台本概要

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タイトル 未来へ(後編)
作者名 はちゃろ  (@hacharo0707)
ジャンル ラブストーリー
演者人数 4人用台本(男2、女2) ※兼役あり
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 作品紹介

「空の彼方」の続編です。空の彼方(前編)の過去から数年後のお話です。
あなたは運命に従いますか?それとも…

※謎の男は圭一と兼役、ナレーション(ナレ)は蘭と兼役でお願いします。

※本編ナレーションは、情景描写セリフは読まなくても問題ありませんが、結婚式場アナウンスや電車のアナウンス、ラストシーンは必須です。


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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
奏空 36 奏空 (そなた) 17歳 女 好奇心旺盛で泣き虫、両親思い
拓也 25 拓也 (たくや) 23歳 男 ピアニスト志望、生意気だが友達思い
22 蘭 (らん) 23歳 女 兼役 ナレーション 
生徒会長タイプ、優しく、真面目だか少し短気
圭一 83 圭一(けいいち) 23歳 男 兼役 謎の声 弱気だが真が強い
謎の声 11 圭一役と兼役
ナレ 29 ナレーション 蘭役と兼役
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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圭一  :○月✕日…今日も失敗に終わった…あれから幾月、幾年が経っただろうか…あの日から何かを忘れている気がする…微かに残った記憶から辿ったキミは…ぼんやりとではあるが、僕に笑顔を向けてくれていたような…もう名前も…顔や声さえも…忘れたと言うのに… 間 拓也:な~に、また浮かない顔してんだよ!圭一! 圭一:………なんだ…拓也か… 拓也:なんだ?じゃねえよ!またこんな所に潜り込みやがって!しょうがねえな…ほらよっ ナレ:そう言って拓也は圭一にコーヒーを投げた 圭一:おっ…ととっ! 拓也:いつまでこんな事してんだよ、いい加減に諦めて、家業を継いだらどうなんだ? 圭一:…そうだな…もう終わりにするかな… 拓也:おいおい!まじかよ…あの時の威勢の良かったお前はどうなったんだよ!圭一! 圭一:そうだな…夢だったのかもな…何もかも… 拓也:たくっよー!しけたつらしやがって!…それより明日の事、大丈夫か? 圭一:明日?何かあったのか? 拓也:おいおい!半年も前から、圭一…お前に頼んでただろ!…わかんねーのかよっ!頼むぜ! ホントによー! 圭一:半年も前から?…… 拓也:結婚式だよ!結婚式!友人代表のスピーチ頼んだだろ? 圭一:……そう言えば…蘭ちゃんからメールが来てたな…まだ見てなかった…けど… ナレ:蘭のメール 蘭:久しぶりね!圭一君、元気にしてた?拓也から頼まれたと思うけど…明日逢えるのを楽しみにしてるわ!…それと…式が始まる前に…少し話せないかしら?…心配するから拓也には内緒にしてね! 間 拓也:蘭からのメール…何だって? 圭一:明日は逢えるの………楽しみにしてるって… 拓也:そうだな…圭一は蘭とは高校生以来だもんな!蘭のやつも会いたがってたし…ふん! 圭一:拓也…今更、妬かれたところで…もう明日からは夫婦なんだし… 拓也:別にっ!妬いてなんかねーよっ!…ちょっとお前を…からかってやっただけだろっ!…なんか…元気なかったしさ…: 圭一:ありがとう…拓也…明日は必ずいくよ!…任せといて ナレ:結婚式場、控え室通路 蘭:あ!圭一君…こっちよ…(小声) 圭一:蘭ちゃん…き、綺麗になったね…見ちがえたよ! 蘭:ありがとう!圭一君…でも、見ちがえたと言うのはどういう意味かな?…じろっ 圭一:え…いや、最後に会った時よりも綺麗になった…という…意味だよっ 蘭:あっはははは!…ご、ごめんね!…わかってたけど…つい久しぶりに圭一君を見てると、からかいたくなっちゃってっ!ホントに、ごめんね! 圭一:あはは…なんかそう言うとこ…拓也に似てきたね… 蘭:嘘でしょ!…あんな馬鹿で意地っ張りな拓也と似てるだなんて…圭一君!ホントに怒るわよっ! 圭一:ごめんごめん!…でも幸せそうで何よりだよ…あ、それで…話って何だったのかな? 蘭:うん、実はね…あの日の事…覚えてる? 