台本概要

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タイトル フジツボの話
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男2)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 海でとある物体に攻撃されたと言う友人Aの話だったが、よくよく聞いてるとある生物に思い至った友人B。その生物とは「フジツボ」。そんなフジツボが話のテーマなお話。
男女不問。アドリブ大歓迎!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
34 海に遊びに行ってとある物体に攻撃され足に傷を負った友人A。短絡的思考の持ち主。
34 フジツボの事についてなぜか詳しい友人B。物知り。あだ名は先生。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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A:ねーちょっと聞いてよ! B:おはよう、朝っぱらから急に押しかけてきてどうしたの?眠いんだけど A:寝ぼけてる場合じゃないよ!この話聞いたら目ん玉もこぼれ落ちちゃうから! B:朝からテンション高いな。飛び出すの間違いだし、使い所とかいろいろ間違ってるけど。で、何? A:昨日海行ってたんだよ! B:あー、一人で黄昏(たそがれ)たいから海で波浴びてくるわ!って言ってたあれか A:そうーそれそれ、でさ、海行って波打ち際の岩の上に登ろうとしたらさ B:登ろうとしたら? A:攻撃されたんだよ! B:誰に? A:やつらに! B:奴らって誰なの? A:だから岩にいっぱい引っ付いてるイボイボのやつらだYO(よー)! B:あー、やっと話が見えた A:なんなんだよやつら!おかげでこっちは、ホラッ!足切られたんだよ~! B:災難というか不用心というかまあ、あれだけど。それの正体はね、「フジツボ」だよ A:フ・ジ・ツ・ボ? B:フジツボ知らんで生きてきたのは相当レアだけど、そんな無知な君の為にフジツボがどういうものか教えてあげよう A:ほ、ほんと!?よろしくお願いします先生! B:うむ、まずフジツボとはカニやエビと同じ甲殻類に分類されるんだ A:・・え?あれがエビ、カニと同じ甲殻類なの!? B:そうなんだ。あの見た目からフジツボは昔、貝の仲間だと思われてたんだ A:改めて考えたら自分もアレは貝の親戚だとしか考えられないよ B:しかもその間違った認識は19世紀の中頃まで続いていたそうだ A:そんなに前でもないんだね B:1830年頃になってやっとカニやエビと同じ特有の幼生(ようせい)と呼ばれる子供の状態を経てから成長する事がわかったんだ A:なるほどねー、昔の人達はよくあんな地味な生き物をちゃんと調べあげたよね B:そこからちゃんと分類したあとフジツボを研究し基礎を築いたのがかの有名な A:有名な? B:ダーウィンだよ A:え~!あの「進化論」とか「種の起源」で有名なダーウィン!?何研究しちゃってるの!? B:ビックリだよね。まさかあのダーウィンがフジツボ研究してたとか。しかも種の起源を世に出す前の8年に渡って研究してたそうだ A:めちゃくちゃ入れ込んで研究してるじゃない。いったいフジツボの何がダーウィンをそこまで引き付けたんだ B:さて、フジツボだが。一般的に直径数ミリの富士山型の形をしていて硬い石灰質の殻(から)におおわれている A:あ、足切ってきたやつもその形だ B:フジツボは海水中にいるプランクトンなどを餌としていて海水中じゃないと食事はとれない A:え?じゃあ潮(しお)が引いてる時は何も食べれないって事? B:その通り、ただ満潮(みちしお)を待つのみ A:なんでそんなストイックな行き方選んじゃったの B:そんなフジツボだが一度岩に張り付いてしまえば移動はせず、一生死ぬまでをそこで過ごすんだ A:え、動けないじゃどうやって子孫を残すの? B:そりゃ交尾して残すんだよ A:え!あいつら交尾すんの!? B:意外な事にそうなんだ。しかも雌雄同体(しゆうどうたい)の生き物のためすべてがオスでありメスなんだ A:じゃあ植物みたいに自家受粉とかできそうなのに B:そう、なのにあえて交尾するんだ A:だったら、動けないのにどうやって? B:基本的に交尾を行う相手は自分の隣りにいるやつだ A:・・あー!だからあいつら密集して岩場に張り付いてたのか! B:謎がとけたか?そして交尾の際は生殖器をグーンと伸ばして隣りのフジツボに届いたらセイシを送り込むそうだ A:なんとも不思議すぎる。効率的なんだか非効率的かわからない生き方だね B:交尾によって生まれた受精卵は殻(から)のなかで育てられ孵化(ふか)すると幼生(ようせい)になって海に放出されるんだ A:おー、貝とはやっぱり違うのがこの辺なんだなー B:1ヶ月程を波間(なみま)で餌をとりながら漂流(ひょうりゅう)した後に脱皮をしながら成長していく A:脱皮があるのはほんとエビカニって感じだよね B:脱皮を終えた幼生は食事も取らず定住の地を探す事のみに特化した状態でまた海を漂うんだ A:なんかあのフジツボのイメージには無いようなアグレッシブな旅を経て岩場に張り付いてたんだな B:くっ付いた後はまた生体になってを繰り返していくんだ。以上がフジツボの説明だ A:いやーすごい勉強になったよ。でも人間の我々からしたらただ危ないだけで困っちゃうよな B:危ないだけじゃないよ A:え?どゆこと? B:美味しいんだ A:・・あれ食べれるの!? B:そうだよ、実は日本には養殖してる場所もあって青森県などがそうだね。そこで養殖されてるミネフジツボなんだがいくらすると思う? A:え?・・全然わかんない B:1キロ約一万円で売られてるって A:・・今からフジツボ取りに行ってきます!ヒャッホー! B:あ、売り物になるのは大きい養殖ものだけだよって、もう居ないや :おしまい

