台本概要

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タイトル 君が雨に溺れぬように
作者名 そらいろ  (@sorairo_0801)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 台本説明欄参照
説明 君がもう二度と雨に溺れないことを
祈っているよ

・台本をご利用の際は、タイトル、作者名、URLを記載してください
・自由に演じて頂けたら嬉しいです

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
レイ 不問 56 レイ。謎の多い人物
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
レイ:こんにちは レイ: レイ:凄い雨だね レイ: レイ:ん?私かい? レイ: レイ:私は、レイ レイ: レイ:君、名前は? 0: レイ:そうか レイ: レイ:覚えていないのか レイ: レイ:気づいたらここにいたんだね 0: レイ:さっきから レイ: レイ:ずっと空を眺めているけど レイ: レイ:どうだい? レイ: レイ:雨は止みそうかい? レイ: レイ:そうか レイ: レイ:まだ、しばらく止みそうにないか 0: レイ:なるほど レイ: レイ:君は、もう一度 レイ: レイ:雲一つない青空が見たくてここにいるんだね レイ: レイ:そうか レイ: レイ:君が過去に見たその青空は レイ: レイ:きっと今私が想像している青空の何倍も レイ: レイ:綺麗だったんだろうね 0: レイ:確かに レイ: レイ:温かい日の光はとても心地よい レイ: レイ:あぁ、そうだね レイ: レイ:何もかもがキラキラ輝いて見える レイ: レイ:背中に羽が生えたような感じがした? レイ: レイ:はは。それはいいな レイ: レイ:なんでもできてしまいそうだ 0: レイ:そうか レイ: レイ:それも、もうずっと前の話なんだね レイ: レイ:でもその心地よさを覚えているからこそ レイ: レイ:君はこの雨の中も レイ: レイ:耐えることができているんだね 0: レイ:止まない雨はない? レイ: レイ:ああ。そうだね レイ: レイ:確かに、止まない雨はない レイ: レイ:でも レイ: レイ:こんな土砂降りの雨の中で レイ: レイ:いつ来るか分からない レイ: レイ:「そのとき」を信じて待ち続けるのって レイ: レイ:辛くはないかい? 0: レイ:すまない レイ: レイ:そんな顔をしないでくれ 0: レイ:でもそうだとは思わないかい? レイ: レイ:この雨がいつ止むかなんて レイ: レイ:誰にも分からないんだ レイ: レイ:その雨が止むのは明日かもしれないけれど レイ: レイ:もしかしたら レイ: レイ:何十年後になるかもしれない 0: レイ:人間という生き物は弱いんだ レイ: レイ:もうこの雨は止むことなんてないんじゃないか レイ: レイ:なんて レイ: レイ:そんな考えが一度でも頭に浮かんでしまったら レイ: レイ:どんどん不安が募っていき レイ: レイ:その不安は自分の心を更に曇らせる 0: レイ:自分を信じ抜くって レイ: レイ:とても難しいことなんだよ 0: レイ:不安に耐えられず レイ: レイ:再び自分の目で綺麗な青空を見ることもないまま レイ: レイ:雨に溺れ、泡となり レイ: レイ:消えてしまう者も多い レイ: レイ:そう レイ: レイ:誰にも気づかれることなく、ね 0: レイ:彼女もそうだった レイ: レイ:あぁ。