台本概要
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タイトル | 夜陰の品性 |
---|---|
作者名 | 桃じー (@ARAKAN59) |
ジャンル | ミステリー |
演者人数 | 3人用台本(女1、不問2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
この作品(台本)はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。 小説家の小夜子は親からの莫大な財産を相続し、執事の神谷と暮らしている。名実共にお嬢様である。小夜子には最近悩みがあった、目が覚めると返り血で自分が汚れている事であった。執事の神谷は慌てず対処してくれる。小夜子は何故そんな事になっているのか記憶が無く、理由も解らない·····。 ちよっと過激な暴力描写がありますので、苦手な方は注意してください! 田辺役の方は絶叫するシーンがあります。まぁ絶叫しなくとも、上手く演じて貰えればそれはそれで良いのかもしれませんね。 世界観が崩れるようなアドリブはやめてね!泣いちゃうぞ! 855 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
小夜子 | 女 | 120 | 小説家で令嬢の小夜子。ヒットシリーズの宵闇月子の怪異探偵シリーズ作者。気が小さく、自分を出す事があまり得意では無い、執事の神谷に全幅の信頼を置いている。 |
神谷 | 不問 | 57 | 小夜子に使える執事。常に冷静で小夜子をお嬢様と呼び常に彼女の為に生き彼女の為に死ねる。執事でもメイドでも |
田辺 | 不問 | 71 | 小夜子の編集者、編集としては2代目であり、作品自体はさほど興味なく、作品を売る事に執着しているタイプである。語尾が伸びる癖がある。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
小夜子:深い意識のずっと底で、誰かの怒鳴り声が聞こえる·····怯え、恐怖、怒り、様々な負の感情が私に向けられているのが解る。しかし、それは、夢、なのだろうと私は思う。何故なら·····いつも気がつくとベッドに寝ているから·····元々眠りは深い方では無いけど、この夢を見る時は決まって、深い深い眠りについている。深い深い·····。
0:
小夜子:また·····あの夢·····
0:
小夜子:そして·····この血·····まただわ·····
神谷:お嬢様、失礼致します。
小夜子:あ·····神谷さん、すみません·····その
神谷:おや?またですか?
小夜子:すみません·····起きたら·····
神谷:大丈夫ですよ、お嬢様、さぁ、ご朝食のご準備が出来ております。まずは·····その血を、洗い流されて、綺麗になられてから朝食としましょう。
小夜子:あの·····すみません·····シーツも汚れてしまって
神谷:誰の物が解らない血ですし、寝具は全て夜までに取り替えて起きますので、ご安心ください。
小夜子:あ·····ありがとうございます。あの·····これ
神谷:お嬢様がお気になさる必要はありません。ささ、シャワーを浴びて目を覚ましましょう。
小夜子:はい·····。
0:
小夜子:違う·····勿論汚した事も申し訳ないのだが、誰の血なの·····
0:
神谷:お嬢様、本日、昼食はお約束が御座います。
小夜子:あ·····そうでしたっけ?
神谷:はい、その後は出版社の方がお見えになるそうです。
小夜子:田辺さんね
神谷:はい。
小夜子:夜はなにか予定あったかしら?
神谷:特に·····無いですね
小夜子:そうですか
神谷:はい。
小夜子:神谷さん
神谷:はい。
小夜子:今朝の·····血の件だけど、やはり警察とかに
神谷:お嬢様はお気になさる必要は御座いませんよ。
小夜子:でもっ!
神谷:大丈夫です。
小夜子:あんなに血が⋯私は怪我してないのに⋯
神谷:お嬢様?早くお慣れになってください。
小夜子:慣れません、慣れるわけ無いわ⋯
神谷:大丈夫で御座います。お嬢様、わたくしめが責任を持って処理致しております。
小夜子:処理·····?ありがとうございます⋯
神谷:お嬢様?わたくしは貴方に雇われている身分の者で御座います。礼など必要ありませんよ
小夜子:はい·····すみません。
神谷:さっ、お出かけのご準備を
0:
田辺:先生、お久しぶりですー!
小夜子:田辺さん、お久しぶりです
田辺:新作のプロットお読みしました。
小夜子:どうでしょうか·····?
田辺:そうですねぇー
小夜子:駄目·····ですか?
田辺:えー、うーん。そーですねぇー
小夜子:実は·····今回のは自信が·····ありまして
田辺:そーですよねぇ、けど·····
小夜子:けど·····?
田辺:ちょっと、なぁー、いや!面白いんですよ?面白いんですけどね!こう、斬新な?いや、度肝を抜く?みたいな?
小夜子:ど、度肝です·····か?でも、この宵闇シリーズは心の闇と現実の狭間を·····
田辺:分かってますぅ!けどぉ、前作はちょっと⋯出版部数は落ちてますし、ねぇ?展開がぁ、平坦なんですよねぇー!ここで、こう度肝を抜くような!展開が欲しくてぇ!
