台本概要

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タイトル 9.バレンタイン・ピリオド
作者名 雪狐  (@yukikitsune_vg)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 30 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 BARバブ美へようこそ!とついていないもののシリーズ作品です。ときどき甘いです。作者が裏でずっと構想を練っているものなので、皆様の認識とはちょっとした差異があるかも…?
よければほかのシリーズもあわせてお楽しみください。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
遥香 169 小島 遥香(こじま はるか)
刹那 168 佐藤 刹那(さとう せつな)
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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0:バレンタイン・ピリオド 人物紹介:  遥香:小島 遥香(こじま はるか) 刹那:佐藤 刹那(さとう せつな) あらすじ:とある日とある場所にて晴れて結ばれた(?)二人。そんな二人はバレンタイン当日にデートをするようです 遥香:その…遅れてごめん 刹那:僕の方こそすまない…今着いたばかりなんだ 遥香:嘘つき…アンタ一時間くらい前からここにいたじゃない 刹那:ふふっ、そう言う遥香も一時間前からここにいたことになるけどいいのかい? 遥香:ば、バカじゃないの!?もう!さっさと行くわよ! 刹那:あ、待ってよー!そんなに急いでも僕がいないと出かけられないよ? 遥香:そういえば…今日はアンタの車で出かけるんだったわ… 刹那:うん…そうだよ? 遥香:アンタ…車の免許持ってたのね? 刹那:あれ?言ってなかったっけ? 遥香:うん…聞いてない 刹那:そっか…ごめんね? 遥香:なんで謝んのよ… 刹那:えっと…なんとなく? 遥香:もう…早く行きましょ? 刹那:そうだね…行こうか 遥香:むぅ… 刹那:ん? 遥香:な、なんでもない… 刹那:あっ…お手をどうぞ、お姫様 遥香:今日はそのキザったいの禁止…私は素のアンタと出かけたいから… 刹那:そっか…じゃあ僕からもお願いいいかな? 遥香:なによ? 刹那:僕のことも…名前で呼んでほしいな 遥香:それはなんて言うか…は、はずい… 刹那:ふふっ、少しずつでもいいからさ?ね? 遥香:さ…佐藤… 刹那:… 遥香:…なによ? 刹那:それは…名前じゃないよ? 遥香:し、知ってるわよ! 刹那:その…もしかして…? 遥香:ち、違うから!アンタの名前覚えてないとかじゃなくて…その! 刹那:… 遥香:えと…うぅ… 刹那:…(じー) 遥香:せ、刹那…くん 刹那:ふふっ、遥香も呼び捨てにしないあたり僕らって似たもの同士なのかもね 遥香:はぁ!?私とアンタが似てるって!?ありえないから! 刹那:そうかなぁ… 遥香:とっとと行くわよ…刹那 刹那:うん!その前に…はい 遥香:あっ… 刹那:遥香の手…この前握ったけどさ、小さくて可愛いよね 遥香:悪かったわね…子どもっぽくて 刹那:褒めてるんだよ? 遥香:むぅ… 刹那:そうやって人前でむくれる遥香を見れるのは僕だけなんだよね…はぁ幸せすぎて死ねるよ 遥香:アンタやっぱ重いわ… 刹那:そうかな? 遥香:そうよ? 刹那:そっか… 遥香:でもさ、そんだけ私のこと好きってことだもんね? 刹那:うん?そうだよ? 遥香:…そっか、えへへ 刹那:遥香? 遥香:ううん、こうやって私のこと全部好きって言ってくれるのもアンタだけなんだろうなって。そう思ったらさ…その、愛されてるなって 刹那:ふふっ 遥香:なによ? 刹那:やっぱ似たもの同士じゃないか 遥香:んー、ふふっそうね?ねぇ刹那? 刹那:ん? 遥香:その…ううん、なんでもない 刹那:えー?気になるじゃないか 遥香:なんだろ?今日なんか私らしくないよね…というか、ずっと私らしくないよね? 刹那:…そうでもないよ? 遥香:そう? 刹那:僕の目の前にいるのは…ううん、僕の左手を握っているのも確かに小島遥香っていう一人の女性だよ 遥香:…キザなのやだって言ったじゃん? 