台本概要

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タイトル プリーズ・トレード・チョコレート!
作者名 颯介  (@Utau_chain)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(女2) ※兼役あり
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 バレンタインの日に恋にやぶれた2人の女子が友情を深めるお話です。
ハッピー・バレンタイン!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
美佳子 65 みかこ。29歳 己の恋のチャンスを自らの手でふいにしてしまう残念OL
66 みなみ。29歳 可愛いものが好きだけど、中身がおっさんなOL
美佳子M 3 美佳子のモノローグ(心の声)
南M 2 南のモノローグ
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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美佳子:「嘘でしょ…」 美佳子M :(青白く光る液晶には「ごめん俺、彼女できた」の一言) 美佳子:「どうすんのよ、これ…」 美佳子M :(バッグに入れた気合い満々なラッピングに包まれたチョコレート) 美佳子M :(私の密やかな片想いは、このたった一言で引っ込めざるを得なくなったのだ) 美佳子:「明日仕事の後時間ある?って聞いた途端これよ…」 美佳子M :(そう。私の密やかな片想いは、モノの見事に悟られていたというわけだ) 美佳子M :(日付は二月十三日。) 美佳子:「明日、どうしようかな…」 美佳子M :(南はどうしてるかな?) 0:間 南:「え、嘘…。どうして…?」 南M :(別れようって、なんで?どうしてよりにもよって今なの?) 南:「他に好きな人ができた…って」 南M :(それをなぜ今日言うのか、あたしには理解ができなかった) 南:「どうしよう、これ…」 南M :(ピンクのラッピングがド派手なチョコレート) 南M :(一番高いやつ買ったのに!酒でも飲みながらひとりで全部食べちゃうか…) 南:「いや、家にひとりでいるとか無理…」 南M :(日付は二月十三日) 南M :(美佳子に声かけてみようか) 0:間 0:ドアのベル 美佳子:「あれ、南じゃない!どしたの?ひとり?」 南:「美佳子ぉ…」 美佳子:「ケイスケくんは?一緒じゃないの?」 南:「ケイスケはもういないよ」 美佳子:「え?」 南:「…ふられたの!」 美佳子:「ええ?!ホントに?!なんでよ!?あ、ちょっとごめんね。マスター!ウイスキー、オンザロックで!」 南:「…相変わらず男らしいの飲むよねぇ」 美佳子:「あんたは相変わらず量産女子っぽいの飲んでるわね」 南:「ほっといてよぉ」 美佳子:「で?どうしたって言うのよ」 南:「他に好きな人ができたんだってー」 美佳子:「マジか…。で、あんたはなんて答えたの?」 南:「それならそれでしょうがないねーって」 美佳子:「えー!そんな感じなの?」 南:「だってあたしさ、ケイスケが別れようって言った時、一番最初に思ったの、このチョコレートどうしよう…だもん」 美佳子:「なんかあんたらしいわねwどうせ一番高いやつ買ったんでしょ」 南:「そうだよ!それなのに、何も今言うことないと思わない?!せっかくチョコあげた後、お気に入りのレストランでディナーして…って、一人で勝手に舞い上がってバカみたい!」 美佳子:「でもさ。チョコレートどうしよう…なんて言ったって、ホントはまだケイスケ君のこと好きなんでしょ?」 南:「……そうだよ。…そうですよ!!悔しいけどその通り!でも、気持ちが自分に向いてないまま付き合うなんて嫌だもん」 美佳子:「それはそうね。私も同じこと考えると思う」 南:「それにしてもホント、あたしのことよくわかってるよねー美佳子は」 美佳子:「そりゃそうよ!何年腐れ縁やってると思ってるのよ」 南:「ははっ、そうだね…。で?みかちゃんはどうしたのかな?見たところ、おひとりのようだけど」 美佳子:「その呼び方はやめて!