台本概要
199 views
タイトル | ホワイトデーをもう一度 |
---|---|
作者名 | Oroるん (@Oro90644720) |
ジャンル | ラブストーリー |
演者人数 | 2人用台本(男1、女1) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 非商用利用時は連絡不要 |
説明 |
ホワイトデーのお返し遅れて渡した経験、無いですか? 注意事項 ・演者性別不問ですが、設定性別は変えないようにお願いします。 ・軽微なアドリブ、口調変更、言い換え、可 199 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
河原 | 男 | 90 | かわはら 営業部所属 |
沢井 | 女 | 102 | さわい 経理部所属 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
0:オフィス 定時
河原:沢井(さわい)さん。
沢井:河原(かわはら)さん?お疲れ様です。
河原:お疲れ。まだ帰れないの?
沢井:仕事が溜まってて、今日は残業です。
河原:そっか。大変だな。
沢井:何かご用ですか?経費精算の件なら終わってますよね?
河原:うん。これ、渡したくてさ(紙袋を渡す)
沢井:何ですか、これ?
河原:どどり屋(どどりや)のケーキ。
沢井:私に?
河原:そそ。
沢井:ありがとうございます。でもどうして?
河原:ゴメン。
沢井:えっ?
河原:これさ、ホワイトデーのお返しなんだよね。
沢井:・・・ああ!そういうことですか!
0:
沢井:・・・今日、3月16日ですけど?
河原:だから、遅くなっちゃって、ゴメンって。
沢井:冗談ですよ!嬉しいです。ここのケーキ、好きなんで。
河原:良かった。
0:
河原:それじゃあ、俺帰るわ。残業頑張ってね。手伝ってあげたいけど、経理は分かんないから。
沢井:ねえ、河原さん。
河原:ん?
沢井:このケーキ、いくつ入ってるんですか?
河原:3つだけど?
沢井:一人には多くないですか?
河原:そう?
沢井:そうですよ。いまダイエット中なのに。
河原:ああゴメン、知らなかった。
沢井:ということで、お時間大丈夫ですか?
河原:へ?
0:間
0:場面転換 ビルのカフェスペース
沢井:(N)『オフィスビルのカフェスペースには、休憩中だったり、帰宅前に立ち寄ったと思われる人達の姿があった』
0:
沢井:(N)『私たち二人も、それに混じった』
0:少し間
沢井:お待たせしました。こっちがコーヒーです。
河原:ありがと。
沢井:わたし、モンブラン取っちゃって良いですか?
河原:沢井さんに買ってきたんだし、好きに選んでよ。
沢井:それもそうですね。じゃあ、河原さんはチーズケーキどうぞ。
0:
沢井:余ったイチゴタルトは、後で頂きます。
河原:了解。
沢井:(ケーキを一口食べて)ん、美味しい!
0:
沢井:(紅茶を飲んで)ああ、幸せだなあ。
0:
沢井:あれ?河原さん。
河原:(もぐもぐしながら)なに?
沢井:そこのお皿に乗っていたはずのチーズケーキは?
河原:(飲み込んで)食べたよ?
沢井:早っ!早く無いですか?一口(ひとくち)ですか?一口でいったんですか!?
河原:(コーヒー飲んで)そんなわけないじゃん。
沢井:せっかくのケーキなのに、もっと味わって食べて下さいよう。
河原:味わったよ?美味しかった。
沢井:(ため息)
河原:あ。もしかして、ちょっと欲しかった?
沢井:・・・そりゃそうですよ。
河原:すんません。
沢井:文句言えないですけどね。買ってきたの、河原さんだし。
河原:今度買ってきます、チーズケーキ。
沢井:やったあ!・・・とか言って、冗談ですからね。自分で買いますから!
0:
沢井:早食いなの忘れてた。
河原:えっ?
沢井:えっ?
0:間
沢井:(N)『閉店時間が近いこともあり、席を立つ人が目につくようになった』
沢井:(N)『残っているのは私たち含めて数名だ』
0:少し間
河原:沢井さんって、意外と律儀(りちぎ)なんだね。
沢井:「意外」というのが引っ掛かりますけど、何でですか?
