台本概要
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タイトル | サルとカニの合戦みたいなやつ |
---|---|
作者名 | パサコ |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 3人用台本(不問3) |
時間 | 20 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
サルとカニの合戦的なやつ。 サル:多分ツッコミ、なんだかんだいいヤツだと思う。 カニ:策士、世渡りがうまそう。 馬糞:一般通過馬糞(ナレーション兼役、ナレーションは馬糞でやってもそうじゃなくても構いません。)セリフ量少な目 ※全キャラ性別不問 語尾や一人称変更ご自由に。 共演者に迷惑かからなければどのように演じていただいてもかまいません。 463 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
サル | 不問 | 140 | 多分ツッコミ、なんだかんだいいヤツだと思う。 |
カニ | 不問 | 115 | 策士、世渡りがうまそう。 |
馬糞 | 不問 | 66 | 一般通過馬糞(ナレーション兼役、ナレーションは馬糞でやってもそうじゃなくても構いません。)セリフ量少な目 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
馬糞:(N)むかぁしむかし、あるところに、一匹のサルと、一杯のカニがおりました。
馬糞:(N)サルとカニは友人関係にはあったものの、生物としての種の違いか、事あるごとに言い争いをし、いざこざを起こしてはよく周りに心労をかけておりました。
0:
カニ:おーにぎーり、おーにぎーり、おっいしーいなぁー♪
サル:おー?なんだいなんだい、美味そうなもん食ってんじゃねぇか、えぇ?
カニ:サルきっつぁん!
サル:よぉ、カニどん!
カニ:おはようございますー、いやぁ、今日もいい天気ですねぇ。
サル:そうだなぁ、日差しがぽかぽかあったけぇのなんのって。
サル:そんな日はアレだな?お天道様の下で真っ白なにぎり飯でも頬張りたい〜、みたいな?気分だよなぁ〜?
カニ:あ、でもアレですよ?今日ゆうだちあるから気をつけろって蜂べぇのヤツが騒いでましたよー。
カニ:サルきっつぁんアレ、傘とか持ってます?
サル:ん?いやー?持ってないなぁ。
カニ:あー、ソレダメですよ。ひと雨来る前に帰った方がいいですよソレー。濡れちゃいますもん。風邪ひきますよー、濡れたら。
サル:そうだなぁ、あ、でも、帰る前に腹ごしらえしたいかもなぁ。ちょっと腹減っててさぁ。
サル:家までちょっと距離あるしよぉ、なんかぁ・・・にぎり飯的なもんー?を腹に入れときたいなぁって。
カニ:腹ごしらえならアレっすよ!うす坊のとこのチェーン居酒屋、昼営業も始めたって知ってます?
サル:え?いや、初耳だなぁ。
カニ:そうなんですか!?オススメですよ!夜より安いし、空(す)いてるし!
サル:そうなの?いや、まぁ、今日はやめとこっかな?そのうち気が向いたら顔出すよ。
カニ:えー?思い立ったが吉日ですよ!あ、ワタシうす坊に席空いてるか聞いてみますね!
サル:いやいやいいよいいよ!あのー、ね?そこまでしてもらうのもアレだし。
カニ:気にしないでくださいよ!・・・あ、うす坊?今って席空いてるー?あのさー・・・
サル:おまっコノっ!!!ばかがよぉ!!(電話をむりやり切る)
カニ:え・・・?
サル:・・・・・・・・・。
カニ:サルきっつぁん?
サル:・・・・・・。
カニ:サルきっつぁんどうしたんすか、サルきっつぁん。
サル:違うじゃん!!!
カニ:え、うるさ!
サル:・・・察せよ。
カニ:え?
サル:察せよってさ。
カニ:え、何?
サル:いや、ウソじゃん!察してくれよ!!
カニ:だから何を?
サル:暗(あん)にてめぇのにぎり飯分けてくれって言ってんじゃん!!
サル:文脈でわかるだろ!?
カニ:え?そうなんすか?
サル:ウソじゃん、マジでわかってなかった?
カニ:ちょーっと・・・スゥー・・・わかぁ、りにくかったっすねぇー・・・。
サル:わかりにくいか?いや、オレめちゃくちゃわかりやすくアピールしてたじゃねぇかよ!
カニ:待ってくださいよ、え、言いました?おにぎり分けてくれって。
サル:いや、言っては無いけどさ、雰囲気でわかるだろうがよ。
カニ:いやいや、言ってくれなかったらわかんないっすよ。
サル:いや、分かれよニュアンスで。
カニ:あー・・・・・・の、ですね。
カニ:こういうのあんまり言いたくないんですが、
サル:なんだよ。言いてぇことあんなら言えよ。
カニ:察してちゃんみたいなの良くないですよ。
サル:ァ?
カニ:「え、アタシオシャレしてるのに近場の喫茶店で済ませようとかする?」
サル:ん?は?
カニ:「普通もっとさ、イタリアンとかさ、行かない?」
馬糞:イタリアン行きたかったのー?
サル:だれ!?
馬糞:馬糞です。
サル:え、なんて!?
馬糞:イタリアン?
サル:え?
カニ:「行きたかったのぉ!え、しかも徒歩て!ヒールはいてんのよコッチは!足疲れちゃうでしょ?」
馬糞:いやでも、前あったとき散歩すきーみたいな話出てたからぁ・・・
カニ:「いや、場面ってあるじゃん、雰囲気ってあるじゃん」
馬糞:ごめん・・・
カニ:「いや、ごめんじゃなくてさぁ。」
馬糞:じゃあ、イタリアン行く?
