台本概要

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タイトル 『Birld(バールド)』 第三羽「クジャク」
作者名 平塚 毅(こわし)  (@kowasi_hiratuka)
ジャンル ファンタジー
演者人数 3人用台本(男1、女2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明  
クジャク:せっかくパーカー作ってくれたのに、お礼も出来なくてごめんなさい
 
紫織:十分面白いものを見せてもらえたから

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
クジャク - モード系の衣装が好き、黒髪で長髪。自分が好きなファッションをしているだけだが、まあまあ見た目がイカつくなるため、やや近寄り難い印象を受ける。 自分なりに服を身に纏う方法を考えるのが好きで、村の人達に最近自分が考えたオシャレな反物の身に付け方を披露して女性から黄色い声援を受けるものの、実用性に大きく欠けるため誰もそれを真似しない。
紫織 48 服飾の専門学校に通う20歳の女の子 強気なところを表に出すが、本心はデリケートなため相手の顔色を伺って言葉を選んでいる時がある。たまに感情が優先されてしまい、後になって後悔することがある。
ツル 12 第一羽に登場してきたツル
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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慎二:『Birld(バールド)』第三羽「キジ」 0:人の姿と鳥の姿どちらにもなれる人達が生活している村 慎二:あ、ツルさん!おはようございます! ツル:おはよ 慎二:ツルさんに貰ったこの布、ほんと凄いです!言われた通り頭からつま先まで全身包んだら、本当に鳥になっちゃいました! ツル:そりゃあ私の羽で織った布なんだもん、当たり前だよ。慎二くんは何の鳥だった? 慎二:キジでした! ツル:オシャレな慎二くんにぴったりだね 慎二:ありがとうございます笑 でも一つ、問題というか… ツル:なに? 慎二:どうしても全身包むとなると時間が掛かっちゃうし、もっとパッと鳥になりたな、と思って ツル:たしかに、それは私も思ってた。慎二くん裁縫得意だったよね? 慎二:あ、はい!自分で服を作ったこともあります! ツル:その布、自由に使って良いからさ、もっと便利な服に仕上げてみてよ 慎二:い、良いんですか!? ツル:全部使い切っちゃったら、また織るよ 慎二:ありがとうございます!  うーん・・・ ツル:どうしたの? 慎二:いや、どんな形になるのか全く想像つかなくて ツル:じゃあ街に行ってみたら? 慎二:い、行って良いんですか!? ツル:構わないよ?鳥の姿さえ見せなければ 慎二:え…じゃあ!さっそく!! ツル:行ってらっしゃい 慎二:ツルさんは出かけたりしないんですか? ツル:私は出来ないんだ、だから君たち『渡り鳥』から新しいものを知るしか出来ない 慎二:?そう、なんですね。じゃあしっかり吸収してきます! 0:慎二、カバンと布を持って街へ飛び立つ。着いた場所は駅周辺(渋谷とか新宿みたいな人が多い駅) 慎二:ま、街ってこんなに人多かったっけ…ダメだ、酔いそう… 0:慎二、路地裏に逃げうずくまる 慎二:こんな朝早くから、こんなにもたくさんの人が動いてるのか… 0:慎二、具合がどんどん悪くなる 慎二:今の僕には…この人の波はキツすぎる… 0:慎二、膝に顔を埋める 紫織:大丈夫ですか? 慎二:え? 紫織:いや、しんどそうだなと思って 慎二:あ、はい、なんとか… 0:顔を上げる慎二 慎二:!? そ、その被っているのは…! 紫織:え?えと、(THE)_NORTH_FACEの…なんだっけ 慎二:すごい!!! 紫織:え、えぇ? 慎二:教えてください!その服のこと!! 