台本概要

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タイトル 猫飼いの猫飼いによる猫飼いのための強盗撃退法
作者名 風音万愛  (@sosaku_senden)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 とある猫飼いのところに強盗が押し掛けてきた!
撃退しようと咄嗟に手に取ったものは……

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
猫飼い 66 くろすけという名前の猫を飼っている
強盗 65 心の声がすぐに漏れちゃう
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
: 猫飼い:(N) 猫飼い:こんにちは、猫飼いです 猫飼い:ペットOKのアパートで飼い猫のくろすけと一緒に暮らしています 猫飼い:甘えてくれるし、見てるだけで癒されるし、猫はとってもかわいいけど…… 猫飼い:トイレ掃除が苦痛なのよねぇ…… 猫飼い:これはそんな猫飼いの、とある休日の話 : 0:間 : 0:自宅、朝 : 猫飼い:「おはよう、くろすけ。さて、トイレをキレイキレイしようね 猫飼い: うぅ……。くろすけのことは大好きだけど、このにおいは毎回きついんだよなぁ…… 猫飼い: うっ、ちょっと限界……換気しよう」 : 0:窓を開ける : 猫飼い:「ふー、シートも変えてあげないと」 : 0:間 : 0:とあるアパートの前 : 強盗:「ついに作戦決行の日が来たな…… 強盗: あのアパートの二階には女が一人で暮らしている…… 強盗: 近所との付き合いもないみたいだし、ターゲットにはもってこいだ 強盗: この日のために準備したナイフも持ってきた。あとはどうやって侵入するか、だが……ラッキー。ベランダの窓、開いてんじゃん 強盗: 登るのは容易い。あそこから侵入するか……」 : 0:強盗、ベランダから侵入 : 強盗:「強盗だ!」 猫飼い:「ひっ!」 強盗:「おっと、騒ぐなよ」 猫飼い:「ひぇぇ、ナイフ持ってる……」 強盗:「今すぐに金目のものを出せ! そうすれば命を取るつもりはない」 猫飼い:「くっ……!」 強盗:「まぁ、お前の身体を差し出してもいいけどな(ゲスな笑い)」 猫飼い:「(心の声) 猫飼い: 普通に抵抗しても敵わない……。だったら……!」 : 0:猫飼い、袋をごそごそする : 強盗:「……ん? お前、何をやって」 猫飼い:「(セリフをさえぎって)動くな!」 : 0:猫飼い、立ち上がる : 猫飼い:「それ以上近づいたら反撃するぞ!」 強盗:「え、え? お前それ……何持ってんの?」 猫飼い:「猫のトイレシート(使用済み)だ!」 強盗:「猫のトイレシート(使用済み)」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ使用済み」とお読みください : 猫飼い:「猫のおしっこ一週間分が染みこんでいる」 強盗:「道理でなぁ! 強烈なにおい放ってるもんなぁ!」 猫飼い:「ぶっちゃけ、持ってる私もきつい」 強盗:「一週間も放置するからだろ! 毎日変えればいいじゃん!」 猫飼い:「トイレシート変えるのは週一だ!」 強盗:「そうなの?」 猫飼い:「猫の飼い方の本にそう書いてあった」 強盗:「いや知らねぇよ」 猫飼い:「個体差があるだろうから一概には言えないかもしれないがな。少なくとも、うちの子は大丈夫だ」 強盗:「だから知らねぇってば! てかそれで反撃ってどうするつもりだよ!? こっち刃物持ってんだぞ!?」 