カニ:「今から?え、マジで言ってる?もうそういう気分じゃないんだけど。」
馬糞:え、じゃあどうしたいの?
カニ:「逆にどうするのがいいと思ってんの?」
馬糞:えっとぉ・・・。
カニ:知・る・か・よ!!!じゃあ最初っから任せるーとか言うなよ!!!最初っからこうした言って言えよ!!!マジ何なんだよァア"アア!!!!
サル:えー・・・。
カニ:・・・・・・。
サル:・・・。
カニ:・・・。
サル:いや、重いわ空気が!トラウマになっちゃってるじゃん!
カニ:だから察してちゃんはやめて。
サル:わかった!わかったから!オレが悪かったから!
カニ:ですよね。
サル:うん。
サル:じゃあ、改めて言うね?
サル:でもちょっとまってね?あのー。
サル:誰?
馬糞:ミー?
サル:ユー。
馬糞:馬糞です。
サル:んーー・・・。
サル:え、誰?知り合い?(カニに)
カニ:え、誰って馬糞っすよ。
サル:知り合い?
カニ:いや初対面ですね。
サル:初対面!?
カニ:初対面っすねぇ。
サル:え、なんなの!?誰なの!?(馬糞に)
馬糞:馬糞んー・・・・・・ですねぇ・・・・・・・・・。
サル:・・・・・・。もういいや。
カニ:良いんですか?
サル:どうせ解決しないだろ。もういいよ。
カニ:ですって。(馬糞に)
馬糞:恐縮です。
サル:で!
サル:話戻すぞ。
サル:改めて、カニどん、その美味そうなにぎり飯ちょっと分けてくんねぇか?
カニ:え?(にぎり飯は食べ尽くされている)
サル:え、ちょっと。
カニ:ハイ。
サル:カニどん?
カニ:ハイ、カニどんです。
サル:にぎり飯は?
カニ:食べちゃいましたね。
サル:ひとつ残らず!?
カニ:ハイー。
サル:何で!?
カニ:え、何でって?
サル:おにぎり分けてくれって言ったじゃん!
カニ:今ききましたね。
サル:その前に言ったじゃん!!
カニ:でも正確にお願いされてないですしぃ。
サル:だけど話の流れで普通わかるじゃん!食べちゃ駄目って!
カニ:ちょっと!
サル:え?
カニ:察してちゃん?
サル:えっ?
カニ:また察してちゃん?
サル:いや、察してちゃんっていうか…。
カニ:やめてって言ったじゃん。
サル:えぇ〜・・・。
カニ:今さっきさぁ。言ったじゃんね?
サル:うん、ごめん・・・なさい・・・。
カニ:二度としないで。
サル:スミマセン・・・。
カニ:よし。
サル:何か納得いかねぇなぁ!?
馬糞:話を聞く限り!!!!!
サル:ウワッびっくりしたぁ!!
サル:え、何!?
馬糞:サルの御仁は空腹がゆえに揉めていらっしゃる?
サル:え?まぁ、色々端折(はしょ)るとそうなるな?
馬糞:では、この馬糞、御二方に妙案がございまするが、ご清聴願えませぬでしょうか?
サル:いや何キャラだよ!
サル:何でそんな忠義に厚いゴリラ武士風な喋り方なんだよ!
カニ:サルきっつぁん。
サル:え、何?
カニ:シィー・・・・・・・・・。
サル:え、ウザ!?何なん君らのそのチームワーク!
カニ:今は馬糞殿の案とやらを聞くべきですよおサルの方。
サル:おサルの方!?
馬糞:お耳汚し恐縮にござ候、とよとまぬサル吉。
サル:とよとまぬってなんだよ!!
カニ:このサルー!!!
サル:そのニュアンスだともはや悪口みたくきこえるからな!?
馬糞:サル野郎がよぉ!!
サル:サル野郎!?
カニ:ブタ野郎!!
サル:ついにサル消えたな!?
馬糞:素直に話をきくんだよ!このブタ野郎!!
カニ:やかましいその口に猿ぐつわをはめられたいのかい!?このブタ野郎がよぉ!
馬糞:どうなんだい!?
カニ:話をきくのかい!?
馬糞:きかないのかい!?
カニ:どっちなんだい!?
サル:ッダァア!!うるせえうるせえ!!話きいてやるからそのノリやめろテメェら!!
馬糞:恐縮です。
サル:今さら恐縮すんな!!
カニ:で?馬糞殿、その妙案ってなんなんですかぁ?
サル:落差よ。お前情緒ジェットコースターだな。
馬糞:実はですね、この馬糞、かねてよりこの躰を使って温め育ててきたモノがありまして。
カニ:躰を使って?
サル:お、なんだ?卵でもあっためてたのか?
馬糞:そのモノ、無事すくすくと成長してこの度丸いなにがしをいくつか産み落としたのでございまする。
サル:オォ!ニワトリかなんかの卵かな!良いじゃん良いじゃん!オレ好きだよー卵ぉ!
馬糞:それがこちらになります。(立派な柿の木をさす)
サル:木ぃいい!!!立派な木ぃいいい!!!
カニ:なんですかサルきっつぁん急にきぃきぃと鳴いて、発作ですか?
サル:鳴いてねぇわ!!
サル:え、躰を使って温めたってなに!?種からここまで育てたってこと!?
馬糞:馬糞なので。
サル:肥やし!!
馬糞:丹精込めて栄養もこめて育てあげました。おかげでわたくしの体積は10分の1になりました。
サル:すげぇなおめぇ!
