台本概要

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タイトル 春がまたたくひと時に
作者名 惺月-sizuku-  (@sizuku_voice)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 ある2人の出会いのお話です。
シナリオの内容が変わるほどの大きな改変はNGですが、変わらなければアドリブ改変可能です。
3作目になります。
不備などがあれば、お手数ですがXにてお知らせください。

では、いってらっしゃいませ!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
晴翔 86 (はると)高校1年生。季節を感じるのが好き。
空桜 - (あお)女性。見た目はおしとやかな感じだが、性格は天真爛漫。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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タイトル:春がまたたくひと時に 登場人物: 晴翔:(はると)高校1年生。季節を感じるのが好き。 空桜 :(あお)女性。見た目はおしとやかな感じだが、性格は天真爛漫。 0:アクト! 晴翔:だいぶあたたくなったなぁ 晴翔M:つい1週間前までは風が冷たかったがもう季節の交代が来たらしい。 晴翔:すぅ〜、はぁ〜。やっぱりもう春だ 晴翔M:春の香りを感じ、そう呟く。俺はこの香りが好きだ。いや、春だけじゃない。季節の始まりを感じる香りは全て好きだ。 晴翔:ということは、桜の開花ももうすぐだな 晴翔M:すっかり上機嫌になり、階段を降りる。俺は桜も好きだ。花に詳しくは無いが、桜の儚げさと美しさにいつも魅了される。るんるんと歩いていたが、ふと桜の状態が気になり、校舎裏に行き先を変えることにした。 晴翔M:うちの高校は校門に桜があるが、校舎裏にも1本の桜の木がある。そこはとても静かで、どこか落ち着く雰囲気がある場所だ。そして、その空間が桜をさらに美しく魅せている。 0:校舎裏につき、桜を見上げる。 晴翔:⋯まだか。 晴翔M:まだ開花していなかった。だが、蕾がついている。綺麗な姿を見る日も近いだろう。少し残念に思い、踵を返そうとした時ーーー 空桜 :綺麗だね 晴翔M:声がして、その方に振り返る。そこには女性が立っていた。他に人がいるとは思っていなかったので、驚きで返事を返せずにいると… 空桜 :桜、綺麗だね 晴翔M:彼女がそう言った。おかしい、桜はまだ開花していないのに何故綺麗だと彼女は言うのだろうか。 晴翔:まだ咲いてないけど? 晴翔M:つい口にしてしまった。 空桜 :うん、でも綺麗よ 晴翔:なぜ、そう思う? 空桜 :頑張って咲こうとしてるじゃない 晴翔M:そこまで聞いてやっと意味がわかった。咲こうとしている姿が綺麗だなんて、詩人だな。 晴翔:お前、いつから居た? 空桜 :君が来る前だよ 晴翔:全然気づかなかった 空桜 :桜に夢中だったもんね〜ふふっ 晴翔:⋯照 空桜 :君、いつもここに来るよねぇ〜本当に桜が好きなんだねぇ 晴翔M:どうやら見られていたらしい。それにしてもいつもってことは彼女も俺と同じこの高校の学生か? 晴翔:いつもって、お前もよくここに来るのか? 