台本概要

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タイトル 【幸福日和】
作者名 智P
ジャンル ラブストーリー
演者人数 2人用台本(男1、女1)
時間 60 分
台本使用規定 非商用利用時は連絡不要
説明 社務所(しゃむしょ)
漠然(ばくぜん)
参拝(さんぱい)
夫婦(めおと)

日和N):日和ナレーション
幸輔N):幸輔ナレーション
-:……………………→場面転換
日和→幸輔へ:幸輔へのメッセージ。他の台詞同様に読んで下さい。
幸輔→日和へ:日和へのメッセージ。他の台詞同様に読んで下さい。

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キャラ説明  

名前 性別 台詞数 説明
幸輔 126 日和の幼馴染み兼彼氏
日和 126 幸輔の幼馴染み兼彼女
※役をクリックするとセリフに色が付きます。

台本本編

文字サイズ
声劇台本【幸福日和】 日和N):私は和田 日和(わだ ひより)。付き合って4年半になる年上の彼氏と同棲してる。名前は福田 幸輔(ふくだ こうすけ)。年上って言っても、子どもの頃から家族ぐるみで仲の良い幼馴染みだから年上感は全然ないんだけどね(笑)幸輔と同じ会社に入ってまさか同じ部署になるなんて思わなくて、当時は安心もあったけど…ちょっと複雑な気持ちの方が勝ってたかも(笑)働き始めて少し経った頃の歓迎会の帰りに幸輔に突然告白されて、最初は酔った勢いの冗談かとも思ったけど…翌日の仕事帰りに真剣な顔で告白してくれて本気だって分かって私もOKした。 -:…………………… 日和N):何気ない幸せが、当たり前だと思っていた日常が、壊れる時はいつだって…なんの前触れも無くやって来る……。 -:…………………… 日和:「幸輔ー、朝ごはん出来たよー」 幸輔:「悪い、なんか食欲なくてさ…。帰って来て食うから冷蔵庫に入れといてくんない?」 日和:「それは全然良いんだけど…」 幸輔:「っと危ね…また目眩(めまい)が…」 日和:「あ、ちょ、大丈夫?最近増えてない?病院で診てもらったら?」 幸輔:「いや〜…今はデカいプロジェクトを任されてるし、簡単には休めないんだよな…」 日和:「そうかも知れないけど…、倒れたらそのプロジェクトに穴をあける事にもなるんだよ?」 幸輔:「それは分かってるけど、うーん…」 日和:「その内、ホントに倒れるよ?私、心配だよ…」 幸輔:「座ってれば大丈夫だから」 日和:「うん…」 幸輔:「…少しマシになったし、仕事の準備して来る。…あ、やべ…」 日和N):ドサッと言う音がしたので見に行くと、幸輔が倒れていた。 日和:「幸輔!?ねぇ!!幸輔!!幸輔!!どうしよう…返事が無い…どうしたらいいの!?えっとえっと…とりあえず救急車!何番だっけ!? #119だ!あーもう!間違えた!落ち着け私!」 -:……………… 日和:「はい…福田 幸輔の付き添いです…。先生!!幸輔はどうなんですか!?…えっ…?過労の他にも手術…?」 日和N):倒れてすぐに搬送された事が幸いし、手術の成功率は高いと聞き一安心。おばさん達に連絡を取って事情を説明して、入院の手続きと手術の同意書を書いてもらい面会時間を聞いて今日は帰る事にした。 -:……………… 日和:「ただいまー…、疲れたー。あ…そうだ…会社に連絡しないと…。それと幸輔の必要な物用意しないと…。会社には連絡入れたし、必要な物は…着替えと、歯ブラシセット、タオルと…、他は買って明日持って行けばいっか。幸輔が起きた時に何も分かんないだろうし、メッセージだけ入れとこ。…これでよしっと」 -:…………………… 幸輔:「ん〜、ここはどこだ…?病院か…。そうだ、俺は今朝倒れて…。日和が救急車呼んでくれて運ばれたのか…。スマホはあるみたいだな。ん?日和からメッセージが入ってるな」 日和→幸輔へ:『今朝、急にドサッて音がして見に行ったら幸輔が倒れてて、呼んでも返事がないし…それでパニックになりながら、何とか救急車呼んで付き添って行ったんだよ?生きた心地がしなかったよ…、ホントに。前から少し休んだら?って言ってたのにさ、私の話聞き流すからこうして疲れが溜まって倒れたんじゃん。私がどれだけ不安で心配したか、分かってますかー? 多分、半分も分かってないと思うけど(笑) 先生に話を聞いたら、過労の他に手術が必要な病気が見つかったんだって。先生が言うには、運ばれたのが早かったから手術の成功率は高いって。安心したよ〜。とりあえず、おばさん達に連絡を取って入院の手続きと同意書を書いてもらったよ。今日は一旦帰るね。会社には事情を説明しといたから、安心してね。明日は休みもらって、入院生活に必要な物を揃えて持って行くね?ゆっくり休んでね〜。おやすみ〜』 幸輔:「日和に迷惑かけちまったな…てか、前半は小言だよなw晩飯か…腹減ってるし…食うか。いただきます。不味くはないけど…なんか物足りねぇなー…。1人で食う飯ってこんなに味気無かったっけ…。朝飯、少しでも食っとけば良かったなー。日和と一緒に食うから、美味かったのかもな…あ〜、早く日和の飯が食いてぇな〜。退院後の日和の飯は泣きながら食う気がするわwメッセージの返信して寝よ」 幸輔→日和へ:『日和、心配と迷惑かけてごめんな。それと、会社や母さんに連絡とか他にも色々サンキューな。さっき晩飯食ったんだけど、めっちゃ味気無かったw早く日和の作ってくれた飯が食いたいですw明日待ってるな?日和もゆっくり休んでな?おやすみ』 幸輔:「これでよしっと。んじゃ、おやすみ」 幸輔N):日和と2人で居る事に慣れすぎた俺にとって、独り言みたいな「おやすみ」は妙に寂しく感じた。 -:……………… 日和N):メッセージで幸輔もご飯時という事を知って、私もご飯にしようと思って冷蔵庫を開ける。 日和:「あ…そっか…、これ食べないと…、いただきます。…今朝と同じ物なのに…なんか味気ない気がする…。幸輔と食べるから美味しかったのかな…。幸輔がいつも美味しそうに食べてくれるから、料理頑張ってた所もあったしね(笑) ごちそうさまでした。ん〜、お風呂はまだ少し早いし…そうだ、幸輔の必要な物準備しないと。…長袖のTシャツ、ズボン、下着、靴下、タオル、脱いだ服を入れる袋、歯ブラシセット。このぐらいで大丈夫かな?他は明日行って幸輔に聞けばいっか。…そろそろお風呂入ろ……ふぅ〜、気持ち良かった〜。明日もバタバタしそうだし、髪乾かしてスキンケアして寝よ」 日和N):いつもなら幸輔が乾かしてくれるんだけど、今日からしばらくはそれもない。 日和:「…よし乾いた。ボディクリーム塗って…化粧水付けて…乳液付けて…。スキンケア終わり〜。おやすみ、幸輔…」 日和N):いつもなら隣りに幸輔が居て、おやすみと言えばおやすみと返って来た。でも今日からしばらくはそれもない。広々としたベッドと、返って来ない「おやすみ」に寂しさを感じながら目を閉じた。 -:……………… 日和:「ふぁ〜…幸輔〜おはよ〜…あ、そっか…昨日から入院してるんだった…」 日和N):広々としたベッドに幸輔が居ないんだ、と現実を突き付けられる。 日和:「軽く朝ご飯食べて、持って行く物準備しよ。…んー、このくらいでいいや。多分また味気ないだろうし。いただきます。…あ、昨日よりちょっと美味しいかも…。幸輔に会えるからかな?会えるって分かっただけで感じ方ってこんなに違うんだな〜…。美味しかった〜、ごちそうさまでした。あ、そうだ。幸輔に面会時間伝えとこ」 日和→幸輔へ:『おはよ〜。10時くらいに入院生活に必要な物持って面会行くね』 日和:「これでOKっと」 -:…………………… 幸輔:「ふぁ〜…それなりに寝れたか〜。ん?日和からメッセージが入ってるな。今日必要な物持って来てくれるって言ってたな」 幸輔→日和へ:『おはよ。色々準備してくれてありがとな。マジで助かる。待ってるな〜』 幸輔:「これでよしっと…。朝飯な〜…食うけど…どーせ今日も味気ないだろうな〜。いただきます。…相変わらず味薄いけど、昨日よりは美味いな。日和が来てくれるって分かったからか?どんだけ日和を好きなんだよ俺はwごちそうさま。暇だし、スマホゲームでもするか」 -:…………………… 日和:「ん〜、そろそろ出ようかな〜」 日和N):15分くらい運転して幸輔が入院してる病院に向かう。病院に着いて、受け付けで幸輔の病室を聞く。 日和:「幸輔〜、おはよ〜。必要な物持って来たよ〜」 幸輔:「おはよー。色々ありがとな」 日和:「長袖のTシャツ、ズボン、下着、靴下、タオル、脱いだ服を入れる袋、歯ブラシセット。他に要る物ある?」 幸輔:「ん〜、ふせんとボールペンかな」 日和:「ふせんとボールペンね、了解。明日の仕事終わりに持って来るね。あ、聞いて?