台本概要

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タイトル 東西戦争 ~Bustle of the outfield~上
作者名 MXAC  (@MXAC_Dicepest)
ジャンル ファンタジー
演者人数 4人用台本(男2、女2)
時間 30 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 ノルデンエイリーク

……54もの国がひしめき合うこの大陸で、中央に鎮座したその“二国”だけが、圧倒的に異彩を放っている。東にあるは皇帝ガリウスが率いるレヴァンティン。西にあるは、女王シャルロットが統すべしエーベルヴァイン……




周りの国々は、既に全て、対立するこの二強のどちらかに屈し……今まさに大陸統一。



東西の因縁に、決着がつこうとしていた。

その外側で、民は何を思い、何を生きているのだろうか。
注意事項



この作品は

Before United War 〜最終戦争のその前に〜

URL→ https://lit.link/tsukuenoueno

の二次創作です。

オリジナルのキャラクター

オリジナルの設定

原作との相違

の要素が多分に含まれます。苦手な方はご注意ください。読まれてからの内容についてのクレームはお受けいたしかねます。ご了承ください。



この本は、個人的な非公式台本です。原作者様などとの関連はありません。



性別転換はご遠慮ください。



作中のアドリブは演者様たちにお任せ致します。公式と同じく、大筋のストーリーが変わらないのであれば、演者がキャラクターの性格を想像し、お好きに楽しく合いの手を入れた方が、自然に仕上がると思うからです。



作者は作品の著作権の放棄は致しません。よって、無断転載及び自作発言、また改変や無断転載など、著作権を侵害する行為はおやめください。



使用する際は、必ず概要欄・詳細文などに

タイトル:東西戦争 ~Bustle of the outfield~ 上

作者:MXAC(エムザック)

(台本のURL)

そしてこの台本が二次創作物であること

以上を必ず明記してください。



個人や友人間の趣味の範囲内でしたら、好きにお使いいただいて構いません。金銭の派生しない活動や放送、各種配信サイトでの投げ銭機能などでの利益分に関しては連絡不要です。