小夜子:今は·····まだ、展開を変える時じゃ
田辺:変える時ですって!!いやまぁ!先生の作品ですからね、そこは解りますよぉ?
小夜子:(小声)·····解ってないじゃないですか·····
田辺:え??
小夜子:いえ·····
田辺:もう一度、プロット練りましょーか?まだスケジュールに余裕ありますよねぇ?あれぇ?無かったかな?
小夜子:はい·····
0:ドアをノックする音
神谷:失礼致します。お疲れ様です。
田辺:あぁ!神谷さぁん!お疲れ様です。
神谷:田辺様、そろそろお時間の様ですが、打ち合わせはご延長なさいますか?
田辺:いえいえ!!良い打ち合わせが出来ましたぁ!帰ります。
神谷:左様で御座いますか、では玄関までお見送り致します。
田辺:あー!ありがとうございますぅー!
0:
神谷:田辺様、お帰りになりましたよ、上機嫌で
小夜子:そう·····
神谷:お嬢様は、お疲れの様ですね、大丈夫ですか?なにかお飲み物をお持ちしましょう
小夜子:ありがとう·····ございます。
神谷:あまり、打ち合わせが良いお話ではありませんでしたか?
小夜子:はい·····中々·····解って頂けないですね、
神谷:難しいですね。田辺さんも、より良い作品にしようとしてくれてらっしゃいますものね
小夜子:そうだと、良いのですが·····
神谷:宵闇シリーズはお嬢様にとって、かけがいのない宝物ですものね
小夜子:はい·····言わば、愛する我が子ですから⋯⋯
神谷:本日は予定も御座いませんし、夕食を取られた後はゆっくりとされては宜しいかと
小夜子:いえ·····少しだけ、新作のプロットを⋯一応練ります
神谷:左様で御座いますか?ご無理をなさらずように·····
小夜子:ありがとうございます。神谷さん
0:
小夜子:今日は寝れないだろうな·····。田辺さんの言葉が何度も頭の中で復唱される。展開が無い·····度肝を抜く·····、解ってる。けど、今じゃない·····今じゃないの。けど·····売れなくなってしまい、続きが書けなくなってしまうのは·····もっと辛い·····けど·····田辺さんは作品に対して愛はない·····
0:扉をノックする音
神谷:お嬢様·····紅茶をお持ち致しました。
小夜子:あぁ·····ありがとうございます。神谷さん
神谷:あまり思い詰めにならない様に、神谷は心配ですよ
小夜子:えぇ、大丈夫!今日はもう休みます。
神谷:それが宜しいかと
小夜子:難しいですね·····色々と
神谷:そうですね。わたくし共には解らぬ産みの苦しみ、心中お察し致します。
小夜子:あら?神谷さんも小説を書いてみたらいかが?
神谷:わたくしがですか?昔から文を書くのは苦手、で御座いますもので
小夜子:そう?神谷さんなら、素敵な作品を書けると思うけどな
神谷:ありがとうございます。勿体ないお言葉です。それでは、お嬢様、おやすみなさいませ。
小夜子:おやすみなさい·····
0:
神谷:ふむ·····少々⋯危険ですね
0:
0:別の日
0:
小夜子:あの·····もう一度少し、プロットを練りました。
田辺:ホントですぅ!?いやー!ありがとうございますぅ!では拝見しますねぇ!
小夜子:ここを、こんな感じに
田辺:あーー·····はぁ
小夜子:タカナシ君の台詞に含みを持たせる事により⋯
田辺:んーーーー!タカナシ君ねぇー
小夜子:駄目·····でしょうか?
田辺:あの!先生?確かに!前よりは、展開が大きくなってるとは思います。
小夜子:はい!じゃあ·····(これで進めめ)
田辺:でもこれじゃ!違うなぁー!!!
小夜子:え·····
田辺:これじゃ結局一緒ですよぉ
小夜子:そ⋯それは·····本筋は変えてませんもの
田辺:いーやいやいや!どうです?先生!いっそこのタカナシ君?を殺してみるってのは!?
小夜子:えぇ!!
田辺:彼が死ぬ事で、この物語は大きく変わると思うのですよぉ!読者は裏切られる!!そう!見えるなぁー!見える!驚いた読者の顔がぁ!
小夜子:駄目です!それじゃ!世界観すら大きく変わってしまうわ!
田辺:ちょちょ!先生ぇ!大きな声を出さないでくださいよぉ!(笑)
小夜子:はっ⋯、す、すみません⋯
田辺:変えましょうよ!先生!宵闇シリーズは転換期を迎えたんです!新しいルート!作っちゃいましょー!
