台本概要
159 views
タイトル | K・Kトラベル |
---|---|
作者名 | ヒロタカノ (@hiro_takano) |
ジャンル | コメディ |
演者人数 | 4人用台本(男1、女1、不問2) |
時間 | 10 分 |
台本使用規定 | 商用、非商用問わず連絡不要 |
説明 |
旅行先でトラブルに巻き込まれた男女二人の婚活コメディ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー どこかなにかで使っていただけたら幸いです。 「使ったよ」とでもコメントいただけたらありがたいです。 いつかどこかで誰かのお役に立ちますように。 159 views |
キャラ説明
名前 | 性別 | 台詞数 | 説明 |
---|---|---|---|
恵子 | 女 | 22 | 外資系企業のスタッフ(社員) |
修一 | 男 | 19 | 外資系企業のマネージャー(課長) |
諏訪子 | 不問 | 9 | 旅行代理店社員 ※名前が出てこないので、男性が演じていただいても良いです。 |
男 | 不問 | 5 | 女性役に変えても良いです。 |
※役をクリックするとセリフに色が付きます。
台本本編
:○山奥の別荘 リビング(夜)
0:木造立ての別荘。八畳ほどの広さである。黒電話の受話器を片手に河島恵子(30)が立っている。玄関のドアが開き、桑島修一(28)が入ってきて、
修一:「どう?恵子さん?電話、繋がった?」
0:恵子は首を振って、
恵子:「ダメね、やっぱり繋がらない。修一さん、車のほうはどう?修理できた?」
修一:「いや、ダメみたい。…おかしいなぁ…行きはなんともなかったのに…困ったなぁ」
0:申し訳なさそうに恵子、
恵子:「ごめんね、私が山奥の別荘で二人きりで過ごしたいなんて言ったばかりに」
修一:「いや、恵子さんのせいじゃないさ。故障じゃしょうがないよ。朝になったら、山を降りて周りを歩いてみようよ。近くに人が住んでるよきっと。助けてもらおう?」
恵子:「…うん」
修一:「…でも、ケータイが圏外なのはまだしも、一般回線が繋がらないっていうのはなぁ…。その旅行代理店はなんて言う会社なんだい?もしもの時に電話がつながらないなんて、サポートが行き届いてないぞ?ガツンと文句を言ってやらないと」
0:恵子は修一に微笑んで、
恵子:「ふふ、修一さん、頼もしいね」
0:修一は顔を背け、照れてはにかみ、
修一:「いやいや、同じサービス業として、ユーザーに対してもしもの時があった場合のユースケースを想定してないのが許せないだけだよ。僕の部下にも仕事を軽く考えてるやつがいてね、何度もユーザーの視点にたってビジネスモデルを構築しろって教えてるんだけど、これがなかなか…」
0:恵子は口を手でおさえ、クスッと笑い、
恵子:「修一さん、今は旅行中よ。仕事の事は考えちゃだめ?ね?」
0:修一はハッとした顔をして、
修一:「え?…ああ、ごめん。つい…クセで、はは、職業病かな」
恵子:「修一さん?せっかくここまで来て二人きりになったんだよ?…楽しみましょ?」
0:小首をかしげ、修一に目線を送る恵子。目があった修一は照れて目線を落とす。修一の目線の先に、恵子の胸の谷間が入り、ハッして慌てて顔を背ける。目線を床に落とし、手持ちぶたさの手でズボンのポケットをいじりながら、
修一:「…そうだね…じゃあ。その、ねえ、まず、シャワーでも浴びてきたら?」
恵子:「…ん?」
修一:「…その…ああ!そうだよ。長旅で疲れたろ?先にシャワーでも浴びてきなよ?」
0:修一は視線を床に落としたまま、
