台本概要

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タイトル 腐ってもLOVE
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 突然、神官見習いの女の子の前に現れたゾンビ。女の子はしつこく現れるゾンビを何度も撃退していくが、その度復活されてしまう。どうやら、そのゾンビには何やら事情があるようだった⋯
男女不問。世界観を壊さない程度のアドリブOK

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
神官 63 神官見習いのミア。 昔のある事がきっかけで神官を目指すようになった。怒らすと浄化魔法をぶっぱなす。
ゾンビ 47 ゾンビの少年カール。なぜか神官の女の子の前に何度も現れる。何か秘密を抱えている。心優しいゾンビ。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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神官:また現れましたね、さ迷う亡者、ゾンビ! ゾンビ:えーと⋯ 神官:今日こそ浄化してあげますわ! ゾンビ:いや、ちょっと待って!? 神官:何ですか!? ゾンビ:話を聞いてよ! 神官:話ですって⋯? ゾンビ:たしかに、この間いきなり後ろから声かけたのは、不味かったと思うんだけど⋯ 神官:そうです!急に声かけてくるから、痴漢(ちかん)かと思って怖かったんですよ! ゾンビ:あはは⋯(苦笑い) 神官:でも、振り向きざまに咄嗟に放った浄化魔法だったとはいえ⋯ 0: 神官:なぜまだピンピンしているんですか!! ゾンビ:えーと⋯お姉さんはまだ駆け出しの神官見習いだよね? 神官:そ、そうですけど⋯ ゾンビ:その、ちょっとは効いたんだけ⋯言っちゃなんですけど、浄化のレベルとか、足りてないのないかなって⋯ 神官:⋯。 0: 神官:はぁぁぁ~~~!? ゾンビ:わわっ! 神官:はっ!⋯コホン。 0: 神官:あなたみたいな腐った魔物の存在に、私の涙ぐましい日々の努力がわかってたまりますか! ゾンビ:いやー、見ての通りゾンビだけど⋯ 0: ゾンビ:まったく心が無いみたいな言われ方は⋯ちょっと傷付くというか⋯ 神官:アンデッドモンスターが何を白々しい! 0: 神官:そういう風に、親しみを出しながら人間に近づくのが目的ですね! 0: 神官:私はこれでも神官のはしくれ、そんな魔物の戯言(ざれごと)に耳など貸しませんから!! ゾンビ:あ、あの、お姉さん! 0: ゾンビ:たしかに見た目はこんな姿をしてるけど、僕はお姉さんに危害などいっさい加えるつもりなんてないから安心してよ! 神官:ええい問答無用、くらいなさい! 0: 神官:永久(とわ)を彷徨(さまよ)う哀しきものよ。聖なる光りの元であるべき場所に帰れ⋯ 0: 神官:「ターンアンデッド!」 ゾンビ:う、うぁぁ~~!! 0: ゾンビ:⋯ガクッ 神官:⋯ふぅ。 神官:次に生まれ変わったら、正しい心を持った人間に生まれ変わるんですよ⋯ :ーー間ーー次の日 ゾンビ:えーと⋯言いたい事はとっっても、よくわかるんだけど⋯ 0: ゾンビ:出会い頭(がしら)でいきなり浄化魔法ぶっぱなしてくるのは、神に仕えてる神官としてどうなのかと⋯ 神官:もちろん邪悪な存在の魔物に対する先手必勝に決まっているでしょう! 0: 神官:っていうか、なんであんたは平然と毎回復活してくるのよ! ゾンビ:いやー、昨日のはさすがにやばいかなーって、思ったんだけど⋯ 0: ゾンビ:なんとか持ちこたえれちゃった。 