刹那:まぁ…これも含めて僕だからね 遥香:そうね…こんなお調子者で能天気でキザやろうでうざったらしくてカッコつけで… 刹那:うぐっ… 遥香:…それでも私のことを誰よりも見てくれる、そんな佐藤刹那っていう男に私は惹かれたのかもね 刹那:遥香… 遥香:で?まだ車着かないの? 刹那:ほら、そこの黒い車が僕の車だよ 遥香:あっそ…早く乗りましょ? 刹那:うん…はい、鍵開けたよ? 遥香:早くアンタも乗りなさい 刹那:う、うん…(車に乗る) 遥香:その、ごめんね? 刹那:ん? 遥香:なんだかさ…外だと落ち着かなくて 刹那:確かに今日は寒いもんね 遥香:その、そうじゃなくて… 刹那:どうしたんだい? 遥香:その…笑わない? 刹那:うん、笑わない 遥香:周りの目が気になるって言うか…その、早く刹那と二人っきりになりたかったのよ… 刹那:ふふっ 遥香:もう!笑わないって言ったじゃん! 刹那:いや、遥香があまりにも可愛すぎて…つい… 遥香:ふんっ!もう知らない! 刹那:ごめんよ? 遥香:えっと、その… 刹那:ん? 遥香:ぎ、ぎゅーってしてくれたら許してあげないこともない…わよ? 刹那:そっか…じゃあ、ぎゅー 遥香:あっ…ば、ばか!口に出さなくてもいいのよ! 刹那:それもそうだね 遥香:やっぱなし!恥ずかしいから今日はダメ! 刹那:そっか…残念… 遥香:早く行きましょ…それと… 刹那:なんだい? 遥香:暑くなっちゃったから窓開けてもいい? 刹那:そうだね… 遥香:… 刹那:どうしたの? 遥香:そっか、アンタも照れてんのね 刹那:そりゃあ…僕だって照れるよ 遥香:ふぅん?そうなのね? 刹那:な、なにさ 遥香:はぁ…やっぱダメだ…こうやって二人っきりで一緒にお出かけして、甘い空間にいるとさ 刹那:うん 遥香:アンタへの好きって感情が溢れて止まらないのよ 刹那:… 遥香:好き… 刹那:… 遥香:大好きよ… 刹那:うぐっ… 遥香:なんで呻き声あげんのよ…? 刹那:いや、もう死んでもいいなって… 遥香:もう、気が早くない? 刹那:だってぇ… 遥香:顔真っ赤にしてる暇あるならさっさと運転して目的地に行きましょ? 刹那:これは…遥香が悪い 遥香:悪くないし…その、正直に伝えてるだけなんだから… 刹那:あー、とりあえず運転するよオーケー? 遥香:はいはい、おーけーおーけー 刹那:…遥香 遥香:ん? 刹那:僕はどんな君でも大好きだよ 遥香:うにゃっ!? 刹那:じゃあ…行こうか 遥香:…うん 0:遊園地にて 刹那:しかし…平日なのに人が多いねぇ 遥香:そりゃあ、今日はバレンタインだから… 刹那:それもそうか…と言うか、平日に出かけるのも久しぶりだからね 遥香:アンタよく有給取れたわよね? 刹那:まぁ…ゴリ押したからね 遥香:そっか…とりあえず何から遊ぶ? 刹那:ジェットコースターとかどう? 遥香:私…絶叫系苦手… 刹那:コーヒーカップは? 遥香:コーヒーカップは酔うのよ… 刹那:うーん…じゃあメリーゴーランドは? 遥香:それは…子どもっぽくない? 刹那:よし、メリーゴーランドにしようか 遥香:なんでよ!? 刹那:遥香がそう聞くってことは、本当は乗りたいけど子どもっぽく思われないか不安ってことじゃないの? 遥香:ち、違うわよ!?そんなんじゃないしっ! 刹那:合ってると思うんだけどなぁ… 遥香:まぁ?アンタが乗りたいなら乗ってあげないこともない…けど? 刹那:そっか…じゃあ乗りたいな 遥香:じゃあ…いこ? 0:メリーゴーランドを乗り終えて 刹那:どうしたの?なんだかすごく不満そうだね? 遥香:だって…さっきキャストのおねーさんがぁ! 刹那:あっ…そうだね… 遥香:ぐずっ…刹那は私の彼氏なのに…お兄ちゃんじゃないし… 刹那:すごく微笑ましそうな顔してたもんね… 遥香:それに…なんか白馬の王子が似合いすぎてムカついたし… 刹那:それは理不尽じゃない…? 遥香:もう!次行くわよ! 刹那:そうだね、それで次は何で遊ぶの? 遥香:そろそろ日が落ちそうだし…観覧車がいい… 刹那:じゃあ、行こうか 0:観覧車の中にて 遥香:… 刹那:ねぇ、そろそろ機嫌直してよ… 遥香:むぅ… 刹那:困ったなぁ…(チラリと外を眺める)ってうわぁ…! 遥香:あっ…!綺麗…! 刹那:そうだね…落ちていく夕日と変わりゆく夜空がすごくロマンチックだ…! 