台本概要

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タイトル 午後の授業、始まりの戦い
作者名 ヘビ丸  (@henophisia_zatu)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 10 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 高校生くらいの想定、午後の優雅なひと時です。
一人称は自由にどうぞ

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
中野 不問 17 性別不問。先生。普段から居眠り常習犯
先生 不問 16 生物の教師。性別不問
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
中野:午後、快晴、晴天、雲一つない青空。良い日だ。昼寝するのにこれ以上天気はないだろう。日差しを遮るカーテンによって程よく柔らかくなった日差しに暖められて瞼が自然と落ちてくる。「……。」 コツコツとリズムを刻む黒板とチョークが心地よさをさらに強める。 先生:「中野……中野!」 中野:「……っは!」寝ていた。仕方ない、こんな日だ寝ないほうがダメだろう。 先生:「そんなに私の授業が詰まらなかったか?それとも、余裕ぶっこいてるだけか?わたしを嘗めてるのか?」 中野:「いえ、そんなことはありません。寝ないとお日様に失礼だと思って……」 先生:「お天道様よりも私の授業はくだらないものだと?」 中野:「そうは言っておりません、先生のよく通るお声と素晴らしい授業ならば寝ていても届くと考えた結果です」 先生:「睡眠学習に対して効果はない、そして私もそんな授業ができたら苦労していない。素直に私の努力の結晶を受け取ってくれ」 中野:「すみません、先生の努力をすべて受け取るには私の手のひらでは……(悔しそうに)足りない!!!」 先生:「仕方ない、そう言うなら分割してお前に渡してやる放課後、補修決定な」 中野:「そんな…殺生な!」 先生:「ならちゃんと、今、授業を聞きなさい」 中野:「……!先生!みんな少し仮眠をとってからのほうが効率が上がるのではないでしょうか!」 先生:「却下だ。授業日数的に余裕があっても早めに終わらせて自習の期間を長く取れるほうがみんなにとっても良いだろう」 中野:ふむ、なかなか手ごわい「先生、では寝ずに授業を聞き続ける方法を伝授してください」 先生:「……まず興味を持て、その上でその知識の意味を考えろ、頭使いながら聞きなさい」 中野:「例えば?」 先生:「微分積分なら面積を求める、土地の利用とかに使えるかもしれない。二進数ならコンピュータの言語で用いられる、0と1で電気が通すかどうかを決められるからな。歴史なら人というか社会情勢の流れの予測に使える。政治経済は言わなくてもわかるはずだ、こんな風にいくらでもわかる」 中野:「……カエルの解剖は?」 先生:「簡単だ、基礎的な技能の習得だ。あくまで一つの例としてカエルを用いてるだけだ、細かい話をすればいろいろあるが……詭弁はここまでだ。いいから黙って授業を受けなさい」 中野:「…っく」(強制的に話を切られた取り付く島もない、こうなったら)……寝ることにした、ああ、もう関係ない。今はとにかく寝るのだ。後のことは将来の(放課後の)自分に任せよう。Good afternoon(おやすみ) 先生:…… 中野:チャイムの音が聞こえる。あーよく寝…… 先生:「よく覚えとけよ、ここはテストに絶対だすからな」 中野:「……?」何を言っている?黒板には何も書かれていない。周囲を確認する。周囲のノートにはしかと授業内容と思しきものが書き込まれている。寝る前に見たものとも違う。 先生:「中野、どうした?(にやけながら)」 中野:やりやがった、こいつやりやがった。「…大人は…汚い」 先生:「汚くて結構、私の努力を無視しようとしたお前が悪い。…放課後、補修してやらなくもないお前が頼んでくれば、だが」 中野:「ぐっ、く」 先生:「他の奴に聞いても無駄だぞ、教えるなと言っておいた。ジュースおごりでな」 中野:「汚いぞ!それでも大人か!」 先生:「大人だからだ」 中野:今日は私の負けだ。これが私たちの壮絶なる戦いの始まりだった。

中野:午後、快晴、晴天、雲一つない青空。良い日だ。昼寝するのにこれ以上天気はないだろう。日差しを遮るカーテンによって程よく柔らかくなった日差しに暖められて瞼が自然と落ちてくる。「……。」 コツコツとリズムを刻む黒板とチョークが心地よさをさらに強める。 先生:「中野……中野!」 中野:「……っは!」寝ていた。仕方ない、こんな日だ寝ないほうがダメだろう。 先生:「そんなに私の授業が詰まらなかったか?それとも、余裕ぶっこいてるだけか?わたしを嘗めてるのか?」 中野:「いえ、そんなことはありません。寝ないとお日様に失礼だと思って……」 先生:「お天道様よりも私の授業はくだらないものだと?」 中野:「そうは言っておりません、先生のよく通るお声と素晴らしい授業ならば寝ていても届くと考えた結果です」 先生:「睡眠学習に対して効果はない、そして私もそんな授業ができたら苦労していない。素直に私の努力の結晶を受け取ってくれ」 中野:「すみません、先生の努力をすべて受け取るには私の手のひらでは……(悔しそうに)足りない!!!」 先生:「仕方ない、そう言うなら分割してお前に渡してやる放課後、補修決定な」 中野:「そんな…殺生な!」 先生:「ならちゃんと、今、授業を聞きなさい」 中野:「……!先生!みんな少し仮眠をとってからのほうが効率が上がるのではないでしょうか!」 先生:「却下だ。授業日数的に余裕があっても早めに終わらせて自習の期間を長く取れるほうがみんなにとっても良いだろう」 中野:ふむ、なかなか手ごわい「先生、では寝ずに授業を聞き続ける方法を伝授してください」 先生:「……まず興味を持て、その上でその知識の意味を考えろ、頭使いながら聞きなさい」 中野:「例えば?」 先生:「微分積分なら面積を求める、土地の利用とかに使えるかもしれない。二進数ならコンピュータの言語で用いられる、0と1で電気が通すかどうかを決められるからな。歴史なら人というか社会情勢の流れの予測に使える。政治経済は言わなくてもわかるはずだ、こんな風にいくらでもわかる」 中野:「……カエルの解剖は?」 先生:「簡単だ、基礎的な技能の習得だ。あくまで一つの例としてカエルを用いてるだけだ、細かい話をすればいろいろあるが……詭弁はここまでだ。いいから黙って授業を受けなさい」 中野:「…っく」(強制的に話を切られた取り付く島もない、こうなったら)……寝ることにした、ああ、もう関係ない。今はとにかく寝るのだ。後のことは将来の(放課後の)自分に任せよう。Good afternoon(おやすみ) 先生:…… 中野:チャイムの音が聞こえる。あーよく寝…… 先生:「よく覚えとけよ、ここはテストに絶対だすからな」 中野:「……?」何を言っている?黒板には何も書かれていない。周囲を確認する。周囲のノートにはしかと授業内容と思しきものが書き込まれている。寝る前に見たものとも違う。 先生:「中野、どうした?(にやけながら)」 中野:やりやがった、こいつやりやがった。「…大人は…汚い」 先生:「汚くて結構、私の努力を無視しようとしたお前が悪い。…放課後、補修してやらなくもないお前が頼んでくれば、だが」 中野:「ぐっ、く」 先生:「他の奴に聞いても無駄だぞ、教えるなと言っておいた。ジュースおごりでな」 中野:「汚いぞ!それでも大人か!」 先生:「大人だからだ」 中野:今日は私の負けだ。これが私たちの壮絶なる戦いの始まりだった。