神官:なんでよ!? ゾンビ:あれ⋯?なんだか、お姉さん口が悪くなってない? 神官:はぁ~?なんか文句あるの!? 0: 神官:魔物のあんたなんかに、いちいち丁寧な言葉使うのが馬鹿馬鹿しくなっただけよ! 0: 神官:あとこれは、地だから!! ゾンビ:あはは⋯(苦笑い) 神官:ん?⋯そういえば 0: 神官:昔も、あんたみたいな情けない奴を相手にしてた事があったような⋯ ゾンビ:あっ! 0: ゾンビ:もしかしてお姉さん⋯思い出してくれたのかな? 0: ゾンビ:そうだったら嬉しいな! 神官:いや、あんたみたいな腐った魔物なんか知り合いにいないわ。 0: 神官:「ホーリーライト」 ゾンビ:のぁぁぁ~~~~!!! ーー間 神官:まったくなんなのよ。 0: 神官:こんなにしつこい魔物がいるなんて、最悪だわ⋯ 神官:でも⋯なんか懐かしい感じなのよね⋯ 神官:お姉さん⋯姉呼び⋯ 神官:⋯っ!ま、まさか! 0: 神官:(N)私が小さい時、家の隣りに男の子が住んでいた。私が歳上なのもあって、よくその子の面倒を見ていた。 0: 神官:(N)村一番のお転婆だった私は、その子を子分のように連れ回しては、遊んでいた ゾンビ:(N)その時の僕は、身体が弱く、お姉ちゃんの後ろをついて行くのが精一杯で、よく転んでは泣いていた。 0: ゾンビ:(N)そんな時、お姉ちゃんはいつも「男の子が簡単に泣いちゃダメよ」と言いながら、優しく頭を撫でてくれた。 神官:(N)ある日、二人で薬草摘みに行った時だった。 0: 神官:(N)突然現れたスケルトンの魔物に襲われ、私は恐怖で身動きが取れず、殺されるのを覚悟したその時⋯ 0: 神官:(N)あの子はとっさに私を庇って、魔物から瀕死のダメージを負ってしまったのだ。 ゾンビ:(N)気がついた時には、魔物はいなくなっていて、近くで僕を抱きしめながらお姉ちゃんが泣いていた。 0: ゾンビ:(N)なんとか薬草を傷口に塗ろうとしてくれてたけど、僕の出血は止まらなかった。 0: ゾンビ:(N)やがて、僕の意識は⋯ぷつりと消えた。 神官:(N)それから私は、あの子を救えなかった己の無力さから、憎き仇のアンデッドを滅ぼす為に⋯ 0: 神官:(N)神官になる決意をした。 :ーー間 ゾンビ:あれ⋯?お姉さん、今日はやけに静かだね? 神官:あの時⋯ ゾンビ:え⋯? 神官:あの時、なんで私を庇(かば)ったのよ⋯? ゾンビ:あっ⋯良かった。思い出してくれたんだね。 神官:なんでよ⋯私なんか守る必要、無かったのに! ゾンビ:なんでって、僕がそうしたかったからだよ 神官:っ! 0: 神官:わ、私あんたをずっと振り回して、危険な事に巻き込んだりして、最低なお姉ちゃんだったのに!! ゾンビ:違うよ⋯ 0: ゾンビ:お姉ちゃんは、身体が弱くて村の皆からイジメられてた僕に、いつもかまってくれて⋯ 0: ゾンビ:いつも励ましてくれる、僕にとって、優しくて最高のお姉ちゃんだったんだよ。 神官:なに⋯言ってるのよ⋯ 0: 神官:そんな、感謝される事なんか⋯なにも⋯ 神官:それにあんたを死なせたうえに、こんな、アンデッドにさせちゃったのよ! ゾンビ:それは⋯ 0: ゾンビ:あのね、お姉ちゃん。僕はもう一度、お姉ちゃんに、会いたかったんだ。 0: ゾンビ:会って、お姉ちゃんにどうしても伝えたい事があって、それでこの身体を借りてるんだ。 神官:え⋯どういう事⋯? ゾンビ:お姉ちゃん 0: ゾンビ:⋯ずっと好きでした。 0: ゾンビ:こんな泣き虫で、弱い僕の面倒をみてくれて、ありがとう。 0: ゾンビ:お姉ちゃんが居てくれたから、僕は耐えられたよ。 