遥香:うん…!すごいね…!あっ…みてみて!(見下ろす遊園地の一画を指差す) 刹那:おや?バレンタイン記念だからかハート型にライトアップされてるね? 遥香:うん…ねぇ、後で一緒いかない? 刹那:いいよ 遥香:ふふっ、やった! 刹那:…(少し目を見開く) 遥香:ん?なぁに? 刹那:いや、遥香にはこんな一面もあるんだなって 遥香:あっ… 刹那:悪いことじゃないよ?すごく嬉しいんだ 遥香:そっか………本当はね、私結構甘えん坊なのかもしれない 刹那:… 遥香:寂しがりで甘えん坊で子どもっぽくていじっぱりで…ほんとは刹那に甘えたいけど、変な私が邪魔をするの 刹那:そっか 遥香:それに…なんで刹那は私のことが好きなんだろうって、不安になる時があるの。無条件で肯定してくれて、突き放しても一緒にいてくれて… 刹那:うん 遥香:もし、刹那君が私の身体だけ欲しいんだったらどうしようって…もしそうだったらとしても(私は全部刹那君にあげるつもり) 刹那:(被せて)それ以上言ったら本気で怒るよ 遥香:あっ… 刹那:なんで好きなんだろう…か。覚えてるかな?僕と遥香の出会いを、今の君が蓋をしてる記憶の話を… 遥香:私達の…出会い? 刹那:本当はもう少し後に話すつもりだったんだけどね…でも、今なら大丈夫だと思うんだ 遥香:それは…どういう意味………っ! 0:回想 刹那:はぁ…今日も仕事がうまくいかなかった… 遥香:んー?君は…同期の佐藤君だっけ? 刹那:えっ、そう…だけど? 遥香:なーんか暗い顔してるね?大丈夫? 刹那:あはは…大丈夫だよ 遥香:そんな風には見えないけど…? 刹那:うん、心配しなくて良いよ 遥香:なんだか君…鈍臭そうだなぁ?よし、よかったら次のプロジェクトに向けて一緒に勉強しない? 刹那:えっ?いいの…? 遥香:うん、なんか君…ほっとけなくてさ!あ、私は小島、小島遥香だよ? 刹那:僕は佐藤…佐藤刹那です 遥香:これからよろしくね?佐藤君? 0:回想終わり 刹那:君と勉強するようになってから、僕は人並みに仕事できるようになって…そしてミスも減った 遥香:うん… 刹那:君もどんどん新しいプロジェクトを任されて、期待の星になった 遥香:… 刹那:上は便利な人材を見つけたとばかりに、いつしか君にみんなからの仕事を一人で負わせるようになった 遥香:… 刹那:…その頃から君は荒れ始めた 遥香:あっ… 刹那:同期や仕事ができない人への当たりが強くなり、上司からも見放されて…君はいつのまにか孤独になっていた 遥香:… 刹那:そんな君を僕は見ていられなかった 遥香:…なんで?どうして? 刹那:初めて会った時、こんな僕に手を伸ばしてくれて…そして屈託なく笑ってくれた陽だまりのような君が本当の君だって知ってるから 遥香:でも私は…途中からアンタにも当たりが…私は…っ! 刹那:(抱きしめながら)良いんだよ! 遥香:えっ…!? 刹那:それで君が少しでも笑ってくれるなら、僕はいくらだって道化になれる…! 遥香:刹那… 刹那:でも君はこうやって新しい道を選んだ…!(身体を少し離してまっすぐ見つめて)その結果君はこうして笑っている 遥香:私…ほんとは笑って良いような人間じゃ… 刹那:遥香は悪くない 遥香:でも… 刹那:悪いのはそうさせたあの会社だよ 遥香:… 刹那:それにさ、あの頃は素敵なかっこいい同期の女の子だったけどさ 遥香:…うん 刹那:今の君は世界一可愛くて、誰よりも輝いている最高の女の子だよ 遥香:ぐずっ… 刹那:憧れた女性がこうやっていろんな一面を僕の前だけで見せてくれる…これ以上幸せなことはないよ 遥香:… 刹那:それにさ… 遥香:うん…? 刹那:僕ってチョロいからさ、惚れた女の子なら何されても許しちゃうんだよ? 遥香:…ばーか 刹那:ふふっ、だからね?悩まなくても良いんだよ。僕は小島遥香っていう女の子のこと、理由もつけられないくらい大好きなんだから 遥香:…ごめんね、今まで 刹那:いいんだよ 遥香:そうだ…私は………うん、そういう人間だったね 刹那:今までの遥香も全部遥香だよ 遥香:ありがと。でもなんだか全部思い出したおかげで素直になれそうな気がするの 刹那:そっか 遥香:あのね? 刹那:うん? 遥香:迷惑じゃなかったら…隣行ってもいい? 刹那:いいよ、おいで 遥香:ありがと、よいしょっ…ねぇ? 