台本概要

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タイトル フィクション
作者名 ペペドルトン・ササミ  (@pe2dorton)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男2)
時間 20 分
台本使用規定 商用、非商用問わず連絡不要
説明 男性二人。
場所は取調室。

最後に少しだけ『UP』役のセリフがあります。
DO役の方がお読みください。

※性別変更可。
※語尾変化可。
※話の筋・雰囲気が変わるような、過度なアドリブ禁止

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
DO 46 大門治(だいもん おさむ) 警察官。 ≪UP≫ 作家
SR 42 篠田リョウ(しのだ りょう) 殺人犯。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:【場所は取調室。中央に机とパイプイス2脚がある。 手錠を嵌められ、正面に向かってに座っているSR。うつむき。 ドアが開く音。DO入り。 0:DO、SRの様子を怪訝そうに見つつ、ゆっくりともう一つの椅子に座る】 DO:「気分はどうだ?」 SR:「・・・」 DO:「(溜息)いつまでだんまりをつづけるつもりだ?」 SR:「・・・」 DO:「なぜ殺した?」 SR:「・・・」 DO:「何がそんなに憎かった?」 SR:「・・・」 DO:(いらつきながら) DO:「お前と石川の接点はなんだ?石川が警察官だって知っててやったのか? DO:「警察が憎かったのか?なぜ家族全員殺した?なぜ死体をバラバラにした?なぜ燃やした?」 SR:「・・・」 DO:「いい加減にしろ!!」(SRの椅子をけり、SR倒す) SR:「・・・」(少し痛そう) DO:(SRの胸倉をつかんで) DO:「いいか。何の罪もない警察官とその家族をあんな殺し方をして、ただで済むと思うな。」 SR:「・・・」(口がうごく) DO:「なんだ。」 SR:(とてもぼそぼそと) SR:「・・・おぼえてない」 DO:「はっきり言え!!」 SR:(びっくりするくらい大声でDOに向かって) SR:「おぼえてない!!」 DO:「!!・・・・・・は?」 SR:(笑いながら、歌うように) SR:「覚えてない、知らない、わからない。」 DO:「今更、シラを切るつもりか!おまえがやったっていう証拠はそろってるんだ!!」 SR:「何を言ってるのかわからない。きれいさっぱりわからない。なにがなんだかわからない。」(笑う) DO:「ふざけるな!」 SR:「なーんにもおぼえてない。なーんにも。なーんにも。なーんにも…」 SR:(「なーんにも」どんどん小さくなって、しばらく言い続ける) DO:「くそっ!(SRを離す)狂ってやがる」 0:【間】  0:【SRの「なーんにも」言い続けている。DO壁に向かって悔しがる様子】 0::【「なーんにも」止まる。 SRゆっくり起き上がり、DOを見つめる】 SR:「・・・あんただれ?」 DO:「・・・は?」 SR:「なーんにも。なーんにも。なーんにも…」 DO:「一体何なんだ。」 0:【少しの間】 SR:「あなたは・・・だあれ?」 DO:「・・・」 SR:「あなたは・・・だれ?」 DO:「何をいってるんだ。」 SR:「あなたはだれ?」 DO:「馬鹿にしてるのか。俺は警視庁捜査一課の大門治だ。」 SR:「証拠は?その証拠が本物だって証拠は?」 DO:「は?」 SR:「無理だよね。だってこの世界はすべて作りものだから。」 DO:「何言ってる?」 SR:「誰かが遊び半分に作った無茶苦茶な世界で、名前も中身もすべてテキトー。 SR:だってリアルじゃないから。」 DO:「意味が分からない。」 SR:「それはあなたの言葉?」 DO:「何が言いたい!」 SR:「なぜ家族全員殺した?なぜ死体をバラバラにした?なぜ燃やした?・・・本当にそんなことを知りたい?」 DO:「だから聞いてるんだ!!」 SR:「あなたがあると思っているのは感情らしきもの。その感情がチグハグでも気にしない。 SR:愛する家族を殺されてうれしいとか、何もないけど憎いとか、なぜかわからないけど理由を知りたい・・・過程はどうでもいい。」 