台本概要

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タイトル 猫飼いの猫飼いによる猫飼いのためのストーカー撃退法
作者名 風音万愛  (@sosaku_senden)
ジャンル コメディ
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 とある猫飼いの家にストーカーが押し掛けてきた!
下手に刺激しないよう、咄嗟に手に取ったものは……

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
猫飼い 68 しろまるという名前の猫を飼っている
ストーカー 67 心の声がすぐに漏れちゃう
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
: 猫飼い:(N) 猫飼い:こんにちは、猫飼いです 猫飼い:ペットOKのアパートで飼い猫のしろまると一緒に暮らしています 猫飼い:甘えてくれるし、見てるだけで癒されるし、猫はとってもかわいいけど…… 猫飼い:トイレ掃除が苦痛なんだよなぁ…… 猫飼い:これはそんな猫飼いの、とある休日の話 : 0:間 : 0:自宅、朝 0:起床した猫飼い : 猫飼い:「おはよう、しろまる。さて、トイレをキレイキレイしような 猫飼い: うぅ……。しろまるのことは大好きだけど、このにおいは毎回きついんだよなぁ…… 猫飼い: うっ、ちょっと限界……換気しよう」 : 0:窓を開ける : 猫飼い:「ふー、シートも変えてあげないとな」 : 0:間 : ストーカー:「うふふ。今日は初めてあの人の家に遊びに行く日♪ ストーカー: あなたはインドア派で、休みの日はいつも家に引きこもっているのよね~。一人暮らしでご近所づきあいもないみたいだし、私が傍にいてあげなくちゃ ストーカー: そして、私だけの永遠になってもらうの……。この日のためにナイフも準備してきたんだから ストーカー: ……あ、そう言っている間に、着いたわね。えーと、合鍵合鍵……。……あった」 : 0:ストーカー、合鍵を使って玄関から家に入る : ストーカー:「お邪魔しま~す」 猫飼い:「あぁ、いらっしゃい……って、え?」 ストーカー:「来ちゃった♪」 猫飼い:「え、え? 誰? ていうか、どこから入ってきたの!?」 ストーカー:「玄関から入ってきたよ? この合鍵を使ってね♪ 当たり前でしょ、私たちは相思相愛なんだから」 猫飼い:「も、もしかして……! これが俗に言うストーカー!? 猫飼い: 確かに最近視線を感じたり物がなくなってたり、無言電話がかかってきたり変な手紙が入ってたりしてたけど……」 ストーカー:「ストーカー? ううん。ただあなたが好きなだけよ? だから……ほら」 猫飼い:「ひっ! ナイフ持ってる……!」 ストーカー:「あなたを殺して、私も死ぬわ。誰にも邪魔されない場所で、永遠に一緒にいましょう」 猫飼い:「くっ……!」 ストーカー:「少し痛いけど……我慢してね?」 猫飼い:「(心の声) 猫飼い: 普通に抵抗しても刺激して危険なだけだ……。だったら……!」 : 0:猫飼い、袋をごそごそする : ストーカー:「……ん? 何をやってるの?」 猫飼い:「(セリフをさえぎって)動くな!」 : 0:猫飼い、立ち上がる : 猫飼い:「それ以上近づいたら反撃するぞ!」 ストーカー:「え、え? ちょっと、それ……何持ってんの?」 猫飼い:「猫のトイレシート(使用済み)だ!」 ストーカー:「猫のトイレシート(使用済み)」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ使用済み」とお読みください : 猫飼い:「猫のおしっこ一週間分が染みこんでいる」 ストーカー:「道理で! 強烈なにおい放ってるもんねぇ!」 猫飼い:「ぶっちゃけ、持ってる僕もきつい」 ストーカー:「一週間も放置するからでしょ! 毎日変えればいいじゃん!」 猫飼い:「トイレシート変えるのは週一だ!」 ストーカー:「そうなの?」 