圭一:あの日って? 蘭:ほらっ…まだ私達が高校生の時に、拓也が電車に轢かれそうになったり…私が交通事故にあったりした時… 圭一:…ああ…あの日…そんな事、あったね…もう随分前だから記憶が途切れ、途切れだけど… 蘭:うん…でね…1つ思い出した事があって… 圭一:思い出した事?…何?何を思い出したのっ!(勢い良く) 蘭:圭一君?…大丈夫? 圭一:ご、ごめん…蘭ちゃん…で?何を思い出したのか教えて 蘭:うん…確かあの日、私が交通事故にあった時ね…女の子がぶつかって来たと思うんだけど…圭一君は見てなかった? 圭一:女の子… 蘭:でも、その後に、見た時は大人の男性がいてね…大丈夫?て、声をかけられたんだけど… 圭一:!?…女の子じゃなかったって事? 蘭:わからないの…ぶつかった時は確かに女の子だったはずなんだけど、起きたら、女の子はいなくなってたし… 圭一:うーん…あの時は僕も焦ってたし、僕からは蘭ちゃんと抱えてたおばあちゃんしか見えなかったから…ごめんね 蘭:ううん…いいの…もしかしたら…私の思い過ごしかもしれないし…ただ…ちょっと気になっちゃて… 圭一:ごめんね、チカラになれなくて… 蘭:謝らないで…圭一君はあの時必死で助けてくれたんだし…感謝してるわ!…もし、あのまま車に轢かれていたら…きっと大好きなヴァイオリンも続けられなかったし…足に大怪我でもして車椅子生活になる所だったかもね 圭一:っ…ヴァイオリン…車椅子……なんだ…この…違和感は… 蘭:圭一君?…大丈夫?…頭でも痛いの? 圭一:蘭ちゃん…ちょっと調べたい事があるからっ抜けるねっ! 蘭:えっ!もう式まで1時間もないわよ! 圭一:大丈夫!ここからすぐ近くだったからすぐに戻るよ! 蘭:ちょっと!圭一君! ナレ:圭一は式場を飛びだし、例の事故現場である交差点に向かった 圭一:はあ…はあ…はあ…ふぅ…、またここに来るとはな…確か…あの辺りだったような ナレ:交差点の中央付近に立ち止まる圭一 圭一:来たところで、なにもないよな…ホント…馬鹿だよな…オレは… ナレ:信号が変わり始めた事に気づかない圭一、その時、信号を無視した車が1台、圭一に向かって突っ込んでくる 圭一:!?…えっ!嘘だろっ! ナレ:車に気づいたが身動きできない圭一 圭一 :うああああぁぁー!… ナレ:ドンっ!と投げ飛ばされる圭一 圭一:うぐっ!…ごほっ… 奏空:きゃっ!…」 ナレ:倒れる2人 野次馬が集まって壮絶としている 圭一:痛っててっ!…ん…何にぶつかったんだ? 奏空:…ば…バカ~!(泣き声) 圭一:ええっ?…き、キミは一体誰? 奏空「バカ!…バカバカ!…圭一君のバカ~!うわ~ん!…えぐっ…ひっく…」 ナレ:泣き叫ぶ女の子を呆然と見る圭一、野次馬の数が次第に多くなっていく… 圭一:ヤバいな!…ここじゃまずい!…とにかく場所を移動しないと 奏空:ひっく…えっぐ……待って!…私もついていく!圭一君っ 圭一:ええっ!何で俺の名前をしって…いや…今はそれどころじゃないな…キミ…怪我はないの? 奏空:私は…奏空…かすり傷くらいか…な… 圭一:そうか…とりあえず場所を変えよう!手当もしなくちゃだから… 奏空:うん…圭一君…やっぱり優しいな…えへへ… ナレ:公園 圭一:これで…よしっ!と 奏空:痛っ!…ちょっと!…なんで…叩くの? 圭一:早く治りますように!って言う…おまじないさ! 奏空:本当に?…じろっ 圭一:まあ、僕流のね 奏空:ぷっ!なにそれ?おっかしっ!あはははは!」 圭一:はははっ…やっと笑ってくれたね!…よしよし…奏空ちゃん?だっけ? 奏空:うん!えっへへ…何だかお母さんみたいだね!…ふふふ 圭一:で?なぜあの場所に… 奏空:ごめん…それは…言えないの… 圭一:言えない?…なんで? 圭一:あなたに…口止めされてるから…あっ!…なんでもない!…今のは忘れて! 圭一:はあ?…話がよく見えないな… 奏空:お願いだから!それ以上は聞かないで…その歴史が変わると…私も居られなくなっちゃうから… 圭一:歴史?…ふぅ…頭がついていかないな… その時、圭一の携帯電話が鳴り響く 圭一:非通知?誰からだろう…もしもし… 謎の声:よう!圭一!…元気でやってるか? 圭一:は?…誰ですか?あなたは… 謎の声:おいおい!…まさか自分の声を忘れた訳じゃないだろう… 圭一:はあ?…間違い電話なら切りますよ! 謎の声:おいおい!待ちたまえ!…え、えーと…どうすれば…え~と、…そうだ!…そこに奏空君がいるだろ? 圭一:え?…どうしてそれを? 謎の声:やっとわかってくれたかい?…私はキミだ!…つまりは未来のキミだなっ! 