台本概要

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タイトル 鬼ヶ島~バレンタインデーの戦い~
作者名 はちゃこ  (@hacha_upa)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 桃太郎が挑むのは、鬼女のハートげっちゅう?

台本ご利用時は #台本はちゃこ 明記願います。

桃太郎と鬼女のコメディラブストーリー。
まるっと甘く固めて美味しくハッピーエンドです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
桃太郎 26 チャラくていまいち頼りにならない桃太郎。「アイランド・鬼ヶ島」の事務・荒鬼ちゃんを口説いてるが、全然相手にされていない。
荒鬼ちゃん 25 「アイランド・鬼ヶ島」予約センターの事務。女の鬼。人間社会の中での生きづらさを抱えている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:アイランド・鬼ヶ島予約センター事務所。 0:固定電話の呼び出し音が鳴る 荒鬼ちゃん:はい、お電話ありがとうございます。こちら「アイランド・鬼ヶ島」予約センター担当・荒鬼でございます… 桃太郎:荒鬼ちゃーん!俺、俺。桃太郎だけど。 荒鬼ちゃん:あー、はいはい。桃太郎様。いつもご利用ありがとうございます。本日も、性懲りもなく鬼退治のご予約ですか? 桃太郎:そう予約。14日でお願い! 荒鬼ちゃん:はい、2月14日…でございますね。今回のご利用はお一人様でいらっしゃいますか?犬・猿・キジ等の持ち込みは、事前に申請が必要となりますが。 桃太郎:うん。今回も俺一人。 荒鬼ちゃん:はい、コミュ障ぼっちお一人様のご利用でございますね。 桃太郎:んもー、荒鬼ちゃんたら。いつも俺にだけ冷たいの、ほんと素直じゃないんだからっ。 荒鬼ちゃん:桃太郎様。恐れいりますが、私、嘘偽りのない正直な心で、ご対応させて頂いております。 桃太郎:でた!荒鬼ちゃんのツンデレあまのじゃくモード!はあぁぁあ!満たされて、胸がいっぱいになるぅ! 荒鬼ちゃん:…奇遇でございますね。桃太郎様。私も言葉にするのもおぞましいほどの嫌悪感で胸がいっぱいでございます。 桃太郎:あはは!なんだかんだ言って、俺たち相性最高じゃね?って、そんなことより、14日って何の日か知ってる? 荒鬼ちゃん:はぁ…バレンタインデーでございますか?あの好きな人にチョコレートを贈って告白するという、浮かれた人間どもの、ひときわバカバカしいイベント。 桃太郎:そうそう!で、ここからが本題なんだけど…バレンタインデーに俺にチョコレートください! 荒鬼ちゃん:はぁぁ。あいにく、当施設では、そのようなオプションサービスは承っておりません。 桃太郎:そこをなんとかー!神様、仏様、荒鬼様ー! 荒鬼ちゃん:(無視して)ご予約は、2月14日、お一人様でお間違いございませんかっ? 桃太郎:うん。だからさ、その日一日、俺にくれないかな?バレンタインチョコレートのオプション付きで。 荒鬼ちゃん:は…はぁ!?本気で言ってます?だって、私、鬼なんですよ?っていうか、うちの鬼ヶ島アトラクションのイージーモードすらクリアできないしょぼい桃太郎に、この私がなびくだなんて本気で思ってるんですか。 桃太郎:うっ…だって、あのコース、超難しいんだもん…。でも、荒鬼ちゃんへの気持ちは本気だよ。じゃあ14日、鬼ヶ島に迎えに行くからね。 0:電話切れる 0:バレンタインデー当日。テーマパーク鬼ヶ島の入場門前 桃太郎:ちーっす。本日、荒鬼ちゃんを予約してる、桃太郎っす。 荒鬼ちゃん:…ほんとに来たんですか。 桃太郎:荒鬼ちゃーん?緊張してる?あはは、大丈夫よ?一応、俺、紳士ですから! 荒鬼ちゃん:…何をそんな面白がってるのかは知りませんけど、私、これでも、鬼なんですよ? 