猫飼い:「一歩でも近づいた瞬間にこれをパイ投げの要領で顔面にばーんする!」 強盗:「やめろぉ!」 猫飼い:「いやなら抵抗するな!」 強盗:「いや抵抗はしてないし! なんならこっちのセリフだし! 強盗: ていうか、刃物持ってる相手に顔面ばーんは危ないんじゃないか?」 猫飼い:「強盗が襲う相手の心配するのか」 強盗:「さっきも言ったように、俺だって命を取りたいわけじゃないんだ。近づくのは危ないから、せめて投擲(とうてき)するのはどうだ?」 猫飼い:「ふむ」 強盗:「そうすればお前の手元には武器がなくなる。これで俺の独壇場だぁ、ふひひひひひひひ」 猫飼い:「思惑が声に出てんだよなぁ……」 猫飼い:「それに……いつから私の武器がひとつだけと錯覚していたのかな?」 強盗:「何……!?」 猫飼い:「ふふふふふ……。我が武器はひとつにあらず……。括目(かつもく)せよ!」 強盗:「な、なんだ、その袋は!」 猫飼い:「うんち袋だ!」 強盗:「うんち袋」 猫飼い:「一週間分の猫のうんちが入っている」 強盗:「汚っ! だから何で溜めこむの!?」 猫飼い:「まとめて捨てるんじゃい!」 強盗:「毎日捨てろよ!」 猫飼い:「今日日(きょうび)、袋はタダじゃないんだぞ!? 袋代が馬鹿にならんだろうが!!」 強盗:「知らねぇよ!」 猫飼い:「この袋をあなどるなよ? 音を聞け!」 : 0:猫飼い、高い位置から袋を落とす 0:トス、という重みのある音がする : 猫飼い:「どうよ?(ドヤァ)」 強盗:「うわぁ……(引き気味に)」 猫飼い:「投擲にはこれを使う!」 強盗:「それだけはやめてくれぇ!」 猫飼い:「ほぉ~ら。刃物しか持っていない貴様など、劇物ふたつ持ってる私からすれば丸腰同然だぞぉ?」 : 0:猫飼い、袋を振り回す : 強盗:「やめろやめろ、袋を振り回すなぁぁぁ!」 猫飼い:「どうだ? 大人しく負けを認める気になったか?」 強盗:「くっそ……。さっきからふざけやがって! 殺すぞ!」 猫飼い:「貴様こそ殺すぞ(精神的に)!」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ精神的に」とお読みください : 強盗:「わけ分かんねぇこと言いやがって……!」 強盗:「……ん?」 : 0:くろすけが強盗の足元にすり寄る 0:鳴き声やぐるぐる音のSEを流してもOK : 強盗:「なんだ……? 猫……?」 猫飼い:「あっ……! くろすけ、だめっ!」 強盗:「ほほう……。お前の猫か」 猫飼い:「くっ……!」 強盗:「ちょうどいい、こいつを人質に」 猫飼い:「できるのか?」 強盗:「え?」 猫飼い:「かわいいかわいい猫を人質にできるのか?」 強盗:「えっと……」 猫飼い:「その子は人見知りもしないし、貴様にも懐いているようだぞ?」 : 0:強盗の足元でお腹見せてごろんするくろすけ : 強盗:「ぐっ……」 猫飼い:「かわいかろう?」 強盗:「か、かわいい……」 猫飼い:「そんなかわいい子を脅せるのか?」 強盗:「うぐっ……」 猫飼い:「その刃物で脅せるんか?」 強盗:「うぐぐぐ……」 : 0:つぶらな瞳でみつめてくるくろすけ : 強盗:「で、できない……! このかわいい生き物に刃物をつきつけるなんて……!」 猫飼い:「そうだろう、そうだろう?」 強盗:「一瞬でも酷いことを考えてごめん……」 猫飼い:「くろすけの代わりに私が許そう」 強盗:「……なぁ」 猫飼い:「なんだ?」 強盗:「……触っても、いいか?」 猫飼い:「……あぁ、いいぞ。