A:ねーちょっと聞いてよ! B:おはよう、朝っぱらから急に押しかけてきてどうしたの?眠いんだけど A:寝ぼけてる場合じゃないよ!この話聞いたら目ん玉もこぼれ落ちちゃうから! B:朝からテンション高いな。飛び出すの間違いだし、使い所とかいろいろ間違ってるけど。で、何? A:昨日海行ってたんだよ! B:あー、一人で黄昏(たそがれ)たいから海で波浴びてくるわ!って言ってたあれか A:そうーそれそれ、でさ、海行って波打ち際の岩の上に登ろうとしたらさ B:登ろうとしたら? A:攻撃されたんだよ! B:誰に? A:やつらに! B:奴らって誰なの? A:だから岩にいっぱい引っ付いてるイボイボのやつらだYO(よー)! B:あー、やっと話が見えた A:なんなんだよやつら!おかげでこっちは、ホラッ!足切られたんだよ~! B:災難というか不用心というかまあ、あれだけど。それの正体はね、「フジツボ」だよ A:フ・ジ・ツ・ボ? B:フジツボ知らんで生きてきたのは相当レアだけど、そんな無知な君の為にフジツボがどういうものか教えてあげよう A:ほ、ほんと!?よろしくお願いします先生! B:うむ、まずフジツボとはカニやエビと同じ甲殻類に分類されるんだ A:・・え?あれがエビ、カニと同じ甲殻類なの!? B:そうなんだ。あの見た目からフジツボは昔、貝の仲間だと思われてたんだ A:改めて考えたら自分もアレは貝の親戚だとしか考えられないよ B:しかもその間違った認識は19世紀の中頃まで続いていたそうだ A:そんなに前でもないんだね B:1830年頃になってやっとカニやエビと同じ特有の幼生(ようせい)と呼ばれる子供の状態を経てから成長する事がわかったんだ A:なるほどねー、昔の人達はよくあんな地味な生き物をちゃんと調べあげたよね B:そこからちゃんと分類したあとフジツボを研究し基礎を築いたのがかの有名な A:有名な? B:ダーウィンだよ A:え~!あの「進化論」とか「種の起源」で有名なダーウィン!?何研究しちゃってるの!? B:ビックリだよね。まさかあのダーウィンがフジツボ研究してたとか。しかも種の起源を世に出す前の8年に渡って研究してたそうだ A:めちゃくちゃ入れ込んで研究してるじゃない。いったいフジツボの何がダーウィンをそこまで引き付けたんだ B:さて、フジツボだが。一般的に直径数ミリの富士山型の形をしていて硬い石灰質の殻(から)におおわれている A:あ、足切ってきたやつもその形だ B:フジツボは海水中にいるプランクトンなどを餌としていて海水中じゃないと食事はとれない A:え?じゃあ潮(しお)が引いてる時は何も食べれないって事? B:その通り、ただ満潮(みちしお)を待つのみ A:なんでそんなストイックな行き方選んじゃったの B:そんなフジツボだが一度岩に張り付いてしまえば移動はせず、一生死ぬまでをそこで過ごすんだ A:え、動けないじゃどうやって子孫を残すの? B:そりゃ交尾して残すんだよ A:え!あいつら交尾すんの!? B:意外な事にそうなんだ。しかも雌雄同体(しゆうどうたい)の生き物のためすべてがオスでありメスなんだ A:じゃあ植物みたいに自家受粉とかできそうなのに B:そう、なのにあえて交尾するんだ A:だったら、動けないのにどうやって? B:基本的に交尾を行う相手は自分の隣りにいるやつだ A:・・あー!だからあいつら密集して岩場に張り付いてたのか! B:謎がとけたか?そして交尾の際は生殖器をグーンと伸ばして隣りのフジツボに届いたらセイシを送り込むそうだ A:なんとも不思議すぎる。効率的なんだか非効率的かわからない生き方だね B:交尾によって生まれた受精卵は殻(から)のなかで育てられ孵化(ふか)すると幼生(ようせい)になって海に放出されるんだ A:おー、貝とはやっぱり違うのがこの辺なんだなー B:1ヶ月程を波間(なみま)で餌をとりながら漂流(ひょうりゅう)した後に脱皮をしながら成長していく A:脱皮があるのはほんとエビカニって感じだよね B:脱皮を終えた幼生は食事も取らず定住の地を探す事のみに特化した状態でまた海を漂うんだ A:なんかあのフジツボのイメージには無いようなアグレッシブな旅を経て岩場に張り付いてたんだな B:くっ付いた後はまた生体になってを繰り返していくんだ。以上がフジツボの説明だ A:いやーすごい勉強になったよ。でも人間の我々からしたらただ危ないだけで困っちゃうよな B:危ないだけじゃないよ A:え?どゆこと? B:美味しいんだ A:・・あれ食べれるの!? B:そうだよ、実は日本には養殖してる場所もあって青森県などがそうだね。そこで養殖されてるミネフジツボなんだがいくらすると思う? A:え?・・全然わかんない B:1キロ約一万円で売られてるって A:・・今からフジツボ取りに行ってきます!ヒャッホー! B:あ、売り物になるのは大きい養殖ものだけだよって、もう居ないや :おしまい