空桜 :うん、いつもここにいるよ 晴翔:見た事ないんだけど 空桜 :そりゃ、君は桜に一直線だからでしょ笑 晴翔:からかうなよ 空桜 :ごめん、ごめん笑 晴翔:本当に見かけた記憶がないんだが… 空桜 :じゃあ、初めましてってことで自己紹介でもしよっか 晴翔:いきなりだな 空桜 :ふふっ、私は空桜 晴翔:俺は⋯はr 空桜 :晴翔でしょ 晴翔:なぜ知っている? 空桜 :私は君のことなら結構知っているよ 晴翔:もうしかして⋯同じクラスだった⋯とか? 空桜 :いいや、まったく 晴翔:違うんかい! 空桜 :ふふっ、君と話していると楽しいね 晴翔:そりゃ、どーも 空桜 :ふふっ。それにしても…春が来たねぇ 晴翔:暖かくなってきたよな 空桜 :うん!それに⋯春の香りがする 晴翔:!!分かるのか? 空桜 :分かるよ 晴翔M:驚いた。空桜も季節の香りが分かるのか。今まで俺の周りにはいなかった。 空桜 :季節の香りはいいよね〜 晴翔:あぁ、始まりを感じるところがいいよな 空桜 :私は中でも春が好き 晴翔:俺もだ 空桜 :おぉ、おそろっちですな 晴翔:なんだそれ 空桜 :前にここら辺で話してた子達が使ってたよ、流行りじゃないの? 晴翔:いや、初めて聞いたけど 空桜 :えぇ〜、でも可愛くない? 晴翔:いや、幼く見えて恥ずい 空桜 :君は恥ずかしがり屋だなぁ 晴翔M:そう言いながら、ケラケラと笑う空桜。本当に不思議な子だ。見た目は上品でおしとやかな感じだが、性格は天真爛漫で幼さがある。かと思えば、何かを見据えたような発言をする。 0:――― 晴翔:俺はそろそろ行くから 空桜 :もう行っちゃうの? 晴翔:あぁ、桜が咲いているか見に来ただけだし 空桜 :えぇーせっかくだからもっと話そうよ 晴翔:また何時でも話せるだろ? 空桜 :君とこの瞬間話せるのは今だけだよ? 晴翔:そんなに大切か? 空桜 :大切だよ 晴翔:でもちょっと桜を見に来ただけだし、用事もあるからさ 空桜 :そっか、それはごめんね 晴翔:…そんなにシュンとするなよ。次会う約束でもすればいいだろ 空桜 :してくれるの!? 晴翔:大袈裟。いいよ、連絡先交換するか 空桜 :あぁ、ごめん。私携帯持ってない 晴翔:珍しいな 空桜 :貴重種でーす! 晴翔:ドヤるとこじゃないだろ 空桜 :てへぺろっ 晴翔:はぁ。ほら、いつにするか決めるぞ 空桜 :私はいつでもいいよ 晴翔:なら、明後日にしよう。その日なら空いてる 空桜 :桜を見ようの会結成だね! 晴翔:お前なぁ 空桜 :ふふっ、じゃあまた明後日 晴翔:はあ。あぁ、またな 晴翔M:こうして俺と空桜の奇妙な会は結成された。空桜は桜にとても詳しいらしく、会う度に色々教えてくれた。あの桜はかなり前からあること、桜の花言葉、桜の種類…どれも俺の知らないことばかりで、空桜との時間は悪くはなかった 0:――― 晴翔:そろそろ満開だな 空桜 :うん、だいぶ開花してきたね 晴翔:あぁ 空桜 :君は桜の特にどこが好きなの? 晴翔:もちろん、満開に咲いた時だな。ずっと見ていられる 空桜 :1番輝いている時だからね〜 晴翔:あぁ、同じ花びらが重なっているから濃い色になるはずなのに全体で見ると優しさというか少し儚げに見えて、でも凛とした美しさも持ってて… 空桜 :なるほど、君はギャップ萌えタイプか 晴翔:なぜそうなる? 空桜 :ふふっ、でもそれは同じじゃないからじゃないかな 晴翔:同じじゃない? 