私の大切な人だよ 0: レイ:良ければもう少し レイ: レイ:私の話に付き合ってはくれないかい? レイ: レイ:ありがとう 0: レイ:あ、そうだ レイ: レイ:君、ココア飲めるかい? レイ: レイ:それは良かった レイ: レイ:じゃあこれ、あげる レイ: レイ:少しは体が温まると思うよ レイ: レイ:遠慮しないで レイ: レイ:ほら、一緒に飲もう 0: レイ:その彼女はね レイ: レイ:幼いころからずっと雨の中にいたんだ レイ: レイ:周りに、傘を差してくれるような人も レイ: レイ:誰もいなかったらしくてね レイ: レイ:彼女はずっと レイ: レイ:一人ぼっちでその雨に耐えていた 0: レイ:彼女がここまで頑張れたのは レイ: レイ:夢があったからだ レイ: レイ:そう。夢だ レイ: レイ:いつか青空の下で幸せに暮らす、というね レイ: レイ:でも。現実は彼女にとても厳しかった 0: レイ:彼女は雨の中 レイ: レイ:一生懸命前に進もうとするが レイ: レイ:少し進めたと思っても レイ: レイ:すぐに後ろに吹き飛ばされて レイ: レイ:なかなか前には進めさせてはくれない レイ: レイ:激しい雨風は彼女の視覚や聴覚を奪い レイ: レイ:彼女が助けを求めるか細い声もかき消した 0: レイ:雨は、どこまでも、どこまでも レイ: レイ:必死に前に進もうとする彼女の邪魔をし続けた 0: レイ:あぁ レイ: レイ:だから彼女には、多くの傷があったよ レイ: レイ:心にも、体にも、ね 0: レイ:でもその雨は止むことなく レイ: レイ:どんどん酷くなっていったんだ レイ: レイ:そして レイ: レイ:彼女はだんだんと、希望を失っていった 0: レイ:本当にこの目で青空を見れる日は来るのだろうか レイ: レイ:その日はいつ来るんだろうか、と レイ: レイ:毎日毎日そんなことばかりを考えるようになった レイ: レイ:そして、ある日 レイ: レイ:彼女はふと思ってしまった レイ: レイ:たとえ空が晴れたとしても レイ: レイ:自分はもう レイ: レイ:その日の光に耐えることはできないんじゃないか、とね 0: レイ:それなら レイ: レイ:もう自分には、夢を叶えることなんてできない レイ: レイ:じゃあ、なんのために耐えているのか レイ: レイ:自分はなんのために生きているのか レイ: レイ:自分は…どうしたいのか レイ: レイ:そう彼女は レイ: レイ:分からなくなってしまったんだ 0: レイ:彼女はね レイ: レイ:雨の中で自分を見失ってしまった レイ: レイ:…そう レイ: レイ:雨に飲まれてしまったんだ 0: レイ:そのとき彼女は レイ: レイ:自分の頬が濡れていることに気づいていたが レイ: レイ:それが涙のせいなのか レイ: レイ:はたまた雨のせいなのかも レイ: レイ:彼女には分からなくなっていたんだよ 0: レイ:気づけば レイ: レイ:もう彼女は雨の中 レイ: レイ:立っていることさえもできなくなっていた 0: レイ:彼女かい? レイ: レイ:…あぁ。彼女はね レイ: レイ:雨に溺れ泡となって消えてしまったよ 0: レイ:私は思ったんだよ レイ: レイ:もし彼女の隣で1人でも レイ: レイ:共に晴れる日を待ってくれる人がいたのなら レイ: レイ:傘をそっと差してくれる人がいたのなら レイ: レイ:彼女の未来は レイ: レイ:大きく変わっていたんではないか レイ: レイ:…そう レイ: レイ:青空の下で幸せに暮らしていたんじゃないかってね 0: レイ:ん?