舞台化や台本を使った作品の販売はご相談ください。


以上、どうかご了承ください。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
ロビン 36 ロビン・バッド・ストロング。 50歳男。大衆酒場兼冒険者ギルド「黒牛亭」のマスター。元冒険者であり、西国の前女王と親しかった。戦闘に関しては二本の黒い刃が付いたハンドガンバヨネット、「シュワッツェ・クー」を二丁持って戦っていたという。二つ名が「暴虐の黒牛」
リズ 32 リスラム・M・ストックマイン 29歳女。国を放浪するお医者様。冒険者に薬草や、医療に使うモノの調達を依頼しながら移動診療所と銘打って人々を治療していく。東の国の出身だが、医療や科学に造詣が深そうな西国に移住。現在は休業しており、薬や、新しい治療法の研究をしている
ソフィア 41 ソフィア・ウィンスレット 28歳女。世界をまたにかける大商会の長。職業柄人の顔は一瞬で覚えて忘れない記憶力の持ち主。他の大陸とも貿易をしており、別大陸の技術を応用した新しい武器の開発など手掛けている。西国には専属の鍛冶屋や、武器の製造ルートがあるので、東国が主な商売相手で武器を派手に買うから好きとのこと。
フィン 33 フィン・サンズ 25歳男。フリーの傭兵。東国が戦争に向かう兵を募った時に真っ先に志願した。酒、女、金、うまい飯、血沸き肉躍る殺し合い、と中々イカレた欲望に忠実な男。東国の国王の荒々しさが気に入ったため、東国に加担するが、正直殺し合いができれば何でもいい。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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フィン:「マスター!お酒お替り!飯も!」 ロビン:「あいよ。少し待ってな。」 リズ:「はいはい飲みすぎないようにね。まああんたのことだから潰れはしないんでしょうけど。」 ソフィア:「本当よく飲むこと。見てて気持ちイイねぇ。うちの酒もよく買ってくれるし。」 フィン:「ソフィーには感謝してるぜ?酒や食材を安く卸してくれて助かる。」 ソフィア:「そりゃああんたが派手にお金を使ってくれるからね。サービスよ。」 リズ:「確かに。いつ見てもフィンは豪遊してるわよね」。 フィン:「そりゃあそうだ。冒険者登録してる傭兵なんて、仕事は危険なもんばかりなんでな。割も中々いい仕事が揃ってる。でも、いつ死ぬかわかんねえんだ。遊んどかねえと。」 ロビン:「今回の仕事はそんな危険なものだったか?そうは思わなかったが。」 フィン:「護衛中に熊が出たんだよ熊が。あとは盗賊な。」 ロビン:「そりゃあ大変だ。お前に出くわすとはその熊も盗賊もご愁傷さまなことで。」 フィン:「まあでも、地方の領主とのコネもできたし万々歳だな。」 ロビン:「それは上々。依頼の報酬にゃ書かねえが、人とのつながりってのも立派な得だ。」 リズ:「そういえば私たちも依頼中にたまたま出会ったわね…それにしても、いいの?大商会の長がこんなとこで私たちと飲んでて。」 ソフィア:「大きな仕事が終わってすぐだから大丈夫!他の大陸の武器とかの研究はまだ残ってるけど、二人はまあお得意様だし?いろいろ命助けてもらってるしね。友人に立場も何もないでしょ。」 リズ:「薬の材料なんかも融通してくれたし、助かるわぁ。」 ソフィア:「日頃のお礼。いつもお世話になってまーすっていう。」 ロビン:「あいよお待ちどうさん、酒のお替りと飯の追加だ。たんと食えよ。」 フィン:「マスターも飲まねえか?少しくらいは良いだろ。」 ロビン:「ってわけにもいかねえんだ。この後にはお転婆娘が来る予定でな。」 リズ:「お転婆娘?予約でも入ってるの?」 フィン:「お転婆娘…ああ、パトリシア嬢のことか。」 ソフィア:「ああ、この国の近衛隊長さん?そんな大物ここに来るの?」 ロビン:「お忍びでな。えらくこの店を気に入ってくれてな。」 リズ:「あの子もお忍びのつもりなんでしょうけど、いかんせんバレバレなのよねぇ。」 ソフィア:「そりゃあ、あの子に変装なんて器用な真似できるわけないでしょ。」 フィン:「あんただいぶひどいこと言ってる自覚あるか?」 ソフィア:「そりゃあ装飾品も、化粧品も売ってるのに見向きもしないし、唯一興味がある武器の類はお抱え鍛冶師かなんかがいるみたいで買ってくれないし?あの子から何か買っていってくれたことないから。色気より食い気で、訓練に明け暮れる化粧もあんまりしない女の子よ?