猫飼い:「猫の飼い方の本にそう書いてあった」 ストーカー:「いや知らないわよ」 猫飼い:「個体差があるだろうから一概には言えないかもしれないがな。少なくとも、うちの子は大丈夫だ」 ストーカー:「だから知らないってば! ストーカー: てか、それで反撃ってどうするつもりなの!? こっち刃物持ってるのよ!?」 猫飼い:「一歩でも近づいた瞬間にこれをパイ投げの要領で顔面にばーんする!」 ストーカー:「やめてぇぇぇ!」 猫飼い:「いやなら抵抗するな!」 ストーカー:「いや抵抗はしてない!! なんならこっちのセリフ! ストーカー:いうか、刃物持ってる相手に顔面ばーんは危ないんじゃないの?」 猫飼い:「今から殺そうとしている相手の心配するんだ」 ストーカー:「激しく抵抗し合ってあなたの綺麗な顔を傷つけるのは嫌なの。近づくのは危ないから、せめて投擲(とうてき)するのはどう?」 猫飼い:「ふむ」 ストーカー:「そうすればあなたの手元には武器がなくなる。これで少ない刺し傷で殺せるわ、ふふふふふふふふ」 猫飼い:「思惑が声に出てんだよなぁ……」 猫飼い:「それに……いつから僕の武器がひとつだけと錯覚していたのかな?」 ストーカー:「何ですって……!?」 猫飼い:「ふふふふふ……。我が武器はひとつにあらず……。括目(かつもく)せよ!」 ストーカー:「な、なによ、その袋は!」 猫飼い:「うんち袋だ!」 ストーカー:「うんち袋」 猫飼い:「一週間分の猫のうんちが入っている」 ストーカー:「汚っ! だから何で溜めこむの!?」 猫飼い:「まとめて捨てるんじゃい!」 ストーカー:「毎日捨てなさいよ!」 猫飼い:「今日日(きょうび)、袋はタダじゃないんだぞ!? 袋代が馬鹿にならんだろうが!!」 ストーカー:「もう何であなたを好きになったのか分からなくなってきた……」 猫飼い:「この袋をあなどるなよ? 音を聞け!」 : 0:猫飼い、高い位置から袋を落とす 0:トス、という重みのある音がする : 猫飼い:「どうよ?(ドヤァ)」 ストーカー:「うわぁ……(引き気味に)」 猫飼い:「投擲にはこれを使う!」 ストーカー:「それだけはやめてぇぇ!」 猫飼い:「ほぉ~ら。刃物しか持っていない貴様など、劇物ふたつ持ってる僕からすれば丸腰同然だぞぉ?」 : 0:猫飼い、袋を振り回す : ストーカー:「やだやだ、袋を振り回さないでぇぇぇぇ!」 猫飼い:「どうだ? 大人しく負けを認める気になったか?」 ストーカー:「くっ……! さっきからふざけるの!? 殺すわよ!」 猫飼い:「貴様こそ殺すぞ(精神的に)!」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ精神的に」とお読みください : ストーカー:「わけ分かんないことばっかり……! ……ん?」 : 0:しろまるがストーカーの足元にすり寄る 0:鳴き声やぐるぐる音のSEを入れてもOK : ストーカー:「え、なに……? 猫……?」 猫飼い:「あっ……! しろまるっ!」 ストーカー:「ふぅん……。あなたの猫ね」 猫飼い:「くっ……!」 ストーカー:「ちょうどいいわ。この子を人質に」 猫飼い:「できるのか?」 ストーカー:「え?」 猫飼い:「かわいいかわいい猫を人質にできるのか?」 ストーカー:「えっと……」 猫飼い:「その子は人見知りもしないし、貴様にも懐いているようだぞ?」 : 0:ストーカーの足元でお腹見せてごろんするしろまる : ストーカー:「ぐっ……」 猫飼い:「かわいかろう?」 ストーカー:「か、かわいい……」 猫飼い:「そんなかわいい子を脅せるのか?」 ストーカー:「うぐっ……」 猫飼い:「その刃物で脅せるんか?」 ストーカー:「うぐぐぐ……」 : 0:つぶらな瞳でみつめてくるしろまる : ストーカー:「で、できない……! このかわいい生き物に刃物をつきつけるなんて……!」 猫飼い:「そうだろう、そうだろう?」 ストーカー:「一瞬でも酷いことを考えてごめんね……」 猫飼い:「しろまるの代わりに僕が許そう」 ストーカー:「……ねぇ」 猫飼い:「なんだ?」 ストーカー:「……触っても、いい?」 