台本概要

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タイトル ナレーターがツッコミするRPG
作者名 シジミ  (@sizimi1810)
ジャンル コメディ
演者人数 5人用台本(男2、女2、不問1) ※兼役あり
時間 40 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 他のシリーズを知らなくても問題ないですが知っているとより楽しめるかもしれません。
時系列
赤ちゃんRPG

バカゲーRPG

ナレーターがツッコミするRPG

以下説明
声劇時間はおよそ30〜40分程の見込み
色んな要素詰め込まれてるので説明してたらキリないです。
読んで、感じたまま、声劇して、楽しんでもらえればOK!
世界観を壊さない範囲でアドリブも可!

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
勇者 不問 59 ショタ勇者 可愛らしい男の子 6歳
ナレーター 64 ナレーションしたりツッコミしたり嫉妬したり大忙し
スライム 52 ガオーって言ったりもきゅもきゅって言ったり、おしとやかになったりコロコロ変わります。キャスト様の演技力が試される
中ボス 14 裏ボスと兼役 当たり障りない感じ
裏ボス 50 中ボスと兼役 イケおじ、実は子供好き、魔王に対しては全力で極道感出して圧かけます 魔王戦シリアスな雰囲気入ります
モブ 36 道具屋と魔王の兼役 セリフ数少なく見えますがセリフ濃ゆいのでやりがいあると思います。 【道具屋】 気さくなおじちゃん 【魔王】 部下に舐められてるタイプの魔王 戦闘力はほぼ無い 彼が魔王をやってる経緯を知りたくなった人は『バカゲーRPG』を読んでみてね
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

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ナレーター:ここはタンポポ村。自然豊かな平和な村。しかし、村の外には魔王の手下の魔物がたくさん居ます。 ナレーター:これは勇敢な勇者が魔王を倒し世界を救うまでのお話し。 ナレーター:おや?早速村の中心に勇者が居ますね。世界を救ってくれる勇者がどんな人物か見てみましょう 0: 勇者:よーし!魔王倒しに行くぞ〜! 勇者:でも、お腹空いたな〜…まずは道具屋さんに行こう! モブ:【道具屋】 モブ:おお!勇者の坊ちゃんどうしたんだい?お使いかい?偉いね〜 勇者:お腹すいたのーお菓子あるー? ナレーター:…え?ちょっとまって、ちょっ、勇者子供なの…!?青年とかじゃないの!? モブ:今お菓子ないんだよーごめんねー 勇者:お菓子ないのか〜… モブ:代わりに『封印された伝説の剣』ならあるよ?持っていくかい? 勇者:持ってく〜 ナレーター:おいおいおい!!待て待て待て!!!子供に軽いノリで封印された剣渡すな! ナレーター:しかも、なんで道具屋で伝説の剣扱ってんだよ! モブ:…あ!そうだ!お菓子は無いけどモンスター用のお菓子ならあるよ。 勇者:モンスター用のお菓子〜?美味しいの〜? モブ:坊ちゃんが食べても美味しくないよ。モンスターに力の差を分からせてからお菓子をあげると仲間になってくれるよ。 勇者:ふ〜ん。僕に*奉仕《ほうし》するしか脳が無いペットを作れるってことか。いいね。 ナレーター:やだこの子…モンスターを道具にしか見ていない…。もっと純粋無垢に育って欲しい…。 モブ:勇者としてモンスターを根絶やす事しか頭にない。これもまた純粋無垢なのかも知れませんな。 ナレーター:……えっ!?道具屋さん私の声聞こえてる!? モブ:ただの独り言ですゆえ、お気になさらず。 ナレーター:聞こえてますよね!?さてはお前只者では無いな!? モブ:騒ぐなわっぱ。小者程よく喋るものだ。 ナレーター:そんなこと言われても…私ナレーターだから喋らないといけないんですけど…。 モブ:自分の責務を全うしようとする心意気は良し。 ナレーター:何このおじさん怖い…。絶対ただの道具屋じゃない…。 モブ:有料の道具屋です。 ナレーター:そういう意味じゃねぇよ。 勇者:おじちゃんどうしたの〜?さっきからボーッとして。まるで自分にしか聞こえない声と会話してるみたいだよ〜? ナレーター:やだこの子鋭い…将来大物になるわ…! モブ:すまんすまん。わしの力を必要とする者の声が聞こえてきてな。 ナレーター:必要としてません。自意識過剰です。 勇者:厨二病ってやつだね! モブ:お詫びに*お駄賃《おだちん》あげるからね〜村の外に出る時は気を付るんじゃよ〜 勇者:はーい!おじちゃんありがとう〜!長生きしてね〜! ナレーター:お駄賃…!今どきお駄賃…!若い子に伝わらんて! モブ:……あの子の事は頼んだぞ。ナレーターさん。 ナレーター:…お前何者なんだよぉ!?怖ぇな!! 0:(間) 勇者:よ〜し!剣貰ったし村の外で遊ぶか〜! ナレーター:待って、待って!勇者待ちなさい。村の外に出ては行けません。危ないので今すぐお家に帰りなさい。 ナレーター:お家に帰って、お母さんに『変なおじちゃんから剣貰った〜』ってお母さんに渡しなさい! 勇者:むっ…!魔物の気配だ…! ナレーター:逃げてー!勇者今すぐ逃げてー! ナレーター:ちょ、さっきの道具屋来いよ!元はと言えばお前のせいだからな!?勇者君が怪我したらお前のせいだからな!? スライム:ガオー! 勇者:スライムだー!! スライム:ガオー!食べちゃうぞ〜! ナレーター:…おい。