…まあ私もさ、フラれたようなもんよ」 南:「フラれたぁ?どうせ美佳子のことだから告白もしないで諦めたんでしょー?」 美佳子:「うっ…。やっぱわかるか…」 南:「そりゃそうだよ!何年腐れ縁やってると思ってるの!」 0:2人、同時に吹き出して笑い合う 美佳子:「ほら、見てこれ」 0:美佳子おもむろにバッグからチョコレートを出す 南:「うわー!気合の入ったラッピング!」 美佳子:「でしょ?今日仕事帰りに会ってさ、これを渡して告白するつもりだったの」 南:「うん」 美佳子:「昨日、仕事の後会えない?ってLINEしたらさ、ごめん俺彼女できたって」 南:「めっちゃ悟られてるじゃん」 美佳子:「そうなの。…悔しいなぁ。私が彼に気があるの、なんとなくわかってて自分は別にさっさと彼女作っちゃうなんて…」 南:「それで、自分で終わりにしちゃったんだ。何も聞かずに」 美佳子:「そゆこと」 南:「どうせ他に彼女ができちゃったんならもっと根掘り葉掘り聞いてやればよかったのに」 美佳子:「だって職場で顔合わすもん、さすがに気まずいよ…」 南:「そっかぁ。あたしだったらこの人セクハラしてくるんですーって言って別の部署に追いやっちゃうかも」 美佳子:「マジ!ヤバッ!!でもあんたならやりそう!」 南:「でしょ!」 美佳子:「でもさ、やっぱり惜しむらくは…」 南:「チョコレート?」 美佳子:「そうチョコレート。せっかくルンルン気分で選んだのに台無し」 南:「あれ、そういえば渡す予定無くなったチョコレート、なんで持ってるの?」 美佳子:「なんかさ、イベントにまで取り残された女になるの嫌だなーって思って」 南:「あー、わかるわかる!あたしは全部自分で食べちゃおうと思ったんだけどさ、さすがに家にひとりでいるのは無理だなーと思って」 美佳子:「私もさ、南に声かけようと思ったけど、バレンタインだし彼氏とイチャラブかなーって」 南:「あたしだって、さすがに美佳子も20代最後の賭けに出るかなーって思ったよ」 美佳子:「いいのよ、歳のことは」 南:「んで、結局ひとりでふらふらここまで来ちゃったの。渡す予定のなくなったチョコレートも、ちゃあんとバックに入れてね」 美佳子:「あはは!南も?お互い見栄っ張りよね、ホント」 南:「そうよ!見栄張ってなんぼだっつーの!」 美佳子:「それは否定しない!」 南:「それにしても。やっぱ来ちゃうよねー、ここ」 美佳子:「そうね。大学卒業して上京したらさ、まさか南が近所に住んでるなんて思わなかったもの」 南:「ホントだよね!まさかコンビニでばったり会うなんて思わなかった!」 美佳子:「私さ、その時南が買ってたもの今でも言えるわよ」 南:「え、まさか!」 美佳子:「ビールとタバコと焼き鳥2本」 南:「ちょっとやめてよ!」 美佳子:「チョイスがおっさんで、南の好感度べらぼうにあがったわ」 南:「おっさんとか言うな!!」 美佳子:「大丈夫よ、私も似たようなもんだから」 南:「もー!ホント美佳子はどうでもいい事ばっかりしっかり覚えてるんだから!」 美佳子:「記憶力いいでしょ?」 南:「いいから!そんなことより、ここの話!」 美佳子:「ああ、私のお気に入りのBARでしょ?ここにあんたを連れてきたんだったわね」 南:「そうそう!あたしもすっかりハマっちゃってさ!家の近くだからどんなにベロベロになっても大丈夫!ホント最高過ぎ!」 美佳子:「ベロベロになって家の前で力尽きて転がってたのはどこのどなただったかしら」 南:「だからぁ!またそういうこと言う!」 美佳子:「申し訳ないけど、あんたは伝説ばっかりよ?」 南:「あー…、お菓子で酔っちゃったりもしたよね」 美佳子:「ウィスキーボンボンね!あれはびっくりしたわ」 南:「そういうけどさ、けっこうアルコール強いよね?あれ」 美佳子:「一気に一箱全部食べちゃったとかならまだわかるけど、2.3個で顔真っ赤なんだもん」 南:「いや、あの時はコンディション悪かったの!」 美佳子:「さすがの私もドン引きよ」 南:「ここでは自分の体調と相談しながら、お酒薄めに作ってもらってるもん!!」 美佳子:「とりあえず道で転がるのはナシね?心配したんだから」 南:「ハイ…」 美佳子:「それから後はねぇ…」 南:「え、なにが?」 