紫織:え、えっとぉ… 0:街中の雑踏音、徐々にフェードアウト 0:場面転換 0:紫織の住んでいるアパート 紫織:どうぞ 慎二:失礼します 紫織:(知らない人フツーに家上げちゃってる、ウチヤバっ) 慎二:うわぁ…ミシンもある…欲しい道具が全部揃ってる…! 紫織:なんかすっかり元気になってますね笑 慎二:いやぁ、助かりました…あそうだ、早速その黒い服を脱いで欲しい! 紫織:あ、はい。(紫織、着ていたアウターを脱ぐ)はい(渡す)。でもなんでそんな興味津々なんですか? 0:慎二、カバンから布を取り出す 慎二:この布で服を作らなきゃいけなくて 紫織:うわぁ、綺麗な色。でもこれがパーカーとどう関係が? 慎二:この布で頭からつま先まで包む必要があるんだけど、毎回体に巻きつけるのも時間がかかるから、服にできないかなと思って 紫織:…なんで巻き付ける必要があるんですか? 慎二:それは…ナイショ… 紫織:ふーん。まあでも道具は好きに使って良いですよ 慎二:え、でも…すいません名前って… 紫織:藤崎紫織。紫を織るって書いて、紫織。お兄さんは? 慎二:須藤慎二です。「須」は、あの、ちょんちょんちょんって書いてー、あのー、百って漢字と貝って漢字を合体させたやつで、それを更に合体させたあのー… 紫織:シンジさんね笑 慎二:しおりさんは、これ使わないんですか? 紫織:ウチはちょっと考え中 慎二:考え中? 紫織:学校の課題があってさ。あ、ウチ専門学校行ってんだけど。課題に向けてどんなデザインにするか、考えてるとこなの。 慎二:そうだったんですね。良かったらあの、使い方とか、教えてもらっても良いですか? 紫織:もちろん 0:二人で布を裁断しパーカーを作り始める。この工程はB G Mで映像を想像してもらう。 紫織:だいぶ形になってきたね 慎二:すごい!こんなに早く出来るんですね! 紫織:あとはチャックを付けて… 慎二:…あの 紫織:ん? 慎二:このチャック、頭の上まで付けることってできますか? 紫織:顔が隠れるまでってこと? 慎二:はい 紫織:出来るけど…ダサくない? 慎二:全身を包むことが目的なので、見た目はその、二の次っていうか 紫織:ふーん。まあ良いけど 0:ミシンの音「ダダダダッ」 紫織:ふぅ、出来た〜 慎二:すごい!しかもこれ、しゃがんだら…(慎二、しゃがんで裾を下ろし足まで隠れる状態にする)全身が隠れる! 紫織:そんな感動することでも無い気がするけど笑 慎二:あとはチャック上げたらー… 0:慎二、チャックを上に上げる 慎二:心の声(…あれ、これもしキジになっちゃったら…) 0:S Eバサバサバサッ 慎二:…あっ 紫織:…え 慎二:うわあああああああ!!!!!! 紫織:きゃあああああああ!!!!!! 慎二:(は、早く人の姿に…!) 0:慎二、急いで下くちばしの先端にあるチャックを摘み、降ろす。SEチャックを下ろす音「ジーッ」 紫織:きゃあああああああああああ!!!!!!!! 慎二:うわあああああああ逆効果あああああああ!!!!!!! 紫織:すっっっっっっっごい、キレイ!!! 慎二:…え? 紫織:これ!このデザイン凄く良い! 慎二:え…えーっと…あれ、模様が変わってる 紫織:ちょっとそのままで!写真取らせて! 0:紫織、ガラケーを開き写真を撮る。SE「ガァシャァ」 慎二:だ、誰にも…言わないでくれる…? 紫織:言いたいけど・・・・意味わかんなくない? 慎二:え? 紫織:ぐったりしてるお兄さんを家に入れて、一緒にパーカー作ってチャック上げたら鳥になったって。「は?」って言われるだけじゃん 慎二:すっごい冷静 紫織:それよりも、そのパーカーの刺繍を参考にさせて! 慎二:…ほんとだ、刺繍みたいに浮き出てる 紫織:脱げる? 慎二:え? 紫織:脱いで! 慎二:あ、はい! 0:慎二、パーカーをすぐに脱いで紫織に渡す 紫織:全体的なデザインも良い感じかも 0:紫織、チャックを上まで上げる 慎二:ウェ!?ちょっとまっ! 紫織:(くぐもった声で)あれ、何も起こらない 慎二:…ほんとだ 0:紫織、チャックを胸元まで下す。顔の横に来ているチャックをいじる 紫織:うーん、パーカーのデザインだけで考えたら、チャックは上まで要らんかな〜 慎二:あはは… 0:紫織、姿鏡で全身のデザインをチェックする 紫織:うん…うん…すっごく良い 慎二:ありがとう 紫織:お兄さんどこから来たの? 