修一:「大丈夫、朝まで僕がちゃんと護っててあげるから…ね、シャワー、浴びてきなよ」
恵子は小首をかしげ、
恵子:「…う、うん?じゃあ、そうするね」
0:突然、ドアがドンドン激しくノックされる。恵子はドアを見て、
恵子:「…誰かしら?」
0:恐る恐るドアを開ける恵子。開けたドアから傷だらけの男がリビングに倒れこむ。修一は小さく悲鳴をあげて、
男:「うわぁあああ!助けてくれー!」
修一:「ひ、ひ!なに?」
0:恐る恐るドアを閉め、鍵をかける恵子。恵子は男を見下ろし、
恵子:「ちょっと、あなた、どうしたんですか?傷だらけじゃないですか?」
0:男は顔をあげると、
男:「た、助けてけれ!山道で斧を持った男さ、突然襲われて!」
修一:「はぁ?襲われた?斧持って?日本の山奥で?何を馬鹿な。ジェイソンじゃあるまいし、現実じゃありえないよそんなこと!」
男:「嘘じゃねえ、ほんとなんだ!この傷を見てくれや!かくまっておくれや!」
恵子:「修一さん、どうしよう?」
修一:「どうしようって言ったって…電話も通じないし…警察に連絡できないし…うーん」
0:ドアに立っていた恵子の背中越し、激しくドアが叩かれる。驚いた恵子は、ドアから飛びのいて修一の背後に回る。
0:
0:ベリっと音がしてドアに斧の刃がささる。男はドアを見上げて、
男:「き、来たぁ!こ、殺される!」
修一:「え?いや、ありえないって?馬鹿な」
0:辺りをキョロキョロしてうろたえる修一、恵子は修一に、
恵子:「修一さん、ひとまず逃げましょう」
修一:「逃げようって!どこに?」
恵子:「こっち!」
0:修一の手を引き、奥の寝室に走る恵子。
男:「ま、待ってくれ!あ、足が動かない!うわぁやめろおおおお!」
0:二人の背中越しにドアが開く音と男の悲鳴がする。恵子は修一を連れて寝室のドアを開いて駆け込む
:○山奥の別荘 寝室(夜)
0:ベッドがひとつ、枕がふたつある寝室。ドアに鍵をかけると床にペタンと座り込む二人。修一はドアを見ながら、
修一:「いったい、何がどうなって…映画じゃあるまいし!こんなことありえない!ん?恵子さん?」
0:恵子は修一にしがみつくと修一を潤んだ眼で見上げて、、
恵子:「修一さん…わたしを、護って…」
修一:「え?え!?」
恵子:「護ってくれるんでしょ?怖いの…お願い、男なら、私を護って…」
修一:「え?え?ええ?」
0:ドアに斧がつきささる。ひとつ、ふたつと切れ込みが増えていく。恵子は修一の胸に顔をうずめると、
恵子:「あああ!来たわ!!お願い、私を護って!修一さん!男なら、私を愛してくれるなら一生護って!お願い、修一さん!」
修一:「え?ええ!わあああああ!!!!」
0:バタンとドアが開く。恵子の悲鳴がこだまする。
:○山奥の別荘 寝室(夜)
0:修一に胸に顔をうずめまま、肩を震わせている恵子。辺りは静まりかえっている。恵子はゆっくりと顔上げ、修一を見上げる。
恵子:「…修一…さん?」
0:顔を伏せ、両手を頭上に上げ、拝むように震えている修一。念仏のように独り言を唱えている。
修一:「助けて…助けて…ママ…怖いよ…助けて…ママ…怖いよ…怖いよぉ、ママ…」
0:修一を見上げ、ため息をつく恵子。修一から顔をそむけると小声で、
恵子:「あーあ…今度のも外れか…」
:○旅行代理店 店内
0:旅行のパンフレットが入ったラックが並ぶ店内。カウンター越しにお客と店員がパンフレットを広げて打ち合わせをしている。その中に制服を着た『川田』の名札を付けた川田諏訪子(25)が受話器を持って話をしている。諏訪子は一礼をして受話器を降ろす。自動ドアが開き、私服の恵子が入店する。諏訪子は恵子と目が合うと一礼をして、