だっこも許そう」 強盗:「ありがとう…… 強盗: ……な~んてな! 改心したふりをして油断させる作戦成功だ! 強盗: このままだっこするふりをして、こいつを人質に……」 猫飼い:「それした瞬間に殺すからな(物理的に)」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ物理的に」とお読みください : 強盗:「なっ!? なんで俺の考えてることが……!?」 猫飼い:「だから心の声が漏れてんだよなぁ……」 強盗:「くっそ……」 猫飼い:「人質に取るなら触るのもだっこも禁止」 強盗:「へっ! お前の言うことなんか聞くと思ってんのか!?」 猫飼い:「貴様……、私に逆らえる立場だと思ってんのか?」 : 0:猫飼い、両手に持っている武器を構える : 強盗:「うっ……」 猫飼い:「あのさ」 強盗:「……なんだよ」 猫飼い:「なんでこんなことしてんの?」 強盗:「……は?」 猫飼い:「なんか事情があるから強盗なんかやってんじゃないの?」 強盗:「……っ」 猫飼い:「しかもわざわざ、こんな金持ちってわけでもない一般庶民の家にさ」 強盗:「……」 猫飼い:「話してみろよ。聞くことしかできないかもしれないけどさ……話して楽になることってあるだろ?」 強盗:「……っ。……くくく」 猫飼い:「ん?」 強盗:「くくく……、あははっ! あははははははっ!」 猫飼い:「なっ……? 何がおかしい!?」 強盗:「強盗に同情か? 片腹痛いんだよ!」 強盗:「俺が強盗する理由!? そんなの、楽して金が欲しいからに決まってるだろ!」 猫飼い:「……」 強盗:「お前を狙ったのも一人暮らしでご近所付き合いがないってリサーチしたからであって、金持ちか否かは重要じゃないんだよ! 強盗: そんな相手に『話を聞く』? 『楽になる』? 笑わせんなや!」 猫飼い:「……」 強盗:「それに……、いい感じに時間が稼げたようだな」 猫飼い:「……何だって?」 強盗:「確かにお前の持っている武器は最強の劇物かもしれない。ここからでもにおいがきつすぎるからな。だが……一番ダメージを受けてるのは誰かな?」 猫飼い:「何が言いたい?」 強盗:「武器を構えているお前は……一番近くでそのにおいを嗅いでいるはずだ。そろそろ限界が近づいているんじゃないのか?」 猫飼い:「……」 強盗:「あははははは! 形勢逆転だな! 強盗: もう一度言うぞ。おとなしくしてくれれば命までは取らない。さっさと金目の物を出せ!」 猫飼い:「てい」 強盗:「ぶあっ!?」 : 0:猫飼い、袋を投げ強盗の顔面に当たる 0:くろすけが逃げる 0:強盗、気が動転して刃物を落とす : 強盗:「うぺぺっ! 袋が顔に当たった、最悪すぎる!」 猫飼い:「言い遺(のこ)したことはそれだけか?」 強盗:「な、何だって……?」 猫飼い:「冥途(めいど)の土産に教えてやろう。確かにこの武器は私にもダメージが入る」 強盗:「そうだろ、そうだろ!? 猫飼い:「だがなぁ……」 : 0:猫飼い、強盗に近づく : 強盗:「……っ!? なんだ!? 何で動けるんだ!?」 猫飼い:「貴様は重要な見落としをしていた。私が『猫飼い』だということだ」 強盗:「やめろ……! 来るな!」 猫飼い:「こちとらなぁ……、月一のトイレ掃除、週一のトイレシート交換、毎日のうんち処理でこの劇臭(げきしゅう)には慣れてんだよおぉぉぉおぉぉぉぉ!」 強盗:「ぎゃあああああああああああああああああああ!!」 : 0:猫飼い、強盗の顔面にトイレシート(使用済み)をばーん 0:強盗の断末魔が響き渡る : : 0:間 : : 猫飼い:(N) 猫飼い:このあと私は警察に通報し、強盗はあえなくお縄となった 猫飼い:あとから風の噂で聞いた話だが…… 猫飼い:猫のおしっこのにおいを直に嗅いだ強盗は、数日間何を嗅いでもあの劇臭しかしなくなったらしく…… 猫飼い:「鼻が曲がるとはこのことか」と供述していたらしい 猫飼い:よい子のみんな! 猫飼い:こんな目に遭いたくなかったら、強盗なんてバカな真似はしないようにね☆ :