圭一:やっぱり間違い電話か… 謎の声「ちょ!ちょっとまて!今の説明でわからないはずがないだろう!お前が長年、研究してきたのは、何だったんだ? 圭一:研究?なぜそんな事まで… 謎の声:だからっ!何度も言ってるだろう!未来のキミ…つまりは…私も圭一なんだよ! 圭一:はあ!?…未来のオレから…電話!?ダメだ…やっぱりさっきどこかに頭をぶつけたらしいな…この子にしても…この電話にしても…非現実的すぎる… 謎の声:お前…いつからそんなに頭が固くなったんだ…奏空君に会った最初のお前は、あんなにも輝いてたじゃないか? 圭一:僕が…この子に会った?…いつだ… 謎の声:ふぅ…まあ、あまり時間もないから…こちらから要件を言うぞ!いいか!よく聞けよ! ナレ:未来の圭一の話によると、未来に戻った奏空は、奏空のかわりに、病室で意識を失って寝ている圭一を目撃した、圭一が開発したタイムリープを使い再び事故前の、この時代に来たということらしい… 圭一:…信じられないな…僕のタイムリープ構想が現実になるなんて… 謎の声:ともかくだ!私の指示なしに、勝手にそっちに行ってしまった奏空君の世話を頼む!…私はその間に戻れる手立てを探してみるから 圭一:それにしても…僕は未来では意識がなかったのにどうして、キミは僕と連絡が取れたんだ? 謎の声:それは…おっと!もう時間がない!とにかくだ!…奏空君の事は頼んだぞ! ナレ:そう言い残し、未来の圭一からの通話は途絶えた 奏空:ごめんなさい…こんな事になってしまって… 圭一:キミが謝ることじゃないさ…それに僕はキミに助けられたんだ…むしろ命の恩人だよ! 奏空:えへへ…やっぱり圭一君は優しいな…私の事は奏空で良いよ! ナレ:その時、再び圭一の電話が鳴る 圭一:今日はよく鳴る日だな…もしもし? 拓也:おい!圭一!何やってんだよ!もうとっくに式始まってんだぞ!一体どこで何してんだよ! 圭一:しまった!もうこんな時間だったのか!すまない拓也っ!…すぐに向かうよ!」 奏空:どこ行くの?私もついて行っていい? 圭一:そうだった…奏空ちゃん、今日はね、拓也と蘭ちゃんの結婚式なんだ 奏空:え!そうなの!パパとママの?いく!行きたい!連れてってよ! 圭一:パパ?ママ?…でも、会場に入れるかな?まあ僕のいとこ…とでも言えば大丈夫かな?奏空「やったー!私、結婚式とか初めてなんだよね!楽しみだな~! ナレ:再び結婚式場 奏空 「:うわ~…凄い豪華な部屋、それに美味しそうな料理まで、キレイなドレスを着た女性に、スーツ姿のかっこいい男性、なんかドキドキするね!圭一君!えへへっ 圭一:しー!奏空ちゃん、キミは呼ばれてない客人なんだからあまり目立っちゃダメだよ!…立食式だから良かったけど… 奏空:はーい!…ねえ!食べてもいいかな! 圭一:うん、スピーチが始まったら静かにね ナレ:それでは、ここで、ご新郎、ご新婦様の友人代表でいらっしゃる圭一様より、御祝辞を頂戴したいと思います!どうぞ圭一様、マイクの前までお越しくださいませ! 奏空:頑張ってね!圭一君! 圭一:はいはい… 圭一:お…ほん…本日はご新郎 拓也君、ご新婦 蘭さん、ご結婚、誠におめでとうございます!2人とは学生時代からの付き合いでして、拓也君とはよくふざけあって、楽しい学園生活を送らせて頂きました…2人は共に吹奏楽部で拓也君はピアノ、蘭さんはヴァイオリン、2人の奏でる音色はとても素敵で……そうそう!それを奏空ちゃんも聞いていて……あ…れ…奏空ちゃん……奏空………そ…な…た…… 奏空:きゃっ!圭一君! ナレ:倒れ込んだ圭一に走りよる奏空 奏空:圭一君!しっかり!大丈夫?…誰か!すいません!控え室まで圭一君を運んでもらえませんか!? 拓也:しっかりしろ!圭一っ!俺が連れていく!蘭っ!すまない!後は頼むっ! 蘭:わかったわ!圭一君!しっかりしてよ!直ぐにお医者さん呼ぶからっ! ナレ:結婚式場内 控え室 奏空:圭一君!圭一君!ごめんなさい…ごめんね!…こんな事になるなんて…ぐずっ…うぇ…(泣) 拓也:圭一…それにしても、お前は誰なんだ?…圭一の親戚か何かなのか? 奏空:はい…そうです…パ…いや…拓也さん 拓也:パ?…お?…気がついたかっ!圭一! 圭一:ん?あれ…僕…どうして、こんな所に…奏空ちゃん…それに…拓也?…拓也!お前、式はどうなったんだ!? 拓也:心配するなって、今、蘭がなんとかしてくれてるっ圭一も知ってるだろ?生徒会長を中学、高校と6年間もやってたやつだぞ!あれくらいの立ち回りわけないさっ! 圭一:本当にすまない…大事な2人の式の最中に… 拓也:いいんだよっそれより訳を聞かせろよ…何があったんだ?