台本概要
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タイトル | NO Smoking House |
---|---|
作者名 | 星 くずれ |
ジャンル | ミステリー |
演者人数 | 4人用台本(男1、不問3) ※兼役あり |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
死刑囚として牢獄に入れられていた所を、ジョンという見知らぬ人物に助け出された3人、ウィル、リチャード、オリバー。 山奥のバンガローでの4人の生活は……。 687 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
ジョン | 男 | 11 | このバンガローの中で唯一まともな人間だと思っている。収容されていた死刑囚の3人を助ける。 |
オリバー | 不問 | 15 | 精神的に躁状態が通常運転。今日もハッピー。殺人罪で死刑を言い渡されていたが、ジョンに助けられる。 |
ウィル | 不問 | 19 | 精神安定剤がないとひどい鬱状態で自我を保っていられない。殺人罪で死刑を言い渡されていたが、ジョンに助けられる。 |
リチャード | 不問 | 12 | 死体愛好家。バラバラにするのが特に好き。殺人罪で死刑を言い渡されていたが、ジョンに助けられる。 |
ナレーション | 男 | 1 | ジョンと兼役。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
ジョン:やぁ、おはよう。今日は早いじゃないか。ん?どうした?何か探しものか?
ウィル:薬…くすり、くすりくすりくすり…!!
ウィル:昨日まで自室のテーブルに置いてあったのに!!
ウィル:あれが無いと僕は死にたくなる!!
ウィル:今だっておかしくなっているのに!!
オリバー:おはよー、マイファミリー!ん?
オリバー:ウィル!今日も愉快に狂ってるねぇ!
ウィル:お前こそ、その躁状態(そうじょうたい)何とかしろ!
リチャード:ふあ〜ぁ、おはよう。
リチャード:どうしたんだいウィル、血の気のない顔を更に青くして。…いや、当てよう。
リチャード:「薬」だねぇ。そうでしょう!?
ジョン:あぁ!!ウィル!!お前さんの薬なんてここにはねぇ!!
ジョン:失せろうせろ!!自分でみぃんな飲んじまったんだろう!?
ジョン:ひっくり返した引き出し片して、脳みその薬をドラッグストアで買い占めな!!
リチャード:ウィルを一人で買物に行かせる気かい?
リチャード:こんな綺麗な顔立ちのお友達がドブ川にーーー
オリバー:(被せて)ドブ川に頭突っ込んで間抜けな格好で死んでるのを見たいかい?実に滑稽(こっけい)だね!
ウィル:リチャード…オスカー…薬が見つかってみろ…
ウィル:タダじゃ済まないからな…。
リチャード:薬が見つかったら?白雪姫よろしく、すやすやタイムじゃないか。
オリバー:そーそーふにゃふにゃラリって、引き金すら引けない。
ウィル:今すぐあの世に送ってやる!!
ジョン:ウィル!ここには銃は置いてねぇ!そうだろ?
ジョン:ナイフすら唯一まともな俺が管理している。
リチャード:スプーンさえも、だ!あれがあれば目をいつだってくり抜ける!
オリバー:ひひひ!お前って本当にぶっ飛んでんのな!
オリバー:いつか自分の目玉もくり抜き出す日も近いんじゃないか!?
ウィル:ジョンが管理している…?薬もか?おい!どうなんだ!?
ジョン:(ため息)今日は五分か。これ以上耐えられないか?
ウィル:耐えられないか?だって!?こんな奴らと薬なしで過ごしてみろ!?
ウィル:マッドハッターよろしく毎日ヨダレを垂らしながら何でもない日バンザイだ!
オリバー:そう!注射を打たれても、脳みそに電気を流されても!楽しくって仕方がない!どこで誰が死のうが、笑いが止まらねぇんだよ、うひゃーはっはっひひひw
リチャード:僕はまともだよ。ただ綺麗な物が好きなだけさ。それが、目だったり、指だったり、皮膚だったり、ちょーっと変わってるだけさ。
ジョン:ほら、ウィル、薬だ。
ウィル:あぁ、薬くすりくすりくすり、あぐもぐんぐ…
オリバー:そういやジョン。お前は僕たちを牢獄(ろうごく)からひっそりと助けた。なぜだ?