私かい? レイ: レイ:あぁ レイ: レイ:私もね、愚かなことに レイ: レイ:彼女の側にずっといたのに レイ: レイ:彼女が雨の中にいたことに レイ: レイ:気づかなかったんだ レイ: レイ:私は何度も彼女に傘を差してもらったというのに 0: レイ:私はずっと レイ: レイ:彼女と一緒の空を見ているつもりだった レイ: レイ:私が、空が綺麗だねというと レイ: レイ:彼女も笑顔で綺麗だねと言ってくれたのだから レイ: レイ:でもそれは間違いだった 0: レイ:そう、気づいたのは レイ: レイ:彼女が手の届かないところに レイ: レイ:行ってしまった後だった 0: レイ:そんな悲しい顔をしないでくれ レイ: レイ:私たちは今、ちゃんと幸せだからさ 0: レイ:あぁ レイ: レイ:だから私はね レイ: レイ:彼女の後を追いかけたんだよ レイ: レイ:だからこの世界にいるんだ レイ: レイ:彼女はとても レイ: レイ:申し訳なさそうな顔をしていたけどね 0: レイ:でもこの世界に来てやっと レイ: レイ:彼女の本当の笑顔を見ることができたんだよ レイ: レイ:彼女と同じ景色も見ることができた レイ: レイ:だから私たちは レイ: レイ:幸せなんだ 0: レイ:でもね、君は レイ: レイ:まだここに来てはいけない 0: レイ:藍沢かおりさん 0: レイ:君の名前だ レイ: レイ:思い出したかい? レイ: レイ:欠けていた記憶の全てを レイ: レイ:この雨の正体を 0: レイ:そうか。よかった 0: レイ:危ないところだったよ レイ: レイ:この雨に溺れてしまったら レイ: レイ:もう君を元の世界に帰すことが レイ: レイ:できなかったからね 0: レイ:私の話に付き合ってくれてありがとう レイ: レイ:そろそろお別れの時間だ 0: レイ:どうした レイ: レイ:急に怖くなってしまったのかい レイ: レイ:そんなに怯える必要はない レイ: レイ:さっき君が言っていただろう レイ: レイ:止まない雨はないと 0: レイ:確かに君は レイ: レイ:この雨に一度溺れかけた レイ: レイ:でも君はまだ レイ: レイ:彼女のように レイ: レイ:泡となって消えてはいない レイ: レイ:やり直せるんだ 0: レイ:かおりさん レイ: レイ:どうか レイ: レイ:私の言葉を覚えていてほしい 0: レイ:目を覚ました後も レイ: レイ:この雨は降り続けているだろう レイ: レイ:そして君が前に進もうとすれば レイ: レイ:どこまでも邪魔しようとする レイ: レイ:でもね レイ: レイ:自分の心の雨に、飲み込まれてはいけないよ 0: レイ:どんなに凄い雨音の中でも レイ: レイ:しっかりと、自分の声を聞いてあげるんだ レイ: レイ:次、また自分を見失ってしまうようなことがあれば レイ: レイ:今度こそ レイ: レイ:君は自分の雨に溺れ レイ: レイ:泡となって消えてしまうからね 0: レイ:分かったかい? レイ: レイ:あぁ。いい返事だ 0: レイ:長話をしてしまってすまなかったね レイ: レイ:そのトンネルを抜ければ元の世界に戻れる レイ: レイ:お元気で 0: レイ:ん?ハンカチ? レイ: レイ:私の肩が雨で濡れてる? レイ: レイ:ははっ レイ: レイ:君がそんなことを心配しなくていいんだよ 0: レイ:君の方が レイ: レイ:長い時間、雨に打たれているせいで レイ: レイ:全身びしょ濡れじゃないか レイ: レイ:…気づかなかったって レイ: レイ:はは。本当に優しんだな。君は 0: レイ:ん? レイ: レイ:さっき一緒にココアを飲んでいたとき レイ: レイ:一瞬雨が止んだような気がした? レイ: レイ:あぁ…そうか レイ: レイ:それは…良かった 0: レイ:元の世界に戻ったら レイ: レイ:…隣で一緒に笑いながら レイ: レイ:ココアを飲んでくれる奴を探すんだよ 0: レイ:…。 レイ: レイ:君はそんな風に笑うんだね レイ: レイ:いや、なんでもない 0: レイ:君ならもう大丈夫だ レイ: レイ:私は、ここから君を応援している レイ: レイ:君は、1人じゃない 0: レイ:またねは言わない レイ: レイ:もうここに来ないことを祈っているよ 0: レイ:あぁ。さようなら 0: レイ:長い間…苦しんできた君の心が レイ: レイ:どうか、晴れますように