お前スライムじゃないだろ? ナレーター:スライムがガオーって言ってるところ見たことないのよ!序盤に出てくるスライムがガオーって言いながら出てくるの見たことないのよ!! 勇者:えい!えい! ナレーター:こら!危ないから剣振り回したらダメでしょ! スライム:うわ〜…やーらーれーたー。 ナレーター:スライム弱いな。そりゃあそうか…。スライムだもんな。 スライム:スライムだから弱いって固定概念やめて貰えます?不愉快です。 ナレーター:なんでお前も声聞こえてんだよぉぉおお! スライム:スライムが仲間になりたそうにコチラを見ている。 勇者:僕に忠誠を誓うか? スライム:*御心《みこころ》のままに 勇者:良いだろう。僕に仕える事を許そう。期待してるぞスライムちゃん。ほら、お菓子をあげよう。 スライム:ありがたき幸せ。頂戴致します。…もきゅもきゅ。お菓子うま。 勇者:いいなぁ〜僕もお菓子食べたい〜 スライム:この先行ったところにある魔王の城にお菓子いっぱいありますよ?魔王様が人間のお菓子買い占めてます。 勇者:えー!!僕のお菓子〜!!スライムちゃん魔王の城まで案内して! スライム:仰せのままに ナレーター:勇者!今すぐお家に帰るのです!!魔王の城は危険がいっぱいよ!! ナレーター:スライム!私の声が聞こえてるなら勇者を止めて! スライム:え?なに?聞こえてないけど? ナレーター:聞こえてんだろ!おい!舐めてんのか!おい!おーい!もーしーもーーし! 中ボス:待て!ここから先には行かせん! 勇者:誰だ!? 中ボス:中ボスだ。 ナレーター:…おい、作者。お前やってんな?お前の書くシナリオいつもそうなのよ。なんだよ中ボスって、絶対キャラ名考えるの面倒くさくなっただろ! 中ボス:今の貴様ではこの先は危険だ。大人しく家に帰るのだ。 ナレーター:いいぞ!いいぞ!中ボス!そのまま勇者を家に帰らせろ! 勇者:やだ!お菓子欲しいもん! 中ボス:お菓子ならコレを上げよう。はい。どうぞ。 勇者:なにこれー? 中ボス:金平糖だ。甘くて美味しいぞ? 勇者:いらね。ポイッ ナレーター:コラ!食べ物を粗末にしてはいけません! 中ボス:コラ!食べ物を粗末にしてはいけません! ナレーター:おい!同じセリフ言うな!ややこしいだろ! スライム:モグモグ。金平糖はスライムが美味しく頂きました。うまうま。 勇者:うるさいなー!マリトッツォが食べたいのー!クリーム多めのマリトッツォが食べたいのー! 中ボス:そんなものは魔王城にも無いぞ… スライム:ありますよー?魔王様が隠し持ってますよ?マリトッツォ 中ボス:コラッ!スライム!余計なこと言わないの!めっ!! 勇者:僕の邪魔をするならこの『封印された伝説の剣』で痛めつけてやるー! ナレーター:コラ!危ないから剣向けたらいけません! 中ボス:その剣は…!!まさか貴様…勇者か…? 勇者:そうだよ〜。僕勇者!食べ盛りの6ちゃい。 中ボス:……ふっはは…ハーッハッハッハ!これは傑作だ!またこうして勇者と相対する日が来るとはな!! 中ボス:勇者よ。貴様の目的はなんだ? 勇者:魔王を倒すこと。キリッ! ナレーター:勇者〜?キメ顔しなくていいのよー? 中ボス:良いであろう。貴様に敬意を払い我も本来の姿を明かすとしよう スライム:中ボス如きが長いんだよ。とっとと失せろザコ。 ナレーター:スライムが言うセリフじゃない。最初に出てくるスライムが言うセリフじゃないよ?立場わきまえようか? スライム:あ?なんなんだよお前。さっきからつっかかって来やがってよう。喋ることしか出来ねぇくせによぉ〜 ナレーター:あん?やんのか?お?お?私がナレーションしてお前殺すことも出来るんだぞ?? ナレーター:スライムは死んでましたって。いつの間にか死んでたけど、だれも気に止めませんでしたって。その程度の存在でした。ってナレーションするぞボケ スライム:しょーもな。そんな事しか出来ないんだ〜可哀想〜。なんか哀れに見えてきちゃった。かわ〜い〜そう〜 ナレーター:お前の語尾伸ばす喋り方腹立つ。ハキハキ喋れや。 スライム:え〜?なにが〜?滑舌悪すぎて聞き取れない〜 ナレーター:ナレーターなのに滑舌悪いわけないでしょ! スライム:うぷぷぷ。わらわら。もきゅもきゅ。 ナレーター:何笑ってんのよ! 中ボス:うるせぇー!!!今いいシーンでしょうがー!! 中ボス:我が真の姿を明かすからみんなお利口さんにしてなさい! 勇者:は〜い! 中ボス:いいお返事ですね。はい。金平糖。 勇者:いらね。ポイッ ナレーター:コラっ! スライム:もきゅもきゅ。うまうま。 中ボス:コォォォォオオオ……ハァァァァァァ!!! 裏ボス:コレが…私の真の姿、その名も裏ボスだ…! 勇者:裏ボス…だと…!? スライム:バカな!?魔王戦の前に裏ボスが出てくるなんて!ありえない…!! ナレーター:勇者逃げてー!!今すぐ逃げてー!!スライムを囮にして逃げてー!! 裏ボス:どうだ…?この姿は怖いか? 勇者:…怖い。 裏ボス:今すぐ逃げ出したいか? 勇者:…逃げられない。 裏ボス:何故だ? 勇者:イベント戦だから ナレーター:メタ発言おつ。 裏ボス:貴様の目的は魔王を倒すことだったな。もし俺が協力してやると言ったら…どうする? スライム:騙されてはダメよ! ナレーター:そーだそーだー 裏ボス:これが…黙そうとしている者の目に見えるか? スライム:見える!! 勇者:つぶらなおめめ〜 裏ボス:俺はずっと待っていたのだ…勇者の力を持つものが現れる日を… スライム:耳を貸してはダメよ!純粋無垢な勇者を利用しようとしてるのよ! ナレーター:そーだそーだー 裏ボス:まあ聞け。その後に判断すれば良い。 裏ボス:かつて俺は魔王だった。何百年もの間俺は魔王として勇者と戦ってきた。 