台本概要
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タイトル | 夜帝『One for all』1本目。 |
---|---|
作者名 | すばら (@kou0204hei) |
ジャンル | その他 |
演者人数 | 6人用台本(男4、女2) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
夜光蟲(別作)とは異なり、混ざりっ気がないホスティドラマになりました。普段、味わう事の出来ない世界観にどっぷりと浸かってみて下さい⭐︎また、アーカイブ等を残して頂ける際には、ご一報して貰えると歓喜です!皆様の素敵な声をお待ちしております(゚∀゚) 性別変更、語尾の改変等、ご自由にどうぞ。女性役の方、曉、もしくは哀瑠を兼ね役にし、実質5人でも演れます! 356 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
霧咲 | 男 | 39 | No.1にして社長。普段は荒っぽいが従業員の成績次第では仏の顔が出ることも。 |
曉 | 男 | 30 | 今作の主人公。過去、ギャンブルによって己の人生を狂わせた。その後、闇金から金を借りるも、、首が回らず…ホストの世界に。 |
哀瑠 | 男 | 35 | 容姿、口調はオカ…オネェだがその実体は男だ。自称No.2らしい。営業スタイルは基本的に友営。 |
乙鵺 | 男 | 32 | 元某IT業の社長の顔を持つが訳あって、夜の世界に足を踏み入れた。冷酷で計算高い。哀瑠とは折り合いが悪い。営業スタイルは裏本営。独特な営業スタイルらしい。 |
雫 | 女 | 25 | 乙鵺の客。某キャバクラ店No.1。近頃…乙鵺に対して愛想を尽かしているようだが… |
なっちょむ | 女 | 20 | 哀瑠の客。某風俗店の嬢。誰もが羨むモデル体型で巨乳。プロポーションは抜群だが性格に難があるせいで中々、本数が取れない。哀瑠とは友達? |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
霧咲:「おい、新人!お前がリアル童貞なのは一向に構わないが客の前では、その貧相なオーラは隠せ。」
曉:「は、はい…気、気を付けます…」
哀瑠:「キリちゃん、その辺にしといてあげなよ。」
霧咲:「あ?アイル。甘やかす気なら、お前が代わりに面倒見ろ。」
乙鵺:「もう時期、私の姫がお見えになります。醜い争いは程々にして下さいね。」
霧咲:「オトヤ、同伴じゃなかったのか?」
哀瑠:「オトちゃんは気紛れドS紳士だからね。いつも通り、気分が変わったんじゃない?」
乙鵺:「アイルさん、私の情報漏洩は一つに付き、50万程、請求いたしますが覚悟はありますか?」
曉:「あの、す、すみません…」
哀瑠:「あら。オトちゃんったら、無気になっちゃって!」
霧咲:「オトヤ、オープンから入る客は雫でいいんだよな?」
乙鵺:「ええ。…?雫さんのキープボトルを用意して頂けます?新人さん。」
曉:「え!?あ、はい!!」
曉:「…(トイレ行きたいのに…)」
哀瑠:「キリちゃん、煙草ある?丁度切らしちゃったの。」
霧咲:「ん?あるけど、メンソールじゃねえぞ?買ってこいよ。まさか……煙草買う金も無いのか?」
哀瑠:「キリちゃん、馬鹿な事を言わないで頂戴!そ、そんな訳ないでしょ!」
乙鵺:「キリサキさん。オトヤさんはギャンブル依存症が祟って、無一文なのでは?」
哀瑠:「な、何ですって?!オトちゃん、あんた…!言ってイイ事と悪い事があるわよ!」
曉:「オトヤさん!雫さんのボトル、卓に置いておきます。」
霧咲:「ギョウ。それ置いたら、こっちに来て
くれるか?」
乙鵺:「有難う、ギョウくん。…アイルさん、ここからは正々堂々と売り上げで勝負といきましょう。」
曉:「は、はい!か、畏まりました!キリサキ社長。」
曉:「…(やばい、そろそろ限界が…)」
哀瑠:「オトちゃん……くぅっ!…いいわ。後で吠え面を掻かせてあげるわ!」
乙鵺:「はい。期待してますよ?自称No.2のアイルさん。」
哀瑠:「…っ!」
霧咲:「アイル?おい、急に血相変えて、どこ行くんだ?煙草買いに行くのか?」
哀瑠:「……お客さんに連絡よっ!!」
乙鵺:「アイルさん、随分と焦ってますね。よっぽど私に負けたくないのでしょうね。」
霧咲:「オトヤ、煽るのも大概にしとけな。」