それにこの子も何か関係あるんだろ? ナレ:圭一は未来から自分に連絡があった事、奏空が未来から来た事を拓也に伝えた 拓也:う〜ん…にわかには…信じ難い話だな…でも…圭一…お前がこんな嘘をつけないのもわかってるし……信じるしかないんだろうが… ナレ:拓也はじっと奏空の顔を見た 奏空:なっ、なんですか!そんなにジロジロと見ないでください!気持ち悪い!ふんっ! 拓也:なんだっ?この可愛くない態度はっ?まったく!親の顔がみてみたいもんだなっ! 奏空:父親のくせに… 拓也:ん?…なんか言ったか? 圭一:それより拓也、さすがに式場に戻らないとまずいだろっ!蘭ちゃんだって大変だと思うし… 拓也:そうだな!圭一もひとまずは大丈夫そうだし、医者は呼んだから、ちゃんとみてもらえよ!わかったな! ナレ:そう言い残し、式場に戻る拓也 圭一:しかし…なぜあの時倒れたんだ?確か…拓也と蘭ちゃんのピアノとヴァイオリンの話をしていて…それで…痛たたたっ、これ以上思い出そうとすると、何故が頭痛がする…なんでだ?… 奏空:圭一君… 圭一:ねえ…奏空ちゃん…本当は全部知ってるんだよね… 奏空:ごめんなさい…言えないの… 圭一:そっか…でもキミは僕の事を知ってるんだよね!未来の僕の事も… 奏空:うん…だから…助けに来たんだけど…1人じゃ帰り方が分からなくて… 圭一:なんて無謀な事を…もし…帰れなかったらキミはこの時代に取り残されてしまうんだよ… 奏空:うん!それもいいかなって思ってる…えへへ… 圭一:どうして…そう思うの? 奏空:どうしてってそれは…言わない!ふんっ!圭一のバカっ! 圭一:えぇ~!バカって…奏空ちゃん… ナレ:その時、再び圭一の携帯電話の着信音が鳴り響いた! 謎の声:圭一かっ?俺だっ!未来の圭一だっ!…お前…今、どこにいるんだっ? 圭一:はあ…まったく!ややこしいな…今は結婚式場にいるよ…今日は拓也と蘭ちゃんの結婚式だからな…何かわかったのか? 謎の声:そうか!じゃあ2人も一緒にいるんだな?なら話は早い!いいか!よく聞けよ!今から指定する場所に4人で来い!もうあまり時間がないんだ…この機会を逃したら…奏空君はもう2度と元の世界に戻れない!わかったな! ナレ:駅のホーム 拓也:はあはあ…おいっ圭一!ちゃんと説明しろよ!俺たちは今、式の真っ最中だったんだぞ!はあはあ…聞いてんのか?…圭一!」 圭一:うるさい!拓也!黙って走れ!間に合わなくなるぞ! 蘭:圭一君…その女の子は誰なの?一体何が起こってるのよ…拓也っ!あなた何が知ってるわね! 拓也:知らねぇよっ!っとは言いきれないか?とにかく!…今は圭一の言うとうりにするしかねえ! 奏空:ごめんね!パパ、ママ、元気な2人をまた見れて良かった!ありがとう!2人とも大好きだよ! 拓也:はあ?…パパ? 蘭:えぇ?…ママ? 圭一:よし!ついた!…時間は…うんっ…何とか間に合うな!拓也っ!蘭ちゃん!今から僕が言う通りにしてね!奏空ちゃんも準備はいいね? 奏空:うん…あの…圭一君…私…ずっと言いたかった事があるの…でも…言えなくて…だから…ちゃんと伝えようと思って…………ずっと…ずっと…好き…でした… 圭一:…奏空ちゃん ナレ:その時、圭一の頭に全ての記憶が戻る… 圭一:…そうか…きみが…奏空ちゃん…僕は…僕は…あの日からずっと…君を、君を探していて…やっと…会えた…奏空ちゃん…僕も君を…愛しています!…… 拓也:おい!圭一!時間がないんだろっ!早くしろっ! 蘭:圭一君!どうすればいいの? ナレ:間もなく1番線を列車が通過いたします、危ないですから黄色い線までお下がりください 圭一:うん、拓也はそこ!蘭ちゃんはそっち!奏空ちゃんは拓也の横にいて 拓也:圭一…どうでもいいが、この体勢キツくないか?痛ててっ 蘭:拓也は文句いわないの!圭一君!コレでいいのね? 圭一:ああ!OKだ!…奏空ちゃん…僕はいつまでも…待ってるからね! 奏空:うん!ねえ…圭一君、運命って信じる?私はあると思うの…こうして…再び…あなたと出会えたから…… ナレ:電車が通過すると同時に奏空は光に包まれて姿を消した… 圭一:奏空ちゃん…また…いつか… 間 奏空:おはよう!パパ、ママ!…じゃあ行ってくるね! ナレ:奏空は2人の写真が飾ってある仏壇に手を合わせた ナレ:それでは、新郎、新婦の御入場です!皆さん盛大な拍手でお迎え下さい! ナレー:では、これより、新郎の圭一様より、皆様へのご挨拶を頂戴致します 圭一:えー!皆様!今日は私達2人の結婚式に、お越し頂きまして、ありがとうございます!皆様方には大変お世話になりました!