらいいんだろう…?……先輩たちのように、キラキラした人になるには…… しき:……そうだ!!これだーー!! 0:【間】 0:ある日のこと、しきが教室に入る ふゆき:あー!しきちゃんおっはよー! しき:おっはよーー!!ふゆきさーん!! ふゆき:……え? しき:いやーー!!寒くなってきたねぇー!マフラーがないと歩けないよぉー! ふゆき:……え?……ん?……お? あきな:おはようございます ふゆき:あ、あきなおはよー。な、なんか、しきちゃんの様子が変なの? あきな:えぇ?いつも変じゃない? ふゆき:いつも以上に変なの!挨拶してみて あきな:えぇー?…しきさん、おはようございます しき:あ、あきなさん。おはようございます あきな:……え? しき:私、いちごには塩をかけるんです〜 あきな:……それ、スイカってこの間言ってたよね? しき:忘れました〜〜〜 あきな:あ、ああー。ふ、ふゆき!! ふゆき:ね!変でしょ!? あきな:怖いよ!不気味だよ! なつめ:うぃーっす しき:うぃーーっす。なつめさん なつめ:……は? しき:元気かー??元気があればなんでも出来るー!ばかやろー! なつめ:何言ってんだ? しき:わかんだろー!フィーリングだよ なつめ:ついにバグったか? ふゆき:今はしきちゃんに触れない方がいいと思うよ!なつめちゃん! なつめ:なんなんだー? はる:おはようございます あきな:わー!一番来ちゃいけない人が来ちゃった はる:ん?何の話ですの? しき:ごきげんよう。はるさん はる:………へ? しき:今日も麗(うるわ)しいございましょうねー はる:な、なんです? しき:可愛いは正義なのです はる:は、はあ!?あなた、バカにしてるの!? ふゆき:あー!なんか、ひと波乱起きそうだよ!? なつめ:とりあえず様子見とこうか しき:バカになんてしてませんことよ はる:その話し方、まるで私とそっくりですわ。子供みたいな真似事はやめてください しき:真似事なんてしてませんわー。子供はあなたの方です はる:なんの真似か聞いてるんです。気色悪いですよ? しき:き、気色……。あーら、言葉遣いが悪いですわね〜。本当にそれでいいのですか? はる:あなたのその言葉遣いの方がおかしいです。ついに頭のネジが飛んだんですか?元々壊れてるのに しき:………何を言ってるのか……さっぱりですわ はる:ガラクタみたいな頭で恥ずかしくないのですか? しき:うるさーーーーい!!さっきから黙って聞いてればなんなんですか!! ふゆき:おー!いつものしきちゃんに戻った!? なつめ:はるの煽りには普段通りなんだな はる:全く。気色悪いのは本音ですわ。 しき:な!私はただ!……その あきな:本当におかしくなっちゃったのかと思った なつめ:まあ、変なことを企んでるのはいつもの事だけどな しき:へ、変なことなんて!そんな ふゆき:大丈夫大丈夫!しきちゃんのその変わった性格はそのままでいいんだからさー! しき:……もういいです ふゆき:……へ? しき:………私は!確かに変わってますけど…ちゃんと考えてますよ はる:何を考えてるんです? しき:それが今伝わってないなら…もういいです ふゆき:あ!ちょっとしきちゃん!? 0:しきは教室を出る はる:チームめんこい〜卒業〜(可愛く) 0:【間】 ふゆき:あれー?なんか気に触るようなこと言ったかな? なつめ:んー。わからん あきな:しきさん…。何か、いつも怒ってる時と違ってたような はる:……そうね。いつも単純だけど、何を考えてるのかしら ふゆき:まあでも、私たちが卒業したらしきちゃんも一人になるわけだし、色々考えてるんじゃないかなー? なつめ:ああ。だから私とはるはしきに贈り物をしようと考えてるんだ あきな:そうなの?私とふゆきも同じこと考えてたよ なつめ:じゃあ4人で贈り物をするか ふゆき:さんせー!はるちゃんも渡すんでしょ? はる:……ええ。そうね なつめ:でも、あいつが喜ぶ贈り物ってなんだ? あきな:しきさんも可愛くなったけど、これといってブランドにこだわったりとかしてないし ふゆき:んーー。さっきの変な絡み方ってさ、私たちの真似をしてたんだよね? なつめ:そうだよなー はる:本当に不気味でしたわ ふゆき:なんで私たちの真似してたんだろうね? なつめ:んー。どうしてだろうな ふゆき:まあ本当に素で変なことしてる可能性もあるしね はる:私もそう思うわ あきな:……でもさ、しきさんって…私たちのことどう思ってるかに寄るよね? なつめ:確かにな ふゆき:しばらくは様子見だね はる:卒業までは時間がある事ですし、私たちは私たちのやりたい事に専念しましょう 0:【間】 0:ある日のこと ふゆき:しきちゃーん! しき:ガルルルルルル!! ふゆき:え、ええ…… 0:【間】 あきな:しきさん! しき:ワン!ワン!ワン!ワン!ワン! あきな:ひゃああああああ!! 0:【間】 なつめ:おーい、しきー しき:わあああー!!わあああー!! なつめ:大声出すなよ 0:【間】 ふゆき:うっ……うぅぅ……。しきちゃんが…グレちゃった なつめ:我が子のような扱いするなよ あきな:私も吠えられました〜 はる:私なんか会ってもないですわ ふゆき:卒業まで時間があるけど、こんな調子じゃ伝えられるものも伝えられないよ あきな:うーん。今はそっとしといた方がいいのかな? はる:そうね。私たちが気にしててもしょうがないわ なつめ:でも…。しきはあたし達にとって大事な仲間だろ? はる:……… ふゆき:あ、そうだ!写真でも見返す?きっとしきちゃんが何考えてるかわかるかもしれないし あきな:うん。そうしましょ 0:ふゆきはアルバムを開く ふゆき:ほら、この写真、しきちゃんがはるちゃんに勝負しろー!って言った時の写真だよ あきな:なんで私たち野球のユニフォーム着てるんだっけ? なつめ:なんか色々あった気がするな はる:伝言ゲームみたいになった結果よ。ほんと馬鹿馬鹿しいですわ あきな:この写真は? なつめ:めんこいグランプリの時の控え室に居るしきだな。 ふゆき:あー。あったあった!この時大変だったんだよねー。しきちゃん口を大きく開けて動かなくなっちゃったんだもん はる:見てる分には面白いとは思います なつめ:こっちはチームめんこいになった時のしきだな ふゆき:もうー。チームめんこいになったのにムスッとしてるじゃん はる:いつも怒ってばかりで疲れないのかしら? あきな:そこが可愛いところでもあるんだよ はる:めんこい合宿のしきも。見てください。汗だくになりながらも海で焼きそばを売り切って満足そうな顔してますわ ふゆき:いつも全力で、真っ直ぐだよね。しきちゃんは なつめ:まさかはるよりも先に売り切るとはな はる:あれは…私がまだまだだったんです。負けは認めますわ あきな:だからしきさん、こんなに笑ってるんだね ふゆき:ほんと、しきちゃんが居るだけ何か盛り上がるんだよね はる:騒がしいの間違いですわ なつめ:だからこそ…あいつとの別れは悲しいもんだよな ふゆき:うん。そうだね 0:扉の奥では しき:………先輩たち。聞こえてますよー。