台本概要

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タイトル 三月うさぎと帽子屋
作者名 天道司
ジャンル ファンタジー
演者人数 2人用台本(不問2)
時間 20 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 自由に演じてください

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
三月うさぎ 不問 39 お調子者のウサギ
帽子屋 不問 39 不思議な帽子屋
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
帽子屋:(M)ようこそ、不思議の国へ。 帽子屋:僕は、君に会えるのをずっと楽しみにしていた。 帽子屋:ん?何故、楽しみにしていたかって?フフフ…。 帽子屋:あぁ…。さてさて、そろそろ物語の幕を開く時間だ。 帽子屋:おや?今回は、三月うさぎの物語かな? 0:【間】 三月うさぎ:「あーあ。お腹すいたなぁ。ニンジンが食べたいな」 三月うさぎ:「どこかにニンジンが転がってないかな?ビュビューン!」 0:【間】 三月うさぎ:「ビュッビュッビューン!」 三月うさぎ:「あっ!ニンジンだ!ニンジンがある!」 三月うさぎ:「でも、おかしいなぁ。このニンジンには、色がない」 三月うさぎ:「大変だ!大変だ!色のないニンジンだ!色のないニンジンだ!」 帽子屋:「やぁ、三月うさぎ」 三月うさぎ:「あぁ!帽子屋じゃないか!大変なんだ!大変なんだ!」 帽子屋:「ん?大変?一体、何が大変なんだい?」 三月うさぎ:「これだよ!これを見てよ!」 帽子屋:「うん?これは、ニンジンかな?」 三月うさぎ:「そうだよ!そうだよ!ニンジンだよ!でも、色がないんだ!大変なんだ!」 帽子屋:「色がないと、どうして大変なんだい?」 三月うさぎ:「えっ!?だって!だって!色がないとニンジンに見えないよ!」 帽子屋:「でも、それは、ニンジンだろ?」 三月うさぎ:「ニンジンだけど!色があった方がニンジンなんだよ!」 帽子屋:「なるほど…。じゃあ、色を付けてみるかい?」 三月うさぎ:「色を付ける?」 帽子屋:「ふふっ。僕のポケットには。魔法のクレヨンが入っているんだ」 三月うさぎ:「魔法のクレヨン?」 帽子屋:「そう。色のないモノに、色を付けることができる魔法のクレヨン」 三月うさぎ:「普通のクレヨンと、どう違うのさ?」 帽子屋:「僕が魔法のクレヨンだと思っている。それだけで、普通のクレヨンとは、違うだろ?」 三月うさぎ:「意味がわからないけど、早く魔法のクレヨンでニンジンに色をつけてよ!」 帽子屋:「あぁ。では、さっそく、一本クレヨンを取り出してみようか」 三月うさぎ:「ワクワク!ドキドキ!」 帽子屋:「うーん…。よしっ!これなんか、どうかな?」 三月うさぎ:「あー!桃色のクレヨンだ!」 帽子屋:「それじゃ、色を付けてみるよ」 三月うさぎ:「あいおっ!」 帽子屋:「えいっ!」 三月うさぎ:「わーっ!色のないニンジンが、桃色のニンジンになった!桃色のニンジンになった!」 帽子屋:「さぁ、遠慮なく、めしあがれ」 三月うさぎ:「…」 帽子屋:「どうしたんだい?食べないの?」 三月うさぎ:「だって…。だってだってだって!全然美味しそうに見えないんだもん!」 三月うさぎ:「なんだか毒が入ってそうなんだもん!毒だよ!毒!大変だ!大変だ!」 