台本概要

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タイトル ぼくらは
作者名 ペペドルトン・ササミ  (@pe2dorton)
ジャンル コメディ
演者人数 3人用台本(男2、女1)
時間 20 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 虫が苦手な人はご遠慮ください。

キャラの性別変更不可。

※楽しんでいただければと思いますので、
男性が女性役をやったり、
女性が男性役をやったりしてもOKです。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
照之 89 彼氏
奈々 52 彼女
ジョージ 37 G
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:リビングにいる照之 0:キッチンにいる奈々 奈々:きゃーーっ!! 0:(照之、駆けつける) 照之:どどどどどうした?! 奈々:で、でたの!! 照之:なっ、なにが?! 奈々:そ、その・・・冷蔵庫の下に 照之:だからなにが?! 奈々:あれ・・・ 照之:ん?あれって? 奈々:Gよ!! 照之:G?! 奈々:ゴキブリ!! 照之:あぁ・・・で? 奈々:で?!私ダメなの!!早く殺虫剤してよ!! 照之:え、なんで? 奈々:は? 照之:いや、なんで殺虫剤するの? 奈々:何言ってんの!早くして― 0:(ゴキブリ出てくる) 奈々:いやぁぁぁ!!!!(その辺にあるものを手に取って叩こうとする) 照之:ちょちょちょちょっと何してるんだよ!!ストップストップ!!(奈々を止める) 奈々:何って、殺すのよ!! 照之:そんなことしちゃだめだって!! 奈々:はあ?! 照之:殺しちゃダメ!! 奈々:なんでよ! 照之:ゴキブリが君に何した? 奈々:・・・え? 照之:ゴキブリは何にもしてないだろ?ただここにいるだけじゃないか 奈々:それが嫌なの!それが害なの!! 照之:どこが?君に危害を加えたわけじゃないだろ? 奈々:視界に入るだけで、気分を害すのよ!! 照之:そんな・・・ひどい 奈々:ひどくなんかない! 照之:じゃぁ落ち着いて考えてみて? 照之:君は人間に生まれたくて生まれてきたの? 奈々:え? 照之:人間になりたいと思って人間になったわけじゃないだろ? 照之:俺だってそう。ゴキブリだってそう 奈々:そう・・・だけど・・・気持ち悪いじゃない 奈々:走り方もカサカサすばしっこく動いて、触覚のところがビヨンビヨンしてて、 奈々:見た目も、黒光りしてテカテカして・・・ 奈々:いかにも、汚い所で生きていますみたいな。 照之:それは偏見だよ。確かに彼らは―― 奈々:――何よ彼らって 照之:あ、彼ら彼女らは―― 奈々:――彼ら彼女ら!? 照之:彼ら、彼女ら 奈々:その呼び方やめて 照之:うーん、確かに、ゴキブリたちは、雑食性で、食べカスとか人の髪の毛とかを食べるよ。 奈々:きもちわるっ! 照之:いろんな菌も持ってるし、死骸がアレルギーの原因になることもあるし 奈々:害あるじゃない!! 照之:でもね彼ら自身が病気の媒介になることはないらしいんだよ。 照之:どんなに菌を持っていても、蚊やネズミみたいに伝染病の原因になることはないんだ!!諸説あるけど 奈々:確実じゃないの?!! 照之:あと、かれ・・・あっ、ゴキブリたちは何でも食べるから、栄養価も高くて、アフリカや中南米、ヨーロッパでは大切な食糧なんだから! 照之:アメリカでペットとしても人気なんだって! 奈々:もうやめて!想像したくない! 照之:それに、ゴキブリの卵って小さい小豆みたいで、結構かわいくて、そのなかに20から40程度の 奈々:やめてーー!