レイ:こんにちは レイ: レイ:凄い雨だね レイ: レイ:ん?私かい? レイ: レイ:私は、レイ レイ: レイ:君、名前は? 0: レイ:そうか レイ: レイ:覚えていないのか レイ: レイ:気づいたらここにいたんだね 0: レイ:さっきから レイ: レイ:ずっと空を眺めているけど レイ: レイ:どうだい? レイ: レイ:雨は止みそうかい? レイ: レイ:そうか レイ: レイ:まだ、しばらく止みそうにないか 0: レイ:なるほど レイ: レイ:君は、もう一度 レイ: レイ:雲一つない青空が見たくてここにいるんだね レイ: レイ:そうか レイ: レイ:君が過去に見たその青空は レイ: レイ:きっと今私が想像している青空の何倍も レイ: レイ:綺麗だったんだろうね 0: レイ:確かに レイ: レイ:温かい日の光はとても心地よい レイ: レイ:あぁ、そうだね レイ: レイ:何もかもがキラキラ輝いて見える レイ: レイ:背中に羽が生えたような感じがした? レイ: レイ:はは。それはいいな レイ: レイ:なんでもできてしまいそうだ 0: レイ:そうか レイ: レイ:それも、もうずっと前の話なんだね レイ: レイ:でもその心地よさを覚えているからこそ レイ: レイ:君はこの雨の中も レイ: レイ:耐えることができているんだね 0: レイ:止まない雨はない? レイ: レイ:ああ。そうだね レイ: レイ:確かに、止まない雨はない レイ: レイ:でも レイ: レイ:こんな土砂降りの雨の中で レイ: レイ:いつ来るか分からない レイ: レイ:「そのとき」を信じて待ち続けるのって レイ: レイ:辛くはないかい? 0: レイ:すまない レイ: レイ:そんな顔をしないでくれ 0: レイ:でもそうだとは思わないかい? レイ: レイ:この雨がいつ止むかなんて レイ: レイ:誰にも分からないんだ レイ: レイ:その雨が止むのは明日かもしれないけれど レイ: レイ:もしかしたら レイ: レイ:何十年後になるかもしれない 0: レイ:人間という生き物は弱いんだ レイ: レイ:もうこの雨は止むことなんてないんじゃないか レイ: レイ:なんて レイ: レイ:そんな考えが一度でも頭に浮かんでしまったら レイ: レイ:どんどん不安が募っていき レイ: レイ:その不安は自分の心を更に曇らせる 0: レイ:自分を信じ抜くって レイ: レイ:とても難しいことなんだよ 0: レイ:不安に耐えられず レイ: レイ:再び自分の目で綺麗な青空を見ることもないまま レイ: レイ:雨に溺れ、泡となり レイ: レイ:消えてしまう者も多い レイ: レイ:そう レイ: レイ:誰にも気づかれることなく、ね 0: レイ:彼女もそうだった レイ: レイ:あぁ。私の大切な人だよ 0: レイ:良ければもう少し レイ: レイ:私の話に付き合ってはくれないかい? レイ: レイ:ありがとう 0: レイ:あ、そうだ レイ: レイ:君、ココア飲めるかい? レイ: レイ:それは良かった レイ: レイ:じゃあこれ、あげる レイ: レイ:少しは体が温まると思うよ レイ: レイ:遠慮しないで レイ: レイ:ほら、一緒に飲もう 0: レイ:その彼女はね レイ: レイ:幼いころからずっと雨の中にいたんだ レイ: レイ:周りに、傘を差してくれるような人も レイ: レイ:誰もいなかったらしくてね レイ: レイ:彼女はずっと レイ: レイ:一人ぼっちでその雨に耐えていた 0: レイ:彼女がここまで頑張れたのは レイ: レイ:夢があったからだ レイ: レイ:そう。