河原:バレンタイン、わざわざ部署の違う俺にまで渡してくれたでしょ?
沢井:はい。
河原:もしかして、男の社員全員に渡したの?
沢井:そんなわけないじゃ無いですか!100人超えちゃいますよ。
河原:だよな。
沢井:すいませんね、コンビニで買ったチョコで。どどり屋のケーキとは釣り合いません。
河原:全然。嬉しかったよ。会社で義理チョコもらうの久しぶりだったし。
沢井:今はあんまり渡さないですもんね。営業部の人からも無かったんですか?
河原:無い無い。でもさ、友チョコってやつ?女の子同士では渡したりするんよな。
沢井:みたいですね。私は無いですけど。
河原:昔は「義理チョコばっかもらってもなあ」なんて思ってたけど、無くなったら無くなったで、ちょっと寂しかったりするんよね。
沢井:へえ。
河原:その点沢井さんは、昔ながらの伝統を守ってて偉いなあ、と思ったわけよ。
沢井:どうせ私はババアですよ。
河原:そんなこと言ってないじゃん。
0:
河原:で、さっき全員じゃ無いって言ってたけど、他に誰に渡したの?
沢井:気になります?
河原:そりゃあね。選定基準も含めてさ。
沢井:一人ですよ。
河原:ん?
沢井:私がチョコレートを渡したのは、一人だけです。
河原:えっ?
0:
河原:それってつまり、俺だけってこと?
沢井:はい。
0:間
沢井:(N)『店員さんが、隣のテーブルを片付けていた。残っているのは私たちと、あと一人だけ』
0:少し間
河原:・・・でも義理なんだよね?
沢井:はい。
河原:義理、なんだよね?
沢井:何で二回聞くんですか?
河原:いや、一応、確認の為にさ。
沢井:本命の方が良かったですか?
河原:それは・・・まあ、普通そうじゃん?
沢井:そうですか。
河原:誰かに渡したの?
沢井:何ですか?
河原:誰かに渡したの?本命チョコ。
沢井:・・・いいえ、渡してません。
河原:そっか。
沢井:河原さんは?
河原:ん?
沢井:誰かにもらいました?本命チョコ。
河原:いや。
沢井:そうですか。
河原:彼女も、居ないしね。
沢井:そうなんですね。居ないんですね。
河原:沢井さんは?付き合ってる人、居ないの?
沢井:ええ、いません。
河原:・・・
沢井:ひょっとして、変な空気流れてます?私たち。
河原:いや。そんなことは、ないんじゃないかな?
沢井:そうですか。良かった。
河原:ドラマとかなら、ここから恋が始まっちゃったりするんだけどね。
沢井:「事実は小説よりも奇なり」って言いますもんね。
河原:それ、使い方合ってる?ま、いいや。
0:
河原:じゃあ、今度こそ行くわ。ご馳走様。
沢井:これ、河原さんが買ってきたんですよ。
河原:でも、沢井さんにあげたんだから、沢井さんの物だよ。
沢井:細かいですね、意外と。
河原:「意外」は余計。
沢井:・・・
0:間
沢井:(N)『斜め向かいに座っていた女性が腰を上げた。これで、店内に残っているのは私たちだけになった』
0:少し間
河原:それじゃ、お先。
沢井:2月13日・・・
河原:えっ?
沢井:つまり・・・バレンタインの前日。
0:
沢井:私ね、その日結構疲れててさ、家に帰ったらリビングのソファに座り込んで・・・気付いたら寝ちゃってたんだ。
河原:・・・
沢井:で、目が覚めたら11時過ぎてて・・・お腹は空いたけど晩御飯作る気力も無いし、もうコンビニ弁当で良いかなーって。
河原:・・・
沢井:それで、近所のコンビニ行ったらさ、入り口すぐの所に、バレンタインチョコのコーナーがあって。
0:
沢井:それで、思い出しちゃった。
河原:・・・何を?
沢井:今年は、バレンタインのチョコレート、渡せないんだなあって。
0:
沢井:で、気が着いたら、チョコ手に取ってた。
河原:そう・・・
沢井:失敗だったかも。義理とは言え、バレンタインにチョコ渡すなんてさ。
河原:失敗とか言うなよ。
沢井:でも、モヤっとしたでしょ?
