台本概要
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タイトル | 佐藤さんと天海くん |
---|---|
作者名 | 晴樹 (@oboroharuki) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ちょっとした雑談から始まる、義理チョコ嫌い同士のバレンタインデー
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キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
佐藤 | 女 | 37 | 佐藤さん。会社の先輩で。真面目だけどちょっと抜けてる。 |
天海 | 男 | 35 | 天海くん。会社の後輩。~っす、という砕け敬語が特徴的。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:会社の休憩室にて
佐藤:(2月14日…聖バレンタインデーと呼ばれる祝いの日。こと日本においてはチョコレートを用いて、告白や相手への感謝を伝える日……なのだが…)
佐藤:はぁ~…。義理チョコ文化、滅びればいいのに…。。
天海:奇遇っすね。俺もそう思ってますよ。
佐藤:おわぁっ!…あ、天海くん?!
天海:佐藤さん、お疲れっす。コーヒーどうぞ。
佐藤:ぁ…ありがとう。……あの…今の、聞いてた?
天海:「義理チョコ文化、滅びればいいのに」ってやつっすか?
佐藤:やっぱり聞こえてたか…。
天海:いいんじゃないすか?俺もおんなじこと思いますし。
佐藤:え、男性でもそう思うものなの?
天海:男性でもっつーか…少なくとも、俺はそう思いますね。何であんなことしてるんだろうって。
佐藤:何で……何で、か。本当に何でだろうねー…。感謝の気持ちって言うけどさ、なーんか押し売り感すごいっていうか…、別に感謝ならバレンタインじゃなくてもよくない?っていう。
天海:あー確かに。形式上の感謝とかされても、なんも嬉しくないんすよねー。「女性陣一同」って箱菓子の差し入れ貰っても、どう返せばいいのか悩むし。
佐藤:そう、そうなの!感謝って言っておきながら纏めていっしょくたにとか、手抜きにも程がない?しかも会社ではそれが義務みたいになってるし!「毎年恒例だから」って!
天海:義務っつても経費じゃ落ちないっすよね。お金かかってるだろうに。
佐藤:ほーんとそれ。だったらやりたい人だけでやれよっていう。ほとんど話したことも無い人に、どう感謝しろっていうの。
天海:顔も知らない人たちからいきなり食いモン貰っても、怖いだけっすけどね。
佐藤:これ、女から男に、だから通用するのであって、逆だったら絶対警戒するもの。
天海:そもそも、チョコとか甘いモン限定にするのがわけわかんないんすよね。こっちだって好みってモンがあるし…。
佐藤:バレンタインでチョコレートを贈るのなんて日本くらいよ。海外じゃ花やメッセージカードが主流だし、男性から贈るってのが一般的らしいから。
天海:同じ感謝ならそっちの方が良さそうですけどね。何で日本だけチョコ?
佐藤:さぁ?チョコレート会社の「インボウ」ってやつじゃないの?
天海:結果的には大当たりっすね。この時期、売り場に女の子の行列すごいですし。みんな、そんなにあげたいもんなんすかね?
佐藤:まぁ、中には本命の子もいるだろうけど…最近は友チョコとか自分用に買う人も多いから。要は、買うための免罪符が欲しいのよ。「バレンタインだから、ちょっと奮発しちゃおう」…みたいな。
天海:年末とか、クリスマスみたいな感覚なんすね。…あぁ、だから義理チョコってああいうのなんだ。
佐藤:ああいうのって?
天海:お徳用詰め合わせだったり、パッケージにでかでかと義理って書かれてたり…何ていうか、コスパ良さそうなやつ。
佐藤:あぁー…。
天海:友チョコとか自分用に良いの買って、義理には金をかけたくない…。だったら最初から義理なんて贈らなきゃいいのに。
佐藤:あれはもらった方も嬉しくないよね…。ジョークが通じる仲じゃないと。
天海:最近では「簡単、手作りチョコ」みたいなのも増えましたよね。固めるだけとか、飾るだけのやつ。
佐藤:手作りこそ知った仲じゃないと怖いでしょ。いきなり知らない人に「はいどうぞ」なんて渡されて、食べる?
天海:確かに、食べないっすね。
佐藤:でしょう?作るのもあげるのも、よくやるなぁーって思う。
天海:じゃあ佐藤さんは作らないしあげないんすね、チョコ。
佐藤:さんざんこの話しといて、今更聞く?やるわけないじゃない、義理なんかのために。
天海:や、手に火傷の跡があるんで、てっきり作ったのかと。
佐藤:!…良く見てるわね。これは…関係ない、ちょっとやかんに触っちゃただけ。
天海:…そっすか、気を付けてください。
佐藤:そういう天海くんはどうなの?