今日この日を迎えられました事、本当に感謝致します。本来なら親族席にいるはずの、私の古くからの友人である、拓也、蘭ちゃんも、この会場にきっと、観に来てくれていると思います!妻の奏空の晴れ姿を、1番に嬉しがっている事でしょう! 奏空:パパ、ママ、ありがとう!私…私… 圭一:奏空ちゃん…まだ泣くのは早いってっ! 奏空:だって、圭一さんが…あんな事言うから… 圭一:圭一さん…か…なんか新鮮だねっ! 奏空:もうっ!スピーチの途中でしょっ!早くっ!…みんな待ってるよ! 圭一:拓也っ!蘭ちゃん!絶対に奏空を世界一幸せにするからな!任しとけよ! 奏空:もうっ!全然、練習してた言葉と違うじゃん!バカっ!…でも大好きだよ!幸せにしてね!…圭一さんっ ナレ:これは、1つの世界線の話であり…もし…平行して他の世界線があるとすれば…それは運命か……それとも…… ~完~

圭一  :○月✕日…今日も失敗に終わった…あれから幾月、幾年が経っただろうか…あの日から何かを忘れている気がする…微かに残った記憶から辿ったキミは…ぼんやりとではあるが、僕に笑顔を向けてくれていたような…もう名前も…顔や声さえも…忘れたと言うのに… 間 拓也:な~に、また浮かない顔してんだよ!圭一! 圭一:………なんだ…拓也か… 拓也:なんだ?じゃねえよ!またこんな所に潜り込みやがって!しょうがねえな…ほらよっ ナレ:そう言って拓也は圭一にコーヒーを投げた 圭一:おっ…ととっ! 拓也:いつまでこんな事してんだよ、いい加減に諦めて、家業を継いだらどうなんだ? 圭一:…そうだな…もう終わりにするかな… 拓也:おいおい!まじかよ…あの時の威勢の良かったお前はどうなったんだよ!圭一! 圭一:そうだな…夢だったのかもな…何もかも… 拓也:たくっよー!しけたつらしやがって!…それより明日の事、大丈夫か? 圭一:明日?何かあったのか? 拓也:おいおい!半年も前から、圭一…お前に頼んでただろ!…わかんねーのかよっ!頼むぜ! ホントによー! 圭一:半年も前から?…… 拓也:結婚式だよ!結婚式!友人代表のスピーチ頼んだだろ? 圭一:……そう言えば…蘭ちゃんからメールが来てたな…まだ見てなかった…けど… ナレ:蘭のメール 蘭:久しぶりね!圭一君、元気にしてた?拓也から頼まれたと思うけど…明日逢えるのを楽しみにしてるわ!…それと…式が始まる前に…少し話せないかしら?…心配するから拓也には内緒にしてね! 間 拓也:蘭からのメール…何だって? 圭一:明日は逢えるの………楽しみにしてるって… 拓也:そうだな…圭一は蘭とは高校生以来だもんな!蘭のやつも会いたがってたし…ふん! 圭一:拓也…今更、妬かれたところで…もう明日からは夫婦なんだし… 拓也:別にっ!妬いてなんかねーよっ!…ちょっとお前を…からかってやっただけだろっ!…なんか…元気なかったしさ…: 圭一:ありがとう…拓也…明日は必ずいくよ!…任せといて ナレ:結婚式場、控え室通路 蘭:あ!圭一君…こっちよ…(小声) 圭一:蘭ちゃん…き、綺麗になったね…見ちがえたよ! 蘭:ありがとう!圭一君…でも、見ちがえたと言うのはどういう意味かな?…じろっ 圭一:え…いや、最後に会った時よりも綺麗になった…という…意味だよっ 蘭:あっはははは!…ご、ごめんね!…わかってたけど…つい久しぶりに圭一君を見てると、からかいたくなっちゃってっ!ホントに、ごめんね! 圭一:あはは…なんかそう言うとこ…拓也に似てきたね… 蘭:嘘でしょ!…あんな馬鹿で意地っ張りな拓也と似てるだなんて…圭一君!ホントに怒るわよっ! 圭一:ごめんごめん!…でも幸せそうで何よりだよ…あ、それで…話って何だったのかな? 蘭:うん、実はね…あの日の事…覚えてる? 圭一:あの日って? 蘭:ほらっ…まだ私達が高校生の時に、拓也が電車に轢かれそうになったり…私が交通事故にあったりした時… 圭一:…ああ…あの日…そんな事、あったね…もう随分前だから記憶が途切れ、途切れだけど… 蘭:うん…でね…1つ思い出した事があって… 圭一:思い出した事?…何?何を思い出したのっ!(勢い良く) 蘭:圭一君?…大丈夫? 圭一:ご、ごめん…蘭ちゃん…で?何を思い出したのか教えて 蘭:うん…確かあの日、私が交通事故にあった時ね…女の子がぶつかって来たと思うんだけど…圭一君は見てなかった? 圭一:女の子… 蘭:でも、その後に、見た時は大人の男性がいてね…大丈夫?て、声をかけられたんだけど… 圭一:!?…女の子じゃなかったって事? 