台本概要

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タイトル 桜の木の下で
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 咲也は一人、道を歩いていると、 どこからともなく花びらが飛んできてふと顔を上げる。 ああ・・またこの季節が来たのか。 忘れられない、あいつと出会った季節が⋯
ちょっと不思議なショート恋愛ストーリー
男女不問。世界観を壊さない程度のアドリブOK。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
咲也 58 大学生。大学の春休みに暇を持て余してる男。 一年前に彼女が居たが今はその子がどこにいるのかも分からない。
49 神出鬼没な女性で、よく道行くカップルを眺めてはため息を出しながら羨ましがっている。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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咲也:また⋯この季節が来たのか⋯。 0: 咲也:あいつは、今頃どこかで、元気にやってるのかな⋯? 桜:それって、私以外の女の人? 咲也:っ!⋯だったら、どうするんだ? 桜:そりゃ、ちょっと妬いちゃうかなー 咲也:へー、妬くんだ 桜:どういう意味かなー?もしかして、その人の事好きなの? 咲也:そうだな、一年も彼氏をほったらかしにする女よりはいいかも知れないなー 桜:ええーー!そんなーー!⋯うぅ~⋯。 咲也:⋯ふふ、冗談だよ。 桜:ええ!?⋯う、イジワル⋯ 咲也:はは、ごめんごめん。 桜:む~。 咲也:桜、久しぶりだな。 桜:っ!⋯うん、咲也、久しぶり! 0:間 咲也:それで、桜はこの一年どうしてたんだ? 桜:ん、どうって? 咲也:一年前、待ち合わせに来なかったっきり、姿見せなくなってただろ。 桜:あー⋯その事か。でも、ちゃんと手紙を書いてたんだけどなー。 咲也:ちゃんとだって?あの「私の事は忘れて下さい」って、たったそれだけの短い文章の事か? 桜:そ、そうだよ、ちゃんと私の気持ちを書いた文章だよ。 咲也:はあ⋯まあ今更だな。でも振るならちゃんと面と向かって言って欲しかったな 桜:それは⋯無理だよ 咲也:あー、そうか、そう言えばお互い、連絡先も交換してなかったよな。 桜:違う! 咲也:え? 桜:⋯そうじゃ、ないの。 咲也:どういう事なんだ? 桜:⋯振りたかったんじゃないの。 咲也:いや、嫌いになったから、あの手紙を書いたんじゃないのか? 桜:嫌いなんかならないよ!⋯だって、私は今も咲也の事が⋯ 咲也:ちょっと待ってくれ、ならなんで⋯忘れてくれ、なんて書いたんだよ? 桜:それは⋯ 咲也:俺はな⋯あの日、桜が来なくて、どんなに悲しかったか、分かるか? 桜:咲也⋯ 咲也:あんなに毎日、遅くまでいっぱい喋って、笑い合ってたのに。あの時間が全部、まるで無かった事のようになったんだ、あの短い手紙で⋯。 桜:ごめん⋯ 咲也:違う!謝って欲しいんじゃない、理由を知りたかったんだ! 0: 咲也:この一年、ずっと考えてたんだ⋯。俺が桜を怒らすような、嫌われるような事をしたんじゃないかって⋯。 桜:咲也は何も悪くないよ!悪いのは⋯私だから⋯。 咲也:え⋯? 桜:ねえ⋯私と初めて会った時の事、覚えてる? 咲也:それは⋯もちろん覚えてるよ。絶対忘れたくない、俺たちの大事な思い出だからな⋯。 0:間 桜:はぁ⋯い~な~。私もあんなカップルみたいに、素敵な恋、したいな~ 咲也:はー⋯ 桜:いーなー 咲也:羨ましいですよねー 桜:え? 咲也:へ? 桜:うわー!びっくりしたー! 咲也:うわー!ってこっちのセリフだよ!君、どこに居たの!? 桜:どこって⋯私は最初からずっとここに居ました! 咲也:え?⋯ぷっ!た、確かに⋯ 桜:ん?ちょっと、人の顔見て笑うとか失礼じゃないですかー? 咲也:ぷっ、いや、だって君⋯、全身桜の花びらまみれになってるから。 桜:え⋯あ!