DO:「そんなことはない!!」 SR:「言い切れる?」 DO:「証拠を出せ!」 SR:「無理。」 DO:「だったらそんなことはお前の妄想だ!」 SR:「だったらこの世界が本物だってこともあなたの妄想だ。」 DO:「!!」 SR:「・・・私が歌うのも、話すのも、狂うのも、ぜーんぶ私の意志じゃない。」 DO:「ばかばかしい!!!あまりに馬鹿げてる!」 SR:「そう。とてもばかばかしい。でもそれがダレカにとっては刺激的。」 DO:「刺激的?・・・それが、お前が石川を殺した理由か。」 SR:「たしかに。でもその刺激を感じるのは私じゃない。ダレカ。」 DO:「そいつは何者だ!そいつの指図か!そいつは今どこにいる!」 SR:「ここにはいない。ダレカのいる世界は平凡でつまらない。だからダレカは刺激を求めてここを作った。劇的なこと私たちにやらせて、ダレカは欲求を満たしてる。」 DO:「はぐらかすな!ダレカは一体どこにいる!さっさと吐け!」 SR:「すべてダレカが作った。全てめちゃくちゃ。 SR:ここでは、主張も信念もなく暴力デモを起こし、テロを起こし、人殺しをして、無機質に抱き合ってキスして愛をささやく。 SR:何も考えていない政治家がまつりあげられ、何も考えてない群衆が正しさも間違いもわからないまま何かを拒絶し、歓迎する。」 DO:「・・・仮に、仮にだ。」 DO:「お前の言う通りこの世界をそのダレカが作ったとして、なぜおまえは気づいている。 DO:そんな奴がいてはダレカにとって不都合じゃないか。お前が、そいつからつかわされた預言者様とでもいうつもりか?」 SR:(笑う) DO:「何がおかしい」 SR:「理由は簡単。ここを作りたかったから・・・そのために生まれた。」 DO:「は?」 SR:「そう、あなたもわたしも。ただこのために存在する。あなたに過去も未来もない。 SR:あるのは『らしきもの』」。 DO:「そんなわけ」 SR:「あなたの学歴も経歴も家族も親戚も友人も同僚も、その殺された一家も。」 DO:「そんなことありえない!」 SR:「このドアの外には何もないよ。警察署も、都市も、国も…。」 DO:「俺はさっきそのドアの外からここに来たんだぞ!」 SR:(まくしたてるように) SR:「このフロアに部屋はいくつ?何階建てのビル?ここに来るまでに何人とあいさつした?今何時?今日の天気は?季節は?」 DO:「何が言いたい!!」 SR:「・・・この世界は空っぽだってこと。」 0:【SR、なぜか手錠ははずれている。突き飛ばしてDOから拳銃を奪う】 DO:「なにをする!!」 0:【SR DOに拳銃を向ける】 SR:(大笑い。狂ったように) SR:「あんたは説明できる?どうして私の両手が自由になったか。」 DO:「銃をおろせ!!」 SR:「なんでこうなったんだろうね。これからどうなるんだろうね。私は何がしたいんだろうね。君はどうするんだろうね。何にもわからない、 SR:なんにもなんにもなんにもなんにもなんにもなんにも(好きなだけ続けて)! SR:おまえもそうだろ!?」 DO:「落ち着け!おちつくんだ!!」 SR:「教えてあげる。私たちは空っぽだから、生も死もない。生きることに何の意味もない何の考えもない何の理由もない死ぬことに何の意味もない何の考えもない何の理由もない殺すことに何の意味もない何の考えもない何の理由もない」 DO:「わかった!!わかったから銃をおろすんだ!」 SR:「・・・でもそれでいいんだ。だってフィクションだから。」 0:【暗転の直後に銃声】 0:【明転後、倒れて死んでいるSR。呆然とみつめるDO。 0:ポケットの中に手を入れて、出したものは手錠のカギ。長めの沈黙】 DO:なぜ誰も来ない。・・・なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ…!! DO:なぜ銃声がしたのに誰も駆けつけてこない!!人の気配も足音もない!なぜだ!!誰もいないのか!! 0:【少し沈黙。呆然とSRをみつめる。ドアに向かい、ドアノブに手をかけるが、開ける勇気がない。 0:再びSRを見つめ、近づく、銃を拾って間。SRに向かって何発か撃つ。】 0:【間】 DO:この世界は空っぽか・・・(こみあげてくる笑い)・・・ DO:だってフィクションだから。 0:【DO 銃口を口に入れて、銃声とともに暗転。 0:【間】 0:【プリンターの音FI 中央スポットライト 机の上にPC プリンターの音が止むと、UPが紙の束をめくりながら入り。椅子に座る。ざっとチェックが終わる】 DO:(UP)あーっ。できたー。 0:【背もたれにおもいっきりもたれる。もたれながらもう一度軽くチェック。脱力】 DO:(UP)まぁいっか。(薄く笑って)だってフィクションだから 0:【暗転 -幕―】  