今朝 ご飯食べたんだけど、昨日より美味しかったんだ〜。不思議」 幸輔:「あー、俺もそれ思ったw味薄いのは変わんないんだけど、昨日より美味かったんだよなー」 日和N):そんな事を話してると、先生が入って来た。2人で診察室に呼ばれ、詳しい検査結果を聞く。漠然としていた事が一気に現実味を帯びる。 幸輔:「日和が早く救急車呼んでくれたお陰で、そんなに難しい手術にはならないってさ。すぐ元気になってやる!」 日和N):幸輔が私に笑顔を向けて言う。ふと、幸輔の手元を見ると少し震えていた。私を不安にさせない様に、いつも通りに振舞ってるつもりなのが分かった。だから私も気付かない振りをした。 日和:「ホントに良かったよ〜、幸輔ならすぐ元気になりそう(笑)」 幸輔:「ちょっと気持ちの整理したいんで…明日意外で手術お願い出来ないっすか?…明日以外だと水曜の夕方?それでお願いします」 日和N): 先生の話を聞き終えて、幸輔と病室に戻る。 日和:「先生に呼ばれて聞きそびれたけど、何でふせんとボールペンが要るの?」 幸輔:「あー、俺が任されてたプロジェクトの一部を後輩に引継いで貰う事になってさ。要点を書き出しておく様に言われてな」 日和:「なるほどね、どのサイズが良いとかあったりする?」 幸輔:「俺のデスクにある正方形のやつが良いな。それで書けたら、日和に届けるのお願いしても大丈夫か?」 日和:「了解。じゃあ明日持って来て、すぐ書く?それで私が明後日会社に持って行って高杉さんに渡せば良いんだね?」 幸輔:「あぁ、それで頼む。ありがとな」 日和:「あ、もうお昼が近いね。あんまり長居しても悪いし、今日は帰るね?明日の仕事帰りにまた来るね?」 幸輔:「あぁ、気を付けてな?」 -:……………… 日和:「幸輔、顔色も良かったし過労の方は回復傾向にあるみたいでちょっと安心した。後は手術か…。病気に効くお守りとか…無いかな?調べて見つけたら行ってみようかな?…えーっと、病気に効くお守りがある神社 で検索っと…。あ!あった!ふむふむ…よし!行ってみよ!」 日和N):ナビを頼りに神社に着いて、幸輔の手術が成功しますように と参拝を終えた。そして、お守りを買おうと社務所に行き 日和:「あのー、すみません。病気の人に効くお守りがあるって聞いたんですけど…。それだと思います。1つお願いします。ありがとうございます」 日和N):お目当てのお守りを買って社務所を後にする。 日和:「残り少なかったから買えて良かった〜。手術の前にお見舞い行った時に渡そっと。さて、お守りも買えたしスーパーで買い物して帰ろ〜」 -:……………… 幸輔:「『過労の方が良くなってきてるので、ナースステーションで届けを出して貰えば一時帰宅OKですよ』って?ありがとうございます。やっとだ〜。一時帰宅の許可も出たし、これで日和が明日ふせんを持って来てくれたら、考えてた事を形に出来るな。俺も日和も知ってる奴で日和に仕事を振れるのは…、高杉か。メッセージで相談してみるか」 幸輔N):俺は高杉にメッセージで現状と考えてる事を相談した。返ってきたのは、過労が回復した事への安堵と手術へのエールと相談した事の了承の返事だった。 幸輔:「久々に高杉と話せて楽しかったなー。…こーゆー事する柄じゃないし、イメトレでもしながら院内の散歩でもするか…。日和、どんな反応するんだろ?泣くか?怒ってなんか言って来るか?なんにしろ、楽しみだなw」 幸輔N):そんな事を考えながらブラついてたら、結構歩いてたみたいで、スマホを見たらもうすぐ晩飯の時間だから病室に戻る事にした。 幸輔:「いただきます。…病院食にも慣れてきたけど…味気ねぇのは変わんねぇよな…。マジで日和の飯が早く食いてぇwそう言や、日和が剥いてくれたリンゴが冷蔵庫にあったよな…。美味い…。リンゴの方が美味いとか何だよw…ごちそうさま。そうだ、あれの内容考えないとな…1つ目は…。ふぁ〜、眠くなってきたな。また改めて考えよ。日和にメッセージ返して寝るか」 -:……………… 日和:「高杉さんお疲れ様です。はい、今日も仕事終わりに幸輔のお見舞いに行きますけど…。プロジェクトのデータが入ったUSBを幸輔の書いたふせんと一緒に明日持って来て欲しい?分かりました。幸輔に聞いてみます」 -:……………… 日和:「幸輔〜、頼まれたふせんとボールペン持って来たよ〜」 幸輔:「おー日和ー、 サンキューな。早速書くわ」 日和:「それと高杉さんが、プロジェクトのデータが入ったUSBとふせんが要るって」 幸輔:「あー、俺のパソコンの所に置いてある。保存はしてあるから、持って行っても大丈夫だぞ」 日和:「了解。ふせん、後どのくらいで書き終わる?」 幸輔:「後2枚くらいかな?……よし、終わった。じゃあこれ、USBと一緒に高杉に渡しておいてな?なんか、日和を使うみたいになって悪いな」 日和:「ううん、気にしないで?仕方ないよ。ふせんとボールペンはまだ使う?」 幸輔:「ああ、先生に言われた事とか書いて残しときたいし」 日和:「そっか、じゃあ置いとくね。あ、そろそろご飯かな?」 幸輔:「そうだな。ぼちぼちかもな」 日和:「私もお腹空いたし、スーパーで買い物して帰ろ〜」 幸輔:「早く日和の飯が食いたいわw」 日和:「私も早く一緒に食べたい(笑) 退院したら、幸輔の大好きな唐揚げ作るね?」 幸輔:「よっしゃ!これで病気に勝つ理由が増えたな!w 」 日和:「幸輔がいつも美味しそうに食べてくれるの、実は結構嬉しかったりするんだよ?(笑) 」 幸輔:「美味そうにじゃなくて、美味いんだよw」 日和:「ふふ、ありがと(笑)じゃあまた来るね〜」 幸輔:「ああ、気を付けてなー」 -:……………… 日和N):今日は最近作ってなかった唐揚げを作るために少し多めに買い物をして帰った。 -:……………… 日和:「ごちそうさま〜。ふぅ〜、お腹いっぱい。美味しかったけど…ちょっと食べ過ぎたかも(笑)でも幸輔の好きな味も作れたから、お腹も心も満足かな?少し休憩してから洗い物しよ(笑)」 -:……………… 幸輔:「1つ目の内容はどうするか…。よし、あの事にしよw…これで1つ目完成っと。2つ目は…」 幸輔N):数枚のふせんを書き終えた頃、晩飯が運ばれて来た。 幸輔:「もう飯か。いただきます。…薄味には慣れても、この物足りなさには慣れねぇなー。ごちそうさま。んー、飯の後って暇だよなー。いつも通り、漫画やスマホゲームで時間潰すか…。ん〜、明日の夕方には手術か…。日和には平気な振りしてたけど…、怖ぇなw日和とは昔からの付き合いだし見透かされてそうだけどなw日和にメッセージ入れて寝るか」 幸輔→日和へ:『明日の夕方には手術だけど、全然実感ないわw絶対元気になって日和の作った唐揚げ食いたいから信じて待っててくれ。んじゃ、おやすみ』 -:……………… 日和:「高杉さん、これから外回りですか?これ、コピーを頼まれてた資料です。気を付けて行ってらっしゃい」 -:……………… 幸輔:「高杉、忙しいのに協力してもらって悪いな。お前ぐらいしか思い浮かばなくてw家までナビするから頼むわ。このお礼は復帰したら飯でも奢るわwサッと済ませて来るから少し待っててくれ」 -:……………… 幸輔:「この2枚は靴箱に貼って、次は……よし、全部貼れたな。日和、どんな反応するか楽しみだなw」 -:……………… 幸輔:「高杉、マジで助かった。サンキューな。おう、早く復帰出来る様に頑張るわ!外回り気を付けてな。飯奢る約束は忘れねぇよw…またな!」 幸輔N):高杉を見送って病室に戻る。手術の時間が迫り徐々に実感と緊張感が増していく。そんな時 日和:「やっほ〜、幸輔この後手術だから、時間給使って早めにお見舞いに来たよ〜。お花のお水替えとくね〜」 幸輔:「この繁忙期によく申請通ったな〜w」 日和:「今朝、社長に直談判に行って勝ち取って来ちゃった(笑)」 幸輔:「勝ち取って来ちゃったってwwwしかも今朝かよwww相変わらず、ぶっ飛んだ事するよな〜wwwあ〜、今ので緊張ほぐれたわwwwサンキューなwww術後じゃなくて良かったわ〜ww術後は笑わせんなよ?www」 日和:「どういたしまして…?私、変な事したかな?笑わせるなって何の事?」 幸輔:「分かってないならいいやwwwやっぱ、日和には敵わねぇな〜ww」 日和:「はい!これ、病気に効くお守り!有名な神社でお祈りして来たよ!」 幸輔:「お祈りまでしてくれたのか?wめっちゃ心強いわw」 日和:「これがあれば大丈夫!絶対に手術は成功するよ!それで退院したら、またデートいっぱい行こ!」 幸輔:「あぁ、またデートいっぱい行こうな。あ、そうだ。俺達の家に手紙置いといたから、読んでな?」 日和:「手紙?帰ったら読むね。今度は手術の後くらいにお見舞いに来るね?またね〜」 幸輔:「お守り握って絶対に日和の所に帰るからな!おう、またな。気を付けて帰ってなー。