変装なんてできるわけないわ。」 リズ:「すがすがしいくらいに私怨じゃない。」 ソフィア:「金を持っててもお客じゃないなら敬う価値はないと思うけど。」 ロビン:「まあ、そういってやるな。武器に関しては仕方のないことだろう。昔から続いてるお抱えの鍛冶師の血筋があるっていうんだから。まあ頭が固いとは思うが、それだけ技術を秘匿したい気持ちもわからなくはないんだろう?」 ソフィア:「まあ、それはそうだけど…」 フィン:「しっかしそのためかなんか知らないけどさ。妙に奇妙な戦い方だよな。マスターも使ってたハンドガンバヨネットをここの女王様も使うんだろ?パトリシア嬢も大剣、軍師様もサーベルもって前線に上ってくる。そして陣形が何種類もあって乱れないと来た。とても正気とは思えん。」 ソフィア:「ハンドガンバヨネットは癖が強くて扱いにくいし、ある意味開発失敗した武器に数えられるくらいには使う人を選ぶから。あの小柄な体形で大剣なんか使う近衛隊長もイカれてるね。軍師様も戦場に出て生き残るくらいの強さ。そして全体的に練度が高い。どんな鍛え方してんだか。」 リズ:「それだけの練度だからこそ戦場に出る時の余裕があるってことね。しかも、交渉や政で国をかえ、軍門に下らせることもある。ある意味戦争ばかりじゃない、西国の万能さを表すこれ以上ない証明にもなるわ。実力で王座に就いた女王の実力を買うべきよ。」 ロビン:「だがしかし逆に言えばどこか突出した部分がないともいえる。戦争では、一つの可能性を極めて突破するというのが一番侮れない。万能というのは必ずしも強いわけではない。リスクは少なくとも一点突破に弱いというのもまた確かなことだ。」 ソフィア:「そう思うと東国は戦争に関して比類なき強さを誇っているからねー。なんせこれまで統合した国全部武力での鎮圧だったんだから。圧倒的なまでの暴力。それが東国って感じ。一つを極めているっていう意味では東国はすごい。」 フィン:「あの皇帝の陣形っていうのは、弱点が分かっていても崩せない。それほど何代にもわたって磨き上げられた陣形っていうのは伊達じゃないってことだ。あの皇帝の戦闘狂ぶりもさながら、向こうには血気盛んな奴らがわんさかいる。あの国は楽しいぜぇ。俺も傭兵として戦争に参加したがあれほど熱気のある戦争をするのは東国くらいなもんだ。」 ロビン:「だがしかし弱点が割れているっていうのは痛い所ではあるな。まずあの皇帝には敵対したら最後、戦争以外の選択肢はなくなる。暴力による圧倒的な搾取だ。比類なき力で反抗の気さえ起こさぬよう一方的に虐殺する。本当危険な国だ。」 ソフィア:「でも皇帝としてのカリスマは本物。民衆に親しく思われてる皇帝ね。身分も気にせず一般家庭に上がり込んでは、料理を馳走になったり、子供たちと遊んだりしている、なんて東国では有名な話よ。」 ロビン:「それを言うなら西国もベクトルは違うが王としてのカリスマはすごいだろう。王となった際、堕落し汚職にまみれた貴族たちを徹底的に断罪し、内政を整理し、その政権を確立した。王になってすぐにそこまでできるのはまあいないぞ」 リズ:「まあどちらにせよ今は緊迫状態。平和じゃないのよね。いやになるわ。」 フィン:「平和なんてつまんねえもんだろ。物足りなくてうんざりするね。」 リズ:「あら、平和なのはいいことよ。誰も苦しまないで済む。」 ソフィア:「苦しんでる人間がいないと商売にならないリズが言うの?」 リズ:「あんたねぇ…」 ロビン:「ケンカはやめろ。ここはあくまで中立地帯。酒と飯を楽しむ場所だ。」 フィン:「そうだそうだー!」 ロビン:「おまえもだフィン。煽るんじゃない。気持ちはわからなくもないが。」 フィン:「いや悪い。ついこの手の話題になると盛り上がっちまってな。」 ソフィア:「もうこの大陸は運河を隔てて二国に分かれてるといっても過言じゃない状況だしね。」 リズ:「東国レヴァンティンと西国エーベルヴァインの対立する二強ね。」 フィン:「この均衡が破られる日も遠くはないってか。」 リズ:「否定はできないわ。まったく、平和に解決できないのかしら。」 ソフィア:「うちは商売になるから戦争は願ったり叶ったりだけどね。」 フィン:「同感だな。まあ血気盛んな東国の皇帝様が戦争を吹っ掛けないわけもないだろう。」 ロビン:「一理あるな。っと、噂をすれば、だな。渦中の人が来たようだ。」 リズ:「パトリシアちゃん、今日も小さくてかわいいわねぇ。」 ソフィア:「あの体のどこにあんな酒や食べ物が入るんだか。そのくらいうちでも買っていってくれればいいのに。」 