台本概要

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タイトル 占い師
作者名 ハスキ  (@e8E3z1ze9Yecxs2)
ジャンル その他
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 近所のお年寄りに人気の占師が今日も適当に占いをやっていたが、そこに何やら訳ありのお客がやって来た。その客はどうやら「アレ」を無くしたので占いで探して欲しいと頼むのだった⋯
男女不問。アドリブ大歓迎!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
占師 40 近所のお年寄り相手に適当に運勢やら捜し物の場所とかを言って小銭を稼ぐインチキ占い師。昔は情熱を持った占い師だった。
35 何か訳ありで占師を訪ねてきた客。「あれ」を無くしたので探している。
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
占師:ふー、今日も変な客が多かったな 0: 占師:妻が不倫してるか占って欲しいって、それは探偵とかに頼んでよ 客:あのー⋯ 占師:そろそろこの仕事も⋯潮時かな⋯ 客:あの! 占師:わ!だ、誰!? 客:だ、誰って、占いを頼みに来た者です 占師:あー、お客さんでしたか。考え事をしていて気が付きませんでした 客:占い⋯お願いしても、大丈夫ですか? 占師:あーいいですよ。でも、なんだか暗い顔してますが、大丈夫ですか? 客:暗い顔、ですか。まあ⋯そう言われても仕方ないんですけどね⋯ 占師:ん、それはどういう事ですか? 客:実は今日占いをしてもらいたくて来たのもそれが関係してるんです 占師:はあ、とりあえずお話聞きましょう 客:⋯無くしたんです 占師:無くした⋯?財布か、何かですか? 客:いえ⋯私が無くしたものは⋯「情熱」です 占師:情熱かー⋯情熱!?え、情熱って、あの世間一般で言う所の情熱?? 客:はい、その情熱で間違いないです 占師:えー⋯まじかー 客:あの!私が無くした情熱はいったいどこに行ったんでしょうか!? 占師:そ、それは⋯ 客:探しても探しても、どこにもないんです!私の情熱がどこにあるか、ぜひ占って欲しいんです!! 占師:(M)やっばー!この客は今までにないタイプのやっばい客だよ~!何?無くした情熱を探してくれって!? 0: 占師:(M)こっちは爺さん婆さんを相手に適当に運勢やら捜し物の場所とかを言って小銭を稼ぐインチキ占い師だってのに~! 占師:あの、そういうのはちょっと、占えないと言いますか⋯ 客:最初私はいろんな人に聞いて回りながら探してたんですが、誰に聞いても知らないと言われ⋯ 占師:それはそうでしょうねー 客:探偵に聞いても断られ、警察に聞いても断られ⋯ 占師:それは探偵さんも警察の方も戸惑ってただろうなー 客:もしかしたら落し物センターに無いかと訪ねてみたんですが⋯そんな落し物は上がって無いと⋯ 占師:落し物センターにそんなんあるかー! 客:そして困った私は知り合いのお爺ちゃんお婆ちゃんに良く当たると評判の占い師が近所に居ると聞いて、藁(わら)をも掴む思いでここまでやって来たんです! 占師:あ、あの!落ち着いて聞いて下さい 客:は、はい⋯ 占師:大変言いにくいんですが⋯それは私には無理です 客:え、な、なぜですか? 占師:それは⋯私がインチキ占い師であり、あなたと同じで、情熱を無くした人間だからです。 客:え⋯占い師さんも、情熱を無くされてたんですか? 占師:そうです。私も最初は占い師に憧れて、情熱を持ってこの世界に入って来ました 占師:しかし現実はこうです。同期で始めた占い師仲間には先を越され、今や芸能人が通って来るほどの有名人でテレビに引っ張りダコ。私はと言うとただの売れない占い師です 客:そ、それは辛いですね⋯ 占師:いつかは見返してやる!と頑張ってたんですが。焦りからか返って失敗ばかりが増えて⋯そうして気がついたら、情熱を無くしてたんです 客:⋯ 占師:分かったでしょう?私じゃ力になれない事が 客:⋯そんな事はありません 占師:え⋯? 客:実は私、嘘をついてました 占師:え、嘘⋯ですか? 客:はい。情熱を無くしたって、あれ嘘なんです 占師:なっ!⋯なんで、そんな嘘を? 客:私の事、覚えてませんか?10年前、あなたに仕事の事で占ってもらった者です 占師:10年前⋯って、まさかあの時の! 客:はい。私は当時勤めていた会社をクビになり、途方に暮れていました⋯ 占師:⋯ 客:そんな時、ふと目に入った占いの看板に私は吸い寄せられるように入っていきました 客:私は生きる希望を無くしてたんです。そんな私でしたが、あなたの言葉で私は救われたんです 占師:私の言葉? 客:そうです。「私はあなたが自分の居場所を作り、幸せに生きる未来が見える。だから今は腐らず頑張るべきだ」と 占師:たしかに、元気づける意味でもそんな風な事を言ったかも知れませんが⋯ 客:まるで雷に打たれたような気分でした 占師:そ、そんなにですか? 客:それからの私は変わりました。あ、これ私の名刺です 占師:え⋯?こ、これって!? 客:私が立ち上げた会社です。最初は小さな会社でしたが、あなたの言葉を胸に努力を続け、今や海外にも支店を持つ会社に成長致しました 占師:す、すごい⋯めちゃくちゃ有名な大企業じゃないですか⋯ 客:あなたの占いは、ちゃんと未来が見えてましたよ。ありがとうございます 占師:い、いえ、私は別に大した事は⋯ 客:今日はあなたに会えて良かった。風の噂であなたが占い師を辞めるつもりだと聞きましたから 占師:そこまで⋯知ってたんですね 客:これはあの時のお礼です。どうぞお納め下さい 占師:え⋯こっ、こんなに!?い、頂けませんよこんな大金! 客:また、これからも迷える人達をあなたの占いで救ってあげて下さい。では、私はこれで 占師:あ⋯ 占師:⋯そうだね。一からまた、出直して頑張ってみようか⋯未来は、自分次第だ :おわり