…キツいな…気付かれてないよな…?ホントは手術すげぇ怖い…」 日和:「(病室の外に出て扉にもたれかかって、独り言の様に)私達何年一緒に居ると思ってんの?幼馴染みで今は幸輔の彼女だよ?気付かない訳ないじゃん…バカ…」 幸輔:「でも…、日和に元気になってまたデート行くって言ったもんな…。気合い入れろよ、俺!」 日和:「(病室の外に出て扉にもたれかかったまま独り言の様に)お祈りもした、お守りも渡した。うん、幸輔は元気で帰って来る。大丈夫!今日は帰るね。また来るからね」 -:……………… 日和:「ただいま〜、玄関の電気を点けてっと…。ん?靴箱にふせんが貼ってある?えーっと…?」 幸輔:『おっ!早速気付いたな?普段は照れ臭くて言わないけど、日頃の感謝をふせんに書いて貼ってあるから、家の中を探して読んでみてな?メッセージは隣のふせんから➡︎』 日和:「何なに…」 幸輔:『1個目。日和と色んな所にデート行ったよな〜。一緒に行ってくれてありがとう。特にお化け屋敷で俺にくっ付いて来た日和はめっちゃ可愛かったw次はキッチン!』 日和:「そんな事もあったな〜(笑) 怖かったけど、幸輔が意外に鍛えててちょっとドキッとしたのは内緒にしとこ(笑) 次はキッチンね…、あった」 幸輔:『2個目。いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう。日和の料理が世界一だ!次はダイニングテーブルの上!』 日和:「ふふ…いつも美味しそうに食べてくれるから、作り甲斐があるんだよね〜。幸輔が退院した後のご飯も頑張ろ!次はダイニングテーブルの上ね…、あった」 幸輔:『3個目。次のデートはあそこに行きたいとか、このお菓子が美味しいとか、2人で色んな話をしたよな。楽しい時間をありがとう。次はソファの上!』 日和:「ホントに色んな話したな〜(笑) …またあんな風に過ごしたいな…。次はソファっと…、あった」 幸輔:『4個目。一緒にテレビ観て笑ったり、日和に耳かきしてもらったり、俺が膝枕したり。のんびりタイムが好きだったな〜。安心出来る時間をありがとう。次は寝室!』 日和:「帰って来て一番長い時間一緒に居たのがソファじゃないかな?私ものんびりタイム好きだよ。次は寝室ね…、あった」 幸輔:『5個目。日和がこれを読む頃、俺は手術が終わって寝てるんだろうな〜。絶対元気になって、日和の所に帰るから笑顔で迎えてな?wいっぱいケンカして、その度に仲直りしてもっとお互いを好きになって。俺を好きになってくれて、4年半もの間俺の恋人で居てくれてありがとう。俺を愛してくれて本当にありがとう。俺も日和を愛してる。』 日和:「ん?寝室のふせんだけ2枚重なってる…?」 幸輔:『最後にもう1つだけあるけど…それは退院してから直接言うから待ってて欲しい。』 日和:「って…グス…体調悪いのにさぁ…こんな事してさぁ…グス…絶対に直接言った方が早いじゃん…グス…。幸輔のバカぁ…グス…こんなの…待つしか…ないじゃんかぁ…グス…ホントにズルいよ…幸輔のバカぁ…絶対に…元気になって…帰って来ないと…許さないんだから…。帰って来たら一言言わないと気が済まないよ…。今日はこのまま寝よ…。」 日和N):泣き疲れもあって、いつの間にか寝てしまった私はこの夜不思議な夢を見た。その夢では…私と幸輔、それに日向(ひなた)と呼ばれた男の子と幸乃(ゆきの)と呼ばれた女の子の4人で賑やなクリスマスを過ごしている風景で、みんなでご飯を食べたり、ツリーの飾り付けをしていて、とても幸せそうだった。 日和:「ふぁ〜、なんか不思議な夢だったな〜。あの男の子と女の子は誰だったんだろ…?ま、いっか」 -:……………… 幸輔N):手術を終えた日の夜、俺は不思議な夢を見た。その夢では…俺と日和、それに日向(ひなた)と呼ばれた男の子と幸乃(ゆきの)と呼ばれた女の子の4人で賑やかなクリスマスを過ごしている風景で、みんなで飯を食ったり、プレゼントを開けたりと、とても幸せそうだった。 幸輔:『(意識は覚醒してない心の声の様に)あの2人の子どもは誰だ…?分かんねぇけど、すげぇ暖かい感じだったな…』 幸輔N):この時は夢の事は深く考えていなかった。 幸輔:「んー、結構寝たなー。それにしても、不思議な夢だったなー」 幸輔N):意識が戻った俺はナースコールで看護師さんを呼び、病室で先生と話す。 幸輔:「少しぼーっとしますけど…、特に気持ち悪くもないです」 幸輔N):看護師さんに頼んで朝飯を持って来てもらう。 幸輔:「いただきます。…相変わらず味薄っ…ごちそうさまでした。食ってても気持ち悪くなかったし、良かったな」 幸輔N):少し時間を潰していると、本調子じゃないからか眠気か来た。 幸輔:「ふぁ〜…少し寝るか…」 幸輔N):目が覚めると昼を回っていた。 幸輔:「ん〜…もう昼か…。飯が置いてあるな。いただきます。…相変わらず物足りねぇなー…ごちそうさまでした。暇だし漫画でも読むか」 幸輔N):夢中で読んでいたらしく、気付けば夕方だった。 幸輔:「もう少しで日和の仕事終わる時間か…。あ、やべ。日和に病室変わったの言ってねぇwまぁ看護師さんに聞くかw」 -:……………… 日和:「幸輔〜術後の体調はどお〜…って、幸輔のベッドが無い!?まさか!?嘘、だよね…?とりあえず、ナースステーションに行ってみよ…」 幸輔:「日和?こんなとこで何してんの?」 日和:「っ!グス…幸輔っ!!」 幸輔:「っと…、急に抱きついたら危ねぇってw」 日和:「病室変わったなら…ちゃんと教えてよぉ…バカぁ…病室行ったら居ないから、最悪の想像しちゃったじゃん!!バカぁ…」 幸輔:「いやー、看護師さんに聞くかと思ってwそれと、バカバカ言い過ぎじゃね?w」 日和:「だって…幸輔がバカなんだもん…。あの状況なら誰だって最悪な想像しちゃうって…。手術、成功したんだよね…よがっだよ〜…グス…」 幸輔:「心配かけてごめんな。よしよし。昨日意識が戻ってな。日和がくれたお守り、めっちゃ勇気貰えて頑張れた。ありがとな」 日和:「グス…ホントによがっだ〜」 幸輔:「あ、手紙読んだか?」 日和:「読んだか?じゃないよ!涙引っ込んだじゃん!(笑) 体調悪いのに…いつの間にあんな事したの?」 幸輔:「手術の日の午前中、高杉が外回りに出たろ?その時に病院まで来てもらって家まで乗せてもらって、家の中にふせん貼ってまた病院まで送ってもらったんだよ」 日和:「そんな事してたの(笑) 高杉さんまで巻き込んで。あんな事書かれたら…待つしかないじゃん…幸輔のバカ」 幸輔:「ごめんてwけど、これで退院したらデートいっぱい行けるな」 日和:「それも嬉しいんだけど、手紙に書いてあった6個目がめっちゃ気になるんだけど?(笑)」 幸輔:「あー…それは俺が退院してから改めてちゃんと言うわ」 日和:「そっか〜、分かった。退院日は決まった?」 幸輔:「ん〜、このまま安定してれば今週末の午前中って言われたな」 日和:「分かった、迎えに来るね」 幸輔:「ありがとな。心配かけたお詫びに、退院したら何でも言う事聞くわw」 日和:「ホントに!?やったー!何にしよっかなー?♪考えとくね!」 幸輔:「お手柔らかに頼むな?」 日和:「どうしよっかな〜、考えるだけでワクワクするな〜♪」 幸輔:「そろそろ飯だから戻んないとな」 日和:「そっか〜また来るね〜。お願い事、考えとこ♪」 幸輔:「あぁ、またなー」 -:……………… 日和:「(独り言の様に)退院したらお願い事いっぱいしてやるから、覚悟しといてよね!でもまぁ、手術頑張ったから幸輔の好きな物たくさん作ってあげよ。ふふ」 -:……………… 日和N):幸輔の手術が終わった日から数日経って幸輔の退院日。 日和:「幸輔〜、迎えに来たよ〜、準備出来てる〜?」 幸輔:「あぁ、出来てる」 日和:「退院手続きも終わったし、お世話になった先生方に挨拶して帰ろっか」 -:……………… 日和N):幸輔の荷物をトランクに積み終えて車に乗り込み、病院の駐車場を出る。 幸輔:「あー、やっと家に帰れるーwやっと日和の飯が食えるーw」 日和:「退院して最初のご飯は何食べたい?」 幸輔:「日和、分かんねぇの?」 日和:「もちろん分かってるよ?せーので言う?」 幸輔&日和:「せーの!唐揚げ!」 幸輔:「さすが日和、分かってんじゃん」 日和:「伊達に長く一緒に居ないからね〜(笑)幸輔、単純だしね〜(笑)」 幸輔:「酷くね!?あーあ、今度また日和の大好きなシュークリーム買って帰ろうと思ってたのにな〜?」 日和:「幸輔こそ、そんな事言うんだ〜?じゃあ…今夜はお粥食べる?(笑)」 幸輔:「神様 仏様 日和様!今度シュークリームと追加でケーキも買うので…今日の所は何卒…!」 日和:「分かればよろしい!(笑)ちゃんと唐揚げ作るから安心して(笑)買い忘れた物あるからスーパー寄っていい?」 