蘭:わからないの…ぶつかった時は確かに女の子だったはずなんだけど、起きたら、女の子はいなくなってたし… 圭一:うーん…あの時は僕も焦ってたし、僕からは蘭ちゃんと抱えてたおばあちゃんしか見えなかったから…ごめんね 蘭:ううん…いいの…もしかしたら…私の思い過ごしかもしれないし…ただ…ちょっと気になっちゃて… 圭一:ごめんね、チカラになれなくて… 蘭:謝らないで…圭一君はあの時必死で助けてくれたんだし…感謝してるわ!…もし、あのまま車に轢かれていたら…きっと大好きなヴァイオリンも続けられなかったし…足に大怪我でもして車椅子生活になる所だったかもね 圭一:っ…ヴァイオリン…車椅子……なんだ…この…違和感は… 蘭:圭一君?…大丈夫?…頭でも痛いの? 圭一:蘭ちゃん…ちょっと調べたい事があるからっ抜けるねっ! 蘭:えっ!もう式まで1時間もないわよ! 圭一:大丈夫!ここからすぐ近くだったからすぐに戻るよ! 蘭:ちょっと!圭一君! ナレ:圭一は式場を飛びだし、例の事故現場である交差点に向かった 圭一:はあ…はあ…はあ…ふぅ…、またここに来るとはな…確か…あの辺りだったような ナレ:交差点の中央付近に立ち止まる圭一 圭一:来たところで、なにもないよな…ホント…馬鹿だよな…オレは… ナレ:信号が変わり始めた事に気づかない圭一、その時、信号を無視した車が1台、圭一に向かって突っ込んでくる 圭一:!?…えっ!嘘だろっ! ナレ:車に気づいたが身動きできない圭一 圭一 :うああああぁぁー!… ナレ:ドンっ!と投げ飛ばされる圭一 圭一:うぐっ!…ごほっ… 奏空:きゃっ!…」 ナレ:倒れる2人 野次馬が集まって壮絶としている 圭一:痛っててっ!…ん…何にぶつかったんだ? 奏空:…ば…バカ~!(泣き声) 圭一:ええっ?…き、キミは一体誰? 奏空「バカ!…バカバカ!…圭一君のバカ~!うわ~ん!…えぐっ…ひっく…」 ナレ:泣き叫ぶ女の子を呆然と見る圭一、野次馬の数が次第に多くなっていく… 圭一:ヤバいな!…ここじゃまずい!…とにかく場所を移動しないと 奏空:ひっく…えっぐ……待って!…私もついていく!圭一君っ 圭一:ええっ!何で俺の名前をしって…いや…今はそれどころじゃないな…キミ…怪我はないの? 奏空:私は…奏空…かすり傷くらいか…な… 圭一:そうか…とりあえず場所を変えよう!手当もしなくちゃだから… 奏空:うん…圭一君…やっぱり優しいな…えへへ… ナレ:公園 圭一:これで…よしっ!と 奏空:痛っ!…ちょっと!…なんで…叩くの? 圭一:早く治りますように!って言う…おまじないさ! 奏空:本当に?…じろっ 圭一:まあ、僕流のね 奏空:ぷっ!なにそれ?おっかしっ!あはははは!」 圭一:はははっ…やっと笑ってくれたね!…よしよし…奏空ちゃん?だっけ? 奏空:うん!えっへへ…何だかお母さんみたいだね!…ふふふ 圭一:で?なぜあの場所に… 奏空:ごめん…それは…言えないの… 圭一:言えない?…なんで? 圭一:あなたに…口止めされてるから…あっ!…なんでもない!…今のは忘れて! 圭一:はあ?…話がよく見えないな… 奏空:お願いだから!それ以上は聞かないで…その歴史が変わると…私も居られなくなっちゃうから… 圭一:歴史?…ふぅ…頭がついていかないな… その時、圭一の携帯電話が鳴り響く 圭一:非通知?誰からだろう…もしもし… 謎の声:よう!圭一!…元気でやってるか? 圭一:は?…誰ですか?あなたは… 謎の声:おいおい!…まさか自分の声を忘れた訳じゃないだろう… 圭一:はあ?…間違い電話なら切りますよ! 謎の声:おいおい!待ちたまえ!…え、えーと…どうすれば…え~と、…そうだ!…そこに奏空君がいるだろ? 圭一:え?…どうしてそれを? 謎の声:やっとわかってくれたかい?…私はキミだ!…つまりは未来のキミだなっ! 圭一:やっぱり間違い電話か… 謎の声「ちょ!ちょっとまて!今の説明でわからないはずがないだろう!お前が長年、研究してきたのは、何だったんだ? 圭一:研究?なぜそんな事まで… 謎の声:だからっ!何度も言ってるだろう!未来のキミ…つまりは…私も圭一なんだよ! 圭一:はあ!?…未来のオレから…電話!?ダメだ…やっぱりさっきどこかに頭をぶつけたらしいな…この子にしても…この電話にしても…非現実的すぎる… 謎の声:お前…いつからそんなに頭が固くなったんだ…奏空君に会った最初のお前は、あんなにも輝いてたじゃないか? 圭一:僕が…この子に会った?…いつだ… 謎の声:ふぅ…まあ、あまり時間もないから…こちらから要件を言うぞ!いいか!