夢だ レイ: レイ:いつか青空の下で幸せに暮らす、というね レイ: レイ:でも。現実は彼女にとても厳しかった 0: レイ:彼女は雨の中 レイ: レイ:一生懸命前に進もうとするが レイ: レイ:少し進めたと思っても レイ: レイ:すぐに後ろに吹き飛ばされて レイ: レイ:なかなか前には進めさせてはくれない レイ: レイ:激しい雨風は彼女の視覚や聴覚を奪い レイ: レイ:彼女が助けを求めるか細い声もかき消した 0: レイ:雨は、どこまでも、どこまでも レイ: レイ:必死に前に進もうとする彼女の邪魔をし続けた 0: レイ:あぁ レイ: レイ:だから彼女には、多くの傷があったよ レイ: レイ:心にも、体にも、ね 0: レイ:でもその雨は止むことなく レイ: レイ:どんどん酷くなっていったんだ レイ: レイ:そして レイ: レイ:彼女はだんだんと、希望を失っていった 0: レイ:本当にこの目で青空を見れる日は来るのだろうか レイ: レイ:その日はいつ来るんだろうか、と レイ: レイ:毎日毎日そんなことばかりを考えるようになった レイ: レイ:そして、ある日 レイ: レイ:彼女はふと思ってしまった レイ: レイ:たとえ空が晴れたとしても レイ: レイ:自分はもう レイ: レイ:その日の光に耐えることはできないんじゃないか、とね 0: レイ:それなら レイ: レイ:もう自分には、夢を叶えることなんてできない レイ: レイ:じゃあ、なんのために耐えているのか レイ: レイ:自分はなんのために生きているのか レイ: レイ:自分は…どうしたいのか レイ: レイ:そう彼女は レイ: レイ:分からなくなってしまったんだ 0: レイ:彼女はね レイ: レイ:雨の中で自分を見失ってしまった レイ: レイ:…そう レイ: レイ:雨に飲まれてしまったんだ 0: レイ:そのとき彼女は レイ: レイ:自分の頬が濡れていることに気づいていたが レイ: レイ:それが涙のせいなのか レイ: レイ:はたまた雨のせいなのかも レイ: レイ:彼女には分からなくなっていたんだよ 0: レイ:気づけば レイ: レイ:もう彼女は雨の中 レイ: レイ:立っていることさえもできなくなっていた 0: レイ:彼女かい? レイ: レイ:…あぁ。彼女はね レイ: レイ:雨に溺れ泡となって消えてしまったよ 0: レイ:私は思ったんだよ レイ: レイ:もし彼女の隣で1人でも レイ: レイ:共に晴れる日を待ってくれる人がいたのなら レイ: レイ:傘をそっと差してくれる人がいたのなら レイ: レイ:彼女の未来は レイ: レイ:大きく変わっていたんではないか レイ: レイ:…そう レイ: レイ:青空の下で幸せに暮らしていたんじゃないかってね 0: レイ:ん?私かい? レイ: レイ:あぁ レイ: レイ:私もね、愚かなことに レイ: レイ:彼女の側にずっといたのに レイ: レイ:彼女が雨の中にいたことに レイ: レイ:気づかなかったんだ レイ: レイ:私は何度も彼女に傘を差してもらったというのに 0: レイ:私はずっと レイ: レイ:彼女と一緒の空を見ているつもりだった レイ: レイ:私が、空が綺麗だねというと レイ: レイ:彼女も笑顔で綺麗だねと言ってくれたのだから レイ: レイ:でもそれは間違いだった 0: レイ:そう、気づいたのは レイ: レイ:彼女が手の届かないところに レイ: レイ:行ってしまった後だった 