幸輔:「もちろん良いぞ!すぐ行こう!」 日和:「安全運転で行くからね(笑)」 -:……………… 日和N):スーパーに着いて、足りない物をカゴに入れつつ2人で歩きながら 日和:「入院前は、仕事終わりにこうして2人でスーパーで買い物して帰るのが当たり前だったよね」 幸輔:「そうだったな〜、今日の晩飯はアレが食いたいとか、コレは嫌いだから入れないでくれとか、そんな事言いながら買い物してたなw」 日和:「でも…今回の事で幸輔と離れて1人で買い物してて思ったんだ…。自分だけだとテキトーになっちゃうし、何より楽しくないんだなって。これからは、前よりもっと幸輔と過ごす時間はどんな時でも大切に思えるんだろうなって」 幸輔:「そうだな〜、俺も病院食を食ってて、どんだけ日和の飯が恋しかった事かwその時に日和が料理始めた頃の事思い出してさ。今思い返せばあの頃から俺のためにって、頑張ってくれてたんだよな…。改めてありがとな。今となっては、日和の飯じゃないと何か物足りないんだよな〜w」 日和:「ふふ、ありがと。これで足りない物はないよね?コレもコレもあるし…大丈夫!」 幸輔:「よし、じゃあ帰ろうぜ!俺達の家に!」 日和:「うん!」 -:……………… 幸輔:「ただいまー。あーやっぱ俺達の家が一番だよなー」 日和:「そうだね。私達の家が一番!」 幸輔:「あー、やっぱソファ落ち着くわー」 日和:「ホントだね(笑)ねぇ、幸輔」 幸輔:「ん?どした?」 日和:「おかえり」 幸輔:「あぁ、ただいま」 日和:「ふふ。『おかえり』って言って、『ただいま』って返って来るのって…嬉しいよね」 幸輔:「日和に『おかえり』って言われると、なんか安心するんだよなー」 日和:「ふふ。じゃあその安心が長続きする様に、これからは無理をせず休む事!分かった?」 幸輔:「うっ…分かった…」 日和:「それから、私のお願い事だけどさ〜?」 幸輔:「お、おう…」 日和:「まず1個目は〜…、またデートいっぱい行こ!」 幸輔:「おう!それは約束したからな。行こうな!」 日和:「2個目は〜…、時々2人で休み合わせて短くても良いから、旅行に行きたい!」 幸輔:「それも任せろ!今回の事で思い知らされたしwそれに、また直談判に行かれてもだし?w」 日和:「あの時は必死だったの!(笑) 3個目は〜…、幸輔が入院してる間の家事頑張ったから、しばらくは幸輔の当番ね!」 幸輔:「洗い物は任せろ!完璧にしてやる!w…あ、料理作るのだけはお願いします…」 日和:「分かってるよ(笑)この前幸輔に料理作らせたら、すごい事になったもんね(笑)あんなの初めて見たし(笑)」 幸輔:「なぁ…今度さ、料理教えてくんない?」 日和:「良いよ?今度一緒になんか簡単な物作ってみよっか?(笑)ん〜、今思い付くお願いはこのぐらいかも(笑)」 日和N):この後もゲームしたり、動画を観たりして久しぶりに2人の時間を満喫した。ふと時計を見ると、夕飯時だった。 日和:「そろそろ揚げ始めようかな〜。幸輔は病み上がりだし…少なめで良いよね?(笑)」 幸輔:「はぁ!?めっちゃ楽しみにしてたんだからな!大盛りだよ!大盛り!」 日和:「冗談だってば〜(笑)大盛りね、了解(笑)幸輔はお皿出し…」 幸輔:「ああ、食器なら出したぞ?」 日和:「てある(笑)なんか…すごい勢いで左右にブンブンしてる尻尾が見える気が…(笑)ご飯よそってくれ…」 幸輔:「もうよそったぞ?」 日和:「早っ(笑)お味噌汁は…」 幸輔:「もう入れたぞ?」 日和:「じゃあ千切りキャベツは…」 幸輔:「もう皿に盛ってあるぞ?後は唐揚げ待ちだな!」 日和:「すごい…こんなに目の輝いてる幸輔、初めて見たかも(笑)大型犬のワンちゃんみたい(笑)」 幸輔:「ん?なんか言ったか?それより唐揚げまだか?」 日和:「あのね〜、揚げ物って時間かかるんだよ?もうすぐ出来るから座ってて?」 幸輔:「大盛りで頼むぞ!」 日和:「はいはい(笑)仕事とプライベートじゃ全然違うよね〜幸輔(笑)会社だと真面目だから、ちょっと怖がられてるし(笑)」 幸輔:「こんなダラけきった姿見せるの、日和だけだからな?チクるなよ?w」 日和:「え!?わ、私だけ…?えへへ〜///私だけか〜そっか〜えへへ〜」 幸輔:「日和、唐揚げ大丈夫か?」 日和:「ごめんごめん(笑)美味しそうに揚がったから食べよっか。いただきます」 幸輔:「いただきます!(ガツガツ食べてる風に)超うめぇ!やっぱ日和の飯が一番だよな!(ガツガツ食べてる風に)」 日和:「その食べっぷり見てると、私達の日常が戻って来たんだな〜って安心するね(笑)」 幸輔:「王道の醤油ベース!完璧に俺好みの味付けだ!さすが日和!天才だわ!(ガツガツ食べてる風に)」 日和:「ふふーん、天才です(笑)幸輔の好みはおばさんにリサーチ済みだし、これだけ一緒に居ると好みも分かるからね(笑)」 幸輔:「食った食ったー。めっちゃ美味かった!ごちそうさまでした」 日和:「ごちそうさまでした。お粗末でした。ふふ、ありがと。入院前と変わんない食べっぷりで安心したよ〜」 幸輔:「洗い物は俺がやっとくから、日和はゆっくりしてていいぞ?」 日和:「じゃあ…お言葉に甘えてお先にソファでゆっくりしてるね〜」 幸輔:「洗い物終わらせたらそっち行くわ〜」 日和:「私、お化粧したままだった(笑) 洗面所で落として来るね(笑)ついでにお風呂の準備もして来ようかな?」 幸輔:「了解、俺も仕事の書類に不備があったらしいから確認して来るわ」 日和:「仕事モードの時はしっかりしてるのにね〜?(笑)」 幸輔:「ん?どゆこと?」 日和:「別に〜?さーて、お化粧落として来よーっと」 幸輔:「日和は…行った、よな?確か…この辺に……あったあった。よし戻るか」 日和:「ただいま〜。幸輔〜、なんかテレビ観よ〜」 幸輔:「テキトーにチャンネル変えて良さそうなの観るかー」 日和:「なんか面白そうな番組はないかな〜…、あ!はじめてのおつかいだ!これ観ようよ!…可愛い〜子どもって癒されるよね〜」 幸輔:「もし俺が親になったら、送り出せるか分かんねぇわw」 日和:「もし娘が出来たら、幸輔は溺愛して過保護になってそう(笑)」 幸輔:「何だよそれwwそう言やさ、手術が終わった日の夜に不思議な夢見たんだよなー」 日和:「どんな夢だったの?」 幸輔:「それがさー、クリスマスに俺と日和、それから日向(ひなた)って男の子と幸乃(ゆきの)って女の子の4人で飯を食ってたり、プレゼント開けたりしてをみんなで賑やかに過ごしてたんだよ」 日和:「え!?幸輔もその夢見たの!?私の夢も同じ名前の男の子と女の子が出て来た…。こんな偶然もあるんだね〜。すごく幸せそうだったな〜…。大好きな人と家族なれたら…幸せなんだろうな〜…」 幸輔:「俺達さ、幼馴染みでガキの頃からいつも家族同然で一緒に居たよな。日和はいつも俺の後ろ着いて来てさw」 日和:「そんな事もあったね(笑) 昔から一緒に居る事が当たり前過ぎてるもんね、私達(笑)」 幸輔:「高校時代も、クラスの奴らに『そんなに息ぴったりの夫婦漫才までして、お前らホントに付き合ってないのか?w』って言われて、2人してハモって否定して信じてもらえなかったりとかなw」 日和:「あったあった(笑) あの頃はお互い多感な時期だったし、幼馴染みって言う関係性が心地良くて壊したくなかったもんね(笑) それに、幸輔とは付き合う事はないと思ってたし(笑)」 幸輔:「でも、その頃から母さんとかに冗談半分だろうけど『アンタ、日和ちゃんと結婚しないの?』とか『孫の顔が早く見たいわ〜』とか言われ始めたりなw」 日和:「おばさん、 そんな事言ってたの?(笑)うちのお父さんなんて、『幸輔君になら、お前を安心して嫁にやれる』とか言ってたんだよ?(笑)」 幸輔:「おじさん、そんな事言ってたのかw …今回の事で離れて分かったって言うか…思い知らされた事があるんだけどさ…」 日和:「うん…」 幸輔:「日和と一緒に居るから毎日頑張れるし、日和と一緒に出かけるからどこでも楽しいし、日和と一緒に食う飯だから美味いし、日和と一緒に居るから辛い事があっても前を向けるんだ」 日和:「えへへ〜、ありがと///改めて言われると…、なんか照れるね…///」 幸輔:「手術の後、将来の事を色々考えたんだけど…やっぱ俺の隣りは日和以外は考えらんねぇっつーか…」 日和:「うん///」 幸輔:「今までは家族“みたい”に一緒に居たけど…、これからは“本当”の家族になって一緒に居たい。夢で見た様な暖かい家庭を日和となら作っていけると思うんだ。だから……俺と……結婚してください!!」 日和:「っ!!グスッ……はい!!もぢろん!!よろじぐお願いじまずぅ〜!!」 幸輔:「左手、出して?」 日和:「ゔん…。 夢じゃない…よね?」 幸輔:「ほっぺ、摘んでやろうか?w」 日和:「うん、少し強めでお願い」 幸輔:「(日和のほっぺを摘んで)どうだ?痛いか?w」 日和:「いひゃいあ(痛いや)…グスッ…今はこの痛みで現実なんだって分かるから…痛くていいや…」 幸輔:「これで信じたな?w…これからもずっと一緒だ。2人で幸せになろうな?」 日和:「ゔん…、ゔん…、ゔん…」 幸輔:「少しは落ち着いたか?」 日和:「うん…///こんなに幸せな日なら、今日は人生で最高の【幸福日和】だね///」 幸輔:「【幸福日和】か…なんか良いな」 -:[完]