桃太郎:知ってるよ? 荒鬼ちゃん:人間と鬼が付き合えるわけないじゃないですか?いくら最近は、社会的に多様性が認められるようになってきたからと言っても、昔ながらの伝統とか風習とかはありますし。鬼を嫌悪する人の意識は、簡単に変えられないですし。かわいそうだからちょっと優しくしてやろうとか、そういう気持ちで近づいてこられるのは、迷惑なんです。私はただ、普通に静かに生きていたいだけなんです! 桃太郎:…あのさ、荒鬼ちゃん。手、出して。 荒鬼ちゃん:…は? 桃太郎:手。…はい。これ。(豆を握らせる) 荒鬼ちゃん:なんですか…?豆? 桃太郎:そう、先日の節分の豆まきのやつ。うちのじーさんとばーさんが撒いてたのちょっと貰って来たんだ。 荒鬼ちゃん:よりにもよって…これも私に対する嫌がらせですか? 桃太郎:あのさ、確かに荒鬼ちゃんの言う通り、いくら優しさでゴテゴテ塗り固めたって、人間の本質なんか、そうそう変わんねーよ。だけど、疑心暗鬼で本質を見ようとしてないのは、荒鬼ちゃんも一緒じゃね? 荒鬼ちゃん:…。 桃太郎:なぁ、それより、お願いしてたバレンタインチョコは用意してくれた? 荒鬼ちゃん:…やっすい板チョコですけど? 桃太郎:あはは。バッチリ。じゃあ、この節分の豆とチョコで、チョコクランチ作ろう。 荒鬼ちゃん:え?なんで私が付き合わなくちゃいけないんですか。 桃太郎:だって、その方が面白いだろ?この世界に蔓延する都合のいい正義も、くだらない差別も、きっと完全に消えることはない。だったら、丸ごと美味しく頂いて、糧にしようぜ。 荒鬼ちゃん:…。 桃太郎:だから、俺と付き合ってもらえませんか。荒鬼ちゃん。…って、荒鬼ちゃん、泣いてる?それって…鬼の目にも涙? 荒鬼ちゃん:な、泣いてなんかいません!…そこまで言うなら、見返りはあるんですよね? 桃太郎:え? 荒鬼ちゃん:相応の見返りがなきゃ、私、付き合えませんよ。 桃太郎:あるよ。手作りのチョコクランチを食べさせられたら、俺、荒鬼ちゃんにどこまでもお供しちゃう。 荒鬼ちゃん:…ふふっ、お供って…私、鬼嫁になっても知りませんよ? 桃太郎:え?なに?それってプロポーズ?「付き合う」って…まさかそっち…? 荒鬼ちゃん:…え? 桃太郎:でも、嬉しい。俺のこと、幸せにしてね! 荒鬼ちゃん:やだ…私、一人で勘違い…! 桃太郎:あはは、冗談だよ。荒鬼ちゃんがいれば、俺の人生、鬼に金棒!…いや、荒鬼ちゃんが鬼だから…俺が金棒?どっちにしても、この世界を楽しんだ者が、最強!めでたしめでたし!

0:アイランド・鬼ヶ島予約センター事務所。 0:固定電話の呼び出し音が鳴る 荒鬼ちゃん:はい、お電話ありがとうございます。こちら「アイランド・鬼ヶ島」予約センター担当・荒鬼でございます… 桃太郎:荒鬼ちゃーん!俺、俺。桃太郎だけど。 荒鬼ちゃん:あー、はいはい。桃太郎様。いつもご利用ありがとうございます。本日も、性懲りもなく鬼退治のご予約ですか? 桃太郎:そう予約。14日でお願い! 荒鬼ちゃん:はい、2月14日…でございますね。今回のご利用はお一人様でいらっしゃいますか?犬・猿・キジ等の持ち込みは、事前に申請が必要となりますが。 桃太郎:うん。今回も俺一人。 荒鬼ちゃん:はい、コミュ障ぼっちお一人様のご利用でございますね。 桃太郎:んもー、荒鬼ちゃんたら。いつも俺にだけ冷たいの、ほんと素直じゃないんだからっ。 荒鬼ちゃん:桃太郎様。恐れいりますが、私、嘘偽りのない正直な心で、ご対応させて頂いております。 桃太郎:でた!荒鬼ちゃんのツンデレあまのじゃくモード!はあぁぁあ!満たされて、胸がいっぱいになるぅ! 荒鬼ちゃん:…奇遇でございますね。桃太郎様。私も言葉にするのもおぞましいほどの嫌悪感で胸がいっぱいでございます。 桃太郎:あはは!なんだかんだ言って、俺たち相性最高じゃね?って、そんなことより、14日って何の日か知ってる? 荒鬼ちゃん:はぁ…バレンタインデーでございますか?