台本概要
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タイトル | 地球の終わりは君のとなりで |
---|---|
作者名 | そらいろ (@sorairo_0801) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 台本説明欄参照 |
説明 |
『最後の日に私の隣にいるのが君だなんて、考えてもなかったよ』 ・台本をご利用の際は、作品名、作者名、URLを記載して頂けると嬉しいです 571 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
秀 | 男 | 73 | 葵の幼馴染 |
葵 | 女 | 74 | 秀の幼馴染 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
葵:はぁぁ
秀:どーしたんだよ。そんな大きなため息ついて
葵:いやぁ。まさか自分が生きてる間に、こんな日が来るなんて思わなくてさ
秀:そうだな
葵:地球滅亡なんて、漫画や映画の中の世界だけだと思ってた
秀:俺も
葵:小さい頃さ、明日世界が滅ぶとしたら何したい、とかよく話したじゃない?
秀:話したな
葵:いろいろ想像はしたけどさ。少なくとも、最後の日に私の隣にいるのが秀だなんて、考えてもなかった
秀:俺もだよ。本当なら可愛い彼女と一緒にイチャイチャしながら最後を迎えるはずでした
葵:悪かったわね。隣にいるのが可愛い彼女じゃなく、冴えないただの幼馴染で
秀:冗談だって。拗ねるなよ
葵:拗ねてません
秀:ほれ、キャラメルやるから
葵:いらない
秀:葵、好きだったろ。どこ行くにもいつも持ち歩いててさ
葵:それは昔の話ですー!
秀:そーですか。じゃあ、いらないんだな
葵:…1個…ちょうだい
秀:最初から素直になればいいのに
葵:うるさい!
秀:へいへい
0:
葵:もう明日が来ないなんて…夢みたいだね
秀:夢だったらよかったんだけどな
葵:…。
秀:俺さ、地球が一週間後に消滅するってニュースで発表されて。残された時間を有意義に過ごしましょうって学校も休みになって。それからずっと考えてたんだよ。残された時間、何しようかなって
葵:うん
秀:でも結局、なんも思い浮かばなかった。 バイトもなくなっちまったし。夢中になれる趣味とかも、特になかったからさ
葵:私も。今まで頑張ってきた資格の勉強も、受験勉強も、もうする必要なくなっちゃったし。逆に何をすればいいのか分からなくなっちゃった
秀:だよな。じゃあ友達と過ごすかってなっても、最後の日に一緒に過ごしたいと思えるような友達もいなくて
葵:へー意外。秀は私と違って友達沢山いたじゃない
秀:葵よりは確かにいたけどさ
葵:ちょっとは否定しなさいよ
秀:事実だから
葵:最低
秀:まぁ。数が多ければいいってもんじゃないってことだよ
葵:…そっか
秀:そうそう
葵:…ていうか、そもそもなんで私のところに連絡してきたのよ
秀:ん?それは…葵の顔が浮かんだんだよ
葵:なんで?
秀:…さぁな
葵:ふーん
秀:葵はさ、何してたんだ?
葵:私は、部屋でストーリー見てたの。友達の
秀:おぉ
葵:「#最後まで一緒」っていうハッシュタグがついた写真とか、動画がたくさん投稿されててさ
秀:へぇ。JKって感じだな
葵:クラスでもよく一緒にいる友達だったけど
秀:けど?
葵:私も、最後の日まで、その輪の中にいたいとは思えなかった
秀:そうか
葵:…うん。それで秀の顔がパッと思い浮かんだときに電話が来た
秀:さすが俺。ナイスタイミングだったな
葵:うん。本当にナイスタイミングだった
秀:…って、葵こそ。何で俺の顔が浮かんだんだ?