ロビン:「うちの食材は大体ソフィアのとこから仕入れてるんだから大差ないだろ。」 ソフィア:「そんなことないわよ。ここでお金を落としてうちの店でも落とせばもっともうけが出るじゃない。そういうモノなの。」 フィン:「っつってもまあ見れば見るほど下手な変装なことだ。ありゃ隠す気があるのかって思うレベルだぞ。もはや逆にみんなが気を使って話しかけてないじゃねえか。」 リズ:「周りの温かい目が見えるわね…ある意味看板娘みたいじゃない。」 ロビン:「さて、俺はお忍びで来てるお嬢様のために料理をしこたま作らないとな。」 ソフィア:「あーファイトだよマスター。いっぱい作っていっぱい仕入れて頂戴な。」 ロビン:「今後ともよろしく頼むよ。さあて行ってきますかね。」 リズ:「はーい行ってらっしゃい。…それにしてもあの子。相当な鍛え方ね。」 フィン:「ああ、俺もそう思う。並外れた努力をしてもあれだけの身体になるのは難しいだろうよ。」 ソフィア:「あ、やっぱり二人はわかるんだそういうの。」 フィン:「まあ職業柄な。そういうのも機敏に感じないと死に直結するんだよ。力量は相手の身体から、言動から、体捌きから、情報をかき集めておかないとな。」 リズ:「私は簡単。どれだけ多くの兵士を治療してきたと思ってるの。もう8年流れで医者をやってるのよ。その間に人を見る目はついたわ。それで、気になるのが…」 ソフィア:「後ろの商人風の男、でしょう?」 フィン:「ああ、冒険者と二重登録してある商人、って感じだが、明らかに様子がおかしいな。」 リズ:「ソフィー、心当たりは?」 ソフィア:「見た感じは東国の方面の商人みたい。服装の系統で見た感じだとギルベックの方面、装飾品の流行を追ってる商人に見えるけど。あれだけいい服着てるんだ。それなりの上役が動いているはず。」 フィン:「その言い草だとお前は見たことない顔らしいな。結構珍しいんじゃないか。」 ソフィア:「私が人の顔を忘れるなんてありえない。最近任命された上役かもしれないけど、違和感が。」 リズ:「…あれ、変装かも。骨格と肉の付き方、身長が少しおかしいわ。ぱっと見はわからなかったけど、前から見た筋肉量と後ろから見た筋肉量がほんの少し誤差がある。」 フィン:「…俺にゃ全くわからんな。何かを探してるみたいだが。」 ソフィア:「…ああ!そうだ。あの男のどこにも商会の名前や意匠がないんだ!そんな単純なミス犯すような商人があんないい服着るわけがない!」 フィン:「体捌きも商人のそれじゃねえ。…視線が止まった。アイツが注目を向けてる先は…」 リズ:「パトリシアちゃん、ってわけ。ますますきな臭くなるじゃない。」 ソフィア:「あ、話しかけに行った。…なんか気にならない?」 フィン:「そりゃあもちろん。」 リズ:「気になるわ。」 ソフィア:「私行ってくる。マスターと話せば何とかなると思う。」 :(間) ロビン:「で、ここに来たってわけか。まあいいけどよ。仕入れの話をしながら聴けるか?」 ソフィア:「よゆー。私は大商人様だからね。」 ロビン:「そりゃ結構なことで。んじゃあ始めるぞ。まずは~」 ソフィア:「(生業でこの街に来たばかり…にしては随分と淀みなくパトリシアの方に向かっていった。)」 ロビン:「(かわいい女の子、という縛りであるならうちの給仕なんかの方が近かったはず。でもこの商人はあえてパトリシアに向かっていったってことだ。もし商人なら、近衛隊長についてはともかく、この国の女王について詳しく知らないっていうのはなかなか厳しいものがある。)」 ソフィア:「(最初に話した内容でこの大陸の商人であるのは明らか。ということは商人という肩書はあくまで話を聞くためのブラフってところかな。)」 ロビン:「(あの子の食べ方を見てもご馳走するからといえる財力で商人じゃないとすれば、後ろに相当大きい組織が動いてる。それこそ国単位で動いていてもおかしくはないか。)」 ソフィア:「(…今笑った?明らかに笑ってるのはおかしい。)」 ロビン:「(笑っているってことはパトリシア嬢の言っている嘘に気づいているといっても過言ではない。嘘だとわかっていたとしても、目の前の子供がパトリシア嬢だと気づいていない限りは笑う、という行動はあまりにもおかしいものだ。)」 ソフィア:「(…軍人ってことをパトリシアちゃんが明かした。でも口で言うほどの動揺は見えない。) ロビン:「(まるで知っていたかのようだ。ん…?)」 ソフィア:「(まって、この話の流れはおかしい…!)」 ロビン:「(ブラフであることが分かっているとはいえ装飾品売りであると明言していたはずなのに、戦争をするかどうかの話より、『戦略』の方に関心を置いた?)」 