帽子屋:「毒が入っているなら、確かに大変だ。じゃあ、他の色にしてみるかい?」 三月うさぎ:「他の色に?できるのかい?」 帽子屋:「もちろん。魔法のクレヨンの色は、一色だけじゃないのさ」 三月うさぎ:「一色だけじゃない!ワクワク!ドキドキ!」 帽子屋:「うーん…。よしっ!この色は、どうだろう?」 三月うさぎ:「わーっ!水色のクレヨンだ!」 帽子屋:「じゃあ、ニンジンの色を桃色から水色に!」 三月うさぎ:「あいおっ!」 帽子屋:「それっ!」 三月うさぎ:「わーっ!桃色のニンジンが、水色のニンジンになった!水色のニンジンだ!」 帽子屋:「さぁ、美味しく、めしあがれ」 三月うさぎ:「…」 帽子屋:「ん?どうしたの?食べないの?」 三月うさぎ:「帽子屋、せっかく色を付けてもらったんだけど」 三月うさぎ:「水色のニンジンも美味しそうに見えないよ。なんだか、腐ってるみたいに見えるよ」 帽子屋:「そうか…。腐ってるみたいか…」 三月うさぎ:「僕は、やっぱりオレンジ色のニンジンがいいな」 三月うさぎ:「帽子屋、オレンジ色はないの?」 帽子屋:「オレンジ色か…。あるかも知れないし、ないかも知れない」 三月うさぎ:「オレンジ色!出してよ!出してよ!オレンジ色の魔法のクレヨン!」 三月うさぎ:「ニンジンは、やっぱり、オレンジ色じゃなきゃダメだよ!」 帽子屋:「どうしてオレンジ色じゃなきゃダメなの?」 三月うさぎ:「うーん…。どうしてだろう?」 帽子屋:「それが、君の『あたりまえ』になってるってことかな?」 三月うさぎ:「あっ!そうだよ!そうだよ!オレンジ色のニンジンが、僕のあたりまえさ!」 帽子屋:「ほぅ。それが本当に君のあたりまえなのかな?」 三月うさぎ:「えっ!?どういうこと?」 帽子屋:「ニンジンは、オレンジ色だっていう、あたりまえは、いつ?どこで産まれたのかってことさ」 三月うさぎ:「そんなの決まってるだろ!最初からだよ!最初から、あたりまえなんだよ!」 帽子屋:「じゃあ、三月うさぎが一番最初に食べたニンジンが、桃色や水色だったなら?」 三月うさぎ:「でも、そんな色のニンジンなんてないから」 三月うさぎ:「桃色や水色のニンジンがあたりまえになることなんて、ないさ!」 帽子屋:「でも、実際にそれらは、存在するだろ?ほらっ」 三月うさぎ:「あーっ!水色のニンジンだ!僕の目の前に水色のニンジンがある!」 三月うさぎ:「大変だ!大変だ!でも、とにかく!ニンジンはオレンジ色なのがあたりまえで」 三月うさぎ:「オレンジ色じゃなきゃダメな気がするんだよ!」 帽子屋:「ダメな気がするだけ。そう、気がするだけで、君は世界にフタをしている」 帽子屋:「それは、そう、とてもつまらないことだ」 三月うさぎ:「つまらないこと?どういうことだい?」 帽子屋:「フタを開けた先の世界の中身は、今より、もっと面白いモノかも知れない」 三月うさぎ:「今よりも?面白いモノ?」 三月うさぎ:「大変だ!大変だ!僕、面白いモノ、だぁーい好き!」 帽子屋:「僕もだ。そして、そこには、まだ知らない美味しいモノもあるかも知れない」 三月うさぎ:「うわーっ!美味しいモノ?美味しいモノ?」 帽子屋:「ただ、逆も考えられる。フタを開けた世界の中身は、とても悲しくて、恐ろしいモノかも知れない」 三月うさぎ:「えーっ!怖いのは嫌だよ!」 帽子屋:「だけど、選べるモノは、多い方がいいだろ?」 三月うさぎ:「選べるモノは、多い方がいい!」 帽子屋:「だったら、水色のニンジンも食べてみないとだね」 三月うさぎ:「あいおっ!水色でもいい。ダメな理由は、ない!」 帽子屋:「そうさ。今までのあたりまえに縛られて、新しい可能性を潰すのは、とても、つまらないことだ」 三月うさぎ:「じゃあ、水色のニンジン、いっただきまーす!」 0:【長い間】 帽子屋:「フフッ。さてさて、水色のニンジンは、どんな味がしたのかな?」 : 0:―了―