刹那:ん? 遥香:改めて…こんな私だけど、たまに変になっちゃうかもしれない私だけど、よろしくね…? 刹那:うん、僕だってすごく変な自覚あるし…お互い様だよ 遥香:…それでね?刹那君って呼ぶのがほんとは私のなかで一番しっくりきてるんだけど… 刹那:呼び方はなんでも良いよ、遥香が好きな呼び方で呼んでくれれば 遥香:じゃあ…せ、刹那君…! 刹那:なんだい?遥香ちゃん 遥香:…うん、遥香ちゃんの方が刹那君らしいや 刹那:そっか 遥香:えっとね、呼び捨てが嫌なわけじゃないよ?ほんとだよ? 刹那:ふふっ、わかってるよ 遥香:ほんとかなぁ?あっ、そうだ! 刹那:ん? 遥香:その、チョコ用意したんだけど…私の手作りで…すごい不格好になっちゃったけどほしい? 刹那:も、もちろん! 遥香:そっか、手作りだからお口に合うと良いんだけど… 刹那:… 遥香:えと、その…あーんってした方がいい…? 刹那:… 遥香:さっきから私の顔、そんなに見つめてどうしたの?あっ、大丈夫だよ?ちゃんとレシピ見ながら作ったから! 刹那:…おかえり遥香ちゃん 遥香:急にどうしたの?その…ただいま? 刹那:その…さっき全部思い出したって言ってたけど、記憶はどこまであるの? 遥香:もちろん…全部だよ?私は今はBARバブ美で働いている小鹿ちゃんで、そして刹那君は私の自慢の彼氏 刹那:うん… 遥香:大丈夫、全部思い出したけどその過程を忘れたわけじゃないから 刹那:… 遥香:なんか…思い出すまでの私、すごく変じゃなかった? 刹那:それも含めて遥香ちゃんだよ 遥香:そっか…うん、ありがとう 刹那:どういたしまして 遥香:それでね…? 刹那:うん? 遥香:甘えん坊なのは元からだから…それと、今まで彼氏いたことなくて…その、えっと 刹那:… 遥香:実は前の職場でも刹那君のこと…良いなって思ってた。そんな君が優しくしてくれるからつい甘えてより強く当たってた…だから…今まで本当にごめんなさい… 刹那:何度も言うけど気にしなくて良いよ 遥香:…ありがと、それで話を戻すんだけどね…? 刹那:ん? 遥香:彼氏がいたことないから…その、男の人の手って大きいなぁとか安心するなぁとか、ぎゅってしてくれた温もりも…刹那君が初めてで… 刹那:…うん 遥香:えっと、こんな歳になって…変じゃないかな?ちゃんとこれから刹那君の彼女に(なれるかな) 刹那:遥香ちゃん 遥香:えっ?あっ…… 刹那:……その、僕も全部初めてだから……今のキスだって…遥香ちゃんが初めてだから…その、えっと… 遥香:うん… 刹那:… 遥香:…あっ、観覧車終わっちゃうね? 刹那:結局あまり景色は楽しめなかったね 遥香:ふふっ、また今度来た時に一緒にみようよ 刹那:そうしようか 遥香:じゃあ、さっきのハートのライト見に行きたい! 刹那:うん 遥香:その、腕組み…とかしたら怒る? 刹那:怒るわけないよ、むしろ嬉しい…かな 遥香:なんだろう…やっと刹那君と恋人になれた気がする 刹那:そう…だね 遥香:バブ美さんびっくりするだろうなぁ…人が変わったみたいになっちゃうから 刹那:…あまり驚かないんじゃない? 遥香:えっ? 刹那:ほら、今までもころころ人が変わったみたいになってたし 遥香:うーん、それもそっか!それにバブ美さんのことだから全部わかってたりして…? 刹那:あはは、それはありえるね 遥香:とりあえず、会ったら今までのこと全部話してみる 刹那:軽く流されそうだけど 遥香:それでもいいの!これは私なりのケジメってやつだから 刹那:そっか…応援してる 遥香:…そのときさ、一緒にちゃんとお付き合い始めたことも報告しない? 刹那:バブ美さんは僕らのキューピットみたいなものだからねぇ…うん、いいよ 遥香:なんか…前にバブ美さんが言ってたみたいになったなぁ 刹那:ん? 遥香:ふふっ、私はなんやかんやあって佐藤君と結ばれて超うれぴー♡…だったかな? 刹那:うわぁ…バブ美さんらしいや 遥香:でも本当になんやかんやあって、私たちはちゃんと本当の意味で結ばれたもんね? 刹那:うん…そうだね 遥香:その時はちゃんと紹介しなさいって言われてるからさ 刹那:うん 遥香:…流石にうれぴー♡はないと思うけどね? 刹那:あははっ、そりゃそうだ! 遥香:うふふ…! 刹那:とりあえず遊園地を遊び尽くしたら早速行こうか 遥香:うん!これからもよろしくね…刹那君!