0:【場所は取調室。中央に机とパイプイス2脚がある。 手錠を嵌められ、正面に向かってに座っているSR。うつむき。 ドアが開く音。DO入り。 0:DO、SRの様子を怪訝そうに見つつ、ゆっくりともう一つの椅子に座る】 DO:「気分はどうだ?」 SR:「・・・」 DO:「(溜息)いつまでだんまりをつづけるつもりだ?」 SR:「・・・」 DO:「なぜ殺した?」 SR:「・・・」 DO:「何がそんなに憎かった?」 SR:「・・・」 DO:(いらつきながら) DO:「お前と石川の接点はなんだ?石川が警察官だって知っててやったのか? DO:「警察が憎かったのか?なぜ家族全員殺した?なぜ死体をバラバラにした?なぜ燃やした?」 SR:「・・・」 DO:「いい加減にしろ!!」(SRの椅子をけり、SR倒す) SR:「・・・」(少し痛そう) DO:(SRの胸倉をつかんで) DO:「いいか。何の罪もない警察官とその家族をあんな殺し方をして、ただで済むと思うな。」 SR:「・・・」(口がうごく) DO:「なんだ。」 SR:(とてもぼそぼそと) SR:「・・・おぼえてない」 DO:「はっきり言え!!」 SR:(びっくりするくらい大声でDOに向かって) SR:「おぼえてない!!」 DO:「!!・・・・・・は?」 SR:(笑いながら、歌うように) SR:「覚えてない、知らない、わからない。」 DO:「今更、シラを切るつもりか!おまえがやったっていう証拠はそろってるんだ!!」 SR:「何を言ってるのかわからない。きれいさっぱりわからない。なにがなんだかわからない。」(笑う) DO:「ふざけるな!」 SR:「なーんにもおぼえてない。なーんにも。なーんにも。なーんにも…」 SR:(「なーんにも」どんどん小さくなって、しばらく言い続ける) DO:「くそっ!(SRを離す)狂ってやがる」 0:【間】  0:【SRの「なーんにも」言い続けている。DO壁に向かって悔しがる様子】 0::【「なーんにも」止まる。 SRゆっくり起き上がり、DOを見つめる】 SR:「・・・あんただれ?」 DO:「・・・は?」 SR:「なーんにも。なーんにも。なーんにも…」 DO:「一体何なんだ。」 0:【少しの間】 SR:「あなたは・・・だあれ?」 DO:「・・・」 SR:「あなたは・・・だれ?」 DO:「何をいってるんだ。」 SR:「あなたはだれ?」 DO:「馬鹿にしてるのか。俺は警視庁捜査一課の大門治だ。」 SR:「証拠は?その証拠が本物だって証拠は?」 DO:「は?」 SR:「無理だよね。だってこの世界はすべて作りものだから。」 DO:「何言ってる?」 SR:「誰かが遊び半分に作った無茶苦茶な世界で、名前も中身もすべてテキトー。 SR:だってリアルじゃないから。」 DO:「意味が分からない。」 SR:「それはあなたの言葉?」 DO:「何が言いたい!」 SR:「なぜ家族全員殺した?なぜ死体をバラバラにした?なぜ燃やした?・・・本当にそんなことを知りたい?」 DO:「だから聞いてるんだ!!」 SR:「あなたがあると思っているのは感情らしきもの。その感情がチグハグでも気にしない。 SR:愛する家族を殺されてうれしいとか、何もないけど憎いとか、なぜかわからないけど理由を知りたい・・・過程はどうでもいい。」 DO:「そんなことはない!!」 SR:「言い切れる?」 DO:「証拠を出せ!」 SR:「無理。」 DO:「だったらそんなことはお前の妄想だ!」 SR:「だったらこの世界が本物だってこともあなたの妄想だ。」 DO:「!!」 SR:「・・・私が歌うのも、話すのも、狂うのも、ぜーんぶ私の意志じゃない。」 DO:「ばかばかしい!!!あまりに馬鹿げてる!」 SR:「そう。とてもばかばかしい。でもそれがダレカにとっては刺激的。」 