裏ボス:倒されては封印され、復活しては封印され… 勇者:つまり負け続けてたってこと? スライム:無能ってこと?? ナレーター:クソザコってこと?? 裏ボス:いやいや、違うから。俺が本気出したらとんでもないから。一瞬で人間滅んじゃうから。マジ、ヤバいから。 スライム:ゆう様ここは話しを合わせておきましょう。めんどくさいんで 勇者:うんうん。裏ボスさん強いんだね〜 ナレーター:勇者は少し大人になった。 裏ボス:勇者に気を遣われるとは… 裏ボス:まあ良い。そんなある日俺を一撃で倒す勇者が現れた。 スライム:魔王を一撃で!? ナレーター:まあ、クソザコ君だもんね。 裏ボス:それが貴様の父親だ。そして俺が封印されている間に部下が魔王の座に着いていた。 裏ボス:俺が目を覚ました時…俺の居場所なんてどこにも無かった…。 裏ボス:誰の入り知恵か分からねぇが…魔王城のシステムは全く新しいものに変わっていたのだ。 裏ボス:残業の廃止。運賃の底上げ。働くモンスターのメンタルケアの実施。上下関係の廃止。最新の機材とかバンバン取り入れてるし。 裏ボス:俺が若い頃なんて魔王城に勤めてるってだけで誇りだったのに… 裏ボス:魔王の言うことは絶対。安い給料で毎日残業。毎日のように*怒涛《どとう》が飛び交っていた…。それが可愛がりとされていたのに…。 裏ボス:そんな考え方は古くさいとされ煙たがれてしまったよ。 勇者:……すぴー…すぴー…。 スライム:お前の話が長ぇからゆう様寝ちゃいましたよ。 ナレーター:誰も興味ねぇよ。お前の身の上話し。 裏ボス:…ずっと思ってたけど、スライム俺に対して口悪すぎじゃない?立場わかってる? スライム:そうやって権力を振りかざすしか脳が無いから嫌われるんですよ。 裏ボス:……ぐぅ。 ナレーター:あっ、ぐうの音は出た。 勇者:…ん〜…。むにゃむにゃ…。昔話し終わった〜…? 裏ボス:昔話しじゃないのよ。いや、君からしたら昔話しかもしれないけど 裏ボス:まあ良い!俺の目的は再び魔王の座に就くこと…しかし…魔王を倒す事ができるのは…勇者の力を継ぐ者のみ… 裏ボス:どうだ?俺と手を組まないか? 勇者:ん〜…?おじいちゃんの言うことよくわかんない〜 裏ボス:お、おじ!? スライム:ゆうくんはまだ6歳ですよ?そういう所が無能なんですよ。 ナレーター:そーだそーだー。ばーか!ばーか! スライム:ゆう様。コイツにおやつ食べさせましょう。それで全て解決です。きっとゆう様の目的の為に役立ちますよ。 スライム:要らなくなったら捨ててしまいましょう。金平糖のように… 裏ボス:ちょっと!?それ絶対服従のエサじゃん!?ダメだよ!!今の時代にそんなの使ったら! 裏ボス:あくまで協定だから! 勇者:きょーてーとか、ぜったいふくーじゅうーとか分からない〜 裏ボス:…ふむ。お兄さんに力を貸してくれたら魔王城のお菓子は全て君にあげよう。どうだい? ナレーター:お兄さんは無理がある。 スライム:キモっ。 勇者:ほんとー!?いいよー!お菓子ちょうだい〜! 裏ボス:良いとも。魔王討伐をした暁には有り余るほどのお菓子をあげよう。 ナレーター:ゆう君〜知らない人に付いて行ったらダメよ〜? 裏ボス:シーーー!やっと話しが進みそうなんだから! 勇者:ねーねー?おじいちゃん〜? 裏ボス:ん〜?なにかな〜?あとおじいちゃんじゃなくてお兄さんだよ〜? スライム:キモっ。…ほんとにキモイ。あとくさい。臭くてキモくてウザイ。 裏ボス:若い子から罵倒されるとホントに傷付くからやめてくれない? 勇者:おじいちゃんならこの剣の封印解ける〜? 裏ボス:ああ、封印された伝説の剣か。これぐらい造作もないよ。どれ…封印をといて…あげ… 裏ボス:あのー…ゆうくん? 勇者:なぁに〜? 裏ボス:どうして剣先をこちらに向けてくるのかな? 勇者:気のせいだよ〜? 裏ボス:危ないから剣先は下げてくれるかな? 勇者:はーい! 裏ボス:なんで振り上げてるの!?あぶ、危ないから!!めっ!! 裏ボス:もう!その剣の封印解くのは魔王戦の時ね! 勇者:え〜ケチ〜 スライム:ブス〜 ナレーター:ブサイク〜 裏ボス:隙あらば罵倒してくるのやめてくれない?裏ボスさんのライフはもうゼロよ? ナレーター:何だかんだあったけど、裏ボスが仲間…元い下僕になった。 裏ボス:ナレーションおかしくない? スライム:私の方が先輩だから。肝に銘じとくように 裏ボス:年下の先輩…頑張ります… 勇者:よ〜し!みんなで魔王城に遠足だ〜!!引率は僕がやるー! スライム:おー! ナレーター:おー! 裏ボス:いや、引率は俺がやります。 ナレーター:空気読めバカ。 裏ボス:あっ…すいません…。 0:(間) ナレーター:【魔王城玉座の間】 モブ:【魔王】え〜と…今月有給入れてる人は〜……うん。うん。みんなちゃんとお休み取ってるね。 モブ:今度社員みんなで旅行行くのもありだな。もちろん参加は自由で。最近の若い子は気にするからな〜 モブ:自分が若い時なんて魔王様の言うことは絶対で、飲み会とか旅行は絶対参加だったからな〜。 モブ:今の時代に合わせた魔王城にしていかないとね。 モブ:いっその事暫く魔王城無人にしちゃおうかな〜…。 モブ:プルルルル。プルルルル。ガチャ。もしもし〜魔王様ですけれども〜はい。はい。あ〜いつもお世話になっております〜 モブ:ええ。はい。あ〜そうでしたか〜それは大変失礼致しました。はい。…はい。かしこまりました。早急に対応させて頂きます。はい。失礼致します。 モブ:はぁ〜…。魔王城の経営って大変なんだなぁ〜…。 勇者:ごようだごようだ〜! スライム:やいのやいのー! ナレーター:金返せー! スライム:居るのは分かってるんだぞー!! ナレーター:出て来いコノヤロー!