0:バレンタイン・ピリオド 人物紹介:  遥香:小島 遥香(こじま はるか) 刹那:佐藤 刹那(さとう せつな) あらすじ:とある日とある場所にて晴れて結ばれた(?)二人。そんな二人はバレンタイン当日にデートをするようです 遥香:その…遅れてごめん 刹那:僕の方こそすまない…今着いたばかりなんだ 遥香:嘘つき…アンタ一時間くらい前からここにいたじゃない 刹那:ふふっ、そう言う遥香も一時間前からここにいたことになるけどいいのかい? 遥香:ば、バカじゃないの!?もう!さっさと行くわよ! 刹那:あ、待ってよー!そんなに急いでも僕がいないと出かけられないよ? 遥香:そういえば…今日はアンタの車で出かけるんだったわ… 刹那:うん…そうだよ? 遥香:アンタ…車の免許持ってたのね? 刹那:あれ?言ってなかったっけ? 遥香:うん…聞いてない 刹那:そっか…ごめんね? 遥香:なんで謝んのよ… 刹那:えっと…なんとなく? 遥香:もう…早く行きましょ? 刹那:そうだね…行こうか 遥香:むぅ… 刹那:ん? 遥香:な、なんでもない… 刹那:あっ…お手をどうぞ、お姫様 遥香:今日はそのキザったいの禁止…私は素のアンタと出かけたいから… 刹那:そっか…じゃあ僕からもお願いいいかな? 遥香:なによ? 刹那:僕のことも…名前で呼んでほしいな 遥香:それはなんて言うか…は、はずい… 刹那:ふふっ、少しずつでもいいからさ?ね? 遥香:さ…佐藤… 刹那:… 遥香:…なによ? 刹那:それは…名前じゃないよ? 遥香:し、知ってるわよ! 刹那:その…もしかして…? 遥香:ち、違うから!アンタの名前覚えてないとかじゃなくて…その! 刹那:… 遥香:えと…うぅ… 刹那:…(じー) 遥香:せ、刹那…くん 刹那:ふふっ、遥香も呼び捨てにしないあたり僕らって似たもの同士なのかもね 遥香:はぁ!?私とアンタが似てるって!?ありえないから! 刹那:そうかなぁ… 遥香:とっとと行くわよ…刹那 刹那:うん!その前に…はい 遥香:あっ… 刹那:遥香の手…この前握ったけどさ、小さくて可愛いよね 遥香:悪かったわね…子どもっぽくて 刹那:褒めてるんだよ? 遥香:むぅ… 刹那:そうやって人前でむくれる遥香を見れるのは僕だけなんだよね…はぁ幸せすぎて死ねるよ 遥香:アンタやっぱ重いわ… 刹那:そうかな? 遥香:そうよ? 刹那:そっか… 遥香:でもさ、そんだけ私のこと好きってことだもんね? 刹那:うん?そうだよ? 遥香:…そっか、えへへ 刹那:遥香? 遥香:ううん、こうやって私のこと全部好きって言ってくれるのもアンタだけなんだろうなって。そう思ったらさ…その、愛されてるなって 刹那:ふふっ 遥香:なによ? 刹那:やっぱ似たもの同士じゃないか 遥香:んー、ふふっそうね?ねぇ刹那? 刹那:ん? 遥香:その…ううん、なんでもない 刹那:えー?気になるじゃないか 遥香:なんだろ?今日なんか私らしくないよね…というか、ずっと私らしくないよね? 刹那:…そうでもないよ? 遥香:そう? 刹那:僕の目の前にいるのは…ううん、僕の左手を握っているのも確かに小島遥香っていう一人の女性だよ 遥香:…キザなのやだって言ったじゃん? 刹那:まぁ…これも含めて僕だからね 遥香:そうね…こんなお調子者で能天気でキザやろうでうざったらしくてカッコつけで… 刹那:うぐっ… 遥香:…それでも私のことを誰よりも見てくれる、そんな佐藤刹那っていう男に私は惹かれたのかもね 刹那:遥香… 遥香:で?まだ車着かないの? 刹那:ほら、そこの黒い車が僕の車だよ 遥香:あっそ…早く乗りましょ? 刹那:うん…はい、鍵開けたよ? 遥香:早くアンタも乗りなさい 刹那:う、うん…(車に乗る) 遥香:その、ごめんね? 刹那:ん? 遥香:なんだかさ…外だと落ち着かなくて 刹那:確かに今日は寒いもんね 遥香:その、そうじゃなくて… 刹那:どうしたんだい? 遥香:その…笑わない? 刹那:うん、笑わない 遥香:周りの目が気になるって言うか…その、早く刹那と二人っきりになりたかったのよ… 刹那:ふふっ 遥香:もう!