声劇台本【幸福日和】 日和N):私は和田 日和(わだ ひより)。付き合って4年半になる年上の彼氏と同棲してる。名前は福田 幸輔(ふくだ こうすけ)。年上って言っても、子どもの頃から家族ぐるみで仲の良い幼馴染みだから年上感は全然ないんだけどね(笑)幸輔と同じ会社に入ってまさか同じ部署になるなんて思わなくて、当時は安心もあったけど…ちょっと複雑な気持ちの方が勝ってたかも(笑)働き始めて少し経った頃の歓迎会の帰りに幸輔に突然告白されて、最初は酔った勢いの冗談かとも思ったけど…翌日の仕事帰りに真剣な顔で告白してくれて本気だって分かって私もOKした。 -:…………………… 日和N):何気ない幸せが、当たり前だと思っていた日常が、壊れる時はいつだって…なんの前触れも無くやって来る……。 -:…………………… 日和:「幸輔ー、朝ごはん出来たよー」 幸輔:「悪い、なんか食欲なくてさ…。帰って来て食うから冷蔵庫に入れといてくんない?」 日和:「それは全然良いんだけど…」 幸輔:「っと危ね…また目眩(めまい)が…」 日和:「あ、ちょ、大丈夫?最近増えてない?病院で診てもらったら?」 幸輔:「いや〜…今はデカいプロジェクトを任されてるし、簡単には休めないんだよな…」 日和:「そうかも知れないけど…、倒れたらそのプロジェクトに穴をあける事にもなるんだよ?」 幸輔:「それは分かってるけど、うーん…」 日和:「その内、ホントに倒れるよ?私、心配だよ…」 幸輔:「座ってれば大丈夫だから」 日和:「うん…」 幸輔:「…少しマシになったし、仕事の準備して来る。…あ、やべ…」 日和N):ドサッと言う音がしたので見に行くと、幸輔が倒れていた。 日和:「幸輔!?ねぇ!!幸輔!!幸輔!!どうしよう…返事が無い…どうしたらいいの!?えっとえっと…とりあえず救急車!何番だっけ!? #119だ!あーもう!間違えた!落ち着け私!」 -:……………… 日和:「はい…福田 幸輔の付き添いです…。先生!!幸輔はどうなんですか!?…えっ…?過労の他にも手術…?」 日和N):倒れてすぐに搬送された事が幸いし、手術の成功率は高いと聞き一安心。おばさん達に連絡を取って事情を説明して、入院の手続きと手術の同意書を書いてもらい面会時間を聞いて今日は帰る事にした。 -:……………… 日和:「ただいまー…、疲れたー。あ…そうだ…会社に連絡しないと…。それと幸輔の必要な物用意しないと…。会社には連絡入れたし、必要な物は…着替えと、歯ブラシセット、タオルと…、他は買って明日持って行けばいっか。幸輔が起きた時に何も分かんないだろうし、メッセージだけ入れとこ。…これでよしっと」 -:…………………… 幸輔:「ん〜、ここはどこだ…?病院か…。そうだ、俺は今朝倒れて…。日和が救急車呼んでくれて運ばれたのか…。スマホはあるみたいだな。ん?日和からメッセージが入ってるな」 日和→幸輔へ:『今朝、急にドサッて音がして見に行ったら幸輔が倒れてて、呼んでも返事がないし…それでパニックになりながら、何とか救急車呼んで付き添って行ったんだよ?生きた心地がしなかったよ…、ホントに。前から少し休んだら?って言ってたのにさ、私の話聞き流すからこうして疲れが溜まって倒れたんじゃん。私がどれだけ不安で心配したか、分かってますかー? 多分、半分も分かってないと思うけど(笑) 先生に話を聞いたら、過労の他に手術が必要な病気が見つかったんだって。先生が言うには、運ばれたのが早かったから手術の成功率は高いって。安心したよ〜。とりあえず、おばさん達に連絡を取って入院の手続きと同意書を書いてもらったよ。今日は一旦帰るね。会社には事情を説明しといたから、安心してね。明日は休みもらって、入院生活に必要な物を揃えて持って行くね?ゆっくり休んでね〜。おやすみ〜』 幸輔:「日和に迷惑かけちまったな…てか、前半は小言だよなw晩飯か…腹減ってるし…食うか。いただきます。不味くはないけど…なんか物足りねぇなー…。1人で食う飯ってこんなに味気無かったっけ…。朝飯、少しでも食っとけば良かったなー。日和と一緒に食うから、美味かったのかもな…あ〜、早く日和の飯が食いてぇな〜。退院後の日和の飯は泣きながら食う気がするわwメッセージの返信して寝よ」 幸輔→日和へ:『日和、心配と迷惑かけてごめんな。それと、会社や母さんに連絡とか他にも色々サンキューな。さっき晩飯食ったんだけど、めっちゃ味気無かったw早く日和の作ってくれた飯が食いたいですw明日待ってるな?日和もゆっくり休んでな?おやすみ』 幸輔:「これでよしっと。んじゃ、おやすみ」 幸輔N):日和と2人で居る事に慣れすぎた俺にとって、独り言みたいな「おやすみ」は妙に寂しく感じた。 -:……………… 日和N):メッセージで幸輔もご飯時という事を知って、私もご飯にしようと思って冷蔵庫を開ける。 日和:「あ…そっか…、これ食べないと…、いただきます。…今朝と同じ物なのに…なんか味気ない気がする…。幸輔と食べるから美味しかったのかな…。幸輔がいつも美味しそうに食べてくれるから、料理頑張ってた所もあったしね(笑) ごちそうさまでした。ん〜、お風呂はまだ少し早いし…そうだ、幸輔の必要な物準備しないと。…長袖のTシャツ、ズボン、下着、靴下、タオル、脱いだ服を入れる袋、歯ブラシセット。このぐらいで大丈夫かな?他は明日行って幸輔に聞けばいっか。…そろそろお風呂入ろ……ふぅ〜、気持ち良かった〜。明日もバタバタしそうだし、髪乾かしてスキンケアして寝よ」 日和N):いつもなら幸輔が乾かしてくれるんだけど、今日からしばらくはそれもない。 日和:「…よし乾いた。ボディクリーム塗って…化粧水付けて…乳液付けて…。スキンケア終わり〜。おやすみ、幸輔…」 日和N):いつもなら隣りに幸輔が居て、おやすみと言えばおやすみと返って来た。でも今日からしばらくはそれもない。広々としたベッドと、返って来ない「おやすみ」に寂しさを感じながら目を閉じた。 -:……………… 日和:「ふぁ〜…幸輔〜おはよ〜…あ、そっか…昨日から入院してるんだった…」 日和N):広々としたベッドに幸輔が居ないんだ、と現実を突き付けられる。 日和:「軽く朝ご飯食べて、持って行く物準備しよ。…んー、このくらいでいいや。多分また味気ないだろうし。いただきます。…あ、昨日よりちょっと美味しいかも…。幸輔に会えるからかな?会えるって分かっただけで感じ方ってこんなに違うんだな〜…。美味しかった〜、ごちそうさまでした。あ、そうだ。幸輔に面会時間伝えとこ」 日和→幸輔へ:『おはよ〜。10時くらいに入院生活に必要な物持って面会行くね』 日和:「これでOKっと」 -:…………………… 幸輔:「ふぁ〜…それなりに寝れたか〜。ん?日和からメッセージが入ってるな。今日必要な物持って来てくれるって言ってたな」 幸輔→日和へ:『おはよ。色々準備してくれてありがとな。マジで助かる。待ってるな〜』 幸輔:「これでよしっと…。朝飯な〜…食うけど…どーせ今日も味気ないだろうな〜。いただきます。…相変わらず味薄いけど、昨日よりは美味いな。日和が来てくれるって分かったからか?どんだけ日和を好きなんだよ俺はwごちそうさま。暇だし、スマホゲームでもするか」 -:…………………… 日和:「ん〜、そろそろ出ようかな〜」 日和N):15分くらい運転して幸輔が入院してる病院に向かう。病院に着いて、受け付けで幸輔の病室を聞く。 日和:「幸輔〜、おはよ〜。必要な物持って来たよ〜」 幸輔:「おはよー。色々ありがとな」 日和:「長袖のTシャツ、ズボン、下着、靴下、タオル、脱いだ服を入れる袋、歯ブラシセット。他に要る物ある?」 幸輔:「ん〜、ふせんとボールペンかな」 日和:「ふせんとボールペンね、了解。明日の仕事終わりに持って来るね。あ、聞いて?今朝 ご飯食べたんだけど、昨日より美味しかったんだ〜。不思議」 幸輔:「あー、俺もそれ思ったw味薄いのは変わんないんだけど、昨日より美味かったんだよなー」 日和N):そんな事を話してると、先生が入って来た。2人で診察室に呼ばれ、詳しい検査結果を聞く。漠然としていた事が一気に現実味を帯びる。 幸輔:「日和が早く救急車呼んでくれたお陰で、そんなに難しい手術にはならないってさ。すぐ元気になってやる!」 日和N):幸輔が私に笑顔を向けて言う。