声劇台本置き場

0：雄大、丘の上に座り黄昏ている。 雄大：はぁ…。 0：そこへ１羽のアホウドリが現れる。 たけお：お疲れぇ 雄大：あ、お疲れ様です。 0：アホウドリ、チャックを降ろし人(たけお)になる たけお：こんなところで何してるのぉ？ 雄大：いや、せっかくツルさんにこのパーカーを貰って雄大になることができたのに、僕はまだ何も成し遂げられてないなって。 たけお：なぁんだ、そんなことかぁ。 雄大：そんなことって たけお：ぼかぁね(僕はね)、もうそんな悩み、とっくに過ぎているのさ 雄大：…どうやって克服したんですか？ たけお：ありのままの自分でいい、無理に変える必要は無いって思ったんだ 雄大：でもそれじゃあ、今は良くても、いつか食えなくなるかもしれないし… たけお：食うものには困らないよ 雄大：たけおさんは、その…どうやって生活してるんですか？ たけお：今は月1万8000円のアパートに住んでて、ご飯は駄々こねたらもらえるから自分のお金で買ったことはほとんど無いかなぁ 雄大：駄々…？ たけお：雄大くんもやってみる？おせーてあげるよ 雄大：え、あ、はい。 たけお：まず鳥の姿になって（チャックを上げる） 雄大：（チャックを上げる）はい。 たけお：朗らかな、優しそうな人に近づく。 雄大：・・・はい たけお：近づいたら、ご飯をねだる 雄大：ど、どのように たけお：「それ欲しいなぁ」 雄大：・・・・ たけお：真似して？ 雄大：あ、僕も？ たけお：それ欲しいなぁ 雄大：てか声出てるじゃ無いですか笑 たけお：真似して？ 雄大：あ、はい。それ欲しいなぁ たけお：あのね、うんとね 雄大：あのね、うんとね たけお：お腹がね、空いててね 雄大：お腹がね、空いててね たけお：ｺﾞﾊｯｺﾞﾊｯｺﾞﾊｯﾝｦﾈ、ｸﾚｸﾚｸﾚｸﾚﾙｯﾃ、ﾕｯﾕｯﾕｯﾕｯﾃ、ﾀﾉﾆｨ、ﾀﾍﾞｯﾀﾍﾞｯﾀﾍﾞｯﾀﾍﾞｯｻｼﾃﾈ、ｸﾝﾅｲｶﾗｯ、ﾓｯｶｲ、ｷﾃｯｷﾃｯｷﾃｯｷﾃｯﾐﾀﾉﾆﾈ、ｺﾞﾊﾝｶﾞｱｱｱｱｱｱｱ、ﾅｲｶﾗｱｱｱｱｱｱｱ、ﾍﾟｺﾍﾟｺﾃﾞｴｴｴｴ、 雄大：き・・・・凄いっすね たけお：やってみて 雄大：大丈夫です。なんか…自信出てきました。 たけお：ほんとぉ？よかったぁ 雄大：あの、僕そろそろ帰ります…じゃあ たけお：バイバーイ 0：雄大、鳥になって飛び立っていく。すれ違いでツルがたけおのもとへ現れる。 ツル：やあ、お久しぶり。元気かい？ たけお：あ、どうも、ツルさんにもらったこのパーカーのおかげで、今日もご飯に困らないです！ ツル：・・・そうかい たけお：今日も楽しい日々が送れます！ ツル：君はいつまでそのままなんだい？ たけお：え ツル：まあいいけど たけお：あの、ツルさんもありのままが良いって思いますよね？ ツル：無理に変わる必要は無いと思うけど たけお：ですよね！ ツル：楽してる分のツケは回ってくると思うよ たけお：・・・ ツル：じゃあね 0：ツル、人の姿のまま歩いてその場を離れる たけお：（俺・・・ほんとにこのままで良いんだろうか・・・・面倒臭いって言える歳なんだろうか・・・） 0：たけお、背中を丸め小さくなり、下を向いて泣いている たけお：ﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝ、ﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝ、ﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝﾝ 0：徐々にフェードアウト