小豆が食べられなくなるからぁ!!! 照之:まぁまぁ落ち着いて。 奈々:落ち着いていられない!! 照之:最近では、ゴキブリの生命力が注目されてて、 照之:ゴキブリのおかげで感染症の治療薬ができるかもしれないんだよ? 奈々:そ!・・・それは、すごい。 照之:だろう? 照之:長い地球の歴史から見たら、あっちの方は大大大先輩じゃないか。目上の人は大切にしなきゃ 奈々:人じゃない!! 照之:あ、ごめん。目上の命を大切に 奈々:そんなことも言ったら、牛だって豚だって鶏だって先輩よ。その命を私たちは食べるじゃない 照之:そうだよ。でも食べることは生きるため。ありがたく頂く。だから「いただきます」「ごちそうさま」っていうだろ? 奈々:うーん。 照之:でもさっきの君の行為は、食べるためじゃないでしょ? 照之:ただただ君がゴキブリを見て嫌だから殺害しようってだけだろ? 照之:彼らだって俺たちと同じように生きてるんだから。 照之:だから、ほら、こんなもの置いて 奈々:・・・うん 照之:うんうん 奈々:とでもいうと思った?! 照之:え? 奈々:何言われても無理!!菌とか卵とか、食べるとかペットとか聞いて余計気持ち悪くなった! 照之:そんな―― 0:(ゴキブリが二人のそばに・・・) 奈々:きゃぁぁぁぁ!!だめだめ!!むりむりむりむり!! 0:(ゴキブリが走り回る。奈々逃げまどい、玄関から外に飛び出す) 照之:ちょちょちょっと!! 奈々:絶対殺しておいてよね!!分かった?!そうじゃないと二度と部屋に入らないから!! 0:(奈々、裸足で去る) 照之:あっ、待って! 0:(追いかける照之。そこへ車が照之を目掛けて突っ込んでくる) 照之:えっ?!  :  0:(間) 0:(照之が気が付くとそこは真っ白な部屋。何もなく、ただ空間が広がっている) 照之:はっ!こっ、ここは・・・ ジョージ:よう 照之:うわっ!ビックリした! ジョージ:ははは。驚かせてすまない 照之:どちら様・・・ですか・・・? ジョージ:俺の名前はジョージ。よろしく、照之 照之:どうして、僕の名前を・・・なんの用ですか? ジョージ:おいおいそんな目で見ないでくれよ。俺は兄弟に感謝してるんだぜ? 照之:感謝? ジョージ:ああ、その通りだ。彼女さんに殺されそうになったところを兄弟に助けられたんだ 照之:えっ?まさか・・・ ジョージ:そう、俺はあの時の――兄弟ら人間が害虫と呼んでる・・・ゴキブリだ 照之:そんな・・・嘘でしょ? ジョージ:ま、信じろって方が難しいわな。だが本当だ・・・ ジョージ:ひと言感謝が伝えたくてな。こうやって出てきたってわけだ 照之:ちょ、ちょっと待ってください! 照之:あなたの名前がジョージって事は分かりました・・・。ただ・・・あなたのその・・・姿、というか・・・どこからどう見てもに人間じゃないですか! ジョージ:ん?ああ、そうか。この姿では分からないか・・・ 照之:それにここは何処なんですか!?奈々は?僕は一体どうなってしまったんですか?! ジョージ:まあまあ落ち着け兄弟 照之:落ち着いてられませんよ!こんなっ、何もない空間に見ず知らずの人と、自分はゴキブリだって言うような頭のおかしい人と2人きりだなんて! ジョージ:説明してやるから落ち着けって 照之:出せよ!ここから出してくれ!奈々!奈々!どこにいるんだー! ジョージ:落ち着けッ!! 照之:!? ジョージ:ふぅ・・・まあ、兄弟がそういうのも理解できる。分かった、その証拠にさっきの兄弟らの会話を全て言ってみせよう 照之:そんなのできっこない ジョージ:まずは彼女さんが俺を見つけて悲鳴を上げたところから始まったな――  :  0:(間。ジョージ説明中)  :  照之:そんな・・・まさか・・・ ジョージ:なんなら、兄弟の隠しているエッチなDVDの隠し場所も知っているぞ? 