ふと、幸輔の手元を見ると少し震えていた。私を不安にさせない様に、いつも通りに振舞ってるつもりなのが分かった。だから私も気付かない振りをした。 日和:「ホントに良かったよ〜、幸輔ならすぐ元気になりそう(笑)」 幸輔:「ちょっと気持ちの整理したいんで…明日意外で手術お願い出来ないっすか?…明日以外だと水曜の夕方?それでお願いします」 日和N): 先生の話を聞き終えて、幸輔と病室に戻る。 日和:「先生に呼ばれて聞きそびれたけど、何でふせんとボールペンが要るの?」 幸輔:「あー、俺が任されてたプロジェクトの一部を後輩に引継いで貰う事になってさ。要点を書き出しておく様に言われてな」 日和:「なるほどね、どのサイズが良いとかあったりする?」 幸輔:「俺のデスクにある正方形のやつが良いな。それで書けたら、日和に届けるのお願いしても大丈夫か?」 日和:「了解。じゃあ明日持って来て、すぐ書く?それで私が明後日会社に持って行って高杉さんに渡せば良いんだね?」 幸輔:「あぁ、それで頼む。ありがとな」 日和:「あ、もうお昼が近いね。あんまり長居しても悪いし、今日は帰るね?明日の仕事帰りにまた来るね?」 幸輔:「あぁ、気を付けてな?」 -:……………… 日和:「幸輔、顔色も良かったし過労の方は回復傾向にあるみたいでちょっと安心した。後は手術か…。病気に効くお守りとか…無いかな?調べて見つけたら行ってみようかな?…えーっと、病気に効くお守りがある神社 で検索っと…。あ!あった!ふむふむ…よし!行ってみよ!」 日和N):ナビを頼りに神社に着いて、幸輔の手術が成功しますように と参拝を終えた。そして、お守りを買おうと社務所に行き 日和:「あのー、すみません。病気の人に効くお守りがあるって聞いたんですけど…。それだと思います。1つお願いします。ありがとうございます」 日和N):お目当てのお守りを買って社務所を後にする。 日和:「残り少なかったから買えて良かった〜。手術の前にお見舞い行った時に渡そっと。さて、お守りも買えたしスーパーで買い物して帰ろ〜」 -:……………… 幸輔:「『過労の方が良くなってきてるので、ナースステーションで届けを出して貰えば一時帰宅OKですよ』って?ありがとうございます。やっとだ〜。一時帰宅の許可も出たし、これで日和が明日ふせんを持って来てくれたら、考えてた事を形に出来るな。俺も日和も知ってる奴で日和に仕事を振れるのは…、高杉か。メッセージで相談してみるか」 幸輔N):俺は高杉にメッセージで現状と考えてる事を相談した。返ってきたのは、過労が回復した事への安堵と手術へのエールと相談した事の了承の返事だった。 幸輔:「久々に高杉と話せて楽しかったなー。…こーゆー事する柄じゃないし、イメトレでもしながら院内の散歩でもするか…。日和、どんな反応するんだろ?泣くか?怒ってなんか言って来るか?なんにしろ、楽しみだなw」 幸輔N):そんな事を考えながらブラついてたら、結構歩いてたみたいで、スマホを見たらもうすぐ晩飯の時間だから病室に戻る事にした。 幸輔:「いただきます。…病院食にも慣れてきたけど…味気ねぇのは変わんねぇよな…。マジで日和の飯が早く食いてぇwそう言や、日和が剥いてくれたリンゴが冷蔵庫にあったよな…。美味い…。リンゴの方が美味いとか何だよw…ごちそうさま。そうだ、あれの内容考えないとな…1つ目は…。ふぁ〜、眠くなってきたな。また改めて考えよ。日和にメッセージ返して寝るか」 -:……………… 日和:「高杉さんお疲れ様です。はい、今日も仕事終わりに幸輔のお見舞いに行きますけど…。プロジェクトのデータが入ったUSBを幸輔の書いたふせんと一緒に明日持って来て欲しい?分かりました。幸輔に聞いてみます」 -:……………… 日和:「幸輔〜、頼まれたふせんとボールペン持って来たよ〜」 幸輔:「おー日和ー、 サンキューな。早速書くわ」 日和:「それと高杉さんが、プロジェクトのデータが入ったUSBとふせんが要るって」 幸輔:「あー、俺のパソコンの所に置いてある。保存はしてあるから、持って行っても大丈夫だぞ」 日和:「了解。ふせん、後どのくらいで書き終わる?」 幸輔:「後2枚くらいかな?……よし、終わった。じゃあこれ、USBと一緒に高杉に渡しておいてな?なんか、日和を使うみたいになって悪いな」 日和:「ううん、気にしないで?仕方ないよ。ふせんとボールペンはまだ使う?」 幸輔:「ああ、先生に言われた事とか書いて残しときたいし」 日和:「そっか、じゃあ置いとくね。あ、そろそろご飯かな?」 幸輔:「そうだな。ぼちぼちかもな」 日和:「私もお腹空いたし、スーパーで買い物して帰ろ〜」 幸輔:「早く日和の飯が食いたいわw」 日和:「私も早く一緒に食べたい(笑) 退院したら、幸輔の大好きな唐揚げ作るね?」 幸輔:「よっしゃ!これで病気に勝つ理由が増えたな!w 」 日和:「幸輔がいつも美味しそうに食べてくれるの、実は結構嬉しかったりするんだよ?(笑) 」 幸輔:「美味そうにじゃなくて、美味いんだよw」 日和:「ふふ、ありがと(笑)じゃあまた来るね〜」 幸輔:「ああ、気を付けてなー」 -:……………… 日和N):今日は最近作ってなかった唐揚げを作るために少し多めに買い物をして帰った。 -:……………… 日和:「ごちそうさま〜。ふぅ〜、お腹いっぱい。美味しかったけど…ちょっと食べ過ぎたかも(笑)でも幸輔の好きな味も作れたから、お腹も心も満足かな?少し休憩してから洗い物しよ(笑)」 -:……………… 幸輔:「1つ目の内容はどうするか…。よし、あの事にしよw…これで1つ目完成っと。2つ目は…」 幸輔N):数枚のふせんを書き終えた頃、晩飯が運ばれて来た。 幸輔:「もう飯か。いただきます。…薄味には慣れても、この物足りなさには慣れねぇなー。ごちそうさま。んー、飯の後って暇だよなー。いつも通り、漫画やスマホゲームで時間潰すか…。ん〜、明日の夕方には手術か…。日和には平気な振りしてたけど…、怖ぇなw日和とは昔からの付き合いだし見透かされてそうだけどなw日和にメッセージ入れて寝るか」 幸輔→日和へ:『明日の夕方には手術だけど、全然実感ないわw絶対元気になって日和の作った唐揚げ食いたいから信じて待っててくれ。んじゃ、おやすみ』 -:……………… 日和:「高杉さん、これから外回りですか?これ、コピーを頼まれてた資料です。気を付けて行ってらっしゃい」 -:……………… 幸輔:「高杉、忙しいのに協力してもらって悪いな。お前ぐらいしか思い浮かばなくてw家までナビするから頼むわ。このお礼は復帰したら飯でも奢るわwサッと済ませて来るから少し待っててくれ」 -:……………… 幸輔:「この2枚は靴箱に貼って、次は……よし、全部貼れたな。日和、どんな反応するか楽しみだなw」 -:……………… 幸輔:「高杉、マジで助かった。サンキューな。おう、早く復帰出来る様に頑張るわ!外回り気を付けてな。飯奢る約束は忘れねぇよw…またな!」 幸輔N):高杉を見送って病室に戻る。手術の時間が迫り徐々に実感と緊張感が増していく。そんな時 日和:「やっほ〜、幸輔この後手術だから、時間給使って早めにお見舞いに来たよ〜。お花のお水替えとくね〜」 幸輔:「この繁忙期によく申請通ったな〜w」 日和:「今朝、社長に直談判に行って勝ち取って来ちゃった(笑)」 幸輔:「勝ち取って来ちゃったってwwwしかも今朝かよwww相変わらず、ぶっ飛んだ事するよな〜wwwあ〜、今ので緊張ほぐれたわwwwサンキューなwww術後じゃなくて良かったわ〜ww術後は笑わせんなよ?www」 日和:「どういたしまして…?私、変な事したかな?笑わせるなって何の事?」 幸輔:「分かってないならいいやwwwやっぱ、日和には敵わねぇな〜ww」 日和:「はい!これ、病気に効くお守り!有名な神社でお祈りして来たよ!」 幸輔:「お祈りまでしてくれたのか?wめっちゃ心強いわw」 日和:「これがあれば大丈夫!絶対に手術は成功するよ!それで退院したら、またデートいっぱい行こ!」 幸輔:「あぁ、またデートいっぱい行こうな。あ、そうだ。俺達の家に手紙置いといたから、読んでな?」 日和:「手紙?帰ったら読むね。今度は手術の後くらいにお見舞いに来るね?またね〜」 幸輔:「お守り握って絶対に日和の所に帰るからな!おう、またな。気を付けて帰ってなー。…キツいな…気付かれてないよな…?ホントは手術すげぇ怖い…」 日和:「(病室の外に出て扉にもたれかかって、独り言の様に)私達何年一緒に居ると思ってんの?幼馴染みで今は幸輔の彼女だよ?気付かない訳ないじゃん…バカ…」 幸輔:「でも…、日和に元気になってまたデート行くって言ったもんな…。気合い入れろよ、俺!」 日和:「(病室の外に出て扉にもたれかかったまま独り言の様に)お祈りもした、お守りも渡した。うん、幸輔は元気で帰って来る。大丈夫!