ほ、ほんとだ~!! 咲也:はは、どれだけそこに居たんだよ。さては君、暇人か? 桜:むっ、そういう君も、こんなベンチに一人きりなんて暇人なんじゃないかしら~? 咲也:う、うるせー! 桜:図星なんじゃ~ん 咲也:ほっとけ!まったくなんて性格悪い女だ⋯ 桜:あ、あのさ⋯君、暇人でしょ? 咲也:あ?まだ喧嘩売るってか? 桜:ち、違うよ。その⋯私も、まあ暇人なのよ。 咲也:だ、だからなんだよ? 桜:えと、暇人同士、話相手仲間にならないかなー、って⋯ 咲也:っ!⋯。 桜:駄目⋯かな⋯? 咲也:あ、ああ⋯まあ俺も、暇だしな⋯いいよ。 0:間 桜:それからだったね。私達、毎日会って、日が暮れるまでお話したよね⋯。 咲也:丁度、春休みだったし、暇を持て余してたからな 桜:そう⋯いっぱい、いっぱいお話したよね 咲也:ああ⋯。俺の大学の事、家族の事、友達の事から昔の黒歴史まで。桜にはいろいろ聞き出されたよ 桜:おかげで咲也の事を知れたよ。それで⋯知れば知るほど、私は咲也の事が⋯好きになっていった。 咲也:俺だって!⋯俺だって、桜と話をして、色んな人を見てきた話とか面白くて。それで、そんな楽しく話す桜の笑顔が⋯すごく好きだったよ⋯ 桜:咲也⋯ 咲也:俺はもっと桜と話をしたかった、もっともっと桜の事を知っていきたかったんだ! 桜:ごめん⋯ 咲也:だから、桜が悪いなんて思ってな⋯ 桜:(被せて)違うの! 咲也:っ! 桜:ほんとに違うの⋯ 咲也:違うって、何がなんだ? 桜:私⋯ほんとは最初から分かってたの⋯ 咲也:え⋯分かってた⋯? 桜:そう⋯ほんとは⋯恋人になっちゃいけない事を⋯ 咲也:ど、どういう意味なんだ? 桜:私ね⋯ほんとは⋯ 咲也:え!?なんだって?風でよく聞こえなかったぞ! 桜:⋯ううん、なんでもないの、忘れて⋯。 咲也:そんな⋯なんでもない訳無いだろ! 桜:どうして?ほんとに、ほんとになんでもないのよ⋯? 咲也:なんでもない奴が!⋯そんな悲しそうな顔、してるわけないだろ⋯ 桜:っ!⋯。 咲也:⋯やっぱり、もう一緒には居られないのか? 桜:うん⋯ごめん⋯。 咲也:⋯分かった。短い間だったけど、楽しかったよ。 桜:⋯うん、私もだよ⋯。 0: 桜:ずっと、大好きだよ⋯咲也⋯ 咲也:うっ!また、風が⋯。 0: 咲也:収まったか⋯。っ!⋯桜!?桜!どこに行ったんだ!? :間 咲也:⋯居ない⋯?どういう事だ⋯? 0: 咲也:ん⋯?これは⋯桜の花びら⋯? 0: 咲也:桜⋯。っ!⋯そうか⋯そうだったんだな⋯。 0: 咲也:だから、あんな事を⋯。 0: 咲也:⋯。 0: 咲也:待ってろよ⋯また来年、桜の木の下で、必ずお前を見つけてやるからな⋯ :おわり

咲也:また⋯この季節が来たのか⋯。 0: 咲也:あいつは、今頃どこかで、元気にやってるのかな⋯? 桜:それって、私以外の女の人? 咲也:っ!⋯だったら、どうするんだ? 桜:そりゃ、ちょっと妬いちゃうかなー 咲也:へー、妬くんだ 桜:どういう意味かなー?もしかして、その人の事好きなの? 咲也:そうだな、一年も彼氏をほったらかしにする女よりはいいかも知れないなー 桜:ええーー!そんなーー!⋯うぅ~⋯。 咲也:⋯ふふ、冗談だよ。 桜:ええ!?⋯う、イジワル⋯ 咲也:はは、ごめんごめん。 桜:む~。 咲也:桜、久しぶりだな。 桜:っ!⋯うん、咲也、久しぶり! 0:間 咲也:それで、桜はこの一年どうしてたんだ? 桜:ん、どうって? 咲也:一年前、待ち合わせに来なかったっきり、姿見せなくなってただろ。 桜:あー⋯その事か。でも、ちゃんと手紙を書いてたんだけどなー。 咲也:ちゃんとだって?あの「私の事は忘れて下さい」って、たったそれだけの短い文章の事か? 桜:そ、そうだよ、ちゃんと私の気持ちを書いた文章だよ。 咲也:はあ⋯まあ今更だな。でも振るならちゃんと面と向かって言って欲しかったな 桜:それは⋯無理だよ 咲也:あー、そうか、そう言えばお互い、連絡先も交換してなかったよな。 桜:違う! 咲也:え? 桜:⋯そうじゃ、ないの。 咲也:どういう事なんだ? 桜:⋯振りたかったんじゃないの。 咲也:いや、嫌いになったから、あの手紙を書いたんじゃないのか? 