河原:まあ・・・ちょっとな。
沢井:ゴメンね。「ただの同僚に戻ろ」って言ったの、私なのにね。
河原:・・・
0:少し間
沢井:お菓子作りとか柄(がら)じゃ無いけど、手作りするつもりだったんだよ。youtubeで作り方動画も見漁った(みあさった)し、試しに作ってもみた。
0:
沢井:結構上手く作れるようになったんだ。
河原:じゃあ、手作りしてくれれば良かったじゃん。
沢井:それはダメでしょ。私たちには重過ぎるって。
0:
沢井:今の私たちには、コンビニチョコで充分。
河原:キッツいな、それ。
沢井:そうだね。
河原:俺のケーキは結構高かったんですけど?
沢井:残念!二日遅れだから減点です!
河原:何だよそれ。
0:少し間
沢井:何で今日だったの?
河原:何が?
沢井:どうして、二日遅れたの?
河原:忙しくて、忘れてたんだよ。
沢井:本当?
河原:どういう意味?
沢井:私が、チョコ渡したのに・・・本当に忘れてたの?
河原:どうせ義理じゃんか。
沢井:そうだけど。
河原:・・・忙しくて、忘れてたんだよ。
0:
河原:そう言うことに、しといてよ。
沢井:そう。
0:少し間
河原:・・・食べたかったな。
沢井:ん?
河原:手作りチョコ。
沢井:そうだね。
0:
沢井:いつかまた、作るかもね。
河原:それを食べるのは、俺じゃないよね?
沢井:そりゃそうでしょ。
0:間
河原:・・・「全部納得したわけじゃ無い」って言ったよね?
沢井:うん。
0:
沢井:「でも、仕方ないじゃん」って言ったよね?
河原:うん。
沢井:・・・
河原:なあ・・・
沢井:そこから先は・・・言わない方が良いんじゃ無いかな。
河原:・・・
0:間
沢井:さてと!楽しい楽しい残業に行ってきますかね。
河原:もう閉店だしな。
沢井:そうそう。店員さん、嫌そうな顔してこっち見てるよ。
河原:うん。
0:間
沢井:ねえ、河原さん。
河原:?
沢井:お互い、素敵な出会いがあると良いですね。
河原:・・・
沢井:じゃあ、また明日。ケーキありがとうございました。
0:間
河原:(小声で)ふざけんなよ、馬鹿野郎。
0:完
0:オフィス 定時
河原:沢井(さわい)さん。
沢井:河原(かわはら)さん?お疲れ様です。
河原:お疲れ。まだ帰れないの?
沢井:仕事が溜まってて、今日は残業です。
河原:そっか。大変だな。
沢井:何かご用ですか?経費精算の件なら終わってますよね?
河原:うん。これ、渡したくてさ(紙袋を渡す)
沢井:何ですか、これ?
河原:どどり屋(どどりや)のケーキ。
沢井:私に?
河原:そそ。
沢井:ありがとうございます。でもどうして?
河原:ゴメン。
沢井:えっ?
河原:これさ、ホワイトデーのお返しなんだよね。
沢井:・・・ああ!そういうことですか!
0:
沢井:・・・今日、3月16日ですけど?
河原:だから、遅くなっちゃって、ゴメンって。
沢井:冗談ですよ!嬉しいです。ここのケーキ、好きなんで。
河原:良かった。
0:
河原:それじゃあ、俺帰るわ。残業頑張ってね。手伝ってあげたいけど、経理は分かんないから。
沢井:ねえ、河原さん。
河原:ん?
沢井:このケーキ、いくつ入ってるんですか?
河原:3つだけど?
沢井:一人には多くないですか?
河原:そう?
沢井:そうですよ。いまダイエット中なのに。
河原:ああゴメン、知らなかった。
沢井:ということで、お時間大丈夫ですか?
河原:へ?
0:間
0:場面転換 ビルのカフェスペース
沢井:(N)『オフィスビルのカフェスペースには、休憩中だったり、帰宅前に立ち寄ったと思われる人達の姿があった』
0:
沢井:(N)『私たち二人も、それに混じった』
0:少し間
沢井:お待たせしました。こっちがコーヒーです。
河原:ありがと。
沢井:わたし、モンブラン取っちゃって良いですか?