猫飼い:「……あぁ、いいぞ。だっこも許そう」 ストーカー:「ありがとう…… ストーカー: ……な~んちゃって! 改心したふりをして油断させる作戦成功! ストーカー: このままだっこするふりをして、この子を人質に……」 猫飼い:「それした瞬間に殺すからな(物理的に)」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ物理的に」とお読みください(笑) : ストーカー:「なっ!? なんで私の考えてることが……!?」 猫飼い:「だから心の声が漏れてんだよなぁ……」 ストーカー:「くっ……」 猫飼い:「人質に取るなら触るのもだっこも禁止」 ストーカー:「私の気持ちに応えてくれないあなたに、指図する権利なんてないわ!」 猫飼い:「貴様……、僕に逆らえる立場だと思ってんのか?」 : 0:猫飼い、両手に持っている武器を構える : ストーカー:「うっ……」 猫飼い:「あのさ」 ストーカー:「……なによ」 猫飼い:「本当にこんなんでいいの?」 ストーカー:「……え?」 猫飼い:「こんなやり方で、僕が君を好きになると思う?」 ストーカー:「……っ」 猫飼い:「君の、僕に対する気持ちを全否定するつもりはないよ。でも……無理やり自分のものにして、それで満足なの? 猫飼い: 僕の気持ちは君に傾いていないのに」 ストーカー:「……」 猫飼い:「もっと正々堂々とアプローチしてよ。好きだって言うなら……振り向かせて?」 ストーカー:「……っ。……ふふっ」 猫飼い:「ん?」 ストーカー:「ふふふ……、あははっ! あははははははっ!」 猫飼い:「なっ……? 何がおかしいんだ!?」 ストーカー:「なにそれ! 説教のつもり!? そうやって私を諦めさせようって算段なんでしょ!?」 猫飼い:「……」 ストーカー:「アプローチなら何度もしたわ! 何度も電話して、何通も手紙を送って! ストーカー: あなたのことを知りたくて後をつけたり、ごみを漁(あさ)ったり……! ストーカー: それでも振り向いてくれなかったじゃない!」 ストーカー:「だからこうするしかなかった! あなたを私だけのものにするために! ストーカー: そのためなら何だってするわ! たとえ人の道を外れたとしても!」 猫飼い:「……」 ストーカー:「それに……、いい感じに時間が稼げたようね」 猫飼い:「……何だって?」 ストーカー:「確かにあなたの持っている武器は最強の劇物かもしれない。ここからでもにおいがきつすぎるしね ストーカー: だけど……一番ダメージを受けてるのは誰かしら?」 猫飼い:「何が言いたい?」 ストーカー:「武器を構えているあなたは……一番近くでそのにおいを嗅いでいるはず。そろそろ限界が近づいているんじゃない?」 猫飼い:「……」 ストーカー:「あははははは! これで形勢逆転ね! ストーカー: さあ、私だけのものになって? 一緒に永遠になりましょう!」 猫飼い:「てい」 ストーカー:「うぶぇるふっ!?」 : 0:猫飼い、袋を投げストーカーの顔面に当たる 0:しろまるが逃げる 0:ストーカー、気が動転して刃物を落とす : ストーカー:「うぺぺっ! 袋が顔に当たった、最悪すぎるっ!」 猫飼い:「言い遺(のこ)したことはそれだけかな?」 ストーカー:「な、何ですって……?」 猫飼い:「冥途(めいど)の土産に教えてやろう。確かにこの武器は僕にもダメージが入る」 ストーカー:「そうでしょ、そうでしょ!?」 猫飼い:「だがなぁ……」 : 0:ゆっくりとストーカーに近づく猫飼い : ストーカー:「……!? なんで!? 何で動けるの!?」 猫飼い:「貴様は重要な見落としをしていた。僕が『猫飼い』だということだ」 ストーカー:「いや……! 来ないで!」 猫飼い:「こちとらなぁ……月一のトイレ掃除、週一のトイレシート交換、毎日のうんち処理でこの劇臭(げきしゅう)には慣れてんだよおぉぉぉおぉぉぉぉ!」 ストーカー:「ぎゃあああああああああああああああああああ!!」 : 0:猫飼い、ストーカーの顔面にトイレシート(使用済み)をばーん 0:ストーカーの断末魔が響き渡る : : 0:間 : : 猫飼い:(N) 猫飼い:このあと僕は警察に通報し、ストーカーはあえなくお縄となった 猫飼い:あとから風の噂で聞いた話だが…… 猫飼い:猫のおしっこのにおいを直に嗅いだストーカーは、数日間何を嗅いでもあの劇臭しかしなくなったらしく…… 猫飼い:「鼻が曲がるとはこのことか」と供述していたらしい 猫飼い:よい子のみんな! こんな目に遭いたくなかったら、こんなバカな真似はしないようにね☆ :