乙鵺:「…肝に銘じておきます。それでは、雫さんを迎えに。」
霧咲:「ああ、店前まで来たら俺に連絡してくれ。」
曉:「…(今しかない!よし、、)」
霧咲:「ギョウ、待たせてすまないな。さあ、来てくれ。」
曉:「もれ……はい!!」
曉:「…(ーー……冷たい…はぁ…)」
曉(M):くそ!何故、俺がホストなんかに…一発当ててやろうと思って息巻いてギャンブルに手を出したばかりに…と言うか、コミュ力皆無な俺に務まる訳ねえ。
霧咲:「ギョウ、おい?」
曉:「あ、はい!す、すみません!」
霧咲:「眠いのか?やる気ないなら、帰っていいぞ?」
曉:「い、いえ。大丈夫です!」
霧咲:「そうか。ギョウ、お前はイケメンなんだから自信を持て。その顔ならどんな客でも喰い物に出来るぞ!」
曉:「え?本当ですか?」
霧咲:「ああ。基本、俺の店は不細工がいない。オトヤはリーマン風なイケメン、アイルは化粧で誤魔化してはいるが、素っぴんでも二枚目面だぞ?」
曉:「あの、自分は?」
霧咲:「お前はかっこ可愛い系のイケメンだから、年増にモテそうだな。」
曉:「あ、あ、あ、ありがとうございます♪」
曉(M):キリサキ社長には何だかんだ受け入れられてる…?やっていけそうな気がする!とか思ってしまった自分がいる…いかんいかん!驕ったら、人間終わりだ。…早く接客をマスターして、お客様掴んで借金を全額返さなきゃ。
霧咲:「ギョウ。満面の笑みの中、現実に引き戻して悪いが、顔だけじゃ売れないからな?」
曉:「満面の……?!あ、すみません!余りにも嬉しくて。」
霧咲:「そう畏まるな。お前の悪い部分は真面目過ぎるところだ。」
曉:「真面目じゃダメなんですか!?」
霧咲:「昼職なら真面目さを売りにすれば良いのだろうが。ホストは真面目過ぎたら、却ってそれがマイナスのイメージを生む。」
曉:「なるほど。」
霧咲:「まずは、現状を愉しめ!幸いな事に今夜のオトヤの客は優しいから硬くならず、友達感覚で接客を…」
曉:「接客を…?」
霧咲:「…噂をしてたら、オトヤからメールがきた。雫の来店だ。」
霧咲:「店終わったら、時間作れるか?お詫びとして、飯を奢ってやる。」
曉:「はい!ご馳走様です!」
霧咲:「ふ、調子のいいやつだ。」
曉:「あはは…そ、それじゃ!自分はヘルプ行きます。」
霧咲:「ああ、頼んだ。」
乙鵺:「お客様、ご来店ですー!!」
雫:「オトヤ、私…」
乙鵺:「雫さん、さっきも話した通り、お金の心配なら大丈夫です。今夜、全額払えなくても、次回の時に入金して頂けたら。」
雫:「それは分かってるけど、S級の高級ボトルは無理だからね?」
乙鵺:「S級と言えば…カミュ・トラディション、ヘネシー・リシャール、ロマネ・コンティ等ですか?私的にはペルフェクションを所望だったのですが…」
雫:「ぺ、ペル!?無理!無理よ…ドンペリで勘弁して。」
乙鵺:「ドンペリだと白金(プラチナ)ですか?」
雫:「白金……首が回らなくなるわ…ピンクでお願い。」
乙鵺:「…ピンクだと、20万弱ですね。」
雫:「え?ええ、それで今夜は我慢して!」
乙鵺:「雫さん、貴女は売れっ子キャバ嬢ですよね?」
雫:「そ、それがどうしたのよ??」
乙鵺:「いえ、貴女にはプライドが無いのかなと思いまして。」
雫:「何が言いたいのよ?ハッキリ言いなさいよ!」
霧咲:「おい、オトヤ!ギョウが空気読んで待ってんのに、いつまで入り口で痴話喧嘩してんだ?あ?」
雫:「キリサキさん、ごめんなさい!」
乙鵺:「キリサキさん、これには訳が…」
霧咲:「いいから、席着いてから話せよ!アイルの客も、そろそろ来るだろうからな。」
乙鵺:「アイルさんのお客様…」
雫:「オトヤ…?」
霧咲:「ギョウ、待たせたな!さぁ、案内してやってくれ。」
曉:「はい!いらっしゃいませ!こちらです。」
雫:「貴方、新人君?可愛い顔してるね!」
曉:「あ、ありがとうございま、す!」
霧咲:「ふ。」
乙鵺:「…」
雫:「シズクよ、よろしくね!可愛い新人君。」
曉:「初めまして、One for allに入店して1週間のど新人のギョウです!不束者ですが、宜しくお願いし、ます!」
雫:「不束者って、あはは!君、面白いね!」
乙鵺:「ギョウくん、一旦外して貰っても?」
雫:「は?何でよ?オトヤ!」
曉:「わ、分かりました!…失礼します。」
曉(M):え、上手くいってたのに…何で?!てか、この二人相性悪くないか?大丈夫なのかな…何でもいいか、はぁ…夜の世界ってわかんね〜!