空桜 :桜の花びらはね、同じように見えるけど1枚1枚がちょっと違うんだよ。色も形もね 晴翔:そうなのか? 空桜 :うん、だからこそ、花びらが重ね合わさった時に最高の美しさを魅せることが出来るんだよ 晴翔:なるほど、桜にそんな秘密が… 空桜 :ふふっ、まるで1人1人が手を重ねれば、もっと素敵なことが起こせるって私たちに訴えかけているみたい…なんてね 晴翔:空桜 って時々名言めいたこと言うよな 空桜 :ふっふ〜ん! 晴翔:ドヤ顔ウザい 空桜 :ひど〜い!!! 晴翔:ふっ 空桜 :ふふっ 0:――― 晴翔:この桜も散り始めたな 空桜 :潮時ですな〜 晴翔:また来年だな 空桜 : ⋯そうだね 晴翔:どうかしたか 空桜 : ⋯ねぇ 晴翔:なんだ 空桜 :実は君と会うのは今日で最後なんだ 晴翔:そうなのか? 空桜 :うん 晴翔:そうか⋯じゃあ桜を見ようの会は解散だな 空桜 :何そのダサい名前の会 晴翔:お前が考えたんだろ! 空桜 :そーだっけ?笑笑 晴翔:空桜 空桜 :ごめんごめん笑笑 晴翔:それで、なんで最後なんだ 空桜 :うん、実はね、私はこの桜の心なんだよ 晴翔:⋯どういう意味だ 空桜 :そのままの意味だよ。私はこの子(桜)なんだよ 晴翔:ちょっと受け入れ難いんだが 空桜 :いいよ、それでも。私ね、ずっとここで1人だったんだ。頑張って咲いても誰も見てくれなかった。でも去年から君が見てくれるようになったでしょ?夏とかも話しかけてくれたりして⋯ 晴翔:ちょっと待て、見てたのか 空桜 :うん、何度も言うけど私はこの子(桜)の心だからね。感じたものは私にも共有されるよ 晴翔:マジか、恥ずかしすぎる 空桜 :ふふっ、私は嬉しかったけどね。それでね、君のことを見てるうちに話してみたくなったんだ。 晴翔:それでそんな姿に? 空桜 :うん、この春だけ 晴翔:この春だけ? 空桜 :前にも話したけど、私はだいぶ長いことここにいるんだよね。だから力も無くなってきているんだ。だから、たくさんエネルギーを使える春の始まりから満開の瞬感までが私がここにいれる時間なんだ 晴翔:そう、だったのか⋯ 空桜 :君との時間とても楽しかったよ。たくさん話して、笑って、怒られて、ふざけて⋯ 晴翔:ふざけてたのは空桜だけだったけどな 空桜 :えぇ〜そんなこと⋯ないよ? 晴翔:疑問形じゃねーか 空桜 :ふふっ⋯もっと話したかったけど⋯そろそろかな 晴翔M:寂しそうに笑う空桜の身体は光を帯び、少しずつ透けていっていた。俺はたまらず問いかける。 晴翔:また、会えるのか? 空桜 :分からない。でも、君との時間は忘れないよ 晴翔:俺も忘れない。空桜との時間⋯とても楽しかった 空桜 :おぉ、珍しく素直だ 晴翔:茶化すな 空桜 :ふふっ⋯さよならだね 晴翔:それは違う 空桜 :えっ 晴翔:次会う約束でもすればいいだろ 空桜 :!!でも会える保証なんて⋯ 晴翔:会えない保証もないだろ 空桜 :!!また、会ってくれるの? 晴翔:あぁ 空桜 :嬉しい!!ありがとう、ありがとう 晴翔:それに会えなくても俺はここで空桜に話しかけ続けるさ、だから来年また会いに来い 空桜 :うん、きっと行くよ! 晴翔:約束だ 空桜 :ふふっ、約束! 0:――― 空桜 :そろそろ行くね…ねぇ 晴翔:なんだ 空桜 :君と話して改めて思ったんだよね。私が満開でいられるのが一瞬なように君との出会いも一瞬だと思えるくらいあっという間だったなって。