台本概要

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タイトル さがしもの
作者名 青太郎。  (@a_waiiro)
ジャンル その他
演者人数 1人用台本(不問1)
時間 10 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明
一人読み台本

気軽に読んでくだされば
光栄です。
読みやすいよう、
お好きに、お任せします。

―さがしものは、ありますか?

なんだか人生って
ずっと探している気がします…
知らんけど。

自分自身は、見失いたくないですね

私いまだに、ガチ迷子になります。


作/青太郎。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
語り手 不問 - お好きにどうぞ(^^♪
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
0:さがしもの――― 0:   0:   0:目が覚めたら、どこにいた? 0:   0:随分と長い時間眠っていたような気がする 0:いったいここは、どこだろう 0:   0:自分はいつから眠っていたのだろう 0:   0:思い出せない、ではなく 0:思い出したくない、こっちの方がしっくりくる 0:   0:ああ、そうか 0:何も考えたくなかったのかも知れない 0:だからきっと、こうなったんだ 0:「眠る」ことで、自分を現実から守ったんだ 0:ならばこのまま、また目を閉じて 0:何も考えないで、何も思い出さないで  0:   0:ゆっくりと海の底に沈むように 0:また、眠ろうか 0:   0:ゆっくりと、ゆっくりと意識が沈んでいく 0:   0:これでいい、これで、もういっそ 0:目が覚めなくてもいい 0:ゆっくりと・・・心地よい空間へ 0:―   0:おかしい 0:誰かの声がする 0:とても懐かしい、声がする 0:沈みかけていた意識に 0:その声はだんだん鮮明になって 0:頭の中に響く 0:   0:せっかく心地よかったのに 0:せっかく、眠ろうとしていたのに 0:―  0:本来なら五月蠅いはずのその声には 0:不思議と苛立ちはなかった 0:なぜだろう、とても懐かしくて・・・ 0:   0:そうか 0:その声を、知っている 0:どうしていままで忘れていたのだろう 0:自分は確かに、その声の主も知っている 0:   0:涙が溢れ出す 0:涙腺のコントロールができない 0:どうして泣いているのか自分でもわからない 0:   0:声は聞こえているものの 0:何を言っているかまではわからない 0:なのに 0:それすら伝わってくるような、大事な記憶の「声」 0:   0:この声はずっと自分に語りかけていたのだろうか 0:考えることも、思い出すことも放置した自分に 0:   0:今はまだもう少しここにいさせてほしい 0:それでもこの声は聞こえ続けるんだろう 0:だって 0:声の主は、自分自身だ 0:   0:―  0:見つけた、見つかってしまったんだ 0:   0:ありがとう 0:    0:次に目が覚める時にはきっと 0:違う風景が、ちゃんとみえているはずだから 0:   0:さがしものは、もうずっと自分の中にあったんだ 0:   0:さあ・・・ 0:今はもう少しだけ 0:   0:「おやすみなさい」 0:    0: 了 

0:さがしもの――― 0:   0:   0:目が覚めたら、どこにいた? 0:   0:随分と長い時間眠っていたような気がする 0:いったいここは、どこだろう 0:   0:自分はいつから眠っていたのだろう 0:   0:思い出せない、ではなく 0:思い出したくない、こっちの方がしっくりくる 0:   0:ああ、そうか 0:何も考えたくなかったのかも知れない 0:だからきっと、こうなったんだ 0:「眠る」ことで、自分を現実から守ったんだ 0:ならばこのまま、また目を閉じて 0:何も考えないで、何も思い出さないで  0:   0:ゆっくりと海の底に沈むように 0:また、眠ろうか 0:   0:ゆっくりと、ゆっくりと意識が沈んでいく 0:   0:これでいい、これで、もういっそ 0:目が覚めなくてもいい 0:ゆっくりと・・・心地よい空間へ 0:―   0:おかしい 0:誰かの声がする 0:とても懐かしい、声がする 0:沈みかけていた意識に 0:その声はだんだん鮮明になって 0:頭の中に響く 0:   0:せっかく心地よかったのに 0:せっかく、眠ろうとしていたのに 0:―  0:本来なら五月蠅いはずのその声には 0:不思議と苛立ちはなかった 0:なぜだろう、とても懐かしくて・・・ 0:   0:そうか 0:その声を、知っている 0:どうしていままで忘れていたのだろう 0:自分は確かに、その声の主も知っている 0:   0:涙が溢れ出す 0:涙腺のコントロールができない 0:どうして泣いているのか自分でもわからない 0:   0:声は聞こえているものの 0:何を言っているかまではわからない 0:なのに 0:それすら伝わってくるような、大事な記憶の「声」 0:   0:この声はずっと自分に語りかけていたのだろうか 0:考えることも、思い出すことも放置した自分に 0:   0:今はまだもう少しここにいさせてほしい 0:それでもこの声は聞こえ続けるんだろう 0:だって 0:声の主は、自分自身だ 0:   0:―  0:見つけた、見つかってしまったんだ 0:   0:ありがとう 0:    0:次に目が覚める時にはきっと 0:違う風景が、ちゃんとみえているはずだから 0:   0:さがしものは、もうずっと自分の中にあったんだ 0:   0:さあ・・・ 0:今はもう少しだけ 0:   0:「おやすみなさい」 0:    0: 了