0:曉、退席。
乙鵺:「話に決着が付いてない中、新人くんは呼べません。見もよくありませんし。」
雫:「楽しかったのに!本当に勝手よね。…だから、私は他店に…あ。」
乙鵺:「今、何て仰いました?雫さん、現在の手持ちに他店が関係してるのですか?」
雫:「え?ほら、あれよ!友達が他店にハマってるから、私も行かなきゃいけないかもー的な…?」
乙鵺:「雫さん、他店には何を卸したのですか?」
雫:「だ、だから、友達から連絡が来てて…今度行く予定が…」
乙鵺:「雫ッ!!」
雫:「ひっっ!?その冷ややかな目で怒鳴らないで…シャレにならないくらい怖いから。」
乙鵺:「…雫さん、カケ出来ますね?」
雫:「はい…」
乙鵺:「宜しいです。それなら、トラディションに変更で。」
雫:「…」
乙鵺:「…(アイルさん、貴方には負けません。)」
0:一方…
哀瑠:「もしもし、なっちょむ?生きてるかしら?」
なっちょむ:「アイアイ?どうしたの?」
哀瑠:「んー、無理を承知で言うわね!」
なっちょむ:「今日はお客さん〃一本〃だったから、さっき家に着いて、お風呂に入ろうと思ってたんだけど?」
哀瑠:「お風呂は入ってもいいから、店に来て欲しいのよ!」
なっちょむ:「アイアイが営業してくるとか、珍しくない?何かあったんでしょ?」
哀瑠:「あら、貴女に隠し事は出来ないわね…そうよ、絶体絶命のピンチなの。」
なっちょむ:「うん、内容が全く見えないね。」
哀瑠:「オトちゃんに戦線布告されたのよ!アタシの事も馬鹿にしてきたの!本当に頭来ちゃう!!」
なっちょむ:「…あーなるほどね。それで戦力として、なっちょに頼ってきたのか。」
哀瑠:「そうなの!なっちょむの力が必要なの!」
なっちょむ:「うーん…今月、稼げてなくて厳しいんだけどなあ…」
哀瑠:「そこを何とか、頼むわよー!」
なっちょむ:「…それじゃあ、肉!」
哀瑠:「ぇ?」
なっちょむ:「焼肉行きたいなー♪」
哀瑠:「しょ、しょうがないわね!」
なっちょむ:「やったー!契約成立ね☆」
哀瑠:「…(アトムに残高あったかしら…)」
なっちょむ:「アイアイ?おーい!聞いてる〜?」
哀瑠:「き、聞いてるわ!お肉でしょ。」
なっちょむ:「そそ♪」
哀瑠:「…(オトちゃんに勝つ為にはカード会社の脅威なんて…)」
なっちょむ:「アイアイー、そうしたら30分後、また電話するね。」
哀瑠:「はいはいー!」
なっちょむ:「肉肉ーー♪極上カルビ、極上ロース、極上タン♪」
哀瑠:「…世知辛いわね。」
哀瑠:「戻ろうかしら。」
0:店内。
霧咲:「なるほどな、それで裏に来た訳か。」
曉:「はい。暫くは待機で大丈夫でしょうか?」
霧咲:「ああ、洗い物だけやっといて!大したの無いけど。」
曉:「了解です!」
霧咲:「終わったら煙草吸ってて良いからな。」
曉:「ありがとうございます!」
哀瑠:「キリちゃんー!」
霧咲:「ん、アイル客は?」
哀瑠:「勿論、来るわよ。負けていられないもの!」
霧咲:「何時入りだ?」
哀瑠:「1時に入れる。なっちょむを呼んだの。」
霧咲:「なっちょまんか…大丈夫なのか?」
哀瑠:「何がよ?」
霧咲:「新人に厳しいだろ、あの痛客。」
哀瑠:「大丈夫よ、アタシが居る内はね。」
霧咲:「ふん、まぁいい。都度、連絡してくれ。」
哀瑠:「はぁい!」
曉:「終わりました!……ふぅー!(煙草を吸う)」
0:乙鵺と雫。
雫:「ねぇ、オトヤ。」
乙鵺:「何でしょう?そろそろ、ボトル入れますか?」
雫:「ボトルはもう少し待って!…カケとは言え、後々、大金を用意しなきゃならないから。」