: 猫飼い:(N) 猫飼い:こんにちは、猫飼いです 猫飼い:ペットOKのアパートで飼い猫のしろまると一緒に暮らしています 猫飼い:甘えてくれるし、見てるだけで癒されるし、猫はとってもかわいいけど…… 猫飼い:トイレ掃除が苦痛なんだよなぁ…… 猫飼い:これはそんな猫飼いの、とある休日の話 : 0:間 : 0:自宅、朝 0:起床した猫飼い : 猫飼い:「おはよう、しろまる。さて、トイレをキレイキレイしような 猫飼い: うぅ……。しろまるのことは大好きだけど、このにおいは毎回きついんだよなぁ…… 猫飼い: うっ、ちょっと限界……換気しよう」 : 0:窓を開ける : 猫飼い:「ふー、シートも変えてあげないとな」 : 0:間 : ストーカー:「うふふ。今日は初めてあの人の家に遊びに行く日♪ ストーカー: あなたはインドア派で、休みの日はいつも家に引きこもっているのよね~。一人暮らしでご近所づきあいもないみたいだし、私が傍にいてあげなくちゃ ストーカー: そして、私だけの永遠になってもらうの……。この日のためにナイフも準備してきたんだから ストーカー: ……あ、そう言っている間に、着いたわね。えーと、合鍵合鍵……。……あった」 : 0:ストーカー、合鍵を使って玄関から家に入る : ストーカー:「お邪魔しま~す」 猫飼い:「あぁ、いらっしゃい……って、え?」 ストーカー:「来ちゃった♪」 猫飼い:「え、え? 誰? ていうか、どこから入ってきたの!?」 ストーカー:「玄関から入ってきたよ? この合鍵を使ってね♪ 当たり前でしょ、私たちは相思相愛なんだから」 猫飼い:「も、もしかして……! これが俗に言うストーカー!? 猫飼い: 確かに最近視線を感じたり物がなくなってたり、無言電話がかかってきたり変な手紙が入ってたりしてたけど……」 ストーカー:「ストーカー? ううん。ただあなたが好きなだけよ? だから……ほら」 猫飼い:「ひっ! ナイフ持ってる……!」 ストーカー:「あなたを殺して、私も死ぬわ。誰にも邪魔されない場所で、永遠に一緒にいましょう」 猫飼い:「くっ……!」 ストーカー:「少し痛いけど……我慢してね?」 猫飼い:「(心の声) 猫飼い: 普通に抵抗しても刺激して危険なだけだ……。だったら……!」 : 0:猫飼い、袋をごそごそする : ストーカー:「……ん? 何をやってるの?」 猫飼い:「(セリフをさえぎって)動くな!」 : 0:猫飼い、立ち上がる : 猫飼い:「それ以上近づいたら反撃するぞ!」 ストーカー:「え、え? ちょっと、それ……何持ってんの?」 猫飼い:「猫のトイレシート(使用済み)だ!」 ストーカー:「猫のトイレシート(使用済み)」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ使用済み」とお読みください : 猫飼い:「猫のおしっこ一週間分が染みこんでいる」 ストーカー:「道理で! 強烈なにおい放ってるもんねぇ!」 猫飼い:「ぶっちゃけ、持ってる僕もきつい」 ストーカー:「一週間も放置するからでしょ! 毎日変えればいいじゃん!」 猫飼い:「トイレシート変えるのは週一だ!」 ストーカー:「そうなの?」 猫飼い:「猫の飼い方の本にそう書いてあった」 ストーカー:「いや知らないわよ」 猫飼い:「個体差があるだろうから一概には言えないかもしれないがな。少なくとも、うちの子は大丈夫だ」 ストーカー:「だから知らないってば! ストーカー: てか、それで反撃ってどうするつもりなの!? こっち刃物持ってるのよ!?」 猫飼い:「一歩でも近づいた瞬間にこれをパイ投げの要領で顔面にばーんする!」 