……今日は教室の中、入るのやめときますね なつめ:チームめんこい〜卒業〜(可愛く) 0【間】 0:年が明けてある日のこと しき:お、おはようございます! ふゆき:おー!しきちゃん!おはよー! なつめ:なーんだ。最近来てなかったのに珍しいな、教室に来るなんて しき:あの…そのー……。会った時、皆さんに嫌な態度取っちゃってすみませんでした はる:自覚はあったんですね しき:はい。私は私なりに色々考えてたんですけど、上手く伝えられなくて、それが少し悔しくて……その…… あきな:その気持ちはよくわかるよ。私も空回りすることもあるしね なつめ:でも、一体何考えてたんだ? しき:……いや、これは私がちゃんと考えて、上手く伝わるようになるまでは内緒です! ふゆき:しきちゃんは不器用だからねー。でも、待ってるよ はる:それにしてもしき。少し、太ったんじゃないかしら? しき:げっ!!なんでわかるんですか? はる:お正月を終えたからって、あなた自身がお餅みたいになったらたまったもんじゃないです。チームめんこいがポークめんこいになってしまうじゃないですか しき:誰が豚じゃーー!!もうー!ムカつくー!3年A組はるさん!私と今年初の勝負しろー! なつめ:いつも通りに戻ったな あきな:うん。よかったよ しき:あ、こんなことしたいわけじゃなかった ふゆき:なになにー? しき:皆さんって進路とかは決まってるんですか? なつめ:あー。あたしとはるとあきなは同じ大学生に行くよ しき:え!そうだったんですか? あきな:うん。その大学も可愛いを追求するめんこい科っていうのがあって、そこに入学するの しき:めんこい科…。レベルが高そうだ はる:当たり前ですわ。私はこの学校で3年間、ミスめんこいグランプリに選ばれてきましたから。まだまだ高みを目指すのです しき:………そうなんですね なつめ:あたしも、はると同じ大学ではると可愛いのために勉強する。あとはやっぱり、はるのこと見てたいからな しき:あきなさんも? あきな:うん。私もはるさんの意識の高さは本当に尊敬する。でもね、尊敬してるだけじゃダメだから、私ははるさんを超えたいと思ってね。ふゆきが居なくても、私だけの力で しき:ふゆきさんはどこに行くんですか!? ふゆき:私は専門学校だよ。その他にー。メイクの勉強とーデザインの勉強とー、美容成分の勉強もするよー。あははー!この仕事してればいつかみんなに会えるかもね! しき:……そう、なんですね ふゆき:しきちゃんも、来年卒業する時は自分の目指したい場所に進むんだよ。私たちを追うんじゃなくて、自分の可愛いを突き詰めるの しき:わかってます!……わかってますけど…… なつめ:あたし達は自分たちの道に進むんだ ふゆき:しきちゃんはもう可愛いからきっと大丈夫!私たちが居なくても可愛くいられるよ あきな:うん!だから、チームめんこいを解散させるなんてもう言わないでね? しき:私は…皆さんのようにはなれないです はる:……… しき:だって!2回目のめんこいグランプリでも私は…皆さんの背中を追いかけてばかりで……それでも必死になってたんです しき:けど……。皆さんが居なくなったら…… はる:……しき しき:………はい はる:私たちが卒業したらどうするつもりですか?まさか、チームめんこいを辞めるとでも? しき:………いえ、そんなこと言ってないです はる:なら頭を冷やしなさい。今までも、あなたは自信を持たなすぎです。私たちはもう、この学校には居ない。ただそれだけです しき:……じゃあ!私はこれから何をすればいいと言うんですか! はる:それを自分で見つけないとあなたの進路は決まらないですよ。あなたは人に敷かれたレールの上を辿(たど)るわけじゃないんです しき:……わかりました。じゃあ自分で答えを見つけてみせますよ! はる:ええ。楽しみにしてますわ 0:【間】 0:場面転換。しきは自分の教室に戻る しき:はあ。そんなこと言われたってわからないものはわからないですよ しき:先輩達が…遠くに行っちゃうみたいだ ふゆき:しーきちゃん! しき:うわあ!ふゆきさん!? ふゆき:えへへ〜!びっくりした? しき:びっくりしますよ!!何の用ですか!? ふゆき:んーとねー。私からしきちゃんに最後のアドバイスをしようと思ってね! しき:さ、最後のアドバイス? ふゆき:そうそう!チームめんこいは元々どういうグループだったか覚えてる? しき:そ、そんなの覚えてるに決まってるじゃないですか!はるさんがムカつく人でなつめさんにもこけしって言われるし、あきなさんには勉強でマウント取られるし、ふゆきさんにはデコピンされるし! ふゆき:違う違う!私たちじゃなくて、どういうグループだった? しき:どういうって……? あきな:チームめんこい〜卒業〜(可愛く) 0:【間】 0:以下。本編。『チームめんこい』のシーン しき:チームめんこいの皆さん。おはようございます。そして一言、言わせてください なつめ:なんだー? しき:調子に乗らないください!! 0:【間】 しき:私と勝負しろ!! はる:はあ?なんの勝負 しき:こ、今年の文化祭!私もめんこい祭でミスめんこいグランプリに出場します はる:……それで? しき:私があなたに勝ったら!チームめんこいの特権を全て撤廃し、チームめんこいを解散させます!! 0:【間】 しき:チームめんこいになれたのにどうしてそんな真面目に生きるんですか!授業なんてサボっちゃえばいいのにあなたは毎回毎回出席して!! あきな:じょ、情緒不安定ですか!? しき:真面目は真面目でなんか鼻につくんですよ!むしろ真面目な方がタチが悪いまである!! しき:2年C組!あきなさん!私と勝負しろ!! あきな:な、なんでぇ〜〜!! 0:【間】 ふゆき:だからね、しきちゃん。自信が無いとか元から可愛くないとかそういう問題じゃないの ふゆき:だってさ!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから! しき:……そうですよね 0:【間】 しき:私、皆さんのこと知らないんです しき:皆さんが、可愛くなりたい理由って何ですか? ふゆき:……しきちゃん 0:【間】 しき:覚悟しててくださいね!最後に笑うのは私ですから はる:笑われるの間違えじゃなきゃいいですけど しき:う、うるさーい!それを証明してやるって言ってるんですよ! しき:私だって可愛くなれる!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから! しき:私がミスめんこいになってみせる! 0:【間】 しき:生まれ変わって可愛くなってる事にワクワクしてる! しき:私は可愛い。私は輝いてる! しき:今この瞬間が最高にキラキラしている! 0:【間】 0:以下、『チームめんこい〜卒業〜』 しき:……チームめんこいは…可愛い人達だ… ふゆき:うん。そうだね。しきちゃんみたいな人をこの学校ではチームめんこいって言うの しき:………ふゆきさん ふゆき:だからさ、私たちは卒業するけど、しきちゃんは、しきちゃんの思う可愛いでいて欲しいなー しき:……私の思う…可愛い…ですか ふゆき:うん。どんな形でもいいからさ。