乙鵺:「ふむ、上司に掛け合うのですか?」
雫:「うん、唐突でごめんなさい。170万の前借り出来ませんか?って送って、返答待ち。」
乙鵺:「例え上手くいかなくても、方法はいくらでもありますので、その時は私にお任せを…」
雫:「大丈夫よ!あのサルなら何とかしてくれるわ。」
乙鵺:「サル…?なるほどですね。貴女、崖っぷちなのですね。」
雫:「う、鋭いのね…ますます怖い。」
乙鵺:「ふふ、人の心とは鏡ですから。」
雫:「そう言えば、ギョウくんを着けないの?」
乙鵺:「ええ、キリサキさんにコーリングしておきましょう。」
0:店裏。
霧咲:「!オトヤから、連絡きた。」
哀瑠:「何て来たの?」
霧咲:「話は済んだから、ギョウくん戻って来ても大丈夫だとさ。」
曉:「それなら、自分戻ります!」
霧咲:「ああ、盥回しにしてすまんな。」
0:哀瑠の携帯に着信。
霧咲:「アイル、携帯鳴ってんぞ。」
哀瑠:「あら、ホントだわ!誰かしら、もしりんー!」
なっちょむ:「アイアイ、お風呂出たよん。今から、支度してお店に向かうんだけど、お菓子とか買っていく?」
なっちょむ:「なっちょのオススメでいい?茎わかめとかチータラとか他は…何が良いかなあ。」
哀瑠:「ちょっと、なっちょむ??貴女、年々オッサン化してない?!」
なっちょむ:「ぇえ?!ひっどぃ!なっちょの好みにケチ付ける気ぃ?」
哀瑠:「そう言う訳じゃないんだけど、乙女としてチョコレートが選択肢から外れてるのはどうかと思うわよ?」
なっちょむ:「あー!!チョコね。忘れてた。げへぺろ♪」
哀瑠:「この子ったら…とにかく、頼むわね!」
なっちょむ:「はいはぁい!アイアイ、またねん。」
なっちょむ:「ふふん♪メイクは〃なちょらる〃で〜♪お洋服は白の猫耳パーカーに下は黒のフリルスカートっと♪」
なっちょむ:「気合い入れ過ぎかな?まぁいいか。ふふん♪」
霧咲:「おい、新人!お前がリアル童貞なのは一向に構わないが客の前では、その貧相なオーラは隠せ。」
曉:「は、はい…気、気を付けます…」
哀瑠:「キリちゃん、その辺にしといてあげなよ。」
霧咲:「あ?アイル。甘やかす気なら、お前が代わりに面倒見ろ。」
乙鵺:「もう時期、私の姫がお見えになります。醜い争いは程々にして下さいね。」
霧咲:「オトヤ、同伴じゃなかったのか?」
哀瑠:「オトちゃんは気紛れドS紳士だからね。いつも通り、気分が変わったんじゃない?」
乙鵺:「アイルさん、私の情報漏洩は一つに付き、50万程、請求いたしますが覚悟はありますか?」
曉:「あの、す、すみません…」
哀瑠:「あら。オトちゃんったら、無気になっちゃって!」
霧咲:「オトヤ、オープンから入る客は雫でいいんだよな?」
乙鵺:「ええ。…?雫さんのキープボトルを用意して頂けます?新人さん。」
曉:「え!?あ、はい!!」
曉:「…(トイレ行きたいのに…)」
哀瑠:「キリちゃん、煙草ある?丁度切らしちゃったの。」
霧咲:「ん?あるけど、メンソールじゃねえぞ?買ってこいよ。まさか……煙草買う金も無いのか?」
哀瑠:「キリちゃん、馬鹿な事を言わないで頂戴!そ、そんな訳ないでしょ!」
乙鵺:「キリサキさん。オトヤさんはギャンブル依存症が祟って、無一文なのでは?」
哀瑠:「な、何ですって?!オトちゃん、あんた…!言ってイイ事と悪い事があるわよ!」
曉:「オトヤさん!雫さんのボトル、卓に置いておきます。」
霧咲:「ギョウ。それ置いたら、こっちに来て
くれるか?」