小夜子:そ·····それは·····無理です⋯⋯
田辺:えぇーー!?駄目ですか?今でしょっ!⋯⋯あ、古いですか?(笑)
小夜子:(小声)流石に·····無理⋯⋯
田辺:えぇ(笑)??なんです?
小夜子:いえ·····
田辺:いやー!絶対!印象に残りますってぇ!!
小夜子:あの⋯田辺さんは·····この作品を愛してますか?
田辺:はぁ?ええ·····まぁ、そりゃヒットシリーズですからねぇ!
小夜子:そ、そうではなくて·····
田辺:はぁーー!うーーん。中々意見が合わないですねぇー!
小夜子:合う合わないの話では·····
田辺:何故です?別に本当に居る人を殺すってワケではないのですよぉ?
小夜子:なっ·····何を(言ってらっしゃるんです)
田辺:登場人物1人無くすだけじゃないですかぁ?そんなにお気に入りなら、また似たようなキャラクター出せばいいし、もしくは生きかえりましたぁー!とかねぇ!
小夜子:ぁ··········
田辺:あ·····まぁ、ちょっと私ももう少し考えますよ
小夜子:いえ·····
田辺:いえいえいえ!先生ぇ!一緒に良い作品を作り上げましょう!!
0:ドアをノックする音
神谷:失礼致します。田辺様、そろそろお時間ですが·····
田辺:あぁ!神谷さん!今終わりました!ありがとうございます。
神谷:作用で御座いますか·····ではお見送り致します。
0:
神谷:田辺様はお帰りになられました今日も上機嫌で
小夜子:そう·····
神谷:お嬢様·····大丈夫で御座いますか?
小夜子:少し気分が優れないかもしれません·····
神谷:それはいけませんね、先日頂いたケーキでもお持ち致しましょう
小夜子:食欲は無いわ·····
神谷:では暖かい飲み物をお持ちしますね。蜂蜜を沢山入れましょう。
小夜子:ありがとう·····
神谷:少し横になられてください。
小夜子:そうします·····。
神谷:それが宜しいと思います。
小夜子:はぁ⋯⋯⋯
神谷:失礼致します。
0:
神谷:今夜は忙しくなりそうですね⋯⋯
0:
0:深夜
0:
小夜子:··········ふぅ。
0:
0:田辺、仕事の帰り道、人気のない路地
0:
田辺:はぁー、しっかし、頭が硬ぇんだよなー!お嬢様先生は!、飽きられ始めてんだからさー!だからテコ入れしてんのになぁ!まったくー!!
小夜子:たーなべさーん!
田辺:え?
小夜子:たーなーべーさぁーん!
田辺:え?誰?暗いな?
小夜子:たーなーべ
田辺:え?え?え?せん····⋯せぇ?
小夜子:おい田辺
田辺:なっ!!えぇ?先生ぇ?どうしたんです?こんな時間に!?よ、呼び捨て?
小夜子:少しお話があってきたのー!!
田辺:は?はぁ?え?神谷さんは?神谷さんは?居ないんですぅ??1人?あ!先生!酔ってます?
小夜子:ウルセーよ
0:田辺の首元に注射器を刺す、小夜子
田辺:痛っ!はっ?え?注射?なっ?·····あっ·····⋯⋯
0:倒れる田辺
0:
田辺:あっ⋯痛⋯んっ·····んん?
0:椅子に手足固定されている田辺
小夜子:田辺おせーよ!早く起きろよ!
田辺:んあ·····?あ?あっあっ?
小夜子:やっほー!たーなべ
田辺:なっ!!なにこれ!?縛られてる!?ちょっと!!先生ぇ!なんですかぁ?ドッキリっすかぁ?ちょっと!やめてくださいよぉ!
小夜子:お前さぁ、いくら何でも舐めすぎだろ?
田辺:え??なんの事ですかぁ??え??いきなりなんなんですか??
小夜子:アタシの事をだよッッ!!このビチグソがッッ!!
田辺:はっ?ビッッ!?はぁ!?
小夜子:世間知らずのお嬢様だから大声だしてりゃ、黙るとでも思った!?
田辺:そんなぁ!!大声なんて(出してないじゃ·····)
小夜子:出してただろうが!!!こーやって!人の話遮って!!!
0:田辺の髪を引っ張り、釣り上げる小夜子
田辺:いっっ!!髪は!髪は引っ張らないでください!!!
小夜子:舐めてんじゃねぇぞ?
田辺:痛いい!な、舐めてないですよぉ·····先生ぇ·····
小夜子:その語尾伸ばすのも!いちいちいちいち腹が立つんだよ!!!
田辺:そんなぁ·····伸ばしてませんよぉぉぉぉぉ!!
小夜子:無意識かよ!ゴミが!!
田辺:痛い痛い痛い!!そんなに髪引っ張らないでっっ!
0:ブチブチとそのまま髪を引き抜く小夜子
田辺:あぁぁ!!