ストーカー:「やめてぇぇぇ!」 猫飼い:「いやなら抵抗するな!」 ストーカー:「いや抵抗はしてない!! なんならこっちのセリフ! ストーカー:いうか、刃物持ってる相手に顔面ばーんは危ないんじゃないの?」 猫飼い:「今から殺そうとしている相手の心配するんだ」 ストーカー:「激しく抵抗し合ってあなたの綺麗な顔を傷つけるのは嫌なの。近づくのは危ないから、せめて投擲(とうてき)するのはどう?」 猫飼い:「ふむ」 ストーカー:「そうすればあなたの手元には武器がなくなる。これで少ない刺し傷で殺せるわ、ふふふふふふふふ」 猫飼い:「思惑が声に出てんだよなぁ……」 猫飼い:「それに……いつから僕の武器がひとつだけと錯覚していたのかな?」 ストーカー:「何ですって……!?」 猫飼い:「ふふふふふ……。我が武器はひとつにあらず……。括目(かつもく)せよ!」 ストーカー:「な、なによ、その袋は!」 猫飼い:「うんち袋だ!」 ストーカー:「うんち袋」 猫飼い:「一週間分の猫のうんちが入っている」 ストーカー:「汚っ! だから何で溜めこむの!?」 猫飼い:「まとめて捨てるんじゃい!」 ストーカー:「毎日捨てなさいよ!」 猫飼い:「今日日(きょうび)、袋はタダじゃないんだぞ!? 袋代が馬鹿にならんだろうが!!」 ストーカー:「もう何であなたを好きになったのか分からなくなってきた……」 猫飼い:「この袋をあなどるなよ? 音を聞け!」 : 0:猫飼い、高い位置から袋を落とす 0:トス、という重みのある音がする : 猫飼い:「どうよ?(ドヤァ)」 ストーカー:「うわぁ……(引き気味に)」 猫飼い:「投擲にはこれを使う!」 ストーカー:「それだけはやめてぇぇ!」 猫飼い:「ほぉ~ら。刃物しか持っていない貴様など、劇物ふたつ持ってる僕からすれば丸腰同然だぞぉ?」 : 0:猫飼い、袋を振り回す : ストーカー:「やだやだ、袋を振り回さないでぇぇぇぇ!」 猫飼い:「どうだ? 大人しく負けを認める気になったか?」 ストーカー:「くっ……! さっきからふざけるの!? 殺すわよ!」 猫飼い:「貴様こそ殺すぞ(精神的に)!」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ精神的に」とお読みください : ストーカー:「わけ分かんないことばっかり……! ……ん?」 : 0:しろまるがストーカーの足元にすり寄る 0:鳴き声やぐるぐる音のSEを入れてもOK : ストーカー:「え、なに……? 猫……?」 猫飼い:「あっ……! しろまるっ!」 ストーカー:「ふぅん……。あなたの猫ね」 猫飼い:「くっ……!」 ストーカー:「ちょうどいいわ。この子を人質に」 猫飼い:「できるのか?」 ストーカー:「え?」 猫飼い:「かわいいかわいい猫を人質にできるのか?」 ストーカー:「えっと……」 猫飼い:「その子は人見知りもしないし、貴様にも懐いているようだぞ?」 : 0:ストーカーの足元でお腹見せてごろんするしろまる : ストーカー:「ぐっ……」 猫飼い:「かわいかろう?」 ストーカー:「か、かわいい……」 猫飼い:「そんなかわいい子を脅せるのか?」 ストーカー:「うぐっ……」 猫飼い:「その刃物で脅せるんか?」 ストーカー:「うぐぐぐ……」 : 0:つぶらな瞳でみつめてくるしろまる : ストーカー:「で、できない……! このかわいい生き物に刃物をつきつけるなんて……!」 猫飼い:「そうだろう、そうだろう?」 ストーカー:「一瞬でも酷いことを考えてごめんね……」 猫飼い:「しろまるの代わりに僕が許そう」 ストーカー:「……ねぇ」 猫飼い:「なんだ?」 ストーカー:「……触っても、いい?」 猫飼い:「……あぁ、いいぞ。だっこも許そう」 ストーカー:「ありがとう…… ストーカー: ……な~んちゃって! 改心したふりをして油断させる作戦成功! ストーカー: このままだっこするふりをして、この子を人質に……」 猫飼い:「それした瞬間に殺すからな(物理的に)」 : 0:※強制ではありませんが、ぜひ「かっこ物理的に」とお読みください(笑) : ストーカー:「なっ!? なんで私の考えてることが……!?」 