あの好きな人にチョコレートを贈って告白するという、浮かれた人間どもの、ひときわバカバカしいイベント。 桃太郎:そうそう!で、ここからが本題なんだけど…バレンタインデーに俺にチョコレートください! 荒鬼ちゃん:はぁぁ。あいにく、当施設では、そのようなオプションサービスは承っておりません。 桃太郎:そこをなんとかー!神様、仏様、荒鬼様ー! 荒鬼ちゃん:(無視して)ご予約は、2月14日、お一人様でお間違いございませんかっ? 桃太郎:うん。だからさ、その日一日、俺にくれないかな?バレンタインチョコレートのオプション付きで。 荒鬼ちゃん:は…はぁ!?本気で言ってます?だって、私、鬼なんですよ?っていうか、うちの鬼ヶ島アトラクションのイージーモードすらクリアできないしょぼい桃太郎に、この私がなびくだなんて本気で思ってるんですか。 桃太郎:うっ…だって、あのコース、超難しいんだもん…。でも、荒鬼ちゃんへの気持ちは本気だよ。じゃあ14日、鬼ヶ島に迎えに行くからね。 0:電話切れる 0:バレンタインデー当日。テーマパーク鬼ヶ島の入場門前 桃太郎:ちーっす。本日、荒鬼ちゃんを予約してる、桃太郎っす。 荒鬼ちゃん:…ほんとに来たんですか。 桃太郎:荒鬼ちゃーん?緊張してる?あはは、大丈夫よ?一応、俺、紳士ですから! 荒鬼ちゃん:…何をそんな面白がってるのかは知りませんけど、私、これでも、鬼なんですよ? 桃太郎:知ってるよ? 荒鬼ちゃん:人間と鬼が付き合えるわけないじゃないですか?いくら最近は、社会的に多様性が認められるようになってきたからと言っても、昔ながらの伝統とか風習とかはありますし。鬼を嫌悪する人の意識は、簡単に変えられないですし。かわいそうだからちょっと優しくしてやろうとか、そういう気持ちで近づいてこられるのは、迷惑なんです。私はただ、普通に静かに生きていたいだけなんです! 桃太郎:…あのさ、荒鬼ちゃん。手、出して。 荒鬼ちゃん:…は? 桃太郎:手。…はい。これ。(豆を握らせる) 荒鬼ちゃん:なんですか…?豆? 桃太郎:そう、先日の節分の豆まきのやつ。うちのじーさんとばーさんが撒いてたのちょっと貰って来たんだ。 荒鬼ちゃん:よりにもよって…これも私に対する嫌がらせですか? 桃太郎:あのさ、確かに荒鬼ちゃんの言う通り、いくら優しさでゴテゴテ塗り固めたって、人間の本質なんか、そうそう変わんねーよ。だけど、疑心暗鬼で本質を見ようとしてないのは、荒鬼ちゃんも一緒じゃね? 荒鬼ちゃん:…。 桃太郎:なぁ、それより、お願いしてたバレンタインチョコは用意してくれた? 荒鬼ちゃん:…やっすい板チョコですけど? 桃太郎:あはは。バッチリ。じゃあ、この節分の豆とチョコで、チョコクランチ作ろう。 荒鬼ちゃん:え?なんで私が付き合わなくちゃいけないんですか。 桃太郎:だって、その方が面白いだろ?この世界に蔓延する都合のいい正義も、くだらない差別も、きっと完全に消えることはない。だったら、丸ごと美味しく頂いて、糧にしようぜ。 荒鬼ちゃん:…。 桃太郎:だから、俺と付き合ってもらえませんか。荒鬼ちゃん。…って、荒鬼ちゃん、泣いてる?それって…鬼の目にも涙? 荒鬼ちゃん:な、泣いてなんかいません!…そこまで言うなら、見返りはあるんですよね? 桃太郎:え? 荒鬼ちゃん:相応の見返りがなきゃ、私、付き合えませんよ。 桃太郎:あるよ。手作りのチョコクランチを食べさせられたら、俺、荒鬼ちゃんにどこまでもお供しちゃう。 荒鬼ちゃん:…ふふっ、お供って…私、鬼嫁になっても知りませんよ? 桃太郎:え?なに?それってプロポーズ?「付き合う」って…まさかそっち…? 荒鬼ちゃん:…え? 桃太郎:でも、嬉しい。俺のこと、幸せにしてね! 荒鬼ちゃん:やだ…私、一人で勘違い…! 桃太郎:あはは、冗談だよ。荒鬼ちゃんがいれば、俺の人生、鬼に金棒!…いや、荒鬼ちゃんが鬼だから…俺が金棒?どっちにしても、この世界を楽しんだ者が、最強!めでたしめでたし!