小夜子:汚ねぇなぁ(笑)
0:手をはたく小夜子
小夜子:でさ?
田辺:はひ?
小夜子:お前言ったな?
田辺:何を·····ですか?
小夜子:言ったよなぁ!!!
田辺:だから何をですか!!
小夜子:タカナシを殺して!話を無茶苦茶にしろって!!!
田辺:言いました!言いましたけど!!ひとつの案じゃないですか!?
小夜子:案?
田辺:ええ!!
小夜子:案じゃねぇよ!!生半可な気持ちで書いてんじゃねんだよ!!アタシわぁぁ!!!
田辺:わわわ解ってます!解ってますってぇ!!
小夜子:解ってねぇーよ!解ってねぇーんだよ!テメーはよッッ
田辺:そんなぁ!!!
小夜子:そんなにキャラクター殺してーなら!やってやるよ!
田辺:は?へ?
0:田辺の右足太ももにナイフを突き立てる小夜子
田辺:アアアアアァ"ァ"ァ"ァ"ァ”·····刺した!!??嘘でしょ!!??
小夜子:ねぇ?痛い?
田辺:痛い!!痛いよ!!何?刺した??痛い!何考えてんだよ!!!アンタ!!
小夜子:やっと!語尾伸ばすの辞めたなぁ!!!
0:田辺の左足太ももにナイフを突き立てる小夜子
田辺:ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
小夜子:いい声じゃない!!!!
田辺:あぁぁ·····なんて事·····訴えてやる!!訴えてやるからな!!両足ぃぃ!!痛い!!
小夜子:テメーまだ助かると思ってんのか!!!バカだねぇ!!
0:田辺の左肩にナイフを突き立てる小夜子
田辺:がァァァァァ!!!やめて!!もうやめてぇえええ
小夜子:終わりだぁ!!!テメーは終わりだァ!!!アハハハ!!アハハハ!!
田辺:んぁあああァ"ァ"ァ"ァ"ァ”·····畜生!!んんん
小夜子:痛いの?ねぇ?痛いの?ねぇーえー!?ターナーべぇ!!!
0:刺したナイフを肩から腕に沿って肘まで切り裂いて行く
田辺:ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!もうやめてください!!!いだぁぁい!!だすげでぇぐだびゃあい!!腕までぇぇえ??熱い熱い熱いぃいい
小夜子:やだ泣いてるぅー!!!
田辺:ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!助けぇでぇええあぁぁぁ
小夜子:次はどこ刺そっかなー?さっきは左の肩だったからさぁー?お腹とかいっちゃうー?切腹、しちゃうー??ねぇ?アハハハハッッ!!
田辺:痛い·····あぁぁあ!お母さあァ"ァ"ァ"ァ"ァ”·····
小夜子:あぁ!リアルだね!イイよ!勉強になるわ!そうなのね!!ナイフで切り裂かれたら!そーなるんだね!
田辺:狂ってる!狂ってぇえええるぅぅ!!イギギギぃぃぃい
小夜子:さあて、仕上げよ田辺!どうなるのかしらね!?
田辺:やめ!やめやめやめやめて!!殺さないでぇ⋯
小夜子:ふんっ!
0:田辺の首元にナイフを突き刺す小夜子
田辺:カッッ·····は·····はぁ·····あっ
小夜子:あらー!!ナイフを首に突き立てられたら、こんな目するんだ!!イイよ!田辺!アンタ!ナイフで刺されたら!こんな声出すんだね!!アタシの作品になりなぁ!!!アハハハハハッッ!!
0:
0:
神谷:お嬢様、もう死んでおります
小夜子:ふぅ·····
神谷:お疲れ様で御座います。
小夜子:あぁ、神谷いつもアリガト
神谷:お嬢様、今日こそ寝る前にシャワーに入られて下さいますよう·····
小夜子:解ってるわ!
神谷:それでは、後の処理と清掃はしておきますので、必ず!シャワーだけでも
小夜子:本当にありがとう!あ!神谷!
神谷:はい
小夜子:ねぇ?今回少し短気過ぎたかしら?
神谷:え?
小夜子:だって、まぁ、確かに、単に案を出してくれただけっちゃ、そうだし·····
神谷:何を仰いますか?タカナシ様を殺せと申したのですよ?それはお嬢様に対して、殺すと言ったのと同じで御座います。死んで当然です。
小夜子:だよね!!やっぱそーだよね!!良かった!
神谷:お嬢様はいつも正しいので御座います。
小夜子:神谷!ありがと!ふぁーあ!眠くなってきちゃったー
神谷:あ!お嬢様!きちんとシャワーは浴びてくださいね!!
小夜子:はぁーい!!