諏訪子:「ああ、いらっしゃいませ、河島様。こちらへどうぞ」
0:カウンター越しに諏訪子の向かいの席に座る恵子。諏訪子は笑顔で、
諏訪子:「おかえりなさいませ、河島様。旅の方はいかがでしたか?」
0:恵子はため息をつく
諏訪子:「あら?よろしくなかったようで…?」
0:恵子はコメカミに手をあて頭を掻き、
恵子:「修一さんあんな人だとは思わなかった…。仕事が出来て30前にチーフマネージャー?になるくらいだから頼れる人かなぁって思って付き合ったけど、いざとなったらてんで駄目…予想外。デートの時せまってこないから誠実な人かと思ったけどリードできないだけで、お膳立てしたらすぐガブリ。…ああ、私も男を見る目ないわね…」
諏訪子:「そうですねぇ…余裕ある普段の生活ならまだしも、旅先での突然のハプニングに対応できる男性というのは中々いらっしゃらないようですね。…あ、でも、中には普段は頼りなさそうに見えてピンチの時に強くなる男性もいらっしゃるようで、そういったカップルのお客様は幸せに暮らしていらっしゃいますね。人は見かけによりません。やはり男の方の本質を見るにはこういったお付き合いをしてみるのが良いかと」
恵子:「…そう?じゃあ、あきらめないでもうちょっと頑張ってみようかしら?…ねえ、何か他に良いのない?」
0:諏訪子は小首をかしげ
諏訪子:「ええと、そうですねぇ、お客様のご要望ですと…」
0:諏訪子の席の電話機が鳴る。諏訪子は恵子に軽く頭を下げると、
諏訪子:「すみません、少々よろしいですか?」
恵子:「いいわよ。相変わらず人気あるわね?」
諏訪子:「そうなんですよ。やはりこういったものは一生に一度の選択とも言えるのでお金をかけてでも、という真剣な女性のお客様が多いですね」
0:諏訪子は受話器を取ると笑顔で、
諏訪子:「はい、旅は道連れ世は情け、つり橋効果で幸せつかめ、『婚活トラベル』でございます。…え?はい、『陸の孤島でハプニング、団体お見合いツアー』でございますね?…ええ、ツアー客の一人が変死を遂げるコースのほうの。男性陣はこちらでおまかせでよろしかったですか?…かしこまりました、担当者にお繋ぎいたします、少々お待ちいただけますでしょうか」
0:隣で話を聴いていた恵子はピクッと眉をあげ、
恵子:「あら?それよさそうね。今度はそのツアーに参加してみようかしら?」
諏訪子:「ハプニングある旅こそ男が試されます。結婚相手を慎重に選びたいあなたは”婚活トラベル”までお気軽にどうぞ。」
:○山奥の別荘 リビング(夜)
0:木造立ての別荘。八畳ほどの広さである。黒電話の受話器を片手に河島恵子(30)が立っている。玄関のドアが開き、桑島修一(28)が入ってきて、
修一:「どう?恵子さん?電話、繋がった?」
0:恵子は首を振って、
恵子:「ダメね、やっぱり繋がらない。修一さん、車のほうはどう?修理できた?」
修一:「いや、ダメみたい。…おかしいなぁ…行きはなんともなかったのに…困ったなぁ」
0:申し訳なさそうに恵子、
恵子:「ごめんね、私が山奥の別荘で二人きりで過ごしたいなんて言ったばかりに」
修一:「いや、恵子さんのせいじゃないさ。故障じゃしょうがないよ。朝になったら、山を降りて周りを歩いてみようよ。近くに人が住んでるよきっと。助けてもらおう?」
恵子:「…うん」
修一:「…でも、ケータイが圏外なのはまだしも、一般回線が繋がらないっていうのはなぁ…。その旅行代理店はなんて言う会社なんだい?もしもの時に電話がつながらないなんて、サポートが行き届いてないぞ?ガツンと文句を言ってやらないと」
0:恵子は修一に微笑んで、
恵子:「ふふ、修一さん、頼もしいね」
0:修一は顔を背け、照れてはにかみ、