河原:沢井さんに買ってきたんだし、好きに選んでよ。
沢井:それもそうですね。じゃあ、河原さんはチーズケーキどうぞ。
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沢井:余ったイチゴタルトは、後で頂きます。
河原:了解。
沢井:(ケーキを一口食べて)ん、美味しい!
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沢井:(紅茶を飲んで)ああ、幸せだなあ。
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沢井:あれ?河原さん。
河原:(もぐもぐしながら)なに?
沢井:そこのお皿に乗っていたはずのチーズケーキは?
河原:(飲み込んで)食べたよ?
沢井:早っ!早く無いですか?一口(ひとくち)ですか?一口でいったんですか!?
河原:(コーヒー飲んで)そんなわけないじゃん。
沢井:せっかくのケーキなのに、もっと味わって食べて下さいよう。
河原:味わったよ?美味しかった。
沢井:(ため息)
河原:あ。もしかして、ちょっと欲しかった?
沢井:・・・そりゃそうですよ。
河原:すんません。
沢井:文句言えないですけどね。買ってきたの、河原さんだし。
河原:今度買ってきます、チーズケーキ。
沢井:やったあ!・・・とか言って、冗談ですからね。自分で買いますから!
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沢井:早食いなの忘れてた。
河原:えっ?
沢井:えっ?
0:間
沢井:(N)『閉店時間が近いこともあり、席を立つ人が目につくようになった』
沢井:(N)『残っているのは私たち含めて数名だ』
0:少し間
河原:沢井さんって、意外と律儀(りちぎ)なんだね。
沢井:「意外」というのが引っ掛かりますけど、何でですか?
河原:バレンタイン、わざわざ部署の違う俺にまで渡してくれたでしょ?
沢井:はい。
河原:もしかして、男の社員全員に渡したの?
沢井:そんなわけないじゃ無いですか!100人超えちゃいますよ。
河原:だよな。
沢井:すいませんね、コンビニで買ったチョコで。どどり屋のケーキとは釣り合いません。
河原:全然。嬉しかったよ。会社で義理チョコもらうの久しぶりだったし。
沢井:今はあんまり渡さないですもんね。営業部の人からも無かったんですか?
河原:無い無い。でもさ、友チョコってやつ?女の子同士では渡したりするんよな。
沢井:みたいですね。私は無いですけど。
河原:昔は「義理チョコばっかもらってもなあ」なんて思ってたけど、無くなったら無くなったで、ちょっと寂しかったりするんよね。
沢井:へえ。
河原:その点沢井さんは、昔ながらの伝統を守ってて偉いなあ、と思ったわけよ。
沢井:どうせ私はババアですよ。
河原:そんなこと言ってないじゃん。
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河原:で、さっき全員じゃ無いって言ってたけど、他に誰に渡したの?
沢井:気になります?
河原:そりゃあね。選定基準も含めてさ。
沢井:一人ですよ。
河原:ん?
沢井:私がチョコレートを渡したのは、一人だけです。
河原:えっ?
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河原:それってつまり、俺だけってこと?
沢井:はい。
0:間
沢井:(N)『店員さんが、隣のテーブルを片付けていた。残っているのは私たちと、あと一人だけ』
0:少し間
河原:・・・でも義理なんだよね?
沢井:はい。
河原:義理、なんだよね?
沢井:何で二回聞くんですか?
河原:いや、一応、確認の為にさ。
沢井:本命の方が良かったですか?
河原:それは・・・まあ、普通そうじゃん?
沢井:そうですか。
河原:誰かに渡したの?
沢井:何ですか?
河原:誰かに渡したの?本命チョコ。
沢井:・・・いいえ、渡してません。
河原:そっか。
沢井:河原さんは?
河原:ん?
沢井:誰かにもらいました?本命チョコ。
河原:いや。
沢井:そうですか。
河原:彼女も、居ないしね。
沢井:そうなんですね。居ないんですね。
河原:沢井さんは?付き合ってる人、居ないの?
沢井:ええ、いません。
河原:・・・
沢井:ひょっとして、変な空気流れてます?私たち。
河原:いや。そんなことは、ないんじゃないかな?