ソフィア:「(これはまさか…)」 ロビン:「(間違いない、こいつは東の人間。そして素性はわからないが諜報員である可能性が高い。)」 ソフィア:「(これは私も準備しとかないと。)」 ロビン:「(近いうちに戦争が起こるぞ…!)」 ソフィア:「…うん、これで発注しちゃうけどだいじょうぶ?」 ロビン:「あ、ああ。まかせてもいいか?っと、お会計か。すまん、呼ばれたから先に席に戻っておいてくれ。また話にいく。」 ソフィア:「わかった。先に席に戻っておくね。」 :(間) リズ:「聞いた感じだと、レヴァンティン帝国が戦争を吹っ掛けてくるの待ち、って感じに聞こえるけれど。戦争が起こるのは確実なの?」 フィン:「まあ間違いないだろうな。完全に玉座をお互いに狙ってるってことか。」 リズ:「にしてもあの商人、何者だったのかしら。東の諜報員の可能性が高いんでしょう?」 ロビン:「もしかすると、アレが噂の潜入調査員、グェン=リーファスなのかもしれんぞ。」 フィン:「ありえなくもねえのがまた怖えな。あれほどの猛者、一度手合わせしてもらいたいもんだ。」 リズ:「ほんっとあんたは…」 ロビン:「それよりも、だ。これから戦争が起こりそうだってことを俺らは先に知ったわけだが。」 ソフィア:「早い情報は商人の武器。それにやっと大きな稼ぎ時の予感がする。ジャンジャン作ってジャンジャンうるぞー!そのためにはしっかり準備しなきゃ。」 ロビン:「やれやれ、これからここも騒がしくなりそうだなぁ。」 フィン:「…ああ、そうだ。面白そうだから賭けでもしねえか?」 リズ:「…一応聞くけど、何について賭けるの?」 フィン:「そんなん決まってんだろ?この戦争、どっちが勝つかだよ!」 ソフィア:「面白い。乗った。」 リズ:「ハァ、まったくあんたらはそういうことすぐするんだから。私は乗らないわよ。」 フィン:「なに?怖いの?賭けに負けるのが?」 ロビン:「お前リズがそんな安い挑発に乗るわけが。」 リズ:「いい度胸じゃない。そんなに言うならいいわ。乗ってあげるわよその賭けに!」 ロビン:「リズ:…お前もいい大人なんだからこんな挑発に乗るな…。仕方ねえ。賭けをするなら俺も乗ろう。負けた方が勝った方の飲み代を全額負担。それでいいな?」 ソフィア:「当然。私は東国が勝つに賭ける。私の商会の武器をふんだんに卸して買ってもらうのが一番。」 フィン:「おれも東国だな!今回も勇志兵の募集があるはずだ!東国側で参戦して戦争に勝たせちまえばいいんだよ!」 リズ:「私は西国に賭けるわ。医療を公共の物にするにはこっちの方がいいはずだもの。」 ロビン:「ふむ、正直なところ迷っているのだが…西国だな。俺は先代の王を知っているが、今の女王はそれ以上の逸材だろうよ。贔屓目かもしれないがな。」 フィン:「よっしゃ決まりだな!それじゃあ戦争が終わって二日後にここで!」 リズ:「あんまり無理しちゃだめよフィン。ソフィーも、きちんと体調管理しなさいな。」 ソフィア:「当たり前。商人は体を壊さないような仕事ができて一人前なのだ!」 ロビン:「さあてと、近いうちにうちの掲示板にも兵隊の募集が張り出されるかな。酒に食材に空き部屋の掃除もしとかなきゃな。ああ、リズ。この戦争の間はほかの国への移動が難しいだろう。治療所としてうちの部屋を使うといい。」 リズ:「ありがたく使わせてもらうわ。それにしても、今後はけがの治療が多くなるわね。ソフィー、包帯の在庫を買いたいわ。」 フィン:「あ!ソフィー俺も救急セットと酒!干し肉もいいな!あ、近くの娼館も教えてくれ。」 ソフィア:「お任せあれ!ソフィアの商会に用意できないものなどあんまりないのだ!」 ロビン:「騒ぐのは良いがほどほどにしとけよ!俺は仕込みがあるから厨房に引っ込むからな!」 フィン:「わかってるって!…なあ、マスターなんか暗い顔してなかったか?」 ソフィア:「私も思った。戦争って話が出てから心なしか沈んでるように見える。」 リズ:「きっと、何かあるのよ。昔あった戦争がきっかけで冒険者を退いたみたいだし。」 フィン:「フーン。そうなのか…」 :(間) ロビン:「…この戦争がこの大陸の一つの節目になるだろう。とにかく、たくさんの戦士の命が失われるのは目に見えている。そこにはシャルロットのお嬢ちゃんも、あの赤毛のクソガキも入るかもしれないんだ。あの時みたいに…いや。これ以上はやめておこう。こんな年になると感傷に浸っちまっていけねえや。…にしてもこの戦争、いったいどちらが勝つんだろうな。」