よく聞けよ! ナレ:未来の圭一の話によると、未来に戻った奏空は、奏空のかわりに、病室で意識を失って寝ている圭一を目撃した、圭一が開発したタイムリープを使い再び事故前の、この時代に来たということらしい… 圭一:…信じられないな…僕のタイムリープ構想が現実になるなんて… 謎の声:ともかくだ!私の指示なしに、勝手にそっちに行ってしまった奏空君の世話を頼む!…私はその間に戻れる手立てを探してみるから 圭一:それにしても…僕は未来では意識がなかったのにどうして、キミは僕と連絡が取れたんだ? 謎の声:それは…おっと!もう時間がない!とにかくだ!…奏空君の事は頼んだぞ! ナレ:そう言い残し、未来の圭一からの通話は途絶えた 奏空:ごめんなさい…こんな事になってしまって… 圭一:キミが謝ることじゃないさ…それに僕はキミに助けられたんだ…むしろ命の恩人だよ! 奏空:えへへ…やっぱり圭一君は優しいな…私の事は奏空で良いよ! ナレ:その時、再び圭一の電話が鳴る 圭一:今日はよく鳴る日だな…もしもし? 拓也:おい!圭一!何やってんだよ!もうとっくに式始まってんだぞ!一体どこで何してんだよ! 圭一:しまった!もうこんな時間だったのか!すまない拓也っ!…すぐに向かうよ!」 奏空:どこ行くの?私もついて行っていい? 圭一:そうだった…奏空ちゃん、今日はね、拓也と蘭ちゃんの結婚式なんだ 奏空:え!そうなの!パパとママの?いく!行きたい!連れてってよ! 圭一:パパ?ママ?…でも、会場に入れるかな?まあ僕のいとこ…とでも言えば大丈夫かな?奏空「やったー!私、結婚式とか初めてなんだよね!楽しみだな~! ナレ:再び結婚式場 奏空 「:うわ~…凄い豪華な部屋、それに美味しそうな料理まで、キレイなドレスを着た女性に、スーツ姿のかっこいい男性、なんかドキドキするね!圭一君!えへへっ 圭一:しー!奏空ちゃん、キミは呼ばれてない客人なんだからあまり目立っちゃダメだよ!…立食式だから良かったけど… 奏空:はーい!…ねえ!食べてもいいかな! 圭一:うん、スピーチが始まったら静かにね ナレ:それでは、ここで、ご新郎、ご新婦様の友人代表でいらっしゃる圭一様より、御祝辞を頂戴したいと思います!どうぞ圭一様、マイクの前までお越しくださいませ! 奏空:頑張ってね!圭一君! 圭一:はいはい… 圭一:お…ほん…本日はご新郎 拓也君、ご新婦 蘭さん、ご結婚、誠におめでとうございます!2人とは学生時代からの付き合いでして、拓也君とはよくふざけあって、楽しい学園生活を送らせて頂きました…2人は共に吹奏楽部で拓也君はピアノ、蘭さんはヴァイオリン、2人の奏でる音色はとても素敵で……そうそう!それを奏空ちゃんも聞いていて……あ…れ…奏空ちゃん……奏空………そ…な…た…… 奏空:きゃっ!圭一君! ナレ:倒れ込んだ圭一に走りよる奏空 奏空:圭一君!しっかり!大丈夫?…誰か!すいません!控え室まで圭一君を運んでもらえませんか!? 拓也:しっかりしろ!圭一っ!俺が連れていく!蘭っ!すまない!後は頼むっ! 蘭:わかったわ!圭一君!しっかりしてよ!直ぐにお医者さん呼ぶからっ! ナレ:結婚式場内 控え室 奏空:圭一君!圭一君!ごめんなさい…ごめんね!…こんな事になるなんて…ぐずっ…うぇ…(泣) 拓也:圭一…それにしても、お前は誰なんだ?…圭一の親戚か何かなのか? 奏空:はい…そうです…パ…いや…拓也さん 拓也:パ?…お?…気がついたかっ!圭一! 圭一:ん?あれ…僕…どうして、こんな所に…奏空ちゃん…それに…拓也?…拓也!お前、式はどうなったんだ!? 拓也:心配するなって、今、蘭がなんとかしてくれてるっ圭一も知ってるだろ?生徒会長を中学、高校と6年間もやってたやつだぞ!あれくらいの立ち回りわけないさっ! 圭一:本当にすまない…大事な2人の式の最中に… 拓也:いいんだよっそれより訳を聞かせろよ…何があったんだ?それにこの子も何か関係あるんだろ? ナレ:圭一は未来から自分に連絡があった事、奏空が未来から来た事を拓也に伝えた 拓也:う〜ん…にわかには…信じ難い話だな…でも…圭一…お前がこんな嘘をつけないのもわかってるし……信じるしかないんだろうが… ナレ:拓也はじっと奏空の顔を見た 奏空:なっ、なんですか!そんなにジロジロと見ないでください!気持ち悪い!ふんっ! 拓也:なんだっ?この可愛くない態度はっ?まったく!親の顔がみてみたいもんだなっ! 奏空:父親のくせに… 拓也:ん?…なんか言ったか? 圭一:それより拓也、さすがに式場に戻らないとまずいだろっ!蘭ちゃんだって大変だと思うし… 拓也:そうだな!圭一もひとまずは大丈夫そうだし、医者は呼んだから、ちゃんとみてもらえよ!わかったな! ナレ:そう言い残し、式場に戻る拓也 圭一:しかし…なぜあの時倒れたんだ?