今日は帰るね。また来るからね」 -:……………… 日和:「ただいま〜、玄関の電気を点けてっと…。ん?靴箱にふせんが貼ってある?えーっと…?」 幸輔:『おっ!早速気付いたな?普段は照れ臭くて言わないけど、日頃の感謝をふせんに書いて貼ってあるから、家の中を探して読んでみてな?メッセージは隣のふせんから➡︎』 日和:「何なに…」 幸輔:『1個目。日和と色んな所にデート行ったよな〜。一緒に行ってくれてありがとう。特にお化け屋敷で俺にくっ付いて来た日和はめっちゃ可愛かったw次はキッチン!』 日和:「そんな事もあったな〜(笑) 怖かったけど、幸輔が意外に鍛えててちょっとドキッとしたのは内緒にしとこ(笑) 次はキッチンね…、あった」 幸輔:『2個目。いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう。日和の料理が世界一だ!次はダイニングテーブルの上!』 日和:「ふふ…いつも美味しそうに食べてくれるから、作り甲斐があるんだよね〜。幸輔が退院した後のご飯も頑張ろ!次はダイニングテーブルの上ね…、あった」 幸輔:『3個目。次のデートはあそこに行きたいとか、このお菓子が美味しいとか、2人で色んな話をしたよな。楽しい時間をありがとう。次はソファの上!』 日和:「ホントに色んな話したな〜(笑) …またあんな風に過ごしたいな…。次はソファっと…、あった」 幸輔:『4個目。一緒にテレビ観て笑ったり、日和に耳かきしてもらったり、俺が膝枕したり。のんびりタイムが好きだったな〜。安心出来る時間をありがとう。次は寝室!』 日和:「帰って来て一番長い時間一緒に居たのがソファじゃないかな?私ものんびりタイム好きだよ。次は寝室ね…、あった」 幸輔:『5個目。日和がこれを読む頃、俺は手術が終わって寝てるんだろうな〜。絶対元気になって、日和の所に帰るから笑顔で迎えてな?wいっぱいケンカして、その度に仲直りしてもっとお互いを好きになって。俺を好きになってくれて、4年半もの間俺の恋人で居てくれてありがとう。俺を愛してくれて本当にありがとう。俺も日和を愛してる。』 日和:「ん?寝室のふせんだけ2枚重なってる…?」 幸輔:『最後にもう1つだけあるけど…それは退院してから直接言うから待ってて欲しい。』 日和:「って…グス…体調悪いのにさぁ…こんな事してさぁ…グス…絶対に直接言った方が早いじゃん…グス…。幸輔のバカぁ…グス…こんなの…待つしか…ないじゃんかぁ…グス…ホントにズルいよ…幸輔のバカぁ…絶対に…元気になって…帰って来ないと…許さないんだから…。帰って来たら一言言わないと気が済まないよ…。今日はこのまま寝よ…。」 日和N):泣き疲れもあって、いつの間にか寝てしまった私はこの夜不思議な夢を見た。その夢では…私と幸輔、それに日向(ひなた)と呼ばれた男の子と幸乃(ゆきの)と呼ばれた女の子の4人で賑やなクリスマスを過ごしている風景で、みんなでご飯を食べたり、ツリーの飾り付けをしていて、とても幸せそうだった。 日和:「ふぁ〜、なんか不思議な夢だったな〜。あの男の子と女の子は誰だったんだろ…?ま、いっか」 -:……………… 幸輔N):手術を終えた日の夜、俺は不思議な夢を見た。その夢では…俺と日和、それに日向(ひなた)と呼ばれた男の子と幸乃(ゆきの)と呼ばれた女の子の4人で賑やかなクリスマスを過ごしている風景で、みんなで飯を食ったり、プレゼントを開けたりと、とても幸せそうだった。 幸輔:『(意識は覚醒してない心の声の様に)あの2人の子どもは誰だ…?分かんねぇけど、すげぇ暖かい感じだったな…』 幸輔N):この時は夢の事は深く考えていなかった。 幸輔:「んー、結構寝たなー。それにしても、不思議な夢だったなー」 幸輔N):意識が戻った俺はナースコールで看護師さんを呼び、病室で先生と話す。 幸輔:「少しぼーっとしますけど…、特に気持ち悪くもないです」 幸輔N):看護師さんに頼んで朝飯を持って来てもらう。 幸輔:「いただきます。…相変わらず味薄っ…ごちそうさまでした。食ってても気持ち悪くなかったし、良かったな」 幸輔N):少し時間を潰していると、本調子じゃないからか眠気か来た。 幸輔:「ふぁ〜…少し寝るか…」 幸輔N):目が覚めると昼を回っていた。 幸輔:「ん〜…もう昼か…。飯が置いてあるな。いただきます。…相変わらず物足りねぇなー…ごちそうさまでした。暇だし漫画でも読むか」 幸輔N):夢中で読んでいたらしく、気付けば夕方だった。 幸輔:「もう少しで日和の仕事終わる時間か…。あ、やべ。日和に病室変わったの言ってねぇwまぁ看護師さんに聞くかw」 -:……………… 日和:「幸輔〜術後の体調はどお〜…って、幸輔のベッドが無い!?まさか!?嘘、だよね…?とりあえず、ナースステーションに行ってみよ…」 幸輔:「日和?こんなとこで何してんの?」 日和:「っ!グス…幸輔っ!!」 幸輔:「っと…、急に抱きついたら危ねぇってw」 日和:「病室変わったなら…ちゃんと教えてよぉ…バカぁ…病室行ったら居ないから、最悪の想像しちゃったじゃん!!バカぁ…」 幸輔:「いやー、看護師さんに聞くかと思ってwそれと、バカバカ言い過ぎじゃね?w」 日和:「だって…幸輔がバカなんだもん…。あの状況なら誰だって最悪な想像しちゃうって…。手術、成功したんだよね…よがっだよ〜…グス…」 幸輔:「心配かけてごめんな。よしよし。昨日意識が戻ってな。日和がくれたお守り、めっちゃ勇気貰えて頑張れた。ありがとな」 日和:「グス…ホントによがっだ〜」 幸輔:「あ、手紙読んだか?」 日和:「読んだか?じゃないよ!涙引っ込んだじゃん!(笑) 体調悪いのに…いつの間にあんな事したの?」 幸輔:「手術の日の午前中、高杉が外回りに出たろ?その時に病院まで来てもらって家まで乗せてもらって、家の中にふせん貼ってまた病院まで送ってもらったんだよ」 日和:「そんな事してたの(笑) 高杉さんまで巻き込んで。あんな事書かれたら…待つしかないじゃん…幸輔のバカ」 幸輔:「ごめんてwけど、これで退院したらデートいっぱい行けるな」 日和:「それも嬉しいんだけど、手紙に書いてあった6個目がめっちゃ気になるんだけど?(笑)」 幸輔:「あー…それは俺が退院してから改めてちゃんと言うわ」 日和:「そっか〜、分かった。退院日は決まった?」 幸輔:「ん〜、このまま安定してれば今週末の午前中って言われたな」 日和:「分かった、迎えに来るね」 幸輔:「ありがとな。心配かけたお詫びに、退院したら何でも言う事聞くわw」 日和:「ホントに!?やったー!何にしよっかなー?♪考えとくね!」 幸輔:「お手柔らかに頼むな?」 日和:「どうしよっかな〜、考えるだけでワクワクするな〜♪」 幸輔:「そろそろ飯だから戻んないとな」 日和:「そっか〜また来るね〜。お願い事、考えとこ♪」 幸輔:「あぁ、またなー」 -:……………… 日和:「(独り言の様に)退院したらお願い事いっぱいしてやるから、覚悟しといてよね!でもまぁ、手術頑張ったから幸輔の好きな物たくさん作ってあげよ。ふふ」 -:……………… 日和N):幸輔の手術が終わった日から数日経って幸輔の退院日。 日和:「幸輔〜、迎えに来たよ〜、準備出来てる〜?」 幸輔:「あぁ、出来てる」 日和:「退院手続きも終わったし、お世話になった先生方に挨拶して帰ろっか」 -:……………… 日和N):幸輔の荷物をトランクに積み終えて車に乗り込み、病院の駐車場を出る。 幸輔:「あー、やっと家に帰れるーwやっと日和の飯が食えるーw」 日和:「退院して最初のご飯は何食べたい?」 幸輔:「日和、分かんねぇの?」 日和:「もちろん分かってるよ?せーので言う?」 幸輔&日和:「せーの!唐揚げ!」 幸輔:「さすが日和、分かってんじゃん」 日和:「伊達に長く一緒に居ないからね〜(笑)幸輔、単純だしね〜(笑)」 幸輔:「酷くね!?あーあ、今度また日和の大好きなシュークリーム買って帰ろうと思ってたのにな〜?」 日和:「幸輔こそ、そんな事言うんだ〜?じゃあ…今夜はお粥食べる?(笑)」 幸輔:「神様 仏様 日和様!今度シュークリームと追加でケーキも買うので…今日の所は何卒…!」 日和:「分かればよろしい!(笑)ちゃんと唐揚げ作るから安心して(笑)買い忘れた物あるからスーパー寄っていい?」 幸輔:「もちろん良いぞ!すぐ行こう!」 日和:「安全運転で行くからね(笑)」 -:……………… 日和N):スーパーに着いて、足りない物をカゴに入れつつ2人で歩きながら 日和:「入院前は、仕事終わりにこうして2人でスーパーで買い物して帰るのが当たり前だったよね」 幸輔:「そうだったな〜、今日の晩飯はアレが食いたいとか、コレは嫌いだから入れないでくれとか、そんな事言いながら買い物してたなw」 日和:「でも…今回の事で幸輔と離れて1人で買い物してて思ったんだ…。