照之:やめて! ジョージ:ははは。冗談だよ 照之:僕も一言一句覚えているわけじゃないけど、でもそんな感じの事を言った気がする・・・ ジョージ:どうだ?信じてくれたか? 照之:まだにわかには信じられないけど、信じるよ! ジョージ:かってぇ野郎だな!ま、それでこそ兄弟だ! 照之:それで・・・さっき感謝を伝えたいって言ってたけど ジョージ:そうなんだ・・・俺たちは、ただただ見た目が気持ち悪いからってだけで殺される日常だった・・・ 照之:・・・うん ジョージ:いとこのギズモなんて、家に帰ってきて突然苦しみだしたと思ったらそのままポックリ死んじまったし 照之:・・・うん ジョージ:友人のガンダルフなんて家族でピクニックに出かけたっきりそのまま消息不明になっちまった 照之:・・・そうだったのか ジョージ:俺らは、兄弟の種族に散々迫害され続けてきた・・・友人、恋人、家族・・・多くの仲間を失った・・・ 照之:・・・ ジョージ:おおっと!兄弟を責めているわけじゃないんだ。・・・だからこそ、驚いた 照之:驚いた? ジョージ:ああ。兄弟がこんなにも体を張って止めてくれてる!ってな。嬉しかった 照之:・・・ ジョージ:死んだ家族や友人が思い浮かんできたよ。これでようやく浮かばれる、ゆっくり休めるって。仮にここで殺されても、この人は理解してくれた、分かってくれた・・・その事実があればそれでいい 照之:・・・ ジョージ:ありがとう 照之:う、ううっ・・・(照之、泣く) ジョージ:おいおい!泣くなよ兄弟 照之:すまない・・・すまない・・・(照之、泣き続けている) ジョージ:もういいって事よ 照之:ううっ・・・(泣いている) ジョージ:さて!湿っぽい話はもう終わりだ!兄弟、ここは何処だってさっき聞いてたよな? 照之:・・・ぐすん・・・ああ・・ ジョージ:ここは・・・あの世とこの世の狭間だ 照之:えっ!? ジョージ:兄弟は彼女さんを追いかけようと道路に飛び出したところを車に轢かれちまったんだ 照之:そんな、お、覚えてない・・・ ジョージ:無理もない。一瞬だったからな 照之:じゃ・・・じゃあ僕は・・・ ジョージ:安心しろ。さっきも言ったろだう?ここはあの世とこの世の狭間だ、まだ死んじゃいねえよ。 ジョージ:戻り方を教えてやる 照之:えっ?! 0:(ジョージ、右手で奥の方を指す。遠くに何やら扉のようなものがある) 照之:あれは・・・とび・・・ら? ジョージ:そうだ。あの扉を開けて向こう側に行っちまえば兄弟 ジョージ:ただし、向かっている途中は絶対に後ろを振り向くな。戻れなくなっちまう 照之:・・・どうして、そこまで・・・ ジョージ:言ったろ?兄弟に救われた命・・・ここで恩を返さなくていつ返せるかってんだ! 照之:言われてみればそっか(苦笑い) ジョージ:現世に帰っちまったらゴキブリと人間だからな 照之:ははは・・・本当に・・・ありがとう ジョージ:なーに礼には及ばねえ! 照之:じゃあ・・・帰るわ・・・ ジョージ:おう!またどこかで会おう、兄弟! 0:(照之、扉の前までくる。意を決して開けると目もくらむような光が――) 奈々:照之! 照之:・・・な、奈々・・・ 奈々:良かった・・・本当に良かった・・・ 照之:こ、ここは・・・? 奈々:病院よ。あなた私を追いかけて道路に飛び出して車に轢かれちゃったのよ 照之:そう、だったね・・・ 奈々:本当に心配したんだから・・・ 照之:ごめん 奈々:謝らないで・・・私の方こそごめんね 照之:奈々も謝らないで、これは事故なんだからさ 奈々:・・・うん 照之:どのくらい寝てた? 奈々:1週間・・・ 照之:・・・1週間もか。本当に心配をかけたね・・・ 奈々:んーん。照之が無事に戻ってきてくれたからそれでいい 照之:そっか 奈々:うん 0:(照之、意を決し) 照之:奈々・・・結婚しよう 奈々:えっ・・・ 照之:僕と、結婚してほしい 奈々:んもう・・・ムードもへったくれもないわね 照之:ごめん―― 奈々:――いいわよ 照之:えっ 奈々:結婚してもいいわよ 照之:ま、マジ? 奈々:なんで照之がびっくりしてるのよ! 照之:い、いや、なんというか・・・その・・・宜しくお願いします・・・? 奈々:(奈々、思わず吹き出してしまう) 0:―幕―