0: ゾンビ:そして、短い間だったけど⋯とても幸せでした。 0: ゾンビ:僕の事は忘れて、これからも、元気でね。 神官:え⋯? ゾンビ:それじゃ⋯ 神官:ちょ、ちょっと⋯ ゾンビ:さよなら、ミアお姉ちゃん! 神官:ま、待って、カール!! :ーー間 神官:嘘⋯ 神官:⋯ 神官:なによ⋯あいつ⋯ 神官:言いたい事だけ言って、消えてさ⋯ 神官:馬鹿⋯カールの大馬鹿! 神官:絶対⋯忘れてなんかやるもんか⋯ 神官:私、なるから⋯ 神官:今度は、誰一人、死なせないような⋯ 神官:立派な神官に、なって見せるから!! おわり

神官:また現れましたね、さ迷う亡者、ゾンビ! ゾンビ:えーと⋯ 神官:今日こそ浄化してあげますわ! ゾンビ:いや、ちょっと待って!? 神官:何ですか!? ゾンビ:話を聞いてよ! 神官:話ですって⋯? ゾンビ:たしかに、この間いきなり後ろから声かけたのは、不味かったと思うんだけど⋯ 神官:そうです!急に声かけてくるから、痴漢(ちかん)かと思って怖かったんですよ! ゾンビ:あはは⋯(苦笑い) 神官:でも、振り向きざまに咄嗟に放った浄化魔法だったとはいえ⋯ 0: 神官:なぜまだピンピンしているんですか!! ゾンビ:えーと⋯お姉さんはまだ駆け出しの神官見習いだよね? 神官:そ、そうですけど⋯ ゾンビ:その、ちょっとは効いたんだけ⋯言っちゃなんですけど、浄化のレベルとか、足りてないのないかなって⋯ 神官:⋯。 0: 神官:はぁぁぁ~~~!? ゾンビ:わわっ! 神官:はっ!⋯コホン。 0: 神官:あなたみたいな腐った魔物の存在に、私の涙ぐましい日々の努力がわかってたまりますか! ゾンビ:いやー、見ての通りゾンビだけど⋯ 0: ゾンビ:まったく心が無いみたいな言われ方は⋯ちょっと傷付くというか⋯ 神官:アンデッドモンスターが何を白々しい! 0: 神官:そういう風に、親しみを出しながら人間に近づくのが目的ですね! 0: 神官:私はこれでも神官のはしくれ、そんな魔物の戯言(ざれごと)に耳など貸しませんから!! ゾンビ:あ、あの、お姉さん! 0: ゾンビ:たしかに見た目はこんな姿をしてるけど、僕はお姉さんに危害などいっさい加えるつもりなんてないから安心してよ! 神官:ええい問答無用、くらいなさい! 0: 神官:永久(とわ)を彷徨(さまよ)う哀しきものよ。聖なる光りの元であるべき場所に帰れ⋯ 0: 神官:「ターンアンデッド!」 ゾンビ:う、うぁぁ~~!! 0: ゾンビ:⋯ガクッ 神官:⋯ふぅ。 神官:次に生まれ変わったら、正しい心を持った人間に生まれ変わるんですよ⋯ :ーー間ーー次の日 ゾンビ:えーと⋯言いたい事はとっっても、よくわかるんだけど⋯ 0: ゾンビ:出会い頭(がしら)でいきなり浄化魔法ぶっぱなしてくるのは、神に仕えてる神官としてどうなのかと⋯ 神官:もちろん邪悪な存在の魔物に対する先手必勝に決まっているでしょう! 0: 神官:っていうか、なんであんたは平然と毎回復活してくるのよ! ゾンビ:いやー、昨日のはさすがにやばいかなーって、思ったんだけど⋯ 0: ゾンビ:なんとか持ちこたえれちゃった。 神官:なんでよ!? ゾンビ:あれ⋯?なんだか、お姉さん口が悪くなってない? 神官:はぁ~?なんか文句あるの!? 0: 神官:魔物のあんたなんかに、いちいち丁寧な言葉使うのが馬鹿馬鹿しくなっただけよ! 0: 神官:あとこれは、地だから!! ゾンビ:あはは⋯(苦笑い) 神官:ん?⋯そういえば 0: 神官:昔も、あんたみたいな情けない奴を相手にしてた事があったような⋯ ゾンビ:あっ! 0: ゾンビ:もしかしてお姉さん⋯思い出してくれたのかな? 0: ゾンビ:そうだったら嬉しいな! 