馬糞:恐縮です。
サル:えーでもわりぃよなぁ、こんな文字通り骨身を削って育てた大切な柿をタダでもらっちゃうなんて。
馬糞:いえいえ、かわりに、実った柿の収穫を手伝ってほしくて。
馬糞:わたくし、こんなじゃないですか。
サル:おう、スライムみたいな見た目だなぁ。
馬糞:だから木登りとかできなくて。
サル:そんなことならお安いごようだぜ!木登りはオレの十八番だからなぁ!
カニ:スミマセン、ワタシ、木登りとかできなくて。
馬糞:良いんですよ良いんですよ、わたくし達は下で精一杯応援でもしていましょうか。
カニ:そうですね!サルきっつぁん、頑張ってくださいね!
サル:オゥ!まかせとけ!
サル:ほんじゃ、まぁ、ちょっくらいってくらぁ!
馬糞:お気をつけて。
サル:よっ、ホッ・・・とぉ!ヘヘッちょろいもんだぜ。
サル:で、柿の実、柿の実はぁっと・・・お!あったあった!おお、ツヤッツヤじゃねぇか!
カニ:とか言ってんだろうなぁ今頃。
馬糞:自慢の柿の実ですからねぇ。そりゃあプリップリのツヤッツヤですよ。
カニ:・・・・・・。
カニ:「いやぁ、おじちゃんだぁれ・・・?」
サル:へへへ、コイツはうまそうだぜ!どれ、んじゃまぁコイツをありがたくもがせてもらってぇ!
カニ:「え!?何するの!?おじちゃん、痛いよ!やぁ!やめてよ!!そんなことしちゃだめなんだよ!!」
馬糞:「柿子!!!あなた柿子に何をしているの!?柿子を離して!!」
カニ:「お母さん!!助けて!!」
馬糞:「柿子!!!あなた何なんですか!!私の子供をどうするつもりなんですか!?」
サル:よし!さっさと収穫してはやく食べてみてぇなぁ!
馬糞:「食べる!?今あなた食べるって言ったの!?」
カニ:「お母さん!!やだよ!!柿子たべられたくないよ!!怖いよ!!」
馬糞:「柿子!!いや!!行かないで!!!」
サル:よし、こんだけ採ったら上等だろ。
サル:さて、そろそろ下に戻るとすっか・・・って、ん?何か騒がしいな。
カニ:「お母さ"ぁん"!!!助けて!!!お母さ"ぁああん"!!!!!」
馬糞:「いやぁあああ!!!!柿子!!柿子ぉおお!!!!!!」
サル:・・・いや君ら何してんの。
カニ:あ、サルきっつぁん!おかえりなさい!
馬糞:凄い!もうそんなにとってきたんですね!素晴らしいです!
サル:おん。まぁいいや。どうせ問答しても何も生まれないタイプの話だろうし。
馬糞:さて!じゃあ早速とって来た柿の実をみせていただけますか?
サル:あー、ハイハイっと。こんな感じだなぁ。
カニ:ひぃふぅみぃよ・・・・・・ちょっとサルきっつぁん!なんで8個なんですかぁ!3にんで割り切れないじゃないですか!
サル:え?おめぇも食うのか?!
カニ:当たり前ですよ!え、逆にワタシだけはぶにしようとしてたんですか!?
馬糞:最低ですね。
カニ:そんなひとだと思いませんでした!!
サル:あぁ!わかったわかった!わるかったって!!3にんでな!?
カニ:はい。
サル:で、ほんじゃあ、どうしようかね?
馬糞:分け方ですよね。
カニ:とりあえず、馬糞殿は3個でいいんじゃないですか?ここまで育てたの馬糞殿ですし。
サル:だな!じゃあ、馬糞のダンナは3個っとぉ。
馬糞:恐縮です。
サル:じゃ、オレも3個で良いか?
カニ:え?
サル:え?
カニ:は?
サル:え、いや、木登りしてわざわざとって来たのオレだしさ、カニどんは下で見てただけだろ?
カニ:いやいや、ワタシだって木登りできたら採りに行ってましたよ。
カニ:でも、ワタシこんな身体だから登れないから仕方なくサルきっつぁんにお任せすることになったんじゃないですか。不可抗力ですよ。
サル:でも、実際危険を犯して登ったのはオレだしよぉ。
カニ:サルは木登りが得意じゃないですか!
サル:まぁ、得意だけど・・・。
カニ:・・・種族差別だ。
サル:え・・・?
カニ:種族差別ですよ!!ワタシがカニだからそういう不条理な条件叩きつけて!!
カニ:良くないですよそういう得手不得手をかさにきたマウント的なこと!!
馬糞:そうですよ。見損ないましたよ。今のは絶対にサルのひとが悪いですよ。
サル:えぇ・・・そんなつもりはなかったんだけどよぉ・・・。
カニ:傷付きました。まさか親友のサルきっつぁんからそんな扱いをうけるなんて・・・!!
馬糞:サルのひと。これは謝ったほうがいいですよ。
サル:え・・・。
馬糞:今のはサルのひとが悪いです。すぐに謝るべきです。
サル:えぇ・・・その、なんっつうか、悪かったよぉ・・・。
カニ:二度としないで下さいね。
サル:おぉ。約束するよ。
馬糞:よかったです。これにて一件落着ですね!
カニ:はい!よかったです!
サル:っつっても、柿の実問題はまだ解決してないんだがよぉ
馬糞:これはもうシンプルにじゃんけんとかで決めたらいいんじゃないですか?
サル:え、じゃんけん・・・?(何かに気付く)
馬糞:そうです、純粋な運の勝負なら文句も出ないでしょう?
サル:良いじゃん良いじゃん!じゃんけん!それならオレは文句ないぜ!!
サル:じゃんけんにしよう!!マジ名案じゃねぇか!