DO:「刺激的?・・・それが、お前が石川を殺した理由か。」 SR:「たしかに。でもその刺激を感じるのは私じゃない。ダレカ。」 DO:「そいつは何者だ!そいつの指図か!そいつは今どこにいる!」 SR:「ここにはいない。ダレカのいる世界は平凡でつまらない。だからダレカは刺激を求めてここを作った。劇的なこと私たちにやらせて、ダレカは欲求を満たしてる。」 DO:「はぐらかすな!ダレカは一体どこにいる!さっさと吐け!」 SR:「すべてダレカが作った。全てめちゃくちゃ。 SR:ここでは、主張も信念もなく暴力デモを起こし、テロを起こし、人殺しをして、無機質に抱き合ってキスして愛をささやく。 SR:何も考えていない政治家がまつりあげられ、何も考えてない群衆が正しさも間違いもわからないまま何かを拒絶し、歓迎する。」 DO:「・・・仮に、仮にだ。」 DO:「お前の言う通りこの世界をそのダレカが作ったとして、なぜおまえは気づいている。 DO:そんな奴がいてはダレカにとって不都合じゃないか。お前が、そいつからつかわされた預言者様とでもいうつもりか?」 SR:(笑う) DO:「何がおかしい」 SR:「理由は簡単。ここを作りたかったから・・・そのために生まれた。」 DO:「は?」 SR:「そう、あなたもわたしも。ただこのために存在する。あなたに過去も未来もない。 SR:あるのは『らしきもの』」。 DO:「そんなわけ」 SR:「あなたの学歴も経歴も家族も親戚も友人も同僚も、その殺された一家も。」 DO:「そんなことありえない!」 SR:「このドアの外には何もないよ。警察署も、都市も、国も…。」 DO:「俺はさっきそのドアの外からここに来たんだぞ!」 SR:(まくしたてるように) SR:「このフロアに部屋はいくつ?何階建てのビル?ここに来るまでに何人とあいさつした?今何時?今日の天気は?季節は?」 DO:「何が言いたい!!」 SR:「・・・この世界は空っぽだってこと。」 0:【SR、なぜか手錠ははずれている。突き飛ばしてDOから拳銃を奪う】 DO:「なにをする!!」 0:【SR DOに拳銃を向ける】 SR:(大笑い。狂ったように) SR:「あんたは説明できる?どうして私の両手が自由になったか。」 DO:「銃をおろせ!!」 SR:「なんでこうなったんだろうね。これからどうなるんだろうね。私は何がしたいんだろうね。君はどうするんだろうね。何にもわからない、 SR:なんにもなんにもなんにもなんにもなんにもなんにも(好きなだけ続けて)! SR:おまえもそうだろ!?」 DO:「落ち着け!おちつくんだ!!」 SR:「教えてあげる。私たちは空っぽだから、生も死もない。生きることに何の意味もない何の考えもない何の理由もない死ぬことに何の意味もない何の考えもない何の理由もない殺すことに何の意味もない何の考えもない何の理由もない」 DO:「わかった!!わかったから銃をおろすんだ!」 SR:「・・・でもそれでいいんだ。だってフィクションだから。」 0:【暗転の直後に銃声】 0:【明転後、倒れて死んでいるSR。呆然とみつめるDO。 0:ポケットの中に手を入れて、出したものは手錠のカギ。長めの沈黙】 DO:なぜ誰も来ない。・・・なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ…!! DO:なぜ銃声がしたのに誰も駆けつけてこない!!人の気配も足音もない!なぜだ!!誰もいないのか!! 0:【少し沈黙。呆然とSRをみつめる。ドアに向かい、ドアノブに手をかけるが、開ける勇気がない。 0:再びSRを見つめ、近づく、銃を拾って間。SRに向かって何発か撃つ。】 0:【間】 DO:この世界は空っぽか・・・(こみあげてくる笑い)・・・ DO:だってフィクションだから。 0:【DO 銃口を口に入れて、銃声とともに暗転。 0:【間】 0:【プリンターの音FI 中央スポットライト 机の上にPC プリンターの音が止むと、UPが紙の束をめくりながら入り。椅子に座る。ざっとチェックが終わる】 DO:(UP)あーっ。できたー。 0:【背もたれにおもいっきりもたれる。もたれながらもう一度軽くチェック。脱力】 DO:(UP)まぁいっか。(薄く笑って)だってフィクションだから 0:【暗転 -幕―】