慎二:ここから少し離れた、小さい村から 紫織:それも、内緒? 慎二:…うん 紫織:ふーん。もしかして…ここまで飛んで? 慎二:そう 紫織:ヤバっ笑 慎二:あはは 紫織:…もう、帰るの? 慎二:うん、あんまり長くも居られないんだ 紫織:シンデレラみたい笑 慎二:キジになって飛ぶなんて、そんなロマンチックじゃ無いけどね笑 紫織:たしかに笑 0:慎二、玄関を開け外に出る 慎二:・・・・それじゃあ 紫織:うん。じゃあね。 0:慎二、無言のままアパートの廊下を歩き、階段で下に降りる 慎二:また…会えるかな… 0:慎二、パーカーのチャックを上に上げ、キジになる。 慎二:早くみんなに教えよ! 0:慎二、キジの姿で高く飛び上がる。 0:おしまい

慎二:『Birld(バールド)』第三羽「キジ」 0:人の姿と鳥の姿どちらにもなれる人達が生活している村 慎二:あ、ツルさん!おはようございます! ツル:おはよ 慎二:ツルさんに貰ったこの布、ほんと凄いです!言われた通り頭からつま先まで全身包んだら、本当に鳥になっちゃいました! ツル:そりゃあ私の羽で織った布なんだもん、当たり前だよ。慎二くんは何の鳥だった? 慎二:キジでした! ツル:オシャレな慎二くんにぴったりだね 慎二:ありがとうございます笑 でも一つ、問題というか… ツル:なに? 慎二:どうしても全身包むとなると時間が掛かっちゃうし、もっとパッと鳥になりたな、と思って ツル:たしかに、それは私も思ってた。慎二くん裁縫得意だったよね? 慎二:あ、はい!自分で服を作ったこともあります! ツル:その布、自由に使って良いからさ、もっと便利な服に仕上げてみてよ 慎二:い、良いんですか!? ツル:全部使い切っちゃったら、また織るよ 慎二:ありがとうございます!  うーん・・・ ツル:どうしたの? 慎二:いや、どんな形になるのか全く想像つかなくて ツル:じゃあ街に行ってみたら? 慎二:い、行って良いんですか!? ツル:構わないよ?鳥の姿さえ見せなければ 慎二:え…じゃあ!さっそく!! ツル:行ってらっしゃい 慎二:ツルさんは出かけたりしないんですか? ツル:私は出来ないんだ、だから君たち『渡り鳥』から新しいものを知るしか出来ない 慎二:?そう、なんですね。じゃあしっかり吸収してきます! 0:慎二、カバンと布を持って街へ飛び立つ。着いた場所は駅周辺(渋谷とか新宿みたいな人が多い駅) 慎二:ま、街ってこんなに人多かったっけ…ダメだ、酔いそう… 0:慎二、路地裏に逃げうずくまる 慎二:こんな朝早くから、こんなにもたくさんの人が動いてるのか… 0:慎二、具合がどんどん悪くなる 慎二:今の僕には…この人の波はキツすぎる… 0:慎二、膝に顔を埋める 紫織:大丈夫ですか? 慎二:え? 紫織:いや、しんどそうだなと思って 慎二:あ、はい、なんとか… 0:顔を上げる慎二 慎二:!? そ、その被っているのは…! 紫織:え?えと、(THE)_NORTH_FACEの…なんだっけ 慎二:すごい!!! 紫織:え、えぇ? 慎二:教えてください!その服のこと!! 紫織:え、えっとぉ… 0:街中の雑踏音、徐々にフェードアウト 0:場面転換 0:紫織の住んでいるアパート 紫織:どうぞ 慎二:失礼します 紫織:(知らない人フツーに家上げちゃってる、ウチヤバっ) 慎二:うわぁ…ミシンもある…欲しい道具が全部揃ってる…! 紫織:なんかすっかり元気になってますね笑 慎二:いやぁ、助かりました…あそうだ、早速その黒い服を脱いで欲しい! 紫織:あ、はい。(紫織、着ていたアウターを脱ぐ)はい(渡す)。でもなんでそんな興味津々なんですか? 0:慎二、カバンから布を取り出す 慎二:この布で服を作らなきゃいけなくて 紫織:うわぁ、綺麗な色。でもこれがパーカーとどう関係が? 慎二:この布で頭からつま先まで包む必要があるんだけど、毎回体に巻きつけるのも時間がかかるから、服にできないかなと思って 紫織:…なんで巻き付ける必要があるんですか? 慎二:それは…ナイショ… 紫織:ふーん。