0:リビングにいる照之 0:キッチンにいる奈々 奈々:きゃーーっ!! 0:(照之、駆けつける) 照之:どどどどどうした?! 奈々:で、でたの!! 照之:なっ、なにが?! 奈々:そ、その・・・冷蔵庫の下に 照之:だからなにが?! 奈々:あれ・・・ 照之:ん?あれって? 奈々:Gよ!! 照之:G?! 奈々:ゴキブリ!! 照之:あぁ・・・で? 奈々:で?!私ダメなの!!早く殺虫剤してよ!! 照之:え、なんで? 奈々:は? 照之:いや、なんで殺虫剤するの? 奈々:何言ってんの!早くして― 0:(ゴキブリ出てくる) 奈々:いやぁぁぁ!!!!(その辺にあるものを手に取って叩こうとする) 照之:ちょちょちょちょっと何してるんだよ!!ストップストップ!!(奈々を止める) 奈々:何って、殺すのよ!! 照之:そんなことしちゃだめだって!! 奈々:はあ?! 照之:殺しちゃダメ!! 奈々:なんでよ! 照之:ゴキブリが君に何した? 奈々:・・・え? 照之:ゴキブリは何にもしてないだろ?ただここにいるだけじゃないか 奈々:それが嫌なの!それが害なの!! 照之:どこが?君に危害を加えたわけじゃないだろ? 奈々:視界に入るだけで、気分を害すのよ!! 照之:そんな・・・ひどい 奈々:ひどくなんかない! 照之:じゃぁ落ち着いて考えてみて? 照之:君は人間に生まれたくて生まれてきたの? 奈々:え? 照之:人間になりたいと思って人間になったわけじゃないだろ? 照之:俺だってそう。ゴキブリだってそう 奈々:そう・・・だけど・・・気持ち悪いじゃない 奈々:走り方もカサカサすばしっこく動いて、触覚のところがビヨンビヨンしてて、 奈々:見た目も、黒光りしてテカテカして・・・ 奈々:いかにも、汚い所で生きていますみたいな。 照之:それは偏見だよ。確かに彼らは―― 奈々:――何よ彼らって 照之:あ、彼ら彼女らは―― 奈々:――彼ら彼女ら!? 照之:彼ら、彼女ら 奈々:その呼び方やめて 照之:うーん、確かに、ゴキブリたちは、雑食性で、食べカスとか人の髪の毛とかを食べるよ。 奈々:きもちわるっ! 照之:いろんな菌も持ってるし、死骸がアレルギーの原因になることもあるし 奈々:害あるじゃない!! 照之:でもね彼ら自身が病気の媒介になることはないらしいんだよ。 照之:どんなに菌を持っていても、蚊やネズミみたいに伝染病の原因になることはないんだ!!諸説あるけど 奈々:確実じゃないの?!! 照之:あと、かれ・・・あっ、ゴキブリたちは何でも食べるから、栄養価も高くて、アフリカや中南米、ヨーロッパでは大切な食糧なんだから! 照之:アメリカでペットとしても人気なんだって! 奈々:もうやめて!想像したくない! 照之:それに、ゴキブリの卵って小さい小豆みたいで、結構かわいくて、そのなかに20から40程度の 奈々:やめてーー!小豆が食べられなくなるからぁ!!! 照之:まぁまぁ落ち着いて。 奈々:落ち着いていられない!! 照之:最近では、ゴキブリの生命力が注目されてて、 照之:ゴキブリのおかげで感染症の治療薬ができるかもしれないんだよ? 奈々:そ!・・・それは、すごい。 照之:だろう? 照之:長い地球の歴史から見たら、あっちの方は大大大先輩じゃないか。目上の人は大切にしなきゃ 奈々:人じゃない!! 照之:あ、ごめん。