馬糞:何かえらく乗り気ですね?
サル:んなことねぇよ!なぁ?カニどんもそれで良いよな!?
カニ:ワタシは構わないですけど。
サル:じゃあじゃあ!早速勝負と洒落込もうじゃねぇか!
サル:いっくぞぉ!じゃーんけーん・・・
馬糞:(被せて)〽野球をするなら、こういう具合にしやしゃんせ
サル:え、え?
馬糞:アウト!
カニ:セーフ!
馬糞:よよいのよい!
サル:ちょちょちょ、ちょっとまって!!
馬糞:なんでしょうか?
サル:なんでしょうかはこっちのセリフなんだよな!?
サル:え、なに?
馬糞:なにがです?
サル:今のよくわかんない、・・・歌?
カニ:野球拳ですよ。
サル:野球拳!?
馬糞:古(いにしえ)より伝わる神聖なるじゃんけんの作法です。
サル:ななななんて?
馬糞:まぁ、要するに"よよいのよい"のあとにじゃんけんの手を出せばいいんですよ。
サル:?よくわからんがまぁ、じゃんけんポン、のポンがよよいのよい、のよいってことか?
カニ:まぁ、ざっくりとそんな感じですね。
サル:まぁ、わかった。止めて悪かったな。
カニ:良いですよ。知らない事は罪ではありませんから。
サル:ん?ん、オゥ。じゃあ、改めて…
馬糞:〽野球をするなら、こういう具合にしやしゃんせぇ、アウト!
カニ:セーフ!
馬糞:よよいのよい!
サル:(グーをだしてる)
サル:よっしゃあ!オレの勝ちだな!じゃあ柿の実はオレが貰って行くか・・・
カニ:え、サルきっつぁんの勝ちなんですか?
サル:は?そらそうだろうよ、オレがグーで、お前がチョキなんだから。
カニ:え、ワタシ、パーですよ。
サル:は?
カニ:ワタシが出してるの、パーですよ?
サル:いや、どう見てもチョキだろうよ。
カニ:パーですって。
サル:いやチョキだって!
カニ:え、逆に何を根拠にチョキって言ってるんですか?
サル:指が2本なのはチョキ以外のなにものでもないだろ。
カニ:・・・・・・ワタシの手は元々指が2本しかないんですが?
カニ:え、もしかしてこの形状をみてチョキだと言い張ってらっしゃる?
サル:え、だってそういうルールだから。
カニ:だとしたらワタシチョキしか出せない事になりますけど。
サル:いや、だってお前カニだし。
カニ:あのですね、確かにワタシの指は2本しか無いですが、だからといってチョキしか出せないのだとしたらこのゲームの平等性は皆無になりますよね?
カニ:え、まさか、サルきっつぁんまた種族差別をしている?種族差別の上で出来試合をさも公平な勝負のように偽ってワタシに提案されたんですか?
カニ:今の今立てた誓いを秒で破るそんな非人道的な行いをされたと?
カニ:はは、いやまさかまさかあのサルきっつぁんがそんなことをなさるはずないですよねぇ?
カニ:ねぇ???サルきっつぁん????
サル:・・・・・・・・・も、勿論だぜ!!
サル:ちょっと勘違いしちゃっただけだからさ!はは、わりぃなぁ!!どっからどう見てもカニどんの出した手はパーだったわぁ!!
カニ:・・・ですよね?
サル:あ、あぁ!!勿論!!!
カニ:もーう!びっくりさせないでくださいよぉ!
サル:あー、はははっ、オレってば、ほら、お前も知っての通りけっこうそそっかしいからよ!
カニ:確かに、サルきっつぁんそういうとこありますよねぇー!
サル:そうなのそうなの、あははは!
馬糞:(おもむろにバリカンでサルの頭頂部の毛を刈り取る)
サル:ァアアアアア!!!?!?!?
カニ:どうしました!?
サル:ちょっと!!!!!え、お前なにやってんの!!!?
馬糞:え、サルの人の頭の毛を刈り取りましたが?
サル:バカなの!?
馬糞:バカとはしつれいな!!
サル:何で急にそんな酷いことするの!!?
馬糞:ルールですから!
サル:る・・・え、ルール?!
カニ:野球拳のルールですよ。
カニ:負けたほうが1枚脱ぐ。
サル:1枚脱ぐ?
馬糞:脱がせました。
サル:脱がせましたじゃねぇよ!剥かせましただよこれもはや!!
カニ:サルきっつぁん。サルきっつぁんがルール知らないって言うから馬糞殿が気を利かせてさぁ、恥かかせないように変わりにやってくれてるってのに、その言い草はあんまりにもあんまりじゃないかな?
サル:え、オレが間違ってるの!?また!?
馬糞:良いんですよ、カニのひと。わたくしがちゃんと初心者にもわかりやすく説明しなかったからいけなかったんですよ。
カニ:いや、にしても・・・あれはさぁ・・・。
サル:うん、どうやらオレが間違ってるパターンのようだね?また。
カニ:こんなこと言いたくないけどさ、サルきっつぁん自分が知らないこととかを人のせいにしたりとかなすりつけとかホントよくないとおもうよ!
サル:うんごめんね、ホント。
カニ:周り、親切なひとばっかりだからって甘えちゃだめだよホント。そのうちマジで一人ぼっちになるからねそんなんだと。
サル:えぇ、気をつけます。
馬糞:あの、差し出がましいかもですが、カニのひとみたいにちゃんと面と向かって言ってくれるひとっていないですからねホント。
サル:ありがとうございます、感謝してます。
カニ:まぁ、今日はね、もう、そろそろ雨降ってきちゃうから、時間ないから、これ以上言わないけどさ。
サル:はい。
カニ:ホント気をつけてね。
サル:はい。
カニ:じゃあ、ワタシ達帰るけど、大丈夫?帰れる?
