声劇台本置き場

Ａ：誰が殺したの？　私のコマドリ Ａ：ああ。誰か教えて Ａ：私のこの子をこんなにしたのは Ｂ：そんなに嘆いてどうしましたか。　わたしは森の側（そば）に住む神父　 Ａ：ああどうかこの子を見てください。 Ａ：私の大事なコマドリは顔から胸を真っ赤に染めて。 Ｃ：どれ、それならどうぞこちらに Ｃ：我が輩は医者。　あなたのコマドリ、診てしんぜましょう。 Ｂ：つい少し前、オレンジエンドレモン、とクレセント教会の鐘が鳴った。 Ｂ：聞こえたでしょう。　コマドリよりも空高く響きわたった鐘の音が。 Ａ：どこまでも青い鈴ヶ森。　豊かな枝に囀(さえず)る声はもう聞こえない。 Ａ：私のコマドリ、罪幽(つみぶか)きわたしのコマドリを、一体誰が殺したの？ Ｂ：それはわたし。　鐘を打ったのはわたし。　清め賜えと、鐘を打ったのはわたし Ｃ：さあ、もう大丈夫、ほらもうすっかり直りましたよ。 Ｃ：どうぞあなたの手に糸を Ｃ：あなたの喉にコマドリの声を宿らせて Ｂ：歌いなさいな。　ククロセアトロ・クックロビン Ｂ：永遠に Ａ：このどこまでも深き森にてコマドリの歌を 0：　 0：以下劇後トーク 0：ここから先は皆様、普段の口調に語尾や一人称を変えてなるべく素でお願いします。 0：考えている「間」を意識してくだされば、なお良きです。アドリブ歓迎。 0：　 Ｂ：はい、お疲れ様でした Ａ：お疲れ様でしたー　フフフフフ Ｃ：お疲れ様でしたありがとうございました Ｂ：なんか不思議なシナリオでしたね。 Ａ：ねー不思議。　すみませんちょっとよくわからなかったです最後(笑) Ｂ：あ、自分も。最後に急に出てきたこのくだりね。　タイトル「声劇廃民のつどい」ですよね Ａ：そうそう。　ぱのってぃさんのシナリオ～ Ａ：これって、多分何かの物語の引用なんですかねえ。繋がりがちょっと。っていうか、いつものぱのってぃさんのとはちょっと違う雰囲気かなって思いました Ａ：あ、前半の声劇廃民あるあるターンのところ面白かったです！ Ｂ：フフフフフ、ですね。最後よくわかんなかったけど楽しかった。 Ｃ：よかったです！ Ｂ：選んだのＣさんですよね。なんでこれをやろうと？ Ｃ：いや僕かなりの劇廃なんで、いつかやらなきゃと思って(笑) Ａ：あーーー、Ｃさんて「いつでもいるー！」って感じします Ｂ：たしかに(笑) えっとＣさん的に最後んとこってどうです？ Ｃ：あー、僕的にはなんか好きです。多分、「コマドリ誰が殺したの」っていうのがあるんですけど Ａ：ああー、なんか聞いたことあります。なんでしたっけ？ Ａ：あー！　なんか子供の頃読んだことあるかもです！　死んだコマドリのお葬式みたいな？　やつですよね Ｂ：へー Ｃ：そうですそれ。　これだと最後に手に糸つけてるじゃないですか Ｂ：はい Ｃ：で、喉にコマドリの声を宿らせてるじゃないですか Ａ：うんうん Ｃ：だから、「私」がコマドリ役になってずっと囀り続けろみたいな感じじゃないかなって Ｂ：あー！ Ａ：あー！ Ｂ：「私」が劇廃、ってことね？ Ａ：なるほどー。　私劇廃かー。　フフフフ。　うんうん。　みんな劇廃だよね。　Ｃ君ほどじゃないけど Ｂ：Ｃ君ほどじゃないけど Ｃ：いやいやいやいや。皆さん僕と同じかそれ以上でしょ Ｂ：いやいやいやいや。