: 猫飼い:(N) 猫飼い:こんにちは、猫飼いです 猫飼い:ペットOKのアパートで飼い猫のくろすけと一緒に暮らしています 猫飼い:甘えてくれるし、見てるだけで癒されるし、猫はとってもかわいいけど…… 猫飼い:トイレ掃除が苦痛なのよねぇ…… 猫飼い:これはそんな猫飼いの、とある休日の話 : 0:間 : 0:自宅、朝 : 猫飼い:「おはよう、くろすけ。さて、トイレをキレイキレイしようね 猫飼い: うぅ……。くろすけのことは大好きだけど、このにおいは毎回きついんだよなぁ…… 猫飼い: うっ、ちょっと限界……換気しよう」 : 0:窓を開ける : 猫飼い:「ふー、シートも変えてあげないと」 : 0:間 : 0:とあるアパートの前 : 強盗:「ついに作戦決行の日が来たな…… 強盗: あのアパートの二階には女が一人で暮らしている…… 強盗: 近所との付き合いもないみたいだし、ターゲットにはもってこいだ 強盗: この日のために準備したナイフも持ってきた。あとはどうやって侵入するか、だが……ラッキー。ベランダの窓、開いてんじゃん 強盗: 登るのは容易い。あそこから侵入するか……」 : 0:強盗、ベランダから侵入 : 強盗:「強盗だ!」 猫飼い:「ひっ!」 強盗:「おっと、騒ぐなよ」 猫飼い:「ひぇぇ、ナイフ持ってる……」 強盗:「今すぐに金目のものを出せ! そうすれば命を取るつもりはない」 猫飼い:「くっ……!」 強盗:「まぁ、お前の身体を差し出してもいいけどな(ゲスな笑い)」 猫飼い:「(心の声) 猫飼い: 普通に抵抗しても敵わない……。だったら……!」 : 0:猫飼い、袋をごそごそする : 強盗:「……ん? お前、何をやって」 猫飼い:「(セリフをさえぎって)動くな!」 : 0:猫飼い、立ち上がる : 猫飼い:「それ以上近づいたら反撃するぞ!」 強盗:「え、え? お前それ……何持ってんの?」 猫飼い:「猫のトイレシート(使用済み)だ!」 強盗:「猫のトイレシート(使用済み)」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ使用済み」とお読みください : 猫飼い:「猫のおしっこ一週間分が染みこんでいる」 強盗:「道理でなぁ! 強烈なにおい放ってるもんなぁ!」 猫飼い:「ぶっちゃけ、持ってる私もきつい」 強盗:「一週間も放置するからだろ! 毎日変えればいいじゃん!」 猫飼い:「トイレシート変えるのは週一だ!」 強盗:「そうなの?」 猫飼い:「猫の飼い方の本にそう書いてあった」 強盗:「いや知らねぇよ」 猫飼い:「個体差があるだろうから一概には言えないかもしれないがな。少なくとも、うちの子は大丈夫だ」 強盗:「だから知らねぇってば! てかそれで反撃ってどうするつもりだよ!? こっち刃物持ってんだぞ!?」 猫飼い:「一歩でも近づいた瞬間にこれをパイ投げの要領で顔面にばーんする!」 強盗:「やめろぉ!」 猫飼い:「いやなら抵抗するな!」 強盗:「いや抵抗はしてないし! なんならこっちのセリフだし! 強盗: ていうか、刃物持ってる相手に顔面ばーんは危ないんじゃないか?」 