天海:?…何がすか?
佐藤:チョコ。天海くんならけっこう貰えるんじゃないの?義理でも本命でも。
天海:ないっす。
佐藤:え?
天海:一個も貰ってないっす。義理も本命も。
佐藤:う、嘘…だって会社の女の子たちが…。
天海:全部断りました。俺、好きな人からしか欲しくないんで。
佐藤:天海くん、好きな人いたんだ…。
天海:まぁ、その人にとっては俺は蚊帳の外っていうか、意識してもらえてないっていうか…。
天海:その人、仕事人間だし、クソ真面目だし、ドジだし、鈍感だし、そもそも恋愛に興味があるのかもよく分かんないんすけど。
佐藤:何で好きなの?その人のこと。
天海:最初は、危なっかしいなーって思ってたんすよ。でも、ちゃんと周りを見てるとことか、人に気をまわし過ぎるとことか…一生懸命なとこ、見てて好きだなーって。
佐藤:…そっか。天海くんが好きになるなら、きっといい人なんだろうね。
天海:でもちょっと抜けてて、かなり心配っす。…俺が誰の話してるか、分かります?
佐藤:えっ?だ、誰だろ…会社の人?あっ、経理の武藤さんとか?
天海:…さっきから言いそびれてたんすけど……カバンの中身、見えてますよ。
佐藤:え…あっっ!
天海:ずいぶんと可愛い包みっすね。キレーにラッピングされて。
佐藤:こ、これは…違うの!自分用っていうか…!
天海:俺まだ何にも言ってないっすよ。
佐藤:うぅ…。
天海:…まぁいいや。佐藤さん、コレ。
佐藤:なに?バラの…花?
天海:そ、バラの花一輪、俺から佐藤さんに。意味は自分で調べてくださいね。
佐藤:えっ…待って待って、どういうこと?!
天海:海外じゃ主流なんでしょ?花を贈るの。
佐藤:そう…だけど、いやそうじゃなくてなんで…
天海:ちなみに、話した通り俺も義理チョコ文化は滅びればいいと思っている人間っす。
佐藤:う、うん。
天海:で、好きな人からの本命しか受け取らない。
佐藤:…つまり?
天海:そっから先は、自分で考えてください。…じゃ、お先っす。
0:佐藤、あっけにとられていたがハッとして天海を追いかける
佐藤:ま、待って天海くん!私も、渡したいものが…!
0:会社の休憩室にて
佐藤:(2月14日…聖バレンタインデーと呼ばれる祝いの日。こと日本においてはチョコレートを用いて、告白や相手への感謝を伝える日……なのだが…)
佐藤:はぁ~…。義理チョコ文化、滅びればいいのに…。。
天海:奇遇っすね。俺もそう思ってますよ。
佐藤:おわぁっ!…あ、天海くん?!
天海:佐藤さん、お疲れっす。コーヒーどうぞ。
佐藤:ぁ…ありがとう。……あの…今の、聞いてた?
天海:「義理チョコ文化、滅びればいいのに」ってやつっすか?
佐藤:やっぱり聞こえてたか…。
天海:いいんじゃないすか?俺もおんなじこと思いますし。
佐藤:え、男性でもそう思うものなの?
天海:男性でもっつーか…少なくとも、俺はそう思いますね。何であんなことしてるんだろうって。
佐藤:何で……何で、か。本当に何でだろうねー…。感謝の気持ちって言うけどさ、なーんか押し売り感すごいっていうか…、別に感謝ならバレンタインじゃなくてもよくない?っていう。
天海:あー確かに。形式上の感謝とかされても、なんも嬉しくないんすよねー。「女性陣一同」って箱菓子の差し入れ貰っても、どう返せばいいのか悩むし。
佐藤:そう、そうなの!感謝って言っておきながら纏めていっしょくたにとか、手抜きにも程がない?しかも会社ではそれが義務みたいになってるし!「毎年恒例だから」って!
天海:義務っつても経費じゃ落ちないっすよね。お金かかってるだろうに。
佐藤:ほーんとそれ。だったらやりたい人だけでやれよっていう。ほとんど話したことも無い人に、どう感謝しろっていうの。
天海:顔も知らない人たちからいきなり食いモン貰っても、怖いだけっすけどね。
佐藤:これ、女から男に、だから通用するのであって、逆だったら絶対警戒するもの。
天海:そもそも、チョコとか甘いモン限定にするのがわけわかんないんすよね。こっちだって好みってモンがあるし…。
佐藤:バレンタインでチョコレートを贈るのなんて日本くらいよ。海外じゃ花やメッセージカードが主流だし、男性から贈るってのが一般的らしいから。
天海:同じ感謝ならそっちの方が良さそうですけどね。何で日本だけチョコ?