フィン:「マスター!お酒お替り!飯も!」 ロビン:「あいよ。少し待ってな。」 リズ:「はいはい飲みすぎないようにね。まああんたのことだから潰れはしないんでしょうけど。」 ソフィア:「本当よく飲むこと。見てて気持ちイイねぇ。うちの酒もよく買ってくれるし。」 フィン:「ソフィーには感謝してるぜ?酒や食材を安く卸してくれて助かる。」 ソフィア:「そりゃああんたが派手にお金を使ってくれるからね。サービスよ。」 リズ:「確かに。いつ見てもフィンは豪遊してるわよね」。 フィン:「そりゃあそうだ。冒険者登録してる傭兵なんて、仕事は危険なもんばかりなんでな。割も中々いい仕事が揃ってる。でも、いつ死ぬかわかんねえんだ。遊んどかねえと。」 ロビン:「今回の仕事はそんな危険なものだったか?そうは思わなかったが。」 フィン:「護衛中に熊が出たんだよ熊が。あとは盗賊な。」 ロビン:「そりゃあ大変だ。お前に出くわすとはその熊も盗賊もご愁傷さまなことで。」 フィン:「まあでも、地方の領主とのコネもできたし万々歳だな。」 ロビン:「それは上々。依頼の報酬にゃ書かねえが、人とのつながりってのも立派な得だ。」 リズ:「そういえば私たちも依頼中にたまたま出会ったわね…それにしても、いいの?大商会の長がこんなとこで私たちと飲んでて。」 ソフィア:「大きな仕事が終わってすぐだから大丈夫!他の大陸の武器とかの研究はまだ残ってるけど、二人はまあお得意様だし?いろいろ命助けてもらってるしね。友人に立場も何もないでしょ。」 リズ:「薬の材料なんかも融通してくれたし、助かるわぁ。」 ソフィア:「日頃のお礼。いつもお世話になってまーすっていう。」 ロビン:「あいよお待ちどうさん、酒のお替りと飯の追加だ。たんと食えよ。」 フィン:「マスターも飲まねえか?少しくらいは良いだろ。」 ロビン:「ってわけにもいかねえんだ。この後にはお転婆娘が来る予定でな。」 リズ:「お転婆娘?予約でも入ってるの?」 フィン:「お転婆娘…ああ、パトリシア嬢のことか。」 ソフィア:「ああ、この国の近衛隊長さん?そんな大物ここに来るの?」 ロビン:「お忍びでな。えらくこの店を気に入ってくれてな。」 リズ:「あの子もお忍びのつもりなんでしょうけど、いかんせんバレバレなのよねぇ。」 ソフィア:「そりゃあ、あの子に変装なんて器用な真似できるわけないでしょ。」 フィン:「あんただいぶひどいこと言ってる自覚あるか?」 ソフィア:「そりゃあ装飾品も、化粧品も売ってるのに見向きもしないし、唯一興味がある武器の類はお抱え鍛冶師かなんかがいるみたいで買ってくれないし?あの子から何か買っていってくれたことないから。色気より食い気で、訓練に明け暮れる化粧もあんまりしない女の子よ?変装なんてできるわけないわ。」 リズ:「すがすがしいくらいに私怨じゃない。」 ソフィア:「金を持っててもお客じゃないなら敬う価値はないと思うけど。」 ロビン:「まあ、そういってやるな。武器に関しては仕方のないことだろう。昔から続いてるお抱えの鍛冶師の血筋があるっていうんだから。まあ頭が固いとは思うが、それだけ技術を秘匿したい気持ちもわからなくはないんだろう?」 ソフィア:「まあ、それはそうだけど…」 フィン:「しっかしそのためかなんか知らないけどさ。妙に奇妙な戦い方だよな。マスターも使ってたハンドガンバヨネットをここの女王様も使うんだろ?パトリシア嬢も大剣、軍師様もサーベルもって前線に上ってくる。そして陣形が何種類もあって乱れないと来た。とても正気とは思えん。」 ソフィア:「ハンドガンバヨネットは癖が強くて扱いにくいし、ある意味開発失敗した武器に数えられるくらいには使う人を選ぶから。あの小柄な体形で大剣なんか使う近衛隊長もイカれてるね。軍師様も戦場に出て生き残るくらいの強さ。そして全体的に練度が高い。どんな鍛え方してんだか。」 リズ:「それだけの練度だからこそ戦場に出る時の余裕があるってことね。しかも、交渉や政で国をかえ、軍門に下らせることもある。ある意味戦争ばかりじゃない、西国の万能さを表すこれ以上ない証明にもなるわ。実力で王座に就いた女王の実力を買うべきよ。」 ロビン:「だがしかし逆に言えばどこか突出した部分がないともいえる。戦争では、一つの可能性を極めて突破するというのが一番侮れない。万能というのは必ずしも強いわけではない。リスクは少なくとも一点突破に弱いというのもまた確かなことだ。」 ソフィア:「そう思うと東国は戦争に関して比類なき強さを誇っているからねー。なんせこれまで統合した国全部武力での鎮圧だったんだから。圧倒的なまでの暴力。それが東国って感じ。一つを極めているっていう意味では東国はすごい。」 フィン:「あの皇帝の陣形っていうのは、弱点が分かっていても崩せない。それほど何代にもわたって磨き上げられた陣形っていうのは伊達じゃないってことだ。あの皇帝の戦闘狂ぶりもさながら、向こうには血気盛んな奴らがわんさかいる。あの国は楽しいぜぇ。俺も傭兵として戦争に参加したがあれほど熱気のある戦争をするのは東国くらいなもんだ。」 ロビン:「だがしかし弱点が割れているっていうのは痛い所ではあるな。まずあの皇帝には敵対したら最後、戦争以外の選択肢はなくなる。暴力による圧倒的な搾取だ。比類なき力で反抗の気さえ起こさぬよう一方的に虐殺する。本当危険な国だ。」 ソフィア:「でも皇帝としてのカリスマは本物。民衆に親しく思われてる皇帝ね。