税金泥棒ー! 勇者:やったれやったれー! スライム:お役所仕事ー! ナレーター:ばーか!ばーか! モブ:一体なんの騒ぎだ!魔王室に入る時はノックをしろとあれほど…言って… 裏ボス:よぉ。ご無沙汰しております。魔王グリム様…。 モブ:あっ、あっ、あば、あば、ばばばばば!ま、魔王様…!! 裏ボス:ハッハッハッ!何を仰いますか。魔王様は貴方ではございませんか。ご連絡も無しにお邪魔してしまい大変申し訳ございません。 モブ:いや、あの、いや!か、顔をあげてくださいまし! 裏ボス:恐縮です。 モブ:本日はどのようなご要件で…? 裏ボス:お客様をお連れしたのですが、立ったままお話した方がよろしいでしょうか。 モブ:ああ、あっ、あ、その、大変失礼致しました!どうぞ!おかけください!いま!お菓子とお茶をお持ちいたしますので 勇者:わーい!お菓子ー! スライム:ゆう様。どうぞ私の分もお召し上がりください。 勇者:いいのー?ありがとう〜スライム好き〜 スライム:まあ!そんな…わたくしもゆう様の事お慕い(おしたい)申しております。 ナレーター:ナレーターはー?ゆう君ナレーターのことは好きー? スライム:お前の声は聞こえてねぇよ。ばーか。 ナレーター:声届いてなくても好きあってます〜!これが大人の恋愛なんです〜! スライム:一方通行の歪んだ愛…可哀想… ナレーター:はぁ!?お前だって恋愛対象に思われてねぇからな!? スライム:ゆう様。お口拭きますね。 勇者:ん〜!ありがとう〜! スライム:ふふ。可愛らしい。 ナレーター:ちょっと!私のゆう君に触らないでくれるー!? モブ:あの〜…そちらの方々は一体…? 裏ボス:ああ、お気になさらず。もっと堂々としてくださいよ。魔王様なんですから 裏ボス:魔王たるものいついかなる時も堂々としていないと…ねぇ?魔王様? モブ:え、ええ…おっしゃる通りです。はい。 裏ボス:ひとつ…伺ってもよろしいですか? モブ:何でしょうか…? 0:(ドスの効いた声で) 裏ボス:……俺から奪った王座の座り心地は…どうだ? 裏ボス:いま…どんな心境なのか…教えてくれよ…なあ?魔王様 スライム:ゆう様ご覧下さい。あれが*窮地《きゅうち》に追い詰められた者の顔でございます。 勇者:汗が滝みたいだね〜吹いてあげようか〜? スライム:いけません!ゆう様!手が穢れ(けがれ)てしまいます。 勇者:はーい! スライム:いいお返事ですね。 ナレーター:ちょっと〜あんまりゆう君にベタベタしないでくれる〜? スライム:無理です。スライムなので。 ナレーター:むっか〜!上手いこと言ったつもりかよ! モブ:…お言葉ですが…今魔王城を任せられているのはわたくしです。引退された方に…とやかく言われる筋合いはございません。 モブ:御足労頂きましたが、お帰りください! ナレーター:おお!男気見せたな!やるなー!魔王〜! 裏ボス:……お前は大人しく隠居してろ…そう…言いたいのか? モブ:力で何でも解決出来た時代は終わったんですよ。今は多様性の時代なんです。 裏ボス:圧倒的な力無くして魔王が務まるか!舐められたらしまいだろうが! モブ:その考えが古いって言ってるんですよ! モブ:あなたの代でやってきた悪事の代償を今の若い子たちが払い続けてるんですよ! 裏ボス:…じゃあ、言わせてもらうけどよ…。お前…人間のお菓子占領してるらしいな。 モブ:…ッ!それは…!でも、ちゃんと相場の倍以上の金を払ってます!あなたみたいに力で奪ったりはしない! 裏ボス:金さえあれば何でも許されるのか? モブ:少なくともあなたのやり方よりかは良心的だと思ってますよ。 裏ボス:…お前…裏で部下からなんて呼ばれてるか知ってるか? モブ:知りませんけど…。 裏ボス:パパ活おじさんだよ。 モブ:誰だー!そんなこと言ってる奴はー!! 裏ボス:ご機嫌取れば金弾んでくれるパパ活おじさん…お前金ずるにしか思われてねぇよ。 モブ:……それでも!前に比べれば社員の幸福度は高いです!今は過剰な労働も厳しい訓練もない!そもそも力を付けることを強要していません! 裏ボス:……そうだな…。だから…俺一人に制圧されちまうんだろうな…。 モブ:……は? 裏ボス:手荒なまねしたく無かったんだけどよう。お前の優秀な部下の中にこの子の正体知ってるやつが居てよ。 裏ボス:魔王様に会わせる訳にはいきません!って騒ぎ出すからさ……片っ端から黙らせてきた。 モブ:なんてことを…… 勇者:もぐもぐ。お菓子うんま…もぐもぐ。 スライム:ゆう様あーーん。 勇者:あーん。もぐもぐ。 モブ:折角溜め込んだお菓子をものすごいスピードで食べ進めるその子供がなんだと言うのです…。まさか…お菓子を食べ尽くして、私に嫌がらせでもするおつもりですか? モブ:わたくしが魔王である以上貴方に倒されることはありませんよ。 裏ボス:いくら力の差があろうと魔王を倒せるのは勇者だけだもんな。 モブ:ええ。あなたが何をしようとわたくしを倒せるのは勇者だ…け……まさかっ!? 裏ボス:ゆう君。食後の運動のお時間だ。剣を構えろ。封印を解いてやる。 勇者:えー!僕まだ食べ足りないよー! 裏ボス:あいつはお菓子を買い占めて独り占めする悪ーいやつなんだ。あいつ倒せばもっとお菓子食べれるよ。 勇者:えー!!お菓子はみんなのものなんだよー!みんなで食べた方が美味しいんだよー! スライム:ゆう様のおっしゃる通り! ナレーター:スライム完全に信者だな。 ナレーター:皆様ご覧下さい。裏ボスと勇者が手を組み魔王を追い詰めるという世にも珍しい光景でございます。 スライム:スライムもいまーす! ナレーター:黙れ戦力外。 スライム:ゆう様〜!