0:
神谷:ふっ·····全く、お嬢様ったら⋯⋯はぁぁぁ(恍惚の表情)今日良いお顔されてたなぁ
0:
0:
0:
小夜子:深い意識のずっと底で、誰かの怒鳴り声が聞こえる·····怯え、恐怖、怒り、様々な負の感情が私に向けられているのが解る。しかし、それは、夢、なのだろうと私は思う。何故なら·····いつも気がつくとベッドに寝ているから·····元々眠りは深い方では無いけど、この夢を見る時は決まって、深い深い眠りについている。深い深い·····。
0:
小夜子:また·····あの夢·····
0:
小夜子:そして·····この血·····まただわ·····
神谷:お嬢様、失礼致します。
小夜子:あ·····神谷さん、すみません·····その
神谷:おや?またですか?
小夜子:すみません·····起きたら·····
神谷:大丈夫ですよ、お嬢様、さぁ、ご朝食のご準備が出来ております。まずはシャワーを浴びて、お身体を綺麗になさってくださいね。
小夜子:深い意識のずっと底で、誰かの怒鳴り声が聞こえる·····怯え、恐怖、怒り、様々な負の感情が私に向けられているのが解る。しかし、それは、夢、なのだろうと私は思う。何故なら·····いつも気がつくとベッドに寝ているから·····元々眠りは深い方では無いけど、この夢を見る時は決まって、深い深い眠りについている。深い深い·····。
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小夜子:また·····あの夢·····
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小夜子:そして·····この血·····まただわ·····
神谷:お嬢様、失礼致します。
小夜子:あ·····神谷さん、すみません·····その
神谷:おや?またですか?
小夜子:すみません·····起きたら·····
神谷:大丈夫ですよ、お嬢様、さぁ、ご朝食のご準備が出来ております。まずは·····その血を、洗い流されて、綺麗になられてから朝食としましょう。
小夜子:あの·····すみません·····シーツも汚れてしまって
神谷:誰の物が解らない血ですし、寝具は全て夜までに取り替えて起きますので、ご安心ください。
小夜子:あ·····ありがとうございます。あの·····これ
神谷:お嬢様がお気になさる必要はありません。ささ、シャワーを浴びて目を覚ましましょう。
小夜子:はい·····。
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小夜子:違う·····勿論汚した事も申し訳ないのだが、誰の血なの·····
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神谷:お嬢様、本日、昼食はお約束が御座います。
小夜子:あ·····そうでしたっけ?
神谷:はい、その後は出版社の方がお見えになるそうです。
小夜子:田辺さんね
神谷:はい。
小夜子:夜はなにか予定あったかしら?
神谷:特に·····無いですね
小夜子:そうですか
神谷:はい。
小夜子:神谷さん
神谷:はい。
小夜子:今朝の·····血の件だけど、やはり警察とかに
神谷:お嬢様はお気になさる必要は御座いませんよ。
小夜子:でもっ!
神谷:大丈夫です。
小夜子:あんなに血が⋯私は怪我してないのに⋯
神谷:お嬢様?早くお慣れになってください。
小夜子:慣れません、慣れるわけ無いわ⋯
神谷:大丈夫で御座います。お嬢様、わたくしめが責任を持って処理致しております。
小夜子:処理·····?ありがとうございます⋯
神谷:お嬢様?わたくしは貴方に雇われている身分の者で御座います。礼など必要ありませんよ
小夜子:はい·····すみません。
神谷:さっ、お出かけのご準備を
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田辺:先生、お久しぶりですー!
小夜子:田辺さん、お久しぶりです
田辺:新作のプロットお読みしました。
小夜子:どうでしょうか·····?
田辺:そうですねぇー
小夜子:駄目·····ですか?
田辺:えー、うーん。そーですねぇー
小夜子:実は·····今回のは自信が·····ありまして
田辺:そーですよねぇ、けど·····
小夜子:けど·····?
田辺:ちょっと、なぁー、いや!面白いんですよ?面白いんですけどね!こう、斬新な?いや、度肝を抜く?みたいな?
小夜子:ど、度肝です·····か?でも、この宵闇シリーズは心の闇と現実の狭間を·····
田辺:分かってますぅ!けどぉ、前作はちょっと⋯出版部数は落ちてますし、ねぇ?展開がぁ、平坦なんですよねぇー!ここで、こう度肝を抜くような!展開が欲しくてぇ!
小夜子:今は·····まだ、展開を変える時じゃ
田辺:変える時ですって!!いやまぁ!先生の作品ですからね、そこは解りますよぉ?
小夜子:(小声)·····解ってないじゃないですか·····
田辺:え??
小夜子:いえ·····
田辺:もう一度、プロット練りましょーか?まだスケジュールに余裕ありますよねぇ?あれぇ?無かったかな?
小夜子:はい·····
0:ドアをノックする音
神谷:失礼致します。お疲れ様です。
田辺:あぁ!神谷さぁん!お疲れ様です。
神谷:田辺様、そろそろお時間の様ですが、打ち合わせはご延長なさいますか?