占師:ふー、今日も変な客が多かったな 0: 占師:妻が不倫してるか占って欲しいって、それは探偵とかに頼んでよ 客:あのー⋯ 占師:そろそろこの仕事も⋯潮時かな⋯ 客:あの! 占師:わ!だ、誰!? 客:だ、誰って、占いを頼みに来た者です 占師:あー、お客さんでしたか。考え事をしていて気が付きませんでした 客:占い⋯お願いしても、大丈夫ですか? 占師:あーいいですよ。でも、なんだか暗い顔してますが、大丈夫ですか? 客:暗い顔、ですか。まあ⋯そう言われても仕方ないんですけどね⋯ 占師:ん、それはどういう事ですか? 客:実は今日占いをしてもらいたくて来たのもそれが関係してるんです 占師:はあ、とりあえずお話聞きましょう 客:⋯無くしたんです 占師:無くした⋯?財布か、何かですか? 客:いえ⋯私が無くしたものは⋯「情熱」です 占師:情熱かー⋯情熱!?え、情熱って、あの世間一般で言う所の情熱?? 客:はい、その情熱で間違いないです 占師:えー⋯まじかー 客:あの!私が無くした情熱はいったいどこに行ったんでしょうか!? 占師:そ、それは⋯ 客:探しても探しても、どこにもないんです!私の情熱がどこにあるか、ぜひ占って欲しいんです!! 占師:(M)やっばー!この客は今までにないタイプのやっばい客だよ~!何?無くした情熱を探してくれって!? 0: 占師:(M)こっちは爺さん婆さんを相手に適当に運勢やら捜し物の場所とかを言って小銭を稼ぐインチキ占い師だってのに~! 占師:あの、そういうのはちょっと、占えないと言いますか⋯ 客:最初私はいろんな人に聞いて回りながら探してたんですが、誰に聞いても知らないと言われ⋯ 占師:それはそうでしょうねー 客:探偵に聞いても断られ、警察に聞いても断られ⋯ 占師:それは探偵さんも警察の方も戸惑ってただろうなー 客:もしかしたら落し物センターに無いかと訪ねてみたんですが⋯そんな落し物は上がって無いと⋯ 占師:落し物センターにそんなんあるかー! 客:そして困った私は知り合いのお爺ちゃんお婆ちゃんに良く当たると評判の占い師が近所に居ると聞いて、藁(わら)をも掴む思いでここまでやって来たんです! 占師:あ、あの!落ち着いて聞いて下さい 客:は、はい⋯ 占師:大変言いにくいんですが⋯それは私には無理です 客:え、な、なぜですか? 占師:それは⋯私がインチキ占い師であり、あなたと同じで、情熱を無くした人間だからです。 客:え⋯占い師さんも、情熱を無くされてたんですか? 占師:そうです。私も最初は占い師に憧れて、情熱を持ってこの世界に入って来ました 占師:しかし現実はこうです。同期で始めた占い師仲間には先を越され、今や芸能人が通って来るほどの有名人でテレビに引っ張りダコ。私はと言うとただの売れない占い師です 客:そ、それは辛いですね⋯ 占師:いつかは見返してやる!と頑張ってたんですが。焦りからか返って失敗ばかりが増えて⋯そうして気がついたら、情熱を無くしてたんです 客:⋯ 占師:分かったでしょう?私じゃ力になれない事が 客:⋯そんな事はありません 占師:え⋯? 客:実は私、嘘をついてました 占師:え、嘘⋯ですか? 客:はい。情熱を無くしたって、あれ嘘なんです 占師:なっ!⋯なんで、そんな嘘を? 客:私の事、覚えてませんか?10年前、あなたに仕事の事で占ってもらった者です 占師:10年前⋯って、まさかあの時の! 客:はい。私は当時勤めていた会社をクビになり、途方に暮れていました⋯ 占師:⋯ 客:そんな時、ふと目に入った占いの看板に私は吸い寄せられるように入っていきました 客:私は生きる希望を無くしてたんです。そんな私でしたが、あなたの言葉で私は救われたんです 占師:私の言葉? 客:そうです。「私はあなたが自分の居場所を作り、幸せに生きる未来が見える。だから今は腐らず頑張るべきだ」と 占師:たしかに、元気づける意味でもそんな風な事を言ったかも知れませんが⋯ 客:まるで雷に打たれたような気分でした 占師:そ、そんなにですか? 客:それからの私は変わりました。あ、これ私の名刺です 占師:え⋯?こ、これって!? 客:私が立ち上げた会社です。最初は小さな会社でしたが、あなたの言葉を胸に努力を続け、今や海外にも支店を持つ会社に成長致しました 占師:す、すごい⋯めちゃくちゃ有名な大企業じゃないですか⋯ 客:あなたの占いは、ちゃんと未来が見えてましたよ。ありがとうございます 占師:い、いえ、私は別に大した事は⋯ 客:今日はあなたに会えて良かった。風の噂であなたが占い師を辞めるつもりだと聞きましたから 占師:そこまで⋯知ってたんですね 客:これはあの時のお礼です。どうぞお納め下さい 占師:え⋯こっ、こんなに!?い、頂けませんよこんな大金! 客:また、これからも迷える人達をあなたの占いで救ってあげて下さい。では、私はこれで 占師:あ⋯ 占師:⋯そうだね。一からまた、出直して頑張ってみようか⋯未来は、自分次第だ :おわり