佐藤:さぁ?チョコレート会社の「インボウ」ってやつじゃないの?
天海:結果的には大当たりっすね。この時期、売り場に女の子の行列すごいですし。みんな、そんなにあげたいもんなんすかね?
佐藤:まぁ、中には本命の子もいるだろうけど…最近は友チョコとか自分用に買う人も多いから。要は、買うための免罪符が欲しいのよ。「バレンタインだから、ちょっと奮発しちゃおう」…みたいな。
天海:年末とか、クリスマスみたいな感覚なんすね。…あぁ、だから義理チョコってああいうのなんだ。
佐藤:ああいうのって?
天海:お徳用詰め合わせだったり、パッケージにでかでかと義理って書かれてたり…何ていうか、コスパ良さそうなやつ。
佐藤:あぁー…。
天海:友チョコとか自分用に良いの買って、義理には金をかけたくない…。だったら最初から義理なんて贈らなきゃいいのに。
佐藤:あれはもらった方も嬉しくないよね…。ジョークが通じる仲じゃないと。
天海:最近では「簡単、手作りチョコ」みたいなのも増えましたよね。固めるだけとか、飾るだけのやつ。
佐藤:手作りこそ知った仲じゃないと怖いでしょ。いきなり知らない人に「はいどうぞ」なんて渡されて、食べる?
天海:確かに、食べないっすね。
佐藤:でしょう?作るのもあげるのも、よくやるなぁーって思う。
天海:じゃあ佐藤さんは作らないしあげないんすね、チョコ。
佐藤:さんざんこの話しといて、今更聞く?やるわけないじゃない、義理なんかのために。
天海:や、手に火傷の跡があるんで、てっきり作ったのかと。
佐藤:!…良く見てるわね。これは…関係ない、ちょっとやかんに触っちゃただけ。
天海:…そっすか、気を付けてください。
佐藤:そういう天海くんはどうなの?
天海:?…何がすか?
佐藤:チョコ。天海くんならけっこう貰えるんじゃないの?義理でも本命でも。
天海:ないっす。
佐藤:え?
天海:一個も貰ってないっす。義理も本命も。
佐藤:う、嘘…だって会社の女の子たちが…。
天海:全部断りました。俺、好きな人からしか欲しくないんで。
佐藤:天海くん、好きな人いたんだ…。
天海:まぁ、その人にとっては俺は蚊帳の外っていうか、意識してもらえてないっていうか…。
天海:その人、仕事人間だし、クソ真面目だし、ドジだし、鈍感だし、そもそも恋愛に興味があるのかもよく分かんないんすけど。
佐藤:何で好きなの?その人のこと。
天海:最初は、危なっかしいなーって思ってたんすよ。でも、ちゃんと周りを見てるとことか、人に気をまわし過ぎるとことか…一生懸命なとこ、見てて好きだなーって。
佐藤:…そっか。天海くんが好きになるなら、きっといい人なんだろうね。
天海:でもちょっと抜けてて、かなり心配っす。…俺が誰の話してるか、分かります?
佐藤:えっ?だ、誰だろ…会社の人?あっ、経理の武藤さんとか?
天海:…さっきから言いそびれてたんすけど……カバンの中身、見えてますよ。
佐藤:え…あっっ!
天海:ずいぶんと可愛い包みっすね。キレーにラッピングされて。
佐藤:こ、これは…違うの!自分用っていうか…!
天海:俺まだ何にも言ってないっすよ。
佐藤:うぅ…。
天海:…まぁいいや。佐藤さん、コレ。
佐藤:なに?バラの…花?
天海:そ、バラの花一輪、俺から佐藤さんに。意味は自分で調べてくださいね。
佐藤:えっ…待って待って、どういうこと?!
天海:海外じゃ主流なんでしょ?花を贈るの。
佐藤:そう…だけど、いやそうじゃなくてなんで…
天海:ちなみに、話した通り俺も義理チョコ文化は滅びればいいと思っている人間っす。
佐藤:う、うん。
天海:で、好きな人からの本命しか受け取らない。
佐藤:…つまり?
天海:そっから先は、自分で考えてください。…じゃ、お先っす。
0:佐藤、あっけにとられていたがハッとして天海を追いかける
佐藤:ま、待って天海くん!私も、渡したいものが…!