しきちゃんが何に悩んでるかはわからないけど、しきちゃんはしきちゃんなんだよ しき:………ありがとうこざいます。ふゆきさん ふゆき:よーし!考え事しててもしょうがないからねー!しきちゃん!久しぶりにー!ランニングだあー!! しき:それはいやああぁぁーー!! 0:【間】 0:場面転換 はる:……はあ なつめ:お?どうした?悩み事でもあんのか? はる:別にないわよ。ただの考え事。卒業生代表の言葉も考えないといけないの なつめ:ふーん。そっかー。皮肉みたいのは書くなよ? はる:書かないわよ なつめ:あれ?そういえばふゆきはどこ行ったんだ? はる:またどこか遊びにでも行ってるんでしょ? なつめ:あいつは自由だな はる:そうね。そうやってあの子を育ててくれたのもふゆきのおかげかしら あきな:あ、いたいた。ふうー。重かったー なつめ:ん?なんだそれ? あきな:しきさんに渡す贈り物だよ。ほら、もうすぐで卒業式でしょ? なつめ:ああ、そっか。もうそろそろ準備しないとな はる:そうね あきな:はるさんは何を準備するの? はる:何も準備してないわ なつめ:はあ!?お前、いくらしきでもそれは悲しがるぞ? はる:そうかしらね?でも、しきに渡す贈り物はもう、決まってるわよ なつめ:……そうなのか? あきな:みんな何を準備するか楽しみにしてるよ はる:そうね。……もうすぐ卒業式ですからね 0:【間】 しき:月日は流れて、私立可愛稚位高校(しりつかわちいこうこう)の卒業式が行われた はる:ご指導頂いた先生方。多くの時間を共有してきた友人。今日まで大事に育ててくれた家族。これまで支えてくれた人達に心より感謝を申し上げます。ありがとうこざいました。 はる:卒業生代表。3年A組。はる ふゆき:チームめんこい〜卒業〜(可愛く) 0:【間】 しき:卒業式…終わっちゃった。はるさんの最後の言葉……あれは…… しき:あれはなんなんだーー!!いつものはるさんはあんなに上品じゃなーい!猫かぶってるだけじゃん! しき:ムカついてきたー!私が一言ズバッと言ってやるー!覚悟しなさい! 0:しきはいつもの教室の扉を開ける しき:ちょっとー!はるさん!あの卒業生代表の言葉はなんで……す…? しき:………誰も居ない。…それもそっか。今日は卒業式だし、みんな人気者だし、忙しいよね しき:………明日から…この場所は私一人か…… はる:あなた。ここで何してるの? しき:ひぃぃーー!!は、はるさん!? なつめ:あたしもいるぞー あきな:私も ふゆき:えっへへー!絶対ここにいると思ってたよー! しき:皆さん……今日は卒業式ですよ!?写真撮ったり、メッセージ交換したり、みんなとご飯行ったり…色々あるでしょ!?どうしてここにいるんですか! なつめ:そんなこと言ってー。本当はあたし達にいて欲しかったんじゃないのかー? しき:そ、そんなこと……! ふゆき:デコピン! しき:いったーい! ふゆき:どうなのー?たまには素直に言ってみなよー しき:……そんなこと…… しき:………最後に…一言だけ言わせてください ふゆき:勝負しろー!なんて言わないよね? しき:こ、この期に及んでそんな事言わないですよ! はる:言いたいことはなんですか? しき:……私、ずっと前から感じてた事があるんです。…皆さんが居なくなったら……寂しいなって しき:だから……皆さんが居なくても寂しくならないように…。皆さんのようにキラキラした人になれるように、皆さんの真似をした事があるんです あきな:あ、あの時の? しき:はい。でも、やっぱり気味が悪いかと思って なつめ:当たり前だろ!4人分真似するやつがあるか! しき:………でもやっぱり…。皆さんのように…。可愛くて…堂々としてて……。こんなに輝ける人になるには…どうしたらいいんだろうって考えてました しき:まだ時間はあるし、皆さんのことを見てればきっと答えは見えてくるって思ってました。……けど、沢山見栄を張ってきたけど…今でもその答えは見つからないんです。見つからないまま、皆さんは卒業しちゃう ふゆき:……しきちゃん しき:私は……この先、誰の可愛いを見てればいいんですか?……私に可愛いを教えてくれる人はどこにいるんですか?……明日から…みんな居ないじゃないですか……。そんなの……そんなの…… しき:……寂しいですよぉぉ〜〜!うぅ…うぅぅ〜〜! あきな:ああ!ティッシュ! しき:ずびばぜん。チーーーン!!(鼻をかむ) しき:これ捨てといてください あきな:ひぃ!汚いよ! はる:……しき。いいかしら? しき:……はい? はる:確かにあなたは私たちの足元にも及ばないくらい。まだまだ鍛錬が足りません。諦めるのなら今のうちですね。自信が無いのならとっととチームめんこいなんか辞めるべきです なつめ:お、おい。はる しき:そ、そんなこと……! はる:でも、私たちにとっても、あなたのことは十分に憧れの対象なんです しき:………え? はる:本当に。尊敬しますわ。めんこい合宿の日も。あの暑い中であなたはお客さんに100%の笑顔で焼きそばを売っていたんですもの。あの時のあなたは他の誰よりも輝いていたわ しき:……輝いていたって…そんな! なつめ:ふっ。そうそう。全国めんこい講座では伊山先生がべた褒めしてたんだからな? しき:そうだったんですか!? あきな:泥臭いはずなのに、ただ真っ直ぐな芯があるだけでこんなにも美しくなるんだって言ってた ふゆき:これはチームめんこいとして可愛いを追求してきた、しきちゃんだからなんだよ しき:………皆さん… なつめ:だから、これあげる しき:……これは? なつめ:あたしがモデルで仕事する時にいつもつけてるイヤリングだ。貰ってよ しき:い、いいんですか!? あきな:私も、めんこいグランプリで着てた衣装をしきさんに渡すね しき:ど、どうして!? ふゆき:私はこれー!ヘアメイク用の道具だよー!今から巻いてあげるねー! しき:な、なんで!?卒業するのはみなさんなんですよ!? ふゆき:そりゃあもちろん!しきちゃんにはチームめんこいで居てほしいし、可愛く居て欲しいからね! しき:で、でも はる:しき。じっとしてて しき:は、はい 0:はるはリボンを解き。しきの髪に結び付ける しき:こ、このリボンは…… はる:ええ。亡くなった私の兄が私に可愛くなって欲しいと願いを込めてこのリボンをくれました。それをあなたに贈ります しき:そんな大事なリボンを……どうして? はる:決まってるでしょ?あなたにもっと可愛くなって欲しいからです しき:……はるさん…うぅぅ〜〜〜!! ふゆき:泣かないのーしきちゃん しき:だって…皆さん……ずるいですよ〜!こんな大事なもの貰ってばかりなんて〜! なつめ:お前だからあげるんだ。これからもチームめんこいをよろしくな あきな:しきさんじゃないとチームめんこいは守れないからね! あきな:私たちの思いを。意志を。可愛いを受け継いでるんだから しき:……はい。皆さんありがとうこざいます!そして本当に最後に一言だけ しき:皆さんのこと、大好きです ふゆき:あははっ。ありがとう!じゃあ、私たちからも最後に一言、言わせてね? はる:しき なつめ:しき あきな:しきさん ふゆき:しきちゃん 0: はる:私たちと勝負しろーー!!