どこかでスライムの悪口を言ってる声がする〜 勇者:よしよしよし。可哀想に ナレーター:おぉい!クソスライム!やっていい事と悪いことがあるだろ!? 0:(モブの情緒乱れます) モブ:クソっ!クソクソクソクソクソ!!! モブ:俺は魔王の座を降りる訳にはいかねぇんだよ!! モブ:引退したやつの出る幕じゃねぇんだよ!!お前の時代は終わったんだよ!!引っ込んでろや老害がよぉ! 裏ボス:随分化けの皮が剥がれたじゃねぇか…お前…魔王の器じゃねぇよ。 モブ:うるせぇー!!終わらせはしない…まだ終わらせねぇ!! モブ:偉大なる*創造神《そうぞうしん》よ…我に理(ことわり)を破る力をお与えください…!! モブ:究極魔法『ジ・エンド 』 ナレーター:…えー声劇の途中ですが速報が入ってまいりました。 ナレーター:え〜…なになに〜……ジ・エンドが発動すると強制的にシナリオが終了致します。お疲れ様でした。作者より……。 ナレーター:作者ぁぁぁああああああ!!!!! スライム:ナレーターがツッコミするRPG 勇者:おーわーりー

ナレーター:ここはタンポポ村。自然豊かな平和な村。しかし、村の外には魔王の手下の魔物がたくさん居ます。 ナレーター:これは勇敢な勇者が魔王を倒し世界を救うまでのお話し。 ナレーター:おや?早速村の中心に勇者が居ますね。世界を救ってくれる勇者がどんな人物か見てみましょう 0: 勇者:よーし!魔王倒しに行くぞ〜! 勇者:でも、お腹空いたな〜…まずは道具屋さんに行こう! モブ:【道具屋】 モブ:おお!勇者の坊ちゃんどうしたんだい?お使いかい?偉いね〜 勇者:お腹すいたのーお菓子あるー? ナレーター:…え?ちょっとまって、ちょっ、勇者子供なの…!?青年とかじゃないの!? モブ:今お菓子ないんだよーごめんねー 勇者:お菓子ないのか〜… モブ:代わりに『封印された伝説の剣』ならあるよ?持っていくかい? 勇者:持ってく〜 ナレーター:おいおいおい!!待て待て待て!!!子供に軽いノリで封印された剣渡すな! ナレーター:しかも、なんで道具屋で伝説の剣扱ってんだよ! モブ:…あ!そうだ!お菓子は無いけどモンスター用のお菓子ならあるよ。 勇者:モンスター用のお菓子〜?美味しいの〜? モブ:坊ちゃんが食べても美味しくないよ。モンスターに力の差を分からせてからお菓子をあげると仲間になってくれるよ。 勇者:ふ〜ん。僕に*奉仕《ほうし》するしか脳が無いペットを作れるってことか。いいね。 ナレーター:やだこの子…モンスターを道具にしか見ていない…。もっと純粋無垢に育って欲しい…。 モブ:勇者としてモンスターを根絶やす事しか頭にない。これもまた純粋無垢なのかも知れませんな。 ナレーター:……えっ!?道具屋さん私の声聞こえてる!? モブ:ただの独り言ですゆえ、お気になさらず。 ナレーター:聞こえてますよね!?さてはお前只者では無いな!? モブ:騒ぐなわっぱ。小者程よく喋るものだ。 ナレーター:そんなこと言われても…私ナレーターだから喋らないといけないんですけど…。 モブ:自分の責務を全うしようとする心意気は良し。 ナレーター:何このおじさん怖い…。絶対ただの道具屋じゃない…。 モブ:有料の道具屋です。 ナレーター:そういう意味じゃねぇよ。 勇者:おじちゃんどうしたの〜?さっきからボーッとして。まるで自分にしか聞こえない声と会話してるみたいだよ〜? ナレーター:やだこの子鋭い…将来大物になるわ…! モブ:すまんすまん。わしの力を必要とする者の声が聞こえてきてな。 ナレーター:必要としてません。自意識過剰です。 勇者:厨二病ってやつだね! モブ:お詫びに*お駄賃《おだちん》あげるからね〜村の外に出る時は気を付るんじゃよ〜 勇者:はーい!おじちゃんありがとう〜!長生きしてね〜! ナレーター:お駄賃…!今どきお駄賃…!若い子に伝わらんて! モブ:……あの子の事は頼んだぞ。ナレーターさん。 ナレーター:…お前何者なんだよぉ!?怖ぇな!! 0:(間) 勇者:よ〜し!剣貰ったし村の外で遊ぶか〜! ナレーター:待って、待って!勇者待ちなさい。村の外に出ては行けません。危ないので今すぐお家に帰りなさい。 ナレーター:お家に帰って、お母さんに『変なおじちゃんから剣貰った〜』ってお母さんに渡しなさい! 勇者:むっ…!魔物の気配だ…! ナレーター:逃げてー!勇者今すぐ逃げてー! ナレーター:ちょ、さっきの道具屋来いよ!元はと言えばお前のせいだからな!?勇者君が怪我したらお前のせいだからな!? スライム:ガオー! 勇者:スライムだー!! スライム:ガオー!食べちゃうぞ〜! ナレーター:…おい。お前スライムじゃないだろ? ナレーター:スライムがガオーって言ってるところ見たことないのよ!序盤に出てくるスライムがガオーって言いながら出てくるの見たことないのよ!! 勇者:えい!えい! ナレーター:こら!危ないから剣振り回したらダメでしょ! スライム:うわ〜…やーらーれーたー。 ナレーター:スライム弱いな。そりゃあそうか…。スライムだもんな。 スライム:スライムだから弱いって固定概念やめて貰えます?不愉快です。 ナレーター:なんでお前も声聞こえてんだよぉぉおお! スライム:スライムが仲間になりたそうにコチラを見ている。 勇者:僕に忠誠を誓うか? スライム:*御心《みこころ》のままに 勇者:良いだろう。僕に仕える事を許そう。期待してるぞスライムちゃん。ほら、お菓子をあげよう。 スライム:ありがたき幸せ。頂戴致します。…もきゅもきゅ。お菓子うま。 勇者:いいなぁ〜僕もお菓子食べたい〜 スライム:この先行ったところにある魔王の城にお菓子いっぱいありますよ?魔王様が人間のお菓子買い占めてます。 勇者:えー!!