なぜ、僕たちじゃなきゃいけなかったんだ?
ジョン:俺か?
0:初めて不気味ににたりとジョンが笑う
ジョン:マッドキラーのお前たちだから、どんなキラーショーをお前たちの間で見せてくれるか、ずっーとワクワクしてたんじゃないか!
ジョン:それに、閉鎖的で禁欲的な空間をわざわざ作り出した。
ジョン:現実を見て俺はガッカリした…生き残った仲間で仲良くルームシェアをしているんだからな。
ジョン:
ジョン:だが、お前たちだからこそ前払いの報酬(ほうしゅう)をやれる。
ジョン:生きたまま運ぶのは疲れたが、きっと喜んでくれるだろう!
0:ジョンの部屋から三体の人の入った檻を出す
ウィル:…いじめっ子のエイデン…
オリバー:このけばけばしい匂い……シスターアニー!!
リチャード:パパ…ねぇ!パパまだ生きてたんだ…!!
ジョン:憎いだろう?自分の手で殺(あや)めるまたとない機会だ!!最高の報酬だと思わないかね?
ウィル:最高の報酬、ねぇ…。
オリバー:勘違いも甚だしい、ひひひ!
リチャード:醜い、汚い、穢(けが)らわしい!!
ジョン:なぜだ…っ、お前たちを歪めた張本人だぞ!!
ジョン:復讐したいだろう?許せないだろう?
ジョン:心の底から憎いんだろう?今、ここでは全てが許されるんだぞ!
ウィル:……ジョン、僕殺るよ。
ジョン:っ!!そうかそうか!ウィルは賢いな。
ジョン:リチャード、オリバー、お前たちも今はまだ混乱しているんだ。直にウィルの様になれる。
ウィル:得物は…そうだな、銃がいい。
ウィル:殺した感触も残らず、一発で終わらせられる。
0:ジョンは自室に行き、懐から出した鍵で引き出しを開ける
ジョン:ほら、銃だ。
ジョン:どんな残虐な殺し方が待っているか楽しーーー
0:ウィルがジョンの頭を撃ち抜く
オリバー:幼稚なようちなジョンちゃん!終わりは呆気(あっけ)ないねー、うひゃひゃひゃ!
リチャード:まさかウィルに殺られるとは、思いもよらなかっただろうね。
ウィル:名ばかりの報酬と、ジョンの死体はどうしようか?
オリバー:こんな森の奥地のバンガローだ。山奥に捨ててきて、ジョンの血の匂いで熊か犬やカラスかなんかおびき寄せて、喰わせようぜ。んふふふ!
リチャード:異議なし
ウィル:異議なし
オリバー:途中から思ったんだが、ウィル、お前は薬も飲まなきゃ眠りもしねぇ。今日はどうしちまったんだ?
ウィル:半年前から演技をしていたんだ。
リチャード:なんで演技なんかを?
ウィル:僕は……ジョンを殺したかった。
オリバー:どうしてだ?命の恩人を?
ウィル:僕たちが生かされている理由は分からなかったけど、確実に弱みは握られている気はした。その弱みに付け込んで、僕たちはジョンの駒として動かざるを得なかっただろうと思っていたんだ。
オリバー:その僕たちの弱みだと勘違いしていたモノに、最初から怯える必要はなかった!
オリバー:僕たちはそいつらをもう恨んでも憎んでもいなかった。
オリバー:捕まる前までエレガントでチャーミングな殺しに没頭できた。ふふふひひひ!
ウィル:なぁ、これからどうする?……心中でもする?
リチャード:(ボソッ)僕はこの家から出たい。
オリバー:よし、こんな窓もない暗い部屋からさよならだ。中型のトラックがあったぞ。こいつで行く。丁度、夜中か。ナイトサファリだ!
ウィル:あぁ。
0:間
オリバー:よいしょっと。
オリバー:夜の闇よ、我が罪を、その漆黒で覆い隠したまえってね♪んふふ!