(同時に) なつめ:あたし達と勝負しろーー!!(同時に) あきな:私たちと勝負しろーー!!(同時に) ふゆき:私たちと勝負しろーー!!(同時に) 0:【間】 しき:……えええぇぇぇーー!!! はる:あなたには伝統であるチームめんこいを守る義務がある。だから私たちと勝負しなさい! しき:そんなことありますか!?卒業式の日にこんなことしてどうするんですか!! ふゆき:私たちはチームめんこいだからだよー!ほら!みんなも見てるしね! 他の生徒:きゃああああーー!!!好きいいいー!! しき:いや、他の生徒までなんでいるんですか!!卒業式なのに!! なつめ:卒業式だからだよ。あたし達は人気者だぞ? しき:ぐぬぬぬぬーー!!もう吹っ切れたー!!ええ!望むところですよ!やってやりますよー! あきな:うふふっ。なんだか昔もこんなことしてたね。楽しいなー はる:しき、ふゆき。冬の夜空を見上げながら一言セリフ。可愛くどうぞ! しき:秋の空に比べると星が一つずつ光って見えるね。あの星とあの星は、まるで私たちみたいだよ 他の生徒:きゃあああ!好きいいいい!! 他の生徒:ずっと暖めてー!! 他の生徒:寄り添いたーいー!! ふゆき:寒いね〜。手が冷たいから、手繋ご? 他の生徒:きゃあああ!繋いでーー!! 他の生徒:絡ませてぇーー!! 他の生徒:そのまま抱きしめてぇぇーー!! はる:なかなかやるわね。じゃあ、しき、あきな。秋の紅葉を見ながら一言セリフ。可愛くどうぞ! しき:もみじって自然に出来たものだよね。私のこの気持ちも、自然に出来たものだよ 他の生徒:きゃああああーー!!!恋におちてぇぇーー!! 他の生徒:ずっと見つめててーー!! 他の生徒:尊いー!尊いよーー!! あきな:私の顔を見て。もみじみたいに赤いでしょ?あなたが隣に居るから赤くなっちゃった 他の生徒:きゃあああーー!!ドキドキするー!! 他の生徒:持って帰りたーい!! 他の生徒:触らせてぇーー!! はる:ちょっとドキドキしてきたじゃない…。ふゆき、交代 ふゆき:うん!任せてー!じゃあ、しきちゃんとなつめちゃん。プールデートで一言セリフ。可愛くどうぞ! しき:別に、あんたの為に用意した水着じゃないから!勘違いしないで! 他の生徒:きゃああああーー!!!勘違いするーー!! 他の生徒:肌に吸い付きたーい!! 他の生徒:日焼け止め塗らせてー!! なつめ:あはは!こんな風にプールで遊ぶの、なんだか映画のワンシーンみたいだね。もちろんカップル役でね? 他の生徒:きゃああああーー!!!かっこいいーー!! 他の生徒:その瞳に溺れたーい!! 他の生徒:日焼けさせてーー!! ふゆき:うーん!!可愛いねー!二人ともー!じゃあ、しきちゃんとはるちゃん。何でもいいから一言セリフ。可愛くどうぞ! しき:可愛いは正義なのです はる:あ、取らないで貰えます?私だって。可愛いは正義なのです 他の生徒:きゃああああーー!!!二人とも可愛いーー!! 他の生徒:推しが尊いーー!! 他の生徒:もういっそ付き合ってーー!! しき:みんな可愛いんだよな。もう最高です しき:ほら!!卒業式だからって休まないでくださいね!もっとやりますよ! ふゆき:あははー!スイッチ入っちゃったね あきな:もっと可愛くなろうね!しきさん! なつめ:今日はとことん付き合ってあげるよ はる:あなたも、可愛いの虜になったんですね しき:当たり前じゃないですか!可愛いは正義なんですから!私にはまだ居場所がある! しき:この場所の名前は? しき:せーのー! :全員一斉に しき:チームめんこい! はる:チームめんこい! なつめ:チームめんこい! あきな:チームめんこい! ふゆき:チームめんこい! 0:チームめんこい〜卒業〜 0:End

しき:よーし!今日は数Bの宿題をやるぞー! しき:私は私立可愛稚位高校(しりつかわちいこうこう)。2年C組のしきです しき:この学校の伝統となってるチームめんこいに選ばれ、1年が経ったある日のことです。先輩たちは……一体何の話をしてるんでしょうか? はる:私はいちごに練乳はかけたくはありません。何回も言ってるでしょ? しき:チームめんこいのリーダー的存在!クラスの人気者の3年A組はるさん! なつめ:練乳かけなかったら何をかけたらいいんだよ!甘くないじゃん! しき:不動の女子人気はこの人しかいない!サバサバ系女子の3年A組なつめさん! あきな:あの、あの、いちごはどっちかというと塩をかけるんじゃないかな? しき:誰もが一家に1台欲しいと羨んでしまう!おっとり天然系女子の3年B組あきなさん! ふゆき:だめだよー!いちごはレタスを巻いて食べるのが主流なんだから! しき:元気100倍!その声を聞いただけで全ての悩みが吹っ飛ぶ!元気系女子の3年D組ふゆきさん! しき:私はこの4人が!このチームめんこいが! しき:まだ!!大嫌いなんです!! しき:あの!ちょっと!いいですか!! はる:ん? しき:私、勉強してるんです!あなた達そんな無駄話してるんだったらこの教室から出て行ってください! なつめ:無駄話なんかじゃないよなー ふゆき:そうそう、卒業旅行でいちご狩りに行くんだからさ しき:卒業旅行でいちご狩りは地味過ぎますよ!もっと思い出に残るとこに行ってくださいよ! なつめ:お前が勝手に決めんなよ! しき:いいや!国内でも海外でもいいから旅行は旅行として楽しむべきですよ!なんでせっかくの卒業旅行で いちご狩りなんですかー! あきな:でも…みんないちご好きだし しき: いちご狩りなんて今からでもいけるでしょー!勿体無いったらありゃしない! しき:てか!いちごに塩ってなんですか!?スイカと勘違いしてません!? あきな:甘みが増すんじゃなかったっけ? しき:だからそれスイカだって言ってるじゃないですか!てか!!いちごをレタスに巻いて食べるって何!?逆に何と勘違いしてるのか気になるんですけど! ふゆき:え?レタスと一緒に食べた方がビタミンも抗酸化作用もあってよくない? しき:それらしい事言って正当化しようとしないでください!普通におかしいですから! しき:じゃないのーー!!私はあなた達と違ってチームめんこいになっても勉強をしてるんです!邪魔しないでください! はる:あらー?どうして勉強なんてしてるんです? しき:いや、いくらチームめんこいは授業に出席しなくていいって言われてても勉強はちゃんとするんです!邪魔しないでください はる:随分自分に自信がないんですね しき:なんですって? はる:あなたはチームめんこいに選ばれたというのにその可愛さを武器にせず勉強で自分のスペックを上げようだなんて、チームめんこいであろう者が恥ずかしいですわ しき:で、でも!ばあちゃんが勉強は人生観が表れるって言ってた! はる:はあ。私は何度もしきに言ってるんですけど。いいですか?その小さい脳みそにしっかり詰め込んでくださいね? はる:可愛いは正義なのです しき:や……や………… しき:やかましいわああああ!!! ふゆき:しきちゃんとはるちゃんは飽きずによくやるよねー あきな:仲が良いってことなんじゃないの? しき:仲良くないです!