僕のお菓子〜!!スライムちゃん魔王の城まで案内して! スライム:仰せのままに ナレーター:勇者!今すぐお家に帰るのです!!魔王の城は危険がいっぱいよ!! ナレーター:スライム!私の声が聞こえてるなら勇者を止めて! スライム:え?なに?聞こえてないけど? ナレーター:聞こえてんだろ!おい!舐めてんのか!おい!おーい!もーしーもーーし! 中ボス:待て!ここから先には行かせん! 勇者:誰だ!? 中ボス:中ボスだ。 ナレーター:…おい、作者。お前やってんな?お前の書くシナリオいつもそうなのよ。なんだよ中ボスって、絶対キャラ名考えるの面倒くさくなっただろ! 中ボス:今の貴様ではこの先は危険だ。大人しく家に帰るのだ。 ナレーター:いいぞ!いいぞ!中ボス!そのまま勇者を家に帰らせろ! 勇者:やだ!お菓子欲しいもん! 中ボス:お菓子ならコレを上げよう。はい。どうぞ。 勇者:なにこれー? 中ボス:金平糖だ。甘くて美味しいぞ? 勇者:いらね。ポイッ ナレーター:コラ!食べ物を粗末にしてはいけません! 中ボス:コラ!食べ物を粗末にしてはいけません! ナレーター:おい!同じセリフ言うな!ややこしいだろ! スライム:モグモグ。金平糖はスライムが美味しく頂きました。うまうま。 勇者:うるさいなー!マリトッツォが食べたいのー!クリーム多めのマリトッツォが食べたいのー! 中ボス:そんなものは魔王城にも無いぞ… スライム:ありますよー?魔王様が隠し持ってますよ?マリトッツォ 中ボス:コラッ!スライム!余計なこと言わないの!めっ!! 勇者:僕の邪魔をするならこの『封印された伝説の剣』で痛めつけてやるー! ナレーター:コラ!危ないから剣向けたらいけません! 中ボス:その剣は…!!まさか貴様…勇者か…? 勇者:そうだよ〜。僕勇者!食べ盛りの6ちゃい。 中ボス:……ふっはは…ハーッハッハッハ!これは傑作だ!またこうして勇者と相対する日が来るとはな!! 中ボス:勇者よ。貴様の目的はなんだ? 勇者:魔王を倒すこと。キリッ! ナレーター:勇者〜?キメ顔しなくていいのよー? 中ボス:良いであろう。貴様に敬意を払い我も本来の姿を明かすとしよう スライム:中ボス如きが長いんだよ。とっとと失せろザコ。 ナレーター:スライムが言うセリフじゃない。最初に出てくるスライムが言うセリフじゃないよ?立場わきまえようか? スライム:あ?なんなんだよお前。さっきからつっかかって来やがってよう。喋ることしか出来ねぇくせによぉ〜 ナレーター:あん?やんのか?お?お?私がナレーションしてお前殺すことも出来るんだぞ?? ナレーター:スライムは死んでましたって。いつの間にか死んでたけど、だれも気に止めませんでしたって。その程度の存在でした。ってナレーションするぞボケ スライム:しょーもな。そんな事しか出来ないんだ〜可哀想〜。なんか哀れに見えてきちゃった。かわ〜い〜そう〜 ナレーター:お前の語尾伸ばす喋り方腹立つ。ハキハキ喋れや。 スライム:え〜?なにが〜?滑舌悪すぎて聞き取れない〜 ナレーター:ナレーターなのに滑舌悪いわけないでしょ! スライム:うぷぷぷ。わらわら。もきゅもきゅ。 ナレーター:何笑ってんのよ! 中ボス:うるせぇー!!!今いいシーンでしょうがー!! 中ボス:我が真の姿を明かすからみんなお利口さんにしてなさい! 勇者:は〜い! 中ボス:いいお返事ですね。はい。金平糖。 勇者:いらね。ポイッ ナレーター:コラっ! スライム:もきゅもきゅ。うまうま。 中ボス:コォォォォオオオ……ハァァァァァァ!!! 裏ボス:コレが…私の真の姿、その名も裏ボスだ…! 勇者:裏ボス…だと…!? スライム:バカな!?魔王戦の前に裏ボスが出てくるなんて!ありえない…!! ナレーター:勇者逃げてー!!今すぐ逃げてー!!スライムを囮にして逃げてー!! 裏ボス:どうだ…?この姿は怖いか? 勇者:…怖い。 裏ボス:今すぐ逃げ出したいか? 勇者:…逃げられない。 裏ボス:何故だ? 勇者:イベント戦だから ナレーター:メタ発言おつ。 裏ボス:貴様の目的は魔王を倒すことだったな。もし俺が協力してやると言ったら…どうする? スライム:騙されてはダメよ! ナレーター:そーだそーだー 裏ボス:これが…黙そうとしている者の目に見えるか? スライム:見える!! 勇者:つぶらなおめめ〜 裏ボス:俺はずっと待っていたのだ…勇者の力を持つものが現れる日を… スライム:耳を貸してはダメよ!純粋無垢な勇者を利用しようとしてるのよ! ナレーター:そーだそーだー 裏ボス:まあ聞け。その後に判断すれば良い。 裏ボス:かつて俺は魔王だった。何百年もの間俺は魔王として勇者と戦ってきた。 裏ボス:倒されては封印され、復活しては封印され… 勇者:つまり負け続けてたってこと? スライム:無能ってこと?? ナレーター:クソザコってこと?? 裏ボス:いやいや、違うから。俺が本気出したらとんでもないから。一瞬で人間滅んじゃうから。マジ、ヤバいから。 スライム:ゆう様ここは話しを合わせておきましょう。めんどくさいんで 勇者:うんうん。裏ボスさん強いんだね〜 ナレーター:勇者は少し大人になった。 裏ボス:勇者に気を遣われるとは… 裏ボス:まあ良い。そんなある日俺を一撃で倒す勇者が現れた。 スライム:魔王を一撃で!? ナレーター:まあ、クソザコ君だもんね。 裏ボス:それが貴様の父親だ。そして俺が封印されている間に部下が魔王の座に着いていた。 裏ボス:俺が目を覚ました時…俺の居場所なんてどこにも無かった…。 裏ボス:誰の入り知恵か分からねぇが…魔王城のシステムは全く新しいものに変わっていたのだ。 裏ボス:残業の廃止。運賃の底上げ。働くモンスターのメンタルケアの実施。