サル:あ、いえ、はい、大丈夫です、多分。
カニ:うん、気をつけてね、じゃあ、また。
サル:あ、はい、ありがとうございます。さようなら。
サル:・・・・・・・・・・・・。
サル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
サル:・・・・・・うーん・・・??????
馬糞:(N)むかぁしむかし、あるところに、一匹のサルと、一杯のカニがおりました。
馬糞:(N)サルとカニは友人関係にはあったものの、生物としての種の違いか、事あるごとに言い争いをし、いざこざを起こしてはよく周りに心労をかけておりました。
0:
カニ:おーにぎーり、おーにぎーり、おっいしーいなぁー♪
サル:おー?なんだいなんだい、美味そうなもん食ってんじゃねぇか、えぇ?
カニ:サルきっつぁん!
サル:よぉ、カニどん!
カニ:おはようございますー、いやぁ、今日もいい天気ですねぇ。
サル:そうだなぁ、日差しがぽかぽかあったけぇのなんのって。
サル:そんな日はアレだな?お天道様の下で真っ白なにぎり飯でも頬張りたい〜、みたいな?気分だよなぁ〜?
カニ:あ、でもアレですよ?今日ゆうだちあるから気をつけろって蜂べぇのヤツが騒いでましたよー。
カニ:サルきっつぁんアレ、傘とか持ってます?
サル:ん?いやー?持ってないなぁ。
カニ:あー、ソレダメですよ。ひと雨来る前に帰った方がいいですよソレー。濡れちゃいますもん。風邪ひきますよー、濡れたら。
サル:そうだなぁ、あ、でも、帰る前に腹ごしらえしたいかもなぁ。ちょっと腹減っててさぁ。
サル:家までちょっと距離あるしよぉ、なんかぁ・・・にぎり飯的なもんー?を腹に入れときたいなぁって。
カニ:腹ごしらえならアレっすよ!うす坊のとこのチェーン居酒屋、昼営業も始めたって知ってます?
サル:え?いや、初耳だなぁ。
カニ:そうなんですか!?オススメですよ!夜より安いし、空(す)いてるし!
サル:そうなの?いや、まぁ、今日はやめとこっかな?そのうち気が向いたら顔出すよ。
カニ:えー?思い立ったが吉日ですよ!あ、ワタシうす坊に席空いてるか聞いてみますね!
サル:いやいやいいよいいよ!あのー、ね?そこまでしてもらうのもアレだし。
カニ:気にしないでくださいよ!・・・あ、うす坊?今って席空いてるー?あのさー・・・
サル:おまっコノっ!!!ばかがよぉ!!(電話をむりやり切る)
カニ:え・・・?
サル:・・・・・・・・・。
カニ:サルきっつぁん?
サル:・・・・・・。
カニ:サルきっつぁんどうしたんすか、サルきっつぁん。
サル:違うじゃん!!!
カニ:え、うるさ!
サル:・・・察せよ。
カニ:え?
サル:察せよってさ。
カニ:え、何?
サル:いや、ウソじゃん!察してくれよ!!
カニ:だから何を?
サル:暗(あん)にてめぇのにぎり飯分けてくれって言ってんじゃん!!
サル:文脈でわかるだろ!?
カニ:え?そうなんすか?
サル:ウソじゃん、マジでわかってなかった?
カニ:ちょーっと・・・スゥー・・・わかぁ、りにくかったっすねぇー・・・。
サル:わかりにくいか?いや、オレめちゃくちゃわかりやすくアピールしてたじゃねぇかよ!
カニ:待ってくださいよ、え、言いました?おにぎり分けてくれって。
サル:いや、言っては無いけどさ、雰囲気でわかるだろうがよ。
カニ:いやいや、言ってくれなかったらわかんないっすよ。
サル:いや、分かれよニュアンスで。
カニ:あー・・・・・・の、ですね。
カニ:こういうのあんまり言いたくないんですが、
サル:なんだよ。言いてぇことあんなら言えよ。
カニ:察してちゃんみたいなの良くないですよ。
サル:ァ?
カニ:「え、アタシオシャレしてるのに近場の喫茶店で済ませようとかする?」
サル:ん?は?
カニ:「普通もっとさ、イタリアンとかさ、行かない?」
馬糞:イタリアン行きたかったのー?
サル:だれ!?
馬糞:馬糞です。
サル:え、なんて!?
馬糞:イタリアン?
サル:え?
カニ:「行きたかったのぉ!え、しかも徒歩て!ヒールはいてんのよコッチは!足疲れちゃうでしょ?」
馬糞:いやでも、前あったとき散歩すきーみたいな話出てたからぁ・・・
カニ:「いや、場面ってあるじゃん、雰囲気ってあるじゃん」
馬糞:ごめん・・・
カニ:「いや、ごめんじゃなくてさぁ。」
馬糞:じゃあ、イタリアン行く?
カニ:「今から?え、マジで言ってる?もうそういう気分じゃないんだけど。」
馬糞:え、じゃあどうしたいの?
カニ:「逆にどうするのがいいと思ってんの?」
馬糞:えっとぉ・・・。
カニ:知・る・か・よ!!!じゃあ最初っから任せるーとか言うなよ!!!最初っからこうした言って言えよ!!!マジ何なんだよァア"アア!!!!
サル:えー・・・。
カニ:・・・・・・。
サル:・・・。
カニ:・・・。
サル:いや、重いわ空気が!トラウマになっちゃってるじゃん!