自分だけだとテキトーになっちゃうし、何より楽しくないんだなって。これからは、前よりもっと幸輔と過ごす時間はどんな時でも大切に思えるんだろうなって」 幸輔:「そうだな〜、俺も病院食を食ってて、どんだけ日和の飯が恋しかった事かwその時に日和が料理始めた頃の事思い出してさ。今思い返せばあの頃から俺のためにって、頑張ってくれてたんだよな…。改めてありがとな。今となっては、日和の飯じゃないと何か物足りないんだよな〜w」 日和:「ふふ、ありがと。これで足りない物はないよね?コレもコレもあるし…大丈夫!」 幸輔:「よし、じゃあ帰ろうぜ!俺達の家に!」 日和:「うん!」 -:……………… 幸輔:「ただいまー。あーやっぱ俺達の家が一番だよなー」 日和:「そうだね。私達の家が一番!」 幸輔:「あー、やっぱソファ落ち着くわー」 日和:「ホントだね(笑)ねぇ、幸輔」 幸輔:「ん?どした?」 日和:「おかえり」 幸輔:「あぁ、ただいま」 日和:「ふふ。『おかえり』って言って、『ただいま』って返って来るのって…嬉しいよね」 幸輔:「日和に『おかえり』って言われると、なんか安心するんだよなー」 日和:「ふふ。じゃあその安心が長続きする様に、これからは無理をせず休む事!分かった?」 幸輔:「うっ…分かった…」 日和:「それから、私のお願い事だけどさ〜?」 幸輔:「お、おう…」 日和:「まず1個目は〜…、またデートいっぱい行こ!」 幸輔:「おう!それは約束したからな。行こうな!」 日和:「2個目は〜…、時々2人で休み合わせて短くても良いから、旅行に行きたい!」 幸輔:「それも任せろ!今回の事で思い知らされたしwそれに、また直談判に行かれてもだし?w」 日和:「あの時は必死だったの!(笑) 3個目は〜…、幸輔が入院してる間の家事頑張ったから、しばらくは幸輔の当番ね!」 幸輔:「洗い物は任せろ!完璧にしてやる!w…あ、料理作るのだけはお願いします…」 日和:「分かってるよ(笑)この前幸輔に料理作らせたら、すごい事になったもんね(笑)あんなの初めて見たし(笑)」 幸輔:「なぁ…今度さ、料理教えてくんない?」 日和:「良いよ?今度一緒になんか簡単な物作ってみよっか?(笑)ん〜、今思い付くお願いはこのぐらいかも(笑)」 日和N):この後もゲームしたり、動画を観たりして久しぶりに2人の時間を満喫した。ふと時計を見ると、夕飯時だった。 日和:「そろそろ揚げ始めようかな〜。幸輔は病み上がりだし…少なめで良いよね?(笑)」 幸輔:「はぁ!?めっちゃ楽しみにしてたんだからな!大盛りだよ!大盛り!」 日和:「冗談だってば〜(笑)大盛りね、了解(笑)幸輔はお皿出し…」 幸輔:「ああ、食器なら出したぞ?」 日和:「てある(笑)なんか…すごい勢いで左右にブンブンしてる尻尾が見える気が…(笑)ご飯よそってくれ…」 幸輔:「もうよそったぞ?」 日和:「早っ(笑)お味噌汁は…」 幸輔:「もう入れたぞ?」 日和:「じゃあ千切りキャベツは…」 幸輔:「もう皿に盛ってあるぞ?後は唐揚げ待ちだな!」 日和:「すごい…こんなに目の輝いてる幸輔、初めて見たかも(笑)大型犬のワンちゃんみたい(笑)」 幸輔:「ん?なんか言ったか?それより唐揚げまだか?」 日和:「あのね〜、揚げ物って時間かかるんだよ?もうすぐ出来るから座ってて?」 幸輔:「大盛りで頼むぞ!」 日和:「はいはい(笑)仕事とプライベートじゃ全然違うよね〜幸輔(笑)会社だと真面目だから、ちょっと怖がられてるし(笑)」 幸輔:「こんなダラけきった姿見せるの、日和だけだからな?チクるなよ?w」 日和:「え!?わ、私だけ…?えへへ〜///私だけか〜そっか〜えへへ〜」 幸輔:「日和、唐揚げ大丈夫か?」 日和:「ごめんごめん(笑)美味しそうに揚がったから食べよっか。いただきます」 幸輔:「いただきます!(ガツガツ食べてる風に)超うめぇ!やっぱ日和の飯が一番だよな!(ガツガツ食べてる風に)」 日和:「その食べっぷり見てると、私達の日常が戻って来たんだな〜って安心するね(笑)」 幸輔:「王道の醤油ベース!完璧に俺好みの味付けだ!さすが日和!天才だわ!(ガツガツ食べてる風に)」 日和:「ふふーん、天才です(笑)幸輔の好みはおばさんにリサーチ済みだし、これだけ一緒に居ると好みも分かるからね(笑)」 幸輔:「食った食ったー。めっちゃ美味かった!ごちそうさまでした」 日和:「ごちそうさまでした。お粗末でした。ふふ、ありがと。入院前と変わんない食べっぷりで安心したよ〜」 幸輔:「洗い物は俺がやっとくから、日和はゆっくりしてていいぞ?」 日和:「じゃあ…お言葉に甘えてお先にソファでゆっくりしてるね〜」 幸輔:「洗い物終わらせたらそっち行くわ〜」 日和:「私、お化粧したままだった(笑) 洗面所で落として来るね(笑)ついでにお風呂の準備もして来ようかな?」 幸輔:「了解、俺も仕事の書類に不備があったらしいから確認して来るわ」 日和:「仕事モードの時はしっかりしてるのにね〜?(笑)」 幸輔:「ん?どゆこと?」 日和:「別に〜?さーて、お化粧落として来よーっと」 幸輔:「日和は…行った、よな?確か…この辺に……あったあった。よし戻るか」 日和:「ただいま〜。幸輔〜、なんかテレビ観よ〜」 幸輔:「テキトーにチャンネル変えて良さそうなの観るかー」 日和:「なんか面白そうな番組はないかな〜…、あ!はじめてのおつかいだ!これ観ようよ!…可愛い〜子どもって癒されるよね〜」 幸輔:「もし俺が親になったら、送り出せるか分かんねぇわw」 日和:「もし娘が出来たら、幸輔は溺愛して過保護になってそう(笑)」 幸輔:「何だよそれwwそう言やさ、手術が終わった日の夜に不思議な夢見たんだよなー」 日和:「どんな夢だったの?」 幸輔:「それがさー、クリスマスに俺と日和、それから日向(ひなた)って男の子と幸乃(ゆきの)って女の子の4人で飯を食ってたり、プレゼント開けたりしてをみんなで賑やかに過ごしてたんだよ」 日和:「え!?幸輔もその夢見たの!?私の夢も同じ名前の男の子と女の子が出て来た…。こんな偶然もあるんだね〜。すごく幸せそうだったな〜…。大好きな人と家族なれたら…幸せなんだろうな〜…」 幸輔:「俺達さ、幼馴染みでガキの頃からいつも家族同然で一緒に居たよな。日和はいつも俺の後ろ着いて来てさw」 日和:「そんな事もあったね(笑) 昔から一緒に居る事が当たり前過ぎてるもんね、私達(笑)」 幸輔:「高校時代も、クラスの奴らに『そんなに息ぴったりの夫婦漫才までして、お前らホントに付き合ってないのか?w』って言われて、2人してハモって否定して信じてもらえなかったりとかなw」 日和:「あったあった(笑) あの頃はお互い多感な時期だったし、幼馴染みって言う関係性が心地良くて壊したくなかったもんね(笑) それに、幸輔とは付き合う事はないと思ってたし(笑)」 幸輔:「でも、その頃から母さんとかに冗談半分だろうけど『アンタ、日和ちゃんと結婚しないの?』とか『孫の顔が早く見たいわ〜』とか言われ始めたりなw」 日和:「おばさん、 そんな事言ってたの?(笑)うちのお父さんなんて、『幸輔君になら、お前を安心して嫁にやれる』とか言ってたんだよ?(笑)」 幸輔:「おじさん、そんな事言ってたのかw …今回の事で離れて分かったって言うか…思い知らされた事があるんだけどさ…」 日和:「うん…」 幸輔:「日和と一緒に居るから毎日頑張れるし、日和と一緒に出かけるからどこでも楽しいし、日和と一緒に食う飯だから美味いし、日和と一緒に居るから辛い事があっても前を向けるんだ」 日和:「えへへ〜、ありがと///改めて言われると…、なんか照れるね…///」 幸輔:「手術の後、将来の事を色々考えたんだけど…やっぱ俺の隣りは日和以外は考えらんねぇっつーか…」 日和:「うん///」 幸輔:「今までは家族“みたい”に一緒に居たけど…、これからは“本当”の家族になって一緒に居たい。夢で見た様な暖かい家庭を日和となら作っていけると思うんだ。だから……俺と……結婚してください!!」 日和:「っ!!グスッ……はい!!もぢろん!!よろじぐお願いじまずぅ〜!!」 幸輔:「左手、出して?」 日和:「ゔん…。 夢じゃない…よね?」 幸輔:「ほっぺ、摘んでやろうか?w」 日和:「うん、少し強めでお願い」 幸輔:「(日和のほっぺを摘んで)どうだ?痛いか?w」 日和:「いひゃいあ(痛いや)…グスッ…今はこの痛みで現実なんだって分かるから…痛くていいや…」 幸輔:「これで信じたな?w…これからもずっと一緒だ。2人で幸せになろうな?」 日和:「ゔん…、ゔん…、ゔん…」 幸輔:「少しは落ち着いたか?」 日和:「うん…///こんなに幸せな日なら、今日は人生で最高の【幸福日和】だね///」 幸輔:「【幸福日和】か…なんか良いな」 -:[完]