上下関係の廃止。最新の機材とかバンバン取り入れてるし。 裏ボス:俺が若い頃なんて魔王城に勤めてるってだけで誇りだったのに… 裏ボス:魔王の言うことは絶対。安い給料で毎日残業。毎日のように*怒涛《どとう》が飛び交っていた…。それが可愛がりとされていたのに…。 裏ボス:そんな考え方は古くさいとされ煙たがれてしまったよ。 勇者:……すぴー…すぴー…。 スライム:お前の話が長ぇからゆう様寝ちゃいましたよ。 ナレーター:誰も興味ねぇよ。お前の身の上話し。 裏ボス:…ずっと思ってたけど、スライム俺に対して口悪すぎじゃない?立場わかってる? スライム:そうやって権力を振りかざすしか脳が無いから嫌われるんですよ。 裏ボス:……ぐぅ。 ナレーター:あっ、ぐうの音は出た。 勇者:…ん〜…。むにゃむにゃ…。昔話し終わった〜…? 裏ボス:昔話しじゃないのよ。いや、君からしたら昔話しかもしれないけど 裏ボス:まあ良い!俺の目的は再び魔王の座に就くこと…しかし…魔王を倒す事ができるのは…勇者の力を継ぐ者のみ… 裏ボス:どうだ?俺と手を組まないか? 勇者:ん〜…?おじいちゃんの言うことよくわかんない〜 裏ボス:お、おじ!? スライム:ゆうくんはまだ6歳ですよ?そういう所が無能なんですよ。 ナレーター:そーだそーだー。ばーか!ばーか! スライム:ゆう様。コイツにおやつ食べさせましょう。それで全て解決です。きっとゆう様の目的の為に役立ちますよ。 スライム:要らなくなったら捨ててしまいましょう。金平糖のように… 裏ボス:ちょっと!?それ絶対服従のエサじゃん!?ダメだよ!!今の時代にそんなの使ったら! 裏ボス:あくまで協定だから! 勇者:きょーてーとか、ぜったいふくーじゅうーとか分からない〜 裏ボス:…ふむ。お兄さんに力を貸してくれたら魔王城のお菓子は全て君にあげよう。どうだい? ナレーター:お兄さんは無理がある。 スライム:キモっ。 勇者:ほんとー!?いいよー!お菓子ちょうだい〜! 裏ボス:良いとも。魔王討伐をした暁には有り余るほどのお菓子をあげよう。 ナレーター:ゆう君〜知らない人に付いて行ったらダメよ〜? 裏ボス:シーーー!やっと話しが進みそうなんだから! 勇者:ねーねー?おじいちゃん〜? 裏ボス:ん〜?なにかな〜?あとおじいちゃんじゃなくてお兄さんだよ〜? スライム:キモっ。…ほんとにキモイ。あとくさい。臭くてキモくてウザイ。 裏ボス:若い子から罵倒されるとホントに傷付くからやめてくれない? 勇者:おじいちゃんならこの剣の封印解ける〜? 裏ボス:ああ、封印された伝説の剣か。これぐらい造作もないよ。どれ…封印をといて…あげ… 裏ボス:あのー…ゆうくん? 勇者:なぁに〜? 裏ボス:どうして剣先をこちらに向けてくるのかな? 勇者:気のせいだよ〜? 裏ボス:危ないから剣先は下げてくれるかな? 勇者:はーい! 裏ボス:なんで振り上げてるの!?あぶ、危ないから!!めっ!! 裏ボス:もう!その剣の封印解くのは魔王戦の時ね! 勇者:え〜ケチ〜 スライム:ブス〜 ナレーター:ブサイク〜 裏ボス:隙あらば罵倒してくるのやめてくれない?裏ボスさんのライフはもうゼロよ? ナレーター:何だかんだあったけど、裏ボスが仲間…元い下僕になった。 裏ボス:ナレーションおかしくない? スライム:私の方が先輩だから。肝に銘じとくように 裏ボス:年下の先輩…頑張ります… 勇者:よ〜し!みんなで魔王城に遠足だ〜!!引率は僕がやるー! スライム:おー! ナレーター:おー! 裏ボス:いや、引率は俺がやります。 ナレーター:空気読めバカ。 裏ボス:あっ…すいません…。 0:(間) ナレーター:【魔王城玉座の間】 モブ:【魔王】え〜と…今月有給入れてる人は〜……うん。うん。みんなちゃんとお休み取ってるね。 モブ:今度社員みんなで旅行行くのもありだな。もちろん参加は自由で。最近の若い子は気にするからな〜 モブ:自分が若い時なんて魔王様の言うことは絶対で、飲み会とか旅行は絶対参加だったからな〜。 モブ:今の時代に合わせた魔王城にしていかないとね。 モブ:いっその事暫く魔王城無人にしちゃおうかな〜…。 モブ:プルルルル。プルルルル。ガチャ。もしもし〜魔王様ですけれども〜はい。はい。あ〜いつもお世話になっております〜 モブ:ええ。はい。あ〜そうでしたか〜それは大変失礼致しました。はい。…はい。かしこまりました。早急に対応させて頂きます。はい。失礼致します。 モブ:はぁ〜…。魔王城の経営って大変なんだなぁ〜…。 勇者:ごようだごようだ〜! スライム:やいのやいのー! ナレーター:金返せー! スライム:居るのは分かってるんだぞー!! ナレーター:出て来いコノヤロー!税金泥棒ー! 勇者:やったれやったれー! スライム:お役所仕事ー! ナレーター:ばーか!ばーか! モブ:一体なんの騒ぎだ!魔王室に入る時はノックをしろとあれほど…言って… 裏ボス:よぉ。ご無沙汰しております。魔王グリム様…。 モブ:あっ、あっ、あば、あば、ばばばばば!ま、魔王様…!! 裏ボス:ハッハッハッ!何を仰いますか。魔王様は貴方ではございませんか。ご連絡も無しにお邪魔してしまい大変申し訳ございません。 モブ:いや、あの、いや!か、顔をあげてくださいまし! 裏ボス:恐縮です。 モブ:本日はどのようなご要件で…? 裏ボス:お客様をお連れしたのですが、立ったままお話した方がよろしいでしょうか。 モブ:ああ、あっ、あ、その、大変失礼致しました!どうぞ!おかけください!いま!お菓子とお茶をお持ちいたしますので 勇者:わーい!お菓子ー! スライム:ゆう様。どうぞ私の分もお召し上がりください。 勇者:いいのー?ありがとう〜スライム好き〜 スライム:まあ!