帽子屋:(M)ようこそ、不思議の国へ。 帽子屋:僕は、君に会えるのをずっと楽しみにしていた。 帽子屋:ん?何故、楽しみにしていたかって?フフフ…。 帽子屋:あぁ…。さてさて、そろそろ物語の幕を開く時間だ。 帽子屋:おや?今回は、三月うさぎの物語かな? 0:【間】 三月うさぎ:「あーあ。お腹すいたなぁ。ニンジンが食べたいな」 三月うさぎ:「どこかにニンジンが転がってないかな?ビュビューン!」 0:【間】 三月うさぎ:「ビュッビュッビューン!」 三月うさぎ:「あっ!ニンジンだ!ニンジンがある!」 三月うさぎ:「でも、おかしいなぁ。このニンジンには、色がない」 三月うさぎ:「大変だ!大変だ!色のないニンジンだ!色のないニンジンだ!」 帽子屋:「やぁ、三月うさぎ」 三月うさぎ:「あぁ!帽子屋じゃないか!大変なんだ!大変なんだ!」 帽子屋:「ん?大変?一体、何が大変なんだい?」 三月うさぎ:「これだよ!これを見てよ!」 帽子屋:「うん?これは、ニンジンかな?」 三月うさぎ:「そうだよ!そうだよ!ニンジンだよ!でも、色がないんだ!大変なんだ!」 帽子屋:「色がないと、どうして大変なんだい?」 三月うさぎ:「えっ!?だって!だって!色がないとニンジンに見えないよ!」 帽子屋:「でも、それは、ニンジンだろ?」 三月うさぎ:「ニンジンだけど!色があった方がニンジンなんだよ!」 帽子屋:「なるほど…。じゃあ、色を付けてみるかい?」 三月うさぎ:「色を付ける?」 帽子屋:「ふふっ。僕のポケットには。魔法のクレヨンが入っているんだ」 三月うさぎ:「魔法のクレヨン?」 帽子屋:「そう。色のないモノに、色を付けることができる魔法のクレヨン」 三月うさぎ:「普通のクレヨンと、どう違うのさ?」 帽子屋:「僕が魔法のクレヨンだと思っている。それだけで、普通のクレヨンとは、違うだろ?」 三月うさぎ:「意味がわからないけど、早く魔法のクレヨンでニンジンに色をつけてよ!」 帽子屋:「あぁ。では、さっそく、一本クレヨンを取り出してみようか」 三月うさぎ:「ワクワク!ドキドキ!」 帽子屋:「うーん…。よしっ!これなんか、どうかな?」 三月うさぎ:「あー!桃色のクレヨンだ!」 帽子屋:「それじゃ、色を付けてみるよ」 三月うさぎ:「あいおっ!」 帽子屋:「えいっ!」 三月うさぎ:「わーっ!色のないニンジンが、桃色のニンジンになった!桃色のニンジンになった!」 帽子屋:「さぁ、遠慮なく、めしあがれ」 三月うさぎ:「…」 帽子屋:「どうしたんだい?食べないの?」 三月うさぎ:「だって…。だってだってだって!全然美味しそうに見えないんだもん!」 三月うさぎ:「なんだか毒が入ってそうなんだもん!毒だよ!毒!大変だ!大変だ!」 帽子屋:「毒が入っているなら、確かに大変だ。じゃあ、他の色にしてみるかい?」 三月うさぎ:「他の色に?できるのかい?」 帽子屋:「もちろん。魔法のクレヨンの色は、一色だけじゃないのさ」 三月うさぎ:「一色だけじゃない!ワクワク!ドキドキ!」 帽子屋:「うーん…。よしっ!この色は、どうだろう?」 三月うさぎ:「わーっ!