田辺:いえいえ!!良い打ち合わせが出来ましたぁ!帰ります。
神谷:左様で御座いますか、では玄関までお見送り致します。
田辺:あー!ありがとうございますぅー!
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神谷:田辺様、お帰りになりましたよ、上機嫌で
小夜子:そう·····
神谷:お嬢様は、お疲れの様ですね、大丈夫ですか?なにかお飲み物をお持ちしましょう
小夜子:ありがとう·····ございます。
神谷:あまり、打ち合わせが良いお話ではありませんでしたか?
小夜子:はい·····中々·····解って頂けないですね、
神谷:難しいですね。田辺さんも、より良い作品にしようとしてくれてらっしゃいますものね
小夜子:そうだと、良いのですが·····
神谷:宵闇シリーズはお嬢様にとって、かけがいのない宝物ですものね
小夜子:はい·····言わば、愛する我が子ですから⋯⋯
神谷:本日は予定も御座いませんし、夕食を取られた後はゆっくりとされては宜しいかと
小夜子:いえ·····少しだけ、新作のプロットを⋯一応練ります
神谷:左様で御座いますか?ご無理をなさらずように·····
小夜子:ありがとうございます。神谷さん
0:
小夜子:今日は寝れないだろうな·····。田辺さんの言葉が何度も頭の中で復唱される。展開が無い·····度肝を抜く·····、解ってる。けど、今じゃない·····今じゃないの。けど·····売れなくなってしまい、続きが書けなくなってしまうのは·····もっと辛い·····けど·····田辺さんは作品に対して愛はない·····
0:扉をノックする音
神谷:お嬢様·····紅茶をお持ち致しました。
小夜子:あぁ·····ありがとうございます。神谷さん
神谷:あまり思い詰めにならない様に、神谷は心配ですよ
小夜子:えぇ、大丈夫!今日はもう休みます。
神谷:それが宜しいかと
小夜子:難しいですね·····色々と
神谷:そうですね。わたくし共には解らぬ産みの苦しみ、心中お察し致します。
小夜子:あら?神谷さんも小説を書いてみたらいかが?
神谷:わたくしがですか?昔から文を書くのは苦手、で御座いますもので
小夜子:そう?神谷さんなら、素敵な作品を書けると思うけどな
神谷:ありがとうございます。勿体ないお言葉です。それでは、お嬢様、おやすみなさいませ。
小夜子:おやすみなさい·····
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神谷:ふむ·····少々⋯危険ですね
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小夜子:あの·····もう一度少し、プロットを練りました。
田辺:ホントですぅ!?いやー!ありがとうございますぅ!では拝見しますねぇ!
小夜子:ここを、こんな感じに
田辺:あーー·····はぁ
小夜子:タカナシ君の台詞に含みを持たせる事により⋯
田辺:んーーーー!タカナシ君ねぇー
小夜子:駄目·····でしょうか?
田辺:あの!先生?確かに!前よりは、展開が大きくなってるとは思います。
小夜子:はい!じゃあ·····(これで進めめ)
田辺:でもこれじゃ!違うなぁー!!!
小夜子:え·····
田辺:これじゃ結局一緒ですよぉ
小夜子:そ⋯それは·····本筋は変えてませんもの
田辺:いーやいやいや!どうです?先生!いっそこのタカナシ君?を殺してみるってのは!?
小夜子:えぇ!!
田辺:彼が死ぬ事で、この物語は大きく変わると思うのですよぉ!読者は裏切られる!!そう!見えるなぁー!見える!驚いた読者の顔がぁ!
小夜子:駄目です!それじゃ!世界観すら大きく変わってしまうわ!
田辺:ちょちょ!先生ぇ!大きな声を出さないでくださいよぉ!(笑)
小夜子:はっ⋯、す、すみません⋯
田辺:変えましょうよ!先生!宵闇シリーズは転換期を迎えたんです!新しいルート!作っちゃいましょー!
小夜子:そ·····それは·····無理です⋯⋯
田辺:えぇーー!?駄目ですか?今でしょっ!⋯⋯あ、古いですか?(笑)
小夜子:(小声)流石に·····無理⋯⋯
田辺:えぇ(笑)??なんです?
小夜子:いえ·····
田辺:いやー!絶対!印象に残りますってぇ!!
小夜子:あの⋯田辺さんは·····この作品を愛してますか?
田辺:はぁ?ええ·····まぁ、そりゃヒットシリーズですからねぇ!
小夜子:そ、そうではなくて·····
田辺:はぁーー!うーーん。中々意見が合わないですねぇー!
小夜子:合う合わないの話では·····
田辺:何故です?別に本当に居る人を殺すってワケではないのですよぉ?