だから、君には一瞬という時を大切にして欲しい 晴翔:あぁ、分かってるよ 空桜 :本当に? 晴翔:本当だって。俺も空桜と出会って同じ事思っていたんだ 空桜 :本当かなぁ〜 晴翔:なんだよ、そんなに信じられないかよ 空桜 :うーそ、信じるよ。ありがとう 晴翔:⋯俺もひとつ言わせてくれ。空桜と出会って、たくさんのことを知って、感じることが出来た。ありがとう 空桜 :うん…じゃあ、行くね 晴翔:またな、空桜 ! 空桜 :またね、晴翔! 0:1年後――― 晴翔:今年も綺麗に咲きそうだなぁ 空桜 :綺麗だね 晴翔:!!あぁ、綺麗だ

タイトル:春がまたたくひと時に 登場人物: 晴翔:(はると)高校1年生。季節を感じるのが好き。 空桜 :(あお)女性。見た目はおしとやかな感じだが、性格は天真爛漫。 0:アクト! 晴翔:だいぶあたたくなったなぁ 晴翔M:つい1週間前までは風が冷たかったがもう季節の交代が来たらしい。 晴翔:すぅ〜、はぁ〜。やっぱりもう春だ 晴翔M:春の香りを感じ、そう呟く。俺はこの香りが好きだ。いや、春だけじゃない。季節の始まりを感じる香りは全て好きだ。 晴翔:ということは、桜の開花ももうすぐだな 晴翔M:すっかり上機嫌になり、階段を降りる。俺は桜も好きだ。花に詳しくは無いが、桜の儚げさと美しさにいつも魅了される。るんるんと歩いていたが、ふと桜の状態が気になり、校舎裏に行き先を変えることにした。 晴翔M:うちの高校は校門に桜があるが、校舎裏にも1本の桜の木がある。そこはとても静かで、どこか落ち着く雰囲気がある場所だ。そして、その空間が桜をさらに美しく魅せている。 0:校舎裏につき、桜を見上げる。 晴翔:⋯まだか。 晴翔M:まだ開花していなかった。だが、蕾がついている。綺麗な姿を見る日も近いだろう。少し残念に思い、踵を返そうとした時ーーー 空桜 :綺麗だね 晴翔M:声がして、その方に振り返る。そこには女性が立っていた。他に人がいるとは思っていなかったので、驚きで返事を返せずにいると… 空桜 :桜、綺麗だね 晴翔M:彼女がそう言った。おかしい、桜はまだ開花していないのに何故綺麗だと彼女は言うのだろうか。 晴翔:まだ咲いてないけど? 晴翔M:つい口にしてしまった。 空桜 :うん、でも綺麗よ 晴翔:なぜ、そう思う? 空桜 :頑張って咲こうとしてるじゃない 晴翔M:そこまで聞いてやっと意味がわかった。咲こうとしている姿が綺麗だなんて、詩人だな。 晴翔:お前、いつから居た? 空桜 :君が来る前だよ 晴翔:全然気づかなかった 空桜 :桜に夢中だったもんね〜ふふっ 晴翔:⋯照 空桜 :君、いつもここに来るよねぇ〜本当に桜が好きなんだねぇ 晴翔M:どうやら見られていたらしい。それにしてもいつもってことは彼女も俺と同じこの高校の学生か? 晴翔:いつもって、お前もよくここに来るのか? 空桜 :うん、いつもここにいるよ 晴翔:見た事ないんだけど 空桜 :そりゃ、君は桜に一直線だからでしょ笑 晴翔:からかうなよ 空桜 :ごめん、ごめん笑 晴翔:本当に見かけた記憶がないんだが… 空桜 :じゃあ、初めましてってことで自己紹介でもしよっか 晴翔:いきなりだな 空桜 :ふふっ、私は空桜 晴翔:俺は⋯はr 空桜 :晴翔でしょ 晴翔:なぜ知っている? 空桜 :私は君のことなら結構知っているよ 晴翔:もうしかして⋯同じクラスだった⋯とか? 空桜 :いいや、まったく 晴翔:違うんかい! 