乙鵺:「有難う、ギョウくん。…アイルさん、ここからは正々堂々と売り上げで勝負といきましょう。」
曉:「は、はい!か、畏まりました!キリサキ社長。」
曉:「…(やばい、そろそろ限界が…)」
哀瑠:「オトちゃん……くぅっ!…いいわ。後で吠え面を掻かせてあげるわ!」
乙鵺:「はい。期待してますよ?自称No.2のアイルさん。」
哀瑠:「…っ!」
霧咲:「アイル?おい、急に血相変えて、どこ行くんだ?煙草買いに行くのか?」
哀瑠:「……お客さんに連絡よっ!!」
乙鵺:「アイルさん、随分と焦ってますね。よっぽど私に負けたくないのでしょうね。」
霧咲:「オトヤ、煽るのも大概にしとけな。」
乙鵺:「…肝に銘じておきます。それでは、雫さんを迎えに。」
霧咲:「ああ、店前まで来たら俺に連絡してくれ。」
曉:「…(今しかない!よし、、)」
霧咲:「ギョウ、待たせてすまないな。さあ、来てくれ。」
曉:「もれ……はい!!」
曉:「…(ーー……冷たい…はぁ…)」
曉(M):くそ!何故、俺がホストなんかに…一発当ててやろうと思って息巻いてギャンブルに手を出したばかりに…と言うか、コミュ力皆無な俺に務まる訳ねえ。
霧咲:「ギョウ、おい?」
曉:「あ、はい!す、すみません!」
霧咲:「眠いのか?やる気ないなら、帰っていいぞ?」
曉:「い、いえ。大丈夫です!」
霧咲:「そうか。ギョウ、お前はイケメンなんだから自信を持て。その顔ならどんな客でも喰い物に出来るぞ!」
曉:「え?本当ですか?」
霧咲:「ああ。基本、俺の店は不細工がいない。オトヤはリーマン風なイケメン、アイルは化粧で誤魔化してはいるが、素っぴんでも二枚目面だぞ?」
曉:「あの、自分は?」
霧咲:「お前はかっこ可愛い系のイケメンだから、年増にモテそうだな。」
曉:「あ、あ、あ、ありがとうございます♪」
曉(M):キリサキ社長には何だかんだ受け入れられてる…?やっていけそうな気がする!とか思ってしまった自分がいる…いかんいかん!驕ったら、人間終わりだ。…早く接客をマスターして、お客様掴んで借金を全額返さなきゃ。
霧咲:「ギョウ。満面の笑みの中、現実に引き戻して悪いが、顔だけじゃ売れないからな?」
曉:「満面の……?!あ、すみません!余りにも嬉しくて。」
霧咲:「そう畏まるな。お前の悪い部分は真面目過ぎるところだ。」
曉:「真面目じゃダメなんですか!?」
霧咲:「昼職なら真面目さを売りにすれば良いのだろうが。ホストは真面目過ぎたら、却ってそれがマイナスのイメージを生む。」
曉:「なるほど。」
霧咲:「まずは、現状を愉しめ!幸いな事に今夜のオトヤの客は優しいから硬くならず、友達感覚で接客を…」
曉:「接客を…?」
霧咲:「…噂をしてたら、オトヤからメールがきた。雫の来店だ。」
霧咲:「店終わったら、時間作れるか?お詫びとして、飯を奢ってやる。」
曉:「はい!ご馳走様です!」
霧咲:「ふ、調子のいいやつだ。」
曉:「あはは…そ、それじゃ!自分はヘルプ行きます。」
霧咲:「ああ、頼んだ。」
乙鵺:「お客様、ご来店ですー!!」
雫:「オトヤ、私…」
乙鵺:「雫さん、さっきも話した通り、お金の心配なら大丈夫です。今夜、全額払えなくても、次回の時に入金して頂けたら。」
雫:「それは分かってるけど、S級の高級ボトルは無理だからね?」
乙鵺:「S級と言えば…カミュ・トラディション、ヘネシー・リシャール、ロマネ・コンティ等ですか?私的にはペルフェクションを所望だったのですが…」
雫:「ぺ、ペル!?無理!無理よ…ドンペリで勘弁して。」