笑わないって言ったじゃん! 刹那:いや、遥香があまりにも可愛すぎて…つい… 遥香:ふんっ!もう知らない! 刹那:ごめんよ? 遥香:えっと、その… 刹那:ん? 遥香:ぎ、ぎゅーってしてくれたら許してあげないこともない…わよ? 刹那:そっか…じゃあ、ぎゅー 遥香:あっ…ば、ばか!口に出さなくてもいいのよ! 刹那:それもそうだね 遥香:やっぱなし!恥ずかしいから今日はダメ! 刹那:そっか…残念… 遥香:早く行きましょ…それと… 刹那:なんだい? 遥香:暑くなっちゃったから窓開けてもいい? 刹那:そうだね… 遥香:… 刹那:どうしたの? 遥香:そっか、アンタも照れてんのね 刹那:そりゃあ…僕だって照れるよ 遥香:ふぅん?そうなのね? 刹那:な、なにさ 遥香:はぁ…やっぱダメだ…こうやって二人っきりで一緒にお出かけして、甘い空間にいるとさ 刹那:うん 遥香:アンタへの好きって感情が溢れて止まらないのよ 刹那:… 遥香:好き… 刹那:… 遥香:大好きよ… 刹那:うぐっ… 遥香:なんで呻き声あげんのよ…? 刹那:いや、もう死んでもいいなって… 遥香:もう、気が早くない? 刹那:だってぇ… 遥香:顔真っ赤にしてる暇あるならさっさと運転して目的地に行きましょ? 刹那:これは…遥香が悪い 遥香:悪くないし…その、正直に伝えてるだけなんだから… 刹那:あー、とりあえず運転するよオーケー? 遥香:はいはい、おーけーおーけー 刹那:…遥香 遥香:ん? 刹那:僕はどんな君でも大好きだよ 遥香:うにゃっ!? 刹那:じゃあ…行こうか 遥香:…うん 0:遊園地にて 刹那:しかし…平日なのに人が多いねぇ 遥香:そりゃあ、今日はバレンタインだから… 刹那:それもそうか…と言うか、平日に出かけるのも久しぶりだからね 遥香:アンタよく有給取れたわよね? 刹那:まぁ…ゴリ押したからね 遥香:そっか…とりあえず何から遊ぶ? 刹那:ジェットコースターとかどう? 遥香:私…絶叫系苦手… 刹那:コーヒーカップは? 遥香:コーヒーカップは酔うのよ… 刹那:うーん…じゃあメリーゴーランドは? 遥香:それは…子どもっぽくない? 刹那:よし、メリーゴーランドにしようか 遥香:なんでよ!? 刹那:遥香がそう聞くってことは、本当は乗りたいけど子どもっぽく思われないか不安ってことじゃないの? 遥香:ち、違うわよ!?そんなんじゃないしっ! 刹那:合ってると思うんだけどなぁ… 遥香:まぁ?アンタが乗りたいなら乗ってあげないこともない…けど? 刹那:そっか…じゃあ乗りたいな 遥香:じゃあ…いこ? 0:メリーゴーランドを乗り終えて 刹那:どうしたの?なんだかすごく不満そうだね? 遥香:だって…さっきキャストのおねーさんがぁ! 刹那:あっ…そうだね… 遥香:ぐずっ…刹那は私の彼氏なのに…お兄ちゃんじゃないし… 刹那:すごく微笑ましそうな顔してたもんね… 遥香:それに…なんか白馬の王子が似合いすぎてムカついたし… 刹那:それは理不尽じゃない…? 遥香:もう!次行くわよ! 刹那:そうだね、それで次は何で遊ぶの? 遥香:そろそろ日が落ちそうだし…観覧車がいい… 刹那:じゃあ、行こうか 0:観覧車の中にて 遥香:… 刹那:ねぇ、そろそろ機嫌直してよ… 遥香:むぅ… 刹那:困ったなぁ…(チラリと外を眺める)ってうわぁ…! 遥香:あっ…!綺麗…! 刹那:そうだね…落ちていく夕日と変わりゆく夜空がすごくロマンチックだ…! 遥香:うん…!すごいね…!あっ…みてみて!(見下ろす遊園地の一画を指差す) 刹那:おや?バレンタイン記念だからかハート型にライトアップされてるね? 遥香:うん…ねぇ、後で一緒いかない? 刹那:いいよ 遥香:ふふっ、やった! 刹那:…(少し目を見開く) 遥香:ん?なぁに? 刹那:いや、遥香にはこんな一面もあるんだなって 遥香:あっ… 刹那:悪いことじゃないよ?