目上の命を大切に 奈々:そんなことも言ったら、牛だって豚だって鶏だって先輩よ。その命を私たちは食べるじゃない 照之:そうだよ。でも食べることは生きるため。ありがたく頂く。だから「いただきます」「ごちそうさま」っていうだろ? 奈々:うーん。 照之:でもさっきの君の行為は、食べるためじゃないでしょ? 照之:ただただ君がゴキブリを見て嫌だから殺害しようってだけだろ? 照之:彼らだって俺たちと同じように生きてるんだから。 照之:だから、ほら、こんなもの置いて 奈々:・・・うん 照之:うんうん 奈々:とでもいうと思った?! 照之:え? 奈々:何言われても無理!!菌とか卵とか、食べるとかペットとか聞いて余計気持ち悪くなった! 照之:そんな―― 0:(ゴキブリが二人のそばに・・・) 奈々:きゃぁぁぁぁ!!だめだめ!!むりむりむりむり!! 0:(ゴキブリが走り回る。奈々逃げまどい、玄関から外に飛び出す) 照之:ちょちょちょっと!! 奈々:絶対殺しておいてよね!!分かった?!そうじゃないと二度と部屋に入らないから!! 0:(奈々、裸足で去る) 照之:あっ、待って! 0:(追いかける照之。そこへ車が照之を目掛けて突っ込んでくる) 照之:えっ?!  :  0:(間) 0:(照之が気が付くとそこは真っ白な部屋。何もなく、ただ空間が広がっている) 照之:はっ!こっ、ここは・・・ ジョージ:よう 照之:うわっ!ビックリした! ジョージ:ははは。驚かせてすまない 照之:どちら様・・・ですか・・・? ジョージ:俺の名前はジョージ。よろしく、照之 照之:どうして、僕の名前を・・・なんの用ですか? ジョージ:おいおいそんな目で見ないでくれよ。俺は兄弟に感謝してるんだぜ? 照之:感謝? ジョージ:ああ、その通りだ。彼女さんに殺されそうになったところを兄弟に助けられたんだ 照之:えっ?まさか・・・ ジョージ:そう、俺はあの時の――兄弟ら人間が害虫と呼んでる・・・ゴキブリだ 照之:そんな・・・嘘でしょ? ジョージ:ま、信じろって方が難しいわな。だが本当だ・・・ ジョージ:ひと言感謝が伝えたくてな。こうやって出てきたってわけだ 照之:ちょ、ちょっと待ってください! 照之:あなたの名前がジョージって事は分かりました・・・。ただ・・・あなたのその・・・姿、というか・・・どこからどう見てもに人間じゃないですか! ジョージ:ん?ああ、そうか。この姿では分からないか・・・ 照之:それにここは何処なんですか!?奈々は?僕は一体どうなってしまったんですか?! ジョージ:まあまあ落ち着け兄弟 照之:落ち着いてられませんよ!こんなっ、何もない空間に見ず知らずの人と、自分はゴキブリだって言うような頭のおかしい人と2人きりだなんて! ジョージ:説明してやるから落ち着けって 照之:出せよ!ここから出してくれ!奈々!奈々!どこにいるんだー! ジョージ:落ち着けッ!! 照之:!? ジョージ:ふぅ・・・まあ、兄弟がそういうのも理解できる。分かった、その証拠にさっきの兄弟らの会話を全て言ってみせよう 照之:そんなのできっこない ジョージ:まずは彼女さんが俺を見つけて悲鳴を上げたところから始まったな――  :  0:(間。ジョージ説明中)  :  照之:そんな・・・まさか・・・ ジョージ:なんなら、兄弟の隠しているエッチなDVDの隠し場所も知っているぞ? 照之:やめて! ジョージ:ははは。冗談だよ 照之:僕も一言一句覚えているわけじゃないけど、でもそんな感じの事を言った気がする・・・ ジョージ:どうだ?信じてくれたか? 照之:まだにわかには信じられないけど、信じるよ! ジョージ:かってぇ野郎だな!ま、それでこそ兄弟だ! 