カニ:だから察してちゃんはやめて。
サル:わかった!わかったから!オレが悪かったから!
カニ:ですよね。
サル:うん。
サル:じゃあ、改めて言うね?
サル:でもちょっとまってね?あのー。
サル:誰?
馬糞:ミー?
サル:ユー。
馬糞:馬糞です。
サル:んーー・・・。
サル:え、誰?知り合い?(カニに)
カニ:え、誰って馬糞っすよ。
サル:知り合い?
カニ:いや初対面ですね。
サル:初対面!?
カニ:初対面っすねぇ。
サル:え、なんなの!?誰なの!?(馬糞に)
馬糞:馬糞んー・・・・・・ですねぇ・・・・・・・・・。
サル:・・・・・・。もういいや。
カニ:良いんですか?
サル:どうせ解決しないだろ。もういいよ。
カニ:ですって。(馬糞に)
馬糞:恐縮です。
サル:で!
サル:話戻すぞ。
サル:改めて、カニどん、その美味そうなにぎり飯ちょっと分けてくんねぇか?
カニ:え?(にぎり飯は食べ尽くされている)
サル:え、ちょっと。
カニ:ハイ。
サル:カニどん?
カニ:ハイ、カニどんです。
サル:にぎり飯は?
カニ:食べちゃいましたね。
サル:ひとつ残らず!?
カニ:ハイー。
サル:何で!?
カニ:え、何でって?
サル:おにぎり分けてくれって言ったじゃん!
カニ:今ききましたね。
サル:その前に言ったじゃん!!
カニ:でも正確にお願いされてないですしぃ。
サル:だけど話の流れで普通わかるじゃん!食べちゃ駄目って!
カニ:ちょっと!
サル:え?
カニ:察してちゃん?
サル:えっ?
カニ:また察してちゃん?
サル:いや、察してちゃんっていうか…。
カニ:やめてって言ったじゃん。
サル:えぇ〜・・・。
カニ:今さっきさぁ。言ったじゃんね?
サル:うん、ごめん・・・なさい・・・。
カニ:二度としないで。
サル:スミマセン・・・。
カニ:よし。
サル:何か納得いかねぇなぁ!?
馬糞:話を聞く限り!!!!!
サル:ウワッびっくりしたぁ!!
サル:え、何!?
馬糞:サルの御仁は空腹がゆえに揉めていらっしゃる?
サル:え?まぁ、色々端折(はしょ)るとそうなるな?
馬糞:では、この馬糞、御二方に妙案がございまするが、ご清聴願えませぬでしょうか?
サル:いや何キャラだよ!
サル:何でそんな忠義に厚いゴリラ武士風な喋り方なんだよ!
カニ:サルきっつぁん。
サル:え、何?
カニ:シィー・・・・・・・・・。
サル:え、ウザ!?何なん君らのそのチームワーク!
カニ:今は馬糞殿の案とやらを聞くべきですよおサルの方。
サル:おサルの方!?
馬糞:お耳汚し恐縮にござ候、とよとまぬサル吉。
サル:とよとまぬってなんだよ!!
カニ:このサルー!!!
サル:そのニュアンスだともはや悪口みたくきこえるからな!?
馬糞:サル野郎がよぉ!!
サル:サル野郎!?
カニ:ブタ野郎!!
サル:ついにサル消えたな!?
馬糞:素直に話をきくんだよ!このブタ野郎!!
カニ:やかましいその口に猿ぐつわをはめられたいのかい!?このブタ野郎がよぉ!
馬糞:どうなんだい!?
カニ:話をきくのかい!?
馬糞:きかないのかい!?
カニ:どっちなんだい!?
サル:ッダァア!!うるせえうるせえ!!話きいてやるからそのノリやめろテメェら!!
馬糞:恐縮です。
サル:今さら恐縮すんな!!
カニ:で?馬糞殿、その妙案ってなんなんですかぁ?
サル:落差よ。お前情緒ジェットコースターだな。
馬糞:実はですね、この馬糞、かねてよりこの躰を使って温め育ててきたモノがありまして。
カニ:躰を使って?
サル:お、なんだ?卵でもあっためてたのか?
馬糞:そのモノ、無事すくすくと成長してこの度丸いなにがしをいくつか産み落としたのでございまする。
サル:オォ!ニワトリかなんかの卵かな!良いじゃん良いじゃん!オレ好きだよー卵ぉ!
馬糞:それがこちらになります。(立派な柿の木をさす)
サル:木ぃいい!!!立派な木ぃいいい!!!
カニ:なんですかサルきっつぁん急にきぃきぃと鳴いて、発作ですか?
サル:鳴いてねぇわ!!
サル:え、躰を使って温めたってなに!?種からここまで育てたってこと!?
馬糞:馬糞なので。
サル:肥やし!!
馬糞:丹精込めて栄養もこめて育てあげました。おかげでわたくしの体積は10分の1になりました。
サル:すげぇなおめぇ!
馬糞:恐縮です。
サル:えーでもわりぃよなぁ、こんな文字通り骨身を削って育てた大切な柿をタダでもらっちゃうなんて。
馬糞:いえいえ、かわりに、実った柿の収穫を手伝ってほしくて。
馬糞:わたくし、こんなじゃないですか。
サル:おう、スライムみたいな見た目だなぁ。
馬糞:だから木登りとかできなくて。
サル:そんなことならお安いごようだぜ!木登りはオレの十八番だからなぁ!
カニ:スミマセン、ワタシ、木登りとかできなくて。
馬糞:良いんですよ良いんですよ、わたくし達は下で精一杯応援でもしていましょうか。
カニ:そうですね!サルきっつぁん、頑張ってくださいね!