身分も気にせず一般家庭に上がり込んでは、料理を馳走になったり、子供たちと遊んだりしている、なんて東国では有名な話よ。」 ロビン:「それを言うなら西国もベクトルは違うが王としてのカリスマはすごいだろう。王となった際、堕落し汚職にまみれた貴族たちを徹底的に断罪し、内政を整理し、その政権を確立した。王になってすぐにそこまでできるのはまあいないぞ」 リズ:「まあどちらにせよ今は緊迫状態。平和じゃないのよね。いやになるわ。」 フィン:「平和なんてつまんねえもんだろ。物足りなくてうんざりするね。」 リズ:「あら、平和なのはいいことよ。誰も苦しまないで済む。」 ソフィア:「苦しんでる人間がいないと商売にならないリズが言うの?」 リズ:「あんたねぇ…」 ロビン:「ケンカはやめろ。ここはあくまで中立地帯。酒と飯を楽しむ場所だ。」 フィン:「そうだそうだー!」 ロビン:「おまえもだフィン。煽るんじゃない。気持ちはわからなくもないが。」 フィン:「いや悪い。ついこの手の話題になると盛り上がっちまってな。」 ソフィア:「もうこの大陸は運河を隔てて二国に分かれてるといっても過言じゃない状況だしね。」 リズ:「東国レヴァンティンと西国エーベルヴァインの対立する二強ね。」 フィン:「この均衡が破られる日も遠くはないってか。」 リズ:「否定はできないわ。まったく、平和に解決できないのかしら。」 ソフィア:「うちは商売になるから戦争は願ったり叶ったりだけどね。」 フィン:「同感だな。まあ血気盛んな東国の皇帝様が戦争を吹っ掛けないわけもないだろう。」 ロビン:「一理あるな。っと、噂をすれば、だな。渦中の人が来たようだ。」 リズ:「パトリシアちゃん、今日も小さくてかわいいわねぇ。」 ソフィア:「あの体のどこにあんな酒や食べ物が入るんだか。そのくらいうちでも買っていってくれればいいのに。」 ロビン:「うちの食材は大体ソフィアのとこから仕入れてるんだから大差ないだろ。」 ソフィア:「そんなことないわよ。ここでお金を落としてうちの店でも落とせばもっともうけが出るじゃない。そういうモノなの。」 フィン:「っつってもまあ見れば見るほど下手な変装なことだ。ありゃ隠す気があるのかって思うレベルだぞ。もはや逆にみんなが気を使って話しかけてないじゃねえか。」 リズ:「周りの温かい目が見えるわね…ある意味看板娘みたいじゃない。」 ロビン:「さて、俺はお忍びで来てるお嬢様のために料理をしこたま作らないとな。」 ソフィア:「あーファイトだよマスター。いっぱい作っていっぱい仕入れて頂戴な。」 ロビン:「今後ともよろしく頼むよ。さあて行ってきますかね。」 リズ:「はーい行ってらっしゃい。…それにしてもあの子。相当な鍛え方ね。」 フィン:「ああ、俺もそう思う。並外れた努力をしてもあれだけの身体になるのは難しいだろうよ。」 ソフィア:「あ、やっぱり二人はわかるんだそういうの。」 フィン:「まあ職業柄な。そういうのも機敏に感じないと死に直結するんだよ。力量は相手の身体から、言動から、体捌きから、情報をかき集めておかないとな。」 リズ:「私は簡単。どれだけ多くの兵士を治療してきたと思ってるの。もう8年流れで医者をやってるのよ。その間に人を見る目はついたわ。それで、気になるのが…」 ソフィア:「後ろの商人風の男、でしょう?」 フィン:「ああ、冒険者と二重登録してある商人、って感じだが、明らかに様子がおかしいな。」 リズ:「ソフィー、心当たりは?」 ソフィア:「見た感じは東国の方面の商人みたい。服装の系統で見た感じだとギルベックの方面、装飾品の流行を追ってる商人に見えるけど。あれだけいい服着てるんだ。それなりの上役が動いているはず。」 フィン:「その言い草だとお前は見たことない顔らしいな。結構珍しいんじゃないか。」 ソフィア:「私が人の顔を忘れるなんてありえない。最近任命された上役かもしれないけど、違和感が。」 リズ:「…あれ、変装かも。骨格と肉の付き方、身長が少しおかしいわ。ぱっと見はわからなかったけど、前から見た筋肉量と後ろから見た筋肉量がほんの少し誤差がある。」 フィン:「…俺にゃ全くわからんな。何かを探してるみたいだが。」 ソフィア:「…ああ!そうだ。あの男のどこにも商会の名前や意匠がないんだ!そんな単純なミス犯すような商人があんないい服着るわけがない!」 フィン:「体捌きも商人のそれじゃねえ。…視線が止まった。アイツが注目を向けてる先は…」 リズ:「パトリシアちゃん、ってわけ。ますますきな臭くなるじゃない。」 ソフィア:「あ、話しかけに行った。…なんか気にならない?」 フィン:「そりゃあもちろん。」 リズ:「気になるわ。」 ソフィア:「私行ってくる。マスターと話せば何とかなると思う。」 :(間) ロビン:「で、ここに来たってわけか。まあいいけどよ。仕入れの話をしながら聴けるか?」 ソフィア:「よゆー。私は大商人様だからね。」 ロビン:「そりゃ結構なことで。んじゃあ始めるぞ。まずは~」 ソフィア:「(生業でこの街に来たばかり…にしては随分と淀みなくパトリシアの方に向かっていった。)」 ロビン:「(かわいい女の子、という縛りであるならうちの給仕なんかの方が近かったはず。でもこの商人はあえてパトリシアに向かっていったってことだ。もし商人なら、近衛隊長についてはともかく、この国の女王について詳しく知らないっていうのはなかなか厳しいものがある。)」 ソフィア:「(最初に話した内容でこの大陸の商人であるのは明らか。ということは商人という肩書はあくまで話を聞くためのブラフってところかな。)」 