乙鵺:「ドンペリだと白金(プラチナ)ですか?」
雫:「白金……首が回らなくなるわ…ピンクでお願い。」
乙鵺:「…ピンクだと、20万弱ですね。」
雫:「え?ええ、それで今夜は我慢して!」
乙鵺:「雫さん、貴女は売れっ子キャバ嬢ですよね?」
雫:「そ、それがどうしたのよ??」
乙鵺:「いえ、貴女にはプライドが無いのかなと思いまして。」
雫:「何が言いたいのよ?ハッキリ言いなさいよ!」
霧咲:「おい、オトヤ!ギョウが空気読んで待ってんのに、いつまで入り口で痴話喧嘩してんだ?あ?」
雫:「キリサキさん、ごめんなさい!」
乙鵺:「キリサキさん、これには訳が…」
霧咲:「いいから、席着いてから話せよ!アイルの客も、そろそろ来るだろうからな。」
乙鵺:「アイルさんのお客様…」
雫:「オトヤ…?」
霧咲:「ギョウ、待たせたな!さぁ、案内してやってくれ。」
曉:「はい!いらっしゃいませ!こちらです。」
雫:「貴方、新人君?可愛い顔してるね!」
曉:「あ、ありがとうございま、す!」
霧咲:「ふ。」
乙鵺:「…」
雫:「シズクよ、よろしくね!可愛い新人君。」
曉:「初めまして、One for allに入店して1週間のど新人のギョウです!不束者ですが、宜しくお願いし、ます!」
雫:「不束者って、あはは!君、面白いね!」
乙鵺:「ギョウくん、一旦外して貰っても?」
雫:「は?何でよ?オトヤ!」
曉:「わ、分かりました!…失礼します。」
曉(M):え、上手くいってたのに…何で?!てか、この二人相性悪くないか?大丈夫なのかな…何でもいいか、はぁ…夜の世界ってわかんね〜!
0:曉、退席。
乙鵺:「話に決着が付いてない中、新人くんは呼べません。見もよくありませんし。」
雫:「楽しかったのに!本当に勝手よね。…だから、私は他店に…あ。」
乙鵺:「今、何て仰いました?雫さん、現在の手持ちに他店が関係してるのですか?」
雫:「え?ほら、あれよ!友達が他店にハマってるから、私も行かなきゃいけないかもー的な…?」
乙鵺:「雫さん、他店には何を卸したのですか?」
雫:「だ、だから、友達から連絡が来てて…今度行く予定が…」
乙鵺:「雫ッ!!」
雫:「ひっっ!?その冷ややかな目で怒鳴らないで…シャレにならないくらい怖いから。」
乙鵺:「…雫さん、カケ出来ますね?」
雫:「はい…」
乙鵺:「宜しいです。それなら、トラディションに変更で。」
雫:「…」
乙鵺:「…(アイルさん、貴方には負けません。)」
0:一方…
哀瑠:「もしもし、なっちょむ?生きてるかしら?」
なっちょむ:「アイアイ?どうしたの?」
哀瑠:「んー、無理を承知で言うわね!」
なっちょむ:「今日はお客さん〃一本〃だったから、さっき家に着いて、お風呂に入ろうと思ってたんだけど?」
哀瑠:「お風呂は入ってもいいから、店に来て欲しいのよ!」
なっちょむ:「アイアイが営業してくるとか、珍しくない?何かあったんでしょ?」
哀瑠:「あら、貴女に隠し事は出来ないわね…そうよ、絶体絶命のピンチなの。」
なっちょむ:「うん、内容が全く見えないね。」
哀瑠:「オトちゃんに戦線布告されたのよ!アタシの事も馬鹿にしてきたの!本当に頭来ちゃう!!」
なっちょむ:「…あーなるほどね。それで戦力として、なっちょに頼ってきたのか。」
哀瑠:「そうなの!なっちょむの力が必要なの!」
なっちょむ:「うーん…今月、稼げてなくて厳しいんだけどなあ…」
哀瑠:「そこを何とか、頼むわよー!」
なっちょむ:「…それじゃあ、肉!」
哀瑠:「ぇ?」
なっちょむ:「焼肉行きたいなー♪」