小夜子:なっ·····何を(言ってらっしゃるんです)
田辺:登場人物1人無くすだけじゃないですかぁ?そんなにお気に入りなら、また似たようなキャラクター出せばいいし、もしくは生きかえりましたぁー!とかねぇ!
小夜子:ぁ··········
田辺:あ·····まぁ、ちょっと私ももう少し考えますよ
小夜子:いえ·····
田辺:いえいえいえ!先生ぇ!一緒に良い作品を作り上げましょう!!
0:ドアをノックする音
神谷:失礼致します。田辺様、そろそろお時間ですが·····
田辺:あぁ!神谷さん!今終わりました!ありがとうございます。
神谷:作用で御座いますか·····ではお見送り致します。
0:
神谷:田辺様はお帰りになられました今日も上機嫌で
小夜子:そう·····
神谷:お嬢様·····大丈夫で御座いますか?
小夜子:少し気分が優れないかもしれません·····
神谷:それはいけませんね、先日頂いたケーキでもお持ち致しましょう
小夜子:食欲は無いわ·····
神谷:では暖かい飲み物をお持ちしますね。蜂蜜を沢山入れましょう。
小夜子:ありがとう·····
神谷:少し横になられてください。
小夜子:そうします·····。
神谷:それが宜しいと思います。
小夜子:はぁ⋯⋯⋯
神谷:失礼致します。
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神谷:今夜は忙しくなりそうですね⋯⋯
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0:深夜
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小夜子:··········ふぅ。
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0:田辺、仕事の帰り道、人気のない路地
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田辺:はぁー、しっかし、頭が硬ぇんだよなー!お嬢様先生は!、飽きられ始めてんだからさー!だからテコ入れしてんのになぁ!まったくー!!
小夜子:たーなべさーん!
田辺:え?
小夜子:たーなーべーさぁーん!
田辺:え?誰?暗いな?
小夜子:たーなーべ
田辺:え?え?え?せん····⋯せぇ?
小夜子:おい田辺
田辺:なっ!!えぇ?先生ぇ?どうしたんです?こんな時間に!?よ、呼び捨て?
小夜子:少しお話があってきたのー!!
田辺:は?はぁ?え?神谷さんは?神谷さんは?居ないんですぅ??1人?あ!先生!酔ってます?
小夜子:ウルセーよ
0:田辺の首元に注射器を刺す、小夜子
田辺:痛っ!はっ?え?注射?なっ?·····あっ·····⋯⋯
0:倒れる田辺
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田辺:あっ⋯痛⋯んっ·····んん?
0:椅子に手足固定されている田辺
小夜子:田辺おせーよ!早く起きろよ!
田辺:んあ·····?あ?あっあっ?
小夜子:やっほー!たーなべ
田辺:なっ!!なにこれ!?縛られてる!?ちょっと!!先生ぇ!なんですかぁ?ドッキリっすかぁ?ちょっと!やめてくださいよぉ!
小夜子:お前さぁ、いくら何でも舐めすぎだろ?
田辺:え??なんの事ですかぁ??え??いきなりなんなんですか??
小夜子:アタシの事をだよッッ!!このビチグソがッッ!!
田辺:はっ?ビッッ!?はぁ!?
小夜子:世間知らずのお嬢様だから大声だしてりゃ、黙るとでも思った!?
田辺:そんなぁ!!大声なんて(出してないじゃ·····)
小夜子:出してただろうが!!!こーやって!人の話遮って!!!
0:田辺の髪を引っ張り、釣り上げる小夜子
田辺:いっっ!!髪は!髪は引っ張らないでください!!!
小夜子:舐めてんじゃねぇぞ?
田辺:痛いい!な、舐めてないですよぉ·····先生ぇ·····
小夜子:その語尾伸ばすのも!いちいちいちいち腹が立つんだよ!!!
田辺:そんなぁ·····伸ばしてませんよぉぉぉぉぉ!!
小夜子:無意識かよ!ゴミが!!
田辺:痛い痛い痛い!!そんなに髪引っ張らないでっっ!
0:ブチブチとそのまま髪を引き抜く小夜子
田辺:あぁぁ!!
小夜子:汚ねぇなぁ(笑)
0:手をはたく小夜子
小夜子:でさ?
田辺:はひ?
小夜子:お前言ったな?
田辺:何を·····ですか?
小夜子:言ったよなぁ!!!
田辺:だから何をですか!!
小夜子:タカナシを殺して!話を無茶苦茶にしろって!!!
田辺:言いました!言いましたけど!!ひとつの案じゃないですか!?
小夜子:案?
田辺:ええ!!
小夜子:案じゃねぇよ!!生半可な気持ちで書いてんじゃねんだよ!!アタシわぁぁ!!!
田辺:わわわ解ってます!解ってますってぇ!!
小夜子:解ってねぇーよ!解ってねぇーんだよ!テメーはよッッ
田辺:そんなぁ!!!