葵:うーん。なんでだろう。自分でもよくわからない。でも会いたいって思った
秀:はは。俺たち、別に普段そんなに一緒にいるわけでもなかったのにな
葵:ふふ。ほんとにね。変なの
0:
秀:はい。オレンジジュース
葵:ありがとう
秀:んじゃ。地球最後の日に乾杯
葵:乾杯
0:
葵:なんか静かだね
秀:だな。みんな家で、家族や友達と最後の時間を楽しんでるんだろうよ
葵:秀はいいの?最後、家族と過ごさなくて
秀:俺は、家を出てくる前に、ちゃんと親と話したから。葵に会いに行くことも伝えてある
葵:そっか
秀:葵こそ、…ここにいていいのか?母ちゃん、家にいるんだろ
葵:いーの。お兄ちゃんが側にいるみたいだし。それに…お母さんはお兄ちゃんさえいれば満足だと思うから
秀:…そうか
葵:お母さんの目にはさ、いつも優秀なお兄ちゃんしか映ってなかった。だから、少しでもお母さんに認めてもらいたくて 。愛してほしくてさ…私なりに毎日必死に頑張ってきた。…それなのに…地球がなくなっちゃうんだもん。…バカだよね、私
秀:…。
葵:こんな日が来るなら、もっと自分のために生きればよかった
秀:…葵
葵:だからね、せめて最後くらいは自分の気持ちに素直にならなきゃって思って、家を飛び出してきたの
秀:…え
葵:私が最後に一緒に過ごしたいと思ったのは、お母さんでもお兄ちゃんでもなく、秀だった。だからね、こうして会いに来たの
秀:…後悔してないか?
葵:うん。後悔なんてしてない
秀:そっか。そういうところ、葵らしいよ
葵:私らしい…?
秀:あぁ
0:【間】
葵:…ふふ。そっか。わかった
秀:なにが?
葵:私が秀に会いたいと思った理由
秀:…
葵:それはね、秀の隣がきっと、私が一番自分らしくいられる場所だからだと思う
秀:自分らしく?
葵:うん。秀といるとさ、不思議と自分に素直になれるの
秀:…
葵:皆から求められる、「いい子の私」でいるために、家でも、学校でも、辛いのに笑っている自分が、みんなにいい顔している自分が大っ嫌いだった
秀:…
葵:だけど…秀といるとね。そんなこと気にしないで、ありのままの自分でいられたの。だから…秀と一緒にいるときの自分は好きだった
秀:葵…
葵:最後はそんな自分で死にたい。だから秀に会いたいって思ったんだと思う。ごめんね…自分勝手な理由で
秀:俺もだ
葵:え?
秀:葵の話聞いてさ、俺も同じこと考えてた
葵:…同じこと?
秀:あぁ。上手く言葉で言えないけど。葵といると、俺、こんな一面あったんだって…気づかされることがよくあってさ。たぶんそれは、葵の前では気を張らずに…素の自分でいられてるってことだろ。だから最後は、そんな葵と一緒にいたいと思った
葵:…秀
秀:だから、ありがとう。来てくれて
葵:うん。私も、最後に…大切なことに気づけて良かった
0:
秀:そろそろ時間だな
葵:そっか。もうそんな時間なんだね
秀:…。
葵:ねぇ
秀:ん?
葵:やっぱり死ぬ瞬間って痛いかな
秀:きっと一瞬だよ。気づいたら2人ともあの世だ
葵:天国…行けるかな
秀:葵は絶対いけるだろ。俺は…微妙だけど
葵:…だね
秀:おい。そこは思ってなくても「秀も天国いけるよっ」とか言えよ
葵:ふふ。安心して。もし地獄に行きそうになってたら、私がちゃんと引っ張り上げてあげる
秀:お、おう。じゃあ、頼んだ
葵:ふふ。任せてください。でも…一瞬だとしても…やっぱり死ぬのは怖いなぁ
秀:…。
0:秀。葵を抱きしめる
葵:っっ!!
秀:…ほら。こうしていれば少しは怖くないだろ
葵:…。
秀:こっち見るな
葵:う、うん
秀:…
葵:…秀…心臓バクバクいってるよ
秀:葵。そういうのは分かってても言わないもんなんだ
葵:あ、ご、ごめん
秀:…葵。大丈夫だよ
葵:え?
秀:俺が最後まで側にいるから。葵は一人じゃない
葵:…っ
秀:どうした?
葵:…それって告白?
秀:そんなもん。必要ないだろ
葵:ふふ。そうだね
秀:そうだ葵。これ着けとけ
葵:これ…ヘッドホン
秀:あぁ。音が聞こえなくなるだけでもだいぶ怖さが和らぐだろ
葵:…ありがとう。でもいい
秀:どうして
葵:最後まで。秀の声を聞いてたいから
秀:…そっか。わかった
0:
葵:…っ!?