神官:いや、あんたみたいな腐った魔物なんか知り合いにいないわ。 0: 神官:「ホーリーライト」 ゾンビ:のぁぁぁ~~~~!!! ーー間 神官:まったくなんなのよ。 0: 神官:こんなにしつこい魔物がいるなんて、最悪だわ⋯ 神官:でも⋯なんか懐かしい感じなのよね⋯ 神官:お姉さん⋯姉呼び⋯ 神官:⋯っ!ま、まさか! 0: 神官:(N)私が小さい時、家の隣りに男の子が住んでいた。私が歳上なのもあって、よくその子の面倒を見ていた。 0: 神官:(N)村一番のお転婆だった私は、その子を子分のように連れ回しては、遊んでいた ゾンビ:(N)その時の僕は、身体が弱く、お姉ちゃんの後ろをついて行くのが精一杯で、よく転んでは泣いていた。 0: ゾンビ:(N)そんな時、お姉ちゃんはいつも「男の子が簡単に泣いちゃダメよ」と言いながら、優しく頭を撫でてくれた。 神官:(N)ある日、二人で薬草摘みに行った時だった。 0: 神官:(N)突然現れたスケルトンの魔物に襲われ、私は恐怖で身動きが取れず、殺されるのを覚悟したその時⋯ 0: 神官:(N)あの子はとっさに私を庇って、魔物から瀕死のダメージを負ってしまったのだ。 ゾンビ:(N)気がついた時には、魔物はいなくなっていて、近くで僕を抱きしめながらお姉ちゃんが泣いていた。 0: ゾンビ:(N)なんとか薬草を傷口に塗ろうとしてくれてたけど、僕の出血は止まらなかった。 0: ゾンビ:(N)やがて、僕の意識は⋯ぷつりと消えた。 神官:(N)それから私は、あの子を救えなかった己の無力さから、憎き仇のアンデッドを滅ぼす為に⋯ 0: 神官:(N)神官になる決意をした。 :ーー間 ゾンビ:あれ⋯?お姉さん、今日はやけに静かだね? 神官:あの時⋯ ゾンビ:え⋯? 神官:あの時、なんで私を庇(かば)ったのよ⋯? ゾンビ:あっ⋯良かった。思い出してくれたんだね。 神官:なんでよ⋯私なんか守る必要、無かったのに! ゾンビ:なんでって、僕がそうしたかったからだよ 神官:っ! 0: 神官:わ、私あんたをずっと振り回して、危険な事に巻き込んだりして、最低なお姉ちゃんだったのに!! ゾンビ:違うよ⋯ 0: ゾンビ:お姉ちゃんは、身体が弱くて村の皆からイジメられてた僕に、いつもかまってくれて⋯ 0: ゾンビ:いつも励ましてくれる、僕にとって、優しくて最高のお姉ちゃんだったんだよ。 神官:なに⋯言ってるのよ⋯ 0: 神官:そんな、感謝される事なんか⋯なにも⋯ 神官:それにあんたを死なせたうえに、こんな、アンデッドにさせちゃったのよ! ゾンビ:それは⋯ 0: ゾンビ:あのね、お姉ちゃん。僕はもう一度、お姉ちゃんに、会いたかったんだ。 0: ゾンビ:会って、お姉ちゃんにどうしても伝えたい事があって、それでこの身体を借りてるんだ。 神官:え⋯どういう事⋯? ゾンビ:お姉ちゃん 0: ゾンビ:⋯ずっと好きでした。 0: ゾンビ:こんな泣き虫で、弱い僕の面倒をみてくれて、ありがとう。 0: ゾンビ:お姉ちゃんが居てくれたから、僕は耐えられたよ。 0: ゾンビ:そして、短い間だったけど⋯とても幸せでした。 0: ゾンビ:僕の事は忘れて、これからも、元気でね。 神官:え⋯? ゾンビ:それじゃ⋯ 神官:ちょ、ちょっと⋯ ゾンビ:さよなら、ミアお姉ちゃん! 神官:ま、待って、カール!! :ーー間 神官:嘘⋯ 神官:⋯ 神官:なによ⋯あいつ⋯ 神官:言いたい事だけ言って、消えてさ⋯ 神官:馬鹿⋯カールの大馬鹿! 神官:絶対⋯忘れてなんかやるもんか⋯ 神官:私、なるから⋯ 神官:今度は、誰一人、死なせないような⋯ 神官:立派な神官に、なって見せるから!! おわり