台本概要

 133 views 

タイトル 『Birld(バールド)』 第四羽「とり」
作者名 平塚 毅(こわし)  (@kowasi_hiratuka)
ジャンル ファンタジー
演者人数 3人用台本(女3)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 大晦日の夜、6歳だった私は縁日から家に帰る途中、家族と逸れて迷子になった。
このまま家に帰れず、一人で死ぬかもしれない。6歳のくせに死を覚悟したその時

「どうしたの?迷子?」

一羽の鳥が、私に向かって話しかけてきた。

 133 views 

キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
少女 18 大晦日の縁日の帰り道、家族と逸れてしまい迷子になっていたところにウミネコと出会う。 不思議な光景を目の当たりにし、脳裏に焼き付いている。第二羽で登場する下村夏里の小さい頃
ナレ 10 今の夏里でナレーション
19 泣いていた少女が放って置けなくて声をかけてしまった。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
第四羽 「とり」 0:冷たい風が吹く元旦。住宅に囲まれた道路で迷子になっている少女がいる。 0:S E少女の走る足音 少女:おかあさーん? おかあさーん!? ナレ:1月1日、6歳だった私は初詣から家に帰る途中、家族と逸れて迷子になった。 少女:おかあ…さん… ナレ:さっきまであんなに楽しかったのに、独りだとわかった途端、不安に全身を丸呑みされた。 少女:(泣きそうになっている) ナレ:このまま家に帰れなかったらどうしよう。道の真ん中で立ち尽くしていると… 鳥:どうしたの?迷子? ナレ:一羽の鳥が、私に向かって話しかけてきた。 少女:お母さんが…お母さんが…! 鳥:大丈夫だよ、そんなに離れてないと思うからさ。 ナレ:その鳥は怖がることなく、私に歩み寄ってきた。 鳥:美味しそうなもの持ってるね 少女:りんごあめ 鳥:一口もらえない? 少女:(鼻を啜る)うん 鳥:ありがとう!優しいね〜 0:鳥、リンゴ飴をついばむ 鳥:ん〜!美味しい!甘〜い! 少女:…えへへ 鳥:それじゃあお礼に…えーっと、何ちゃん? 少女:なつり 鳥:なつりちゃんに、すごいものをお見せします! 少女:…? 鳥:いくよ〜? ナレ:その鳥は右の羽を嘴(クチバシ)へ持っていき、そのまま羽を下に降ろした。瞬間、鳥の顔が二つに割れ、フードを被った女性が現れた。 鳥:ジャジャーン ナレ:私は素直に思ったことを言った 少女:…怖い 鳥:あれ、じゃあ鳥の方が良かったかな ナレ:彼女は下げたばかりのチャックを、顔が隠れるまで引き上げる。すると今度は 0:S Eバサバサッ ナレ:鳥の姿になった。 少女:すごい! 鳥:こっちのが良いんだ笑 少女:なつりも鳥になりたい! 鳥:してあげたいのは山々なんだけど、子供はまだ着れないんだよ。ごめんね。 少女:なりたいなりたいなりたい! 鳥:大丈夫、大きくなったら鳥になれるよ 少女:はやく大きくなりたい! 鳥:すぐなれるよ。 それまで、良い子でいられる? 少女:いる! 鳥:お母さんのところから離れない? 少女:離れない! 鳥:よし!それじゃあ 0:鳥、チャックを降ろし人の姿になり、しゃがんだまま少女に背を向ける 鳥:はい、おんぶしてあげる 少女:飛ぶの? 鳥:飛ばないよ笑 もう人の姿になっちゃったし。アタシがおんぶして、それでお母さん一緒に探したげる。そろそろ足が疲れてるんじゃない? 少女:うん 0:少女、人の姿になった女性の背中に乗り、おぶさる。足音が聞こえる ナレ:いつの間にか、私は彼女の背中で寝てしまい、気づくと自宅の敷布団で横になっていた。服についていた羽根は、今でも大切に持っている…。

第四羽 「とり」 0:冷たい風が吹く元旦。住宅に囲まれた道路で迷子になっている少女がいる。 0:S E少女の走る足音 少女:おかあさーん? おかあさーん!? ナレ:1月1日、6歳だった私は初詣から家に帰る途中、家族と逸れて迷子になった。 少女:おかあ…さん… ナレ:さっきまであんなに楽しかったのに、独りだとわかった途端、不安に全身を丸呑みされた。 少女:(泣きそうになっている) ナレ:このまま家に帰れなかったらどうしよう。道の真ん中で立ち尽くしていると… 鳥:どうしたの?迷子? ナレ:一羽の鳥が、私に向かって話しかけてきた。 少女:お母さんが…お母さんが…! 鳥:大丈夫だよ、そんなに離れてないと思うからさ。 ナレ:その鳥は怖がることなく、私に歩み寄ってきた。 鳥:美味しそうなもの持ってるね 少女:りんごあめ 鳥:一口もらえない? 少女:(鼻を啜る)うん 鳥:ありがとう!優しいね〜 0:鳥、リンゴ飴をついばむ 鳥:ん〜!美味しい!甘〜い! 少女:…えへへ 鳥:それじゃあお礼に…えーっと、何ちゃん? 少女:なつり 鳥:なつりちゃんに、すごいものをお見せします! 少女:…? 鳥:いくよ〜? ナレ:その鳥は右の羽を嘴(クチバシ)へ持っていき、そのまま羽を下に降ろした。瞬間、鳥の顔が二つに割れ、フードを被った女性が現れた。 鳥:ジャジャーン ナレ:私は素直に思ったことを言った 少女:…怖い 鳥:あれ、じゃあ鳥の方が良かったかな ナレ:彼女は下げたばかりのチャックを、顔が隠れるまで引き上げる。すると今度は 0:S Eバサバサッ ナレ:鳥の姿になった。 少女:すごい! 鳥:こっちのが良いんだ笑 少女:なつりも鳥になりたい! 鳥:してあげたいのは山々なんだけど、子供はまだ着れないんだよ。ごめんね。 少女:なりたいなりたいなりたい! 鳥:大丈夫、大きくなったら鳥になれるよ 少女:はやく大きくなりたい! 鳥:すぐなれるよ。 それまで、良い子でいられる? 少女:いる! 鳥:お母さんのところから離れない? 少女:離れない! 鳥:よし!それじゃあ 0:鳥、チャックを降ろし人の姿になり、しゃがんだまま少女に背を向ける 鳥:はい、おんぶしてあげる 少女:飛ぶの? 鳥:飛ばないよ笑 もう人の姿になっちゃったし。アタシがおんぶして、それでお母さん一緒に探したげる。そろそろ足が疲れてるんじゃない? 少女:うん 0:少女、人の姿になった女性の背中に乗り、おぶさる。足音が聞こえる ナレ:いつの間にか、私は彼女の背中で寝てしまい、気づくと自宅の敷布団で横になっていた。服についていた羽根は、今でも大切に持っている…。