馴れ合わないでください! なつめ:まあまあ、しきも2年になってまたチームめんこいになれたんだからさ、勉強よりも可愛いを勉強しようよ しき:それとこれとは別なんですー! はる:そうですね。あなたがここで勉強するというならひとまず出ていくわ。だって私たちは…… はる:もうすぐで卒業ですから。そろそろこの教室ともお別れでしょう? しき:……そうですね ふゆき:おやおやー?寂しいのー?しきちゃん しき:さ、寂しくないですよ!私はむしろ嬉しいです!こんなうるさい場所に居なくて済むんですから! はる:あなたが来てから余計騒がしくなったんですけど? しき:……うっ。まあ。歩くスピーカーとはよく言われたもんです……。って!誰が歩くスピーカーじゃああああーー!!! ふゆき:デコピン! しき:いったーい! ふゆき:もう!自分で言って自分で怒らないの あきな:でも、しきさんが勉強するならやっぱ出ようよ。私もこの後授業あるし ふゆき:うん。私も授業出席しないといけないしね なつめ:んじゃあ。熱入れ過ぎない程度になー しき:わかってますよ!早く行った行った 0:4人は教室を出る しき:……はあ。先輩たちももう卒業かぁー。まさか私も2年連続でチームめんこいになると思ってなかったし、色々思い出があるからなー しき:……でも、寂しくなる気持ちはわからない。私はまだこの学校に居るし、また来年も……来年も……。そっか……来年は…… しき:チームめんこい〜卒業〜(寂しそうに) 0:場面転換 あきな:ふゆき。しきさん大丈夫かな? ふゆき:ん?何がー? あきな:私たちが卒業したら寂しがらないかな? ふゆき:んー。どうだろうねー?あの子素直になりきれないところがあるからわかんない あきな:……でも、一緒にチームめんこいとして活動してきたのは楽しかったからさ ふゆき:うん。めんこい合宿もしたし、全国めんこい講座にも参加出来たしね。これも、しきちゃんが居たからより可愛いを追求出来て、より活気が出たんだと思う あきな:そうだね。しきさんには感謝だね ふゆき:んーー。あ!じゃあさ!いいこと思いついた! あきな:え?なに? ふゆき:あのさぁー! 0:【間】 0:場面転換 なつめ:この学校とももうそろそろでお別れだな はる:そうね。大学生になったらまたレベルの高い人達が居ると思うから楽しみだわ なつめ:お前は本当に意識が高いなー。3年連続でミスめんこいになれたのに、まだ上を目指すのか? はる:ええ。まだ上が居るんだもの。高みを目指すのはどの立場になっても変えてはいけないことよ なつめ:まあ、高みを目指すのは大事な事だ。でも、この学校の伝統を守ることも大事だと思うけどな はる:……きっと、しきは大丈夫よ なつめ:なーんだ。誰のこと言ってるのかわかってんじゃん はる:わかるわよ。私もさすがに認めるわ。あきなも居なくなる今…。次のミスめんこいは間違いなく、しきよ なつめ:ああ。そうだな。だからこそあいつにはチームめんこいを守ってもらわないとな はる:チームめんこいを解散させるなんて言った時はどうなる事かと思ったけど、大丈夫そうね なつめ:じゃあ、あたし達が卒業したら、残るあいつに何かしてやろうよ はる:何をするの? なつめ:んー。そうだなー 0:【間】 0:場面転換 しき:さすがに卒業する先輩達に何もしないなんて冷たいかなー。……でも、私なんかが何かする訳にもいかないし しき:私一人が残されるのなら…来年からは…どうしたらいいんだろう…?……先輩たちのように、キラキラした人になるには…… しき:……そうだ!!これだーー!! 0:【間】 0:ある日のこと、しきが教室に入る ふゆき:あー!しきちゃんおっはよー! しき:おっはよーー!!ふゆきさーん!! ふゆき:……え? しき:いやーー!!寒くなってきたねぇー!マフラーがないと歩けないよぉー! ふゆき:……え?……ん?……お? あきな:おはようございます ふゆき:あ、あきなおはよー。な、なんか、しきちゃんの様子が変なの? あきな:えぇ?いつも変じゃない? ふゆき:いつも以上に変なの!挨拶してみて あきな:えぇー?…しきさん、おはようございます しき:あ、あきなさん。おはようございます あきな:……え? しき:私、いちごには塩をかけるんです〜 あきな:……それ、スイカってこの間言ってたよね? しき:忘れました〜〜〜 あきな:あ、ああー。ふ、ふゆき!! ふゆき:ね!変でしょ!? あきな:怖いよ!不気味だよ! なつめ:うぃーっす しき:うぃーーっす。なつめさん なつめ:……は? しき:元気かー??元気があればなんでも出来るー!ばかやろー! なつめ:何言ってんだ? しき:わかんだろー!フィーリングだよ なつめ:ついにバグったか? ふゆき:今はしきちゃんに触れない方がいいと思うよ!なつめちゃん! なつめ:なんなんだー? はる:おはようございます あきな:わー!一番来ちゃいけない人が来ちゃった はる:ん?何の話ですの? しき:ごきげんよう。はるさん はる:………へ? しき:今日も麗(うるわ)しいございましょうねー はる:な、なんです? しき:可愛いは正義なのです はる:は、はあ!?あなた、バカにしてるの!? ふゆき:あー!なんか、ひと波乱起きそうだよ!? なつめ:とりあえず様子見とこうか しき:バカになんてしてませんことよ はる:その話し方、まるで私とそっくりですわ。子供みたいな真似事はやめてください しき:真似事なんてしてませんわー。子供はあなたの方です はる:なんの真似か聞いてるんです。気色悪いですよ? しき:き、気色……。あーら、言葉遣いが悪いですわね〜。本当にそれでいいのですか? はる:あなたのその言葉遣いの方がおかしいです。ついに頭のネジが飛んだんですか?元々壊れてるのに しき:………何を言ってるのか……さっぱりですわ はる:ガラクタみたいな頭で恥ずかしくないのですか? しき:うるさーーーーい!!さっきから黙って聞いてればなんなんですか!! ふゆき:おー!いつものしきちゃんに戻った!? なつめ:はるの煽りには普段通りなんだな はる:全く。気色悪いのは本音ですわ。 しき:な!私はただ!……その あきな:本当におかしくなっちゃったのかと思った なつめ:まあ、変なことを企んでるのはいつもの事だけどな しき:へ、変なことなんて!そんな ふゆき:大丈夫大丈夫!しきちゃんのその変わった性格はそのままでいいんだからさー! しき:……もういいです ふゆき:……へ? しき:………私は!確かに変わってますけど…ちゃんと考えてますよ はる:何を考えてるんです? しき:それが今伝わってないなら…もういいです ふゆき:あ!ちょっとしきちゃん!? 0:しきは教室を出る はる:チームめんこい〜卒業〜(可愛く) 0:【間】 ふゆき:あれー?なんか気に触るようなこと言ったかな? なつめ:んー。わからん あきな:しきさん…。何か、いつも怒ってる時と違ってたような はる:……そうね。いつも単純だけど、何を考えてるのかしら ふゆき:まあでも、私たちが卒業したらしきちゃんも一人になるわけだし、色々考えてるんじゃないかなー? なつめ:ああ。