猫飼い:「強盗が襲う相手の心配するのか」 強盗:「さっきも言ったように、俺だって命を取りたいわけじゃないんだ。近づくのは危ないから、せめて投擲(とうてき)するのはどうだ?」 猫飼い:「ふむ」 強盗:「そうすればお前の手元には武器がなくなる。これで俺の独壇場だぁ、ふひひひひひひひ」 猫飼い:「思惑が声に出てんだよなぁ……」 猫飼い:「それに……いつから私の武器がひとつだけと錯覚していたのかな?」 強盗:「何……!?」 猫飼い:「ふふふふふ……。我が武器はひとつにあらず……。括目(かつもく)せよ!」 強盗:「な、なんだ、その袋は!」 猫飼い:「うんち袋だ!」 強盗:「うんち袋」 猫飼い:「一週間分の猫のうんちが入っている」 強盗:「汚っ! だから何で溜めこむの!?」 猫飼い:「まとめて捨てるんじゃい!」 強盗:「毎日捨てろよ!」 猫飼い:「今日日(きょうび)、袋はタダじゃないんだぞ!? 袋代が馬鹿にならんだろうが!!」 強盗:「知らねぇよ!」 猫飼い:「この袋をあなどるなよ? 音を聞け!」 : 0:猫飼い、高い位置から袋を落とす 0:トス、という重みのある音がする : 猫飼い:「どうよ?(ドヤァ)」 強盗:「うわぁ……(引き気味に)」 猫飼い:「投擲にはこれを使う!」 強盗:「それだけはやめてくれぇ!」 猫飼い:「ほぉ~ら。刃物しか持っていない貴様など、劇物ふたつ持ってる私からすれば丸腰同然だぞぉ?」 : 0:猫飼い、袋を振り回す : 強盗:「やめろやめろ、袋を振り回すなぁぁぁ!」 猫飼い:「どうだ? 大人しく負けを認める気になったか?」 強盗:「くっそ……。さっきからふざけやがって! 殺すぞ!」 猫飼い:「貴様こそ殺すぞ(精神的に)!」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ精神的に」とお読みください : 強盗:「わけ分かんねぇこと言いやがって……!」 強盗:「……ん?」 : 0:くろすけが強盗の足元にすり寄る 0:鳴き声やぐるぐる音のSEを流してもOK : 強盗:「なんだ……? 猫……?」 猫飼い:「あっ……! くろすけ、だめっ!」 強盗:「ほほう……。お前の猫か」 猫飼い:「くっ……!」 強盗:「ちょうどいい、こいつを人質に」 猫飼い:「できるのか?」 強盗:「え?」 猫飼い:「かわいいかわいい猫を人質にできるのか?」 強盗:「えっと……」 猫飼い:「その子は人見知りもしないし、貴様にも懐いているようだぞ?」 : 0:強盗の足元でお腹見せてごろんするくろすけ : 強盗:「ぐっ……」 猫飼い:「かわいかろう?」 強盗:「か、かわいい……」 猫飼い:「そんなかわいい子を脅せるのか?」 強盗:「うぐっ……」 猫飼い:「その刃物で脅せるんか?」 強盗:「うぐぐぐ……」 : 0:つぶらな瞳でみつめてくるくろすけ : 強盗:「で、できない……! このかわいい生き物に刃物をつきつけるなんて……!」 猫飼い:「そうだろう、そうだろう?」 強盗:「一瞬でも酷いことを考えてごめん……」 猫飼い:「くろすけの代わりに私が許そう」 強盗:「……なぁ」 猫飼い:「なんだ?」 強盗:「……触っても、いいか?」 猫飼い:「……あぁ、いいぞ。だっこも許そう」 強盗:「ありがとう…… 強盗: ……な~んてな! 改心したふりをして油断させる作戦成功だ! 強盗: このままだっこするふりをして、こいつを人質に……」 猫飼い:「それした瞬間に殺すからな(物理的に)」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ物理的に」とお読みください : 強盗:「なっ!? なんで俺の考えてることが……!?」 