美佳子:「南がこの世界に刻んだ数々の伝説の話よ」 南:「もういいから!!」 美佳子:「えー、まだ沢山あるのよ?」 南:「もう十分です!現在の話しよ!現在の話!」 美佳子:「現在の話ってw」 南:「とりあえずこれだよ!これ!」 美佳子:「彼に渡そうとしたけど渡せなくて、それでもイベントに取り残された女にはなりたくなくて、見栄張ってとりあえずバッグに入れてきたチョコレート?」 南:「そう!この彼に渡そうとしたけど渡せなくて、それでもイベントに取り残された女にはなりたくなくて、見栄張ってとりあえずバッグに入れてきたチョコレートを、あたしと美佳子で渡し合います!」 美佳子:「え?チョコレートを交換するの?そんなことしてどうすんのよ。プレゼント交換じゃあるまいし」 南:「そう、一見するとただのチョコレート交換!だから交換じゃなくってね、最初からあたしたちがお互いの為に用意したってことにするの!」 美佳子:「あー、友チョコ的な?」 南:「そうそれ!」 美佳子:「まあ確かに、何事も気の持ちようだものね」 南:「そうそう!たまにはさ、女の友情を育むのも悪くないでしょ?」 美佳子:「そうね。悪くないと思うわ」 南:「ではそういうことで!プリーズ・トレード・チョコレート!」 美佳子:「なによそれw米兵にチョコレートねだってるみたい」 南:「米兵ってw」 美佳子:「くれるなら早くちょうだいよw」 南:「はいはい、どうぞ!」 美佳子:「ありがと。じゃあこれは南に」 南:「わーい!ありがとー」 美佳子:「てゆーかこれ、いくらしたのよ」 南:「…聞きたい?」 美佳子:「…やめとくわ」 南:「あーん、なんでー!」 美佳子:「私としたことが、聞くのが怖いと思ってしまったわ」 南:「あら、みかちゃんがあたしのこと怖がるなんて珍しい」 美佳子:「私はいつだってあんたのことが怖いわよ。つーかみかちゃんはやめて」 南:「はいはい」 美佳子:「てゆーか、南。いくらなんでもこのラッピング、ピンク過ぎない?」 南:「いーの!ピンクが好きなの!美佳子のだって、中々すごいよ?このラッピングの気合いの入りよう!」 美佳子:「こういうのってやっぱ形が大事でしょ?」 南:「まあ、確かに。わかりやすくていいとは思うけど」 美佳子:「2人ともホント見栄っ張りだよねw」 南:「ホントにねw」 0:2人は顔を見合わせて笑う 美佳子M:(バレンタインデーの失恋) 南M:(どんなにいいチョコレートを用意しても) 美佳子M:(渡せなかったら意味がなくて) 南M:(結局こういう時、頼りになるのは) 美佳子M:(勝手知ったる友達だったりするものだ) 南:「んじゃ、気を取り直して乾杯しよ!」 美佳子:「それでは、女の友情と見栄っ張りな私たちに乾杯!」 南:「ふふっ、乾杯!ハッピーバレンタイーン!」

美佳子:「嘘でしょ…」 美佳子M :(青白く光る液晶には「ごめん俺、彼女できた」の一言) 美佳子:「どうすんのよ、これ…」 美佳子M :(バッグに入れた気合い満々なラッピングに包まれたチョコレート) 美佳子M :(私の密やかな片想いは、このたった一言で引っ込めざるを得なくなったのだ) 美佳子:「明日仕事の後時間ある?って聞いた途端これよ…」 美佳子M :(そう。私の密やかな片想いは、モノの見事に悟られていたというわけだ) 美佳子M :(日付は二月十三日。) 美佳子:「明日、どうしようかな…」 美佳子M :(南はどうしてるかな?) 0:間 南:「え、嘘…。どうして…?」 南M :(別れようって、なんで?どうしてよりにもよって今なの?) 南:「他に好きな人ができた…って」 南M :(それをなぜ今日言うのか、あたしには理解ができなかった) 南:「どうしよう、これ…」 南M :(ピンクのラッピングがド派手なチョコレート) 南M :(一番高いやつ買ったのに!酒でも飲みながらひとりで全部食べちゃうか…) 南:「いや、家にひとりでいるとか無理…」 南M :(日付は二月十三日) 南M :(美佳子に声かけてみようか) 0:間 0:ドアのベル 美佳子:「あれ、南じゃない!どしたの?ひとり?」 南:「美佳子ぉ…」 美佳子:「ケイスケくんは?一緒じゃないの?」 南:「ケイスケはもういないよ」 美佳子:「え?」 南:「…ふられたの!」 美佳子:「ええ?!ホントに?!なんでよ!?