サル:オゥ!まかせとけ!
サル:ほんじゃ、まぁ、ちょっくらいってくらぁ!
馬糞:お気をつけて。
サル:よっ、ホッ・・・とぉ!ヘヘッちょろいもんだぜ。
サル:で、柿の実、柿の実はぁっと・・・お!あったあった!おお、ツヤッツヤじゃねぇか!
カニ:とか言ってんだろうなぁ今頃。
馬糞:自慢の柿の実ですからねぇ。そりゃあプリップリのツヤッツヤですよ。
カニ:・・・・・・。
カニ:「いやぁ、おじちゃんだぁれ・・・?」
サル:へへへ、コイツはうまそうだぜ!どれ、んじゃまぁコイツをありがたくもがせてもらってぇ!
カニ:「え!?何するの!?おじちゃん、痛いよ!やぁ!やめてよ!!そんなことしちゃだめなんだよ!!」
馬糞:「柿子!!!あなた柿子に何をしているの!?柿子を離して!!」
カニ:「お母さん!!助けて!!」
馬糞:「柿子!!!あなた何なんですか!!私の子供をどうするつもりなんですか!?」
サル:よし!さっさと収穫してはやく食べてみてぇなぁ!
馬糞:「食べる!?今あなた食べるって言ったの!?」
カニ:「お母さん!!やだよ!!柿子たべられたくないよ!!怖いよ!!」
馬糞:「柿子!!いや!!行かないで!!!」
サル:よし、こんだけ採ったら上等だろ。
サル:さて、そろそろ下に戻るとすっか・・・って、ん?何か騒がしいな。
カニ:「お母さ"ぁん"!!!助けて!!!お母さ"ぁああん"!!!!!」
馬糞:「いやぁあああ!!!!柿子!!柿子ぉおお!!!!!!」
サル:・・・いや君ら何してんの。
カニ:あ、サルきっつぁん!おかえりなさい!
馬糞:凄い!もうそんなにとってきたんですね!素晴らしいです!
サル:おん。まぁいいや。どうせ問答しても何も生まれないタイプの話だろうし。
馬糞:さて!じゃあ早速とって来た柿の実をみせていただけますか?
サル:あー、ハイハイっと。こんな感じだなぁ。
カニ:ひぃふぅみぃよ・・・・・・ちょっとサルきっつぁん!なんで8個なんですかぁ!3にんで割り切れないじゃないですか!
サル:え?おめぇも食うのか?!
カニ:当たり前ですよ!え、逆にワタシだけはぶにしようとしてたんですか!?
馬糞:最低ですね。
カニ:そんなひとだと思いませんでした!!
サル:あぁ!わかったわかった!わるかったって!!3にんでな!?
カニ:はい。
サル:で、ほんじゃあ、どうしようかね?
馬糞:分け方ですよね。
カニ:とりあえず、馬糞殿は3個でいいんじゃないですか?ここまで育てたの馬糞殿ですし。
サル:だな!じゃあ、馬糞のダンナは3個っとぉ。
馬糞:恐縮です。
サル:じゃ、オレも3個で良いか?
カニ:え?
サル:え?
カニ:は?
サル:え、いや、木登りしてわざわざとって来たのオレだしさ、カニどんは下で見てただけだろ?
カニ:いやいや、ワタシだって木登りできたら採りに行ってましたよ。
カニ:でも、ワタシこんな身体だから登れないから仕方なくサルきっつぁんにお任せすることになったんじゃないですか。不可抗力ですよ。
サル:でも、実際危険を犯して登ったのはオレだしよぉ。
カニ:サルは木登りが得意じゃないですか!
サル:まぁ、得意だけど・・・。
カニ:・・・種族差別だ。
サル:え・・・?
カニ:種族差別ですよ!!ワタシがカニだからそういう不条理な条件叩きつけて!!
カニ:良くないですよそういう得手不得手をかさにきたマウント的なこと!!
馬糞:そうですよ。見損ないましたよ。今のは絶対にサルのひとが悪いですよ。
サル:えぇ・・・そんなつもりはなかったんだけどよぉ・・・。
カニ:傷付きました。まさか親友のサルきっつぁんからそんな扱いをうけるなんて・・・!!
馬糞:サルのひと。これは謝ったほうがいいですよ。
サル:え・・・。
馬糞:今のはサルのひとが悪いです。すぐに謝るべきです。
サル:えぇ・・・その、なんっつうか、悪かったよぉ・・・。
カニ:二度としないで下さいね。
サル:おぉ。約束するよ。
馬糞:よかったです。これにて一件落着ですね!
カニ:はい!よかったです!
サル:っつっても、柿の実問題はまだ解決してないんだがよぉ
馬糞:これはもうシンプルにじゃんけんとかで決めたらいいんじゃないですか?
サル:え、じゃんけん・・・?(何かに気付く)
馬糞:そうです、純粋な運の勝負なら文句も出ないでしょう?
サル:良いじゃん良いじゃん!じゃんけん!それならオレは文句ないぜ!!
サル:じゃんけんにしよう!!マジ名案じゃねぇか!
馬糞:何かえらく乗り気ですね?
サル:んなことねぇよ!なぁ?カニどんもそれで良いよな!?
カニ:ワタシは構わないですけど。
サル:じゃあじゃあ!早速勝負と洒落込もうじゃねぇか!
サル:いっくぞぉ!じゃーんけーん・・・
馬糞:(被せて)〽野球をするなら、こういう具合にしやしゃんせ
サル:え、え?
馬糞:アウト!
カニ:セーフ!