水色のクレヨンだ!」 帽子屋:「じゃあ、ニンジンの色を桃色から水色に!」 三月うさぎ:「あいおっ!」 帽子屋:「それっ!」 三月うさぎ:「わーっ!桃色のニンジンが、水色のニンジンになった!水色のニンジンだ!」 帽子屋:「さぁ、美味しく、めしあがれ」 三月うさぎ:「…」 帽子屋:「ん?どうしたの?食べないの?」 三月うさぎ:「帽子屋、せっかく色を付けてもらったんだけど」 三月うさぎ:「水色のニンジンも美味しそうに見えないよ。なんだか、腐ってるみたいに見えるよ」 帽子屋:「そうか…。腐ってるみたいか…」 三月うさぎ:「僕は、やっぱりオレンジ色のニンジンがいいな」 三月うさぎ:「帽子屋、オレンジ色はないの?」 帽子屋:「オレンジ色か…。あるかも知れないし、ないかも知れない」 三月うさぎ:「オレンジ色!出してよ!出してよ!オレンジ色の魔法のクレヨン!」 三月うさぎ:「ニンジンは、やっぱり、オレンジ色じゃなきゃダメだよ!」 帽子屋:「どうしてオレンジ色じゃなきゃダメなの?」 三月うさぎ:「うーん…。どうしてだろう?」 帽子屋:「それが、君の『あたりまえ』になってるってことかな?」 三月うさぎ:「あっ!そうだよ!そうだよ!オレンジ色のニンジンが、僕のあたりまえさ!」 帽子屋:「ほぅ。それが本当に君のあたりまえなのかな?」 三月うさぎ:「えっ!?どういうこと?」 帽子屋:「ニンジンは、オレンジ色だっていう、あたりまえは、いつ?どこで産まれたのかってことさ」 三月うさぎ:「そんなの決まってるだろ!最初からだよ!最初から、あたりまえなんだよ!」 帽子屋:「じゃあ、三月うさぎが一番最初に食べたニンジンが、桃色や水色だったなら?」 三月うさぎ:「でも、そんな色のニンジンなんてないから」 三月うさぎ:「桃色や水色のニンジンがあたりまえになることなんて、ないさ!」 帽子屋:「でも、実際にそれらは、存在するだろ?ほらっ」 三月うさぎ:「あーっ!水色のニンジンだ!僕の目の前に水色のニンジンがある!」 三月うさぎ:「大変だ!大変だ!でも、とにかく!ニンジンはオレンジ色なのがあたりまえで」 三月うさぎ:「オレンジ色じゃなきゃダメな気がするんだよ!」 帽子屋:「ダメな気がするだけ。そう、気がするだけで、君は世界にフタをしている」 帽子屋:「それは、そう、とてもつまらないことだ」 三月うさぎ:「つまらないこと?どういうことだい?」 帽子屋:「フタを開けた先の世界の中身は、今より、もっと面白いモノかも知れない」 三月うさぎ:「今よりも?面白いモノ?」 三月うさぎ:「大変だ!大変だ!僕、面白いモノ、だぁーい好き!」 帽子屋:「僕もだ。そして、そこには、まだ知らない美味しいモノもあるかも知れない」 三月うさぎ:「うわーっ!美味しいモノ?美味しいモノ?」 帽子屋:「ただ、逆も考えられる。フタを開けた世界の中身は、とても悲しくて、恐ろしいモノかも知れない」 三月うさぎ:「えーっ!怖いのは嫌だよ!」 帽子屋:「だけど、選べるモノは、多い方がいいだろ?」 三月うさぎ:「選べるモノは、多い方がいい!」 帽子屋:「だったら、水色のニンジンも食べてみないとだね」 三月うさぎ:「あいおっ!水色でもいい。ダメな理由は、ない!」 帽子屋:「そうさ。今までのあたりまえに縛られて、新しい可能性を潰すのは、とても、つまらないことだ」 三月うさぎ:「じゃあ、水色のニンジン、いっただきまーす!」 0:【長い間】 帽子屋:「フフッ。さてさて、水色のニンジンは、どんな味がしたのかな?」 : 0:―了―