あ、ちょっとごめんね。マスター!ウイスキー、オンザロックで!」 南:「…相変わらず男らしいの飲むよねぇ」 美佳子:「あんたは相変わらず量産女子っぽいの飲んでるわね」 南:「ほっといてよぉ」 美佳子:「で?どうしたって言うのよ」 南:「他に好きな人ができたんだってー」 美佳子:「マジか…。で、あんたはなんて答えたの?」 南:「それならそれでしょうがないねーって」 美佳子:「えー!そんな感じなの?」 南:「だってあたしさ、ケイスケが別れようって言った時、一番最初に思ったの、このチョコレートどうしよう…だもん」 美佳子:「なんかあんたらしいわねwどうせ一番高いやつ買ったんでしょ」 南:「そうだよ!それなのに、何も今言うことないと思わない?!せっかくチョコあげた後、お気に入りのレストランでディナーして…って、一人で勝手に舞い上がってバカみたい!」 美佳子:「でもさ。チョコレートどうしよう…なんて言ったって、ホントはまだケイスケ君のこと好きなんでしょ?」 南:「……そうだよ。…そうですよ!!悔しいけどその通り!でも、気持ちが自分に向いてないまま付き合うなんて嫌だもん」 美佳子:「それはそうね。私も同じこと考えると思う」 南:「それにしてもホント、あたしのことよくわかってるよねー美佳子は」 美佳子:「そりゃそうよ!何年腐れ縁やってると思ってるのよ」 南:「ははっ、そうだね…。で?みかちゃんはどうしたのかな?見たところ、おひとりのようだけど」 美佳子:「その呼び方はやめて!…まあ私もさ、フラれたようなもんよ」 南:「フラれたぁ?どうせ美佳子のことだから告白もしないで諦めたんでしょー?」 美佳子:「うっ…。やっぱわかるか…」 南:「そりゃそうだよ!何年腐れ縁やってると思ってるの!」 0:2人、同時に吹き出して笑い合う 美佳子:「ほら、見てこれ」 0:美佳子おもむろにバッグからチョコレートを出す 南:「うわー!気合の入ったラッピング!」 美佳子:「でしょ?今日仕事帰りに会ってさ、これを渡して告白するつもりだったの」 南:「うん」 美佳子:「昨日、仕事の後会えない?ってLINEしたらさ、ごめん俺彼女できたって」 南:「めっちゃ悟られてるじゃん」 美佳子:「そうなの。…悔しいなぁ。私が彼に気があるの、なんとなくわかってて自分は別にさっさと彼女作っちゃうなんて…」 南:「それで、自分で終わりにしちゃったんだ。何も聞かずに」 美佳子:「そゆこと」 南:「どうせ他に彼女ができちゃったんならもっと根掘り葉掘り聞いてやればよかったのに」 美佳子:「だって職場で顔合わすもん、さすがに気まずいよ…」 南:「そっかぁ。あたしだったらこの人セクハラしてくるんですーって言って別の部署に追いやっちゃうかも」 美佳子:「マジ!ヤバッ!!でもあんたならやりそう!」 南:「でしょ!」 美佳子:「でもさ、やっぱり惜しむらくは…」 南:「チョコレート?」 美佳子:「そうチョコレート。せっかくルンルン気分で選んだのに台無し」 南:「あれ、そういえば渡す予定無くなったチョコレート、なんで持ってるの?」 美佳子:「なんかさ、イベントにまで取り残された女になるの嫌だなーって思って」 南:「あー、わかるわかる!あたしは全部自分で食べちゃおうと思ったんだけどさ、さすがに家にひとりでいるのは無理だなーと思って」 美佳子:「私もさ、南に声かけようと思ったけど、バレンタインだし彼氏とイチャラブかなーって」 南:「あたしだって、さすがに美佳子も20代最後の賭けに出るかなーって思ったよ」 美佳子:「いいのよ、歳のことは」 南:「んで、結局ひとりでふらふらここまで来ちゃったの。渡す予定のなくなったチョコレートも、ちゃあんとバックに入れてね」 美佳子:「あはは!南も?お互い見栄っ張りよね、ホント」 南:「そうよ!見栄張ってなんぼだっつーの!」 美佳子:「それは否定しない!」 南:「それにしても。やっぱ来ちゃうよねー、ここ」 美佳子:「そうね。大学卒業して上京したらさ、まさか南が近所に住んでるなんて思わなかったもの」 南:「ホントだよね!まさかコンビニでばったり会うなんて思わなかった!」 美佳子:「私さ、その時南が買ってたもの今でも言えるわよ」 南:「え、まさか!」 美佳子:「ビールとタバコと焼き鳥2本」 南:「ちょっとやめてよ!」 