哀瑠:「しょ、しょうがないわね!」
なっちょむ:「やったー!契約成立ね☆」
哀瑠:「…(アトムに残高あったかしら…)」
なっちょむ:「アイアイ?おーい!聞いてる〜?」
哀瑠:「き、聞いてるわ!お肉でしょ。」
なっちょむ:「そそ♪」
哀瑠:「…(オトちゃんに勝つ為にはカード会社の脅威なんて…)」
なっちょむ:「アイアイー、そうしたら30分後、また電話するね。」
哀瑠:「はいはいー!」
なっちょむ:「肉肉ーー♪極上カルビ、極上ロース、極上タン♪」
哀瑠:「…世知辛いわね。」
哀瑠:「戻ろうかしら。」
0:店内。
霧咲:「なるほどな、それで裏に来た訳か。」
曉:「はい。暫くは待機で大丈夫でしょうか?」
霧咲:「ああ、洗い物だけやっといて!大したの無いけど。」
曉:「了解です!」
霧咲:「終わったら煙草吸ってて良いからな。」
曉:「ありがとうございます!」
哀瑠:「キリちゃんー!」
霧咲:「ん、アイル客は?」
哀瑠:「勿論、来るわよ。負けていられないもの!」
霧咲:「何時入りだ?」
哀瑠:「1時に入れる。なっちょむを呼んだの。」
霧咲:「なっちょまんか…大丈夫なのか?」
哀瑠:「何がよ?」
霧咲:「新人に厳しいだろ、あの痛客。」
哀瑠:「大丈夫よ、アタシが居る内はね。」
霧咲:「ふん、まぁいい。都度、連絡してくれ。」
哀瑠:「はぁい!」
曉:「終わりました!……ふぅー!(煙草を吸う)」
0:乙鵺と雫。
雫:「ねぇ、オトヤ。」
乙鵺:「何でしょう?そろそろ、ボトル入れますか?」
雫:「ボトルはもう少し待って!…カケとは言え、後々、大金を用意しなきゃならないから。」
乙鵺:「ふむ、上司に掛け合うのですか?」
雫:「うん、唐突でごめんなさい。170万の前借り出来ませんか?って送って、返答待ち。」
乙鵺:「例え上手くいかなくても、方法はいくらでもありますので、その時は私にお任せを…」
雫:「大丈夫よ!あのサルなら何とかしてくれるわ。」
乙鵺:「サル…?なるほどですね。貴女、崖っぷちなのですね。」
雫:「う、鋭いのね…ますます怖い。」
乙鵺:「ふふ、人の心とは鏡ですから。」
雫:「そう言えば、ギョウくんを着けないの?」
乙鵺:「ええ、キリサキさんにコーリングしておきましょう。」
0:店裏。
霧咲:「!オトヤから、連絡きた。」
哀瑠:「何て来たの?」
霧咲:「話は済んだから、ギョウくん戻って来ても大丈夫だとさ。」
曉:「それなら、自分戻ります!」
霧咲:「ああ、盥回しにしてすまんな。」
0:哀瑠の携帯に着信。
霧咲:「アイル、携帯鳴ってんぞ。」
哀瑠:「あら、ホントだわ!誰かしら、もしりんー!」
なっちょむ:「アイアイ、お風呂出たよん。今から、支度してお店に向かうんだけど、お菓子とか買っていく?」
なっちょむ:「なっちょのオススメでいい?茎わかめとかチータラとか他は…何が良いかなあ。」
哀瑠:「ちょっと、なっちょむ??貴女、年々オッサン化してない?!」
なっちょむ:「ぇえ?!ひっどぃ!なっちょの好みにケチ付ける気ぃ?」
哀瑠:「そう言う訳じゃないんだけど、乙女としてチョコレートが選択肢から外れてるのはどうかと思うわよ?」
なっちょむ:「あー!!チョコね。忘れてた。げへぺろ♪」
哀瑠:「この子ったら…とにかく、頼むわね!」
なっちょむ:「はいはぁい!アイアイ、またねん。」
なっちょむ:「ふふん♪メイクは〃なちょらる〃で〜♪お洋服は白の猫耳パーカーに下は黒のフリルスカートっと♪」
なっちょむ:「気合い入れ過ぎかな?まぁいいか。ふふん♪」