すごく嬉しいんだ 遥香:そっか………本当はね、私結構甘えん坊なのかもしれない 刹那:… 遥香:寂しがりで甘えん坊で子どもっぽくていじっぱりで…ほんとは刹那に甘えたいけど、変な私が邪魔をするの 刹那:そっか 遥香:それに…なんで刹那は私のことが好きなんだろうって、不安になる時があるの。無条件で肯定してくれて、突き放しても一緒にいてくれて… 刹那:うん 遥香:もし、刹那君が私の身体だけ欲しいんだったらどうしようって…もしそうだったらとしても(私は全部刹那君にあげるつもり) 刹那:(被せて)それ以上言ったら本気で怒るよ 遥香:あっ… 刹那:なんで好きなんだろう…か。覚えてるかな?僕と遥香の出会いを、今の君が蓋をしてる記憶の話を… 遥香:私達の…出会い? 刹那:本当はもう少し後に話すつもりだったんだけどね…でも、今なら大丈夫だと思うんだ 遥香:それは…どういう意味………っ! 0:回想 刹那:はぁ…今日も仕事がうまくいかなかった… 遥香:んー?君は…同期の佐藤君だっけ? 刹那:えっ、そう…だけど? 遥香:なーんか暗い顔してるね?大丈夫? 刹那:あはは…大丈夫だよ 遥香:そんな風には見えないけど…? 刹那:うん、心配しなくて良いよ 遥香:なんだか君…鈍臭そうだなぁ?よし、よかったら次のプロジェクトに向けて一緒に勉強しない? 刹那:えっ?いいの…? 遥香:うん、なんか君…ほっとけなくてさ!あ、私は小島、小島遥香だよ? 刹那:僕は佐藤…佐藤刹那です 遥香:これからよろしくね?佐藤君? 0:回想終わり 刹那:君と勉強するようになってから、僕は人並みに仕事できるようになって…そしてミスも減った 遥香:うん… 刹那:君もどんどん新しいプロジェクトを任されて、期待の星になった 遥香:… 刹那:上は便利な人材を見つけたとばかりに、いつしか君にみんなからの仕事を一人で負わせるようになった 遥香:… 刹那:…その頃から君は荒れ始めた 遥香:あっ… 刹那:同期や仕事ができない人への当たりが強くなり、上司からも見放されて…君はいつのまにか孤独になっていた 遥香:… 刹那:そんな君を僕は見ていられなかった 遥香:…なんで?どうして? 刹那:初めて会った時、こんな僕に手を伸ばしてくれて…そして屈託なく笑ってくれた陽だまりのような君が本当の君だって知ってるから 遥香:でも私は…途中からアンタにも当たりが…私は…っ! 刹那:(抱きしめながら)良いんだよ! 遥香:えっ…!? 刹那:それで君が少しでも笑ってくれるなら、僕はいくらだって道化になれる…! 遥香:刹那… 刹那:でも君はこうやって新しい道を選んだ…!(身体を少し離してまっすぐ見つめて)その結果君はこうして笑っている 遥香:私…ほんとは笑って良いような人間じゃ… 刹那:遥香は悪くない 遥香:でも… 刹那:悪いのはそうさせたあの会社だよ 遥香:… 刹那:それにさ、あの頃は素敵なかっこいい同期の女の子だったけどさ 遥香:…うん 刹那:今の君は世界一可愛くて、誰よりも輝いている最高の女の子だよ 遥香:ぐずっ… 刹那:憧れた女性がこうやっていろんな一面を僕の前だけで見せてくれる…これ以上幸せなことはないよ 遥香:… 刹那:それにさ… 遥香:うん…? 刹那:僕ってチョロいからさ、惚れた女の子なら何されても許しちゃうんだよ? 遥香:…ばーか 刹那:ふふっ、だからね?悩まなくても良いんだよ。僕は小島遥香っていう女の子のこと、理由もつけられないくらい大好きなんだから 遥香:…ごめんね、今まで 刹那:いいんだよ 遥香:そうだ…私は………うん、そういう人間だったね 刹那:今までの遥香も全部遥香だよ 遥香:ありがと。でもなんだか全部思い出したおかげで素直になれそうな気がするの 刹那:そっか 遥香:あのね? 刹那:うん? 遥香:迷惑じゃなかったら…隣行ってもいい? 刹那:いいよ、おいで 遥香:ありがと、よいしょっ…ねぇ? 刹那:ん? 遥香:改めて…こんな私だけど、たまに変になっちゃうかもしれない私だけど、よろしくね…? 刹那:うん、僕だってすごく変な自覚あるし…お互い様だよ 遥香:…それでね?刹那君って呼ぶのがほんとは私のなかで一番しっくりきてるんだけど… 刹那:呼び方はなんでも良いよ、遥香が好きな呼び方で呼んでくれれば 遥香:じゃあ…せ、刹那君…! 