リチャード:オリバー、何だいそれ?歌詞か何かかい?
ウィル:リチャード、バラしたってコレクションとして認めないぞ。
ナレーション:皆、久しぶりの外の空気と、ジョンの部屋から盗んできた酒が入って上機嫌だ。いつの間にか短くなっていたタバコを、手頃の場所にあったジョンの額(ひたい)で揉み消す。新しいタバコを出すと、誰ともなくシガーキスをする。三人の結束を高めるように。
:
0:Fin ―――
:
ジョン:やぁ、おはよう。今日は早いじゃないか。ん?どうした?何か探しものか?
ウィル:薬…くすり、くすりくすりくすり…!!
ウィル:昨日まで自室のテーブルに置いてあったのに!!
ウィル:あれが無いと僕は死にたくなる!!
ウィル:今だっておかしくなっているのに!!
オリバー:おはよー、マイファミリー!ん?
オリバー:ウィル!今日も愉快に狂ってるねぇ!
ウィル:お前こそ、その躁状態(そうじょうたい)何とかしろ!
リチャード:ふあ〜ぁ、おはよう。
リチャード:どうしたんだいウィル、血の気のない顔を更に青くして。…いや、当てよう。
リチャード:「薬」だねぇ。そうでしょう!?
ジョン:あぁ!!ウィル!!お前さんの薬なんてここにはねぇ!!
ジョン:失せろうせろ!!自分でみぃんな飲んじまったんだろう!?
ジョン:ひっくり返した引き出し片して、脳みその薬をドラッグストアで買い占めな!!
リチャード:ウィルを一人で買物に行かせる気かい?
リチャード:こんな綺麗な顔立ちのお友達がドブ川にーーー
オリバー:(被せて)ドブ川に頭突っ込んで間抜けな格好で死んでるのを見たいかい?実に滑稽(こっけい)だね!
ウィル:リチャード…オスカー…薬が見つかってみろ…
ウィル:タダじゃ済まないからな…。
リチャード:薬が見つかったら?白雪姫よろしく、すやすやタイムじゃないか。
オリバー:そーそーふにゃふにゃラリって、引き金すら引けない。
ウィル:今すぐあの世に送ってやる!!
ジョン:ウィル!ここには銃は置いてねぇ!そうだろ?
ジョン:ナイフすら唯一まともな俺が管理している。
リチャード:スプーンさえも、だ!あれがあれば目をいつだってくり抜ける!
オリバー:ひひひ!お前って本当にぶっ飛んでんのな!
オリバー:いつか自分の目玉もくり抜き出す日も近いんじゃないか!?
ウィル:ジョンが管理している…?薬もか?おい!どうなんだ!?
ジョン:(ため息)今日は五分か。これ以上耐えられないか?
ウィル:耐えられないか?だって!?こんな奴らと薬なしで過ごしてみろ!?
ウィル:マッドハッターよろしく毎日ヨダレを垂らしながら何でもない日バンザイだ!
オリバー:そう!注射を打たれても、脳みそに電気を流されても!楽しくって仕方がない!どこで誰が死のうが、笑いが止まらねぇんだよ、うひゃーはっはっひひひw
リチャード:僕はまともだよ。ただ綺麗な物が好きなだけさ。それが、目だったり、指だったり、皮膚だったり、ちょーっと変わってるだけさ。
ジョン:ほら、ウィル、薬だ。
ウィル:あぁ、薬くすりくすりくすり、あぐもぐんぐ…
オリバー:そういやジョン。お前は僕たちを牢獄(ろうごく)からひっそりと助けた。なぜだ?
なぜ、僕たちじゃなきゃいけなかったんだ?
ジョン:俺か?
0:初めて不気味ににたりとジョンが笑う
ジョン:マッドキラーのお前たちだから、どんなキラーショーをお前たちの間で見せてくれるか、ずっーとワクワクしてたんじゃないか!