秀:…っ!?
0:
秀:…おやすみ、葵
葵:…おやすみ。秀。またね
葵:はぁぁ
秀:どーしたんだよ。そんな大きなため息ついて
葵:いやぁ。まさか自分が生きてる間に、こんな日が来るなんて思わなくてさ
秀:そうだな
葵:地球滅亡なんて、漫画や映画の中の世界だけだと思ってた
秀:俺も
葵:小さい頃さ、明日世界が滅ぶとしたら何したい、とかよく話したじゃない?
秀:話したな
葵:いろいろ想像はしたけどさ。少なくとも、最後の日に私の隣にいるのが秀だなんて、考えてもなかった
秀:俺もだよ。本当なら可愛い彼女と一緒にイチャイチャしながら最後を迎えるはずでした
葵:悪かったわね。隣にいるのが可愛い彼女じゃなく、冴えないただの幼馴染で
秀:冗談だって。拗ねるなよ
葵:拗ねてません
秀:ほれ、キャラメルやるから
葵:いらない
秀:葵、好きだったろ。どこ行くにもいつも持ち歩いててさ
葵:それは昔の話ですー!
秀:そーですか。じゃあ、いらないんだな
葵:…1個…ちょうだい
秀:最初から素直になればいいのに
葵:うるさい!
秀:へいへい
0:
葵:もう明日が来ないなんて…夢みたいだね
秀:夢だったらよかったんだけどな
葵:…。
秀:俺さ、地球が一週間後に消滅するってニュースで発表されて。残された時間を有意義に過ごしましょうって学校も休みになって。それからずっと考えてたんだよ。残された時間、何しようかなって
葵:うん
秀:でも結局、なんも思い浮かばなかった。 バイトもなくなっちまったし。夢中になれる趣味とかも、特になかったからさ
葵:私も。今まで頑張ってきた資格の勉強も、受験勉強も、もうする必要なくなっちゃったし。逆に何をすればいいのか分からなくなっちゃった
秀:だよな。じゃあ友達と過ごすかってなっても、最後の日に一緒に過ごしたいと思えるような友達もいなくて
葵:へー意外。秀は私と違って友達沢山いたじゃない
秀:葵よりは確かにいたけどさ
葵:ちょっとは否定しなさいよ
秀:事実だから
葵:最低
秀:まぁ。数が多ければいいってもんじゃないってことだよ
葵:…そっか
秀:そうそう
葵:…ていうか、そもそもなんで私のところに連絡してきたのよ
秀:ん?それは…葵の顔が浮かんだんだよ
葵:なんで?
秀:…さぁな
葵:ふーん
秀:葵はさ、何してたんだ?
葵:私は、部屋でストーリー見てたの。友達の
秀:おぉ
葵:「#最後まで一緒」っていうハッシュタグがついた写真とか、動画がたくさん投稿されててさ
秀:へぇ。JKって感じだな
葵:クラスでもよく一緒にいる友達だったけど
秀:けど?
葵:私も、最後の日まで、その輪の中にいたいとは思えなかった
秀:そうか
葵:…うん。それで秀の顔がパッと思い浮かんだときに電話が来た
秀:さすが俺。ナイスタイミングだったな
葵:うん。本当にナイスタイミングだった
秀:…って、葵こそ。何で俺の顔が浮かんだんだ?