ねえ Ｂ：でも、これでいくと神父とお医者もなんか意味ありそうですよね。 Ｂ：あとなんですか、このオレンジエンドレモンて。　オレンジアンドレモンと鐘が鳴るってどゆこと？！ Ａ：オレンジエンドレモン…　と。　あ、『オレンジ＆レモン』、て詩が出てきました。　へー、マザーグースだって Ｂ：え、　あ、検索したの？ Ａ：今、バックグラウンドで探しちゃいました。　へへ Ｂ：あっ、マザーグースの詩なんですね Ｃ：あっ、『コマドリ誰が殺したの』も、そうだったかもですね Ｂ：へー、あー、マザーグースなんだ。　へー Ａ：ちょっと読みますね。 Ｂ：はい Ａ：オレンジアンドレモンとクレセント教会の鐘が鳴る。 Ａ：「アンタにゃ５銭の貸しがある」　　マーチン教会の鐘が鳴る Ａ：「いつ返すってえつもりだい」　ベイリー教会の古鐘が鳴る。 Ａ：「おいらが富豪（ふごう）になったらさ」　　ショーディッチ教会の鐘が鳴る Ａ：「だからそれっていつなんだ」　　ステプニィ教会の鐘が鳴る。　 Ｂ：へー、鐘ばっかり鳴ってますね Ｃ：あー、借金と鐘、　金と鐘をかけてるんですかね Ｂ：いやマザーグース日本語じゃないでしょ（笑）　オレンジアンドレモンの鐘意味不明すぎる Ａ：あっ、　わかった。鐘の音じゃないですか？ Ｂ：え～、どんなよ Ａ：（鐘の音。あるいはお経のように）オレ～～～～ンジエ～～～～ンドレモ～～～～～ン　（笑） Ｂ：（笑） Ｃ：（笑） Ｂ：なんじゃそりゃ（笑） Ａ：（笑）　あ、待って。　なんかね最後、処刑されるぽいです。 Ｂ：処刑 Ａ：読みますね。　「ろうそくが来たぞ。もうオネンネだ。　アンタの首をチョン切りに、首切り役人ご登板」 Ａ：だって Ｂ：え５銭で処刑？！　厳し！ Ａ：（笑）　すみません読んでみたら更に意味が分からなくなりましたね Ｂ：（笑）　確かに。　でも、なんとなーく意味深さは感じました Ａ：なんかほんと、すみませんでしたー Ｂ：いえいえ。でも、あ、このシナリオの話に戻りますね Ｂ：これだと、鐘を鳴らしたのが『神父』で、『オレンジ＆レモン』の鐘、ていうことは、最後に首をチョンされたのはコマドリってことかな Ａ：あーーー、　で、『お医者さん』に操り人形にされて、『私』がそれを操ると。　んん？　え待って。　ちょっと待って。 Ｂ：ん、どうかしましたかＡさん Ａ：これって逆とも言えません？ Ｂ：逆、とは Ａ：私達って、劇では自由に喋ってるわけじゃなくて、台本通りにセリフを喋ってるわけじゃないですか。 Ｂ：はい Ａ：時々ね、ちょこちょこアドリブとかね、コメディだったらふざけすぎたりとかってこともありますけど、基本的に書いてあるシナリオに沿ってやるわけですよね？ Ｂ：まあそうですよね、劇なんだから Ａ：これって、シナリオ側の世界からみたら、操られてセリフを喋らされてるのって Ａ：むしろこっちじゃありません？ Ｂ：んん？！　どゆことです？ Ａ：んー、、、と、なんて言ったらいいのかな、、、。　 Ａ：ここが現実世界でー、劇始まるとそのシナリオの中の世界に入ってくわけじゃないですか Ｂ：はい。　あー、　そうすると、ライターさんが書いたシナリオ通りに、こっちが操られてる、ってことですか！ Ａ：そうですそうです！　