声劇台本置き場

【春】 Ａ：目覚ましに急かされることなく、 Ａ：自然と目を覚ます。 0： Ａ：とても柔らかい光。 Ａ：真っ直ぐ Ａ：ぼくの布団へと差し込んでいる。 0： Ａ：カーテンは閉じたまま Ａ：ゆっくり手を伸ばし Ａ：窓を少しだけ開けてみる。 Ａ：ふわっと暖かな風が Ａ：カーテンを押し上げて揺れる 0： Ａ：少し前まで Ａ：あんなに寒くて Ａ：窓を開けることも億劫だったのに Ａ：いつの間にか Ａ：すぐ近くまで春がきている。 0： Ａ：春という言葉を Ａ：頭の中に思い浮かべるだけで Ａ：なんだか少し顔が綻ぶ（ほころぶ） 0： Ａ：まだ少し肌寒さの残る空気。 Ａ：大きく息を吸い込み Ａ：体を伸ばす Ａ：ゆっくり息を吐き出そうとしたとき、 0： Ａ：「にゃあーお」 0： Ａ：外からかわいい声が聞こえてきた。 Ａ：そっとカーテンをめくり Ａ：窓の隙間からそっと覗いてみると Ａ：ふたりで仲良く日向ぼっこをしている Ａ：猫ちゃん 0： Ａ：目を細めて鼻をクンクン Ａ：風を感じながら Ａ：気持ちよさそうに Ａ：ふたり寄り添いながら Ａ：ぎゅっと抱き合って寝転がっている 0： Ａ：そんな様子を Ａ：空から太陽も優しく見守っている 0： Ａ：ずっとこんな気候が続けばいいな。 Ａ：外で暮らす生き物にとって Ａ：きっと春は優しい季節だと思うから。 0： Ａ：本当のことを言うと Ａ：花粉症のぼくにとって春は・・ Ａ：毎日かなりつらいのだけど（微笑） 0： Ａ：でもぼくはそれでもいいから Ａ：やっぱり春が長く続いてほしい。 Ａ：だって Ａ：そう心から思わせてくれる Ａ：こんなにかわいい寝顔が Ａ：きっと日本中たくさんあるのだから。 0： Ａ：そんなことを考えさせてくれる Ａ：優しいこの季節が好き。 0： Ａ：そう感じた瞬間 Ａ：ひらひらと Ａ：淡いピンクの花びら 0： Ａ：窓からぼくの元へと Ａ：ふわり、ふわり。 0： Ａ：その愛らしい１枚に Ａ：指先でそっと触れ Ａ：思わず笑みがこぼれた。 0： Ａ：今日はいい天気。 Ａ：外に出てみようかな。