だから私とはるはしきに贈り物をしようと考えてるんだ あきな:そうなの?私とふゆきも同じこと考えてたよ なつめ:じゃあ4人で贈り物をするか ふゆき:さんせー!はるちゃんも渡すんでしょ? はる:……ええ。そうね なつめ:でも、あいつが喜ぶ贈り物ってなんだ? あきな:しきさんも可愛くなったけど、これといってブランドにこだわったりとかしてないし ふゆき:んーー。さっきの変な絡み方ってさ、私たちの真似をしてたんだよね? なつめ:そうだよなー はる:本当に不気味でしたわ ふゆき:なんで私たちの真似してたんだろうね? なつめ:んー。どうしてだろうな ふゆき:まあ本当に素で変なことしてる可能性もあるしね はる:私もそう思うわ あきな:……でもさ、しきさんって…私たちのことどう思ってるかに寄るよね? なつめ:確かにな ふゆき:しばらくは様子見だね はる:卒業までは時間がある事ですし、私たちは私たちのやりたい事に専念しましょう 0:【間】 0:ある日のこと ふゆき:しきちゃーん! しき:ガルルルルルル!! ふゆき:え、ええ…… 0:【間】 あきな:しきさん! しき:ワン!ワン!ワン!ワン!ワン! あきな:ひゃああああああ!! 0:【間】 なつめ:おーい、しきー しき:わあああー!!わあああー!! なつめ:大声出すなよ 0:【間】 ふゆき:うっ……うぅぅ……。しきちゃんが…グレちゃった なつめ:我が子のような扱いするなよ あきな:私も吠えられました〜 はる:私なんか会ってもないですわ ふゆき:卒業まで時間があるけど、こんな調子じゃ伝えられるものも伝えられないよ あきな:うーん。今はそっとしといた方がいいのかな? はる:そうね。私たちが気にしててもしょうがないわ なつめ:でも…。しきはあたし達にとって大事な仲間だろ? はる:……… ふゆき:あ、そうだ!写真でも見返す?きっとしきちゃんが何考えてるかわかるかもしれないし あきな:うん。そうしましょ 0:ふゆきはアルバムを開く ふゆき:ほら、この写真、しきちゃんがはるちゃんに勝負しろー!って言った時の写真だよ あきな:なんで私たち野球のユニフォーム着てるんだっけ? なつめ:なんか色々あった気がするな はる:伝言ゲームみたいになった結果よ。ほんと馬鹿馬鹿しいですわ あきな:この写真は? なつめ:めんこいグランプリの時の控え室に居るしきだな。 ふゆき:あー。あったあった!この時大変だったんだよねー。しきちゃん口を大きく開けて動かなくなっちゃったんだもん はる:見てる分には面白いとは思います なつめ:こっちはチームめんこいになった時のしきだな ふゆき:もうー。チームめんこいになったのにムスッとしてるじゃん はる:いつも怒ってばかりで疲れないのかしら? あきな:そこが可愛いところでもあるんだよ はる:めんこい合宿のしきも。見てください。汗だくになりながらも海で焼きそばを売り切って満足そうな顔してますわ ふゆき:いつも全力で、真っ直ぐだよね。しきちゃんは なつめ:まさかはるよりも先に売り切るとはな はる:あれは…私がまだまだだったんです。負けは認めますわ あきな:だからしきさん、こんなに笑ってるんだね ふゆき:ほんと、しきちゃんが居るだけ何か盛り上がるんだよね はる:騒がしいの間違いですわ なつめ:だからこそ…あいつとの別れは悲しいもんだよな ふゆき:うん。そうだね 0:扉の奥では しき:………先輩たち。聞こえてますよー。……今日は教室の中、入るのやめときますね なつめ:チームめんこい〜卒業〜(可愛く) 0【間】 0:年が明けてある日のこと しき:お、おはようございます! ふゆき:おー!しきちゃん!おはよー! なつめ:なーんだ。最近来てなかったのに珍しいな、教室に来るなんて しき:あの…そのー……。会った時、皆さんに嫌な態度取っちゃってすみませんでした はる:自覚はあったんですね しき:はい。私は私なりに色々考えてたんですけど、上手く伝えられなくて、それが少し悔しくて……その…… あきな:その気持ちはよくわかるよ。私も空回りすることもあるしね なつめ:でも、一体何考えてたんだ? しき:……いや、これは私がちゃんと考えて、上手く伝わるようになるまでは内緒です! ふゆき:しきちゃんは不器用だからねー。でも、待ってるよ はる:それにしてもしき。少し、太ったんじゃないかしら? しき:げっ!!なんでわかるんですか? はる:お正月を終えたからって、あなた自身がお餅みたいになったらたまったもんじゃないです。チームめんこいがポークめんこいになってしまうじゃないですか しき:誰が豚じゃーー!!もうー!ムカつくー!3年A組はるさん!私と今年初の勝負しろー! なつめ:いつも通りに戻ったな あきな:うん。よかったよ しき:あ、こんなことしたいわけじゃなかった ふゆき:なになにー? しき:皆さんって進路とかは決まってるんですか? なつめ:あー。あたしとはるとあきなは同じ大学生に行くよ しき:え!そうだったんですか? あきな:うん。その大学も可愛いを追求するめんこい科っていうのがあって、そこに入学するの しき:めんこい科…。レベルが高そうだ はる:当たり前ですわ。私はこの学校で3年間、ミスめんこいグランプリに選ばれてきましたから。まだまだ高みを目指すのです しき:………そうなんですね なつめ:あたしも、はると同じ大学ではると可愛いのために勉強する。あとはやっぱり、はるのこと見てたいからな しき:あきなさんも? あきな:うん。私もはるさんの意識の高さは本当に尊敬する。でもね、尊敬してるだけじゃダメだから、私ははるさんを超えたいと思ってね。ふゆきが居なくても、私だけの力で しき:ふゆきさんはどこに行くんですか!? ふゆき:私は専門学校だよ。その他にー。メイクの勉強とーデザインの勉強とー、美容成分の勉強もするよー。あははー!この仕事してればいつかみんなに会えるかもね! しき:……そう、なんですね ふゆき:しきちゃんも、来年卒業する時は自分の目指したい場所に進むんだよ。私たちを追うんじゃなくて、自分の可愛いを突き詰めるの しき:わかってます!……わかってますけど…… なつめ:あたし達は自分たちの道に進むんだ ふゆき:しきちゃんはもう可愛いからきっと大丈夫!私たちが居なくても可愛くいられるよ あきな:うん!だから、チームめんこいを解散させるなんてもう言わないでね? しき:私は…皆さんのようにはなれないです はる:……… しき:だって!2回目のめんこいグランプリでも私は…皆さんの背中を追いかけてばかりで……それでも必死になってたんです しき:けど……。皆さんが居なくなったら…… はる:……しき しき:………はい はる:私たちが卒業したらどうするつもりですか?まさか、チームめんこいを辞めるとでも? しき:………いえ、そんなこと言ってないです はる:なら頭を冷やしなさい。今までも、あなたは自信を持たなすぎです。私たちはもう、この学校には居ない。ただそれだけです しき:……じゃあ!私はこれから何をすればいいと言うんですか! はる:それを自分で見つけないとあなたの進路は決まらないですよ。あなたは人に敷かれたレールの上を辿(たど)るわけじゃないんです しき:……わかりました。