空桜 :ふふっ、君と話していると楽しいね 晴翔:そりゃ、どーも 空桜 :ふふっ。それにしても…春が来たねぇ 晴翔:暖かくなってきたよな 空桜 :うん!それに⋯春の香りがする 晴翔:!!分かるのか? 空桜 :分かるよ 晴翔M:驚いた。空桜も季節の香りが分かるのか。今まで俺の周りにはいなかった。 空桜 :季節の香りはいいよね〜 晴翔:あぁ、始まりを感じるところがいいよな 空桜 :私は中でも春が好き 晴翔:俺もだ 空桜 :おぉ、おそろっちですな 晴翔:なんだそれ 空桜 :前にここら辺で話してた子達が使ってたよ、流行りじゃないの? 晴翔:いや、初めて聞いたけど 空桜 :えぇ〜、でも可愛くない? 晴翔:いや、幼く見えて恥ずい 空桜 :君は恥ずかしがり屋だなぁ 晴翔M:そう言いながら、ケラケラと笑う空桜。本当に不思議な子だ。見た目は上品でおしとやかな感じだが、性格は天真爛漫で幼さがある。かと思えば、何かを見据えたような発言をする。 0:――― 晴翔:俺はそろそろ行くから 空桜 :もう行っちゃうの? 晴翔:あぁ、桜が咲いているか見に来ただけだし 空桜 :えぇーせっかくだからもっと話そうよ 晴翔:また何時でも話せるだろ? 空桜 :君とこの瞬間話せるのは今だけだよ? 晴翔:そんなに大切か? 空桜 :大切だよ 晴翔:でもちょっと桜を見に来ただけだし、用事もあるからさ 空桜 :そっか、それはごめんね 晴翔:…そんなにシュンとするなよ。次会う約束でもすればいいだろ 空桜 :してくれるの!? 晴翔:大袈裟。いいよ、連絡先交換するか 空桜 :あぁ、ごめん。私携帯持ってない 晴翔:珍しいな 空桜 :貴重種でーす! 晴翔:ドヤるとこじゃないだろ 空桜 :てへぺろっ 晴翔:はぁ。ほら、いつにするか決めるぞ 空桜 :私はいつでもいいよ 晴翔:なら、明後日にしよう。その日なら空いてる 空桜 :桜を見ようの会結成だね! 晴翔:お前なぁ 空桜 :ふふっ、じゃあまた明後日 晴翔:はあ。あぁ、またな 晴翔M:こうして俺と空桜の奇妙な会は結成された。空桜は桜にとても詳しいらしく、会う度に色々教えてくれた。あの桜はかなり前からあること、桜の花言葉、桜の種類…どれも俺の知らないことばかりで、空桜との時間は悪くはなかった 0:――― 晴翔:そろそろ満開だな 空桜 :うん、だいぶ開花してきたね 晴翔:あぁ 空桜 :君は桜の特にどこが好きなの? 晴翔:もちろん、満開に咲いた時だな。ずっと見ていられる 空桜 :1番輝いている時だからね〜 晴翔:あぁ、同じ花びらが重なっているから濃い色になるはずなのに全体で見ると優しさというか少し儚げに見えて、でも凛とした美しさも持ってて… 空桜 :なるほど、君はギャップ萌えタイプか 晴翔:なぜそうなる? 空桜 :ふふっ、でもそれは同じじゃないからじゃないかな 晴翔:同じじゃない? 空桜 :桜の花びらはね、同じように見えるけど1枚1枚がちょっと違うんだよ。色も形もね 晴翔:そうなのか? 空桜 :うん、だからこそ、花びらが重ね合わさった時に最高の美しさを魅せることが出来るんだよ 晴翔:なるほど、桜にそんな秘密が… 空桜 :ふふっ、まるで1人1人が手を重ねれば、もっと素敵なことが起こせるって私たちに訴えかけているみたい…なんてね 晴翔:空桜 って時々名言めいたこと言うよな 空桜 :ふっふ〜ん! 晴翔:ドヤ顔ウザい 空桜 :ひど〜い!!! 