猫飼い:「だから心の声が漏れてんだよなぁ……」 ストーカー:「くっ……」 猫飼い:「人質に取るなら触るのもだっこも禁止」 ストーカー:「私の気持ちに応えてくれないあなたに、指図する権利なんてないわ!」 猫飼い:「貴様……、僕に逆らえる立場だと思ってんのか?」 : 0:猫飼い、両手に持っている武器を構える : ストーカー:「うっ……」 猫飼い:「あのさ」 ストーカー:「……なによ」 猫飼い:「本当にこんなんでいいの?」 ストーカー:「……え?」 猫飼い:「こんなやり方で、僕が君を好きになると思う?」 ストーカー:「……っ」 猫飼い:「君の、僕に対する気持ちを全否定するつもりはないよ。でも……無理やり自分のものにして、それで満足なの? 猫飼い: 僕の気持ちは君に傾いていないのに」 ストーカー:「……」 猫飼い:「もっと正々堂々とアプローチしてよ。好きだって言うなら……振り向かせて?」 ストーカー:「……っ。……ふふっ」 猫飼い:「ん?」 ストーカー:「ふふふ……、あははっ! あははははははっ!」 猫飼い:「なっ……? 何がおかしいんだ!?」 ストーカー:「なにそれ! 説教のつもり!? そうやって私を諦めさせようって算段なんでしょ!?」 猫飼い:「……」 ストーカー:「アプローチなら何度もしたわ! 何度も電話して、何通も手紙を送って! ストーカー: あなたのことを知りたくて後をつけたり、ごみを漁(あさ)ったり……! ストーカー: それでも振り向いてくれなかったじゃない!」 ストーカー:「だからこうするしかなかった! あなたを私だけのものにするために! ストーカー: そのためなら何だってするわ! たとえ人の道を外れたとしても!」 猫飼い:「……」 ストーカー:「それに……、いい感じに時間が稼げたようね」 猫飼い:「……何だって?」 ストーカー:「確かにあなたの持っている武器は最強の劇物かもしれない。ここからでもにおいがきつすぎるしね ストーカー: だけど……一番ダメージを受けてるのは誰かしら?」 猫飼い:「何が言いたい?」 ストーカー:「武器を構えているあなたは……一番近くでそのにおいを嗅いでいるはず。そろそろ限界が近づいているんじゃない?」 猫飼い:「……」 ストーカー:「あははははは! これで形勢逆転ね! ストーカー: さあ、私だけのものになって? 一緒に永遠になりましょう!」 猫飼い:「てい」 ストーカー:「うぶぇるふっ!?」 : 0:猫飼い、袋を投げストーカーの顔面に当たる 0:しろまるが逃げる 0:ストーカー、気が動転して刃物を落とす : ストーカー:「うぺぺっ! 袋が顔に当たった、最悪すぎるっ!」 猫飼い:「言い遺(のこ)したことはそれだけかな?」 ストーカー:「な、何ですって……?」 猫飼い:「冥途(めいど)の土産に教えてやろう。確かにこの武器は僕にもダメージが入る」 ストーカー:「そうでしょ、そうでしょ!?」 猫飼い:「だがなぁ……」 : 0:ゆっくりとストーカーに近づく猫飼い : ストーカー:「……!? なんで!? 何で動けるの!?」 猫飼い:「貴様は重要な見落としをしていた。僕が『猫飼い』だということだ」 ストーカー:「いや……! 来ないで!」 猫飼い:「こちとらなぁ……月一のトイレ掃除、週一のトイレシート交換、毎日のうんち処理でこの劇臭(げきしゅう)には慣れてんだよおぉぉぉおぉぉぉぉ!」 ストーカー:「ぎゃあああああああああああああああああああ!!」 : 0:猫飼い、ストーカーの顔面にトイレシート(使用済み)をばーん 0:ストーカーの断末魔が響き渡る : : 0:間 : : 猫飼い:(N) 猫飼い:このあと僕は警察に通報し、ストーカーはあえなくお縄となった 猫飼い:あとから風の噂で聞いた話だが…… 猫飼い:猫のおしっこのにおいを直に嗅いだストーカーは、数日間何を嗅いでもあの劇臭しかしなくなったらしく…… 猫飼い:「鼻が曲がるとはこのことか」と供述していたらしい 猫飼い:よい子のみんな! こんな目に遭いたくなかったら、こんなバカな真似はしないようにね☆ :