まあでも道具は好きに使って良いですよ 慎二:え、でも…すいません名前って… 紫織:藤崎紫織。紫を織るって書いて、紫織。お兄さんは? 慎二:須藤慎二です。「須」は、あの、ちょんちょんちょんって書いてー、あのー、百って漢字と貝って漢字を合体させたやつで、それを更に合体させたあのー… 紫織:シンジさんね笑 慎二:しおりさんは、これ使わないんですか? 紫織:ウチはちょっと考え中 慎二:考え中? 紫織:学校の課題があってさ。あ、ウチ専門学校行ってんだけど。課題に向けてどんなデザインにするか、考えてるとこなの。 慎二:そうだったんですね。良かったらあの、使い方とか、教えてもらっても良いですか? 紫織:もちろん 0:二人で布を裁断しパーカーを作り始める。この工程はB G Mで映像を想像してもらう。 紫織:だいぶ形になってきたね 慎二:すごい!こんなに早く出来るんですね! 紫織:あとはチャックを付けて… 慎二:…あの 紫織:ん? 慎二:このチャック、頭の上まで付けることってできますか? 紫織:顔が隠れるまでってこと? 慎二:はい 紫織:出来るけど…ダサくない? 慎二:全身を包むことが目的なので、見た目はその、二の次っていうか 紫織:ふーん。まあ良いけど 0:ミシンの音「ダダダダッ」 紫織:ふぅ、出来た〜 慎二:すごい!しかもこれ、しゃがんだら…(慎二、しゃがんで裾を下ろし足まで隠れる状態にする)全身が隠れる! 紫織:そんな感動することでも無い気がするけど笑 慎二:あとはチャック上げたらー… 0:慎二、チャックを上に上げる 慎二:心の声(…あれ、これもしキジになっちゃったら…) 0:S Eバサバサバサッ 慎二:…あっ 紫織:…え 慎二:うわあああああああ!!!!!! 紫織:きゃあああああああ!!!!!! 慎二:(は、早く人の姿に…!) 0:慎二、急いで下くちばしの先端にあるチャックを摘み、降ろす。SEチャックを下ろす音「ジーッ」 紫織:きゃあああああああああああ!!!!!!!! 慎二:うわあああああああ逆効果あああああああ!!!!!!! 紫織:すっっっっっっっごい、キレイ!!! 慎二:…え? 紫織:これ!このデザイン凄く良い! 慎二:え…えーっと…あれ、模様が変わってる 紫織:ちょっとそのままで!写真取らせて! 0:紫織、ガラケーを開き写真を撮る。SE「ガァシャァ」 慎二:だ、誰にも…言わないでくれる…? 紫織:言いたいけど・・・・意味わかんなくない? 慎二:え? 紫織:ぐったりしてるお兄さんを家に入れて、一緒にパーカー作ってチャック上げたら鳥になったって。「は?」って言われるだけじゃん 慎二:すっごい冷静 紫織:それよりも、そのパーカーの刺繍を参考にさせて! 慎二:…ほんとだ、刺繍みたいに浮き出てる 紫織:脱げる? 慎二:え? 紫織:脱いで! 慎二:あ、はい! 0:慎二、パーカーをすぐに脱いで紫織に渡す 紫織:全体的なデザインも良い感じかも 0:紫織、チャックを上まで上げる 慎二:ウェ!?ちょっとまっ! 紫織:(くぐもった声で)あれ、何も起こらない 慎二:…ほんとだ 0:紫織、チャックを胸元まで下す。顔の横に来ているチャックをいじる 紫織:うーん、パーカーのデザインだけで考えたら、チャックは上まで要らんかな〜 慎二:あはは… 0:紫織、姿鏡で全身のデザインをチェックする 紫織:うん…うん…すっごく良い 慎二:ありがとう 紫織:お兄さんどこから来たの? 慎二:ここから少し離れた、小さい村から 紫織:それも、内緒? 慎二:…うん 紫織:ふーん。もしかして…ここまで飛んで? 慎二:そう 紫織:ヤバっ笑 慎二:あはは 紫織:…もう、帰るの? 慎二:うん、あんまり長くも居られないんだ 紫織:シンデレラみたい笑 慎二:キジになって飛ぶなんて、そんなロマンチックじゃ無いけどね笑 紫織:たしかに笑 0:慎二、玄関を開け外に出る 慎二:・・・・それじゃあ 紫織:うん。じゃあね。 0:慎二、無言のままアパートの廊下を歩き、階段で下に降りる 慎二:また…会えるかな… 0:慎二、パーカーのチャックを上に上げ、キジになる。 慎二:早くみんなに教えよ! 0:慎二、キジの姿で高く飛び上がる。 0:おしまい