照之:それで・・・さっき感謝を伝えたいって言ってたけど ジョージ:そうなんだ・・・俺たちは、ただただ見た目が気持ち悪いからってだけで殺される日常だった・・・ 照之:・・・うん ジョージ:いとこのギズモなんて、家に帰ってきて突然苦しみだしたと思ったらそのままポックリ死んじまったし 照之:・・・うん ジョージ:友人のガンダルフなんて家族でピクニックに出かけたっきりそのまま消息不明になっちまった 照之:・・・そうだったのか ジョージ:俺らは、兄弟の種族に散々迫害され続けてきた・・・友人、恋人、家族・・・多くの仲間を失った・・・ 照之:・・・ ジョージ:おおっと!兄弟を責めているわけじゃないんだ。・・・だからこそ、驚いた 照之:驚いた? ジョージ:ああ。兄弟がこんなにも体を張って止めてくれてる!ってな。嬉しかった 照之:・・・ ジョージ:死んだ家族や友人が思い浮かんできたよ。これでようやく浮かばれる、ゆっくり休めるって。仮にここで殺されても、この人は理解してくれた、分かってくれた・・・その事実があればそれでいい 照之:・・・ ジョージ:ありがとう 照之:う、ううっ・・・(照之、泣く) ジョージ:おいおい!泣くなよ兄弟 照之:すまない・・・すまない・・・(照之、泣き続けている) ジョージ:もういいって事よ 照之:ううっ・・・(泣いている) ジョージ:さて!湿っぽい話はもう終わりだ!兄弟、ここは何処だってさっき聞いてたよな? 照之:・・・ぐすん・・・ああ・・ ジョージ:ここは・・・あの世とこの世の狭間だ 照之:えっ!? ジョージ:兄弟は彼女さんを追いかけようと道路に飛び出したところを車に轢かれちまったんだ 照之:そんな、お、覚えてない・・・ ジョージ:無理もない。一瞬だったからな 照之:じゃ・・・じゃあ僕は・・・ ジョージ:安心しろ。さっきも言ったろだう?ここはあの世とこの世の狭間だ、まだ死んじゃいねえよ。 ジョージ:戻り方を教えてやる 照之:えっ?! 0:(ジョージ、右手で奥の方を指す。遠くに何やら扉のようなものがある) 照之:あれは・・・とび・・・ら? ジョージ:そうだ。あの扉を開けて向こう側に行っちまえば兄弟 ジョージ:ただし、向かっている途中は絶対に後ろを振り向くな。戻れなくなっちまう 照之:・・・どうして、そこまで・・・ ジョージ:言ったろ?兄弟に救われた命・・・ここで恩を返さなくていつ返せるかってんだ! 照之:言われてみればそっか(苦笑い) ジョージ:現世に帰っちまったらゴキブリと人間だからな 照之:ははは・・・本当に・・・ありがとう ジョージ:なーに礼には及ばねえ! 照之:じゃあ・・・帰るわ・・・ ジョージ:おう!またどこかで会おう、兄弟! 0:(照之、扉の前までくる。意を決して開けると目もくらむような光が――) 奈々:照之! 照之:・・・な、奈々・・・ 奈々:良かった・・・本当に良かった・・・ 照之:こ、ここは・・・? 奈々:病院よ。あなた私を追いかけて道路に飛び出して車に轢かれちゃったのよ 照之:そう、だったね・・・ 奈々:本当に心配したんだから・・・ 照之:ごめん 奈々:謝らないで・・・私の方こそごめんね 照之:奈々も謝らないで、これは事故なんだからさ 奈々:・・・うん 照之:どのくらい寝てた? 奈々:1週間・・・ 照之:・・・1週間もか。本当に心配をかけたね・・・ 奈々:んーん。照之が無事に戻ってきてくれたからそれでいい 照之:そっか 奈々:うん 0:(照之、意を決し) 照之:奈々・・・結婚しよう 奈々:えっ・・・ 照之:僕と、結婚してほしい 奈々:んもう・・・ムードもへったくれもないわね 照之:ごめん―― 奈々:――いいわよ 照之:えっ 奈々:結婚してもいいわよ 照之:ま、マジ? 奈々:なんで照之がびっくりしてるのよ! 照之:い、いや、なんというか・・・その・・・宜しくお願いします・・・? 奈々:(奈々、思わず吹き出してしまう) 0:―幕―