そんな…わたくしもゆう様の事お慕い(おしたい)申しております。 ナレーター:ナレーターはー?ゆう君ナレーターのことは好きー? スライム:お前の声は聞こえてねぇよ。ばーか。 ナレーター:声届いてなくても好きあってます〜!これが大人の恋愛なんです〜! スライム:一方通行の歪んだ愛…可哀想… ナレーター:はぁ!?お前だって恋愛対象に思われてねぇからな!? スライム:ゆう様。お口拭きますね。 勇者:ん〜!ありがとう〜! スライム:ふふ。可愛らしい。 ナレーター:ちょっと!私のゆう君に触らないでくれるー!? モブ:あの〜…そちらの方々は一体…? 裏ボス:ああ、お気になさらず。もっと堂々としてくださいよ。魔王様なんですから 裏ボス:魔王たるものいついかなる時も堂々としていないと…ねぇ?魔王様? モブ:え、ええ…おっしゃる通りです。はい。 裏ボス:ひとつ…伺ってもよろしいですか? モブ:何でしょうか…? 0:(ドスの効いた声で) 裏ボス:……俺から奪った王座の座り心地は…どうだ? 裏ボス:いま…どんな心境なのか…教えてくれよ…なあ?魔王様 スライム:ゆう様ご覧下さい。あれが*窮地《きゅうち》に追い詰められた者の顔でございます。 勇者:汗が滝みたいだね〜吹いてあげようか〜? スライム:いけません!ゆう様!手が穢れ(けがれ)てしまいます。 勇者:はーい! スライム:いいお返事ですね。 ナレーター:ちょっと〜あんまりゆう君にベタベタしないでくれる〜? スライム:無理です。スライムなので。 ナレーター:むっか〜!上手いこと言ったつもりかよ! モブ:…お言葉ですが…今魔王城を任せられているのはわたくしです。引退された方に…とやかく言われる筋合いはございません。 モブ:御足労頂きましたが、お帰りください! ナレーター:おお!男気見せたな!やるなー!魔王〜! 裏ボス:……お前は大人しく隠居してろ…そう…言いたいのか? モブ:力で何でも解決出来た時代は終わったんですよ。今は多様性の時代なんです。 裏ボス:圧倒的な力無くして魔王が務まるか!舐められたらしまいだろうが! モブ:その考えが古いって言ってるんですよ! モブ:あなたの代でやってきた悪事の代償を今の若い子たちが払い続けてるんですよ! 裏ボス:…じゃあ、言わせてもらうけどよ…。お前…人間のお菓子占領してるらしいな。 モブ:…ッ!それは…!でも、ちゃんと相場の倍以上の金を払ってます!あなたみたいに力で奪ったりはしない! 裏ボス:金さえあれば何でも許されるのか? モブ:少なくともあなたのやり方よりかは良心的だと思ってますよ。 裏ボス:…お前…裏で部下からなんて呼ばれてるか知ってるか? モブ:知りませんけど…。 裏ボス:パパ活おじさんだよ。 モブ:誰だー!そんなこと言ってる奴はー!! 裏ボス:ご機嫌取れば金弾んでくれるパパ活おじさん…お前金ずるにしか思われてねぇよ。 モブ:……それでも!前に比べれば社員の幸福度は高いです!今は過剰な労働も厳しい訓練もない!そもそも力を付けることを強要していません! 裏ボス:……そうだな…。だから…俺一人に制圧されちまうんだろうな…。 モブ:……は? 裏ボス:手荒なまねしたく無かったんだけどよう。お前の優秀な部下の中にこの子の正体知ってるやつが居てよ。 裏ボス:魔王様に会わせる訳にはいきません!って騒ぎ出すからさ……片っ端から黙らせてきた。 モブ:なんてことを…… 勇者:もぐもぐ。お菓子うんま…もぐもぐ。 スライム:ゆう様あーーん。 勇者:あーん。もぐもぐ。 モブ:折角溜め込んだお菓子をものすごいスピードで食べ進めるその子供がなんだと言うのです…。まさか…お菓子を食べ尽くして、私に嫌がらせでもするおつもりですか? モブ:わたくしが魔王である以上貴方に倒されることはありませんよ。 裏ボス:いくら力の差があろうと魔王を倒せるのは勇者だけだもんな。 モブ:ええ。あなたが何をしようとわたくしを倒せるのは勇者だ…け……まさかっ!? 裏ボス:ゆう君。食後の運動のお時間だ。剣を構えろ。封印を解いてやる。 勇者:えー!僕まだ食べ足りないよー! 裏ボス:あいつはお菓子を買い占めて独り占めする悪ーいやつなんだ。あいつ倒せばもっとお菓子食べれるよ。 勇者:えー!!お菓子はみんなのものなんだよー!みんなで食べた方が美味しいんだよー! スライム:ゆう様のおっしゃる通り! ナレーター:スライム完全に信者だな。 ナレーター:皆様ご覧下さい。裏ボスと勇者が手を組み魔王を追い詰めるという世にも珍しい光景でございます。 スライム:スライムもいまーす! ナレーター:黙れ戦力外。 スライム:ゆう様〜!どこかでスライムの悪口を言ってる声がする〜 勇者:よしよしよし。可哀想に ナレーター:おぉい!クソスライム!やっていい事と悪いことがあるだろ!? 0:(モブの情緒乱れます) モブ:クソっ!クソクソクソクソクソ!!! モブ:俺は魔王の座を降りる訳にはいかねぇんだよ!! モブ:引退したやつの出る幕じゃねぇんだよ!!お前の時代は終わったんだよ!!引っ込んでろや老害がよぉ! 裏ボス:随分化けの皮が剥がれたじゃねぇか…お前…魔王の器じゃねぇよ。 モブ:うるせぇー!!終わらせはしない…まだ終わらせねぇ!! モブ:偉大なる*創造神《そうぞうしん》よ…我に理(ことわり)を破る力をお与えください…!! モブ:究極魔法『ジ・エンド 』 ナレーター:…えー声劇の途中ですが速報が入ってまいりました。 ナレーター:え〜…なになに〜……ジ・エンドが発動すると強制的にシナリオが終了致します。お疲れ様でした。作者より……。 ナレーター:作者ぁぁぁああああああ!!!!! スライム:ナレーターがツッコミするRPG 勇者:おーわーりー