桜:嫌いなんかならないよ!⋯だって、私は今も咲也の事が⋯ 咲也:ちょっと待ってくれ、ならなんで⋯忘れてくれ、なんて書いたんだよ? 桜:それは⋯ 咲也:俺はな⋯あの日、桜が来なくて、どんなに悲しかったか、分かるか? 桜:咲也⋯ 咲也:あんなに毎日、遅くまでいっぱい喋って、笑い合ってたのに。あの時間が全部、まるで無かった事のようになったんだ、あの短い手紙で⋯。 桜:ごめん⋯ 咲也:違う!謝って欲しいんじゃない、理由を知りたかったんだ! 0: 咲也:この一年、ずっと考えてたんだ⋯。俺が桜を怒らすような、嫌われるような事をしたんじゃないかって⋯。 桜:咲也は何も悪くないよ!悪いのは⋯私だから⋯。 咲也:え⋯? 桜:ねえ⋯私と初めて会った時の事、覚えてる? 咲也:それは⋯もちろん覚えてるよ。絶対忘れたくない、俺たちの大事な思い出だからな⋯。 0:間 桜:はぁ⋯い~な~。私もあんなカップルみたいに、素敵な恋、したいな~ 咲也:はー⋯ 桜:いーなー 咲也:羨ましいですよねー 桜:え? 咲也:へ? 桜:うわー!びっくりしたー! 咲也:うわー!ってこっちのセリフだよ!君、どこに居たの!? 桜:どこって⋯私は最初からずっとここに居ました! 咲也:え?⋯ぷっ!た、確かに⋯ 桜:ん?ちょっと、人の顔見て笑うとか失礼じゃないですかー? 咲也:ぷっ、いや、だって君⋯、全身桜の花びらまみれになってるから。 桜:え⋯あ!ほ、ほんとだ~!! 咲也:はは、どれだけそこに居たんだよ。さては君、暇人か? 桜:むっ、そういう君も、こんなベンチに一人きりなんて暇人なんじゃないかしら~? 咲也:う、うるせー! 桜:図星なんじゃ~ん 咲也:ほっとけ!まったくなんて性格悪い女だ⋯ 桜:あ、あのさ⋯君、暇人でしょ? 咲也:あ?まだ喧嘩売るってか? 桜:ち、違うよ。その⋯私も、まあ暇人なのよ。 咲也:だ、だからなんだよ? 桜:えと、暇人同士、話相手仲間にならないかなー、って⋯ 咲也:っ!⋯。 桜:駄目⋯かな⋯? 咲也:あ、ああ⋯まあ俺も、暇だしな⋯いいよ。 0:間 桜:それからだったね。私達、毎日会って、日が暮れるまでお話したよね⋯。 咲也:丁度、春休みだったし、暇を持て余してたからな 桜:そう⋯いっぱい、いっぱいお話したよね 咲也:ああ⋯。俺の大学の事、家族の事、友達の事から昔の黒歴史まで。桜にはいろいろ聞き出されたよ 桜:おかげで咲也の事を知れたよ。それで⋯知れば知るほど、私は咲也の事が⋯好きになっていった。 咲也:俺だって!⋯俺だって、桜と話をして、色んな人を見てきた話とか面白くて。それで、そんな楽しく話す桜の笑顔が⋯すごく好きだったよ⋯ 桜:咲也⋯ 咲也:俺はもっと桜と話をしたかった、もっともっと桜の事を知っていきたかったんだ! 桜:ごめん⋯ 咲也:だから、桜が悪いなんて思ってな⋯ 桜:(被せて)違うの! 咲也:っ! 桜:ほんとに違うの⋯ 咲也:違うって、何がなんだ? 桜:私⋯ほんとは最初から分かってたの⋯ 咲也:え⋯分かってた⋯? 桜:そう⋯ほんとは⋯恋人になっちゃいけない事を⋯ 咲也:ど、どういう意味なんだ? 桜:私ね⋯ほんとは⋯ 咲也:え!?なんだって?風でよく聞こえなかったぞ! 桜:⋯ううん、なんでもないの、忘れて⋯。 咲也:そんな⋯なんでもない訳無いだろ! 桜:どうして?ほんとに、ほんとになんでもないのよ⋯? 咲也:なんでもない奴が!⋯そんな悲しそうな顔、してるわけないだろ⋯ 桜:っ!⋯。 咲也:⋯やっぱり、もう一緒には居られないのか? 桜:うん⋯ごめん⋯。 咲也:⋯分かった。短い間だったけど、楽しかったよ。 桜:⋯うん、私もだよ⋯。 0: 桜:ずっと、大好きだよ⋯咲也⋯ 咲也:うっ!また、風が⋯。 0: 咲也:収まったか⋯。っ!⋯桜!?桜!どこに行ったんだ!? :間 咲也:⋯居ない⋯?どういう事だ⋯? 0: 咲也:ん⋯?これは⋯桜の花びら⋯? 0: 咲也:桜⋯。っ!⋯そうか⋯そうだったんだな⋯。 0: 咲也:だから、あんな事を⋯。 0: 咲也:⋯。 0: 咲也:待ってろよ⋯また来年、桜の木の下で、必ずお前を見つけてやるからな⋯ :おわり