葵:うーん。なんでだろう。自分でもよくわからない。でも会いたいって思った
秀:はは。俺たち、別に普段そんなに一緒にいるわけでもなかったのにな
葵:ふふ。ほんとにね。変なの
0:
秀:はい。オレンジジュース
葵:ありがとう
秀:んじゃ。地球最後の日に乾杯
葵:乾杯
0:
葵:なんか静かだね
秀:だな。みんな家で、家族や友達と最後の時間を楽しんでるんだろうよ
葵:秀はいいの?最後、家族と過ごさなくて
秀:俺は、家を出てくる前に、ちゃんと親と話したから。葵に会いに行くことも伝えてある
葵:そっか
秀:葵こそ、…ここにいていいのか?母ちゃん、家にいるんだろ
葵:いーの。お兄ちゃんが側にいるみたいだし。それに…お母さんはお兄ちゃんさえいれば満足だと思うから
秀:…そうか
葵:お母さんの目にはさ、いつも優秀なお兄ちゃんしか映ってなかった。だから、少しでもお母さんに認めてもらいたくて 。愛してほしくてさ…私なりに毎日必死に頑張ってきた。…それなのに…地球がなくなっちゃうんだもん。…バカだよね、私
秀:…。
葵:こんな日が来るなら、もっと自分のために生きればよかった
秀:…葵
葵:だからね、せめて最後くらいは自分の気持ちに素直にならなきゃって思って、家を飛び出してきたの
秀:…え
葵:私が最後に一緒に過ごしたいと思ったのは、お母さんでもお兄ちゃんでもなく、秀だった。だからね、こうして会いに来たの
秀:…後悔してないか?
葵:うん。後悔なんてしてない
秀:そっか。そういうところ、葵らしいよ
葵:私らしい…?
秀:あぁ
0:【間】
葵:…ふふ。そっか。わかった
秀:なにが?
葵:私が秀に会いたいと思った理由
秀:…
葵:それはね、秀の隣がきっと、私が一番自分らしくいられる場所だからだと思う
秀:自分らしく?
葵:うん。秀といるとさ、不思議と自分に素直になれるの
秀:…
葵:皆から求められる、「いい子の私」でいるために、家でも、学校でも、辛いのに笑っている自分が、みんなにいい顔している自分が大っ嫌いだった
秀:…
葵:だけど…秀といるとね。そんなこと気にしないで、ありのままの自分でいられたの。だから…秀と一緒にいるときの自分は好きだった
秀:葵…
葵:最後はそんな自分で死にたい。だから秀に会いたいって思ったんだと思う。ごめんね…自分勝手な理由で
秀:俺もだ
葵:え?
秀:葵の話聞いてさ、俺も同じこと考えてた
葵:…同じこと?
秀:あぁ。上手く言葉で言えないけど。葵といると、俺、こんな一面あったんだって…気づかされることがよくあってさ。たぶんそれは、葵の前では気を張らずに…素の自分でいられてるってことだろ。だから最後は、そんな葵と一緒にいたいと思った
葵:…秀
秀:だから、ありがとう。来てくれて
葵:うん。私も、最後に…大切なことに気づけて良かった
0:
秀:そろそろ時間だな
葵:そっか。もうそんな時間なんだね
秀:…。
葵:ねぇ
秀:ん?
葵:やっぱり死ぬ瞬間って痛いかな
秀:きっと一瞬だよ。気づいたら2人ともあの世だ
葵:天国…行けるかな
秀:葵は絶対いけるだろ。俺は…微妙だけど
葵:…だね
秀:おい。そこは思ってなくても「秀も天国いけるよっ」とか言えよ
葵:ふふ。安心して。もし地獄に行きそうになってたら、私がちゃんと引っ張り上げてあげる
秀:お、おう。じゃあ、頼んだ
葵:ふふ。任せてください。でも…一瞬だとしても…やっぱり死ぬのは怖いなぁ
秀:…。
0:秀。葵を抱きしめる
葵:っっ!!
秀:…ほら。こうしていれば少しは怖くないだろ
葵:…。
秀:こっち見るな
葵:う、うん
秀:…
葵:…秀…心臓バクバクいってるよ
秀:葵。そういうのは分かってても言わないもんなんだ
葵:あ、ご、ごめん
秀:…葵。大丈夫だよ
葵:え?
秀:俺が最後まで側にいるから。葵は一人じゃない
葵:…っ
秀:どうした?
葵:…それって告白?
秀:そんなもん。必要ないだろ
葵:ふふ。そうだね
秀:そうだ葵。これ着けとけ
葵:これ…ヘッドホン
秀:あぁ。音が聞こえなくなるだけでもだいぶ怖さが和らぐだろ
葵:…ありがとう。でもいい
秀:どうして
葵:最後まで。秀の声を聞いてたいから
秀:…そっか。わかった
0:
葵:…っ!?
秀:…っ!?
0:
秀:…おやすみ、葵
葵:…おやすみ。秀。またね