劇中って、私達って割と日常から切り離されてると思うんですよ Ｂ：うんうん。　それは！　たしかに！ Ａ：首をちょん切られてるイコール、現実と切り離すーみたいな。現実世界のいろんなことから切り離されてー、劇の世界でシナリオ通りに操られてるの Ｂ：あーーー、自分たちは劇廃「私」の人間側じゃなくて、むしろこっちの首を伐(き)られて操り人形になったコマドリってことですね？！ Ｂ：それで逆… なるほど！　へー、あっ、面白い　…　ん、あれ？ Ｂ：Ｃ君、大丈夫ですかー？　生きてますかー？ Ａ：あっごめんなさい。私ばっかり喋っちゃった Ｃ：・・・・あっ、大丈夫です生きてます。　すみませんマイク入ってなかった。　面白いですね Ｂ：意味わかんないと思ってたけど思いの外深めじゃないです？　これ Ａ：ねー、　話してたらほえーーってなってきたー Ｃ：ところであのー Ｂ：ハイ Ｃ：これって今、劇終わっ、、てますよね？ Ｂ：ハイ終わってますよ？　え、何言ってるんですか？　ちゃんと終わってます。 Ｂ：劇後雑談です。　ねえＡさん Ａ：え？　え？　えっとあの。　私も実はさっきから微妙ーになんかこう、、、あの、いつも私達ってこんな感じでしたっけ？ Ｂ：こんな感じでしょういつも！　何言ってるんですか怖あ！ Ｃ：ですよね！　終わってますよね！ Ｂ：終わってます終わってます！　大丈夫！ Ｃ：でも、あれですよね。 Ｂ：うん？ Ｃ：僕たち、どっちかというと首伐られてっていうよりは、毒にやられてるって感じしますね。 Ｂ：毒… Ａ：中毒？ Ｃ：そう。　劇中毒 Ｂ：劇中毒(笑) Ｃ：僕たちが殺されたコマドリだとして、劇空間というか、シナリオというか、 Ｃ：そういうものに毒されてて、こうやってるみたいな。 Ｂ：うわー、　うーん、毒されてる。うん Ａ：フフフ。　毒されてますね。確かに Ａ：あ、すみません。もうそろそろ私失礼しますね。けっこう時間過ぎてた(笑) Ｃ：あっという間ですよねいつも(笑) Ａ：ねー、どうしてこんなに早いのか Ｂ：はいではここで終わりましょうか。 Ｂ：Ａさん遅くまでありがとうございました！お疲れ様でしたー！ Ａ：楽しかったです！　お疲れ様でしたー！ Ｃ：お疲れ様でしたー！ 0：　 0：　 Ｃ：（Ｍ）小さな端末の中の枠が閉じた瞬間、静まりかえった現実に引き戻される。　そしてこれからが、僕の劇の始まりだ Ｃ：（Ｍ）クックロビン・ククロセアトロ Ｃ：（Ｍ）クックロビンはコマドリのこと。ククロセアトロの意味は「人形劇」 Ｃ：あんたのことだよ。　『ぱのってぃ』　 Ｃ：…さあて 0：　 Ａ：（Ｍ）枠が閉じると、ここはただの部屋に戻る。　一人の部屋。　私のことなど、誰も知らない。　孤独の街 Ａ：（誰かに向かって返事）ん　…はーい！ Ａ：あれ？　お届け物かな…　何か頼んだモノあったっけ 0：　 Ｂ：（Ｍ）この世界は孤独だ。　どれだけ友達がいようと、家族がいようと、自分たちはきっとみんな、孤独だ Ｂ：（Ｍ）でも、『劇の世界』でなら、繋がっていられる。　どこの誰かも、声しか知らない誰かとでも 0：　 Ｃ：ピンポーン Ａ：はーい、　…　あの、… Ｃ：掲示板で俺の悪口ばっかり書いてるアンタさあ！ Ａ：えっ、この声　 Ｃ：！