馬糞:よよいのよい!
サル:ちょちょちょ、ちょっとまって!!
馬糞:なんでしょうか?
サル:なんでしょうかはこっちのセリフなんだよな!?
サル:え、なに?
馬糞:なにがです?
サル:今のよくわかんない、・・・歌?
カニ:野球拳ですよ。
サル:野球拳!?
馬糞:古(いにしえ)より伝わる神聖なるじゃんけんの作法です。
サル:ななななんて?
馬糞:まぁ、要するに"よよいのよい"のあとにじゃんけんの手を出せばいいんですよ。
サル:?よくわからんがまぁ、じゃんけんポン、のポンがよよいのよい、のよいってことか?
カニ:まぁ、ざっくりとそんな感じですね。
サル:まぁ、わかった。止めて悪かったな。
カニ:良いですよ。知らない事は罪ではありませんから。
サル:ん?ん、オゥ。じゃあ、改めて…
馬糞:〽野球をするなら、こういう具合にしやしゃんせぇ、アウト!
カニ:セーフ!
馬糞:よよいのよい!
サル:(グーをだしてる)
サル:よっしゃあ!オレの勝ちだな!じゃあ柿の実はオレが貰って行くか・・・
カニ:え、サルきっつぁんの勝ちなんですか?
サル:は?そらそうだろうよ、オレがグーで、お前がチョキなんだから。
カニ:え、ワタシ、パーですよ。
サル:は?
カニ:ワタシが出してるの、パーですよ?
サル:いや、どう見てもチョキだろうよ。
カニ:パーですって。
サル:いやチョキだって!
カニ:え、逆に何を根拠にチョキって言ってるんですか?
サル:指が2本なのはチョキ以外のなにものでもないだろ。
カニ:・・・・・・ワタシの手は元々指が2本しかないんですが?
カニ:え、もしかしてこの形状をみてチョキだと言い張ってらっしゃる?
サル:え、だってそういうルールだから。
カニ:だとしたらワタシチョキしか出せない事になりますけど。
サル:いや、だってお前カニだし。
カニ:あのですね、確かにワタシの指は2本しか無いですが、だからといってチョキしか出せないのだとしたらこのゲームの平等性は皆無になりますよね?
カニ:え、まさか、サルきっつぁんまた種族差別をしている?種族差別の上で出来試合をさも公平な勝負のように偽ってワタシに提案されたんですか?
カニ:今の今立てた誓いを秒で破るそんな非人道的な行いをされたと?
カニ:はは、いやまさかまさかあのサルきっつぁんがそんなことをなさるはずないですよねぇ?
カニ:ねぇ???サルきっつぁん????
サル:・・・・・・・・・も、勿論だぜ!!
サル:ちょっと勘違いしちゃっただけだからさ!はは、わりぃなぁ!!どっからどう見てもカニどんの出した手はパーだったわぁ!!
カニ:・・・ですよね?
サル:あ、あぁ!!勿論!!!
カニ:もーう!びっくりさせないでくださいよぉ!
サル:あー、はははっ、オレってば、ほら、お前も知っての通りけっこうそそっかしいからよ!
カニ:確かに、サルきっつぁんそういうとこありますよねぇー!
サル:そうなのそうなの、あははは!
馬糞:(おもむろにバリカンでサルの頭頂部の毛を刈り取る)
サル:ァアアアアア!!!?!?!?
カニ:どうしました!?
サル:ちょっと!!!!!え、お前なにやってんの!!!?
馬糞:え、サルの人の頭の毛を刈り取りましたが?
サル:バカなの!?
馬糞:バカとはしつれいな!!
サル:何で急にそんな酷いことするの!!?
馬糞:ルールですから!
サル:る・・・え、ルール?!
カニ:野球拳のルールですよ。
カニ:負けたほうが1枚脱ぐ。
サル:1枚脱ぐ?
馬糞:脱がせました。
サル:脱がせましたじゃねぇよ!剥かせましただよこれもはや!!
カニ:サルきっつぁん。サルきっつぁんがルール知らないって言うから馬糞殿が気を利かせてさぁ、恥かかせないように変わりにやってくれてるってのに、その言い草はあんまりにもあんまりじゃないかな?
サル:え、オレが間違ってるの!?また!?
馬糞:良いんですよ、カニのひと。わたくしがちゃんと初心者にもわかりやすく説明しなかったからいけなかったんですよ。
カニ:いや、にしても・・・あれはさぁ・・・。
サル:うん、どうやらオレが間違ってるパターンのようだね?また。
カニ:こんなこと言いたくないけどさ、サルきっつぁん自分が知らないこととかを人のせいにしたりとかなすりつけとかホントよくないとおもうよ!
サル:うんごめんね、ホント。
カニ:周り、親切なひとばっかりだからって甘えちゃだめだよホント。そのうちマジで一人ぼっちになるからねそんなんだと。
サル:えぇ、気をつけます。
馬糞:あの、差し出がましいかもですが、カニのひとみたいにちゃんと面と向かって言ってくれるひとっていないですからねホント。
サル:ありがとうございます、感謝してます。
カニ:まぁ、今日はね、もう、そろそろ雨降ってきちゃうから、時間ないから、これ以上言わないけどさ。
サル:はい。
カニ:ホント気をつけてね。
サル:はい。
カニ:じゃあ、ワタシ達帰るけど、大丈夫?帰れる?
サル:あ、いえ、はい、大丈夫です、多分。
カニ:うん、気をつけてね、じゃあ、また。
サル:あ、はい、ありがとうございます。さようなら。
サル:・・・・・・・・・・・・。
サル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
サル:・・・・・・うーん・・・??????