ジョン:それに、閉鎖的で禁欲的な空間をわざわざ作り出した。
ジョン:現実を見て俺はガッカリした…生き残った仲間で仲良くルームシェアをしているんだからな。
ジョン:
ジョン:だが、お前たちだからこそ前払いの報酬(ほうしゅう)をやれる。
ジョン:生きたまま運ぶのは疲れたが、きっと喜んでくれるだろう!
0:ジョンの部屋から三体の人の入った檻を出す
ウィル:…いじめっ子のエイデン…
オリバー:このけばけばしい匂い……シスターアニー!!
リチャード:パパ…ねぇ!パパまだ生きてたんだ…!!
ジョン:憎いだろう?自分の手で殺(あや)めるまたとない機会だ!!最高の報酬だと思わないかね?
ウィル:最高の報酬、ねぇ…。
オリバー:勘違いも甚だしい、ひひひ!
リチャード:醜い、汚い、穢(けが)らわしい!!
ジョン:なぜだ…っ、お前たちを歪めた張本人だぞ!!
ジョン:復讐したいだろう?許せないだろう?
ジョン:心の底から憎いんだろう?今、ここでは全てが許されるんだぞ!
ウィル:……ジョン、僕殺るよ。
ジョン:っ!!そうかそうか!ウィルは賢いな。
ジョン:リチャード、オリバー、お前たちも今はまだ混乱しているんだ。直にウィルの様になれる。
ウィル:得物は…そうだな、銃がいい。
ウィル:殺した感触も残らず、一発で終わらせられる。
0:ジョンは自室に行き、懐から出した鍵で引き出しを開ける
ジョン:ほら、銃だ。
ジョン:どんな残虐な殺し方が待っているか楽しーーー
0:ウィルがジョンの頭を撃ち抜く
オリバー:幼稚なようちなジョンちゃん!終わりは呆気(あっけ)ないねー、うひゃひゃひゃ!
リチャード:まさかウィルに殺られるとは、思いもよらなかっただろうね。
ウィル:名ばかりの報酬と、ジョンの死体はどうしようか?
オリバー:こんな森の奥地のバンガローだ。山奥に捨ててきて、ジョンの血の匂いで熊か犬やカラスかなんかおびき寄せて、喰わせようぜ。んふふふ!
リチャード:異議なし
ウィル:異議なし
オリバー:途中から思ったんだが、ウィル、お前は薬も飲まなきゃ眠りもしねぇ。今日はどうしちまったんだ?
ウィル:半年前から演技をしていたんだ。
リチャード:なんで演技なんかを?
ウィル:僕は……ジョンを殺したかった。
オリバー:どうしてだ?命の恩人を?
ウィル:僕たちが生かされている理由は分からなかったけど、確実に弱みは握られている気はした。その弱みに付け込んで、僕たちはジョンの駒として動かざるを得なかっただろうと思っていたんだ。
オリバー:その僕たちの弱みだと勘違いしていたモノに、最初から怯える必要はなかった!
オリバー:僕たちはそいつらをもう恨んでも憎んでもいなかった。
オリバー:捕まる前までエレガントでチャーミングな殺しに没頭できた。ふふふひひひ!
ウィル:なぁ、これからどうする?……心中でもする?
リチャード:(ボソッ)僕はこの家から出たい。
オリバー:よし、こんな窓もない暗い部屋からさよならだ。中型のトラックがあったぞ。こいつで行く。丁度、夜中か。ナイトサファリだ!
ウィル:あぁ。
0:間
オリバー:よいしょっと。
オリバー:夜の闇よ、我が罪を、その漆黒で覆い隠したまえってね♪んふふ!
リチャード:オリバー、何だいそれ?歌詞か何かかい?
ウィル:リチャード、バラしたってコレクションとして認めないぞ。
ナレーション:皆、久しぶりの外の空気と、ジョンの部屋から盗んできた酒が入って上機嫌だ。いつの間にか短くなっていたタバコを、手頃の場所にあったジョンの額(ひたい)で揉み消す。新しいタバコを出すと、誰ともなくシガーキスをする。三人の結束を高めるように。
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0:Fin ―――
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