美佳子:「チョイスがおっさんで、南の好感度べらぼうにあがったわ」 南:「おっさんとか言うな!!」 美佳子:「大丈夫よ、私も似たようなもんだから」 南:「もー!ホント美佳子はどうでもいい事ばっかりしっかり覚えてるんだから!」 美佳子:「記憶力いいでしょ?」 南:「いいから!そんなことより、ここの話!」 美佳子:「ああ、私のお気に入りのBARでしょ?ここにあんたを連れてきたんだったわね」 南:「そうそう!あたしもすっかりハマっちゃってさ!家の近くだからどんなにベロベロになっても大丈夫!ホント最高過ぎ!」 美佳子:「ベロベロになって家の前で力尽きて転がってたのはどこのどなただったかしら」 南:「だからぁ!またそういうこと言う!」 美佳子:「申し訳ないけど、あんたは伝説ばっかりよ?」 南:「あー…、お菓子で酔っちゃったりもしたよね」 美佳子:「ウィスキーボンボンね!あれはびっくりしたわ」 南:「そういうけどさ、けっこうアルコール強いよね?あれ」 美佳子:「一気に一箱全部食べちゃったとかならまだわかるけど、2.3個で顔真っ赤なんだもん」 南:「いや、あの時はコンディション悪かったの!」 美佳子:「さすがの私もドン引きよ」 南:「ここでは自分の体調と相談しながら、お酒薄めに作ってもらってるもん!!」 美佳子:「とりあえず道で転がるのはナシね?心配したんだから」 南:「ハイ…」 美佳子:「それから後はねぇ…」 南:「え、なにが?」 美佳子:「南がこの世界に刻んだ数々の伝説の話よ」 南:「もういいから!!」 美佳子:「えー、まだ沢山あるのよ?」 南:「もう十分です!現在の話しよ!現在の話!」 美佳子:「現在の話ってw」 南:「とりあえずこれだよ!これ!」 美佳子:「彼に渡そうとしたけど渡せなくて、それでもイベントに取り残された女にはなりたくなくて、見栄張ってとりあえずバッグに入れてきたチョコレート?」 南:「そう!この彼に渡そうとしたけど渡せなくて、それでもイベントに取り残された女にはなりたくなくて、見栄張ってとりあえずバッグに入れてきたチョコレートを、あたしと美佳子で渡し合います!」 美佳子:「え?チョコレートを交換するの?そんなことしてどうすんのよ。プレゼント交換じゃあるまいし」 南:「そう、一見するとただのチョコレート交換!だから交換じゃなくってね、最初からあたしたちがお互いの為に用意したってことにするの!」 美佳子:「あー、友チョコ的な?」 南:「そうそれ!」 美佳子:「まあ確かに、何事も気の持ちようだものね」 南:「そうそう!たまにはさ、女の友情を育むのも悪くないでしょ?」 美佳子:「そうね。悪くないと思うわ」 南:「ではそういうことで!プリーズ・トレード・チョコレート!」 美佳子:「なによそれw米兵にチョコレートねだってるみたい」 南:「米兵ってw」 美佳子:「くれるなら早くちょうだいよw」 南:「はいはい、どうぞ!」 美佳子:「ありがと。じゃあこれは南に」 南:「わーい!ありがとー」 美佳子:「てゆーかこれ、いくらしたのよ」 南:「…聞きたい?」 美佳子:「…やめとくわ」 南:「あーん、なんでー!」 美佳子:「私としたことが、聞くのが怖いと思ってしまったわ」 南:「あら、みかちゃんがあたしのこと怖がるなんて珍しい」 美佳子:「私はいつだってあんたのことが怖いわよ。つーかみかちゃんはやめて」 南:「はいはい」 美佳子:「てゆーか、南。いくらなんでもこのラッピング、ピンク過ぎない?」 南:「いーの!ピンクが好きなの!美佳子のだって、中々すごいよ?このラッピングの気合いの入りよう!」 美佳子:「こういうのってやっぱ形が大事でしょ?」 南:「まあ、確かに。わかりやすくていいとは思うけど」 美佳子:「2人ともホント見栄っ張りだよねw」 南:「ホントにねw」 0:2人は顔を見合わせて笑う 美佳子M:(バレンタインデーの失恋) 南M:(どんなにいいチョコレートを用意しても) 美佳子M:(渡せなかったら意味がなくて) 南M:(結局こういう時、頼りになるのは) 美佳子M:(勝手知ったる友達だったりするものだ) 南:「んじゃ、気を取り直して乾杯しよ!」 美佳子:「それでは、女の友情と見栄っ張りな私たちに乾杯!」 南:「ふふっ、乾杯!ハッピーバレンタイーン!」