じゃあ自分で答えを見つけてみせますよ! はる:ええ。楽しみにしてますわ 0:【間】 0:場面転換。しきは自分の教室に戻る しき:はあ。そんなこと言われたってわからないものはわからないですよ しき:先輩達が…遠くに行っちゃうみたいだ ふゆき:しーきちゃん! しき:うわあ!ふゆきさん!? ふゆき:えへへ〜!びっくりした? しき:びっくりしますよ!!何の用ですか!? ふゆき:んーとねー。私からしきちゃんに最後のアドバイスをしようと思ってね! しき:さ、最後のアドバイス? ふゆき:そうそう!チームめんこいは元々どういうグループだったか覚えてる? しき:そ、そんなの覚えてるに決まってるじゃないですか!はるさんがムカつく人でなつめさんにもこけしって言われるし、あきなさんには勉強でマウント取られるし、ふゆきさんにはデコピンされるし! ふゆき:違う違う!私たちじゃなくて、どういうグループだった? しき:どういうって……? あきな:チームめんこい〜卒業〜(可愛く) 0:【間】 0:以下。本編。『チームめんこい』のシーン しき:チームめんこいの皆さん。おはようございます。そして一言、言わせてください なつめ:なんだー? しき:調子に乗らないください!! 0:【間】 しき:私と勝負しろ!! はる:はあ?なんの勝負 しき:こ、今年の文化祭!私もめんこい祭でミスめんこいグランプリに出場します はる:……それで? しき:私があなたに勝ったら!チームめんこいの特権を全て撤廃し、チームめんこいを解散させます!! 0:【間】 しき:チームめんこいになれたのにどうしてそんな真面目に生きるんですか!授業なんてサボっちゃえばいいのにあなたは毎回毎回出席して!! あきな:じょ、情緒不安定ですか!? しき:真面目は真面目でなんか鼻につくんですよ!むしろ真面目な方がタチが悪いまである!! しき:2年C組!あきなさん!私と勝負しろ!! あきな:な、なんでぇ〜〜!! 0:【間】 ふゆき:だからね、しきちゃん。自信が無いとか元から可愛くないとかそういう問題じゃないの ふゆき:だってさ!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから! しき:……そうですよね 0:【間】 しき:私、皆さんのこと知らないんです しき:皆さんが、可愛くなりたい理由って何ですか? ふゆき:……しきちゃん 0:【間】 しき:覚悟しててくださいね!最後に笑うのは私ですから はる:笑われるの間違えじゃなきゃいいですけど しき:う、うるさーい!それを証明してやるって言ってるんですよ! しき:私だって可愛くなれる!可愛くなる権利は誰にだってあるんだから! しき:私がミスめんこいになってみせる! 0:【間】 しき:生まれ変わって可愛くなってる事にワクワクしてる! しき:私は可愛い。私は輝いてる! しき:今この瞬間が最高にキラキラしている! 0:【間】 0:以下、『チームめんこい〜卒業〜』 しき:……チームめんこいは…可愛い人達だ… ふゆき:うん。そうだね。しきちゃんみたいな人をこの学校ではチームめんこいって言うの しき:………ふゆきさん ふゆき:だからさ、私たちは卒業するけど、しきちゃんは、しきちゃんの思う可愛いでいて欲しいなー しき:……私の思う…可愛い…ですか ふゆき:うん。どんな形でもいいからさ。しきちゃんが何に悩んでるかはわからないけど、しきちゃんはしきちゃんなんだよ しき:………ありがとうこざいます。ふゆきさん ふゆき:よーし!考え事しててもしょうがないからねー!しきちゃん!久しぶりにー!ランニングだあー!! しき:それはいやああぁぁーー!! 0:【間】 0:場面転換 はる:……はあ なつめ:お?どうした?悩み事でもあんのか? はる:別にないわよ。ただの考え事。卒業生代表の言葉も考えないといけないの なつめ:ふーん。そっかー。皮肉みたいのは書くなよ? はる:書かないわよ なつめ:あれ?そういえばふゆきはどこ行ったんだ? はる:またどこか遊びにでも行ってるんでしょ? なつめ:あいつは自由だな はる:そうね。そうやってあの子を育ててくれたのもふゆきのおかげかしら あきな:あ、いたいた。ふうー。重かったー なつめ:ん?なんだそれ? あきな:しきさんに渡す贈り物だよ。ほら、もうすぐで卒業式でしょ? なつめ:ああ、そっか。もうそろそろ準備しないとな はる:そうね あきな:はるさんは何を準備するの? はる:何も準備してないわ なつめ:はあ!?お前、いくらしきでもそれは悲しがるぞ? はる:そうかしらね?でも、しきに渡す贈り物はもう、決まってるわよ なつめ:……そうなのか? あきな:みんな何を準備するか楽しみにしてるよ はる:そうね。……もうすぐ卒業式ですからね 0:【間】 しき:月日は流れて、私立可愛稚位高校(しりつかわちいこうこう)の卒業式が行われた はる:ご指導頂いた先生方。多くの時間を共有してきた友人。今日まで大事に育ててくれた家族。これまで支えてくれた人達に心より感謝を申し上げます。ありがとうこざいました。 はる:卒業生代表。3年A組。はる ふゆき:チームめんこい〜卒業〜(可愛く) 0:【間】 しき:卒業式…終わっちゃった。はるさんの最後の言葉……あれは…… しき:あれはなんなんだーー!!いつものはるさんはあんなに上品じゃなーい!猫かぶってるだけじゃん! しき:ムカついてきたー!私が一言ズバッと言ってやるー!覚悟しなさい! 0:しきはいつもの教室の扉を開ける しき:ちょっとー!はるさん!あの卒業生代表の言葉はなんで……す…? しき:………誰も居ない。…それもそっか。今日は卒業式だし、みんな人気者だし、忙しいよね しき:………明日から…この場所は私一人か…… はる:あなた。ここで何してるの? しき:ひぃぃーー!!は、はるさん!? なつめ:あたしもいるぞー あきな:私も ふゆき:えっへへー!絶対ここにいると思ってたよー! しき:皆さん……今日は卒業式ですよ!?写真撮ったり、メッセージ交換したり、みんなとご飯行ったり…色々あるでしょ!?どうしてここにいるんですか! なつめ:そんなこと言ってー。本当はあたし達にいて欲しかったんじゃないのかー? しき:そ、そんなこと……! ふゆき:デコピン! しき:いったーい! ふゆき:どうなのー?たまには素直に言ってみなよー しき:……そんなこと…… しき:………最後に…一言だけ言わせてください ふゆき:勝負しろー!なんて言わないよね? しき:こ、この期に及んでそんな事言わないですよ! はる:言いたいことはなんですか? しき:……私、ずっと前から感じてた事があるんです。…皆さんが居なくなったら……寂しいなって しき:だから……皆さんが居なくても寂しくならないように…。皆さんのようにキラキラした人になれるように、皆さんの真似をした事があるんです あきな:あ、あの時の? しき:はい。でも、やっぱり気味が悪いかと思って なつめ:当たり前だろ!4人分真似するやつがあるか! しき:………でもやっぱり…。皆さんのように…。可愛くて…堂々としてて……。