刹那:なんだい?遥香ちゃん 遥香:…うん、遥香ちゃんの方が刹那君らしいや 刹那:そっか 遥香:えっとね、呼び捨てが嫌なわけじゃないよ?ほんとだよ? 刹那:ふふっ、わかってるよ 遥香:ほんとかなぁ?あっ、そうだ! 刹那:ん? 遥香:その、チョコ用意したんだけど…私の手作りで…すごい不格好になっちゃったけどほしい? 刹那:も、もちろん! 遥香:そっか、手作りだからお口に合うと良いんだけど… 刹那:… 遥香:えと、その…あーんってした方がいい…? 刹那:… 遥香:さっきから私の顔、そんなに見つめてどうしたの?あっ、大丈夫だよ?ちゃんとレシピ見ながら作ったから! 刹那:…おかえり遥香ちゃん 遥香:急にどうしたの?その…ただいま? 刹那:その…さっき全部思い出したって言ってたけど、記憶はどこまであるの? 遥香:もちろん…全部だよ?私は今はBARバブ美で働いている小鹿ちゃんで、そして刹那君は私の自慢の彼氏 刹那:うん… 遥香:大丈夫、全部思い出したけどその過程を忘れたわけじゃないから 刹那:… 遥香:なんか…思い出すまでの私、すごく変じゃなかった? 刹那:それも含めて遥香ちゃんだよ 遥香:そっか…うん、ありがとう 刹那:どういたしまして 遥香:それでね…? 刹那:うん? 遥香:甘えん坊なのは元からだから…それと、今まで彼氏いたことなくて…その、えっと 刹那:… 遥香:実は前の職場でも刹那君のこと…良いなって思ってた。そんな君が優しくしてくれるからつい甘えてより強く当たってた…だから…今まで本当にごめんなさい… 刹那:何度も言うけど気にしなくて良いよ 遥香:…ありがと、それで話を戻すんだけどね…? 刹那:ん? 遥香:彼氏がいたことないから…その、男の人の手って大きいなぁとか安心するなぁとか、ぎゅってしてくれた温もりも…刹那君が初めてで… 刹那:…うん 遥香:えっと、こんな歳になって…変じゃないかな?ちゃんとこれから刹那君の彼女に(なれるかな) 刹那:遥香ちゃん 遥香:えっ?あっ…… 刹那:……その、僕も全部初めてだから……今のキスだって…遥香ちゃんが初めてだから…その、えっと… 遥香:うん… 刹那:… 遥香:…あっ、観覧車終わっちゃうね? 刹那:結局あまり景色は楽しめなかったね 遥香:ふふっ、また今度来た時に一緒にみようよ 刹那:そうしようか 遥香:じゃあ、さっきのハートのライト見に行きたい! 刹那:うん 遥香:その、腕組み…とかしたら怒る? 刹那:怒るわけないよ、むしろ嬉しい…かな 遥香:なんだろう…やっと刹那君と恋人になれた気がする 刹那:そう…だね 遥香:バブ美さんびっくりするだろうなぁ…人が変わったみたいになっちゃうから 刹那:…あまり驚かないんじゃない? 遥香:えっ? 刹那:ほら、今までもころころ人が変わったみたいになってたし 遥香:うーん、それもそっか!それにバブ美さんのことだから全部わかってたりして…? 刹那:あはは、それはありえるね 遥香:とりあえず、会ったら今までのこと全部話してみる 刹那:軽く流されそうだけど 遥香:それでもいいの!これは私なりのケジメってやつだから 刹那:そっか…応援してる 遥香:…そのときさ、一緒にちゃんとお付き合い始めたことも報告しない? 刹那:バブ美さんは僕らのキューピットみたいなものだからねぇ…うん、いいよ 遥香:なんか…前にバブ美さんが言ってたみたいになったなぁ 刹那:ん? 遥香:ふふっ、私はなんやかんやあって佐藤君と結ばれて超うれぴー♡…だったかな? 刹那:うわぁ…バブ美さんらしいや 遥香:でも本当になんやかんやあって、私たちはちゃんと本当の意味で結ばれたもんね? 刹那:うん…そうだね 遥香:その時はちゃんと紹介しなさいって言われてるからさ 刹那:うん 遥香:…流石にうれぴー♡はないと思うけどね? 刹那:あははっ、そりゃそうだ! 遥香:うふふ…! 刹那:とりあえず遊園地を遊び尽くしたら早速行こうか 遥香:うん!これからもよろしくね…刹那君!