0: レイ:そんな悲しい顔をしないでくれ レイ: レイ:私たちは今、ちゃんと幸せだからさ 0: レイ:あぁ レイ: レイ:だから私はね レイ: レイ:彼女の後を追いかけたんだよ レイ: レイ:だからこの世界にいるんだ レイ: レイ:彼女はとても レイ: レイ:申し訳なさそうな顔をしていたけどね 0: レイ:でもこの世界に来てやっと レイ: レイ:彼女の本当の笑顔を見ることができたんだよ レイ: レイ:彼女と同じ景色も見ることができた レイ: レイ:だから私たちは レイ: レイ:幸せなんだ 0: レイ:でもね、君は レイ: レイ:まだここに来てはいけない 0: レイ:藍沢かおりさん 0: レイ:君の名前だ レイ: レイ:思い出したかい? レイ: レイ:欠けていた記憶の全てを レイ: レイ:この雨の正体を 0: レイ:そうか。よかった 0: レイ:危ないところだったよ レイ: レイ:この雨に溺れてしまったら レイ: レイ:もう君を元の世界に帰すことが レイ: レイ:できなかったからね 0: レイ:私の話に付き合ってくれてありがとう レイ: レイ:そろそろお別れの時間だ 0: レイ:どうした レイ: レイ:急に怖くなってしまったのかい レイ: レイ:そんなに怯える必要はない レイ: レイ:さっき君が言っていただろう レイ: レイ:止まない雨はないと 0: レイ:確かに君は レイ: レイ:この雨に一度溺れかけた レイ: レイ:でも君はまだ レイ: レイ:彼女のように レイ: レイ:泡となって消えてはいない レイ: レイ:やり直せるんだ 0: レイ:かおりさん レイ: レイ:どうか レイ: レイ:私の言葉を覚えていてほしい 0: レイ:目を覚ました後も レイ: レイ:この雨は降り続けているだろう レイ: レイ:そして君が前に進もうとすれば レイ: レイ:どこまでも邪魔しようとする レイ: レイ:でもね レイ: レイ:自分の心の雨に、飲み込まれてはいけないよ 0: レイ:どんなに凄い雨音の中でも レイ: レイ:しっかりと、自分の声を聞いてあげるんだ レイ: レイ:次、また自分を見失ってしまうようなことがあれば レイ: レイ:今度こそ レイ: レイ:君は自分の雨に溺れ レイ: レイ:泡となって消えてしまうからね 0: レイ:分かったかい? レイ: レイ:あぁ。いい返事だ 0: レイ:長話をしてしまってすまなかったね レイ: レイ:そのトンネルを抜ければ元の世界に戻れる レイ: レイ:お元気で 0: レイ:ん?ハンカチ? レイ: レイ:私の肩が雨で濡れてる? レイ: レイ:ははっ レイ: レイ:君がそんなことを心配しなくていいんだよ 0: レイ:君の方が レイ: レイ:長い時間、雨に打たれているせいで レイ: レイ:全身びしょ濡れじゃないか レイ: レイ:…気づかなかったって レイ: レイ:はは。本当に優しんだな。君は 0: レイ:ん? レイ: レイ:さっき一緒にココアを飲んでいたとき レイ: レイ:一瞬雨が止んだような気がした? レイ: レイ:あぁ…そうか レイ: レイ:それは…良かった 0: レイ:元の世界に戻ったら レイ: レイ:…隣で一緒に笑いながら レイ: レイ:ココアを飲んでくれる奴を探すんだよ 0: レイ:…。 レイ: レイ:君はそんな風に笑うんだね レイ: レイ:いや、なんでもない 0: レイ:君ならもう大丈夫だ レイ: レイ:私は、ここから君を応援している レイ: レイ:君は、1人じゃない 0: レイ:またねは言わない レイ: レイ:もうここに来ないことを祈っているよ 0: レイ:あぁ。さようなら 0: レイ:長い間…苦しんできた君の心が レイ: レイ:どうか、晴れますように