確か…拓也と蘭ちゃんのピアノとヴァイオリンの話をしていて…それで…痛たたたっ、これ以上思い出そうとすると、何故が頭痛がする…なんでだ?… 奏空:圭一君… 圭一:ねえ…奏空ちゃん…本当は全部知ってるんだよね… 奏空:ごめんなさい…言えないの… 圭一:そっか…でもキミは僕の事を知ってるんだよね!未来の僕の事も… 奏空:うん…だから…助けに来たんだけど…1人じゃ帰り方が分からなくて… 圭一:なんて無謀な事を…もし…帰れなかったらキミはこの時代に取り残されてしまうんだよ… 奏空:うん!それもいいかなって思ってる…えへへ… 圭一:どうして…そう思うの? 奏空:どうしてってそれは…言わない!ふんっ!圭一のバカっ! 圭一:えぇ~!バカって…奏空ちゃん… ナレ:その時、再び圭一の携帯電話の着信音が鳴り響いた! 謎の声:圭一かっ?俺だっ!未来の圭一だっ!…お前…今、どこにいるんだっ? 圭一:はあ…まったく!ややこしいな…今は結婚式場にいるよ…今日は拓也と蘭ちゃんの結婚式だからな…何かわかったのか? 謎の声:そうか!じゃあ2人も一緒にいるんだな?なら話は早い!いいか!よく聞けよ!今から指定する場所に4人で来い!もうあまり時間がないんだ…この機会を逃したら…奏空君はもう2度と元の世界に戻れない!わかったな! ナレ:駅のホーム 拓也:はあはあ…おいっ圭一!ちゃんと説明しろよ!俺たちは今、式の真っ最中だったんだぞ!はあはあ…聞いてんのか?…圭一!」 圭一:うるさい!拓也!黙って走れ!間に合わなくなるぞ! 蘭:圭一君…その女の子は誰なの?一体何が起こってるのよ…拓也っ!あなた何が知ってるわね! 拓也:知らねぇよっ!っとは言いきれないか?とにかく!…今は圭一の言うとうりにするしかねえ! 奏空:ごめんね!パパ、ママ、元気な2人をまた見れて良かった!ありがとう!2人とも大好きだよ! 拓也:はあ?…パパ? 蘭:えぇ?…ママ? 圭一:よし!ついた!…時間は…うんっ…何とか間に合うな!拓也っ!蘭ちゃん!今から僕が言う通りにしてね!奏空ちゃんも準備はいいね? 奏空:うん…あの…圭一君…私…ずっと言いたかった事があるの…でも…言えなくて…だから…ちゃんと伝えようと思って…………ずっと…ずっと…好き…でした… 圭一:…奏空ちゃん ナレ:その時、圭一の頭に全ての記憶が戻る… 圭一:…そうか…きみが…奏空ちゃん…僕は…僕は…あの日からずっと…君を、君を探していて…やっと…会えた…奏空ちゃん…僕も君を…愛しています!…… 拓也:おい!圭一!時間がないんだろっ!早くしろっ! 蘭:圭一君!どうすればいいの? ナレ:間もなく1番線を列車が通過いたします、危ないですから黄色い線までお下がりください 圭一:うん、拓也はそこ!蘭ちゃんはそっち!奏空ちゃんは拓也の横にいて 拓也:圭一…どうでもいいが、この体勢キツくないか?痛ててっ 蘭:拓也は文句いわないの!圭一君!コレでいいのね? 圭一:ああ!OKだ!…奏空ちゃん…僕はいつまでも…待ってるからね! 奏空:うん!ねえ…圭一君、運命って信じる?私はあると思うの…こうして…再び…あなたと出会えたから…… ナレ:電車が通過すると同時に奏空は光に包まれて姿を消した… 圭一:奏空ちゃん…また…いつか… 間 奏空:おはよう!パパ、ママ!…じゃあ行ってくるね! ナレ:奏空は2人の写真が飾ってある仏壇に手を合わせた ナレ:それでは、新郎、新婦の御入場です!皆さん盛大な拍手でお迎え下さい! ナレー:では、これより、新郎の圭一様より、皆様へのご挨拶を頂戴致します 圭一:えー!皆様!今日は私達2人の結婚式に、お越し頂きまして、ありがとうございます!皆様方には大変お世話になりました!今日この日を迎えられました事、本当に感謝致します。本来なら親族席にいるはずの、私の古くからの友人である、拓也、蘭ちゃんも、この会場にきっと、観に来てくれていると思います!妻の奏空の晴れ姿を、1番に嬉しがっている事でしょう! 奏空:パパ、ママ、ありがとう!私…私… 圭一:奏空ちゃん…まだ泣くのは早いってっ! 奏空:だって、圭一さんが…あんな事言うから… 圭一:圭一さん…か…なんか新鮮だねっ! 奏空:もうっ!スピーチの途中でしょっ!早くっ!…みんな待ってるよ! 圭一:拓也っ!蘭ちゃん!絶対に奏空を世界一幸せにするからな!任しとけよ! 奏空:もうっ!全然、練習してた言葉と違うじゃん!バカっ!…でも大好きだよ!幸せにしてね!…圭一さんっ ナレ:これは、1つの世界線の話であり…もし…平行して他の世界線があるとすれば…それは運命か……それとも…… ~完~