ロビン:「(あの子の食べ方を見てもご馳走するからといえる財力で商人じゃないとすれば、後ろに相当大きい組織が動いてる。それこそ国単位で動いていてもおかしくはないか。)」 ソフィア:「(…今笑った?明らかに笑ってるのはおかしい。)」 ロビン:「(笑っているってことはパトリシア嬢の言っている嘘に気づいているといっても過言ではない。嘘だとわかっていたとしても、目の前の子供がパトリシア嬢だと気づいていない限りは笑う、という行動はあまりにもおかしいものだ。)」 ソフィア:「(…軍人ってことをパトリシアちゃんが明かした。でも口で言うほどの動揺は見えない。) ロビン:「(まるで知っていたかのようだ。ん…?)」 ソフィア:「(まって、この話の流れはおかしい…!)」 ロビン:「(ブラフであることが分かっているとはいえ装飾品売りであると明言していたはずなのに、戦争をするかどうかの話より、『戦略』の方に関心を置いた?)」 ソフィア:「(これはまさか…)」 ロビン:「(間違いない、こいつは東の人間。そして素性はわからないが諜報員である可能性が高い。)」 ソフィア:「(これは私も準備しとかないと。)」 ロビン:「(近いうちに戦争が起こるぞ…!)」 ソフィア:「…うん、これで発注しちゃうけどだいじょうぶ?」 ロビン:「あ、ああ。まかせてもいいか?っと、お会計か。すまん、呼ばれたから先に席に戻っておいてくれ。また話にいく。」 ソフィア:「わかった。先に席に戻っておくね。」 :(間) リズ:「聞いた感じだと、レヴァンティン帝国が戦争を吹っ掛けてくるの待ち、って感じに聞こえるけれど。戦争が起こるのは確実なの?」 フィン:「まあ間違いないだろうな。完全に玉座をお互いに狙ってるってことか。」 リズ:「にしてもあの商人、何者だったのかしら。東の諜報員の可能性が高いんでしょう?」 ロビン:「もしかすると、アレが噂の潜入調査員、グェン=リーファスなのかもしれんぞ。」 フィン:「ありえなくもねえのがまた怖えな。あれほどの猛者、一度手合わせしてもらいたいもんだ。」 リズ:「ほんっとあんたは…」 ロビン:「それよりも、だ。これから戦争が起こりそうだってことを俺らは先に知ったわけだが。」 ソフィア:「早い情報は商人の武器。それにやっと大きな稼ぎ時の予感がする。ジャンジャン作ってジャンジャンうるぞー!そのためにはしっかり準備しなきゃ。」 ロビン:「やれやれ、これからここも騒がしくなりそうだなぁ。」 フィン:「…ああ、そうだ。面白そうだから賭けでもしねえか?」 リズ:「…一応聞くけど、何について賭けるの?」 フィン:「そんなん決まってんだろ?この戦争、どっちが勝つかだよ!」 ソフィア:「面白い。乗った。」 リズ:「ハァ、まったくあんたらはそういうことすぐするんだから。私は乗らないわよ。」 フィン:「なに?怖いの?賭けに負けるのが?」 ロビン:「お前リズがそんな安い挑発に乗るわけが。」 リズ:「いい度胸じゃない。そんなに言うならいいわ。乗ってあげるわよその賭けに!」 ロビン:「リズ:…お前もいい大人なんだからこんな挑発に乗るな…。仕方ねえ。賭けをするなら俺も乗ろう。負けた方が勝った方の飲み代を全額負担。それでいいな?」 ソフィア:「当然。私は東国が勝つに賭ける。私の商会の武器をふんだんに卸して買ってもらうのが一番。」 フィン:「おれも東国だな!今回も勇志兵の募集があるはずだ!東国側で参戦して戦争に勝たせちまえばいいんだよ!」 リズ:「私は西国に賭けるわ。医療を公共の物にするにはこっちの方がいいはずだもの。」 ロビン:「ふむ、正直なところ迷っているのだが…西国だな。俺は先代の王を知っているが、今の女王はそれ以上の逸材だろうよ。贔屓目かもしれないがな。」 フィン:「よっしゃ決まりだな!それじゃあ戦争が終わって二日後にここで!」 リズ:「あんまり無理しちゃだめよフィン。ソフィーも、きちんと体調管理しなさいな。」 ソフィア:「当たり前。商人は体を壊さないような仕事ができて一人前なのだ!」 ロビン:「さあてと、近いうちにうちの掲示板にも兵隊の募集が張り出されるかな。酒に食材に空き部屋の掃除もしとかなきゃな。ああ、リズ。この戦争の間はほかの国への移動が難しいだろう。治療所としてうちの部屋を使うといい。」 リズ:「ありがたく使わせてもらうわ。それにしても、今後はけがの治療が多くなるわね。ソフィー、包帯の在庫を買いたいわ。」 フィン:「あ!ソフィー俺も救急セットと酒!干し肉もいいな!あ、近くの娼館も教えてくれ。」 ソフィア:「お任せあれ!ソフィアの商会に用意できないものなどあんまりないのだ!」 ロビン:「騒ぐのは良いがほどほどにしとけよ!俺は仕込みがあるから厨房に引っ込むからな!」 フィン:「わかってるって!…なあ、マスターなんか暗い顔してなかったか?」 ソフィア:「私も思った。戦争って話が出てから心なしか沈んでるように見える。」 リズ:「きっと、何かあるのよ。昔あった戦争がきっかけで冒険者を退いたみたいだし。」 フィン:「フーン。そうなのか…」 :(間) ロビン:「…この戦争がこの大陸の一つの節目になるだろう。とにかく、たくさんの戦士の命が失われるのは目に見えている。そこにはシャルロットのお嬢ちゃんも、あの赤毛のクソガキも入るかもしれないんだ。あの時みたいに…いや。これ以上はやめておこう。こんな年になると感傷に浸っちまっていけねえや。…にしてもこの戦争、いったいどちらが勝つんだろうな。」