こんなに輝ける人になるには…どうしたらいいんだろうって考えてました しき:まだ時間はあるし、皆さんのことを見てればきっと答えは見えてくるって思ってました。……けど、沢山見栄を張ってきたけど…今でもその答えは見つからないんです。見つからないまま、皆さんは卒業しちゃう ふゆき:……しきちゃん しき:私は……この先、誰の可愛いを見てればいいんですか?……私に可愛いを教えてくれる人はどこにいるんですか?……明日から…みんな居ないじゃないですか……。そんなの……そんなの…… しき:……寂しいですよぉぉ〜〜!うぅ…うぅぅ〜〜! あきな:ああ!ティッシュ! しき:ずびばぜん。チーーーン!!(鼻をかむ) しき:これ捨てといてください あきな:ひぃ!汚いよ! はる:……しき。いいかしら? しき:……はい? はる:確かにあなたは私たちの足元にも及ばないくらい。まだまだ鍛錬が足りません。諦めるのなら今のうちですね。自信が無いのならとっととチームめんこいなんか辞めるべきです なつめ:お、おい。はる しき:そ、そんなこと……! はる:でも、私たちにとっても、あなたのことは十分に憧れの対象なんです しき:………え? はる:本当に。尊敬しますわ。めんこい合宿の日も。あの暑い中であなたはお客さんに100%の笑顔で焼きそばを売っていたんですもの。あの時のあなたは他の誰よりも輝いていたわ しき:……輝いていたって…そんな! なつめ:ふっ。そうそう。全国めんこい講座では伊山先生がべた褒めしてたんだからな? しき:そうだったんですか!? あきな:泥臭いはずなのに、ただ真っ直ぐな芯があるだけでこんなにも美しくなるんだって言ってた ふゆき:これはチームめんこいとして可愛いを追求してきた、しきちゃんだからなんだよ しき:………皆さん… なつめ:だから、これあげる しき:……これは? なつめ:あたしがモデルで仕事する時にいつもつけてるイヤリングだ。貰ってよ しき:い、いいんですか!? あきな:私も、めんこいグランプリで着てた衣装をしきさんに渡すね しき:ど、どうして!? ふゆき:私はこれー!ヘアメイク用の道具だよー!今から巻いてあげるねー! しき:な、なんで!?卒業するのはみなさんなんですよ!? ふゆき:そりゃあもちろん!しきちゃんにはチームめんこいで居てほしいし、可愛く居て欲しいからね! しき:で、でも はる:しき。じっとしてて しき:は、はい 0:はるはリボンを解き。しきの髪に結び付ける しき:こ、このリボンは…… はる:ええ。亡くなった私の兄が私に可愛くなって欲しいと願いを込めてこのリボンをくれました。それをあなたに贈ります しき:そんな大事なリボンを……どうして? はる:決まってるでしょ?あなたにもっと可愛くなって欲しいからです しき:……はるさん…うぅぅ〜〜〜!! ふゆき:泣かないのーしきちゃん しき:だって…皆さん……ずるいですよ〜!こんな大事なもの貰ってばかりなんて〜! なつめ:お前だからあげるんだ。これからもチームめんこいをよろしくな あきな:しきさんじゃないとチームめんこいは守れないからね! あきな:私たちの思いを。意志を。可愛いを受け継いでるんだから しき:……はい。皆さんありがとうこざいます!そして本当に最後に一言だけ しき:皆さんのこと、大好きです ふゆき:あははっ。ありがとう!じゃあ、私たちからも最後に一言、言わせてね? はる:しき なつめ:しき あきな:しきさん ふゆき:しきちゃん 0: はる:私たちと勝負しろーー!!(同時に) なつめ:あたし達と勝負しろーー!!(同時に) あきな:私たちと勝負しろーー!!(同時に) ふゆき:私たちと勝負しろーー!!(同時に) 0:【間】 しき:……えええぇぇぇーー!!! はる:あなたには伝統であるチームめんこいを守る義務がある。だから私たちと勝負しなさい! しき:そんなことありますか!?卒業式の日にこんなことしてどうするんですか!! ふゆき:私たちはチームめんこいだからだよー!ほら!みんなも見てるしね! 他の生徒:きゃああああーー!!!好きいいいー!! しき:いや、他の生徒までなんでいるんですか!!卒業式なのに!! なつめ:卒業式だからだよ。あたし達は人気者だぞ? しき:ぐぬぬぬぬーー!!もう吹っ切れたー!!ええ!望むところですよ!やってやりますよー! あきな:うふふっ。なんだか昔もこんなことしてたね。楽しいなー はる:しき、ふゆき。冬の夜空を見上げながら一言セリフ。可愛くどうぞ! しき:秋の空に比べると星が一つずつ光って見えるね。あの星とあの星は、まるで私たちみたいだよ 他の生徒:きゃあああ!好きいいいい!! 他の生徒:ずっと暖めてー!! 他の生徒:寄り添いたーいー!! ふゆき:寒いね〜。手が冷たいから、手繋ご? 他の生徒:きゃあああ!繋いでーー!! 他の生徒:絡ませてぇーー!! 他の生徒:そのまま抱きしめてぇぇーー!! はる:なかなかやるわね。じゃあ、しき、あきな。秋の紅葉を見ながら一言セリフ。可愛くどうぞ! しき:もみじって自然に出来たものだよね。私のこの気持ちも、自然に出来たものだよ 他の生徒:きゃああああーー!!!恋におちてぇぇーー!! 他の生徒:ずっと見つめててーー!! 他の生徒:尊いー!尊いよーー!! あきな:私の顔を見て。もみじみたいに赤いでしょ?あなたが隣に居るから赤くなっちゃった 他の生徒:きゃあああーー!!ドキドキするー!! 他の生徒:持って帰りたーい!! 他の生徒:触らせてぇーー!! はる:ちょっとドキドキしてきたじゃない…。ふゆき、交代 ふゆき:うん!任せてー!じゃあ、しきちゃんとなつめちゃん。プールデートで一言セリフ。可愛くどうぞ! しき:別に、あんたの為に用意した水着じゃないから!勘違いしないで! 他の生徒:きゃああああーー!!!勘違いするーー!! 他の生徒:肌に吸い付きたーい!! 他の生徒:日焼け止め塗らせてー!! なつめ:あはは!こんな風にプールで遊ぶの、なんだか映画のワンシーンみたいだね。もちろんカップル役でね? 他の生徒:きゃああああーー!!!かっこいいーー!! 他の生徒:その瞳に溺れたーい!! 他の生徒:日焼けさせてーー!! ふゆき:うーん!!可愛いねー!二人ともー!じゃあ、しきちゃんとはるちゃん。何でもいいから一言セリフ。可愛くどうぞ! しき:可愛いは正義なのです はる:あ、取らないで貰えます?私だって。可愛いは正義なのです 他の生徒:きゃああああーー!!!二人とも可愛いーー!! 他の生徒:推しが尊いーー!! 他の生徒:もういっそ付き合ってーー!! しき:みんな可愛いんだよな。もう最高です しき:ほら!!卒業式だからって休まないでくださいね!もっとやりますよ! ふゆき:あははー!スイッチ入っちゃったね あきな:もっと可愛くなろうね!しきさん! なつめ:今日はとことん付き合ってあげるよ はる:あなたも、可愛いの虜になったんですね しき:当たり前じゃないですか!可愛いは正義なんですから!私にはまだ居場所がある! しき:この場所の名前は? しき:せーのー! :全員一斉に しき:チームめんこい! はる:チームめんこい! なつめ:チームめんこい! あきな:チームめんこい! ふゆき:チームめんこい! 0:チームめんこい〜卒業〜 0:End