修一:「いやいや、同じサービス業として、ユーザーに対してもしもの時があった場合のユースケースを想定してないのが許せないだけだよ。僕の部下にも仕事を軽く考えてるやつがいてね、何度もユーザーの視点にたってビジネスモデルを構築しろって教えてるんだけど、これがなかなか…」
0:恵子は口を手でおさえ、クスッと笑い、
恵子:「修一さん、今は旅行中よ。仕事の事は考えちゃだめ?ね?」
0:修一はハッとした顔をして、
修一:「え?…ああ、ごめん。つい…クセで、はは、職業病かな」
恵子:「修一さん?せっかくここまで来て二人きりになったんだよ?…楽しみましょ?」
0:小首をかしげ、修一に目線を送る恵子。目があった修一は照れて目線を落とす。修一の目線の先に、恵子の胸の谷間が入り、ハッして慌てて顔を背ける。目線を床に落とし、手持ちぶたさの手でズボンのポケットをいじりながら、
修一:「…そうだね…じゃあ。その、ねえ、まず、シャワーでも浴びてきたら?」
恵子:「…ん?」
修一:「…その…ああ!そうだよ。長旅で疲れたろ?先にシャワーでも浴びてきなよ?」
0:修一は視線を床に落としたまま、
修一:「大丈夫、朝まで僕がちゃんと護っててあげるから…ね、シャワー、浴びてきなよ」
恵子は小首をかしげ、
恵子:「…う、うん?じゃあ、そうするね」
0:突然、ドアがドンドン激しくノックされる。恵子はドアを見て、
恵子:「…誰かしら?」
0:恐る恐るドアを開ける恵子。開けたドアから傷だらけの男がリビングに倒れこむ。修一は小さく悲鳴をあげて、
男:「うわぁあああ!助けてくれー!」
修一:「ひ、ひ!なに?」
0:恐る恐るドアを閉め、鍵をかける恵子。恵子は男を見下ろし、
恵子:「ちょっと、あなた、どうしたんですか?傷だらけじゃないですか?」
0:男は顔をあげると、
男:「た、助けてけれ!山道で斧を持った男さ、突然襲われて!」
修一:「はぁ?襲われた?斧持って?日本の山奥で?何を馬鹿な。ジェイソンじゃあるまいし、現実じゃありえないよそんなこと!」
男:「嘘じゃねえ、ほんとなんだ!この傷を見てくれや!かくまっておくれや!」
恵子:「修一さん、どうしよう?」
修一:「どうしようって言ったって…電話も通じないし…警察に連絡できないし…うーん」
0:ドアに立っていた恵子の背中越し、激しくドアが叩かれる。驚いた恵子は、ドアから飛びのいて修一の背後に回る。
0:
0:ベリっと音がしてドアに斧の刃がささる。男はドアを見上げて、
男:「き、来たぁ!こ、殺される!」
修一:「え?いや、ありえないって?馬鹿な」
0:辺りをキョロキョロしてうろたえる修一、恵子は修一に、
恵子:「修一さん、ひとまず逃げましょう」
修一:「逃げようって!どこに?」
恵子:「こっち!」
0:修一の手を引き、奥の寝室に走る恵子。
男:「ま、待ってくれ!あ、足が動かない!うわぁやめろおおおお!」
0:二人の背中越しにドアが開く音と男の悲鳴がする。恵子は修一を連れて寝室のドアを開いて駆け込む
:○山奥の別荘 寝室(夜)
0:ベッドがひとつ、枕がふたつある寝室。ドアに鍵をかけると床にペタンと座り込む二人。修一はドアを見ながら、
修一:「いったい、何がどうなって…映画じゃあるまいし!こんなことありえない!ん?恵子さん?」
0:恵子は修一にしがみつくと修一を潤んだ眼で見上げて、、
恵子:「修一さん…わたしを、護って…」
修一:「え?え!?」
恵子:「護ってくれるんでしょ?怖いの…お願い、男なら、私を護って…」
修一:「え?え?ええ?」
0:ドアに斧がつきささる。ひとつ、ふたつと切れ込みが増えていく。恵子は修一の胸に顔をうずめると、