晴翔:ふっ 空桜 :ふふっ 0:――― 晴翔:この桜も散り始めたな 空桜 :潮時ですな〜 晴翔:また来年だな 空桜 : ⋯そうだね 晴翔:どうかしたか 空桜 : ⋯ねぇ 晴翔:なんだ 空桜 :実は君と会うのは今日で最後なんだ 晴翔:そうなのか? 空桜 :うん 晴翔:そうか⋯じゃあ桜を見ようの会は解散だな 空桜 :何そのダサい名前の会 晴翔:お前が考えたんだろ! 空桜 :そーだっけ?笑笑 晴翔:空桜 空桜 :ごめんごめん笑笑 晴翔:それで、なんで最後なんだ 空桜 :うん、実はね、私はこの桜の心なんだよ 晴翔:⋯どういう意味だ 空桜 :そのままの意味だよ。私はこの子(桜)なんだよ 晴翔:ちょっと受け入れ難いんだが 空桜 :いいよ、それでも。私ね、ずっとここで1人だったんだ。頑張って咲いても誰も見てくれなかった。でも去年から君が見てくれるようになったでしょ?夏とかも話しかけてくれたりして⋯ 晴翔:ちょっと待て、見てたのか 空桜 :うん、何度も言うけど私はこの子(桜)の心だからね。感じたものは私にも共有されるよ 晴翔:マジか、恥ずかしすぎる 空桜 :ふふっ、私は嬉しかったけどね。それでね、君のことを見てるうちに話してみたくなったんだ。 晴翔:それでそんな姿に? 空桜 :うん、この春だけ 晴翔:この春だけ? 空桜 :前にも話したけど、私はだいぶ長いことここにいるんだよね。だから力も無くなってきているんだ。だから、たくさんエネルギーを使える春の始まりから満開の瞬感までが私がここにいれる時間なんだ 晴翔:そう、だったのか⋯ 空桜 :君との時間とても楽しかったよ。たくさん話して、笑って、怒られて、ふざけて⋯ 晴翔:ふざけてたのは空桜だけだったけどな 空桜 :えぇ〜そんなこと⋯ないよ? 晴翔:疑問形じゃねーか 空桜 :ふふっ⋯もっと話したかったけど⋯そろそろかな 晴翔M:寂しそうに笑う空桜の身体は光を帯び、少しずつ透けていっていた。俺はたまらず問いかける。 晴翔:また、会えるのか? 空桜 :分からない。でも、君との時間は忘れないよ 晴翔:俺も忘れない。空桜との時間⋯とても楽しかった 空桜 :おぉ、珍しく素直だ 晴翔:茶化すな 空桜 :ふふっ⋯さよならだね 晴翔:それは違う 空桜 :えっ 晴翔:次会う約束でもすればいいだろ 空桜 :!!でも会える保証なんて⋯ 晴翔:会えない保証もないだろ 空桜 :!!また、会ってくれるの? 晴翔:あぁ 空桜 :嬉しい!!ありがとう、ありがとう 晴翔:それに会えなくても俺はここで空桜に話しかけ続けるさ、だから来年また会いに来い 空桜 :うん、きっと行くよ! 晴翔:約束だ 空桜 :ふふっ、約束! 0:――― 空桜 :そろそろ行くね…ねぇ 晴翔:なんだ 空桜 :君と話して改めて思ったんだよね。私が満開でいられるのが一瞬なように君との出会いも一瞬だと思えるくらいあっという間だったなって。だから、君には一瞬という時を大切にして欲しい 晴翔:あぁ、分かってるよ 空桜 :本当に? 晴翔:本当だって。俺も空桜と出会って同じ事思っていたんだ 空桜 :本当かなぁ〜 晴翔:なんだよ、そんなに信じられないかよ 空桜 :うーそ、信じるよ。ありがとう 晴翔:⋯俺もひとつ言わせてくれ。空桜と出会って、たくさんのことを知って、感じることが出来た。ありがとう 空桜 :うん…じゃあ、行くね 晴翔:またな、空桜 ! 空桜 :またね、晴翔! 0:1年後――― 晴翔:今年も綺麗に咲きそうだなぁ 空桜 :綺麗だね 晴翔:!!あぁ、綺麗だ