小夜子:そんなにキャラクター殺してーなら!やってやるよ!
田辺:は?へ?
0:田辺の右足太ももにナイフを突き立てる小夜子
田辺:アアアアアァ"ァ"ァ"ァ"ァ”·····刺した!!??嘘でしょ!!??
小夜子:ねぇ?痛い?
田辺:痛い!!痛いよ!!何?刺した??痛い!何考えてんだよ!!!アンタ!!
小夜子:やっと!語尾伸ばすの辞めたなぁ!!!
0:田辺の左足太ももにナイフを突き立てる小夜子
田辺:ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
小夜子:いい声じゃない!!!!
田辺:あぁぁ·····なんて事·····訴えてやる!!訴えてやるからな!!両足ぃぃ!!痛い!!
小夜子:テメーまだ助かると思ってんのか!!!バカだねぇ!!
0:田辺の左肩にナイフを突き立てる小夜子
田辺:がァァァァァ!!!やめて!!もうやめてぇえええ
小夜子:終わりだぁ!!!テメーは終わりだァ!!!アハハハ!!アハハハ!!
田辺:んぁあああァ"ァ"ァ"ァ"ァ”·····畜生!!んんん
小夜子:痛いの?ねぇ?痛いの?ねぇーえー!?ターナーべぇ!!!
0:刺したナイフを肩から腕に沿って肘まで切り裂いて行く
田辺:ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!もうやめてください!!!いだぁぁい!!だすげでぇぐだびゃあい!!腕までぇぇえ??熱い熱い熱いぃいい
小夜子:やだ泣いてるぅー!!!
田辺:ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁあ!助けぇでぇええあぁぁぁ
小夜子:次はどこ刺そっかなー?さっきは左の肩だったからさぁー?お腹とかいっちゃうー?切腹、しちゃうー??ねぇ?アハハハハッッ!!
田辺:痛い·····あぁぁあ!お母さあァ"ァ"ァ"ァ"ァ”·····
小夜子:あぁ!リアルだね!イイよ!勉強になるわ!そうなのね!!ナイフで切り裂かれたら!そーなるんだね!
田辺:狂ってる!狂ってぇえええるぅぅ!!イギギギぃぃぃい
小夜子:さあて、仕上げよ田辺!どうなるのかしらね!?
田辺:やめ!やめやめやめやめて!!殺さないでぇ⋯
小夜子:ふんっ!
0:田辺の首元にナイフを突き刺す小夜子
田辺:カッッ·····は·····はぁ·····あっ
小夜子:あらー!!ナイフを首に突き立てられたら、こんな目するんだ!!イイよ!田辺!アンタ!ナイフで刺されたら!こんな声出すんだね!!アタシの作品になりなぁ!!!アハハハハハッッ!!
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神谷:お嬢様、もう死んでおります
小夜子:ふぅ·····
神谷:お疲れ様で御座います。
小夜子:あぁ、神谷いつもアリガト
神谷:お嬢様、今日こそ寝る前にシャワーに入られて下さいますよう·····
小夜子:解ってるわ!
神谷:それでは、後の処理と清掃はしておきますので、必ず!シャワーだけでも
小夜子:本当にありがとう!あ!神谷!
神谷:はい
小夜子:ねぇ?今回少し短気過ぎたかしら?
神谷:え?
小夜子:だって、まぁ、確かに、単に案を出してくれただけっちゃ、そうだし·····
神谷:何を仰いますか?タカナシ様を殺せと申したのですよ?それはお嬢様に対して、殺すと言ったのと同じで御座います。死んで当然です。
小夜子:だよね!!やっぱそーだよね!!良かった!
神谷:お嬢様はいつも正しいので御座います。
小夜子:神谷!ありがと!ふぁーあ!眠くなってきちゃったー
神谷:あ!お嬢様!きちんとシャワーは浴びてくださいね!!
小夜子:はぁーい!!
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神谷:ふっ·····全く、お嬢様ったら⋯⋯はぁぁぁ(恍惚の表情)今日良いお顔されてたなぁ
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小夜子:深い意識のずっと底で、誰かの怒鳴り声が聞こえる·····怯え、恐怖、怒り、様々な負の感情が私に向けられているのが解る。しかし、それは、夢、なのだろうと私は思う。何故なら·····いつも気がつくとベッドに寝ているから·····元々眠りは深い方では無いけど、この夢を見る時は決まって、深い深い眠りについている。深い深い·····。
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小夜子:また·····あの夢·····
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小夜子:そして·····この血·····まただわ·····
神谷:お嬢様、失礼致します。
小夜子:あ·····神谷さん、すみません·····その
神谷:おや?またですか?
小夜子:すみません·····起きたら·····
神谷:大丈夫ですよ、お嬢様、さぁ、ご朝食のご準備が出来ております。まずはシャワーを浴びて、お身体を綺麗になさってくださいね。