沢井:そうですか。良かった。
河原:ドラマとかなら、ここから恋が始まっちゃったりするんだけどね。
沢井:「事実は小説よりも奇なり」って言いますもんね。
河原:それ、使い方合ってる?ま、いいや。
0:
河原:じゃあ、今度こそ行くわ。ご馳走様。
沢井:これ、河原さんが買ってきたんですよ。
河原:でも、沢井さんにあげたんだから、沢井さんの物だよ。
沢井:細かいですね、意外と。
河原:「意外」は余計。
沢井:・・・
0:間
沢井:(N)『斜め向かいに座っていた女性が腰を上げた。これで、店内に残っているのは私たちだけになった』
0:少し間
河原:それじゃ、お先。
沢井:2月13日・・・
河原:えっ?
沢井:つまり・・・バレンタインの前日。
0:
沢井:私ね、その日結構疲れててさ、家に帰ったらリビングのソファに座り込んで・・・気付いたら寝ちゃってたんだ。
河原:・・・
沢井:で、目が覚めたら11時過ぎてて・・・お腹は空いたけど晩御飯作る気力も無いし、もうコンビニ弁当で良いかなーって。
河原:・・・
沢井:それで、近所のコンビニ行ったらさ、入り口すぐの所に、バレンタインチョコのコーナーがあって。
0:
沢井:それで、思い出しちゃった。
河原:・・・何を?
沢井:今年は、バレンタインのチョコレート、渡せないんだなあって。
0:
沢井:で、気が着いたら、チョコ手に取ってた。
河原:そう・・・
沢井:失敗だったかも。義理とは言え、バレンタインにチョコ渡すなんてさ。
河原:失敗とか言うなよ。
沢井:でも、モヤっとしたでしょ?
河原:まあ・・・ちょっとな。
沢井:ゴメンね。「ただの同僚に戻ろ」って言ったの、私なのにね。
河原:・・・
0:少し間
沢井:お菓子作りとか柄(がら)じゃ無いけど、手作りするつもりだったんだよ。youtubeで作り方動画も見漁った(みあさった)し、試しに作ってもみた。
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沢井:結構上手く作れるようになったんだ。
河原:じゃあ、手作りしてくれれば良かったじゃん。
沢井:それはダメでしょ。私たちには重過ぎるって。
0:
沢井:今の私たちには、コンビニチョコで充分。
河原:キッツいな、それ。
沢井:そうだね。
河原:俺のケーキは結構高かったんですけど?
沢井:残念!二日遅れだから減点です!
河原:何だよそれ。
0:少し間
沢井:何で今日だったの?
河原:何が?
沢井:どうして、二日遅れたの?
河原:忙しくて、忘れてたんだよ。
沢井:本当?
河原:どういう意味?
沢井:私が、チョコ渡したのに・・・本当に忘れてたの?
河原:どうせ義理じゃんか。
沢井:そうだけど。
河原:・・・忙しくて、忘れてたんだよ。
0:
河原:そう言うことに、しといてよ。
沢井:そう。
0:少し間
河原:・・・食べたかったな。
沢井:ん?
河原:手作りチョコ。
沢井:そうだね。
0:
沢井:いつかまた、作るかもね。
河原:それを食べるのは、俺じゃないよね?
沢井:そりゃそうでしょ。
0:間
河原:・・・「全部納得したわけじゃ無い」って言ったよね?
沢井:うん。
0:
沢井:「でも、仕方ないじゃん」って言ったよね?
河原:うん。
沢井:・・・
河原:なあ・・・
沢井:そこから先は・・・言わない方が良いんじゃ無いかな。
河原:・・・
0:間
沢井:さてと!楽しい楽しい残業に行ってきますかね。
河原:もう閉店だしな。
沢井:そうそう。店員さん、嫌そうな顔してこっち見てるよ。
河原:うん。
0:間
沢井:ねえ、河原さん。
河原:?
沢井:お互い、素敵な出会いがあると良いですね。
河原:・・・
沢井:じゃあ、また明日。ケーキありがとうございました。
0:間
河原:(小声で)ふざけんなよ、馬鹿野郎。
0:完