（鈍器で殴る） Ａ：Ｃ… 0： Ｂ：（Ｍ）「オレンジ&レモン」さっき見たサイトは５銭と訳されていたけれど、 Ｂ：（Ｍ）他の訳では「５ファージング」と書かれていた。 Ｂ：（Ｍ）ファージング銅貨には昔、ミソサザイという小鳥の図柄がついていたそう。 0：　 Ｃ：ほら、いってらっしゃい。二人とも。　孤独は良いねえ。　何も残らなくて Ｃ：きみの書いた『心中』シナリオ、このくらいしか役に立たないクソみたいなシナリオだったね、『ぱのってぃ』 Ｃ：（落とす音） 0：　 Ｂ：（Ｍ）その昔、コマドリのメスがミソサザイだと信じられていたらしい。 Ｂ：（Ｍ）「誰がコマドリ殺したの」の中で、死んだコマドリの棺を運ぶミソサザイ。 0：　 Ｃ：僕が書き足した締めくくり、最高だったでしょう？ 0：　 0：　 0：　 Ｂ：はい！お疲れ様でしたー！ Ｃ：お疲れ様でしたー！　はーー！ Ａ：お疲れ様でしたー！ Ｂ：あー、口渇いちゃった。ちょっと一口飲みますね。　（少しミュート）　今ね、Ｃ君からもらったやつ飲んでる。　おいしい。　ありがとうございます！ Ｃ：よかったー Ｂ：んんっ（咳払い）はー、うわー、　これ、うわってなりましたー！ Ａ：ねー　Ｃ君怖ああ！ Ｃ：これねー、僕もびっくりしました。ははは Ｂ：よかったあ、僕どうやら生き残れて Ａ：あれ、これ今こそ本当に、劇終わってますよね Ｃ：ほんとに生き残ってるんですかね、Ｂさん Ｂ：ええ怖！　Ｃさん？！　 Ｃ：（笑）　いやこれ終わってますよね劇 Ｂ：ハイ！　終わってます！ Ａ：ハイ、今度こそですね！ Ｂ：またやりましょう Ａ：はいぜひ！　またよろしくお願いしますね 0：（暫く無音） Ａ：あれ。　Ｂさん、音入ってないかもです Ｂ：（無音） Ｃ：（無音） Ａ：あれ。　Ｃさんも落ちちゃった？　あれ？　Ｂさーん　えっと、　コメントも…　 0：　 0：　 0：　 Ｂ：はい、お疲れ様でしたー！ Ｃ：（笑）何度目 Ａ：無限ループ（笑） Ｂ：最後なにげに毒殺されてた？　自分 Ａ：Ｃ君こわあ！ Ｃ：『劇毒』をあおったんですよ。　劇廃だから Ｂ：げきどく 0：　 0：　 0：　 Ｂ：劇という毒をあおった僕（私）たちは Ｃ：ミソサザイに運ばれて今日も降り立つ Ａ：「声の糸」で結ばれたこの世界に 0：　 0：　（間） 0：　 Ｃ：なあんて。　フフフ　面白かっただろ？ 0： Ｃ：始まりの鐘を鳴らした『神父』のＢさん？ 0： Ｃ：コマドリの飼い主の『私』のＡさん？ 0： Ｃ：そこで黙って、転がってるだけになっちゃったねえ？ Ｃ：ぱのってぃって名前の『医者』に何度だって…　糸をくくりつけてもらったらどうだい？　ええ？ Ｃ：好きだったんだろ、くだらない、こいつの…　こんなクソカスシナリオが！ 0： Ｃ：ねえ、陰で僕を馬鹿にしてたんでしょ　『　み　ん　な　』？ Ｃ：おまえらには５銭ぽっちのちいさな、　ちいさな　ものだったろうさ 0： Ｃ：だから僕、『首切り役人』になっちゃったんだよ Ｃ：おまえらの、　おまえらの！　おまえらのせいだ！ Ｃ：フフフ、　でももう、誰もいない、　だぁーれもいない　だぁーーーー、れも　ははは、いないんだ！　ああ…（涙） 0： Ｃ：だぁああああーーーーーれも！！ Ｃ：（落ちる、または倒れる音） 0：　 0：　－　終幕　－