恵子:「あああ!来たわ!!お願い、私を護って!修一さん!男なら、私を愛してくれるなら一生護って!お願い、修一さん!」
修一:「え?ええ!わあああああ!!!!」
0:バタンとドアが開く。恵子の悲鳴がこだまする。
:○山奥の別荘 寝室(夜)
0:修一に胸に顔をうずめまま、肩を震わせている恵子。辺りは静まりかえっている。恵子はゆっくりと顔上げ、修一を見上げる。
恵子:「…修一…さん?」
0:顔を伏せ、両手を頭上に上げ、拝むように震えている修一。念仏のように独り言を唱えている。
修一:「助けて…助けて…ママ…怖いよ…助けて…ママ…怖いよ…怖いよぉ、ママ…」
0:修一を見上げ、ため息をつく恵子。修一から顔をそむけると小声で、
恵子:「あーあ…今度のも外れか…」
:○旅行代理店 店内
0:旅行のパンフレットが入ったラックが並ぶ店内。カウンター越しにお客と店員がパンフレットを広げて打ち合わせをしている。その中に制服を着た『川田』の名札を付けた川田諏訪子(25)が受話器を持って話をしている。諏訪子は一礼をして受話器を降ろす。自動ドアが開き、私服の恵子が入店する。諏訪子は恵子と目が合うと一礼をして、
諏訪子:「ああ、いらっしゃいませ、河島様。こちらへどうぞ」
0:カウンター越しに諏訪子の向かいの席に座る恵子。諏訪子は笑顔で、
諏訪子:「おかえりなさいませ、河島様。旅の方はいかがでしたか?」
0:恵子はため息をつく
諏訪子:「あら?よろしくなかったようで…?」
0:恵子はコメカミに手をあて頭を掻き、
恵子:「修一さんあんな人だとは思わなかった…。仕事が出来て30前にチーフマネージャー?になるくらいだから頼れる人かなぁって思って付き合ったけど、いざとなったらてんで駄目…予想外。デートの時せまってこないから誠実な人かと思ったけどリードできないだけで、お膳立てしたらすぐガブリ。…ああ、私も男を見る目ないわね…」
諏訪子:「そうですねぇ…余裕ある普段の生活ならまだしも、旅先での突然のハプニングに対応できる男性というのは中々いらっしゃらないようですね。…あ、でも、中には普段は頼りなさそうに見えてピンチの時に強くなる男性もいらっしゃるようで、そういったカップルのお客様は幸せに暮らしていらっしゃいますね。人は見かけによりません。やはり男の方の本質を見るにはこういったお付き合いをしてみるのが良いかと」
恵子:「…そう?じゃあ、あきらめないでもうちょっと頑張ってみようかしら?…ねえ、何か他に良いのない?」
0:諏訪子は小首をかしげ
諏訪子:「ええと、そうですねぇ、お客様のご要望ですと…」
0:諏訪子の席の電話機が鳴る。諏訪子は恵子に軽く頭を下げると、
諏訪子:「すみません、少々よろしいですか?」
恵子:「いいわよ。相変わらず人気あるわね?」
諏訪子:「そうなんですよ。やはりこういったものは一生に一度の選択とも言えるのでお金をかけてでも、という真剣な女性のお客様が多いですね」
0:諏訪子は受話器を取ると笑顔で、
諏訪子:「はい、旅は道連れ世は情け、つり橋効果で幸せつかめ、『婚活トラベル』でございます。…え?はい、『陸の孤島でハプニング、団体お見合いツアー』でございますね?…ええ、ツアー客の一人が変死を遂げるコースのほうの。男性陣はこちらでおまかせでよろしかったですか?…かしこまりました、担当者にお繋ぎいたします、少々お待ちいただけますでしょうか」
0:隣で話を聴いていた恵子はピクッと眉をあげ、
恵子:「あら?それよさそうね。今度はそのツアーに参加してみようかしら?」
諏訪子:「ハプニングある旅こそ男が試されます。結婚相手を慎重に選びたいあなたは”婚活トラベル”までお気軽にどうぞ。」