猫飼い:「だから心の声が漏れてんだよなぁ……」 強盗:「くっそ……」 猫飼い:「人質に取るなら触るのもだっこも禁止」 強盗:「へっ! お前の言うことなんか聞くと思ってんのか!?」 猫飼い:「貴様……、私に逆らえる立場だと思ってんのか?」 : 0:猫飼い、両手に持っている武器を構える : 強盗:「うっ……」 猫飼い:「あのさ」 強盗:「……なんだよ」 猫飼い:「なんでこんなことしてんの?」 強盗:「……は?」 猫飼い:「なんか事情があるから強盗なんかやってんじゃないの?」 強盗:「……っ」 猫飼い:「しかもわざわざ、こんな金持ちってわけでもない一般庶民の家にさ」 強盗:「……」 猫飼い:「話してみろよ。聞くことしかできないかもしれないけどさ……話して楽になることってあるだろ?」 強盗:「……っ。……くくく」 猫飼い:「ん?」 強盗:「くくく……、あははっ! あははははははっ!」 猫飼い:「なっ……? 何がおかしい!?」 強盗:「強盗に同情か? 片腹痛いんだよ!」 強盗:「俺が強盗する理由!? そんなの、楽して金が欲しいからに決まってるだろ!」 猫飼い:「……」 強盗:「お前を狙ったのも一人暮らしでご近所付き合いがないってリサーチしたからであって、金持ちか否かは重要じゃないんだよ! 強盗: そんな相手に『話を聞く』? 『楽になる』? 笑わせんなや!」 猫飼い:「……」 強盗:「それに……、いい感じに時間が稼げたようだな」 猫飼い:「……何だって?」 強盗:「確かにお前の持っている武器は最強の劇物かもしれない。ここからでもにおいがきつすぎるからな。だが……一番ダメージを受けてるのは誰かな?」 猫飼い:「何が言いたい?」 強盗:「武器を構えているお前は……一番近くでそのにおいを嗅いでいるはずだ。そろそろ限界が近づいているんじゃないのか?」 猫飼い:「……」 強盗:「あははははは! 形勢逆転だな! 強盗: もう一度言うぞ。おとなしくしてくれれば命までは取らない。さっさと金目の物を出せ!」 猫飼い:「てい」 強盗:「ぶあっ!?」 : 0:猫飼い、袋を投げ強盗の顔面に当たる 0:くろすけが逃げる 0:強盗、気が動転して刃物を落とす : 強盗:「うぺぺっ! 袋が顔に当たった、最悪すぎる!」 猫飼い:「言い遺(のこ)したことはそれだけか?」 強盗:「な、何だって……?」 猫飼い:「冥途(めいど)の土産に教えてやろう。確かにこの武器は私にもダメージが入る」 強盗:「そうだろ、そうだろ!? 猫飼い:「だがなぁ……」 : 0:猫飼い、強盗に近づく : 強盗:「……っ!? なんだ!? 何で動けるんだ!?」 猫飼い:「貴様は重要な見落としをしていた。私が『猫飼い』だということだ」 強盗:「やめろ……! 来るな!」 猫飼い:「こちとらなぁ……、月一のトイレ掃除、週一のトイレシート交換、毎日のうんち処理でこの劇臭(げきしゅう)には慣れてんだよおぉぉぉおぉぉぉぉ!」 強盗:「ぎゃあああああああああああああああああああ!!」 : 0:猫飼い、強盗の顔面にトイレシート(使用済み)をばーん 0:強盗の断末魔が響き渡る : : 0:間 : : 猫飼い:(N) 猫飼い:このあと私は警察に通報し、強盗はあえなくお縄となった 猫飼い:あとから風の噂で聞いた話だが…… 猫飼い:猫のおしっこのにおいを直に嗅いだ強盗は、数日間何を嗅いでもあの劇臭しかしなくなったらしく…… 猫飼い:「鼻が曲がるとはこのことか」と供述していたらしい 猫飼い:よい子のみんな! 猫飼い:こんな目に遭いたくなかったら、強盗なんてバカな真似はしないようにね☆ :